12/14 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△アインファマ<9627>が急伸――本業の好調さから
急伸。一時は前日比105円高の1655円を付けた。前日13日に発表した2007年10月中間期決算で、連結純利益が前年同期比2.1倍の７億3700万円になったことが買い材料。５億3000万円としていた従来予想を大幅に上回ったことが好感されている。10月中間期は販売管理費の削減効果に加え、今年買収した調剤薬局の収益が加わり、大幅増益となった。子会社の保険金収入を特別利益に計上したことも寄与した。アインファマは10月５日にＣＦＳ（東証１部、8229）と経営統合すると発表。これに対し、ＣＦＳの筆頭株主のイオン（東証１部、8267）は統合比率がＣＦＳ株主に不利であるとして統合を見直すよう要請していた。前日14日にＣＦＳがイオンの要請を拒否し、08年１月22日に招集する臨時株主総会で統合を諮ると発表したことで、委任状争奪戦に発展する見通しとなっている。野村総研の繁村京一郎アナリストは「健康相談などのノウハウを蓄積した調合薬局とドラッグストアの統合は双方の収益拡大が期待でき、事業構造を変える大きなきっかけとなる。委任状争奪戦などで混乱があるため、現在は統合効果について 10分株価に織り込めていない」と話していた。
ＣＦＳ<8229>は反発。イオン<8267>は小幅続落している。

△キッコマン<2801>が反発　「デルモンテ加工品の自社生産拡大」
反発。一時は前日比22円高の1527円まで上げた。14日付の日本経済新聞朝刊が「タイ工場で『デルモンテ』ブランドの加工食品を本格生産する」と報道。アジアでのデルモンテ事業は米社からの仕入れ販売が中心だが、今後は自社工場での生産を拡大し、利益率を高めるという。日本食ブームを背景に主力商品のしょうゆ販売が海外で好調なことも心理面での追い風になり、成長期待を膨らませた投資家の買いが優勢となっている。

△出光興産<5019>が反発――「会計基準委、後入れ先出し法廃止へ」
反発。一時は前日比330円高の１万2650円まで上げた。現時点で石油元売り大手の値動きを比べると、出光興産の堅調が目立っている。14日付の日本経済新聞朝刊が「企業会計基準委員会（ＡＳＢＪ）は企業の原価計算に利用する会計基準のうち『後入れ先出し法』の廃止に向けた議論を始めた」と報道。出光興産を後入れ先出し法を採用する主な企業として紹介している。出光興産が石油元売り大手の多くが採用する「総平均法」を採用した場合には、「原油価格の上昇による在庫評価益のかさ上げ効果が高くなる」との見方から買われているようだ。後入れ先出し法は、直近に仕入れた在庫から先に出荷したとみなして計算するため、原油など仕入れ品の価格が上昇する局面では保有在庫の評価額と時価が乖離（かいり）する。一方、総平均法は期初の在庫と当期の仕入れ額を合計して平均するため、仕入れ価格が上昇する局面では期初の割安な在庫が原価を押し下げるため増益効果が生じる。

△参天薬<4536>が上昇――ディフェンシブ株を物色する流れ
上昇。一時前日比60円高の2845円まで買われた。医薬品関連などディフェンシブ銘柄を物色する流れに乗って個人投資家などの買いが優勢。今期の連結経常利益は前期比約２％増の212億円を見込んでいる。今後２―３年以内の発売が予想される臨床試験中の医薬品が複数あることから、「中長期の成長への期待が高い」（大手証券）という。

■三菱ＵＦＪ<8306>が軟調――「米シティ、ＳＩＶを連結」も反応薄
三菱ＵＦＪやみずほＦＧ<8411>などの銀行株が軟調。三菱ＵＦＪは一時、前日比32円安の1096円まで下げた。米銀最大手のシティグループは米東部時間13日夜、傘下の運用会社ストラクチャード・インベストメント・ビークル（ＳＩＶ）の資産・負債を自らのバランスシートに統合すると発表したが、今のところ東京株式市場で投資家の反応は目立たない。年初来安値を付けた11月中旬以降、今週前半まで急ピッチで戻した反動で戻り待ちや利益確定の売りが続いているという。

