12/19 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

▼象印<7965>が反落──年初来安値更新、業績下方修正を嫌気
大幅反落。一時前日比60円安の350円まで下げ、11月28日の年初来安値（400円）を更新した。原油に加え銅や希少金属などの原材料価格が軒並み上昇したことが影響し、2007年11月期の連結営業利益が前の期に比べ28％減の20億円になったと前日の取引終了後に発表。従来予想は25億円だった。業績の下方修正を嫌気した個人投資家の見切り売りに押されている。ただ、連結ＰＢＲ（株価純資産倍率）は0.7倍まで低下。配当利回りも約 1.4％ある。市場では「今後は下値では押し目買いが入りやすくなるのでは」（大手証券）との声も聞かれた。

▼アウン<2459>が続落――業績の先行き不透明感が重し
続落。前日比8000円安の14万3000円まで下げた。前日は、17日に2007年11月中間期の単独経常利益が従来予想を下回ったと発表したことを嫌気した売りが膨らみ、終日売り気配で推移し大引けに値幅制限の下限（ストップ安）で比例配分された。きょうは押し目買いが入って１万5000円高の16万6000 円を付けた場面もあったものの、その後、改めて売り直されている。業績の先行き不透明感が根強いことが重しになっているようだ。従来予想を据え置いた2008年５月期通期の業績予想についても下方修正する可能性が意識されており、押し目買いが続かない一因になっている。会社側は、携帯電話向け検索エンジン最適化事業の買収の影響を精査したうえで、改めて通期の業績予想を示すという。

▼武田<4502>が年初来安値――高配当利回りも買い目立たず
続落。２日ぶりに年初来安値を更新し、一時は前日比60円安の6540円まで下げた。厚生労働省が2008年度の薬価を総額１％強引き下げる見通しであることが引き続き売り材料視されている。「19日は機関投資家から主力株全般に売りが出ている」（準大手証券）といい、短期的な需給悪化の影響を受けている面もあるようだ。同社の予想配当利回りは約2.6％と東証１部上場全銘柄の平均（1.5％）を大きく上回るが、下値での買いは限定的だ。配当利回りが約 2.9％のエーザイ（4523）は連日で年初来安値を更新した。

△村田製<6981>が反発──米株高で海外投資家が買い
反発。一時前日比140円高の6660円まで上げた。前日の米株式相場でダウ工業株30種平均とナスダック総合株価指数が反発したことで海外投資家の買いが優勢になっている。19日付日本経済新聞朝刊で、「ＮＴＴドコモが米アップルと新型携帯電話の日本投入で交渉に入った」や「松下・キヤノン・日立の３社が薄型パネルの包括提携に向け最終調整に入った」と報じられたことで、電子部品の受注増加につながるとの思惑も広がっているという。市場では「６日の高値7030 円を抜けられるかが焦点」（岩井証券・イワイ・リサーチセンター）との声も聞かれた。

△「食の安全」体制厳格化、日清製粉<2002>やサントリーなど
日清製粉グループ本社は小麦粉を袋詰めする工程での異物混入を防ぐため、一部工場で食用粉と非食用粉の包装を完全に分離した。サントリーは水素の重さなどを測定して産地を識別する新しい検査技術を導入した。食の偽装事件で消費者の不信感が高まっており、食品大手は製品の安全性確保をより厳格にするため、品質管理の設備更新や検査体制を充実させる投資を増やす。日清製粉は12億円を投じて千葉工場に食用粉専用の包装棟を新設し、12月に稼働させた。従来はラインは異なるものの、ふすまや飼料向けの非食用粉と食用粉を同じフロアで包装していた。こうした対策を採るのは業界初という。

△鉄鋼商社５社、数量・価格効果で通期業績に上振れ余地
ＪＦＥ商事ホールディングス<3332>など鉄鋼商社5社の2008年3月期業績に上振れ余地が広がっている。5社の07年9月中間期の連結経常利益は直前予想に対し、6億―22億円上回ったが、通期の見通しを修正したのは3社にとどまり、修正幅も小幅だった。各社が取り扱う鉄鋼製品の販売価格の上昇と数量の増加が収益拡大につながりそうだ。ＪＦＥ商ＨＤの07年9月中間期の連結経常利益は従来予想に比べ、22億円上回ったが、通期の連結経常利益は15億円の上振れにとどめた。自動車や造船向けの高級鋼は10月以降、計画に対し、やや数量は上回るペースで推移し、輸出価格を中心に値段も上がっている。

