12/21 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

▼グローリー<6457>が続落――個人の投げ売りも
３日続落。一時は前日比115円安の2250円まで下げた。「外資系ファンドの整理売りに押されている」（大手証券）との見方があった。外国人の持ち株比率は９月時点で 30.2％あり、３月比でわずかだが1.9ポイント上回っている。外国人売りを懸念した個人投資家の投げ売りもみられるという。14日時点の信用買い残は 70万株強と、最近のボトムである10月中旬からみると５倍近くにもなっている。「絶対数は決して多いとはいえないものの、10月半ば以降、株価の下げがきつく、思惑外れの相場展開となっていることへの失望感も大きいのではないか」とする声が市場では聞かれた。足元の業績は好調だが、買い手不在といわれる中で、「今後は年初来安値の2080円が意識される」とする見方もあった。

▼ＡＤＭ<3335>が上場来安値更新――今期業績見通しに失望感
続落。一時は前日比30円安の501円まで下げ、５日連続で上場来安値を更新した。半導体商社。20日、2007年10月期決算と同時に08年10月期通期の連結経常利益は前期比27％増の３億2800万円との見通しを示した。国内半導体市場の拡大観測を背景に前期の経常減益から増益に転じるとしたものの、「06年10月期（３億4200万円）や05年10月期（４億4800万円）に比べ低水準であることに失望した投資家の売りが出ている」（準大手証券）とみられる。07年10月期決算は、ほぼ従来予想の水準となった。

▼小野薬<4528>が続落――年末控え整理売りに押される
続落。年末を控えて海外の機関投資家の整理売りに押され、一時は前日比160円安の5240円まで下げ、11月12日に付けた年初来安値（5250円）を更新した。後発医薬品との競争激化による利益圧迫懸念も根強い。2008年３月期通期の連結経常利益は前期比４％減の545億円になる見通しで、特許切れが相次ぐ 2010年問題も控えている。前日の取引終了後には、日産化学工業（4021）と血小板減少症治療薬についてライセンス契約を結んだと発表したが、株価に大きくは響かなかった。配当利回りが約3.4％とあることから下値では買いが入りやすいと見られる。市場では「5000円が下値のめどではないか」（大手証券）との見方がある。

▼商船三井<9104>など海運株が下落――運賃下落、中国利上げで
商船三井、川崎汽<9107>、郵船<9101>など海運株が安い。商船三井は反落し、前日比55円安の1381円まで売られる場面があった。国際運賃指標のバルチック海運指数（ＢＤＩ，1985年平均＝1000）の低下が続いていることが売り材料。「鉄鋼原料輸入が増加している中国で金利が引き上げられ、同国経済の先行きに慎重な見方が出てきていることが売りのきっかけになっている」（東海東京調査センターの矢野正義シニア・マーケットアナリスト）との見方もあった。ＢＤＩは11月13日に過去最高値となる１万1039を記録。その後は下落基調を続け、19日時点では最高値から13％低い9591まで切り下げている。

■Ｊ・ＴＥＣ<7774>の初値９万6000円――公開価格を20％下回る
きょう新規上場。売り気配で推移し、公募・売り出し（公開）価格（12万円）を20％下回る９万6000円で初値を付けた。初値を付けた時点で9494株の売買が成立した。公募２万5000株、売り出し8180株（オーバーアロットメントによる追加売り出し3000株を含む）を実施している。
再生医療ベンチャー。富山化<4518>、住生活Ｇ<5938>傘下のＩＮＡＸなどが大株主で、主幹事は野村証券。

△タカラトミー<7867>、「特保」参入・東洋新薬と新会社設立
タカラトミーは特定保健用食品（特保）などの販売事業に参入する。機能性食品や化粧品を開発・製造する東洋新薬（福岡市）との共同出資会社を今月中に設立。タカラトミーが持つ玩具キャラクターなどを活用し特保や健康食品を売り出す。成長市場に足がかりを作りたいタカラトミーと、顧客層拡大を目指す東洋新薬の考えが一致した。新会社「タカラトミーウェルネス」は資本金5000万円で、タカラトミーが55％、東洋新薬が45％出資する。本社は東京都葛飾区のタカラトミー本社内に置き、社長も同社が派遣する。