△プロジェＨＤ<3114>が大幅続伸――低位株物色の流れが波及
大幅に続伸。個人投資家とみられる買いを集め、一時は前日比11円高の101円まで上げた。100円台回復は11月６日以来となる。特段、目新しい個別の好材料が出たわけではなく、「主力株が手掛けにくい中で、低位株物色の流れが波及している」（中堅証券）という。株価は６日に75円の直近安値を付けたが、11月27日の年初来安値を下回ることなく、その後買い直されていることで目先の下値は確認したとの見方が広がっている。株価純資産倍率は 0.5倍程度にとどまり、2008年２月期は年５円配（中間期は無配）を継続する予定で、年利回りは５％強ある。ただ、市場では「短期の値幅取りを狙った買いが中心とみられ、信用買い残が最近の売買高に比べてまだ多いのが気掛かりではある」とする声が聞かれた。

△シャープ<6753>が続伸――「液晶パネル価格上げ基調」と報道
続伸。一時は前日比32円高の2005円まで上げた。14日付の日本経済新聞朝刊が「薄型大画面テレビに使う液晶パネルの価格上昇が続いている」と報道。米国の年末商戦がひとまず順調なスタートを切ったことや、テレビ各社が来夏の北京五輪へ向けた需要増に備え、パネルの調達を活発化してきたという。市場では当初、12月に入ると年末商戦向けの調達ピークを過ぎ液晶パネル価格は下げに転じるとの見方が有力だったといい、好感した買いが優勢だ。

▼オーエイチテ<6726>が売り気配――過年度決算訂正の可能性
売り気配で始まる。現在の気配値は前日比１万2000円安の10万3000円で、差し引き4800株程度の売り越しとなっている。前日13日に2007年10 月中間期の連結営業損益が４億5300万円の赤字（前年同期は7100万円の赤字）になったようだと発表したことが売り材料。１億6400万円の赤字としていた従来予想から赤字予想幅が広がったことで失望売りが出ている。業績修正と併せて、「返品された在庫品の会計上の処理について、過年度の決算を修正する必要となる可能性がある」として14日に予定していた中間期決算の発表を延期する見込みだと発表。「過年度決算の修正となれば監理ポスト入りする可能性が出てくる。直近ではＩＨＩ（東証１部、監理、7013）が監理ポスト入りをきっかけに大きく売られたことからこれを懸念した売りも出ている」（国内証券投資情報部）との見方が出ていた。10月中間期は非接触検査装置の販売が計画を下回り、収益が悪化した。子会社の光通信測定装置の販売も振るわなかった。08年４月期通期の業績見通しについては精査中としている。
（NIKKEI NET）

△フォーサイド<2330>堅調、07年12月期の業績予想を上方修正
フォーサイド・ドット・コムが堅調。同社が１４日朝、２００７年１２月期の連結業績予想を上方修正したことなどが好感されている。連結営業利益予想は、これまでの５０００万円から１億円に引き上げられた。子会社の業績の連結対象期間が延長されたほか、単体で国内コンテンツ事業が順調に推移したと同社では説明している。

▼ＯＨＴ<6726>が売り気配、過年度決算訂正の可能性
オー・エイチ・ティーが売り気配。１３日に、過年度決算訂正の可能性と２００７年１０月中間決算発表の遅延見通しを発表したことを嫌気している。また同日発表した中間業績予想の下方修正も売り材料となっている。同社によると、過去に出荷した物件の一部のうち決算期を越えた後に返品され在庫として計上している物件について、売上の取消処理の時期が適正かどうか特別調査委員会を設置し調査するという。このため１４日に予定していた中間決算発表も延期するとしている。

△日立線<5812>堅調、1.4倍明るい赤色ＬＥＤ開発と報道
日立電線が堅調。１４日付日経新聞朝刊で、同社が従来品よりも１．４倍明るい赤色ＬＥＤ（発光ダイオード）を開発したと報道されたことなどが材料視されている。液晶テレビのバックライトや自動車のテールランプに使う際、現行の明るさのままＬＥＤチップを減らし、省エネに結びつく。２００８年６月をメドに実用化するという。

△東京スター<8384>大幅高、アドバンテッジが08年1月にＴＯＢと報道
東京スター銀行が前日比１０％前後の大幅高。米投資ファンドのローンスター[LS.UL]が保有する東京スター銀行株式を、投資ファンドのアドバンテッジが買収することで基本合意し、アドバンテッジが来年１月にも株式公開買い付け（ＴＯＢ）を実施するとのロイター報道が材料となっている。東京スター銀行は１４日朝、「特定の投資家の投資活動にコメントする立場にない」とのコメントを発表した。

