12/6 朝の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

▼金型、受注減顕著に－見通し“厳しい”相次ぐ
金型メーカーの受注減少傾向が顕著になってきた。日刊工業新聞社が金型メーカーに実施したアンケート（回答１０４社）によると５１％（５３社）が「受注が減っている」と回答。「増加」が６６％（６６社）だった前回アンケート（０６年）と情勢が変わり、経営環境が悪化しつつある。一方で、新しい顧客を開拓したメーカーが受注を増やしていることも判明。新規開拓や高精度化、コスト削減など、各社とも受注獲得に向け一層の自助努力に取り組む。「受注が増えている」の回答は３８％（４０社）。前回アンケートでは「減少」は２３％（２３社）だった。今回、受注が減った理由として「量が減った」が圧倒的に多く、既存の取引先が発注量を絞っている模様。自動車や電子機器関連の設備投資の一服が響いている。「受注が増えている」の理由では、「受注先が増えた」が「量が増えた」と同数の１９社だった。新規開拓など企業努力が受注につながっている様子がうかがえる。今後の受注見通しについて「減る」は１８％、「横ばい」は２５％。「何とも言えない」や「不安定」、「不透明」など悲観的な見方も１０％あった。「増える」は１９％にとどまり、厳しい状況が続くと見られる。特に自動車関連部品の金型メーカーからは「１―２年は減少傾向」（朝日興業＝岐阜県大垣市）、「１年間は大幅減」（クリエイティブテクノロジー＝浜松市浜北区）と厳しい見方が相次いだ。先行きが厳しい状況でも「受注は減少傾向だが新規客先を獲得する」（アルフ＝北海道室蘭市）、「横ばいだが新規分野を開拓する」（米谷製作所＝新潟県柏崎市）と、新規開拓に取り組む声が聞かれた。半導体テストソケット用金型を製作する狭山金型製作所（埼玉県入間市）のように「景気に左右されずに受注を増やす」のが理想だ。各社とも「経営努力で受注を増やす」（長山工業＝埼玉県川口市）方策を模索している。

△アッカ<3764>・ワイヤレス、高速移動無線通信サービス事業をアッカ主導で運営
２・５ギガヘルツ帯を利用した高速移動無線通信サービスへの参入を目指すアッカ・ワイヤレスの木村正治社長は５日会見し、筆頭株主であるアッカ・ネットワークスと２位株主のＮＴＴドコモ<9437>の役割について説明した。事業化時の会社の役員の派遣については「アッカ・ネット側が過半数とし、社長もアッカ・ネット出身者が就くことをあらかじめ取り決めている」と表明。アッカ・ネット主導で事業運営していくことを強調した。その上で「ドコモには基地局整備など技術的なサポートを提供してもらうことでも合意している」と述べた。その他企業のガバナンスに関する事柄は「すべて文書に明記している」と説明した。アッカ・ワイヤレスはアッカ・ネットが４７％、ドコモ２５％、残りをＴＢＳなどほか１４社が出資。しかし今後免許が獲得できた段階になるとドコモの影響力が出資比率以上に強まり、既存の携帯電話事業者は排除するという免許方針から逸脱するのでは、という指摘がある。木村社長はこうした懸念を一掃する意味もあり、ドコモとの合意内容を明らかにした。

△ＮＥＣ<6701>、安価にシステム構築できる次世代グリッドストレージ発売
ＮＥＣは“北米研究所発”の次世代グリッドストレージ（外部記憶装置）「ハイドラストア」を軸に大容量データのバックアップ市場で攻勢をかける。先行発売した米国市場ではすでに１５台を受注。国内では「ｉストレージＨＳシリーズ」の名称で１１月末に出荷を始めた。まずＮＥＣグループで先行導入を予定。一般ユーザーからの引き合いも「５０件程度の商談を取り付けている」（コンピュータソフトウェア事業本部）という。ハイドラストアはテラバイト級の巨大データのバックアップシステムを「磁気テープ並みの低価格で構築できる」（同）のが特徴。磁気テープの置き換えに加え、ストレージの遠隔バックアップや災害復旧対策などで新規需要を開拓する。開発したＮＥＣの北米研究所（ニュージャージー州）は５年がかりで製品化にこぎ着けた。北米での販売総責任者はストレージ業界の敏腕セールスとして著名なカレン・ダッチ女史。同女史の指揮で大々的な販促活動を推進する。「米国のユーザー企業は日々増大するデータ量に悩んでいる。拡張性に優れたグリッド技術を採用したハイドラストアのアーキテクチャー（設計概念）はこうした需要にうまくマッチしている」（ダッチ氏）という。