■松下<6752>が続落――「液晶パネルでキヤノン<7751>・日立<6501>と連合」も
続落。前日比35円安の2210円で寄り付き、その後もさえない動き。18日発表の11月の米住宅着工件数で、先行指標となる住宅着工許可件数が約14年半ぶりの低水準にとどまるなど、米経済の先行きに不透明感が強いことが売りを誘っているという。「松下、キヤノン、日立はテレビなどに使う薄型パネルで包括提携する方向で最終調整に入った」（19日付の日本経済新聞朝刊）と伝わったが、市場ではまだ消化難のようだ。日立のパネル子会社に松下とキヤノンが出資し、次世代パネルの有機ＥＬ（エレクトロ・ルミネッセンス）を共同で事業化。さらに松下は日立の液晶パネル製造子会社を傘下に収め、 3000億円規模を投じ工場を新設する。プラズマで優位に立つ松下が、「将来、新興国での需要拡大が見込まれる液晶の生産能力向上を図ることは評価できる」（みずほインベスターズ証券の大沢充周シニアアナリスト）との見方がある一方、「プラズマへの経営資源集中が後退するのでは」（東海東京調査センター）との警戒感も聞かれた。
日立とキヤノンは小動き。液晶で競合関係にある銘柄ではソニー<6758>が小動き。シャープ<6753>は続落。

△三井住友ＦＧ<8316>が上昇――「サブプライム基金に慎重表明」で
上昇。寄り付き直後は小安い場面があったが、すぐに上げに転じ、一時は前日比9000円高の83万9000円を付けた。米国の信用力の低い個人向け住宅融資（サブプライムローン）問題への警戒感から18日の米株式市場で金融株が下げたことから売りが先行したが、その後は買いが優勢となっている。「三井住友銀行の奥正之頭取は18日、サブプライムローン問題で米大手銀が設立する共同基金構想について『極めて慎重に検討しなければならない』と述べ、積極的に参加する考えがないことを明らかにした」（19日付の日本経済新聞朝刊）との報道が次第に評価されているようだ。対策基金の成否が不透明なため、市場ではこれまで基金への参加に否定的な見方が多かった。「基金への融資枠が小幅にとどまれば、いったん悪材料出尽くし感が広がりそう」（外国証券アナリスト）との声が聞かれた。
（NIKKEI NET）

▼光陽社<7946>が最安値更新、通期業績予想の下方修正を嫌気
光陽社が売り優勢の展開となり、４日に付けた最安値７０円を更新した。通期業績予想の下方修正を嫌気している。同社は１８日、２００８年３月期の連結決算見通しについて、営業損益を６３００万円の黒字から２億４８００万円の赤字に下方修正した。会社側によると、外注加工費などの抑制が十分に果たせず、収益が著しく悪化しているという。

▼パレモ<2778>が安い、08年2月期業績予想を下方修正
パレモが安い。１８日に、２００８年２月期の業績予想を下方修正したことが嫌気されているという。経常利益予想は、従来の１７億５０００万円から１３億円に引き下げられた。同社によると、既存店での秋冬物商戦の苦戦が響いた。

△ＮＴＴドコモ<9437>堅調、ｉフォンで米アップルとトップ会談
ＮＴＴドコモが堅調。同社の中村維夫社長が米アップルのスティーブ・ジョブズＣＥＯ（最高経営責任者）と会談したことが手掛かりになっているという。会談ではアップルの携帯電話端末「ｉフォン（アイフォン）」の日本展開について協議しており、市場でのドコモによるｉフォンの独占販売権獲得などへの期待につながっているという。