△理研電線<5808>が急反発、株式交換比率にサヤ寄せ
理研電線が急反発している。古河電気工業<5801>は１３日、同社を株式交換で完全子会社化すると発表した。理研電線の株式１株に対し古河電の株式０．３５株を割り当てるため、株価は交換比率にサヤ寄せする動きとなった。理研電線は来年３月２６日に上場廃止となる予定。完全子会社化は来年４月１日を予定している。

△明星工業<1976>がしっかり、自社株買いを好感する動き
明星工業がしっかり。自社株買いを好感する動きとなっている。同社は１３日、発行済株式総数の２．２５％に相当する１５０万株を上限に自己株を取得すると発表した。取得総額上限は６億円。取得期間は１２月１４日から２００８年４月２４日まで。

△アインファーマシーズ<9627>が小高い、中間期予想を上方修正
アインファーマシーズが小高い展開となっている。２００７年１０月期予想について、営業利益を１５億９０００万円から１６億２０００万円に上方修正したことを受け買い優勢となった。
（ロイター）

△東海カボン<5301>株が反発、通期業績上振れ報道－電炉向け電極の輸出伸びる
カーボン材料の総合メーカーの東海カーボン株が３日ぶりに反発。一時前日比36円（3.4％）高の1093円まで上げ幅を広げた。主力の電炉向け黒鉛電極が韓国向けなど輸出を中心に伸びるなどとして、今通期（2007年12月期）の連結業績が従来予想から上振れする見通しと一部報道で伝わっており、買いが優勢だ。14日付の日本経済新聞朝刊によると、東海カボンの07年12月通期連結純利益は前期比51％増の120億円程度になりそうだ。従来予想は38％増の110億円。電極は韓国のほか、欧州でも需要が拡大、半導体製造装置に用いるファインカーボンも順調に伸びるという。また、円安・ユーロ高が営業利益を２億円程度押し上げ、売上高は19％増の1180億円程度と、従来予想を60億円前後上回る見込みと伝えている。みずほインベスターズ証券の大島守雄アナリストは、「事業の３本柱である電極、ファインカーボンなど特殊炭素製品、カーボンブラックはいずれも堅調に推移しており、収益環境に死角はない」と指摘。早くから設備投資を積極化させたことで、国内外で新工場が稼動し始めており、「おう盛な需要に応える体制も整い、来期業績も高成長を期待できる」（同氏）と見る。原油高の影響で、タイヤ原材料であるカーボンブラックの採算悪化が懸念されるものの、大島氏によれば「製品価格への転嫁を着実に進めており、過度の心配は必要なさそうだ」という。
みずほイ証では13日付で、東海カボン株の投資判断を５段階評価で上から２番目となる「２＋（中立プラス）」で調査を開始。来期（08年12月期）業績については、「保守的に見積もっても、営業利益ベースで今期予想比15％程度の増益は達成できるだろう」（大島氏）としている。

△アステラ薬<4503>は小動き、注目新薬の治験データを公表－先行薬を上回れず
国内医薬品大手アステラス製薬の株価が小動き。前日終値の4930円を挟み上下１％内外でもみ合っている。13日開催の「研究開発状況説明会」で、大型化が期待される開発中新薬「ＹＭ150」（開発コード名）の臨床試験（治験）第２相（フェーズ２）の解析データを公表した。直接的な比較はできないものの、先行薬を上回る効き目を示せなかったため、積極的に買い進む向きが限定された。午前10時５分現在の株価は前日比30円（0.6％）高の4960円。アステラ薬が公表したフェーズ２データは、今月10日の米国血液学会（ＡＳＨ）で公表したもの。ＹＭ150は、経口ファクターＸａ（テンエー）阻害剤と呼ばれる抗血栓症治療薬で、世界の医薬品大手がこぞって開発を急ぐ競合の厳しい薬剤。医療現場で広く使われるようになるためには、先行する薬剤に対し、安全性や有効性などで優位なデータを示す必要があると言われている。アステラ薬が示した解析データによると、整形外科手術後の静脈血栓症（ＶＴＥ）の発現率は、30ミリグラム投与時で19.3％、60ミリグラム投与時で13.3％、 120ミリグラム投与時で14.5％となった。出血の副作用発現率は２－５％程度。医薬品アナリストは同データを見て、2008年にも第３相試験（フェーズ３）への進展が可能だと考えているが、「先行するバイエルのリバロキサバンに対する優位性を確認するには至らなかった」（リーマン・ブラザーズ証券の依田俊英シニアアナリスト）との見方が支配的。
リーマン証は、バイエルが今回のＡＳＨに提出したリバロキサバンのフェーズ３試験のデータを解析。アステラ薬のＹＭ150とは対象患者数や投与期間が異なると断った上で、「リバロキサバンのリスク・リダクション率は88％としていることから、ＶＴＥ発現率に換算すると６％程度になる」と指摘した。ＶＴＥ発現は低いほど薬剤の有効性が高いことを示す。リーマン証ではアステラ薬がどんなフェーズ３を行うのかに注目している。

