■遅れてやってきた拝金主義②誘導するロスチャイルド

ＰＡＲＴ２

ロスチャイルドシリーズです。

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アメリカ政府は自国の金融財界や産業界と組んで、第二次世界大戦後の
日本の経済復興のために、資本と当時世界最先端の各種工業・電子技術を
惜しげもなく提供し、日本の急激な経済成長の後押しをした。
同時に、戦後間もなく勃発した朝鮮戦争やベトナム戦争でも、
前線で戦う米軍の武器や軍需品の生産を日本企業に任せて、
日本国内に戦争「特需」ブームを演出し、戦後日本経済にまさに
奇跡的な活性化を遂げさせた。

どれもこれも、当時ますます激化するアメリカとソ連の冷戦の国際戦略として、
アメリカが日本を取り込み、極東における「反共の防波堤」として
米国の軍事拠点を設立するための戦略だった。

日本をとっとと復興させ、再軍備させ、米軍も駐留できる軍事拠点として、安定した資本主義による経済繁栄をさせる必要があった。そのための政策なのである。

30年後の1980年代になると日本製品があまりの勢いで米国市場へ進出し、
輸出攻勢をかけてきて、アメリカの国内産業からの強烈な反感を買うと、
冷戦が片付いたのを見はからって、父ブッシュは日本に「バブル経済」を
仕掛けた。

日本にバブル経済の狂乱を起こして、日本国民を株式や土地投機に
熱狂させ、人々のお金を投資に向かわせたところで、日経株価と地価を
急落させた。

日本株式市場の暴騰が近く終わるのを見越した外資の機関投資家や
ニューヨークの金融財界だけが一斉に日本株を売り浴びせ、
利食いに走っていた。

さらに、日本経済低迷期には、ハゲタカ買収ファンドを日本市場に
直接送り込んだり、日本人のファンドマネージャーや乗っ取り屋を隠れ蓑にして、
外国金融勢力が資本と高度な金融ノウハウを渡すという「代理買収」を仕掛けた。これで戦後復興日本投資の最後に残った「投資元本」の総ざらいをしているのだ。

さらに現在、アメリカ政府は、日本政府に、公的医療保険や年金制度の改悪も
含めた重税の負担を国民に課すことを強要し、金融庁や民間の証券会社や
銀行には、一般庶民が株式投資に積極的に手を出すように扇動する
一大キャンペーンまで仕掛けるように指導している。

これで日本国民はますますその余剰資産を吐き出させられ、株式投資で
大損させられ（筆者は金融ビジネスマンであるが、株で本当に儲けましたという方にはまずお会いしたことがない）、ホリエモンや村上による「拝金主義ブーム」を
さらにマスコミが煽って、多くの一般市民が、バブルの再来かと思うような
小銭稼ぎに走った。バブルを演出することなど、新聞、雑誌、テレビ、
インターネット、出版というメディアを総動員すれば簡単なのである。

戦後の奇跡の復興の陰には、アメリカ政府から指令を受け、経済政策指導の
ために来日したアメリカ人派遣団が、通商産業省を管理・指導していた。
アメリカの日本占領政策の意向を受けた通産官僚が、表向きは民間の製造業者たちに主体的に「行政指導」をするという、明確な復興管理体制があった。

日本をさっさと復興させ、激化する冷戦に備えて「反共の砦」として利用したい
ワシントン政府、敗戦でボロボロの底値になっている「日本市場」をクズ値で
買取り、どんどん投資して、極東の新しい投資利権をさっさと獲得したい
ウォール街の金融財界の思惑とピタリ一致したのだ。
この相乗効果が、日本の経済復興を早めた本当の理由なのである。

鉄鋼業の拡大は最優先課題とされた。特定の産業を国策的に集中支援する
という、いわゆる「傾斜生産方式」である。こうしてアメリカがぴったりと日本の
各種産業の発展をサポートしていた。
世界銀行からの資金援助、さまざまなアメリカ企業や工業への視察団の
派遣などが頻繁に行なわれた。海外に行って現場を見て、
それを理解できた日本人が、日本に戻って新しい産業を切り開いた。