△日本インター<6974>、中・台で高性能ダイオード拡販－人員・代理店を増強
日本インターは中国、台湾で、高性能ダイオードなど一般消費者向け機器に使われる民生用デバイスを拡販する。１１月に台北駐在事務所を開設したほか、０７年度中に香港、上海で合わせて５人の営業要員を増強する。現在１２社ある域内の販売代理店をさらに数社増やす。素材の高騰などが原因で利益率が落ちた同事業をてこ入れする。同社は高性能ダイオードを主に大型液晶テレビやプラズマテレビ向けに納めているが、中国、台湾では現地で生産される３２インチ以下の液晶テレビやパソコン用液晶モニター向けに拡販する。「昨年稼働したつくば工場（茨城県つくば市）の８インチウエハーラインの量産効果を生かす」（石井政夫社長）ことでコスト競争力を高め、３２インチ以下のサイズの液晶テレビへの採用を狙う。同社の０７年９月中間は売上高約１９１億９０００万円と前年同期比２・５％増となったものの、経常利益は同６３・２％減の３億６０００万円だった。産業機械向け電源部品や液晶カスタム品などを扱う商品ソリューション事業部は好調だったが、プラズマテレビの生産調整などが影響し、民生デバイス事業が伸び悩んだ。

△第一精工<6640>、ＬＥＤ封止向け装置の受注活動開始－樹脂効率９０％に向上
第一精工は発光ダイオード（ＬＥＤ）などの封入時に樹脂使用量を減らせるカル・ランナーレス封止装置「ＶＩＯＳＩＳ高輝度ＬＥＤ対応」の受注活動を始めた。カルやランナーと呼ばれる無駄な樹脂の固まりができず、投入した樹脂が有効に使用される率（樹脂効率）は同社従来機比３０ポイント高い９０％となった。ＬＥＤの封止向けを中心に０８年度１５億円の売上高を目指す。樹脂の投入流路がなく、ヒーターなどで樹脂の固化を防いで有効に樹脂が使えるランナーレス式を採用。樹脂の流路にたまる“かす”（カル）ができない成形法を取り入れたため樹脂効率が大きく改善した。装置寸法は幅２６００ミリ×長さ１２８０ミリ×高さ１６９０ミリメートル。重量は３・５トン。

△日産<7201>、タイからの車部品輸出が急伸－出荷額３０倍に
日産自動車は、タイから世界各工場への０７年の部品出荷額が３億ドルを超え、日本に次いで第２位の輸出国になる見通しを明らかにした。出荷額は０６年の約３０倍と急激な伸びを見込んでいる。今年初めに部品輸出の物流拠点（ラムチャバン）が稼働、マレーシアや南アフリカなどへの輸出が始まった。同社は低コスト国からの調達拡大を重要な経営目標に掲げており、今後もタイのほか、インドネシアやインドなども部品の輸出拠点に育てる考え。現在、タイからの自動車部品の輸出先は９カ国。出荷額上位はインドネシア、マレーシア、南アフリカなど。マレーシアや南アフリカでは小型車「ティーダ」の組み立てが始まり、ボディーパネルやルーフの複合部品などを供給している。

△横河電<6841>、測定時間１／３に短縮した光ファイバー用試験機を発売
横河電機は５日、測定時間を従来機種に比べ３分の１に短縮した光ファイバー用試験機「ＡＱ７２７５ＯＴＤＲ」を６日に発売すると発表した。信号処理回路と演算アルゴリズムを改良し、光ファイバーの障害個所の特定時間を迅速にした。価格は７１万円から。通信事業者や通信工事会社などに提供し、０８年度は５０００台の販売を見込む。ＡＱ７２７５ＯＴＤＲは光ファイバーの故障個所や接続ロスの状況などを調べる機器で、光ファイバーの敷設工事や保守現場などで用いる。測定時のノイズを低減し、明確な波形の測定を実現。また最大稼働時間は６時間で、従来機種に比べて倍増した。８・４インチのカラー液晶画面を搭載したほか、起動時間は１０秒以下を可能にした。複数の接続個所が近接した場合に生じる測定不可能な範囲（デッドゾーン）は、業界で最短となる８０センチメートルを実現したという。

△工作機械主要９社の１０月受注、１０．８％増－国内５カ月ぶりプラス
日刊工業新聞社がまとめた工作機械メーカー９社の１０月の受注実績は、前年同月比１０・８％増の５６３億９９００万円となった。鍛圧機械メーカーを含めた１０社では同９・８％増の７６２億６６００万円。自動車向けにスポット受注があった国内が盛り返した。海外は自動車や航空機など幅広い業種向けに好調を維持した。９社合計は輸出が１４カ月連続で前年同月比２ケタの増加。国内は５カ月ぶりに増加に転じた。１０社合計の輸出は同１８・６％増の３９３億６７００万円。国内は同１・８％増の３６８億９９００万円で６カ月ぶりに増加。三井精機工業は２カ月連続で国内と輸出がそろって増加。「国内は航空機関連と一般機械向け、海外は航空機関連向けが活発」（三井精機）。
アマダ<6113>は「アジアが依然として好調」。北米も同増加となった。