△くらコーポ<2695>が反発、魚価高こなし前期最高益－出店加速で今期も増益へ
関西地盤に回転すし店をチェーン展開するくらコーポレーションの株価が急反発。魚価高にも関わらず来店客数が増加して前期（2007年10月期）は過去最高益を更新した。今期（08年10月期）も35 店を新規開設してさらに利益を伸ばす計画を発表し、収益拡大期待が強まった。この日は買い気配で取引を開始。午前９時20分すぎに前日比7.7％高の26 万5000円で260株が約定した。その後も買いが優勢で、一時は26万8000円まで値上がりし、今年４月23日以来、約８カ月ぶりの高水準に回復した。くらコーポが13日に公表した前期決算（非連結）によると、本業のもうけを示す営業利益は前の期比19％増の28億円となり、会社側の事前予想を7.4％上回った。タッチパネルを用いた注文システムなどが好評を博している上、各種フェアが奏功、固定客も増加して既存店売上高が同4.5％と大きく伸びた。今期は既存店売上高を前期比0.2％増と見込み、営業利益の目標値を同17％増の33億円と設定。１株当たり利益（ＥＰＳ）は１万8164円22銭とした。ブルームバーグ・プロフェッショナルに登録された証券系アナリスト７人の今期営業益予想の平均は30億7700万円のため、会社計画は市場コンセンサスを７％上回る。いちよし証券経済研究所の鮫島誠一郎シニアアナリストは、「11月の既存店売上高は前年同月比3.1％増だった。昨年の暖冬の反動があると会社側は説明しているが、基調は依然強く、上振れする可能性がある」と分析している。同社の株価が長い間ボックス圏で推移してきたのは「配当性向が低かったため。今回、前々期の360円から800円に増配し、今後の増配も見込めるようになった。株価は今後上向いていくのではないか」と鮫島氏は期待している。くらコーポ総務部の広政俊行氏はこの点について、「弊社は後発組で先行企業の規模は大きい。配当を増やしたいと考えてはいるが、まずは出店費用に使って行きたい」と述べている。

▼不動産株が安い、分譲マンションは供給減・在庫増－短観ＤＩも悪化中
三井不動産<8801>など、不動産株が総じて安い。新築分譲マンションの供給戸数が大幅に減少しており、不動産業界の今後の業績に対する不安が広がっている。三井不は一時前日比50円（1.9％）安の2580 円、
三菱地所<8802>は同80円（2.9％）安の2650円まで下落。東証業種別指数の不動産指数は2.4％安まであり、33業種中で下落率１位となっている。
明和証券顧問の矢部靖夫氏は、「マンションの供給戸数の大幅減少で、先行きの業績を懸念する見方が出て売られている」と指摘。さらに矢部氏は、「改正建築基準法の影響が今後出てくれば、供給戸数の回復はまだ時間がかかる可能性がある」とも述べた。不動産経済研究所が13日に発表したマンション市場動向によると、2007年 11月に首都圏で発売されたマンションは前年同月比43.6％減の3868戸となった。３カ月連続の減少。マンション価格の上昇で購入意欲が低下し、在庫が増加していることなどが供給戸数の減少につながった。11月に4000戸を割り込んだのは16年ぶり。一方、日本銀行が取引開始前に発表した12月調査分の企業短期経済観測調査（短観）によれば、業種別の業況判断ＤＩで不動産は足元の数値が37と、前回９月調査から13ポイント悪化した。さらに先行き見通しも27と、10ポイントの低下が見込まれている。