▼三菱ＵＦＪ<8306>など大手銀行株が下落――ベアー・スターンズ赤字で
大手銀行の三菱ＵＦＪ、三井住友ＦＧ<8316>、みずほＦＧ<8411>がそろって下落。三井住友ＦＧは前日比２万7000円安の83万2000 円まで売られる場面があった。米大手証券のベアー・スターンズが米国時間の20日発表した９―11月期決算が、信用力の低い個人向け住宅融資（サブプライムローン）問題に伴う多額の損失計上によって最終赤字に転落。ベアー・スターンズの株価は悪材料出尽くし感から上昇したが、サブプライム問題そのものへの警戒感が引き続き強く、国内銀行株への売りを誘っている。前日はサブプライム問題の米対策基金への融資枠設定を３行とも見送ると伝わったことで上昇したため、きょうはその反動の売りも出ているようだ。「メガ３行は今後も何らかの形で米国のサブプライム対策に巻き込まれる可能性が残っており、株価の重しになっている」（国内証券）との指摘もあった。

■東京スター<8384>が反落――「アドバンテッジが買収合意」も
反落。前日比4000円安の35万3000円まで下げている。「アドバンテッジパートナーズは20日、米系ファンドのローンスターが保有する東京スター銀行の株式（発行済み株式の68％）を１株36万円で買収することでローンスターと基本合意した」（21日付の日本経済新聞朝刊）と伝わった。買収額は最大で 2520億円という。ただ、すでに14日付の日本経済新聞朝刊は今回の買収額について「2500億円前後で交渉が進んでいる」と報じており、これを織り込む形で、株価は前日20日には35万7000円まで上昇していたため、きょうは利益確定の売りが優勢となっている。報道によれば、アドバンテッジは来年１月にもＴＯＢ（株式公開買い付け）を実施し全株取得を目指す。ＴＯＢが成功すれば東京スターは上場廃止になる。

△オプト<2389>が買い気配――電通<4324>がTOBで持ち分法適用会社に
買い気配で始まり、気配値を前日比２万円高の28万5000円まで上げている。電通（東証１部、4324）が20日、インターネット広告大手でジャスダック上場のオプトにＴＯＢ（株式公開買い付け）を実施し、持ち分法適用会社化すると発表。買い付け価格の１株38万円にさや寄せすると期待した買いが集まっている。もともと両社は資本・業務提携を結んでおり、今回は提携強化で一層の相乗効果を期待する投資家の買いも入っているとみられる。電通はオプト株式を議決権ベースで34.86％保有し筆頭株主となる見通し。オプトは同日、ＴＯＢへの賛同を表明しており、オプト株の上場は維持する予定としている。電通は続伸。
（NIKKEI NET）

△ＣＣＩ<4788> ストップ高買い気配。
親会社の電通によるオプトの持ち分法適用会社化が材料視されているようだ。電通とオプトの業務提携の概略に「オプトはＣＣＩ及びその子会社を主たるメディア発注先とする」との文章が含まれており、これが人気化のきっかけとみられる。

△日野自<7205>が反発、08年の世界販売は10.5％増を計画
日野自動車が反発している。同社は２０日、２００８年の生産・販売計画を発表した。世界販売台数は２００７年実績見込み比１０．５％増の１１万８２００台と２ケタの伸びを計画している。アジア向けを中心に順調な拡大を見込んでいることが好感された。