△三菱重工<7011>、０９年から車向けＨＶＡＣの外装樹脂を内製化
三菱重工業は０９年度から、自動車向けＨＶＡＣシステム（冷暖房と空調の一体装置）の外装樹脂を内製化する。約７億円を投じて、松阪工場（三重県松阪市）内に建屋を新設し、生産設備を導入、年間５０万台のＨＶＡＣ生産に対応する。樹脂製造から組み立てまでを一貫生産することで、収益力の向上を目指す。三菱重工業が松阪工場に建設する建屋の敷地面積は約２５００平方メートル。建物内には、ＨＶＡＣシステムの樹脂ケースを製造する成形機などを設置する。ＨＶＡＣは、車内に吹き出す空気の温度を調整するカーエアコンの基幹部品の一つ。内部にエバポレーター（熱交換器）を搭載する。樹脂ケースは現在、外注している。ケース自体は軽量だが容積が大きく、輸送コストがかさむのが課題だった。

△凸版<7911>と図書印刷<7913>、上製本ラインを整理－グループで生産改善
凸版印刷と子会社の図書印刷はハードカバーを付けた書籍「上製本」の生産ラインを整理する。４月に図書印刷が凸版印刷の工場を吸収合併してできた図書印刷城北工場（東京都北区）にある２ラインのうち、１ラインを０８年１月をめどに停止。静岡県沼津市の図書印刷沼津工場にある２ラインのうち、１ラインを２億５０００万円かけて新設備に更新した。上製本の国内市場は毎年前年比５％以上縮小しており、ラインの整理により生産性を高めグループで収益力をつける。上製本の生産ラインは本文を印刷した書籍にハードカバーを付けて製本する設備。凸版印刷グループの上製本生産ラインは４本で、現在は合計で月間１６０万 ―１７０万冊を生産する。停止するラインの生産分を新ラインで補うため全体の生産量は変わらない。図書印刷沼津工場の２ラインは導入してから２０年弱がたっており、同社城北工場の２ラインはこれよりもさらに古い。

△イトーキ<7972>、もみ殻活用した板材開発－０９年めどに製品化
イトーキは農業廃棄物である、もみ殻を材料とした板材「ハスクボード」を開発した。これまで焼却処分していたもみ殻を、製品材料に有効活用した。もみ殻は同社の滋賀事業所（滋賀県近江八幡市）の近隣に位置するグリーン近江農業協同組合（同東近江市）が提供する。今後はデスクやテーブル、壁・床材など建築材料への用途拡大にも取り組み、０９年１１月をめどに製品化を目指す。もみ殻に接着剤を混ぜ合わせて熱プレス加工し、ボードを製作する。１トンのもみ殻を焼却処分した場合の二酸化炭素（ＣＯ２）発生量は１・３トン。同じ量のもみ殻で板材を生産すると同０・２トン程度で済む。接着剤にも揮発性有機化合物（ＶＯＣ）やホルムアルデヒドなどの含有量が少ない製品を使用する。

△ＯＰＥＣ、原油生産量据え置き－相場再び高騰の懸念も
石油輸出国機構（ＯＰＥＣ）は５日、アラブ首長国連邦（ＵＡＥ）のアブダビで開催していた総会で、生産量を据え置くことを決めた。原油相場の指標となる米国産標準油種（ＷＴＩ）は総会前から増産を織り込み値を下げていただけに、再び高騰に転じる可能性が高くなった。ただ実需では「石油は今でも足りており、仮に（日量）５０万バレル増産しても需給には何の関係もない」（松下功夫ジャパンエナジー社長）と指摘する声が大半だ。ＷＴＩは１１月２０日に１バレル当たり９９・２９ドルと１００ドルの大台に迫ったが、その後は増産観測から９０ドルを割り込むところまで下落していた。そのことがＯＰＥＣの増産への意欲を一気にそいだ格好となった。据え置きが需給環境へ影響することはないものの、投機筋にとっては買い材料。今後は１００ドルを目指して値を上げる懸念が高まる。

△日本バルカー<7995>、高耐久・耐熱性の半導体製造装置向け封止製品を発売
日本バルカー工業は最先端の半導体製造装置に対応した封止製品「フローリッツＴＲ」を発売した。装置内で発生する特殊ガスの漏れ防止に寄与するもので、原材料の配合比率を工夫して従来品に比べ耐久性を６倍に、耐熱性を６０度Ｃ高い２６０度Ｃに高めた。価格は非公表だが、従来品より５割高い。２０１０年度に７億円の売上高を目指す。新製品はエラストマーが主原料。半導体の微細加工に伴い、高温の条件や材料劣化につながる物質が半導体製造装置に発生することが増えるため、耐熱性を２６０度Ｃに高めた。また、ウエハー６万枚分の製造時間に耐久性を向上した。