△インテクＨ<3819>株が急反発、ＴＩＳ<9751>と経営統合－移転比率やシナジーを意識
情報サービス大手、インテックホールディングスの株価が買い気配で始まり、前日比123円（7.8％）高の1700円で寄り付いた。情報サービス事業の競争力を強化するため、同業のＴＩＳと経営統合すると13日に発表。株式移転比率が、前日終値ベースで比較するとインテクＨ株に 10％強のプレミアムが乗った格好で、買いが先行している。規模拡大によるシナジー効果を期待する向きもある。ＴＩＳは４日続落で、80円（3.5％）安の2195 円まで下げている。両社の経営統合の狙いは、情報サービス事業の競争力強化にある。株式移転により両社の株式はそれぞれ上場廃止となり、新たに設立する共同持株会社が東証に新規上場申請をする。ＴＩＳの普通株１株に対して共同持株会社の普通株式１株、インテクＨの普通株式１株に対して共同持株会社の普通株式0.79株を割り当てる。13日終値はインテックが1577円、ＴＩＳが2275円。株式移転比率に基づく理論価格は、インテックが1797円、ＴＩＳが1996円となる。共同持ち株会社の設立日（登記日）は08年４月１日の予定。ＵＢＳ証券の富井喜隆アナリストは、「顧客基盤の重複は少ないことから、売上高は『１＋１＝２以上』が期待できる」（13日付の投資家向けリポート）と指摘する。両社とも大口顧客に三菱ＵＦＪ銀行を抱えるといった重複はあるものの、「基幹系と情報系と別々な領域を担当しており、共食いリスクは小さい」との見方だ。期待できるシナジー効果としては、これからＩＴ（情報技術）投資が本格化するクレジットカード（ＴＩＳの強み）と保険（インテクＨＤの強み）の案件獲得、インテックＨＤにおけるアウトソーシングの付加価値向上など――を富井氏は挙げる。会社側はシナジー効果として、2010年度に売上高200億円、営業利益30億円を見込んでいるが、ＵＢＳ証では「可能性のある目標」としている。
（ブルームバーグ）

▼保険セクター---全面安、メリルが損保セクターを格下げ
メリルでは損保業界の投資判断を「弱気」としている。低迷する保険料収入、経営品質向上名目による事業費率の向上、サブプライム問題への警戒感などを背景としている模様。
個別では、損保ジャパン<8755>、ニッセイ同和<8759>、富士火災<8763>の判断を「買い」から「中立」に格下げ、サブプライムＣＤＯで下期の追加ロス懸念が拭いきれないとして、
あいおい損保<8761>を「買い」から「売り」に格下げ。

△トッキ<9813> 大幅高。
キヤノンによるＴＯＢの成立が材料視されているようだ。キヤノンが買い付け予定株数の307万2700株に対して732万3520株の応募があったと発表、応募株数のすべてを買い付けるとしている。キヤノン傘下での業績回復期待に加え、浮動株の減少に伴っての需給的な思惑などが生じているとみられる。

△三井鉱山<3315> 反発で25日線を捉える。
上値抵抗線として意識されている25日線を捉えている。相場全体の方向感が掴みづらい中、短期値幅取り資金は低位材料株へシフトしやすいようだ。一目均衡表の雲下限レベルであり、突破が期待されてきた。

▼アイル<3854> 軟調。
決算内容が嫌気されている。第1四半期は前年同期との比較がないものの、0.72億円の営業赤字と営業損益段階から赤字となった。なお、会社側では上期予想を開示していないが、通期での営業利益予想は2.91億円となっている。

△ニコン<7731>---強い動き、前日はドイツ証券が目標株価引き上げ
本日は半導体製造装置の株高が目立っているが、とりわけ、同社の強い動きが目立つ。前日にはドイツ証券が投資判断「バイ」を継続で、目標株価を4600円に引き上げている。半導体市況悪化の影響は、微細化による集積度の向上ニーズの高まりなどを背景に、露光装置に関しては最小限とどまるとしており、来期も好調が続くと見込んでいるようだ。

□ディーエヌエー<2432>---イレギュラー的な下げの修正
イレギュラー的な下げの修正。フィルタリングサービスによるコスト負担増などの懸念からストップ安を交え直近で40％近い下落となっていた。直近安値や節目などを次々と割り込み、見切売りが加速するなどイレギュラー的な下げでもあり、見直す流れも。

△アインファマ<9627> 買い先行。
決算内容が好感されているようだ。07年10月中間期の実績は期初計画から上振れとなり、経常利益で前年同期比75.8％増の15.63億円となった。なお、野村では調剤薬局の好調が確認できたとして投資判断「1」を継続、日興シティでは投資判断「1H」並びに目標株価2600円を継続したようだ。

