12/7 朝の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

△ＮＴＴ<9432>東西と松下<6752>、アクトビラ対応テレビの販促で協業
ＮＴＴ東西地域会社と松下電器産業は、光回線「フレッツ光」とアクトビラ（用語参照）対応テレビの販売促進で協業を始めた。ＮＴＴ東西は、全国の松下系列店と光回線の販売代理店契約を結び、販売チャンネルを広げる。契約した松下の系列店では実際に光回線とテレビを接続してサービスの実演を行い、光回線、テレビそれぞれの拡販につなげる。光回線の加入者増を狙うＮＴＴ東西と、アクトビラ対応薄型テレビ「ビエラ」のインターネット接続を促進して拡販を狙う松下の思惑が一致した。全国に約１万８０００店舗ある松下系列店と、ＮＴＴ東西の各地域会社と各支店が、個別に協議しながら光回線の代理店契約締結を順次進める。すでにＮＴＴ西エリアでは松下系列店１６０店舗と光回線の代理店契約を結び、光回線と対応テレビを接続した実演を開始した。近く佐賀県内の松下系列店４５店舗でもスタートする方針。東エリアでも同様の取り組みは行っているが、店舗数については明らかにしていない。ＮＴＴ東西は２０１０年度までに光回線の累計販売数２０００万件を目指している。とはいえ、１１月末時点の累計販売数は東西合わせて７８５万３０００件。加入スピードにも陰りが見え始めており、目標を確実に達成するには新しい拡販施策が必要になっていた。そこでパソコンを利用しない層の開拓が目標達成に必要不可欠と判断した。１１月末には任天堂のゲーム機「Ｗｉｉ（ウィー）」とＮＴＴ東西の光回線の接続を推進する取り組みで協業するなど、異業種連携を強化している。松下との協業も取り組みの一つ。今後、松下以外でアクトビラ対応テレビを製造販売するメーカーとの協業も視野に入れる。

△シャープ<6753>、合弁設立し白物家電をタイで直販
シャープはタイで白物家電販売を見直し、現地企業との合弁会社を通じた直販に切り替えた。従来白物家電を販売委託していた現地企業と合弁で販売会社を設立した。日本市場が飽和状態のため、タイなど東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）地域の販売拡大を狙う。ＡＳＥＡＮは年率１０％以上の伸びを見込む。特にタイでの販売増に力を注ぎ、海外売り上げの底上げを図る。タイに設立した販売会社はＳＴＣＬ（バンコク市）。冷蔵庫やエアコン、洗濯機など大型家電の販売を手がける。営業人員も増員し、現地の流通網の開拓にも乗り出した。販売活動を直接指揮する体制に切り替え、意思決定の迅速化、拡販につなげる。タイでは商品企画、開発の体制も整えており、４月には白物家電の設計拠点を新設した。市場調査を始め、電子レンジと冷蔵庫の開発に乗り出している。現状の活動は仕様の部分的な手直しにとどまっているが、将来は国別に仕様の異なる機種を現地で設計する。シャープの白物家電事業の０７年度計画は売上高２４００億円に対し、営業利益１０億円と営業利益率１％未満にとどまる。海外の販売拡大を進めて利益を底上げし、０８年度から収益改善につなげる。海外で特に伸ばそうとする市場が、地域別売り上げで約３分の１を占めるＡＳＥＡＮ。中でもタイで開発、営業体制を充実する。

△横河電機<6841>、検査対象の変更可能な次世代半導体テスター開発
横河電機はロジックＬＳＩや通信用デバイスなど幅広く試験対象を変更できる半導体検査装置（テスター）を開発した。デバイスを一度に検査できる数は最大で２０４８ピンと、自社の従来機種に比べて約３倍に高めて検査効率を向上。また空冷式で装置を冷やす機構を採用、構造の簡素化を図り省スペースを実現した。早ければ来春にも市場に投入する。開発したのは「ＥＶＡ（エヴァ）プラットフォーム」で、次世代テスターのプラットフォームと位置づけている。通信用デバイスなどのほか、フラットパネルディスプレー（ＦＰＤ）ドライバーや音響・映像（ＡＶ）機器向けのミックスドシグナルＩＣ、マイクロコントローラー（ＭＣＵ）など幅広いデバイスの検査に対応できる。顧客は各デバイスの生産変動に応じて検査対象を変えられ、テスターの設備投資を抑制できる。また通信用デバイスやミックスドシグナルＩＣなどの機能を統合したＬＳＩへの検査も可能になる。大量に通電するためのデバイス電源用カードやアナログ信号発生・測定用カードを組み合わせ、顧客にあった最適な検査工程を構築できる。検査用カードを挿入できるスロット数は４０。１枚のカードで測れる数は従来の４倍となる６４チャンネルに集積化しコンパクトにした。また通常はヘッド（検査）部とメーンフレーム（本体）部にそれぞれカードを挿入し用いるが、今回のテスターはヘッド部だけに挿入する構造を導入。装置全体を簡素化し、従来機種に比べ４分の１の省スペースを実現した。今回のテスターを評価するため、近く顧客に試作機を出荷する予定。