△新日鉄<5401>がしっかり、相互出資拡大報道を受け買い優勢
新日鉄がしっかり。９時１５分現在、同社株は東証１部で出来高第２位となっている。大手鉄鋼３社の相互出資が拡大されるとの報道を受け、買い優勢の展開となった。日本経済新聞朝刊は１９日、新日鉄、住金(5405.T: 株価, ニュース, レポート)、神戸鋼(5406.T: 株価, ニュース, レポート)が相互に出資比率を拡大することで１８日に基本合意したと伝えた。新日鉄と住金の間でそれぞれが４００億円分の株式を追加取得するほか、新日鉄と神戸鋼、神戸鋼と住金も１００億円規模を相互に投じるという。新日鉄は１９日、この報道に関して、株式追加取得について１０月末以降、検討しているが、現時点では具体的な内容は決定していないとのコメントを発表した。

△ソディック<6143>が急反発、250万株を上限に自己株取得
ソディックが急反発している。同社は１８日、発行済株式総数の４．６８％に相当する２５０万株を上限に自己株を取得すると発表した。当面の需給改善に期待する買いが先行した。取得総額上限は２０億円。取得期間は１２月１９日から２００８年１月３１日まで。

△北日本銀<8551>しっかり、5万株を上限に自己株取得
北日本銀行がしっかり。同行が１８日、発行済株式総数の０．５７％に相当する５万株を上限に自己株を取得すると発表したことなどが材料となっている。取得総額上限は２億５０００万円。取得日程は１２月１９日から次回の定例取締役会開催日まで。

△クボタ<6326>しっかり、1000万株を上限に自己株取得
クボタがしっかり。同社が１８日、発行済株式総数の０．８％に相当する１０００万株を上限に自己株を取得すると発表したことが材料視されている。取得総額上限は１００億円。取得日程は１２月１９日から２００８年３月２４日。

△カナレ電気<5819>買い気配、東証・名証1部銘柄に指定
カナレ電気が買い気配。同社が１８日、１２月２５日付で東京証券取引所および名古屋証券取引所の市場第一部銘柄に指定承認されたと発表したことが材料となっている。同社は現在、東証・名証の第二部に上場されている。
（ロイター）

▼東和銀<8558>株が反落、02年に行員に自社株買わせると報道－株価上昇狙い
埼玉・群馬・栃木県を地盤とする第２地方銀行の東和銀行の株価が反落。同行の上層部が2002年に、株価上昇を狙って行員600人に自社株を一斉に購入するよう指示していたことが分かったと、19日付の読売新聞朝刊が報道。市場関係者の間では、コンプライアンス（法令順守）面での意識の低さを指摘する声も聞かれ、一時は前日比７円（5.3％）安の126 円まで下げ幅を広げた。マネックス証券投資情報部の清水洋介部長は、「コンプライアンスへの意識が高まる中、顧客や投資家への印象は悪い」と指摘。ただその上で、10月に金融庁の業務改善命令を受けてから直近まで株価が大きく落ち込んで推移していたこともあり、「投資資金がさらに急激に流出する材料とはなりにくいだろう」（同氏）とした。部長や支店長あてに出された社内通知などによると、行員による組織的な株価つり上げがあったのは02年１月15日－22日の土日を除く６日間、と読売新聞は報じている。報道によると、この間全行員の３分の１以上に当たる管理職約 600人が複数の証券会社に注文を出して自社株約300万株を買い付けた。買い付け資金のない行員には職員共済会を通じた融資を行っていたとも報道している。この報道について、ブルームバーグ・ニュースが東和銀の総合企画部にコメントを求めたところ、2003年３月に朝日新聞がほぼ同内容の記事をすでに報じていると答えた。その上で、10月に立ち上げた経営責任調査委員会における議論に委ねたいとしていた。東和銀は10月12日に、不適切な融資が行なわれるなど経営管理態勢や法令等遵守態勢に重大な問題があるとして、金融庁から業務改善命令を受けている。これを受け同行は調査委員会を設け、経営責任の明確化や経営管理態勢の強化などに取り組んでいる。

