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MONEYzine 三原淳雄の辛口経済コラム 2007年12月08日 09:00 日本の世界のなかでの存在感が年ごとに落ちていきつつある。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
■沈み続ける日本 このところ日本の世界のなかでの存在感が年ごとに落ちていきつつあるのではないか、との懸念を強くしていたが、最近とてもショッキングな話を聞いた。将に懸念が現実のものになっていたのである。 ご案内のようにいまやカネと情報の世界には国境も時差もなく、それこそボタンひとつで世界の何処の情報も手に入るし、カネも同様に世界の何処にでも飛んでいける。 そのため各国とも情報インフラを整備したり、外資が居心地よく住みついてくれるように制度や税制で誘致しているのだが、日本だけはなぜかこうした世界の変化に背を向けている感が強い。 かつての経済大国の残像だけが残っているのだろうが、いまや情報とカネを制することを考えなければ、モノ作りだけでは到底経済大国の再現は難しい。 にもかかわらずまだ日本は金融がらみの政策はとかくマネーゲームと見做され、むしろいまの政策は外資排除、国内でも金融課税の強化に乗り出しているのだから、外国から見ると日本には近寄らない方がいいと感じるだろう。金融を制するためには欠かせないのが市場の整備であるが、その市場が外国勢から見放されつつあるのが何よりの好例である。
かつて東京証券取引所(東証)には外国企業が130社も上場していた。しかし英語ではダメとかで、必要な書類はすべて日本語に翻訳しなければ当局は受け付けてくれないのでコストが膨大にかかる。 おまけに肝心のファイナンスをして資金を調達しようとしても日本の投資家の資金はさっぱり集まらない。加えて取引量も少ない。 東証に上場してもメリットが少なくコストが高いのなら何も上場などする必要がない。そこで撤退する外国企業が続出し、とうとう100社以上も減っていまや27社しか残っていない。 そこでやっと重い腰を上げて提出書類は英語でもいいとか、小手先きの変更をして外国企業の呼び込みに懸命になっているのだが、外国での反応は冷ややかなもの。 証券界も日本の市場の活性化のために外国に出掛けては東証上場の勧誘に努めているのだが、その担当者が外国企業から浴びせられた言葉。それがもの凄くショッキングな一言だった。 「なぜ東証のようなローカル市場にわが社が上場しなければならないの。他にもシンガポールや香港、そのうち上海など規制が緩やかでしかも活気のある市場があるのだから、何も東証など行かなくてもいいのではないか」 と言われたのだそうだ。
サブプライムショックでも明らかになったように、日本の市場の現状は極めて異常だし、外圧に弱い。東証そのものは日本の市場なのだが、取引きの6割以上は外国投資家であり、生殺与奪の権は外国勢の手のなか。 金融資産は個人だけでも1550兆円もあるのに株式関連の資産は投信も含めてたったの12%しか市場に入ってこない。 国内の投資家すら見放しているような市場が、外国人の目に魅力的なものとして映るはずもあるまい。一国の経済力の強さは市場の規模によって決まるといっても過言ではない。かつては世界の市場の約4割をしめていた東証のシェアは、その後バブル崩壊などによって下がり続け、いまや世界のシェアの9%しかない。 少子高齢化社会が避けられない日本の国力を増強するためには、市場の活性化が何としても必要なのだが、証券税制を巡る議論を見ても、将来を見据えた議論など全く見られず、相変わらず金持ち優遇は怪しからんとなる。ローカル市場と呼ばれるわけである。 幸いカネはどこにでもいけるのだから、真剣にカネを出稼ぎに出すことを考える時だろう。日本のカネが日本を見捨てる日も近い。 PR |
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