△東京スター<8384> 大幅高。
投資ファンドのアドバンテッジが買収で基本合意、ローンスター保有株を含め、全株取得を目指しＴＯＢを実施するとの報道が買い材料視されている。一部ではＴＯＢ価格は30万円台後半、他では買収金額2500億円前後で交渉などと伝えられている。ひとまずＴＯＢプレミアムを期待する動きが先行の格好に。

△ラックＨＤ<3857> 堅調。
自社株買いが材料視される。160万株、5億円を上限とした自社株買いを実施すると発表している。なお、市場で自社株を取得するため、120万株を上限に固定価格取引を実施すると。

▼ＴＩＳ<9751>---売り優勢、経営統合にはネガティブな見方も
売り優勢。前日にインテックＨＤとの経営統合を発表しているが、ネガティブな見方が先行する状況に。株式交換比率にさや寄せする動きのほか、モルガンでは経営統合の印象はネガティブとの見解。事業領域の重複が無く効率改善が見込み難いこと、クロスセルが可能な事業も少ないことなどを背景に、シナジー効果は期待しがたいなどとしている。

▼パーク２４<4666>---下げ目立つ、今期も収益成長鈍化見通し
下げ目立つ。今期の業績鈍化見通しが嫌気されているもようだ。前日に10月期の決算を発表、実績数字は従来想定どおりとなったものの、今期は営業横ばい見通しなど、引き続き収益成長鈍化が鮮明化する格好になっている。みずほでは投資判断を「３」から「４」に格下げ、成長鈍化でＰＥＲ水準には割高感残ると。

△ＯＬＣ<4661>---年末イベント控え入園者増期待
3日ぶり反発で25日線を捉える。一目均衡表では雲上限がサポートとして機能し、遅行スパンは上方転換シグナル発生の可能性。クリスマスなど年末イベント控え、入園者増が期待される。

■メガバンク---まちまち、日銀短観やリーマン決算受け
三菱ＵＦＪ<8306>とみずほ<8411>が売り先行、三井住友ＦＧ<8316>は買い先行とまちまちの展開になっている。寄り付き前に発表された日銀短観では、大企業製造業のＤＩが+ 19、前回から4ポイントの悪化となり、市場コンセンサスとされた+21も下回る内容に。注目されたリーマンの決算は想定を上回ったが、先行きの悲観的な見通しを受けて株価は軟化している。ともに銀行株にとってはプラス材料といえないものの、短観後のアク抜け期待なども一部では強く、徐々に強弱感が対立する格好に。

△任天堂<7974>---25日線レベルの調整でリバウンド
6営業日ぶり反発。前日までの調整で25日線レベルまで下げており、テクニカルリバウンドに。11月の米小売売上高は前月比1.2％増と市場予想（0.6％増）を上回ったほか、為替の円安基調も手掛かりに。

△ソニー<6758>---米小売売上高予想上回り、円安基調も手掛かり
5営業日続伸で直近戻り高値更新。11月の米小売売上高は前月比1.2％増と市場予想（0.6％増）を上回った。クリスマス商戦の好調な出だしを反映した格好に。為替相場は112円台で推移していることも買い手掛かりに。
（フィスコ）

△ユシロ化<5013>は２ケタ増益業績見直し割安株買い続き小反発
ユシロ化学工業は、９円高の１９７１円と小反発し１１月２７日につけた年初来安値１８０５円から底離れする動きを強めている。米投資ファンド、スティール・パートナーズのブルドッグソースの買収失敗が波及し同社株式も年初高値２７１５円から９００円幅の急落となったが、業績実態面からは下げ過ぎとしてバリュー株投資が続いている。同社の今期業績は、２ケタ増益ペースで推移、９月中間期業績は、期初予想を上ぶれ前年同期比７％増収、２０％経常増益、２９％純益増益で着地した。金属加工油剤関連事業では、主要ユーザーの自動車業界が国内伸び悩み・輸出向け生産増で好調に推移したほか、切削油剤、アルミ離型剤、洗浄剤、ＩＴ業界向け製品が伸び、ビルメンテナンス関連事業と産業廃棄物処理関連事業の伸び悩みや原油価格高騰による原価率アップを十分にカバーした。３月通期業績は期初予想を据え置き、純利益は１８億６０００万円（前期比１％増）と小幅ながら連続の過去最高更新を予想している。株価は、年初来下落幅の２０％強のリバウンドをしたところだが、ＰＥＲは１６倍台、配当利回りは２．１％となお好バリュエーションとなっている。一段の戻りを試す展開が続こう。

