12/10『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

△ドコモ<9437>、パケット通信網の利用料を約款化－円滑に参入事業者交渉
ＮＴＴドコモはパケット通信網の利用料金（接続料）の一般的な利用メニューを作成し、約款として公開することを決めた。ドコモの通信網を利用した移動体通信サービスへの参入を検討する事業者は、いちいちドコモと料金交渉をする必要がなくなる。ドコモは仮想移動体通信事業者（ＭＶＮＯ）の参入に対して消極的と言われてきた。約款化でこうしたイメージを一掃し、ＭＶＮＯ交渉の進展速度を速める。
ドコモは近く日本通信<9424>とのパケット通信網の相互接続交渉を再開する。そこで決着した接続料をそのまま約款化する方向で検討している。接続料は同社のパケット通信網構築の原価に適正利潤を上乗せしたもので決定する。基本的には近くまとまる０６年度の原価をもとに算定する。ただドコモのパケット通信量は毎年大きなペースで増加しており、相対的に原価は低下する傾向にある。このため将来の原価低減も一部折り込み、ＭＶＮＯが利用できる水準を設定する方針だ。日本通信との相互接続交渉は接続料だけでなく、通信量が急増した時に回線を一時的に制限するなどの集中回避措置も検討する。一方インターネットイニシアティブ（ＩＩＪ）とのＭＶＮＯ交渉は、接続ではなく卸形態による回線利用で利用料も従量課金とすることで合意した。近く公表し０８年１月にもＩＩＪはサービスの開始を計画する。ドコモは日本通信とのＭＶＮＯ交渉がスムーズに進まず、結果として総務相が日本通信の申し立てを受けて裁定を行うという事態を引き起こした。このため今回の対応を教訓として接続約款や回線利用時の条件の公表を極力進め、ＭＶＮＯとの交渉がスムーズに進む方向で対応していく。

△三菱電線<5804>、耐屈曲性３０％向上の車載向け光ファイバーケーブル開発
三菱電線工業は光ファイバーの中心部（コア）に石英ガラスを使った車載向けケーブルとコネクターを開発した。耐屈曲性を従来品比で約３０％強化したほか、耐熱性や伝送速度も大幅に向上した。自動車の軽量・電装化が進む中、使用環境の厳しい車載ネットワークで映像などの大容量データをやりとりする機会が増えているため。工場や宅内ネットワーク分野にも展開する。月内にサンプル出荷を始める予定。石英系光ファイバーの被覆材にエラストマー系の材料を使うなどして、これまで課題とされていた曲げたときの破損しやすさを抑えた。曲げ半径は、主に欧州系自動車メーカーで導入が進むポリメタクリル酸メチル（ＰＭＭＡ）製光ファイバーと比べ５ミリメートル程度小さい１０ミリメートル以下になった。また、耐熱性が高い石英を採用することで、使用可能温度をＰＭＭＡ製と比べ４０度Ｃ高めて１２５度Ｃまで向上した。伝送速度はＰＭＭＡ品が最大で毎秒２００メガ―３００メガビットなのに対し、同１ギガビット（ギガは１０億）以上の高速大容量通信が行える。光ファイバーは細線化すればするほど高速伝送が可能になるため、コアを直径０・２ミリメートルに細めた。エンジンなどの主要機関に配線する各ワイヤハーネス（組み電線）をつなぐ際に使うインラインコネクターはケーブルと同等の耐熱性を備える。光ファイバーのコア同士を正確に接続するためにファイバー固定部品などの形状を改良し、光信号がコネクターを通過する際の伝送損失を２デシベル以下に抑えた。光ファイバーから一貫生産できる強みを生かして、今後はＰＭＭＡ品より割高な石英系のコスト削減を進める構えだ。

△古河電工<5801>、光ファイバー敷設で作業対象線を高感度識別する装置発売
古河電気工業は３日、光ファイバー敷設工事などで作業対象線を高感度に識別する装置「光ファイバー識別機ＩＤ―Ｈ／Ｒ」を発売したと発表した。光ファイバーを曲げた際に漏れる識別光を検出して作業対象線を特定する。検出可能な光の強さの下限を示す最低受光感度はマイナス５０デシベルで、マイナス３５デシベルだった従来品よりも弱い識別光を検出できる。通信工事会社などに売り込む。標準価格は１３万円。光通信網の施工や保守作業時に、使用中の光ファイバー心線を切断しないよう対象線を識別するための装置。伝送路の分岐による光信号減衰や、光ファイバーの曲げ特性向上による漏れ光の減少に対応して、高感度な識別機を開発した。

