12/12 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

■Ｊパワー<9513>が反落　「Jパワー見解に英TCI反論」の影響は限定的
反落。一時は前日比150円安の4190円まで下げた。相場全体の地合いが悪化しており、電力セクター全体も売りが優勢になっている。前日までの４日続伸で300円上昇しており、利益確定売りが出た面もあるようだ。12日付の日本経済新聞朝刊は「Ｊパワー（電源開発）に役員受け入れを要求している英ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド（ＴＣＩ）のアジア責任者、ジョン・ホー氏は11日、都内で講演し、受け入れを拒否するＪパワーに反論した」と報道。経常利益の目標達成を理由に拒否する姿勢のＪパワーに対し、「自ら設定した目標を達成しても良い悪いは判断できない」などと語ったという。もっとも、ジョン・ホー氏の意見は一部報道機関のインタビューで事前に伝わっていることもあって、きょうの株価への影響は限定的とみられる。

▼武田<4502>が続落　「５分野以上の新薬候補を外部調達」影響薄
続落。一時は前日比120円安の6680円まで下げた。日経平均株価の急落を受けた主力株売りに押されている。12日付の日本経済新聞朝刊は「長谷川閑史社長は11日、2010年度までに高脂血症やがんなど５つ以上の疾病領域で新薬候補物質を外部から調達する考えを明らかにした」と報じた。コスモ証券の馬目俊一郎シニアナリストは「主力薬の特許切れが近づいており、自社開発で間に合わない分は外部からの調達が必要との見方は以前からあった」と指摘しており、意外感は乏しく、株価への影響は限定的のようだ。株価は低迷が続いている。10月29日に欧米で臨床試験を進めていた高脂血症治療薬について米食品医薬品局（ＦＤＡ）から追加試験を求められたと発表し、将来の業績に対する不透明感が強まったことが尾を引いている。馬目氏は、「成長が期待できる分野で新薬候補の外部調達が実際に動き出した場合、株価低迷を脱する契機となる可能性がある」と話していた。

△どん<8216>が買い気配――吉野家ＨＤ<9861>の買収報道が手掛かり
買い気配で始まった。12日付の日本経済新聞朝刊は「吉野家ホールディングス（ＨＤ）は大証２部上場のステーキ店チェーン最大手、どん（旧フォルクス）を買収することで同社と大筋合意した」と報じたのを手掛かりに個人投資家とみられる買いを集めているという。この報道について吉野家ＨＤ（東証１部、9861）は取引開始前に「現時点では何も決定していない」と発表。どんも９時48分に同内容を発表。８時20分から売買取引が一時停止となっていたどんの売買は10時19分に再開され、現在は前日比55円高となる530円の買い気配を付けている。買越株数は約30万株。

△大日印<7912>が６日続伸――「半導体低コスト新製法を実用化へ」
買い優勢で、前日比33円高の1757円を付ける場面があった。相場全体が下げる中での逆行高となり、６日続伸。新しい半導体生産技術の量産化見通しが伝えられ、これを手掛かりにした買いが入っている。12 日付の日本経済新聞朝刊は「半導体回路の微細化に対応した新技術『ナノインプリント』で使用する石英ガラスの型の生産技術を2008年中に確立し、半導体メーカーの採用が決まれば09年度にも量産する」と報じた。新技術は、現在の高額な露光装置に比べ、装置費用を５分の１程度に抑えられるという。新技術の業績寄与への期待が高まった。
みずほインベスターズ証券の大沢充周シニアアナリストは「ナノインプリントは凸版印<7911>やＨＯＹＡ<7741>なども開発に着手しており、業界では広く知られた技術。回路描画での現在の露光技術にすぐに置き換わることは考えにくく、株価への影響は限定的」とみていた。大日印株については、足元での液晶向けカラーフィルター事業の回復が株価の刺激材料になるとみているという。
露光装置を手掛けるニコン<7731>、キヤノン<7751>はいずれも安い。

