12/11 朝の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

△三菱重工<7011>など輸送用冷凍機大手、欧・振興地域向けを強化
三菱重工業、ヤンマー、ダイキン<6367>の輸送用冷凍機大手は欧州や新興工業地域での販売を強化する。トラック用で国内首位の三菱重工は０８年度に東欧で販売代理店網を構築するなど海外の販売・サービス体制を増強。鉄道貨物用首位のヤンマーは冷凍機を海外生産に切り替え、価格競争力を高め、インドなど新興市場に参入する。ダイキンは海上コンテナ用世界最大手の米キヤリアの牙城であるリース会社を攻略する。陸海の物流量が世界的に増える中、各社は得意分野の体制テコ入れを急ぐ。三菱重工はトラック用のコンテナ内冷凍冷蔵装置を得意とする。同社は独に販売代理店を持つ。欧米で主流の大型トレーラー用を０６年１２月に投入したのを機に欧州販売を強化する。今年９月までに英、伊、スペインの代理店と契約。１２月中に仏に代理店を設置。近く、欧州主要５カ国で販売網構築を完了する。同社は東欧の経済発展に伴い陸上輸送量が拡大すると判断。０８年度にトルコに参入するほか、ポーランドでの販売も検討する。同社は０８年度中に２４時間対応のコールセンターを欧州の代理店に導入。販売に不可欠なサービス体制を充実させ、２０１０年度に同事業の海外売上高を０６年度比２・６倍の１６０億円以上に高める。北米の需要は年間５万台以上で欧州と同規模だが、サービス体制の確保に時間がかかるため欧州攻略を先行する。ヤンマーは鉄道貨物用で国内シェア６割以上を握る。同社は鉄道網整備の途上にあるインドや中国など新興工業地域向けに鉄道貨物用の需要が増えると見て、国内生産していた冷凍機を海外でのＯＥＭ（相手先ブランド）生産に切り替える検討に入った。低コストの生産体制を確保し、新興地域参入に備える。ダイキンはコンテナ船向けの海上コンテナ用で、世界シェア２位でシェアは３割。１位は同６割の米キヤリア。３位は米サーモキング。ダイキンは中国に０８年１０月に海上コンテナ用の新工場を建設、国内外で増産体制を敷く。海上コンテナ用は船会社とコンテナのリース会社が２大顧客で、リース会社向けはキヤリアが独占している。ダイキンは海上コンテナ用需要が２０１０年度に０７年度予測比２０％増の１２万台に増えると見る。増産による供給力強化と並行しリース会社向け営業を推進、シェアを拡大する。

△日立<6501>、システム開発のリスク管理を強化
日立製作所は情報システム開発のリスクマネジメント管理を強化する。営業から納品するまでの各工程に“関所”を設け進ちょく動向をチェックする社内体制「フェーズゲート」を中小案件にも適用。対象プロジェクト数を現状の２００から０８年中に３０００へ拡大する。既存の品質管理向上策とも組み合わせることで不採算案件の防止や品質管理向上につなげ、情報通信グループの０９年度の営業利益率７％達成に役立てる。４月に導入したフェーズゲートは従来の見積もり、受注、設計、製造の各工程に加え、新たに引き合い前の営業段階から関所を設置した。各関所ではプロジェクトマネジャー（ＰＭ）や設計担当者、関連部署の社員１０―２０人が参加した全体会議で不採算化や障害につながる問題点を検証。結果を幹部社員が批評し修正指示や承認を与えて次工程に進むレビュー方法を体系化した。９月までにフェーズゲートを適用したプロジェクトは大規模案件を中心に約２００システム。このうち約１割にリスクが指摘され修正策を手当てするなど不採算案件の防止に効果が出た。このため０８年中に中小案件にも適用範囲を拡大。情報通信グループが手がけるプロジェクトの１割にあたる３０００システムの開発状況を見える化する。適用範囲の拡大に伴いプロジェクトの進ちょく度合いやリスク検証結果をパソコン上で確認できるウェブシステムを０８年から段階的に導入。２０１０年までに現場の担当者から幹部社員までの情報共有基盤を確立する。日立製作所はフェーズゲート以外にも外部発注したシステム開発の進展状況をプログラム解析ツールを用いて把握するシステムを０６年に整備。業務系パッケージ開発で培ったノウハウを生かしたアプリケーション（応用ソフト）自動化ツールの充実など品質管理の徹底に向け手を打っている。