△新日鉄<5401>がしっかり、東証1部で出来高第1位
新日本製鉄がしっかり。１０時１０分現在、同社株は東証１部で出来高第１位となっている。引き続き鉄鋼各社間での相互株式保有が手掛かりになっているほか、需給面では内外機関投資家の資金流入が観測されていた。粗鋼生産の拡充も材料視されている。新日鉄の三村明夫社長は２０日、ロイターのインタビューに応じ、２００９年度末までにはグループの粗鋼生産４０００万トン体制が整うと述べた。サブプライムローン（信用度の低い借り手向け住宅ローン）問題で米経済は若干減速しているものの、世界経済全体の順調な成長で吸収可能とみており、鋼材の強い需要も当面続くと判断している。０９年度から始まる次期中期経営計画に４０００万トン体制後の姿を具体的に提示するが、４０００万トン体制が整うことで利益はジャンプアップするとの見方を示した。

△11月の北米半導体製造装置ＢＢレシオ、0.82＝ＳＥＭＩ
国際半導体製造装置材料協会（ＳＥＭＩ）が２０日発表した１１月の北米半導体製造装置メーカーの受注額は１１億５０００万ドルで、１０月からやや減少した。ＢＢレシオ（出荷額に対する受注額の割合）は０．８２だった。

▼健康ＨＤ<2928>が安い、9月中間期・08年3月期予想を下方修正
健康ホールディングスが安い。２０日に発表した９月中間期と２００８年３月期の業績予想下方修正が嫌気されているという。９月中間期の連結経常損益予想は１億７２００万円の黒字から５０００万円の赤字に、２００８年３月期連結経常利益予想は７億６５００万円から２３００万円に、それぞれ引き下げられた。延期されていた９月中間決算の発表は、１２月２１日に決まった。

□あらゆる方策検討しているが、ＨＤＤ事業売却を決定した事実はない＝日立<6501>
日立製作所は２１日、同社がハードディスクドライブ（ＨＤＤ）事業について売却の方針を固めたとする一部報道について「業績改善を図るべく、あらゆる方策を検討し、実行しているが、事業売却について決定した事実はない」とのコメントを発表した。２１日の日本経済新聞は、日立がＨＤＤ事業売却で米投資ファンドのシルバーレイクに優先交渉権を与え、全額出資する米事業子会社の株式の５割弱を売却する方向で最終調整していると伝えている。

■キヤノン<7751>軟調、07年12月期営業益が予想下振れとの報道
キヤノンが軟調。２１日付日経新聞朝刊が、２００７年１２月期連結営業利益（米会計基準）について前期比７％増の７５９０億円程度となり、従来予想を１４０億円程度下回りそうだと伝えたことが失望売りにつながっているという。

△ロジコム<8938>が買い先行、08年3月期業績予想を上方修正
ロジコムが買い先行となっている。２０日に発表した２００８年３月期業績予想の上方修正を好感した。連結営業利益は従来予想の３億８９００万円から６億５９００万円、連結経常利益は２億８８００万円から３億６３００万円、連結純利益は１億９２００万円から１億９４００万円にそれぞれ増額した。北海道で不動産賃貸などを手がける特別目的会社（ＳＰＣ）が収益に寄与するほか、東京・四谷の物件にかかわる匿名組合投資の利益も加わる。有価証券評価損を織り込み、純利益は小幅な増額にとどまった。

△朝日ネット<3834>買い気配、12月27日付で東証1部に指定承認
朝日ネットが買い気配。同社が２０日、同社が１２月２７日付で東京証券取引所市場第一部銘柄に指定承認されたと発表したことなどが材料となっている。同社は２００６年１２月２６日に東証第二部に上場した。

▼テルモ<4543>軟調、製品の自主回収を嫌気
テルモが軟調。同社が２１日朝、製品の自主回収を発表したことなどが嫌気されている。自主回収するのは人工血管「トリプレックス」で、不具合が１件発生し、既に販売した製品についても同様の不具合が発生する可能性があるという。業績見通しについては、変更はない。
（ロイター）

■三洋電<6764>：旧経営陣に退職金返上の報道は「憶測」－決算訂正問題で
経営再建中の三洋電機は21日、過去の単独決算訂正に伴い井植敏元会長ら当時の経営陣に役員退職慰労金の返上を求める方針を固めた、との同日付の日本経済新聞報道を受け「憶測記事であり当社から発表したものではない」とするコメントを発表した。三洋電は証券取引等監視委員会の指摘を受け２月から、最大で01年３月－06年３月期の６年間を対象とする決算訂正手続きを進めており、年内に調査結果などを発表する方針。21日に出したコメントでは「当社は過年度決算訂正の監査中であり、監査意見が得られた段階で開示する予定」だと説明している。