▼ＺＥＮＴＥＫ<4296>がストップ安――ＭＳワラントで70億円調達
急反落。値幅制限の下限（ストップ安）となる前日比４万円（13.6％）安の25万5000円まで下落する場面があり、新興企業向け市場の値下がり率ランキングで上位に入っている。11日、行使価格の修正条項付新株予約権（ＭＳワラント）を第三者割当方式で発行し、約70億円を調達すると発表。将来的な１株利益の希薄化を懸念する売りが出ている。ＭＳワラントの割当先はＵＢＳＡＧロンドン支店で、当初行使価格は29万2000 円。この価格で権利がすべて行使された場合に発行する株式数は２万3972株で、発行済み株式数（10万5240株）の23％に相当する。調達資金のうち 52億円を借入金の返済に充て、残りの金額はワイヤレスブロードバンド事業などの投資に用いる予定という。

■吉野家HD<9861>が続落　どん買収は「現時点で決定していない」
続落。朝方から小安く始まり、一時は前日比2000円安の19万5000円まで下落した。その後も安い水準での小動きとなっている。12日付の日本経済新聞朝刊はどん（旧フォルクス）を買収すると報じた。ステーキ店チェーンの買収により牛肉の調達の効率化を進めるという。報道はどんについて、「2007年８月中間期に不採算店の閉鎖などで５億5000万円の債務超過に陥り、増資引受先を探していた」と伝えている。市場では「吉野家ＨＤが積極的な企業買収に乗り出し、業態の多角化を進めている方向性は正しいが、過去の買収案件で業績が改善した例が少ないため、今回の報道は材料視されにくい」（国内証券アナリスト）との見方が出ている。「直近の牛丼店の販売が低落していることも気掛かり」といい、株価浮揚には海外展開や多角化の成果が必要とみている。吉野家ＨＤとどんはそれぞれ報道に対し、「現時点では決定していない」などと発表した。

▼任天堂<7974>が続落――米株安で海外の機関投資家の売り
続落。一時は前日比2000円安の６万5100円まで下げた。前日の米株式相場が大幅安となったことを受け、リスク許容度の低下した海外の機関投資家による日本株売りの一環という。東京外国為替相場で円が反発基調にあることを嫌気した売りも出ている。年末商戦向けに発売した健康管理ソフトの「Ｗｉｉフィット」は好調だが材料としては織り込み済みで、「今後大幅な反発基調となるには新たな材料がほしいところ」（中堅証券）との指摘があった。

△スズキ<7269>、米国で日産に中型ピックアップの生産委託
スズキは 11日、北米市場向け中型ピックアップトラックの生産を日産自動車に委託すると発表した。日産の中型ピックアップ「フロンティア」をベースにしたトラックを2008年秋から同社スマーナ工場（テネシー州）で生産してもらう。北米で人気が根強いピックアップ市場の開拓を進める。両社は06年に事業協力の拡大で合意しており、今回の生産受委託もその一環。

△石油資源<1662>など鉱業株しっかり――原油先物高が支援材料
石油資源や新日鉱ＨＤ<5016>といった鉱業株や石油石炭製品が買われている。石油資源は反発。朝方小安く始まったが、その後上げに転じ、前日比30 円高の8440円まで上昇した。その後もしっかり。新日鉱ＨＤも反発している。前日比11円高の785円まで上昇する場面があった。ニューヨーク・マーカンタイル取引所（ＮＹＭＥＸ）の原油先物相場で期近の2008年１月物が３営業日ぶりに反発したことが支援材料。11日の米株式相場の大幅安を受け、原油のような商品に資金が流れるとの思惑から買われている。現時点での業種別東証株価指数（ＴＯＰＩＸ）の上昇率ランキングで鉱業は首位。