△富士通<6702>、ＣＯ２削減などグリーンＩＴ化推進プロジェクトを開始
富士通は１０日、二酸化炭素（ＣＯ２）削減など「グリーンＩＴ化」を推進するプロジェクトを始めると発表した。ＩＴ機器の省電力化やＩＴ活用で求められる環境負荷の軽減をグループ一丸で推進。まずユーザー企業におけるＩＴ使用を前提に「２０１０年度までの４年間で累計７００万トン以上のＣＯ２削減」（環境本部）を数値目標として設定した。併せてデータセンター（ＤＣ）の省電力化を支援する新サービスを提供。３年間で受注額５０億円、４０社への導入を目指す。立ち上げるプロジェクト「グリーン・ポリシー・イノベーション」ではＩＴインフラの改善とともに、アウトソーシング（外部委託）やコンサルティングなどＩＴ活用における環境負荷低減を推進する。４年間で目指すＣＯ２排出量削減の内訳はＩＴインフラが約７６万トン、ＩＴ活用が約６３０万トン。計約７００万トンの削減量は杉の木に換算して５億本相当になり「東京都の３倍の面積の杉林に匹敵する」（同）という。新サービス「グリーン・インフラ・ソリューション」では建屋やマシン室、電源・空調などの付帯設備群を最適化。機器単体を除いて２０１０年にＣＯ２排出量と電力消費量を９５年比半減を目指す。第１弾としてグループ各社が持つ全国５０拠点のＤＣの実践ノウハウをベースに、ＩＴ設備のコンサルティングや設計、構築、運用まで１３種の支援ソリューションをメニュー化。同ソリューションはＩＴと建築の専門知識を備えた一級建築士１００人が中心に推進する。

△トライコーン、ＳａａＳ事業を本格展開－米セールスフォースと連携
トライコーンは、ＳａａＳ（ソフトウエア機能のサービス提供）事業に乗り出す。これまで自前で販売してきた法人向けメール配信機能を米セールスフォース・ドットコムがＳａａＳ方式で提供する顧客情報管理（ＣＲＭ）サービス上でも利用できるようにする。セールスフォースとの連携により販路を拡大し、０８年９月末までに７０社の新規顧客の獲得を目指す。セールスフォースの利用企業は専用サイトからトライコーンのメール配信ソフトを購入し、ＣＲＭサービスと連結することが可能になる。ＣＲＭのデータベース（ＤＢ）をメール配信に活用でき、新たにＤＢを構築せずに済む。メールを使ったマーケティング活動を積極化したい企業の利用などを想定しているという。トライコーンは９７年に法人向けメール配信ＡＳＰ（ソフトの期間貸し）サービス「アウトバーン」を開始。これまで企業や官公庁など約７００社・団体に納入してきた。ＳａａＳ事業では同サービスのメール配信機能をセールスフォースの仕様に合わせて提供。メールを活用したアンケートの書式（フォーム）を自動作成する機能や携帯電話からの空メールに対し文章を自動返信する機能などもＡＳＰ提供しており、これらの機能もセールスフォース向けに順次提供を計画していく。
トライコーンはセプテーニ・ホールディングス<4293>の子会社。自前で提供するメール関連ＡＳＰサービスが売上高の９５％を占める。セールスフォースと連携したＳａａＳ事業を通じて収益源を多様化し業績拡大につなげる。

△ＮＴＴデータ<9613>、番号クリックするだけで発信できるＩＰ電話ソフト発売
ＮＴＴデータは１０日、ＩＰネットワーク上で構内電話交換機（ＰＢＸ）の機能を実現するシステム「アスティマ」向けＩＰ電話ソフト（ソフトフォン）を発売したと発表した。ビジネス向け電話端末機能のほか、ウェブ画面上の電話番号をクリックするだけで電話を発信できる機能などを実装した。実勢価格は８０００円程度。２０１０年度までに新ソフトを実装したアスティマ１４００セットの販売を見込む。新製品のソフト「エイジフォンビジネスフォーアスティマ」は転送やピックアップなどの機能を搭載し、事業所用のＰＢＸ端末やコールセンター端末として利用可能。コールピッカーというソフトを実装したことで、ホームページなどウェブ上に表示された電話番号を認識。利用者は画面上の番号をクリックするだけで電話を発信できる。また過去に発信した番号を履歴として保存。入力する文字を推測して一覧表示することや、グループウエアのアドレス帳からクリック発信を可能にする機能も装備する。