△日東富士粉<2003>株が続伸、小麦粉値上げ浸透で業績予想増額－２けた増益に
中堅製粉会社日東富士製粉の株価が続伸。一時は前日比９円（2.6％）高の353円まで買われた。今秋に小麦粉価格を10％値上げしたことが奏功、販売管理費の抑制もあり、2008年３月期の業績予想を上方修正した。営業利益が２けた増益となることを評価した買いが集まった。午前10時38分現在の株価は前日比2.6％高の353円。すでに６万株が約定、過去５営業日の終日出来高の平均（１万6000株）を大きく上回っている。同社総務部長の松本正氏によると、同社は小麦価格に連動して小麦粉価格を引き上げる仕組みを構築、コスト上昇分を含め最終商品に転嫁している。「値上げで数量が落ち込むのではないかとの懸念もあったが、計画通り順調に浸透している」（松本氏）と言う。新しい業績予想は、連結売上高が前期比4.1％増の473億円、営業利益が同 14％増の13億7000万円で、前回予想と比較して売上高で３億円（0.6％）、営業利益で7000万円（5.4％）の増額。親会社・三菱商事の株式を売却して特別利益が発生し、純利益は前期比46％増の14億1000万円になる見込み。
日清製粉グループ本社<2002>などをカバーするみずほインベスターズ証券の大島守雄シニアアナリストは、製粉業界全体の業況は厳しいと指摘、「小麦以外の原料が高くなっており、スプレッド（収益差）が縮小する懸念があるほか、価格の安い商品が好まれるケースも出ている。小麦粉の値上げがネットで業績にプラスに働くか見極めが必要だ」と述べていた。

△ファンネックス：テレウェイヴ<2759>、栗本鉄<5602>株を５％超保有－大量保有報告
資産運用会社ファンネックス・アセット・マネジメントが、中小企業向けにＩＴ化支援事業をおこなうテレウェイヴ株式を買い進め、株式総数の５％超を保有していることが明らかになった。ファンネックスが19日、関東財務局に提出した大量保有報告書によると、同社はテレウェイヴ株式を報告義務発生日の14日までに取得した分を報告。グループ企業全体で合計２万6322株を保有し、発行済み株式総数に対する割合は5.10％になった。保有目的は「投資信託契約に基づく純投資」としている。大量保有報告書によると、テレウェイヴ株式に関しては、みずほ投信、英系ダルトン・ストラテジック・パートナーシップなどがそれぞれ５％を超える株式を取得しているほか、フィデリティ投信も10月末までに保有比率7.77％まで買い増している。そのほかファンネックスは、鋳鉄管で国内２位の栗本鉄工所株式を合計 831万9000株保有し、発行済み株式総数に対する割合を6.21％とする大量保有報告書も提出している。

▼日化薬<4272>株がストップ安、光学フィルム不振で業績下方修正－ドル安響く
日本化薬の株価が急反落。売り気配を切り下げた後、ストップ安（制限値幅いっぱいの下げ）に相当する前日比100円（11％）安の792円で取引が成立した。光学機能性フィルムの販売が落ち込んだことを主因に2007年11月中間期と通期（2008年５月期）の業績予想を減額修正したため、これを嫌気した投資家の売りが膨らんでいる。午前９時46分に792円で55万株が約定。その後も売り注文が優勢で、再びストップ安売り気配となっている。同社執行役員の荒木良一経理部長は、業績低迷の背景を「液晶テレビやＰＤＰ（プラズマディスプレー）の好調を受けてリアプロジェクション・テレビの市場が縮小しているため」だと説明、リアプロ向けの材料（偏光板）を製造する子会社の収益が悪化したほか、本体が手掛けるＰＤＰ向けのフィルムも振るわないという。　　また、外国為替相場で円高・ドル安が進んだ結果、米子会社に対するドル建て貸付金が目減りし、営業外損益を悪化させているという。新しい通期業績予想は、連結売上高が前期比0.3％増の1485億円、営業利益が同0.5％増の136億円。前回予想と比べると売上高で115億円（7.2％）、営業利益で19億円（12％）の減額修正となる。１株利益（ＥＰＳ）は36円89 銭と見込んだ。　　ブルームバーグ・プロフェッショナルに登録されたアナリスト５人による事前の営業益予想値の平均は159億円だったため、会社側の新しい予想値は市場コンセンサスより14％低い水準だと言える。コスモ証券投資調査部の斎藤和嘉シニアアナリストは、短期的な株価下落は避けられないとみているものの、「配当利回りが高くバリュー投資的な視点が同社株を下支えする」と分析した。また斎藤氏は、「電子情報材料事業が悪くても、収益基盤がしっかりした会社のため、全体としてキャッシュが枯渇するようなことにはならない」とも指摘している。