▼ソニー<6758>が反落――米株安や円上昇で戻り待ちの売り
反落。前日比100円安の6130円で寄り付いた。その後も安い水準で推移している。11日の米株式相場が大幅安だったほか、外国為替市場で円相場が１ドル＝ 110円台後半とやや円高・ドル安に振れていることが嫌気されている。ドバイの政府系投資会社によるソニー株取得をきっかけにこのところ株価は総じて堅調だったこともあり、戻り待ちや利益確定の売りが先行している。現時点で東証１部の売買代金ランキングの首位。12日付の日本経済新聞朝刊はハワード・ストリンガー会長兼最高経営責任者（ＣＥＯ）のインタビューを伝え、有機ＥＬ（エレクトロ・ルミネッセンス）テレビを米国でも来年発売する方針を明らかにした、と報じたが市場では材料視されていない。ＳＭＢＣフレンド調査センターの田中俊主任研究員は「収益貢献は当分先の話」と指摘する。田中氏は「家庭用ゲーム機の12月商戦の結果を見極めたい」と話すが、「ゲーム機製造でのコスト削減が進んでいることは評価できる」とみている。きょうは売り優勢の展開になっているが、「テレビ以外のエレクトロニクス分野の好調を考えると上値を追う展開が考えられる」という。

▼三菱ＵＦＪ<8306>が反落――「サブプライム支援基金出資」報道」
反落で始まった。朝方は売り気配で始まり、前日比40円安の1188円で寄り付いた。その後も安い水準で推移している。11日の米株式市場はダウ工業株30種平均やナスダック総合株価指数が大幅安となった。この流れを受けて投資家のリスク回避が進み、きょうの東京株式市場は全面安となっており、大手銀行株は総じて軟調だ。
三井住友ＦＧ<8316>やみずほＦＧ<8411>も安く始まった。三菱ＵＦＪは前日、分割後の高値を更新したこともあり、利益確定の売りが出やすくなっている面もある。12日付の朝日新聞朝刊は信用力の低い個人向け住宅融資（サブプライムローン）問題の沈静化を目的に米大手金融機関が設立を進める「サブプライム支援基金」について「三菱ＵＦＪが出資を打診されていることが11日、明らかになった」と報じた。日経ＱＵＩＣＫニュース社（ＮＱＮ）の取材に対し、三菱ＵＦＪの広報担当は「詳細を確認中でコメントできない」と話している。市場では「出資できるほど資金面で余裕があるとみることもできるほか、海外金融界での存在感が増している表れとも言えるため、長い目で見ると評価できる話」（外資系証券アナリスト）との声が出ている。

▼松下<6752>など輸出関連に売り先行――ダウ平均急落や円上昇で
輸出関連銘柄に売りが先行。松下は反落して始まり、一時は前日比20円安の2320円まで下げた。
トヨタ<7203>、日産自<7201>は売り気配となっている。11日の米株式市場で0.25％の追加利下げを受けてダウ工業株30種平均が294ドルの大きな下げ幅を記録。外国為替相場では円が上昇し１ドル＝110円台後半で推移していることを受け、事業環境や輸出条件の悪化を連想した売りが出ている。
（NIKKEI NET）

□ＩＨＩ<7013>が194円で寄り付く、押し目買いに下げ渋る
ＩＨＩが売り気配の後、１０日終値に対して４５円安の１９４円で寄り付いた。その後は押し目買いに下げ渋る展開となっている。同社株は、有価証券報告書の虚偽記載に当たり上場廃止基準に該当する恐れがあるとして、監理ポストに割り当てて審査に乗り出したことを嫌気し、大量の売りを浴びていた。市場では「監理ポスト入りで保有し切れなくなった機関投資家の売りも出ていたようだ」（中堅証券情報担当者）との声が出ている。また、アナリストの間に、レーティングを付けるなどカバレッジを一時中断する動きが広がっているという。かりに、上場廃止になった場合は、日経平均採用銘柄から除外されることになるが、日本経済新聞社は１１日、ＩＨＩを日経平均の構成銘柄として当面維持すると発表した。日経によると、東証の審査を見極めた上で、入れ替える必要があるかを決める予定という。