△ＮＥＣ<6701>、モバイルＷｉＭＡＸ準拠の製品群を内外で発売
ＮＥＣは１０日、次世代高速無線通信技術モバイルＷｉＭＡＸに準拠した基地局などの製品群「パソウィングス」を世界で発売したと発表した。通信機器メーカーは世界各地でＷｉＭＡＸの実証実験を行っており、０８年以降に最高通信速度毎秒７５メガビットで長距離伝送が可能な商用サービスが本格的に始まる見込み。地域間の通信環境の格差を解消したい通信事業者や、無線通信網を構築したい新規参入者などに売り込む。３年間で無線基地局１万５０００システムの販売を目指す。同製品群はパソコンに差し込むデータ通信カードなどの加入者端末から、基地局やアンテナ、ユーザー認証機能などを持つサーバで構成する。基地局間の基幹ネットワークシステムやインターネットプロトコル（ＩＰ）電話製品など、既存の製品群と組み合わせて、統合ソリューションとしても提供する構えだ。

△東京電波<6900>、来年度下期から紫外ＬＥＤ向け酸化亜鉛基板を量産
東京電波は０８年度下期にも紫外発光ダイオード（ＬＥＤ）向けに酸化亜鉛基板の量産を始める。酸化亜鉛はＬＥＤの発光部の基板で使われ、従来のサファイア基板と比べ、発光部の構造を小型化できるほか発光効率を向上できる。国内でＬＥＤ用に酸化亜鉛基板を量産している企業はほとんどない。これまで各社が実用化に向け酸化亜鉛の開発を進めてきたが、今回、実用化にめどがついたことで用途が大きく広がる可能性がある。東京電波は量産する基板をＬＥＤメーカーなどに販売する。東京電波は群馬工場（群馬県玉村町）の人工水晶炉３０基の一部を酸化亜鉛基板向けに転用する。現在は２、３基を酸化亜鉛用に使っている。子会社が運営する一戸工場（岩手県一戸町）には酸化亜鉛の育成炉を５基増設し、計１０基とした。加工・研磨装置も導入した。量産用の設備投資は合計１億―２億円程度を見込む。ＬＥＤ発光部にはサファイア基板の代わりに酸化亜鉛を使う。その基盤上に窒化ガリウムで薄膜を形成した場合、サファイアは絶縁体だが酸化亜鉛は導体のため電極が不要で発光部を小型化できる。また、酸化亜鉛はサファイアより窒化ガリウムの結晶構造に近いため生産工程の歩留まりが向上する可能性がある。このほか、酸化亜鉛の基板に窒化ガリウムの代わりに酸化亜鉛で成膜する構造にすると、発光効率が高まる。同社は０３年に人工的に酸化亜鉛の単結晶をつくる技術を開発。人工水晶の育成で培った水熱合成法を活用しており、酸化亜鉛の結晶育成で国内トップクラスのノウハウを持つ。酸化亜鉛の実用化に向け三菱化学や、結晶材料の研究を進めている福田結晶技術研究所（仙台市青葉区）と取り組んできた。これまで酸化亜鉛を約４０社にサンプル出荷している。酸化亜鉛はＬＥＤのほか紫外線センサーや圧電デバイスなどへの利用が期待される。

△東芝<6502>、容量１２８ギガバイトのＳＳＤを製品化
東芝は１０日、容量３２ギガ―１２８ギガバイト（ギガは１０億）のソリッド・ステート・ドライブ（ＳＳＤ）を製品化したと発表した。一つの記憶素子（メモリーセル）に２ビット以上を記録できる多値技術を採用したＮＡＮＤ型フラッシュメモリーを搭載した。また、ＤＲＡＭキャッシュと連携した高速・並列データ転送や、書き込み領域の平準化などの多値技術に対応したコントローラーを搭載した。量産規模は月３万個。読み出しは秒速１００メガバイト、書き込みは４０メガバイトを実現したほか、製品寿命を１００万時間にした。０８年第１四半期（１―３月）にサンプル出荷と量産を開始する。製品ラインアップとして、厚さ３ミリメートルの小型基板モジュール品と、基板をケースに収納した完成品で、容量３２ギガバイト、６４ギガバイト、１２８ギガバイトの３タイプをそろえた。価格は１２８ギガバイト品で１０万円弱。

△フタバ産業<7241>の協力部品６社、愛知に部品団地を形成フタバ産業の協力部品メーカー計６社が０８年春以降、愛知県西尾市と幸田町にまたがる地域に“サプライヤーパーク”（部品工業団地）を形成する。総面積は６万５０００平方メートルで、各社が敷地面積３３００―３万３０００平方メートルの土地に新工場を建設し、０８年５―１２月に順次稼働する。フタバのマフラーなど排気系部品を生産する幸田工場（愛知県幸田町）やボディー部品などを生産する六ツ美工場（同岡崎市）に近い。工場を集結して生産効率を高めるとともに、物流コスト削減を図る。
サプライヤーパークを形成する６社は、アピックス（愛知県安城市）、日本ベローズ工業（川崎市高津区）、東鋼管工業（東京都練馬区）、オーテック（名古屋市北区）、サンキ工業（同緑区）、小嶋工業（愛知県幸田町）。それぞれ床面積１６００―２万３０００平方メートルのの工場を建設する。