△西松屋<7545>チェ株が続伸、３-11月業績は減益もＰＥＲ割安－冬物出足苦戦
育児用品や子供服などを扱う西松屋チェーンの株価が続伸し、一時前日比39円（３％）高の1334円まで上げた。2008年２月期の第３四半期までの９カ月累計（07年３－11月）業績が18日に発表され、営業利益ベースから減益に落ち込んだ。気温低下の遅れで、冬物衣料の立ち上がりも苦戦している。ただ、直近の株価急落でＰＥＲなど投資指標面から割安感が出ていたため、昨日付けた年初来安値（1260円）から戻りを試す買いが入った。岡三証券企業調査部の森清シニアアナリストによると、11月の月次受注発表後に株価下落が続いたことで、「通期計画未達の可能性を勘案しても、ＰＥＲなどバリュエーション面で割安感は強まっている」という。　　会社側の今期予想ＥＰＳ（１株当たり利益）は103円。18日終値（1295 円）ベースで算出した予想ＰＥＲは13倍と、東証１部全銘柄の平均である17倍を下回る。西松屋チェが18日の取引終了後に開示した３－11月期単独業績は、売上高が前年同期比6.6％増の838億6800万円となった。オープンモール型のショッピングセンターへの出店を中心に43店の新規出店（閉店は３店舗）を行ったことに加え、ディズニーキャラクター商品の販売などが好調に推移した。　　一方、営業利益は同４％減の85億5300万円、純利益は同3.2％減の50億 2200万円。残暑で秋物商戦の実需がさえなかったほか、11月に入ってからも気温があまり下がらず、本格的な冬物衣料の需要が遅れたことも響いた。先月22日に発表した11月の既存店売上高は、前年同月比6.1％減と２カ月ぶりに前年実績を割り込んだ。気温低下が遅れたため、冬物子供衣料、実用衣料ともに本格的な実需がなく苦戦。ベビーカーやラックなどの育児用品も伸び悩んだ。株価は翌営業日に10％超の急落。その後やや持ち直す場面も見られたが、買い戻す勢いは弱く、12月に入ってからはほぼ一本調子で下げが続いていた。
（ブルームバーグ）

△あらた<2733> 急騰。
ＴＯＢの終了が思惑視されているようだ。前日に自社株のＴＯＢが終了したと発表した。買い付け予定株数の600万株に対して406万株強の応募があり、全株を買い付けるとしている。買い付け予定株数をオーバーしなかったことで案分リスクが払拭されているほか、市場での自社株買いの実施期待などが生じているとみられる。

△パイロット<7846>---信用倍率は0.76倍と1倍を下回る
4営業日続伸で10/4高値137万円が射程圏に。12月期業績の上振れ観測が手掛かり材料となっているが、12/14時点の信用倍率は0.76倍と1倍を下回ってきており、需給妙味が大きい。踏み上げ期待も出てきそうだが。

△ディーエヌエー<2432>---まずは第一関門クリア
まずは第一関門クリア。急下降する5日線を突破しており、まずは第一関門クリアといったところ。短期値幅取り資金中心で明確な底打ち感は掴みづらいが、週初の高値レベル58.3万円をクリアしてくると週足ベースで26週線を上回り、長い下ヒゲを残す格好で底打ち感が強まる。また、11/7安値61.7万円が上値抵抗となり、このレベルまでのリバウンドは早そうだが。

△三菱商事<8058>---大幅反発、ＵＢＳでは新規に「買い」
大幅反発。ＵＢＳでは投資判断を新規「ＢＵＹ」、目標株価を4300円としている。原料炭供給で世界最大級のＢＭＡの株式50％を保有、来年4月の契約価格改正がカタリストになっていくと考えている模様。他の市況商品での展開など、競争力のあるビジネスポートフォリオの強みなども評価。