△ローツェ<6323>、ベトナムでウエハー搬送装置の完成品組み立て
ローツェはベトナムの子会社「ローツェロボテック」（ハイフォン市）でウエハー搬送装置の最終組み立てを始める。総額４億２５００万円を投じて工場棟を増設した。量産品を組み立てる計画で、ベトナム生産によるコスト削減によりこれまで手薄だった米国市場と、ドイツを中心とした欧州市場を開拓するのが狙い。拠点の無いドイツにはメンテナンスもできる子会社設立を検討する。ローツェロボテックの敷地内に床面積が４６１５平方メートル規模の第３工場を新設した。新工場には２億９０００万円をかけ安田工業（岡山県里庄町）の横型マシニングセンターなど複数台の工作機械を導入。クリーンルームも設置した。これにより、精度を高めた真空搬送ロボットの新製品製造だけでなく、クリーン環境下でのウエハー搬送装置（ＥＦＥＭ）の完成品組み立てが可能になる。完成品の組み立て能力は０８年後半には現状の２倍、ベトナムでの売上高は５０億円規模になる見込み。これまでベトナムでは、ウエハー搬送装置内に組み込む搬送ロボットや位置合わせ用アライナなどのモジュール、それらに使うアルミ部品を製造してきた。ベトナムで製造したモジュールは、台湾や韓国、日本に送り完成品に仕上げている。今後、モジュール製造を継続するとともに新製品を含めた量産品の最終組み立てを行う。

△デンセイ・ラムダ<6917>、重さ１．９ｋｇの無停電電源装置の受注開始
デンセイ・ラムダは業界最小となる無停電電源装置（ＵＰＳ）「ＤＬ３１２０―０７２ＪＷ」の受注を始めた。リチウムイオン電池の搭載で重量は同等のバックアップ能力を持つ製品と比べ、約３分の１の１・９キログラムと業界最軽量を実現した。バッテリー交換がいらず８年間メンテナンス不要。価格は４万９３５０円。３年後に１０億円の売上高を目指す。大きさは幅２００ミリ×長さ２８５ミリ×高さ４４ミリメートル。出力は７２ボルトアンぺアの正弦波出力で災害時の停電でも確実に作動する。従来同クラスのＵＰＳでは一般に矩（く）形波出力が採用されているが、一部機器では正常に作動しないことがある。

△シャープ<6753>、厚さ２．２ミリの携帯向けサブカメラモジュール開発
シャープは６日、携帯電話の２個目のカメラに向く１０分の１型３５万画素相補型金属酸化膜半導体（ＣＭＯＳ）カメラモジュールで業界最薄の厚さ２・２ミリメートルのモジュールを開発したと発表した。テレビ電話機能使用時に通話者を写す「サブカメラ」の用途を見込む。０８年１月中旬にサンプル出荷し、３月末に量産。海外向けの低価格端末のメーンカメラ用にも拡販し、月産２０万個を見込む。サンプル価格は１２００円。高密度実装技術を用いて従来品に比べ体積を２０％、厚さを１０％減らした。携帯電話のサブカメラは従来の１１万画素クラスから３５万画素クラスに切り替わっている。モジュールを厚さを抑えたことで、薄さを強調したデザインの携帯電話に搭載しやすくなる。

△ＩＤＥＣ<6652>、モリテックス<7714>の株主総会決議訴訟で勝訴
ＩＤＥＣがモリテックスの株主総会での決議取り消しなどを求めていた訴訟で、東京地方裁判所は６日、総会手続きに違法性があるとして決議を無効とする判決を示した。モリテックス筆頭株主のＩＤＥＣは、経営陣刷新の株主提案を行い、６月２７日の株主総会で否決されたが「決議は違法、不公正な運営があった」と主張。取締役、監査役の選任に関する決議を取り消す訴えを起こしていた。争点となったのが株主への利益供与。両社は株主提案をめぐって対立を続け、株主総会で株主提案の賛否を決着する運びとなった。その過程で「議決権を行使した株主にクオカードを進呈する」としたモリテックスの行動が利益供与に相当するとＩＤＥＣが指摘。モリテックスは適法であると主張していたが、東京地裁は違法性があると判断、ＩＤＥＣの訴えを認めた。また総会での委任状の集計方法にも問題があったと指摘している。