▼ＣＥＣ<9692>株が売り気配、通期利益計画を減額－不採算案件増と子会社不振
独立系のコンピューターソフトウエア開発会社であるシーイーシー（ＣＥＣ）株が売り気配で始まった。午前９時25分時点の気配値は前日比70円（6.9％）安の940円。同水準で差し引き10万株以上の売り越しとなっている。不採算プロジェクトの増加や連結子会社の業績不振などを背景に、通期（2008年１月期）の利益予想を下方修正した。一転して減益見通しとなり、足元の業績低迷を嫌気した売りが先行している。水戸証券投資情報部の松尾十作部長は、主要顧客である銀行や証券会社のシステム投資意欲はおう盛で、選択受注も可能な良好な事業環境にある中で、減益に転じるということは、「受注計画に甘さがあったといわざるを得ない」と話していた。ＣＥＣは20日の取引終了後、08年１月通期の利益予想を下方修正し、連結営業利益が前期比５％減の24億円になりそうだと発表した。増益を見込んでいた従来予想を８億円下回る。不採算プロジェクトが中間期時点の予想から約３億円増加するほか、データエントリー事業の収束に伴う費用が１億円強増加。また、システム開発・販売を手掛ける双日システムズやシーイーシーソリューションズなど連結子会社の利益が当初の予想を約３億円下回る見込みとなった。純利益は前期比35％減の10億円を見込む（従来予想は11％増の17億円）。
（ブルームバーグ）

▼海運株---さえない、バルチック指数下落ピッチ早まり
海運株総じてさえない。バルチック指数の下落ピッチが早まってきていることが嫌気材料にされる。同指数はここまで5日続落、とりわけ、11月27日の安値水準を 17日に割り込んでからは下落ピッチが早まっている。一昨日は1.6％の、昨日は2.1％のそれぞれ下落となっている。

△ヤフー<4689>---しっかり、みずほでは「２」に格上げ
しっかり。みずほが投資判断を「３」から「２」へ格上げ、関心を高めさせる状況につながっている。電通がオプトへの出資比率引き上げを発表しているが、みずほでは、これを受けて、検索連動型広告市場拡大の最大のかぎとなっていたナショナルクライアントの本格参入が期待できるとしている。これにより、同社への波及効果は大きいと考えているようだ。

△楽天<4755> 大幅反発。
みずほ証券では、投資判断を「2」から「1」に引き上げたようだ。楽天ＫＣの利息返還損失引当金の一括計上と楽天ＫＣの増資引き受けを受け、今後の業績の悪材料は出尽くしたと。なお、目標株価については6.5万円を継続。

■三菱重工<7011> 8営業日続落で連日の年初来安値更新。
7月高値銘柄であり、6ヶ月期日が来月に来るため換金売りの流れとも。12/14時点の信用倍率は14.42倍に悪化している。ただ、PBRは1.03倍まで低下しており、需給整理一巡後には見直される可能性はありそうだ。

△ニコン<7731> 大幅続伸で3日ぶりに4000円を回復してきている。
年末接近でリバランス的な売買が中心となっており、売り込まれていた銘柄の買い戻しの動きも。12/14時点の信用倍率は0.41倍と売り超の状態である。

△サイバー<4751>---直近安値割り込まず見直し買いの動きに
切り返す。直近安値レベルを割り込まなかったこともあり、見直し買いの動きが強まっている。短期的な値幅取り資金が中心とみられるが、日経平均も15000円割れから加速せずに切り返しており、リバウンドを窺う格好に。ネット広告セクターの再編機運も。