△スター精密<7718>、印字速度１．５倍のＰＯＳ用レシートプリンター発売
スター精密はサーマル式の販売時点情報管理（ＰＯＳ）用レシートプリンター「ＴＳＰ６５０」を発売した。従来機種を改良し、印字速度を１・５倍の毎秒１５０ミリメートルに上げた。価格は１０万５０００円。国内外の小売店などに売り込み、０９年２月期に３万台の販売を目指す。モーターやコントローラーなどを改め、印字速度を上げた。レシートを切るカッターも回転式から裁断式に変え、寿命を２倍の１００万回に延ばした。幅５８ミリメートルと８０ミリメートルの感熱紙に対応した。

△ソニー<6758>、データプロジェクターの最上位モデル２種を発売
ソニーは積極的な新製品投入でデータプロジェクター事業を強化する。２月１２日に解像度２０４８×１０８０画素（２Ｋ×１Ｋ）の最上位モデル２機種を発売する。これで０７年度の市場投入は１０機種になり廉価版から高性能機までそろう。データプロジェクター市場全体の伸び（年１６％）を上回る成長を目指し、首位のセイコーエプソンを追う。発売する最上位機種「ＶＰＦ―ＦＨ３００Ｌ」は２Ｋ×１Ｋ向けに新設計した透過型液晶パネルを採用。輝度６０００ルーメンでフルハイビジョン映像を投写できる。価格は４００万円前後。大学や企業、会議施設向け需要を開拓する。データプロジェクターの市場規模は０８年に４９０万台と予測される。かつてソニーはトップシェア集団にいたが、ＯＡ機器販売商社や量販店での取り扱いが増えるとともにシェアを落とし現在は３位グループ。だが、パソコン販売ルートの開拓などでシェア低下が底を打ったのを機に製品構成を拡充。投映素子として透過型液晶パネル、シリコン上に液晶パネルを構成するＬＣＯＳ技術の両方を持つことを生かし多様な製品を投入する。

△山武<6845>、プローブ先端１２ｍｍの鏡面冷却式露点計を開発
山武はプローブ（検出器）先端の直径を１２ミリメートル、長さを８０ミリメートルに縮小した鏡面冷却式露点計「ＦＩＮＥＤＥＷ」を来春にも市場に投入する。プローブ先端を小型化したことで、製造装置の配管など計測対象に直接組み込んで利用できる。半導体工場の製造現場や各種反応炉、農業現場など幅広い分野で露点温度を測れる。ＦＩＮＥＤＥＷはプローブのほか、光信号を電気信号に変える機器や制御・計測装置で構成。鏡面を冷却し結露させて、露点温度を測る計測方式を採用した。プローブは変調光を受光し結露を感知することで、外部からの光の影響を抑制。外部の光を遮断する構造を不要にし筐体を簡素にすることで、プローブの小型化を実現した。応答性が高く、高い露点温度環境下でも測れる。露点温度の計測範囲はマイナス４０度Ｃ程度から１００度Ｃまで。従来は「プローブ先端の直径が１５センチメートル程度であり、用途が限られていた」（同社）。

△富士通<6702>関西システムズ、「ドットネット」対応の業務開発支援ツール拡販
富士通関西システムズは、マイクロソフトの次世代戦略「ドットネット」に対応した業務アプリケーション開発支援ツール「ｅＰｒｏａｄ（イープロード）」を拡販する。このほど専任営業部隊を設けたほか、富士通ミドルウェア（横浜市港北区）でも販売を開始した。０８年３月をめどに新版も発売する。０８年度は販売力強化と新版の投入効果で、０７年度目標の２・５倍の１０００ライセンスを目指す。イープロードの専任営業部隊は広域ソリューション本部ソリューション販売推進部内に設置。またシステム構築（ＳＩ）ベンダーやパッケージベンダーへの販路を持つ富士通ミドルウェアも１０月に取り扱いを始めた。新版「イープロードＶ３」は０８年３月までに開発を完了する方針。マイクロソフトが開発している次期サーバ「ウィンドウズサーバ２００８」に対応し、同サーバの発売に合わせて出荷する。汎用コード自動生成機能を追加するほか、英語版もラインアップする。価格は現行のまま据え置き、標準セットで約１００万円から。イープロードはマイクロソフトが開発したアプリの共通実行環境「ドットネットフレームワーク」に対応する開発支援ツール。実行エンジンと標準ライブラリー、帳票設計や設定ファイル作成を支援するツールで構成する。業務アプリの開発スタイルを統一化することで、開発量削減や品質が向上。０６年６月の発売以降、０７年１０月までに累計３００ライセンスを出荷した。