△三井造<7003>、エタノール連続発酵技術でスウェーデン社とライセンス契約
三井造船は６日、スウェーデンの化学系エンジニアリング会社のケマトアと、イネなどを原料としたエタノール連続発酵プロセス技術で日本国内の独占ライセンス契約を結んだと発表した。０８年春に三井造船が新潟市北区に建設するバイオエタノール製造設備に使う。同技術はエタノール製造工程で発生する発酵残さ廃液処理が不要。新潟市に建設する設備は８月にＪＡ全国農業協同組合連合会（全農）から受注したもので年産能力１０００キロリットル。０９年春から生産を始める。

△工作機械受注、１―１１月で最高更新－日工会まとめ
日本工作機械工業会が６日まとめた０７年１―１１月の工作機械受注実績（速報値）が１兆４５９１億６５００万円となり、０６年実績の１兆４３６９億７０００万円を超え、２年連続で過去最高額を記録した。０７年１―１２月は１兆６０００億円に肉薄する。国内需要は前年割れも高原状態を維持。記録更新のけん引役となった外需は、自動車、航空機、エネルギー産業が好調だった。１１月の工作機械受注実績（速報値）は、前年同月比１３・０％増の１３６６億２００万円となった。１１月の内需は前年同月比１・８％増の６３３億４５００万円、外需は同２４・９％増の７３２億５７００万円。外需は１６カ月連続で２ケタの増加、７カ月連続で７００億円超えた。「サブプライムローン（信用度の低い個人向け住宅融資）問題の影響は見られない」（日工会）としている。
　内需は３カ月連続で増加した。前月比でも０・５％増で、「高原状態を維持した」（日工会）。

△工作機械主要８社の１１月受注額、６．１％増の５５４億円
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要８社の１１月の受注実績は、前年同月比６・１％増の５５４億１５００万円となった。６２カ月連続で前年同月実績を上回った。輸出は航空機や建設機械、金型など幅広い業種向けに好調を継続。一方、国内は設備投資に一服感が出ている模様で、２カ月ぶりに前年同月実績を下回った。企業別では５社が前年同月比増加となった。
ジェイテクト<6473>は国内外で自動車関連向けの受注を獲得した。
森精機製作所<6141>は「海外は重厚長大向けに大型機が好調」とし、
牧野フライス製作所<6135>も「米国で航空機向けが活発」と輸出増加を分析。
東芝機械<6104>グループも「海外で建機と金型向けに横中ぐり盤などが好調だった」。
オークマ<6103>の輸出も堅調な伸びを示した。

△三菱自<7211>、基幹部品メーカー選定を半年前倒し
三菱自動車は新型車の開発で、主要部品メーカーの選定時期を約６カ月前倒しする。現状は基幹となるエンジンや変速機部品、足回り部品などの決定時期は、設計図面が固まる１年半程度前という。これを約２年前に変更する。設計構想の初期段階から部品メーカーに参画してもらい、共同でコスト低減や品質向上を進める。三菱自によると、原価低減には設計段階の改善が重要性を増している。まずは、基幹部品メーカーを中心に発注時期を前倒しすることにした。同社は、０２年に独ダイムラー・クライスラー（現ダイムラー）の意向で取引先協力会を解散し、グローバル調達のアクセルを踏み込んだ。その後、自動車部品メーカーとの信頼回復を目指し、協力会組織を再結成するなど、関係強化に動いてきた。今回の取り組みはその一環。

△大同メタル<7245>、軸受を増産－ライン増強し新規受注に対応
大同メタル工業は欧米で自動車用軸受を、日本で船舶、建機、発電機用軸受を増産する。米国とチェコ、犬山事業所（愛知県犬山市）の軸受生産ラインをそれぞれ０８年中に順次増強する。新規受注の獲得に対応、さらに今後も見込める需要増に備える。米国では、現地子会社傘下のダイドーメタルベルフォンテン（オハイオ州）で、０８年半ばから自動車用軸受のブッシュやスラストワッシャーの生産を新たに始める。米ビッグスリーからの受注増に加え、現地調達率向上を進める日系メーカーからの受注も増えており、軸受の種類を増やして対応する。０７年１２月期見込みで３３億円の売上高を０９年１２月期に５８億円に増やす計画。チェコでは、生産子会社のダイドーメタルチェコ（ブルーノ市）で、ポリマー樹脂を使うドライベアリングの生産ラインを０８年初頭から３本増設する。