△栗田工<6370> 反発。
11月安値レベルまでの調整でボトム形成との見方もあり、25日線に接近。12/14時点の信用倍率は1.05倍と取り組み妙味は大きい。売り方の買戻しも入りやすいところか。

△大日インキ<4631> 続伸で一気に直近戻り高値レベルに。
三角保ち合いを下振れた格好であったが一目均衡表の雲上限がサポートとして機能。下振れがダマシになる。12/14時点の信用倍率は0.81倍と1倍割れ慢性化で買い戻しを誘う。

△イオンモール<8905>---ボックス上限突破で水準訂正が期待されるところ
3日ぶり反発でボックス上限レベルに。狭いレンジ内でのもみ合いが続いているが、下値は25日線がサポートとして機能している。12/14時点の信用倍率は0.54倍と1倍割れが慢性化しており、ボックス上限突破で水準訂正が期待されるところ。

△川重<7012> しっかり。
メリルでは、重機械メーカー5社のカバレッジを開始している。同社と三井造船を新規に「買い」、住友重機を新規に「中立」、三井海洋開発、三菱重工を新規に「売り」としている。同社に関しては、国内外の輸送インフラ整備を背景に、鉄道車両、航空機、造船などの事業が拡大トレンドにあることを評価としており、目標株価は450円と設定している。

△大平金<5541>---反発で25日線を捉える
5営業日ぶり反発で25日線を捉えてきている。直近安値レベルでの下値の堅さが意識されているほか、新日鉄の上昇も刺激材料に。ニッケル価格の上昇もあって久しぶりの上昇に。

△ＳＭＣ<6273> 3日ぶり反発で25日線を捉えている。
12/14時点の信用倍率は0.52倍と1倍を下回る状況が慢性化しており、年初来安値レベル接近で買い戻しの流れも。

△新日鉄<5401>---買い先行、自動車用鋼板値上げ期待など材料視
買い先行。住金や神戸製鋼などと相互出資を拡大と報じられている。連携強化策が期待材料につながっているようだ。また、一部報道では、自動車用鋼板年明けから値上げ交渉へなどと報じられているが、鉄鋼メーカー側ではトン当たりで1万円を大きく超える値上げ金額を提示するとみられるなどとされており、材料視する向きも多いようだ。

△三井松島<1518>---依然として需給妙味は大きい
3日続伸で4営業日ぶり300円を回復。12/14時点の信用買い残高は前週比1.7倍増となっているが、それでも信用倍率は1.00倍と依然として需給妙味は大きい。25日線をサポートに強い動きが続いており、買い戻しを誘う流れに。

△シルバオック<8024>---取り組みに厚みが増す
5営業日ぶり反発。直近の急騰の反動から調整が続いていたが、サポートとして意識される25日線までの調整で仕切り直しの流れに。12/14時点の信用倍率は1.81倍と前週の1.90倍から更に取り組みに厚みが増している。短期値幅取り資金が向かう流れに。

△日特建<1929>---テクニカルリバウンドの流れ
テクニカルリバウンドの流れ。不動テトラとの提携による再編を引き続き手掛かりにしている。12月上旬の急騰の反動が続いていたが、25日線レベルまでの調整をみせており、テクニカルリバウンドの流れに。一目均衡表も雲上限がサポートに。割り切りスタンスの値幅取り資金が向かう流れに。

△三菱ＵＦＪ<8306>---しっかり、ＣＳの格上げなど支援材料
しっかり。ＣＳでは投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」に格上げ、目標株価を1247円としており、支援材料につながる格好。短期的には、行き過ぎた悲観の調整によるリバウンドを想定するとしている。なお、米国ではＧＳが想定以上の決算を発表したものの、足元の伸び悩みなど慎重見通しを示している。住宅関連指標も低調な推移が続いており、サブプライム問題への警戒は依然として残る状況にはある。