△島津製作<7701>、ナノ流量域で送液可能な高速液体クロマトグラフ発売
島津製作所は１０日、ナノ（ナノは１０億分の１）流量域で送液が可能な高速液体クロマトグラフ（ＬＣ）「プロミネンス・ナノ」を１４日に発売すると発表した。同社製質量分析計との組み合わせで、１００兆分の１―１０億分の１グラムの極微量タンパク質の高精度解析が可能になる。基本価格は９８７万円。販売目標は初年度７０台。温度調節機構付き流量センサーで温度を一定に制御する送液ユニットを搭載し、負荷圧力の変化に対応。これまで毎分１ミリリットルの流量域までしか対応できなかったが、同１０ナノ―６００ナノリットル流量域での高再現性を確保した。

△１０月の産機受注、３１．７％増の４３２４億円
日本産業機械工業会が１０日発表した１０月の産業機械受注額は、前年同月比３１・７％増の４３２４億円となり、２カ月連続で増加した。製造業向けが２カ月連続で伸び、官公需向けも２カ月ぶりに増加したことで、内需全体は同１１・５％増の２６９９億円。外需も同８８・７％増の１６２４億円で、２カ月連続で増加した。製造業、非製造業、官公需、代理店向けを合わせた内需全体のうち製造業向けは、同２・８％増の１００６億円、非製造業向けは同１７・４％増の６６７億円。外需のうちプラントの契約は、計２件（ロシア・東欧、アフリカ）で３８億円（前年同月ゼロ）だった。１―１０月累計の外需比率は４５・３％と、５０％に迫る高水準。

△井関農機<6310>、中国で高性能田植機を投入
井関農機は０８年に中国で大規模農業や富裕農家向けに作業能力と耐久性の高い乗用田植機を投入する。乗用田植機の年間販売台数を、２０１０年をめどに０７年比３倍増の１０００台に引き上げる。また、山間部の一般農家向けには一輪の歩行式田植機を開発。現地メーカーにＯＥＭ（相手先ブランド）生産を委託、コストを下げ販売を強化する。井関農機の中国向け田植機の０７年販売台数は、乗用式と歩行式を合わせて１１１１台の見込み。０８年４月にそれぞれ新型を１機種投入し、０８年に１５００台に引き上げる計画。乗用式の０７年販売台数は３１５台で、中国政府が内陸部を中心に機械化を推進していることを受け、拡販を強化する。

△岡本工作機械<6125>、門幅４ｍの研削盤投入－大型部品加工に照準
岡本工作機械製作所は０８年中に門幅４メートルの門型平面研削盤を発売する。同機は安中工場（群馬県安中市）の自社設備として開発した。工作機械の土台（ベッド）や大型化が進む液晶製造装置の部品加工向けに需要があると判断し、市場投入を決めた。「設計を標準化できれば販売する」（伊藤暁取締役）考えだ。安中工場で稼働している同機は長さ１０メートル、幅３・５メートルのワークに対応する。本体重量は２５０トンで、「静圧案内面では世界最大の門型平面研削盤」（同）という。真直精度は前後、左右方向とも１メートル当たり０・５マイクロメートル（マイクロは１００万分の１）の高精度加工ができる。同機を自社製品のベット加工に使うことで「きさげ作業をゼロにした」（同）。同社は単価が高い門型タイプの研削盤の販売に力を入れている。門幅４メートルの同機を事業化し、営業活動を強化する。

△きんでん<1944>と高菱エンジ、風力発電のタワー向け自走式塗装ロボ完成
きんでんは高菱エンジニアリング（兵庫県高砂市）と共同で、風力発電のタワーに再塗装する自走式ロボットを完成した。０８年春から塗装工事に本格採用する。車輪に内蔵した強力永久磁石でタワーの外壁に吸着。移動しながら高圧水を吹き付け、塗装をはがすほか防食塗装をする。ほかに船の塗装やフジツボ、サビのはく離にも使用が可能。足場を組み、手作業で劣化部塗装やサビはく離をする方式に比べ、作業効率は最大３倍。下地の金属までの完全はく離の場合では同１０倍という。車輪はタワー壁面を痛めないようゴム製とした。磁石の吸着力は高圧水噴射による反発力を支え、ロボットの自重も加えた力の４倍以上。タワー上部には固定した安全ロープも備える。