▼オリックス<8591> 下げ目立つ。
ＧＳが投資判断を「買い」から「中立」に格下げ、売り材料と捉えられている。今期の増益を市場が確認するのに時間を要すると見られること、長短金利差が縮小していることはポジティブといえないことなどから、当面は株価上昇のカタリストに乏しいとしている。

△ＶＳＮ<2135> 大幅続伸。
23日に開催される有馬記念が手がかり材料視されているようだ。創業者の関口房朗氏が所有する「フサイチパンドラ」が有馬記念で出走することから、これをハヤす動きとの見方も出ている。

▼真柄建設<1839>---急落、監理ポスト指定で先行き警戒感
急落。東証による監理ポスト指定が警戒材料とされる。不正な会計処理が判明、来月4日が期限の半期報告書提出が間に合わなくなったと発表している。2月4日までに半期報告書を提出できない場合は上場廃止になると伝わっており、先行き懸念が急速に台頭する状況へ。

△トヨタ自<7203>---株式比率低下を受けた年金資金による買いも
しっかり。日経平均が15000円を割り込む中、主力処の一角には株式比率低下を受けた年金資金による買いが入っているとの見方もある。為替相場も113円台で横ばいが続いており、手掛け易さも。

△高純度<4973>---強い動き、みずほでは２段階格上げ
強い動き。みずほでは投資判断を「３」から「１」に２段階格上げ、目標株価を50万円としており、買い材料につながっている格好。MPU PKG金メッキのシェア拡大に加え、ＮＡＮＤフラッシュメモリーカード向けなど新製品群も順調な立ち上がりをみせており、高成長・高収益企業へ回帰していくとみているようだ。

△日立<6501>---ＨＤＤ事業を米投資ファンドに売却へ
ＨＤＤ事業を米投資ファンドへ約5割弱を売却する方向で最終調整と報じられている。25日線がサポートとして機能した格好での反発をみせている。12/14時点の信用倍率は1.35倍と取り組み妙味もあり、リバウンド狙いの流れに。

△東亜建設<1885>---買い先行、本社事務所売却で最終益上方修正
買い先行。前日に業績修正を発表、特別利益計上によって、今期最終損益は従来予想の11億円から160億円に増額している。本社事務所の土地・建物を売却、売却益310億円を計上することが背景。資産の効率化や財務体質の改善につながるとの評価も。

□新日鉄<5401> 25日線レベルの攻防。
全体がじり安基調の中で底堅い動きをみせている。鉄鋼3社の資本提携拡大や製品値上げなどを引き続き手掛かりに。一目均衡表では基準線、転換線レベルの攻防であり、これをクリアしてくると遅行スパンが上方転換シグナルを発生させる可能性が高まる。

△ソニー<6758>---タッチパネル内蔵した液晶ディスプレーを開発
反発。ハイテク主導のＮＹ株高を好感した格好に。なお、タッチパネル機能を内蔵した液晶ディスプレーを開発したと報じられている。3.5インチ画面に指で入力でき、携帯電話などへの普及を目指すと。
（フィスコ）

△フタバ<7241>は続伸、３月通期業績も上方修正し最高値再トライ
フタバ産業は、３０円高の３１６０円と続伸しモミ合いから上値を窺う動きになっている。今期第１四半期業績の２ケタ増収益や、９月中間期業績の上方修正を手掛かりに１１月１日に３３２０円と最高値を更新、１１月１３日の中間期決算発表時に今度は３月通期業績を上方修正したことを手掛かりに３１１０円まで戻りを試した後、下値固めから上値追い、再度最高値トライとなってきた。同社の今期業績は、売り上げが期初予想より２００億円、経常利益が５億円、純利益が１億円それぞれ上ぶれ修正され、純利益は１３６億円（前期比６％増）と前期の過去最高を更新する。トヨタグループ向けの売り上げ構成比が６割を超す自動車マフラーの最大手として、国内外の自動車増産に支えられ、生産ラインの増強、効率化を進めていることが上ぶれ要因となっている。株価は、ＰＥＲ、ＰＢＲともほぼ市場平均並みにとどまっているが、信用取組は株不足で逆日歩がつく好需給となっており、上場来高値再トライを強力支援しよう。