△タチエス<7239>、来年にも栃木工場で４車種分の車シートを混流生産
タチエスは、栃木工場（栃木県下野市）に新設した生産ラインで０８年にも４車種の自動車シートの混流生産を始める。日産自動車の「スカイライン」、「スカイラインクーペ」用のシートを生産するラインに、日産から新たに受注した２車種のシートを流す。１ラインでは１―２車種のシートが一般的で、４車種のシートを混流するのは珍しい。生産変動への弾力性を高め、収益性の安定につなげるのが狙い。タチエスは１７億円を投じ栃木工場を増築し、多品種混流生産用の新ラインを設置した。複数種の取り付け部品をセットにしてシートフレーム・クッションとともに流す「ピッキング供給」方式を採用、「生産のフレキシビリティーを高めている」（樽見耕作社長）。同社は中国、英国、米国に車用シートの新工場を建設、この１年余で相次ぎ生産を開始。海外で積極投資を続ける一方、国内は「事業環境に合わせ再構築する」（同）方針。

△丸順<3422>、タイの骨格部品生産能力を倍増－大型プレス機導入
丸順は、タイの生産子会社「タイ・マルジュン」（アユタヤ県）に大型プレス機を複数並べるタンデムラインを導入、稼働した。これにより、車両の骨格部品の生産能力を従来の２倍以上に引き上げた。主要取引先であるホンダの現地増産に対応するのが狙い。投資額は約１０億円。今回導入したタンデムラインは、加圧重力１２００トンと８００トンが各１台、６００トン２台の計４台で構成。コマツ製で、高速タイプのプレス機。ホンダの「フィット」「シティ」「アコード」用の骨格部品を生産する。タイ・マルジュンはこれまで、二つのプレスラインを保有。両ラインで月間９０万―１００万ショットの稼働だった。今回のプレスライン導入により、これが、同２２０万ショットまで能力が高まった。

△神鋼環境ソリューション<6299>、２０１０年めどＰＣＲ利用の活性汚泥モデル開発
神鋼環境ソリューションは２０１０年をめどに、遺伝子解析技術である「リアルタイムＤＮＡポリメラーゼ連鎖反応（ＰＣＲ）」を使った活性汚泥モデルを開発する。同モデルの応用で排水処理シミュレーションソフトの事業化を目指す。同モデルにより排水中の水質浄化にかかわる細菌の情報を詳細に把握できる。排水処理設備の水質予測や、運転の効率化につながる技術として開発を急ぐ。リアルタイムＰＣＲは遺伝子解析技術の一つ。ＤＮＡを短時間で増幅して定量分析できる。同社は既設の火力発電所の排水処理設備を対象に、リアルタイムＰＣＲを用いて排水に含まれる汚濁成分である窒素の除去にかかわる２種類の細菌を定量化。細菌１個当たりの窒素負荷（消費量）や除去活性を調べたところ、窒素負荷が高くなれば細菌の最大反応速度も高まることが判明した。これまで窒素除去にかかわる細菌の活性は窒素負荷に関係なく一定と考えられていたという。

△ＡＤＥＫＡ<4401>、水系エポキシ樹脂を増産－千葉工場に３億円投資
ＡＤＥＫＡは有機溶剤を使わない水系エポキシ樹脂の生産能力を倍増する。約３億円を投じて千葉工場（千葉県袖ケ浦市）に反応釜などの製造設備を導入。年産能力を現在の約１０００トンから２０００トンに引き上げる。今月中に稼働する予定。水系エポキシ樹脂は塗料や接着剤などの原料として使われる。トルエンやキシレンなど有機溶剤を含む従来のエポキシ樹脂は、有機溶剤が揮発して大気中に放出される際、環境に悪影響を及ぼす懸念がある。このため、有機溶剤を含まない水系エポキシ樹脂は市場で評価され、ここ数年で需要が拡大しているという。経済産業省の統計によると、０６年の水性樹脂系塗料の出荷量は約２０万トンと、５年前の０１年に比べ約３０％増加している。