△１０月の超硬工具出荷額、１０．７％増の３１６億円
超硬工具協会がまとめた１０月の超硬工具生産統計によると、出荷額は前年同月比１０・７％増の３１６億７００万円となった。今年７月の実績値を上回り、単月出荷額としては過去最高。生産額も同９・４％増の３０８億８１００万円で過去最高。アジアや欧州向けの輸出の伸びが需要を押し上げた。製品分野別出荷額を見ると、切削工具が前年同月比１０・１％増の２３６億６３００万円。なかでも刃先交換チップが好調で、出荷個数は同２４・４％増となる２４４９万個となった。鉱山土木工具の出荷も同４０・８％増の７億円と好調。好調な工具はいずれも輸出向け。輸出額は同３２・０％増の８０億３２００万円となった。超硬工具協会は「輸出に強い製品を持つメーカーと持たないメーカーとの間で二極分化しつつある」と分析している。

△小糸<7276>九州、九州で現地調達拡大－専門部署を新設
小糸九州は、九州地域での部品調達率向上に乗り出した。生産管理課内にあった調達係を「調達課」に格上げ、新たに現地調達の専門部署を置き、対外的にも取り組みを“明確”にした。目標調達率は明らかにしていない。小糸九州の現地調達率は荷量ベースで約７０％、アイテム数や金額ベースでは約４０％。電球や電子部品などは親会社の小糸製作所が内製化しているため、静岡地区から調達している。外注しているネジやバネなどの共通部品も、現地調達していない。小糸九州には取引を求める地場企業が頻繁に訪れ、対応しきれない状況にある。０８年春には金型の現地調達にも乗り出す予定で「３、４社と技術的な打ち合わせやテストを行っている」（田地川章取締役管理部長）。だが、小糸製作所が内製化していないワイヤ関連やゴム製品、ガラスなどは「現地調達ができていない」（同）のが現状。

△住友化学<4005>、厚さ半分の中・小型ＬＣＤ向け偏光板を来夏発売
住友化学は厚さを従来の約半分にした中・小型液晶表示装置（ＬＣＤ）用偏光板を開発した。材料構成の見直しや粘着剤とのすり合わせ改善により、５１２マイクロメートルから２６６マイクロメートルまで薄くすることに成功した。０８年夏に発売する。同社によると、既存の偏光板で最も薄い製品は３００マイクロメートル超のため、新製品は世界最薄になるとしている。まず主要部材の偏光フィルム、輝度向上フィルムなど各フィルムの厚さを大幅に薄くした。その上で、フィルム同士をはり合わせる粘着剤も改良。フィルムが薄くなると均一に塗布することが難しくなるが、同社では原材料の配合比率を見直し、粘度の調整を行うことで、均一性を確保。部材点数を変えずに薄くできた。携帯電話など中小型ＬＣＤを搭載した機器は、フィルム関連部材を薄くすることで、電池やモーターなど駆動部品の設置スペースを確保している。

△古河機金<5715>、窒化ガリウム基板の事業化へパウデックと提携
古河機械金属は１０日、半導体デバイス関連ベンチャーのパウデックと資本業務提携することで合意したと発表した。発光ダイオード（ＬＥＤ）などに使われる窒化ガリウム基板の事業化が目的。１９日付でパウデックが実施する１０億円の第三者割当増資を古河機械金属が引き受け、３９・０６％の株式を持つ筆頭株主になる。同時にパウデックの新株引受権も１２億円で引き受ける。パウデックは獲得した資金で窒化ガリウムエピ（積層）基板の事業化を進める。具体的には古河産機システムズ小山工場敷地内にパウデックの開発・生産拠点を建設。古河機金はこれを含め２０１０年度までに窒化ガリウム基板関連事業に約２４億円を投じる計画だ。

△文化シヤッター<5930>、電動シャッターの販売強化－住宅向け生産体制拡充
文化シヤッターは電動シャッターの販売を強化する。住宅向け電動シャッター「エスプリ」の生産体制を拡充するとともに、社員が首都圏など都市部でエンドユーザーに直接行っている電動シャッターの販促を、地方でも実践する。これらの取り組みにより、０６年３月期に２９・６％だった住宅や店舗、倉庫向けの軽量シャッターに占める電動化率を０８年３月期は約３３％まで高める計画だ。近年、軽量シャッター市場は縮小しており、販売数量の拡大が見込めない状況。文化シヤッターでは電動型など高付加価値商品を開発・投入することで他社製品と差別化し、収益基盤の強化につなげる。エスプリは現在、小山工場（栃木県小山市）で生産しているが、月内に姫路工場（兵庫県姫路市）、名古屋工場（愛知県小牧市）、秋田工場（秋田市）などでも生産を開始する。併せて、都市部に比べ電動シャッターの普及率が低い地方での拡販に取り組む。