△資生堂<4911>は窓埋め調整終了し４期ぶり最高純益買い直し反発
資生堂は、２０円高の２７３０円と続伸している。同社株は、１０月に今３月期業績の上ぶれ修正と自己株式取得を発表、窓を開けて上場来高値２８０５円まで急伸したが、この窓埋め調整を終了、再度ディフェンシブ株人気が高まってきている。同社の今期業績は、第１四半期決算発表時の今年７月に中間期業績のみ上方修正し、中間期決算公表時の１０月には３月通期業績を上ぶれ修正した。売り上げは期初より１００億円、経常利益は３０億円、純利益は１０億円各アップさせたもので、純利益は３４０億円（前期比３４％増）と４期ぶりに過去最高を更新する。国内売り上げは中間期で１％減と伸び悩んだが、海外売り上げが中国を中心に１９％増と伸長、この差益増と８重点育成ブランドの新ライン・新アイテム追加など商品構成差による原価率改善などが重なり業績上ぶれを支えた。なお、純利益は、資生堂物流サービスの株式売却計上で大きく伸びる。株価は、業績上ぶれ修正で通期純利益が、市場コンセンサスに接近するとして急伸し、この過程で強弱感の対立から信用取組が大幅に株不足となり逆日歩のつく展開となった。１０００万株、２５０億円を上限とする自己株式取得も着々と進行し自己株式消却も合わせて行う需給好転も実現している。最高値へのキャッチアップを強めよう。

△イワキ<8095>は８営業日ぶりに反発、低ＰＢＲ買いに一考余地
イワキは、２円高の２１７円前日と変わらずを挟み８営業日ぶりに反発し前日につけた年初来安値２１０円から出直る動きとなっている。１１月２７日に配当落ちから好配当利回り買いが一巡し、下値を探る動きが続いている。ただ同社は、東証１部低ＰＢＲランキングでは、上位にランクされており、他の上位銘柄が赤字・無配予想と限界企業であるのに対し黒字・有配の好実態を保持しており、底値買いも一考余地がありそうだ。同社の目下集計中の２００７年１１月期業績は、売り上げ５１０億円（前期比０．６％増）、経常利益４億９０００万円（同２１％減）、純利益２億３０００万円（同５６％増）が予想されている。一般医薬品事業は伸び悩んだが、鼻炎用血管収縮剤用の医薬原料や香粧原料事業が順調に推移し、純利益は減損処理損失の一巡で大幅回復する。２００８年１１月期業績も、１２月３日を株式譲渡日に売却した連結子会社アスカ純薬の譲渡益や非中核事業を売却しての「選択と集中」策の寄与が期待される。株価は、ＰＥＲでは２３倍台と割安だが、ＰＢＲは０．４倍、配当利回りも前期の６円継続で２．７％と割り負け顕著となる。底打ちを確かめ底離れ先取りも一法となりそうだ。

▼ベリサーブ<3724>の東証１部８日続落、需給悪化懸念売り続く
ベリサーブは、この日に東証マザーズから東証１部に指定替えされスタートしたが、マザーズ終値に対し１万２０００円安の５１万９０００円と通算して８営業日続落となっている。同社株は、１２月３日に所属部未定として市場変更が承認されたが、同時に指定替えに際して公募増資・株式売り出し（発行価額５７万９５００円）を実施、希薄化・需給悪化懸念が、指定替え後の株価指数連動型フアンドなどのインデックス買いの需給好転期待を上回り、７万円幅の急落となった。所属部が東証１部に決定したことでやや小戻したが、前日に公募増資の払い込みを終了、なお需給悪化懸念売りが続いている。ただ同社は、２００７年９月中間期業績を上方修正するなど業績は好調に推移している。携帯電話やカーナビゲーション・システムに加え、薄型テレビなどのデジタル家電製品でも検証ニーズが高まり、上方修正につながった。３月通期業績は、期初予想を据え置いたが、純利益は７億８０００万円（前期比１８％増）と連続して過去最高を更新する。需給要因と好実態評価の綱引きが続こう。