△住友化学<4005>、アジアでＰＰコンパウンドの生産体制を拡充
住友化学は海外におけるポリプロピレン（ＰＰ）コンパウンド（混練）の生産体制を拡充する。０８年末にシンガポールのＰＰ重合拠点で、インラインコンパウンド（重合プラントで混練までを行う）を始める。また中国の生産拠点は０８年にも能力増強に踏み切る方針だ。インドとタイでのコンパウンド拠点新設の検討も始めており、２０１０年ころの稼働を目指す。主要顧客である日系自動車・自動車部品メーカーの海外生産拡大に対応するのが主な狙い。シンガポールで始めるインラインコンパウンドの生産量は、最大で年数万トンの規模になる見通しだ。中国は、０６年１２月に稼働した珠海市にある東洋インキ製造との合弁工場で、現在年１万トンある生産能力を最大２万トンにまで拡大する。また自動車の成長市場であるインドや輸出拠点として発展するタイはまだ自前の拠点がないため、早期の拠点開設を目指す。

△共英製鋼<5440>、鉄筋用棒鋼の減産幅を拡大－改正建築基準法で需要減
共英製鋼は１２月から鉄筋用棒鋼の減産幅を広げた。名古屋事業所（愛知県飛島村）と枚方事業所（大阪府枚方市）の生産量をそれぞれ前年同月比３０％減、２５％減にする。１１月は両事業所とも同２０％減産を実施したが、改正建築基準法施行の影響で荷動きが極端に落ち込んでおり、一段の需給引き締めを図る。０８年１月も同様の減産体制を維持する見通し。国内の鉄筋用棒鋼の需要は同法施行による着工遅れの影響をもろに受けて、当面実需の伸びは期待できない状況。このため、供給抑制による需給環境の改善が急務と判断した。減産と合わせて販売量削減も続ける。１１月に引き続き１２月も枚方事業所の新規売り出し量を前年同月比半減。名古屋事業所についても需要動向を見ながら販売量を適宜減らす方針。

△浅沼組<1852>、施工コスト２５％削減する山留め新工法を開発
浅沼組は６日、軟弱な地盤を掘削した際に穴内部での土の崩壊を防ぐ山留め工事の新施工法「ＡＡ山留め工法」を開発したと発表した。軟らかい地盤を対象に行うソイルミキシングウォール（ＳＭＷ）工法に比べて使用セメント量を減らす構造とし、施工コストで２５％以上の削減を可能とした。年間で１０件以上の施工を見込む。新工法は蓬原産業（大阪市鶴見区）との共同開発。土中に数本の鋼材を埋め込み、鋼材間にセメントを流し込んで壁を作るＳＭＷ工法を応用した。ＳＭＷ工法が穴の底から、さらに深い位置（根入れ部）までセメントを流し込むのに対し、新施工法は穴の底周辺にとどめコストを削減した。

△カゴメ<2811>、リコピン１．５倍含む新品種のトマト発売
カゴメは抗酸化物質のリコピンを従来品の約１・５倍含む新品種の生鮮トマト「高リコピントマト」を発売した。約３２０グラム入りで、価格はオープン。実売価格は４００―５００円を想定している。０８年７月までに５億円の売り上げを目指す。同社の従来の生鮮トマト商品と同様、グルタミン酸を豊富に含み、糖度、酸度、旨みのバランスが良いのも特徴。育成法などを指導した福島県と和歌山県の契約農家が栽培する。今後順次、生産委託先を増やす方針。カゴメは９８年４月に生鮮トマト事業に参入した。０８年３月期は約１万１５００トンを販売し６９億円を売り上げる見込み。

△ドン・キホーテ<7532>、ＰＢ商品開発－家電・家具で５０品目
ドン・キホーテは家電や家具を中心としたプライベートブランド（ＰＢ）「ｂｉｓ（ビス）シリーズ」を開発、販売に乗り出す。当初、家電などを中心に約５０品目を開発し、順次増やしていく。低価格商品だけでなく、販売情報や顧客の生の声をデザインや機能に反映させた商品も投入する。同シリーズは月内に投入を開始、初年度１０億円の売上高を見込む。家電市場では大手家電量販店が規模を拡大し、ナショナルブランド（ＮＢ）の安売りを強化している。ドン・キホーテはＮＢの安売りだけではない独自の製品開発・販売で差別化を図る。ビスシリーズは、まずオーディオ機器、薄型テレビなどの音響・映像（ＡＶ）製品、掃除機、コーヒーメーカーなどの生活・調理家電、インテリア家具など５０品目を国内のメーカーなどとタイアップして開発した。
（日刊工業新聞）