△キリン<2503>、「カラーセラピー」をカクテル販促に活用
キリンビールは１０日、輸入リキュールを使ったカクテルと「カラーセラピー」を組み合わせたカクテルの販促活動を全国飲食店で展開すると発表した。同様の取り組みは今回が初めて。カクテルの需要が高まる１２月下旬から０８年３月末にかけて全国居酒屋など約１０００店で実施する。カラーセラピーは色を無意識に選ぶことで内面を導き出し、アドバイスや指針を与えるというセラピー。キリンが取り扱う「キューゼニア　クレーム　ド　カシス」など６種類のリキュールを使った全１０種類のカクテルを使用し、リキュールとジュース・炭酸などの割り材が生み出す色から、心を解き明かすという企画を展開する。飲食店向けにカクテルの色が持つ意味を掲載した「カラーセラピー・カクテル」オリジナルメニューやコースターなどの販促ツールも提供する。

△イオン<8267>、値上げ容認へ－一部食品の要請受ける
イオンが食品メーカーの値上げ要請に対し、一部商品について値上げを容認する見通しであることが分かった。これまで、ナショナルブランド（ＮＢ）商品については「価格凍結宣言」を打ち出し、「要請を受けて値上げするものはない」（イオン幹部）としてきたが、原料高など外部環境がさらに悪化する中、現実的な対応に舵を切ることにした模様。イオンの方針転換は、これまで値上げに踏み切れなかった中堅・中小小売業の価格政策にも影響を与えそうだ。
今回、イオンはハウス食品<2810>やキリン<2503>ビールなどの値上げ対象商品に関して、値上げを容認したとみられる。ハウス食品はカレー・シチューなどのルウ商品、スナック商品などを１１月から段階的に値上げしているが、関係者は「どれだけコストが上昇したかを構造的に明示し、結果として値上げすることをイオンに示したことが奏功した」（卸業幹部）とみている。

△近ツー<9726>、個性派ツアーの専門サイトを来春開設
近畿日本ツーリスト（ＫＮＴ）は個性的な商品を専門的に扱うウェブサイトを０８年春をめどに開設する。秘境関連や韓国ドラマのロケ地ツアーなど、熱心な固定ファンがいるテーマ性の高い分野の商品販売を目指す。こうした旅行商品は安定的な需要があるものの、万人受けする一般商品に比べて販売数が少ないため、パンフレットを作成したり店頭販売したりでは割に合わないという。そこで専門サイトを開設し、効率的に需要を取り込むもの。「専門店モール」（仮称）は、同社のメーンサイトとリンクは張るものの、独立したページとして開設する計画。同社はジャングルでの生活体験ツアーなどユニークな商品を企画し、主にシニア・団塊向けに販売していく「ウルトラプロジェクトＣ」を３月に立ち上げた。このプロジェクトで企画した商品についても専門店モールで取り扱う予定。

△みずほ<8411>銀、コンサル営業を強化－大口顧客９３万人に重点
みずほ銀行は投資運用商品の拡販に向け、コンサルティング営業を強化する。預かり資産１０００万円以上の約９３万人を重点顧客と位置づけ、相談体制を強化するとともに、セミナーやイベントの開催など重点顧客向け会員サービスを充実させる。２２日に予定される保険の銀行窓口販売の全面解禁を見据え、保険の取扱商品を拡大していくほか、みずほインベスターズ証券との連携を強化し、銀行、証券、保険フルラインの金融商品を顧客にワンストップで提供できる体制を整備する。みずほ銀行ロビー内に設置するみずほインベスターズ証券との共同店舗「プラネットブース」を拡大する。１７日にはみずほ銀大津支店（大津市）内に同ブースを設け、１２０店目の共同店舗とする。

△証券大手、企業収益見通しで判断分かれる
野村証券金融経済研究所と大和総研の０７―０９年度の企業収益見通し（１２月予想）が１０日出そろい、０９年度まで８期連続の増収増益予想となった。ただ、今年度の経常利益を前回（９月）予想に比べ野村が下方修正したのに対し、大和は上方修正。野村による経常利益予想の下方修正は、サブプライムローン（信用度の低い個人向け住宅融資）問題などを背景とした米国景気の先行きに対する不安感を反映した格好。下方修正は税制改正に伴う減価償却費の増加を織り込んだ６月予想以来で、制度改正による特殊要因を除くと０５年３月以来１１四半期ぶりとなる。大和は今年度業績見通しで、固定費が０６年度比で約３・２兆円増加すると予想するが、固定費の増加率は増収率を下回る水準としている。資源価格の高止まりやサブプライム問題などに対し、企業のリスク対抗力が高まっていることも、上方修正の背景となっている。