△Ｄクリック<4841>堅調、動画配信機能を4倍に拡充と報道
ダブルクリックが堅調。１２付日経新聞朝刊で、同社が同じ料金で配信可能なファイルの大きさを従来の４倍に拡大すると報道されたことなどが材料となっている。主力の「ＤＡＲＴ」の動画配信機能を１２日に拡充し、これまで最大１分程度だった放映時間を４─５分程度に拡大すると報道では伝えている。

△メディアシーク<4824>が続伸、中間期の営業黒字が拡大との報道
メディアシークが続伸している。１２日付けの日本経済新聞は、２００８年１月中間期の連結営業黒字が会社側予想の３００万円から５０００万円強に拡大する見込みと報じた。システム開発事業で受注案件の納入が好調に進んでいるなどとしている。これを好感した買いが先行した。

△サイボウズ<4776>が買い気配、大幅増益の07年度9カ月決算を好感
サイボウズが気配を上げている。９時２５分現在、同社株は差し引き約３００株の買いで４万５３５０円買い気配。１１日に発表した２００７年度９カ月（２─１０月）連結決算で、営業利益が７億０２００万円（前年同期比３５．８％増）と大幅増益になったことが好感された。

△大証<8697>堅調、ＵＢＳが新規に「Ｂｕｙ」で投資判断
大阪証券取引所が堅調。ＵＢＳ証券が１１日付で、投資判断を新規に「Ｂｕｙ」でカバレッジを開始したことなどが好感されている。目標株価は７０万円。ＵＢＳでは、デリバティブ関連収入のほか、取引時間延長やＥＴＦ（上場投信）などの投資対象拡充によって、同社が他市場との差別化に成功していると評価している。

△平和<6412>が買い気配、200万株を上限に自己株取得へ
平和が買い気配。１１日に発行済株式総数の１．３８％に相当する２００万株を上限に自己株を取得すると発表したことなどを好感している。取得総額上限は２０億円。取得期間は１２月１３日から２００８年１月２２日まで。また子会社株式を約１２億円で売却したことも同日、発表している。

△雪印種苗<2057>が買い気配、ＴＯＢ価格にサヤ寄せ
雪印種苗が買い気配。雪印乳業<2262>が１１日、雪印種苗に株式公開買い付け（ＴＯＢ）を実施すると発表したことで、ＴＯＢ価格５５０円にサヤ寄せして始まっている。雪印乳業は現在、雪印種苗の発行済み株式総数の５０％を保有しており、全株取得による完全子会社化を目指す。ＴＯＢでの買い付け予定数に上限・下限を設けず応募株式の全てを買い付ける。買い付け代金は最大で６６億３３１１万円の予定。ＴＯＢの結果、雪印種苗は上場廃止となる可能性がある。ＴＯＢ期間は１２月１２日から２００８年１月２３日まで。雪印乳業は、乳牛の飼料となる牧草などの種子を扱う雪印種苗を一体化させ、良質な生乳の確保を図る方針。雪印種苗もＴＯＢに賛同の意を表明している。

△エスエス製薬<4537>が買い先行、07年12月期業績予想を上方修正
エスエス製薬が買い先行となっている。１１日に発表した２００７年１２月期業績予想の上方修正を好感した。経常利益は従来予想の１６億円から２４億円、連結純利益は８億５０００万円から１３億円に増額した。ベーリンガーインゲルハイムが開発した医療用去痰成分をスイッチＯＴＣ成分として配合した総合感冒薬「エスタックイブファイン」の発売による売り上げ増が寄与するほか、主力製品の「エスカップ」群も順調に推移しているという。
（ロイター）