△日立マクセル<6810>、来年７月から中国で中型リチウムイオン電池を量産
日立マクセルは最大出力２０アンぺアの中型リチウムイオン電池の量産を０８年７月に始める。電池の生産拠点である中国・無錫工場で月２００万個の生産体制を構築。電動工具や電動自動車、コードレス家電といった大きな力が必要な分野を開拓していく。新型電池「ハイパワー円筒形リチウムイオン電池」は直径１８ミリ×高さ６５ミリメートルで、同社は中型二次電池と位置づける。同サイズでは従来最大出力は１５アンぺアだった。電池の正極表面の材料となるスピネル型マンガン酸化物をバラツキなく塗布する技術を開発。正極の内部抵抗を低減した。これにより正極の反応性が高まり最大出力が高まった。１２月中にサンプル出荷を始め、０８年に量産を始める。当面は月産２００万個体制を予定する。量産開始時に必要な設備投資額などは明かしていない。同社は２０１０年の中型リチウム電池市場は車載用を除き国内外で年４５００億円と見ている。ニッケル水素電池などが使われてきた電動工具向けなどの分野でリチウム電池への置き換えが進むことを見込む。

△ドコモ<9437>、１０日から緊急地震速報を携帯電話向けに提供
ＮＴＴドコモは気象庁が配信する緊急地震速報を携帯電話向けに提供するサービスを１０日に始める。携帯電話向けに緊急地震速報を提供するのは同社が初めて。利用は無料。対応端末は１１月末に発売した「９０５ｉ」シリーズになり、今後順次対応機種を増やしていく。新サービス「エリアメール」は、緊急地震速報を地震の揺れが予想される特定エリアにある対象端末に一斉配信する。専用の着信音とバイブレーションで受信を知らせる。画面には「強い揺れに備えてください」などのメッセージを自動表示する。通常のパケット通信とは異なる通信網を利用するため、通信の混雑を心配することなく一斉同報ができる。利用者は事前の申し込みなどは不要で、端末の受信設定を変更するだけで利用できる。

△ホンダ<7267>系部品メーカー各社、低価格車視野に製品開発加速
ホンダ系などの部品メーカー各社は、新興国向けなどに期待される排気量１０００ｃｃクラスの低価格車（Ａセグメント車）を視野に製品開発に乗り出した。
エイチワン<5989>は国内開発拠点で仮想上の生産ラインを構築、低コスト生産方式を検討。
テイ・エステック<7313>はシート用安全技術、
八千代工業<7298>は車台で軽自動車用のをそれぞれ開発中で、将来のＡセグ転用もにらむ。
サスペンション（懸架装置）のヨロズ<7294>も、低価格生産での製品開発を本格化した。ホンダはＡセグ投入を公表していないが、各社は先手を打つ格好だ。
エイチワンは、国内で「Ａセグでも利益率を確保できる生産方式の確立」（今田靜雄社長）に向けて動きだした。研究開発センター（栃木県芳賀町）で生産システムなどを磨き上げ、まずは亀山製作所（三重県亀山市）で試験導入し、成果を出す。その後２０１０年をめどに、インドに新設中の第２工場など海外拠点に技術を移す考え。

△日野自動車<7205>、燃費を向上させた中型トラック「レンジャー」を発売
日野自動車は、中型トラック「日野レンジャー」シリーズに２０１５年度重量車燃費基準達成車を追加し、発売した。エンジンの低回転、高トルク化や排気ガス再循環装置（ＥＧＲ）の大容量化などで燃費を向上した。代表車型の東京地区価格は６４０万２９００―９０４万４７００円。販売目標は日野レンジャーシリーズ全体で年間１万５５００台。