△ＡＣＣＥＳＳ<4813> 買い気配から。
大和総研では投資判断を「2」から「1」に引き上げ、目標株価を83万～84万円としたようだ。格上げの理由としてロイヤリティの単価上昇、営業費用の厳格な管理体制、ＡＬＰ事業での大きな進展を挙げている。
（フィスコ）

△帝国電機<6333>は公募増資の希薄化懸念織り込み急反発
帝国電機製作所は、５８円高の２００５円と５営業日ぶりに急反発している。同社株は、原子力発電関連人気と好業績評価で年初来、株価は倍化となったものの、中越沖地震による東京電力柏崎原子力発電所の運転停止や同社自身の６月の公募増資（発行価額２６４８円）などによる希薄化・需給悪化懸念からほぼ往って来いの１８０２円まで大幅調整となった。この安値から同社の今３月期業績、連続の過去最高純益更新を見直し下げ過ぎとして下値買いが続いている。同社の今期業績は、１１月１５日に発表された２００７年９月中間期業績がほぼ期初通りで着地したあと、通期については期初予想から増減マチマチとなる小幅修正が行われ、純利益は１２億２１００万円（前期比１８％増）と期初予想を若干上ぶれ、連続の過去最高更新となる。内外の石油化学業界向けケミカル機器モータポンプ、自動車用電装品の電子機器ユニット、熱交換器などが好調に推移し業績を押し上げた。株価は、６月１４日払い込みで実施した公募増資がボディブローとなり２段下げとなったが、ＰＥＲ１５倍台まで調整して織り込み済みとして下値買いを誘おう。

△ユニチャペット<2059>は反発、業績増額見直しに信用好需給オン
ユニ・チャーム　ペットケアは、８０円高の５６８０円と３日ぶりに反発している。１０月２６日の中間期決算発表時に今３月期通期業績を上方修正し下値切り上げに弾みをつけているが、高値追いとともに強弱感も対立し信用取組が大幅に株不足となっている好需給も売り方の買い戻しを誘っている。同社の今期業績は、中間期が期初予想を上ぶれて２ケタ増収益と伸びるとともに、通期業績も上方修正した。売り上げは、期初予想より１４億１００万円、経常利益は１億８６００万円、純利益は２億１３００万円それぞれ引き上げられ、経常利益は３９億８０００万円（前期比１％増）と連続の過去最高更新となる。少子・高齢化社会の進展とともに、癒し系のペット・ブームが続き、ペット飼育の室内飼育化、小型犬化、高齢化、肥満化に沿った製品ラインを拡充、ペットフード事業、ペットトイレタリー事業とも好調に推移していることが、業績を押し上げた。株価は、業績増額とペットフード値上げを材料に上値追いとなり、米国での中国産ペットフードの回収問題などを連想売りして高値波乱となった。ＰＥＲ、ＰＢＲとも割高だが、信用倍率は薄めながら０．０８倍と株不足となっている。一段の押し上げ効果を発揮し１２月１７日につけた年初来高値５９７０円が意識されよう。

△日揮<1963>は信用大取組、増額業績見直しの打診買い入り反発
日揮は、３９円高の１９６４円と５営業日ぶりに反発している。プラント株は、ＩＨＩの大幅赤字転落や同業他社の千代田化工建設の業績下方修正、東洋エンジニアリングの投資判断引き下げなどの逆風が吹いているが、元凶のＩＨＩが底打ち・出直り基調となっていることから、同社の１．２倍と拮抗している信用大取組や、今３月期業績の上方修正、期末配当の増配などを見直し下げ過ぎ訂正期待の打診買いが入っている。同社の株価は、１１月１４日に発表した今期業績の上方修正、増配で２００円弱の急伸を演じたのも束の間、悪材料に直撃され、３月の年初来安値１６７１円に迫る１７９３円まで下ぶれた。ただこのもみ合いで信用の売りと買いが拮抗、下値の固さから売り方の買い戻しもみられ２０００円大台までリバウンドしている。業績は、１１月に上方修正され連続の過去最高純利益更新の更新幅を拡大するなど好調である。石油・ガス・資源開発関連、石油精製関連などのプラント基本設計の受注増、新規触媒の開発や顧客需要拡大に対応する子会社の供給能力強化などが寄与する。純利益は、期初予想の２５０億円が２６５億円（前期比３１％増）と引き上げられ、期末配当も期初予想の１９．５円を２０．５円（前期実績１５円）に増配する。売り方の買い戻し主導で一段の逆行高も有力となる。