▼11月ビール系飲料は1.1％減、２カ月ぶりにマイナス
11月のビール系飲料（ビール、発泡酒、第３のビール）の課税出荷数量は3929万3000ケース（１ケースは大瓶20本換算）だった。前年同月比1.1％減と２カ月ぶりに前年実績を下回った。
ビール酒造組合と発泡酒の税制を考える会、加盟５社（サッポロ<2501>ビール、アサヒビール<2502>、キリン<2503>ビール、サントリー、オリオンビール）が12日に発表した出荷数量をまとめた。

■スタジオア<2305>が６日続落、七五三以外の開拓が課題－11月売上高は好調
子供写真館大手のスタジオアリスの株価が６営業日連続安。子供の誕生日に写真を撮影するビジネスが好調で11月の売上高は会社計画を上回ったが、少子化などを背景に将来的な成長性に不透明感があり、積極的な買いが手控えられている。午前９時16分現在の株価は、前日比28 円（２％）安の1376円。みずほ証券の森岡秀樹アナリストは、「会社の取組みが功を奏して足元の業績は好調。今期（07年12月期）業績は会社計画を上回る可能性がある」と予想。ただ、少子化を背景にしたマーケット縮小リスクや個人消費の鈍化傾向などから、「将来性は構造的に楽観視できない。七五三以外の柱を開拓する必要がある」ことも指摘していた。11月の売上高は前年同月比4.4％増の47億4300万円。子供の誕生日に七五三の写真を撮ろうとの呼びかけ、「Happy Birthday 七五三キャンペーン」が浸透。平準化が進んだ結果、11月の七五三撮影件数は同1.3％減となったが、お宮参りや衣装レンタルが伸び、プラス成長を確保した。７－11月までの５カ月累計の七五三撮影件数は前年同期比7.1％増。同社総務部の小笠原猛夫氏は11月の売上高について、「七五三の需要が減少するうえ、今年は土曜日が１日少なかったため、昨年比で落ち込む可能性も考えていた。しかしキャンペーンの浸透などで予想以上に好調だった」と話した。

△東山フイルム<4244>がジャスダックに上場、買い気配－携帯向けフィルム加工
ジャスダック市場にきょう新規上場した東山フイルムは、公募価格（700円）で差し引き約100万株の買い注文を集めて買い気配。公開株数は80万5000株（公募50万株、売り出し20万株、オーバーアロットメントによる売り出し10万5000株）、主幹事は大和証券ＳＭＢＣ。同社は1949年に設立。経営企画室・山田義文マネジャーによると、フラットパネルディスプレイ（ＦＰＤ）向けフィルムに薬品などを薄く伸ばす技術を持つ。薄さ80ナノ（ナノは10億分の１）メートルでも均一に薬品を塗ることができるという。ＦＰＤは携帯電話や液晶テレビ、パソコンなどに使用されており、幅広い用途で需要がある。エアコンの室外機内部のコンプレッサーモーターに使われる絶縁フィルムのほか、工業用印刷フィルムでも強みがあるという。2007年12月期の連結業績は、売上高が前期比14％増の61億4900万円、営業利益が同50％増の５億4800万円、純利益が同68％増の２億8300万円と２けたの増収増益を見込む。主力製品の画像用光学フィルム製品がＦＰＤ市場の成長を受けて伸びるうえ、コーティングラインの稼働率向上や新ラインの増設も寄与する。１株当たりの純利益（ＥＰＳ）予想は78円５銭。公募価格の予想ＰＥＲ（株価収益率）は９倍。調達した資金は新工場の建設費用に充てる。
（ブルームバーグ）

□ベリサーブ<3724>---利食い優勢も直近戻り高値がサポート機能
6営業日ぶり反落。前日急騰の価格レベルで推移しているほか、11月前半の戻り高値レベルがサポートとして意識されている。東証1部への変更が発表されたが、三菱UFJによるTOPIX連動資金によるインパクトは1日の出来高の1.2倍と見込んでいる。