△ＣＯ２削減の効果一目で　松下電工<6991>が新ソフト、最新の照明器具を提案
松下電工は、業務用照明器具の二酸化炭素（ＣＯ２）削減効果が一目で分かるソフトを開発した。このソフトを利用して、店舗やオフィスビルなどに省エネ性能に優れた最新の照明器具を提案し、販売拡大につなげるとともに、企業のＣＯ２排出削減に協力する。新開発のソフトは、１灯で２灯分の明るさを実現する「Ｗ（ダブル）エコ」や、センサー機能付きの「セルコン」などの省エネ型照明器具に置き換えた場合、ビル全体でこれまでに比べ、ＣＯ２排出量や電気料金をどのくらい削減できるかを表示する。建物に必要な照明器具の台数と、現行器具の種類や台数を入力するだけで簡単に算出できる仕組みだ。同社では「あかりのエコアイディア」というキャッチフレーズのもと、照明器具のＣＯ２削減効果に応じて特典を設けた「ＣＯ２削減キャンペーン」を全国的に展開しており、これに合わせる形で新ソフトの活用を順次進めている。顧客にＣＯ２削減効果などを明示することで、省エネ型の導入を促す方針だ。日本のＣＯ２排出量は一貫して増え続けているが、そのなかでも増加が目立つのが、家庭部門とオフィスビルや店舗などの業務部門。とくに業務部門の温室効果ガスの２００６年度排出量は、１９９０年度に比べ４１・７％も増えているのが実情。このため建物のリフォーム時などを契機として、省エネ型照明器具への切り替えを促すことで、業務部門の排出抑制にも貢献していきたい考えだ。

△「トライアイズ<4840>」中国市場に参入　３Ｇ携帯普及、情報サービス拡大予想　ネット大手の事業部門を買収
投資会社のトライアイズ（東京都渋谷区）は、インターネット事業などを展開する中国のオーク・パシフィック・インタラクティブ（ＯＰＩ）と、携帯電話向け情報サービス事業分野で、業務・資本提携した。中国では携帯出荷台数が累計で５億台を突破しており、今後も拡大が予想される情報サービス市場に参入することで、収益基盤の確保を狙う。トライアイズは、ＯＰＩの携帯向け情報サービス事業部門を１８００万ドル（約２０億円）で買収。来年１月１５日に事業を譲り受ける予定。買収部門は事業会社７社を傘下に収めており、１２月３１日付で事業会社を統括する現地子会社を設立する。子会社の社名は「拓瑞思通信技術（北京）（トライアイズ・ベイジン）」。資本金１５万ドル（約１６６０万円）で、トライアイズが全額出資する。また、トライアイズはＯＰＩとの関係強化を目的に資本提携。発行済み株式総数の約６・２％に当たる自己株式１１万２０００株をＯＰＩに売却する。売却額は２億９８３６万８０００円で、払い込み期日は２０日。これにより、ＯＰＩは筆頭株主の平成電電管財人に次ぐ第２位の株主となる。トライアイズは年内にＯＰＩ株を取得し、株式持ち合い関係を構築する予定だ。買収部門は７社合計で約４９億円（０６年３月期実績）の売り上げを計上しており、トライアイズの０８年１２月期連結業績は、売上高が０７年１２月期見込み比３６億８０００万円増の１００億３０００万円、営業利益が同６２００万円増の１億２００万円と増収増益になる見通しだ。中国の携帯向け情報サービス市場は現在、第２世代と第２・５世代向けが主流で、日本で主流の第３世代（３Ｇ）向けは市場規模が小さいのが実情。ただ今後は３Ｇ携帯の普及により、情報サービス市場の拡大が予想される。池田均社長は、「ＯＰＩには、携帯向け情報サービス事業のサポートとともに、ソフトウエアや建設コンサルタントなど、当社子会社の中国進出へのつなぎ役としての役割も期待している」と、今回の提携理由を説明した。

△ＮＥＣ<6701>　台湾企業からワイマックス初受注
ＮＥＣは６日、台湾の通信事業者である大同電信（台北市）から次世代高速無線通信「ＷｉＭＡＸ（ワイマックス）」の基地局約２００台を受注したと発表した。ＮＥＣが商用に使われるワイマックス向け機器・設備を受注するのは初めて。ワイマックスをめぐっては、日本でも来週、総務省が事業者を選定する見通しで、世界的に関連機器・設備の需要増大が見込まれている。ＮＥＣは、今回の受注を機に世界市場への売り込みを強める考えだ。大同電信は、台湾でワイマックスの事業者免許が交付された６通信事業者のうちの１社。ＮＥＣは基地局とともに、基地局の据え付けなども受注した。受注金額は明らかにしていない。両社は、台湾政府が進める高度情報化社会の構築に向けたプロジェクト「Ｍ－Ｔａｉｗａｎプロジェクト」の一環として、すでにワイマックスの実証試験に取り組んでいる。救急車で搬送されている病人を想定し、心拍や血圧数をワイマックス無線網を介して病院に転送したり、病院と救急車間で大容量のレントゲン写真の送受信やテレビ電話などを行い、ワイマックスの持ち味である移動しながらの大容量データの通信が円滑にできることを実証した。ワイマックスの関連機器・設備市場は、２０１０年に世界で１兆円を超える見通し。