△カナレ電<5819>は東証１部指定替えで需給好転思惑高まり急反発
カナレ電気は、寄り付きの買い気配から１８４円高の１６４５円とストップ高寸前まで買い上げられて急反発し、１１月２９日につけた年初来安値１４００円から大幅リバウンドしている。前日の東京証券取引所、名古屋証券取引所から１２月２５日付けで東証１部、名証１部への指定替えを承認され、指定替えに伴い公募増資などのファイナンスなどを伴わないことから、東証株価指数連動型のファンドなどのインデックス買いなどの需給好転期待が高まり、買い先行となっている。同社は、業績も好調に推移、１０月に今３月期業績を上方修正し、純利益は９億円（前期比４％増）と連続して過去最高を更新、株価も１００円幅超の急伸となったもののなお下ぶれた。ＰＥＲは、１２倍台と割安であり、１部上場に向け好需給・好実態買いが続くことになる。なお同日同時にダイユーエイト（２６６２・東２）も、１２月２５日付けで東証１部指定替えを承認されており、５７円高の７５７円まで買われ急続伸している。

△日本ＣＧ<4787>は昭文社との株式交換比率換算思惑高まり急反発
日本コンピュータグラフィックは、寄り付きの買い気配から１万３０００円高の１３万７０００円まで買い進まれ急反発している。前日に昭文社（９４７５）とともに株式交換により昭文社の完全子会社となることを発表、株式交換比率換算によりなお上値が計算できるとの思惑が高まり、買い先行となっている。両社は、２００２年に株式公開買い付けにより昭文社が、日本ＣＧの６７．７％の株式を取得し子会社としたが、日本ＣＧの担当しているデータベース業務の売り上げは、昭文社の全売り上げの６５％を超えてきており、グループ全体の経営資源を集約しグループ企業が一体化することが最善として完全子会社化する。株式交換は、日本ＣＧの来年２月２０日の承認臨時株主総会を経て、来年４月１日に効力を発生、その前の３月２６日に上場廃止となる。株式交換比率は、日本ＣＧ株式１株に昭文社株式１５０株を割り当て交付する。同交換比率換算からは前日終値現在で１万３０００円超の上値余地が計算できる。なお昭文社も、２４円高の９４１円と急反発している。

△ＪＱ上場の太陽工機<6164>は公開価格と同値の１４００円で初値
太陽工機が、ジャスダック証券取引所に新規上場された。公開価格は１４００円、公開株式数は６４万２６００株となっている。寄り付きと同時に公開価格と同値の１４００円で初値をつけ、その後１３５２円まで売られている。９時１９分現在の売買高は、約２３万株にとどまっている。年内の新規株式公開（ＩＰＯ）市場は、同社などあと４銘柄の上場を残すのみで、来年１月の中断期間入りを控える最終盤となり、ようやく本来の内需関連業態やシコリのなさが再認識され、高初値倍率銘柄が続いている。ただ同社は、業界シェアは高いもののオールドエコノミー業態に属し、資金吸収額も８億円超とやや大きく、公開価格のＰＥＲが９倍台と割安なことも評価されず、市場の事前観測を下回る初値形成となった。同社は、森精機製作所（６１４１）グループ会社の１社で、研削盤の専業メーカーである。主力製品は、円筒形の軸などの内側を削って高精度加工する立形研削盤で、縦置きタイプのため工場の設置場所を省スペース化でき、横置きタイプの他社製品にくらべ競争優位性を保持している。国内シェアは９割に達し、自動車部品メーカーなどからの受注増が続いている。今２００８年３月期業績は、売り上げ６４億円（前期比１７％増）、経常利益７億７０００万円（同３５％増）、純利益４億４７００万円（同５５％増）、１株利益１５４．３円を予想している。
（東洋経済新報社）