△しまむら<8227>は業績伸び悩み織り込み売り方の買い戻し交え反発
しまむらは、２８０円高の１万５５０円と３日ぶりに反発している。１０月２日に発表した２００７年８月中間期業績が、期初予想を下ぶれて着地し、外資系証券の投資判断引き下げ、さらに１１月２６日発表の１１月既存店月次販売が前年同月比９６％と落ち込むなど悪材料が続き、１万円大々台攻防とともに信用売りが積み上がっており、１２月入りとともに寒波も本格化、通期業績の上ぶれ期待を高め売り方の買い戻しを誘いつつもみ合い上放れ様相を強めている。同社の中間期業績は、春の天候不順、梅雨時の異常低温、７月の相次ぐ台風上陸、記録的な猛暑などの異常気候が季節商品を直撃、経常利益が期初予想より２２億円、純利益が１１億円未達で着地した。それでも増収増益はキープしており、２月通期業績も期初予想を据え置き純利益は２１８億８７００万円（前期比１６％増）と２ケタ増益の連続過去最高を見込んでいる。むしろここにきての早めの寒波来襲は、逆に中間期と異なり業績上ぶれ要因になるとの期待も高まっている。株価も、このところに１５００円幅の急落に寒さの本格化も加わり売り方の買い戻しが増勢になってきている。リバウウンド幅拡大が有力となる。

△ニプロ<8086>は信用好需給をテコにディフェンシブ株買い高まり反発
ニプロは、２０円高の２３１５円と反発している。師走相場佳境入りとともにサブプライムローン問題による米国株価の波乱展開を嫌いディフェンシブ株買いが底流しており、同社の逆日歩のつく信用好需給がより逆行高思惑を強めている。同社株は、２００７年９月中間期業績が期初予想を上ぶれて着地したものの、減収純益減益となり、３月通期業績も期初予想据え置きとしたことから年初来安値１９９６円へダメ押しとなり、強弱感の対立から信用取組も拮抗、逆日歩のつく展開となった。ただ中間期業績の減収純益減益は、食品ストアとドラッグストアを前期に売却したことによる売り上げ減、同株式売却益一巡による純益減益で、業績水準自体は売り上げが期初予想を約５０億円、純利益は約６億円上回った。このため中間期配当は、期初予想の２３円を２５．５円に増配した。今期通期業績は、期初予想通りの減収・純益減益を見込み、純利益は６６億円（前期比２２％減）とした。期末配当は、逆に期初予想据え置きで、期初予想の２５．５円を２０円に減配、年間配当は４８．５円（前期実績８０円）とする。株価は、配当利回りが２．１％と割り負けていることも手伝い、売り方の買い戻し主導でリバウンド幅を拡大する展開も有力となる。

△建設技研<9621>は３Ｑ高進捗率バックに期末配当取り高まり急反発
建設技術研究所は、２５円高の７９７円と急反発している。１１月２２日に発表した今１２月期第３四半期（３Ｑ）業績の２ケタ増益・高進捗率をきっかけに、割安株買いが増勢となっており、あと２週間を残す期末の１６円配当取りも押し上げ効果を発揮している。同社の３Ｑ業績は、前年同期比１３％増収、３６％経常増益、３３％純益増益と高変化し、期初予想の通期業績に対して利益は８３－８５％の高進捗率となった。同社の属する建設コンサルタント業界は、政府、自治体の公共投資が低調に推移する厳しい環境下にあるが、２００６年４月に施行された「公共工事の品質確保の促進に関する法律」により価格競争から技術競争の色合いを強めており、技術力による発注先を選定するプロポーザル方式の発注が増加、同社がこれに対応し技術者の増員、東日本、西日本での組織体制改革による機動力の向上を進めたことが寄与している。１２月通期業績は、期初予想を踏襲、純利益は８億４０００万円（前期比２０％増）を予想、期末配当も１６円を予定しているが、期末にかけ業績上ぶれ期待も高まってくる。株価は、９月につけた年初来安値７１５円から１００円幅の浮上をしたところだが、ＰＥＲは１３倍台、ＰＢＲ０．６倍、配当利回りは２．０％と割安であり、リバウンド幅拡大余地が広がる。