△アサヒ飲料<2598>とカルピス、自販機事業で合弁設立
アサヒ飲料とカルピスは１０日、両社の自動販売機事業運営会社アサヒカルピスビバレッジ（東京都台東区）を設立したと発表した。社長にはアサヒ飲料の仁平進常務（５８）が就いた。売上高は約１０００億円となる見込み。統合で自販機台数は約１８万台になる。「ワンダ」「三ツ矢」「カルピス」などの基幹ブランドを活用し、シナジー効果を狙う。
（日刊工業新聞）

△ザ・ノース・フェイス　「日本版」米に逆上陸　ゴールドウイン、欧州向けも　スノーボードウエアなど
ゴールドウイン<8111>は、日本で企画、製作した「ザ・ノース・フェイス」ブランドのアウトドア衣料を欧米市場で販売する。第１弾としてスノーボードウエアや関連商品の販売を米国やフランスなど８カ国で開始した。米国で誕生した有名アウトドアブランドが、日本から発祥の地に逆上陸することになる。米国のザ・ノース・フェイス社が１９６８年に立ち上げた同ブランド衣料は品質と機能に優れ、世界的に高い評価をうけている。日本ではゴールドウインがブランドの商標権をもち、米本社が開発した商品のほか、独自の企画商品も手がけ、日本国内で販売してきた。それを初めて欧米でも販売する。販売するのは、日本国内で２００７年秋冬シーズン向けとして展開している「アコンカグアジャケット」「メンテナンス・ジャケット」などと呼ばれるスノーボード用のジャケットやパンツ、バッグなど全部で７品目。一部品目には「マウント・フジ　ジャケット」などと“日本発”を表した商品名が付けられる。販売する８カ国は、米国、フランスのほかカナダ、英国、イタリア、スウェーデン、オランダ、ベルギー。米国とカナダではザ・ノース・フェイス社の直営店とセレクトショップ、欧州６カ国では直営店でそれぞれ販売される。すでに韓国と香港では契約に基づき一部商品を販売しており、結果的に同スノーボードウエアは日本を含めて世界の１１カ国・地域で販売されることになる。欧米では現地で発行されるザ・ノース・フェイスのカタログに掲載されるとともに、多様なプロモーションも予定している。ゴールドウインとザ・ノース・フェイス社は、企画や販売、マーケティングなどで緊密に連携。日本で独自商品を開発する場合にも、ブランド価値を維持するためデザイン、素材選び、設計などで協力する態勢をとってきた。今回、欧米で販売する商品も、同ブランドの技術基準などに基づくとともに、一部商品には「光電子（こうでんし）」と呼ばれるゴールドウインが開発した保温性の高い高機能素材を使用した。ゴールドウインは、今回の実績をみたうえで、日本で企画した同ブランド商品の欧米での販売を、他の品目に広げることを検討していく。

△ダイヨシトラスト<3243>　カプセルホテル参入　第１号は博多に
福岡県や東京都を中心に、時間貸し駐車場の運営などを手掛けるダイヨシトラスト（福岡市博多区）は、カプセルホテル事業に参入する。第１号となるホテルは２００９年９月にも営業を開始する予定で、早期に主力のパーキング事業や不動産賃貸・販売事業に続く収益柱への育成を目指す。カプセルホテルは、「癒し　Ｈｅａｌｉｎｇ」を基本コンセプトに、大浴場やサウナといったスパ施設を備えた個室型タイプ。主要駅まで歩いていける場所に建設していく予定で、１０年末までに福岡市内に２店舗、大分市内に１店舗を出店する計画だ。九州エリアだけでなく、東京都心部にも出店していく。第１号となるカプセルホテル「スパ＆キャビンホテル　ココ祇園」（仮称）は、ＪＲ博多駅まで徒歩１０分、複合商業施設「キャナルシティ」まで徒歩４分の立地にある福岡市博多区に建設する。鉄筋コンクリート造りの９階建てで、客室数は１２０室を予定している。木目を基調とした客室はインターネットの使用環境の完備はもちろん、プリント・ファクスなどもできビジネスでの利用に対応している。スパ施設では、マッサージサービスも受けられる。通常のカプセルホテルの客室は一室あたり４～５平方メートル。通常の宿泊に特化したビジネスホテルと比べて約１・８倍の客室が確保できるため、ビジネスホテルの約半分という低価格でサービスが可能になっている。しかし、「ただ寝るだけにしても狭すぎる」という利用者の声は少なくない。同社は、「部屋が狭い分、宿泊客向けにスパ施設・リラグゼーションルームを設置することで宿泊客の満足度を高めていきたい」とし、リピーター率を高めていく考えだ。