△トーエネック<1946>は業績再上方修正を見直す割安株強まり高値窺う
トーエネックは、１４円高の５８７円と３営業日ぶりに反発し２月２日につけた年初来高値６２５円を再度窺う動きになっている。同社株は、今年２月に中部電力が、株式公開買い付け（ＴＯＢ）を発表、ＴＯＢ価格６５０円にサヤ寄せして１２０円幅の急伸となったが、ＴＯＢ価格をクリアできなかったことから逆に失望感が働き、急伸幅を上回る急落となった。この安値から５月、９月、１１月と続いた今３月期純利益の３回の上方修正を手掛かりに割安株買いが続いているもので、薄めながら株不足となっている信用好需給も側面支援材料となっている。業績再上方修正は、中部電力のＴＯＢにともない中部電力子会社のシーテックと変電・送電・工務地中線事業の吸収分割を実施、事業譲渡益５０億円が上乗せとなることと、配電線工事、通信工事の完成高が増加、総利益率が改善していることを要因としている。売り上げは９月増額値を据え置いたが、経常利益は１３億円、純利益は６億円それぞれ引き上げ、純利益は６３億円（前期比２．３倍）と２期ぶりに過去最高を大幅に更新する。このため株価は年初来高値肉薄でもＰＥＲは８倍台、ＰＢＲは０．８倍と割安顕著となる。年初来高値抜けからＴＯＢ価格奪回が近そうだ。

△ＩＴＣＮ<9422>は急伸、指定替え３銘柄は軒並み好感高
アイ・ティー・シーネットワークは、４０００円高の２３万６０００円と２日間の変わらずを挟み３日ぶりに急反発している。前日２０日に東京証券取引所から１２月２７日付けで東証１部指定替えを承認され、指定替えに際して公募増資などの新株式発行を伴わないことから、上場後に東証株価指数連動型のファンドなどの買い増しを期待する需給好転思惑が高まり買い先行となっている。同社は、ＮＴＴドコモ向けを中心とする携帯電話ショップの大手で、今年９月に２００７年９月中間期業績を上方修正するなど業績が好調に推移、ＰＥＲが８倍台と割安にとどまることも買い支援となっている。前日は同時に朝日ネット（３８３４・東２）が、１２月２７日付けで東証２部から東証１部へ指定替え、レシップ（７２１４・ＪＱ）が、ジャスダック証券取引所から東証・名証２部への重複上場をそれぞれ承認された。朝日ネットは、１０円高の２６３円と反発し、レシップの１０円高の７８４円と反発しており、指定替え３銘柄は３戦全勝となっている。
（東洋経済新報社）

△電産トーソク<7728>が堅調、資金調達のため固定資産売却し特別利益を計上
日本電産トーソクが続伸、一時１０円高の７９４円まで買われている。同社は２０日引け後、新製品立ち上げのための資金調達のため、
神奈川県座間市の固定資産をモリト<9837>に売却すると発表した。これにより今０８年３月期連結および個別の特別利益に９億５１００万円程度を計上する。ただし、現段階での業績予想修正は行わない。
（株式新聞ダイジェスト）

△ドイツ証が芝浦メカ<6590>を新規「買い」判断、ＩＤＵ<8922>も
ドイツ証券は芝浦メカトロニクスの投資判断を新規に「Ｂｕｙ」としている。目標株価は８００円。リポートでは「液晶パネル設備投資の回復や液晶パネル用洗浄装置のコスト削減などにより、今期をボトムに来期は２７．６％の営業増益を達成しよう」などとしている。
ドイツ証券ではまた、不動産ネットオークション運営のアイディーユー（マザーズ）についても新規「Ｂｕｙ」としている。目標株価は２２万５０００円。リポートでは「不動産ネットオークションがインフラの整備などにより本格普及局面に入ると予想されること、同時に高マージンのオークションフィー収入の拡大により高い成長が見込まれる」などとしていた。
（ラジオNIKKEI）