△ＩＨＩ<7013>---安寄り後下げ渋る、ＣＬＳＡで格上げ観測も
安寄り後は下げ渋る展開ともなっている。ＣＬＳＡでは投資判断を「アンダーパフォーム」から「アウトパフォーム」に格上げ、妥当株価を280円としている。上場廃止の可能性についてはなんともいえないが、日本の防衛産業の重要な一翼を担う企業であることを強調したいとしている。豊洲の遊休地など資産価値についても言及している。

△平和<6412>---自社株取得枠を設定、マド埋めほぼ完了
4営業日続伸で25日線レベルを捉えてきている。これにより11月末に空けたマドをほぼ埋めてきている。200万株、20億円を上限とする自社株取得枠を設定。売り方の買い戻しの動きも出てきているようだ。

△酉島製<6363> 強い動き。
前日には、アブダビにおける複数プロジェクトへの期待感で総合商社が買われていたが、同社も中東向け売上比率が3割を占める中東関連企業となっており、「水」資源関連プロジェクトにおける活躍が期待される展開となっているもようだ。

△ｅまち<4747> 大幅続伸、連日で年初来高値を更新。
上方修正を発表した11月6日以降、株価は動意づく格好となっている。ここ最近はベストリザーブの完全子会社化や中国のコミュニティーサイトなどへの資本参加を相次いで発表しており、成長期待が高まっているようだ。前日の100万円台回復を受け、値幅取り妙味も高まる格好。

■アジア<2149> 軟調。
新株発行がダイリューション懸念につながっている。米国を除くアジアを中心とする海外市場で550万株の新株を発行、約40億円を調達すると発表した。なお、550万株は現発行済み株式総数の10.29％に相当する。

△商船三井<9104>---資源関連の一角がにじりじりと下げ幅を縮め
下げ幅縮める。昨日リバウンドをみせていた資源関連の一角が売り優勢後にじりじりと下げ幅を縮めてきている。PERは10倍を下回る水準であり割安感は強い。安値レベルでの煮詰まり感台頭。

△伊藤忠<8001>---リバウンド相場入りへの期待が高まる
プラスに転じる。前日のリバウンド分を帳消しにして始まったが、その後はじりじりと下げ幅を縮め、プラスに転じてきている。25日線レベルでの攻防だが、 5日線との短期ゴールデンクロス発生も意識されてきており、リバウンド相場入りへの期待が高まる。ただ、信用倍率は11.26倍に悪化しており、戻り待ちの売り圧力は強そうだが。

△サイボウズ<4776>---買い気配、第3四半期の決算内容を評価
買い気配。前日に発表した第3四半期の決算内容などが評価材料となっている。累計営業利益は前年同期比35.7％増の7億円、通期計画8.2億円に対する進捗率は85％程度に達している。なお、第3四半期のみの実績では、営業利益は前年同期比48％増へ。比較的、値幅取り妙味が高まりやすい銘柄でもあり、短期資金の流入が活発化しているようだ。

△ＧＭＯ<9449>---リバウンド狙いの買い優勢
リバウンド狙いの買い優勢。07/12期の赤字幅拡大を受けて下落するも、直近安値を割り込んでいなかったこともあり、アク抜け感が強まってきている。下降する25日線が上値抵抗として意識されているが、これをクリアできればリバウンド狙いの資金が集中しそうである。

△メディアＳ<4824> ストップ高。
朝方に発表した四半期決算の内容が評価されている。第1四半期は営業損益段階から黒字化しており、営業損益については0.4億円の黒字（前年同期0.68億円の赤字）となった。

△ＡＣＣＥＳＳ<4813> 携帯向け共通プラットフォームの構築検討発表を受け、日興シティではポジティブなレポートをリリースしたようだ。
現在開発中の仏オレンジ社へのＡＬＰ提供に加え、ドコモに対しても採用の検討開始でＡＬＰ戦略は一歩前進したと。なお、投資判断「1S」並びに目標株価60万円については継続している。

△ソフトバンク<9984>---取り組みに厚みが増す
25日線レベルで下げ渋りをみせている。12/7時点の信用倍率は1.78倍と取り組みに厚みが増してきている。底堅さが意識されてくるようだと買い戻しを誘う流れも出てきそうだ。