△オートバックスセブン<9832>、「スイフト」ベースのカスタムカーを来月発売
オートバックスセブンはスズキの“スイフトスポーツ”をベースにしたカスタムカー「ｍｏｎｏＣＲＡＦＴ　ＳＳ１」を０８年１月に発売する。繊維強化プラスチック（ＦＲＰ）製のフロントバンパーやリアバンパーなど８点のオリジナルパーツを標準装着したほか、１２のオプションパーツを用意した。１００台限定で価格は２２２万―２４３万円。パーツの個別販売も行う。同社はカスタムカーの開発を０１年に開始。これまで９車種を手がけている。最近は独自の車両開発にも取り組んでおり、事業拡大を進めている。

△三機工業<1961>、花粉払落ブースに消臭機能を追加
三機工業はエアシャワーで花粉を除去する花粉払落ブース「マナージェット」に消臭機能を加え、発売した。
岡村製作所<7994>と共同開発した。花粉除去専用機の価格は１８９万円、消臭機能付きは２０７万９０００円。初年度にシリーズ全体で１００台の販売を見込む。
三機工業の空調制御技術と、岡村製作所の事務用什器（じゅうき）のノウハウを持ち寄り開発した。エアシャワーの運転中にブース内に消臭スプレーを噴霧し、衣服表面の臭いを除去する。サイズは幅９００ミリ×高さ１９００ミリ×奥行き１１４８ミリメートルで、ブース入り口幅は５４０ミリメートル。３月から花粉除去専用のマナージェットを、オフィスビルやホテルなど１６カ所に試験的に設置した結果、通年で使用したいとの要望が多かった。衣服に付いたタバコや汗の臭いを除去する消臭機能を加えた。

△マツダ<7261>、コンパクトカー「ベリーサ」の特別仕様車を発売
マツダはコンパクトカー「ベリーサ」の特別仕様車「スタイリッシュＶ」を発売した。本革に赤色の平織りファブリックを組み合わせたシート、赤色のステッチを施したハンドルなど内装を徹底して“赤”の効いたデザインとした。価格は２輪駆動車が１６４万円、４輪駆動車が１８２万９０００円。

△スズキ<7269>、「スイフト」に特別仕様車－内装に上質素材
スズキは、小型車「スイフト」に「ＸＧ　Ｅセレクション」、「スイフトスポーツ」に「Ｖセレクション」を特別仕様車として設定、発売した。両機種ともディスチャージヘッドランプを標準装備。Ｅセレクションは特別設定色に深い青色を設定。Ｖセレクションは０７年「ジュニアラリー選手権」でドライバーズチャンピオンを獲得した記念モデルで、内装に伊アルカンターラの上質素材を採用した。価格は１２１万２７５０―１７６万４０００円。スイフト全体で年間５万２０００台の販売を見込む。

△トラスコ中山<9830>、０９年めどシンクタンク設立－工具市場の動向把握
トラスコ中山は０９年までに、社内にシンクタンク機能を持つ部署を設置する。経済分析能力を持つことで、市場動向を把握し、いずれは業界の課題解決や提言なども行っていく。手始めに機械工具流通業界の市場規模の把握し、今後の成長分野などをまとめる。新設する部署は「機械工具経営近代化研究所」（仮称）。このほど経営企画部内に設立準備担当要員を配置した。新部署では外部組織などとも連携しつつ、各種経済データを収集。業界の正確な経済指標作成などに当たる。まずは経済実態を知ることから始め、各種活動を通じて業界の地位向上につなげる考え。０９年に創業５０周年を迎えるため、記念事業の一環。機械工具流通業界には、全日本機械工具商連合会（全機工連）や日本工作機械販売協会（日工販）などの業界団体がある。これらの団体の販売額などの統計データは、会員企業の任意協力によるもの。