△シーケム　電炉用電極材料増産　海外拠点展開を本格化
新日本製鉄<5401>グループの石炭化学会社、シーケム（東京都千代田区）は１０日、製鉄電炉向け電極材料用などの炭素製品製造能力を２割程度増強すると発表した。また、建材用鉄鋼需要の増大から電炉の大型化が進んでいる中国などで、生産拠点展開に踏み切る方針も明らかにした。増強計画では、２００８年から０９年にかけ、九州工場（北九州市戸畑区）の「ニードルコークス」の年産能力を１０万トンから１２万トンに、広畑工場（姫路市広畑区）の「ピッチ」を同じく６万トンから８万トンに引き上げる。投資総額は約５０億円。これにより、年間売上高は約４００億円から４４０億円に、人造黒鉛電極材料世界シェアは、１１％から１３％になる見通し。炭素製品の材料となるコールタールは、石炭のコークス加工工程で随伴生産されるため、最近の鉄鋼生産の増大で国内の供給量が増えている。一方、新興国では製鉄電炉の大型化と効率化が進み、シーケムが世界シェア６割を持つ高品質電極材料の需要が高まっていて、「供給が追いついていない状況」（同社）だ。このためシーケムは、新日鉄が中国やブラジルなど、現地鉄鋼メーカーと提携関係を強化している新興国を中心に、生産拠点の海外展開を本格化させる方針だ。

△ＮＴＴドコモ<9437>　子供向け携帯新機種　サービス強化　１００万台突破目指す
ＮＴＴドコモは１０日、子供向け携帯電話端末「キッズケータイＦ８０１ｉ」（富士通<6702>製）を２０日から発売すると発表した。現行のキッズケータイは、発売から２年弱で４８万台が売れたヒット商品。国内携帯電話市場に飽和感が漂う中、ドコモは新機種投入で子供向け携帯市場を深耕する。ドコモのキッズケータイは小学生の約７％が保有しているとみられ、ドコモの夏野剛執行役員は「この分野では全体のシェアよりも、上ではないか」と自信を見せる。また、「最初にドコモの端末を持ってもらえば、キッズケータイを卒業してもメールアドレスなどは引き継がれるため、（小学生市場開拓の）意義は大きい」とし、子供向け携帯端末の１００万台突破を目指す。新機種は前機種に引き続き、クリエーティブディレクターの佐藤可士和さんがデザインを担当。前機種よりも子供っぽさの抜けたデザインを基調に４色そろえた。音だけでなく、発光して緊急事態を知らせる防犯機能や、置き忘れたまま離れるとアラームで知らせる腕時計型リモコン、常温の水道水に３０分程度沈めても大丈夫な防水機能、有害サイトにアクセスできないフィルタリングや子供向けに作られた「キッズｉメニュー」など、機能を充実させた。ドコモは、子供向け「ケータイ安全教室」を２００４年からこれまでに約３６００回実施するなど、子供向けサービスを強化し、次代の顧客囲い込みを狙う。

△投資、経済の情報サイト２つ　翔泳社、ヤフー<4689>に提供
マーケティングや株式投資、経済などに関する情報提供サイトなどを手掛ける翔泳社（東京都新宿区）は、同社が運営する「マーケジン」と「マネージン」の２つの情報サイトのコンテンツ（情報の中身）を、日本最大のニュースポータル「Ｙａｈｏｏ！ニュース」に提供を始めた。１日あたり１６億ページビューのアクセス件数を誇るヤフーに情報を提供することで、両サイトの知名度アップにつなげていく考えだ。マーケジンは、インターネットを活用したマーケティングなどのコミュニケーションに焦点を当てた会員制ウェブマガジン。２００６年５月の開設から約１年半で会員数は１万５０００人、月間の閲覧数は４５万を超えるサイト。一方、マネージンは、株式投資や外為証拠金取引をはじめとする投資情報をはじめ、経済情報や税金、節約術などお金活用術を提供する情報サイト。若年層やビジネスマンだけでなく、主婦や団塊世代など幅広い層から支持を集め、今年１０月の開設にもかかわらず月間の閲覧数はすでに４０万を突破した。同社は、「今後も独自性を追求した情報コンテンツを提供し、媒体力の強化拡大を図っていく」としている。
（FujiSankei Business i）