□ドーム<9681>は３Ｑ大幅増益も材料出尽くし感から急続落
東京ドームは、２１円安の５９０円と続急落している。前日１３日の今１月期第３四半期（３Ｑ）決算を発表、１２月７日の業績観測報道通りに大幅増益で着地し、通期予想に対しても高進捗率となったこと、材料出尽くし感から利益確定売りが先行している。同社の３Ｑ業績は、前年同期比１０％減収、３４％経常増益となり、純利益は１１１億９８００万円と前年同期に９１３億６０００万円の赤字から大幅黒字転換した。経常利益は、通期予想対比で９１％、純利益は９４％の高進捗率となった。不採算のゴルフ・リゾート事業やファイナンス事業からの撤退で減収となったが、レジャー事業では東京ドームシティ事業で、プロ野球の読売巨人軍のセリーグ優勝によりクライマックスシリーズ３試合開催、観客動員数増員があり、松戸競輪事業でも開設記念競輪開催により増収となったことなどが寄与した。純利益は、前期計上の事業撤退損失が一巡して大幅黒字転換した。株価は、読売巨人軍の優勝争いとともに下値を切り上げ年初来高値７４９円まで買い上げられたが、巨人軍のクライマックスシリーズ敗退とともにほぼ往って来いとなった。株不足で逆日歩のつく信用好需給を側面支援材料に仕切り直しの割安株買いが再燃しよう。

△理研線<5805>は古河電<5801>との株式交換比率に換算思惑高まり買い気配
理研電線は、寄り付きから買い気配を切り上げ２５円高の１６２円買い気配と急反発している。前日１３日に古河電気工業とともに、株式交換方式により古河電の完全子会社となることを発表、株式交換比率からはなお上値余地が残るとして買い先行となっている。完全子会社化は、細線・極細線に特化した巻線、ステンレス線、エレベータケーブルなどの特殊ケーブル、電子部品加工などで独自ブランド製品を開拓、堅実経営を続けている理研線が、グローバルな競争市場で事業の存続・発展を図り、経営基盤を強化するためには、新規市場の開拓や取扱製品を拡大する必要があり、古河電グループとの事業戦略の連携を強化、経営資源を一体化し運営することが最善として合意された。株式交換は、来年２月１３日の理研線の承認臨時株主総会を経て来年４月１日付けで実施され、その前の３月２６日に理研線は上場廃止となる。株式交換比率は、理研線株式１株に古河電株式０．３５株を割り当て交付するが、前日終値現在の同比率換算でなお理研線に３０円幅の上値余地が計算できる。なお古河電は、３円高の４７９円と３日ぶりに小反発している。

△ハルテック<5916>は１５連騰、固定資産売却・純益増額で極低位株思惑
ハルテックは、１０円高の１５６円と２日間の変わらずを含め１５営業日続伸となっている。前日１３日に固定資産売却と売却益を要因とした今３月通期純利益の上方修正を発表、純利益が期初の赤字予想から大幅黒字転換することが極低位株思惑を増幅している。このところ市場で、橋梁株に短期資金が流入し出遅れ株人気を高めていることも追い風となっている。同社が売却した固定資産は、今年７月に生産機能集約のために製作機能の休止を発表した大阪工場（帳簿価格７億３３００万円）で、エムオーテック（９９６１・東２）に来年３月３１日物件引き渡しで２４億４６００万円（税込み）で売却、１４億円の固定資産売却益が発生する。このため今３月期業績は、純利益を４億５０００万円の赤字予想から９億５０００万円の黒字（前期は１４億８９００万円の赤字）と黒字転換する。同社の業績は、下方修正、低迷続きである。前期も相次いで業績を減額修正し赤字を拡大、無配転落となった。今期も、１１月に中間期業績の売り上げを減額、経常利益、純利益を上方修正したが赤字減少にとどまり、中間期決算開示には通期経常利益を下方修正し経常利益が１億円悪化した。橋梁・鉄骨部門の完工高減少をコスト削減でカバーしているが、公共工事縮小下、依然厳しい受注競争が業績下押し要因となっている。株価は、業績減額のたびごとに下値を追い上場来安値９３円まで調整した。この下値で極低位値ごろのみが株価材料となる思惑相場を展開してきたが、新たな株価材料の出現がさらに上値を刺激することになる。
（東洋経済新報社）