△コクヨ<7984>ファニチャー、安全性など高めた可動式会議用机を発売
コクヨファニチャーは、デザイン性と安全性に優れた可動式の会議用テーブル「エピファイ」を発売した。天板の大きさは９タイプで、白と木目柄３色の計４色を用意。価格は７万８８５５―１１万２３５０円。０８年度に３億円の売り上げを目指す。独自の安全構造を採用し、天板を起こす際に脚部と前面パネルとの間に指が挟まれないようにした。電源タップを収納できる配線ダクトを天板下に標準装備している。

△三菱樹脂（三菱ケミカルＨＤ<4188>）、オフィス用間仕切りの新製品３種を発売
三菱樹脂は、オフィス用間仕切りの新製品を発売した。高さ９３センチ―１８３センチメートルのローパーティションと呼ばれる製品で、価格は非公表。２０１０年に３億円の売り上げを目指す。スタンダードタイプの「ダイアコモン」、施工が容易な「ダイアプロット」、色や材質を自由に選べる「ダイアレグロ」の３製品を用意した。コクヨファニチャーからＯＥＭ（相手先ブランド）供給を受ける。

△伊藤ハム<2284>、パッケージで季節感演出したウインナーを期間限定発売
伊藤ハムはパッケージに季節感を取り入れたウインナー「冬旨特級あらびき」を１２月からの２カ月間限定で発売した。１２月は「雪華」、１月は「富士山」のパッケージにし、季節感の演出が難しいハム・ソーセージ売り場の活性化につなげる。価格は２２０円。２カ月で５億円の販売を目指す。製品の２次元バーコードから携帯サイトにアクセスすると、冬野菜と合うメニューを見られる。

△第一三共<4568>ヘルスケア、アレルギー専用点鼻薬を発売
第一三共ヘルスケアはアレルギー専用点鼻薬「エージーノーズクール」を５日発売した。希望小売価格は１５ミリリットル１６５９円。既存製品「エージーノーズ」にメントールを加え、すっきりした使用感を付加した。抗アレルギー剤「クロモグリク酸ナトリウム」に、抗ヒスタミン剤と血管収縮剤で、鼻水、鼻づまり、くしゃみといった症状をトリプルブロックする。

△ヤマハ<7951>、「源平合戦屏風」絵柄のドラムセットなど発売
ヤマハはシェル部に「源平合戦屏風」の絵柄を施した「和紙」などドラムセット３モデルと鳳凰の彫刻を施したスネアドラム「ＳＤ４３６５ＰＨ」を発売する。ドラム発売４０周年記念モデルで、和紙は９９万７５００円で５セット、「金」と「銀」は各６８万２５００円で３セット、スネアは１６万８０００円で１５台の限定販売。１０日に受け付けを始める。ドラムセットは世界的なドラマー、スティーヴ・ガッド氏らが愛用した「ＹＤ９０００」を復刻。和紙によるシェルラッピングは同社初で、高松市歴史資料館所蔵の「源平合戦屏風」の絵柄を印刷した。金セット、銀セットは塗装を金、銀とし華やかさを強調。スネアは熟練技術者が鳳凰マークを彫刻、重厚感を出した。

△川島織物セルコン<3009>、特殊弾性繊維使用の新素材を車用シートに展開
川島織物セルコンは、特殊な弾性繊維を使用した新素材「バネックス」を自動車のシート向けに展開する。クッション材にウレタンフォームや金属バネなどが不要なため、自動車の大幅な軽量化が可能。搭載には、安全性や強度の確保などが課題となる。自動車の低燃費に貢献する新素材として、メーカー各社に実用化の提案を進める。１０月開催の東京モーターショーでは、スズキが参考出展した小型トラック「Ｘ―ＨＥＡＤ」のシートに採用された。同ショーではトヨタ紡織も、バネックスを使用したコンセプトシートを展示。次世代のシート素材として注目された。バネックスは要求される座り心地に応じて弾性設計できる「ばね機能」をもった織物。通気性があるため、調湿性に優れる。１００％ポリエステル系素材でできていることから、リサイクルも容易で、燃焼させても有毒ガスが発生しない。