△充電式カイロ／省エネしたら植樹　身近なエコ応援　「環境保護」「温暖化防止」と大げさに構えなくても、身近なところから省エネを実現したい－。
こんな思いを形にした三洋電機<6764>の充電式カイロやあんかが注目を集めている。また省エネ製品を買ったり、消費電力を抑えたりすれば、メーカーが植林活動を資金面で援助するなど、日ごろの消費者の心掛けを後押しする関西の企業も増えてきた。約５００回繰り返し使える三洋の「エネループカイロ」は「国内で年間約１８億枚も使い捨てとなるカイロを減らそう」との発想が原点だ。約３時間の充電で７時間前後、温かさが続く。店頭の実勢販売価格は４０００円程度。若い女性を中心に人気が高く、今年９月に発売した新製品は来年３月までの７万台の販売計画を上回る勢いだ。手で包み込む「ぬくもり」を表現したという卵形のシンプルな形も好評で、贈答用にも買われている。三洋は１１月、充電で約５００回使える「エネループアンカ」も売り出した。エネループカイロと同じくコードレスなので持ち運びができ、スポーツ観戦などに人気という。これらの製品は「環境に配慮した企業姿勢を具体化した」と、２００７年度グッドデザイン大賞を獲得。デザイン担当の布垣明宏さんは「『環境』と声高に言っても振り向いてくれない。手に取って、実感してもらえるものを作ろうと思った」と狙いを語る。「家電１台で、１本の植樹を」。松下電器産業は消費者とともに緑を増やそうと、省エネ性能が高いエアコンや冷蔵庫などの販売台数に応じて植樹するキャンペーンを１２月末まで実施中だ。５～７月のキャンペーンでは、７０万トン前後の二酸化炭素（ＣＯ２）排出量削減につながる約２２万本の木をベトナムに植えた。大坪文雄社長は「省エネ性能の低い商品はつくらない」と宣言、ＣＯ２削減を経営の重要課題に掲げる。
ダイキン工業<6367>は、エアコン利用者が省エネ運転でポイントをためて森林再生につなげるシステムを、１１月発売の「うるるとさらら」Ｒシリーズで始めた。商品企画担当者は「メーカー単独ではなく、お客さんと省エネに取り組む新たな仕組みだ」と自信を見せる。エコモードの運転を続けると徐々にポイントが加算され、１０点になった時点で、ダイキンがインドネシアの国立公園に木を１本植える資金を提携先の非政府組織（ＮＧＯ）に拠出する。利用者が省エネを目で実感できるよう、リモコン画面上で芽が成長していく過程を示し、１０点で木に成長すれば利用者がダイキンに申告する手順だ。最短なら１年間のエコ運転で、ポイントは木１本分になるという。ダイキンは３年間で約６万本の植林を見込んでいる。

△ハイブリッド車　米市場でシェア急上昇　原油高追い風に
販売低迷にあえぐ米自動車市場で、ハイブリッド車（ＨＶ）が際立った強さを見せている。ガソリン高で燃費の良さが再評価されたほか、環境意識の高まりも追い風となり、市場全体に占めるシェアは急上昇。１１月には過去最高の水準に迫った。米自動車市場の売れ行き不振は深刻だ。今年１～１１月の業界全体の販売台数は前年同期比２・４％（３６万６０００台）の減少。
フォード・モーターを抜いて通年で米国内２位浮上が確実視されるトヨタ自動車<7203>でさえ、７月以降は頭打ちの状態だ。トヨタの米販売子会社のレンツ社長は「ガソリン価格の上昇と住宅価格の下落がワンツーパンチになった」と嘆く。こうした中、ＨＶは快走を続けている。ＨＶの代名詞的な存在であるトヨタの「プリウス」は１～１１月の累計で、前年同期比７０％増の１６万７０００台を売り上げ、中型セダン「カムリ」や小型車「カローラ」に次ぐ主力車種に成長。他の車種も合わせたＨＶの販売台数は２５万３０００台に達し、同社全体の１割を占めるに至った。トヨタの躍進に支えられ、１１月のＨＶの市場シェアは前月比０・８ポイント上昇の２・８％に急増。ガソリン高がピークに達した今年５月に記録した過去最高（２・９％）に肉薄した。米ビッグスリー（３大自動車メーカー）もＨＶの拡充に強い意欲を示している。ただ「ＨＶはガソリン車と比べて２割は高い。燃料代だけでは元は取れない」（アナリスト）のも事実。ガソリン価格の変動によってシェアが左右される傾向も変わっていない。ガソリン車と肩を並べる存在になるには、低価格車の提供など、越えなければならないハードルが幾つも残されている。