□ディーエヌエー<2432>---昨日までの下げで見切売りも一巡か
続落も直近安値水準で下げ渋る。フィルタリングサービスの導入に向けたコスト負担などが嫌気され大幅調整が余儀なくされているが、直近安値水準および一目均衡表の雲下限レベルで下げ渋りをみせている。昨日までの下げで見切売りも一巡か。東証1部変更でインデックス買いを意識する向きも。

▼東芝<6502>---売り先行、第3四半期の営業減益観測報道受け
売り先行。10-12月期は営業減益に転じる公算が大きいと報じられている。ＮＡＮＤ型フラッシュメモリーの市場価格急落が背景とされている。株式市場全体の調整もあって、売り材料と捉えられる状況のようだ。ただ、半導体価格下落は想定線でもあり、通期計画は達成の見通しともされていることから、第3四半期の失速自体には強いインパクトは感じられない。
（フィスコ）

△東計電算<4746>は期末配当取りを３Ｑ高進捗率業績がフォローし続伸
東計電算は、寄り付きの３１円安から切り返し４円高の１６６５円と３日続伸し前日ザラ場につけた年初来高値１６６８円に肉薄している。下値で１２月期期末の４０円配当取りの動きが続いているもので、自己株式取得の進行、今１２月期第３四半期（３Ｑ）業績の大幅増益・高進捗率も見直されフォローしている。同社の３Ｑ業績は、前年同期比５％増収、２１％経常増益、２８％純益増益で着地し、期初の通期業績に対して経常利益は８６％、純利益は８９％の高進捗率となった。企業業績が好調に推移するなか、ＩＴ（情報技術）投資も大きく回復に転じてきており、ソフトウェア開発業務やソフト期間貸しのネットワーク業務、小売業・卸売業向け仕入れ管理などのアウトソーシング業務などが好調に推移し業績を押し上げた。同社の今期業績は、６月中間期業績は上方修正したものの、通期業績を期初予想を据え置いた。通期純利益は、１０億６４００万円（前期比１４％増）と３期ぶりの過去最高を見込んでいるが、３Ｑ高進捗率から期末にかけ上ぶれ期待が高まってくる方向にある。株価は、年初来の小幅ボックスの上限を抜けたところだが、ＰＥＲは１４倍台、配当利回りは２．４％となお割り負けている。昨年１２月高値１７２３円へのキャッチアップを強めよう。

▼ロックフィール<2910>は中間業績下ぶれを嫌い反落
ロック・フィールドは、３３円安の１６６６円と反落している。前日１１日に２００７年１０月中間期決算を発表、期初予想をやや下ぶれて着地したことから、第１四半期（１Ｑ）の微増益業績発表時と同様に利益確定売りが先行している。同社株は、１Ｑ業績が１ケタ増益にとどまったことと国内証券の投資判断・目標株価引き下げが重なり年初来安値１５５０円まで調整していた。同社の中間期業績は、前年同期比６％増収、２２％経常増益、２０％純益増益と伸びた。「ＲＦ１」ブランドでは生鮮野菜の高騰を品揃えの充実や新規出店、店舗リニューアルの積極営業政策で吸収、「ベジテリア」ブランドの親定番商品の導入効果なども上乗せとなった。４月通期業績は、期初予想を据え置き続伸を予想しており、純利益は１５億３７００万円（前期比３２％増）と連続過去最高を見込んでいる。株価は年初来安値から１００円幅の上値にいるが、ＰＥＲは１４倍台と割安である。利益確定売りをこなしながらリバウンド幅を拡大しよう。