△宇部興産<4208>、来年度から南米でナイロン６樹脂を本格販売
宇部興産は０８年度から南米でのナイロン６樹脂の販売を本格化する。スペイン工場から同樹脂を南米向けに出荷する計画。すでに同工場から試験的に出荷を始めるなどプレマーケティング活動を進めており、現地での事業展開にめどをつけた。急速な経済発展により今後の需要拡大が見込まれる南米市場での事業を軌道に乗せ、同樹脂のグローバル展開を加速させる構え。同樹脂は自動車やエレクトロニクスなど幅広い分野で使われている。中でも宇部興産はフィルム用途など付加価値の高い領域を中心に事業を展開してきた。南米でもこうした製品が軸となる見込み。これによりブラジルなどのコスト競争力のあるローカルメーカーと差別化を図り、事業拡大を狙う考えだ。

△三井住友<8316>銀、タイ関税局と提携し月内にも企業向け電子決済サービス
三井住友銀行はタイ財務省関税局と提携し、関税の支払いを電子決済する企業向けサービスを月内にも始める。これまでの書類による関税納付手続きを電子決済にすることで、取引先日系企業などの経理事務の効率化につなげる。タイでの同様のサービスは、米シティバンクやタイの２銀行がすでに行っているが、邦銀では初めて。自動車関連を中心に日系製造業の進出が盛んな現地に同サービスを投入することで、資金管理面から日系企業の経理業務効率化を後押ししていく考えだ。関税電子決済の仕組みは、まず日系企業がタイの税関に輸出入手続きにかかわるデータを提出する。そのデータに基づいて、三井住友銀行が日系企業の口座から関税額を自動引き落としする。引き落とししたデータを三井住友銀がタイの税関に提出することで、納付手続きが完了する。

△ＪＡＬ<9205>、来年３月末めど中小向け国際線サービスの会員１５００社へ
日本航空（ＪＡＬ）は国際線の利用実績に応じて特典を提供する中堅・中小企業向け会員サービス「ＪＡＬコーポレートフライトメリット（ＪＣＦＭ）」の会員拡大に取り組む。サービスは０５年４月に開始し、会員企業は０６年３月末時点では６００社だったが、従来、縦割りだった会員獲得のための国内・国際の営業体制を融合させたことが奏功、９月末には１０００社を突破した。今後、異業種との連携やウェブサイトの充実、特典の強化などでサービスの魅力を高め、０８年３月末までに会員企業１５００社を目指す。ＪＣＦＭは３カ月ごとの国際線利用実績に応じて、旅行券、超過手荷物サービス、座席のアップグレードの特典を提供するもの。
（日刊工業新聞）

△ラクーン<3031>　中間期スーパーデリバリーの売上は９２．４％増とほぼ倍増
ラクーンは７日引け後に、０８年４月期中間決算を発表した。売上高２５億４００万円（前年同期比７０．１％増）、経常利益１億５０００万円の損失（前年同期は２０００万円の損失）、純利益１億５１００万円の損失（同７７００万円の損失）と大幅増収は達成したものの利益面での赤字幅が増加することになった。昨年１０月１０日に発表した中期経営戦略通り、広告宣伝費を使い早期に会員小売店の獲得を図ってきたが、月平均会員小売店の増加数は２．７倍増と急増していることから、売上は大幅に伸び、当初予想を上回る結果となっているが、その反面広告宣伝費、本社移転費用、大阪支社開設に伴う地代家賃の増加が利益面での足かせとなっている。しかし、これは中期経営戦略の想定内である。少し気は早いが、現在のペースで行くと第４四半期の黒字化が見えてきているそうである。アパレル、雑貨の売買をネット上で行うＢｔｏＢのサイト「スーパーデリバリー」の会員小売店数は１万４３５６店舗（前期末比３７４１店舗増）、出展企業数７７９社（同１１７社増）、商材掲載数１５万３３５８点（同４万７７４１点増）であり、会員小売店数・商材掲載数に関しては中期経営戦略のペースを大きく上回っている。それを裏付けるかのように「スーパーデリバリー」の売上高は、２２億３５８０万１０００円（前年同期比９２．４％増）とほぼ倍増のペースである。
通期の業績予想は、売上高５５億円（前期比６４．９％増）、経常利益１億８０００万円の損失（前期は２億３００万円の損失）、純利益１億８２００万円の損失（同３億５００万円の損失）を見込んでいるが、中間期の売上の伸びが７０．１％であることから、上振れ期待が高まる。