通産省の特別貯蓄予算や、世界銀行からの補助金、そして、アメリカからの
融資や直接の投資によって、日本の経済拡大の基盤となる鉄鋼業は最優先で、
急速に成長させられていった。日本の鉄鋼生産量戦後、
五年ごとに倍増していったのだ。

続いて通産省が（つまりはアメリカが）、成長させる必要があると判断した産業は
石油製品であった。石油化学の技術も同じようにアメリカから積極的に移入し、
海外からの直接投資が注ぎ込まれた。

同時に、日本の主要産業を発展させるためには、生産現場を優秀に
マネージメントできる人材が必要となった。
たとえば占領軍スタッフのホーマー・サラゾンは、日本に来てアメリカ型の
ビジネス方式の基本理念を指導した。

当時、同じくアメリカからジョセフ・ジュラン博士、エドワード・デミング博士らが、
日本の技術改善のために派遣されてきた。

デミング博士は「クオリティー・コントロール（QC）」の産業思想である
「デミング・サークル」を、日本人の中に入り込んで根気強く熱心に指導した。
有名な「Plan→Do→See→Action」の行動サークルである。

こうした学問上の理論を実際に戦後の日本人に実験的に施したのが、
米国政府の隠れ社会（共産）主義勢力の「ニューディーラー」たちであった。

鉄鋼や造船、石油製品に続いて、通産省が推進したのが電機産業であった。
電子機械技術では、「トランジスタ」の技術をもソニー創業者の一人である
井深大が教わっている。特許料2万5000ドル（当時のレートで約900万円）で、
ソニーはトランジスタ技術を取得した。そしてラジオに応用してアメリカ人を
驚かせたのだ。

カメラもドイツのライカ社やコンタックス社の技術をしっかりと取り入れて、
より小型で精密な日本オリジナル製品を製造できるようになった。

次にアメリカから授けられたのは、資本主義経済におけるサービス産業の雄、
「スーパーマーケット」というビジネスモデルであった。
ダイエーの創業者、中内功氏は、戦後の高度経済成長経済のまっただ中である1962年に、アメリカのシカゴで開催された「国際スーパーマーケット大会」に
日本代表として出席している。

中内は、アメリカ各都市のスーパーも見学させてもらっている。
アメリカの大規模なスーパーに並べられたおびただしい数の商品に驚かされ、
感動しているのだ。

だから中内は日本に帰ると、取り憑かれたように、山積みされた商品の
「巨大な物量」と「価格破壊」で圧倒する「アメリカ式のスーパーマーケット」による
日本の全国制覇を目標に掲げ、がむしゃらまでに強引に実現させようとした。

米マクドナルドを日本に移植することに成功した藤田田は、
日本人でありながらアメリカからの日本政府への「外圧」を利用して、
日本国内における自らの事業の拡大に不利な、日本政府による既存の規制を
緩和させることまで成功している。

藤田が具現したこの「米政府の外圧」→「日本政府の規制緩和」という構図は
現在も、米国資本企業が日本人企業家と手を組んで日本市場に進出しようとするときの常套手段となっている。
ロビー活動などあらゆる方法でアメリカ政府そのものからの日本に対する「外圧」を引き出して、メディアも巻き込んだ規制緩和に乗じて日本市場にすんなりと
入り込んでくるのである。

藤田はGHQ通訳のアルバイトを通じて知り合ったユダヤ人商人から、
物不足の日本にあらゆる生活品を輸入する商売のノウハウや権利をもらって、
彼と一緒に仕事をする中でユダヤ商法を体で体得していったという。

さまざまな分野での日本の企業の成功は、アメリカからの精神面と技術・
ノウハウ面の両方での強力なバックアップの結実なのである。
この日本の「高度経済成長の奇跡」という歴史の本当の真実を、
今こそ日本人は改めて知り、自分たちの現在の経済の繁栄のその始まりの事実を見つめなおし、日本とアメリカとの関係をしっかりと自覚すべきである。　つづく
最高支配層だけが知っている日本の真実　より要約抜粋