△サカイ引越<9039>は急反発、業績再上ぶれ期待高め割安株買い
サカイ引越センターは、１００円高の３５４０円と３日ぶり急反発し、１１月２８日につけた年初来安値２７９５円からリバウンド幅を拡大している。１１月８日に発表した２００７年９月中間期業績が、７月の上方修正値を上ぶれて２ケタ増収益で着地したものの、３月通期業績は７月修正値を据え置き材料出尽くし感から１４００円幅の調整となったが、下値では業績再増額期待を高め割安株買いが再燃している。東洋経済会社四季報２００７年秋号でも、今期業績は強気に予想されており、２００８年新春号の内容に注目が集まっている。同社の中間期業績は、前年同期比１０％増収、２２％経常増益、１９％純益増益となった。前期に続きＴＶコマーシャルを展開するとともに積極的な支社営業を実施、引越件数が１１％増と伸び、原油や引越資材などのコストアップをカバーして上ぶれ着地した。今３月通期業績は、改正建築基準法によるマンションの着工件数の大幅減少、引越需要の減退懸念を押し返し７月の上方修正値を据え置いた。純利益は、２７億９６００万円（前期比２５％増）と連続の過去最高更新となるが、会社四季報秋号ではさらに強気に２９億円と強気に観測しており上ぶれ期待につながっている。株価は、急落幅の半値戻しをクリアしているが、ＰＥＲは１２倍台となお割安である。さらに戻りを試そう。

△クラリオン<6796>は連日の高値、車載情報システム事業強化を評価
クラリオンは、寄り付きの８円安から切り返し１５円高の２８３円と急反発し前日ザラ場につけた年初来高値２７９円を更新している。前日１２日に日立製作所（６５０１）とともに発表した車載情報システム（ＣＩＳ）事業の再編・強化策が、低位値ごろ思惑株買いを増幅させている。同社と日立は、２００５年に包括的な業務提携を結び、２００６年には連結子会社となりＣＩＳ事業強化を進めてきた。２００７年には日立の子会社ザナヴィ・インフォマティクスをクラリオンの１００％子会社として両社の生産・購買機能をクラリオンに統合した。今回は、来年３月３１日付けでＣＩＳ関連製品の開発効率向上を目的に日立と合弁で設立した開発受託会社エイチ・シー・エックスを解散し、その開発機能をクラリオンとザナヴィに移管する。クラリオンと日立は今後、製品基盤の基本ソフトウェアや先行技術の開発、資材調達、生産、販売、サービスなどの効率化を図りＣＩＳ事業を拡大させる。クラリオンの株価は、１０月の中間期・通期業績の上方修正、１１月発表のカーナビユーザー向け地図情報サイトの提供などの好材料続出に低位値ごろ株思惑が重なり９月の年初来安値１３７円から大きく底上げとなった。信用取組も拡大均衡して厚みを増しており、なお上ぶれ展開が想定される。

△ＪＱ上場の東山フイルム<4244>は買い物のみ集め買い気配
東山フイルムが、ジャスダック証券取引所に新規上場された。公開価格は７００円、公開株式数は８０万５０００株となっている。寄り付きから買い気配を切り上げ９時３０分現在、公開価格を２１０円上回る９１０円買い気配で売り物はなく約３５万株の買い物のみを集めている。同社株を含め年内あと７銘柄の新規上場を残すのみとなった新規株式公開（ＩＰＯ）市場は、ようやく本来の内需関連業態とシコリのなさが評価され、新規資金の再流入が続いており、同社のＩＴ（情報技術）関連業態と公開価格がＰＥＲ８倍台と割安で、資金吸収額が６億円弱と小規模にとどまることが買い評価されている。同社は、光学フィルムや高機能フィルムの加工販売メーカーである。ポリエステルフィルム上に電磁波や赤外線を遮断し反射を防止する化学薬品を超微細レベルで塗布する高技術力を誇り、塗布薬品の調合にも独自のノウハウを蓄積している。今２００７年１２月期業績は、売り上げ６１億４９００万円（前期比１３％増）、経常利益４億６２００万円（同３７％増）、純利益２億８３００万円（同６８％増）、１株利益７８．０５円を予想している。
（東洋経済新報社）