△アルファホールディングス<6633>　個別通期業績予想の上方修正を発表
アルファホールディングスは７日引け後に、個別通期業績予想の上方修正を発表した。売上高は前回予想を１億５８００万円上回る２億６４００万円（前回予想比２．４９倍）、経常利益は１億１３００万円上回る１億７６００万円（同２．８１倍）、純利益は１億１３００万円上回る１億７５００万円（同２．８０倍）と大幅な上方修正となった。１１月２２日発表した経営統合記念配当の実施により、子会社からの受取配当金額が増加し、その結果、売上高及び利益の数値が増加することになった。今回の修正理由は、すべてグループ内取引であるため、個別業績予想の修正に伴う連結業績予想への影響は無い。
（証券日刊新聞）

△日本初の「免震体験車」　ＴＨＫ<6481>が製作、システム普及へ
機械用レールメーカー大手のＴＨＫは、地震の際に建物の揺れを抑える免震効果を実際に体験できる日本初の「免震体験車」を製作した。１２月上旬から全国の工務店やハウジングメーカーなどを回り、免震のデモ体験装置として活用するほか、イベントや展示会にも参加する。免震構造とは、建物の基礎部分に、地震の揺れを受け流すレール装置を組み込むことで建物に直接揺れを伝えない構造。免震システムを利用した場合、震度６程度の揺れを震度３程度に軽減できる。免震体験車では、阪神淡路大震災など過去８０年間に起きた大地震の揺れを再現し、実際に体験でき、免震システムの作動でその効果を比較体験できる。同社は免震体験車を活用し、免震システムの普及とともに、一般の防災対策意識の向上を図る。

△東証「マザーズ」から「１部」へ　“昇格”企業数が最高　新興市場形骸化懸念も
東京証券取引所の新興企業向け市場「マザーズ」から１部市場にくら替えする企業が今年は過去最高になることが確実となった。堅調な企業業績を背景に、株式の流動性（売買）がより高い市場に“昇格”した格好だが、同一の取引所内の市場変更が増えることには「新興市場の形骸（けいがい）化を招きかねない」との批判もある。マザーズから１部市場への変更は、昨年の２社に対し、今年は月内に予定する３社を含めて計８社。１２月だけで４社とハイペースだ。過去最高だった２００５年の６社を上回るだけでなく、昇格第１号が出た０２年から０６年までの１７社（２社は２部経由）の半分近くに達する。東証は、市場変更が増えていることについて「新興企業の成長を支援した望ましい結果」と評価している。ただ、証券業界は「新興市場が踏み台になっている」（証券系シンクタンク）と冷ややかだ。新興市場で最大の上場企業を抱えるジャスダック証券取引所でも０７年、２２社（うち３社はジャスダックとの重複上場）が東証１部（３社）、２部（１９社）にくら替えする。マザーズは１９９９年の開設当初、１、２部市場と並列の位置づけだった。米国の新興市場のナスダックのように、企業が成長してもニューヨーク証券取引所にくら替えしないような市場を理想としていた。ところが、市場に上下関係が生まれ、あるべき姿からは遠ざかりつつある。０６年１月に起こった“ライブドア・ショック”が尾を引き、不振企業の集まりというイメージも定着。「新興市場を発展させる熱心さが感じられない」（米系証券）との指摘もある。
１０日にマザーズから１部に市場変更するＭ＆Ａ（企業の合併・買収）仲介会社、日本Ｍ＆Ａセンター<2127>の飯野一宏執行役員は「取引先に安心感を与えるための信用補完だ」と、マザーズ市場の信頼性に疑問を抱いていたことを打ち明ける。
７日のマザーズ指数の終値は８８５・２３。ライブドア事件前につけた最高値の２７９９・０６（０６年１月１６日）からは大きく下落したままだ。投資家を呼び戻すには、市場の独自性を確保し、存在感を高めることが必要だ。