△エーザイ<4523>、インドで先陣　医薬品の研究拠点を着工
エーザイは６日、インド南部のバイザッグで、医薬品の原薬・製剤に関する生産・研究開発拠点の建設に着手した。日本の医薬品メーカーがこうした分野でインドに進出するのは初めて。他の大手はまだ、販売市場の可能性を模索している段階だが、エーザイは「インドには化学合成の優秀な研究者が多い。将来はアジア・アフリカへの生産・供給のアンカーとなりうる」と先行進出の狙いを強調している。エーザイが拠点をつくるのは、バイザッグの経済特区。約５０億円を投資し、現地法人を通じ２０１０年から、研究者ら１３０人体制で業務をスタートさせる予定だ。研究開発では日本、米国、英国に次ぐ４つ目の拠点となる。薬の研究開発を大きく分けると、（１）創薬の基礎研究（２）原薬を作るための化学合成と、顆粒（かりゅう）や錠剤に固める製剤研究（３）安全性や有効性を確認する臨床研究－の３段階。エーザイの新拠点は、中間にあたる原薬と製剤を研究する。基礎研究は欧米が依然として優位にたつが、化学合成の段階に入ると、数学や化学、ＩＴ（情報技術）に秀でたインド人研究者が強みを発揮するという。このため、インドには特許切れの新薬と同じ成分を持つ後発医薬品（ジェネリック医薬品）の有力メーカーが多く、米国食品医薬品局（ＦＤＡ）から製造認可を受けたインド企業は、日本の７倍強にあたる８０社以上。エーザイも「最も合理的に化合物を作る」というインド人研究者の能力に期待し、原薬、製剤の開発を目指す。また、同社は原薬工場が１カ所（茨城県鹿嶋市）しかないため、新拠点で原薬を製造し、安定的に供給できる態勢をつくる。国内大手はまだインドへの本格的な進出に慎重だが、欧米の巨大製薬会社（ビッグファーマ）は１９８０年代後半から可能性に着目。現在では研究開発も含めて２０社以上が進出している。

△三菱電線<5804>が専用試聴室　最高の音はコードから
三菱電線は、同社が開発した高級オーディオ用ケーブルの購入希望者向け専用試聴室を、東京・丸の内の本社に７日開設する。１本数万円もする電源コードや接続コードの性能を発揮するため、総額約１０００万円のオーディオ機器を導入。マニアや、かつてオーディオブームにあこがれた団塊世代をターゲットに、「最高の音を聴いてもらいたい」としている。試聴室は約５０平方メートルの会議室を防音施工し、１本１００万円の三菱電機製スピーカーや１台２２５万円の米国製アンプなどを設置。三菱電線のケーブルと一般的なケーブルとを聴き比べられる。同社製ケーブルは純度９９・９９９９８％と世界最高レベルの銅を採用しているのが特徴で、同社のインターネット・サイトでのみ販売している。試聴室は完全予約制。問い合わせは（電）０３・５２０７・６８８２（平日午前９時～午後５時）。

△ウェンディーズ　“日本最大”メガバーガーを通年販売へ　
ゼンショー<7550>傘下で、ハンバーガーチェーン店を展開する日本ウェンディーズは６日、牛肉パティを３枚（３００グラム）使用したメガバーガー「スーパーメガウェンディーズ」（１個５００円）を１２日から、首都圏や関西中心とした全国７０店舗で通年販売すると発表した。メガバーガーの牛肉使用量は、同じゼンショーグループの牛丼チェーン「すき家」が販売する「メガ牛丼」（６８０円）に匹敵する。「メガ食品」ブームの “火付け役”ともいえる日本マクドナルドの「メガマック」に比べても大きく、「国内のバーガーチェーン店では最大のハンバーガー」（ゼンショー）としている。メガ食品ブームが続くとみて販売を決定した。気になるカロリー量は９７０キロカロリーと、「メガ牛丼」（１２８６キロカロリー）を下回る。
（FujiSankei Business i）