△ボーナス商戦　個人マネー争奪戦へ　金融・証券業界、金商法が逆風
冬のボーナスに照準を合わせた金融機関の個人マネー争奪戦が始まった。今年は金融商品の販売・勧誘規制の強化を柱とした金融商品取引法（金商法）の完全施行が足かせとなり、セールストークも湿りがち。金融機関はさまざまなキャンペーンを打ち出しているが、その効果は未知数だ。“貯蓄から投資へ”の流れが鮮明になる中、メガバンクと大手証券会社が激戦を繰り広げているのが、投資信託の販売だ。
みずほ<8411>銀行は、対象の投信商品から２０００口（１口１００万円）を抽選し現金１万円をプレゼントするキャンペーンを２８日まで実施。
三井住友<8316>銀行も、同日まで２０万円以上の新規投信を購入した客全員に、ＣＤやブックカバーといった独自商品をプレゼントする。証券業界も負けていない。
ネット証券大手、マネックス<8698>証券は３０万円以上の投信購入客に手数料の半額をキャッシュバックする「冬のボーナス投資信託キャンペーン」を始めた。「３０万円ならボーナスから払える金額なので、この機会に投資を始めてほしい」と呼びかける。
みずほインベスターズ証券<8607>は、期間中に投信や債券を３００万円以上購入すると、宝くじが１０枚もらえる「冬の福福キャンペーン」を展開。６日からは個人向け国債を１００万円以上購入した顧客への商品券プレゼントなどをキャンペーンに加えた。「ボーナスにも期待しているが、人もお金も動きやすい年末年始のキャンペーン効果は高い」という。
大和証券<8601>はボーナス時期に合わせ、人気を集めている中国投信「チャイナ龍翔（ロンシャン）」を１１月２６日に発売した。
預金商品の金利優遇サービスもめじろ押し。民営化で誕生したゆうちょ銀行は２８日までの期間中、新たに１年定期貯金を５０万円以上預け入れた顧客を対象に、店頭表示金利から０・２％上乗せする。日本郵政グループとして金利を優遇するのは初。インターネット専業銀行も特別金利キャンペーンを展開している。
ソニー銀行（ソニーＦＨＤ<8729>）は来年３月２日まで、定期預金の金利を０・１～０・３％程度上乗せする。ジャパンネット銀行も同２月１日まで、定期預金の期間や金額に応じ金利を優遇している。銀行や証券会社が例年以上にキャンペーンに力を入れている背景には、今年９月、投資家保護の徹底を盛り込んだ金商法が完全施行されたことがある。リスク説明の強化が義務付けられたことに伴い、商品の説明に多くの時間が必要になり、効率が低下。キャンペーンのパンフレットなども「利率を表記する文字が小さくなり、リスク説明の部分が大きくなった」（大手証券）など、個人マネー獲得に、細心の注意が求められるようになった。予定していたキャンペーンが金商法に対応できずに中止になるといった影響こそ出ていないようだが、サブプライム（高金利型）住宅ローン問題による株価下落もあって、ボーナス資金の取り込みを狙う金融機関は“逆風”の中での争奪戦を強いられている。

△車載用半導体　中国社と共同開発　ＮＥＣエレ<6723>、第一汽車向け
ＮＥＣエレクトロニクスは７日、中国の自動車大手である中国第一汽車傘下のＩＴ（情報技術）メーカー、啓明情報技術と、自動車向け電子機器を共同開発することで合意したと発表した。ＮＥＣエレが開発した車載用半導体を組み込んだ自動車ネットワーク制御機器を、２００９年から第一汽車向けに供給する。ＮＥＣエレは現地の有力ユーザーと協力関係を築くことで、今後成長が見込まれる中国の車載半導体市場でシェア拡大を目指す。共同開発は、ＮＥＣエレの全額出資子会社のＮＥＣエレクトロニクス中国が担当し、ＮＥＣエレの販売代理店であるリョーサンの子会社である香港菱三も参画する。啓明社内に「連合実験室」を設け、開発、設計を進める。啓明が機器開発を担当し、ＮＥＣがその頭脳にあたるマイコンを供給とともに、組み込むための技術的支援を行う。ＮＥＣエレの中国市場の売上高は０６年度で約５００億円。エアコンなど民生機器用の半導体がほとんどで、車載用はわずか５％（マイコンベース）にとどまっている。中国市場の開拓に向け、現在４００人いる営業、技術サポート、設計の人員を１０年度までに倍増の８００人に引き上げるとともに、４カ所ある営業拠点を今年度内に成都など２カ所新設し、１０年度に売上高を０６年度比倍増の１０００億円に引き上げる計画を打ち出している。啓明との共同開発もこの一環。
（FujiSankei Business i）