△ステラケミファ<4109>、半導体用の高純度薬品を大阪・三宝工場で量産
ステラケミファは高性能半導体の製造に対応する高純度のフッ化水素酸薬液の量産を三宝工場（堺市堺区）で始めた。金属不純物を１０兆分の１レベル以下に低減した薬液「ＳＡ―ＸＸＸ」の年間２万３５００トンの供給体制が整ったため。回路線幅２２ナノメートル以下（ナノは１０億分の１）の高性能ＤＲＡＭなどの加工用として供給する。新しい薬液は半導体技術国際ロードマップで２０１６年以降の量産が見込まれる高性能ＤＲＡＭ用に開発した。１０トンタンクローリー車や１８トン海上コンテナでの長距離輸送に耐える性質を持つ。新薬を生産する三宝工場は０７年５月に完成。線幅の微細化が進む半導体開発に対応する素子形成工程用エッチング液や洗浄薬液などの生産も手がける。

△昭和産業<2004>、中国の調整粉事業を強化－パン用など品目拡大
昭和産業は中国でのプレミックス（調整粉）事業を拡充する。現地法人の大成昭和食品（天津市）の製造体制や販路開拓などが軌道に乗ったことから、生産品目のラインアップを増やすほか、販路を現地に進出している日系食品メーカーだけでなく、現地の食品メーカーにも広げる。日本国内の市場が頭打ちとなる中、中国市場を成長分野の柱と位置づけ、拡大を進める考え。大成昭和食品は昭和産業と双日、台湾の大手食品メーカーの大成集団の合弁企業で、０３年２月に設立。中国のプレミックス工場としては最大規模の年８４００トンの生産能力を持つ。大成集団の製粉工場で生産された小麦粉の供給を受け、昭和産業のプレミックス生産技術を活用している。大成昭和食品のプレミックスの生産量は０４年度は年２４５トンだったが、０６年度には同１２７３トンに急増、単年度での黒字化も果たした。

△日立物流<9086>、海外拠点整備を加速－印・ＵＡＥに現地法人
日立物流は海外拠点整備を加速する。インドに現地法人を設立、０９年春までに同国で倉庫拠点を３カ所設置する予定。また、０８年度中にアラブ首長国連邦（ＵＡＥ）のドバイ事務所を現地法人に昇格させ、インドなどを結ぶ国際輸送を手がける考え。同社はインドや中東を成長を持続するための重点地域に位置づけており、国内で培ったサード・パーティー・ロジスティクス（３ＰＬ）のノウハウを生かして国際物流サービス拡大を狙う。インドの現地法人「日立トランスポートシステム〈インド〉」は１２月末から本格的な営業を始める。すでに現地スタッフを含む社員３人で業務を開始したが、０８年３月までに社員を１７人まで増やす。インドの中堅フォワーダー、アスピンウォールと提携し、国際航空輸送などを手がける。有力な輸送業者との業務提携により、０８年度中にインドでの輸送網を整備する計画だ。

△阪急交通社（阪急阪神ＨＤ<9042>）、中国・東欧に拠点拡充－日系中心に取扱量拡大へ
阪急交通社は、国際物流の取扱量拡大を目指して海外拠点を拡充する。０８年１月に中国子会社の分公司（支店）を数カ所開設する予定。０８年度上期にはポーランドにも拠点を設ける。さらに、現地進出を視野にロシアでの市場調査も行った。アジアや東欧ではメーカーなどの進出が依然旺盛。拠点を整備して増加する輸送需要を積極的に取り込む。中国の新拠点は、５月に阪急交通社が設立した中国国内物流会社、阪急儲運〈上海〉が運営。日本から輸入した電子部品やアパレル関連などの国内での輸送増加に伴う拠点開設で、日系企業を中心に貨物取扱量の拡大を目指す。ただ、同国沿岸部の拠点はほぼ整ったため「今後は内陸部に向かって拠点整備を進める」（多田尊則代表取締役専務執行役員）としている。阪急交通社は０７年に入って中国拠点を拡充するとともに米国、インド、ベトナムにも拠点を開設している。

△ライフコーポ<8194>、埼玉県の店舗にセルフレジを実験導入
ライフコーポレーションはセルフレジの実験導入に乗り出す。来春をめどに埼玉県の店舗に導入し、その結果をみて、本格導入を検討する。小売業ではパートやアルバイトの採用難もあって、セルフレジの導入が活発化している。同社も実験の結果次第では、人手不足対策に活用する考え。セルフレジを実験導入するのは埼玉県の「新座店」。セルフレジ４台で一セットのもので、東芝テック製。利用状況や店舗の生産性の改善動向などを分析し、効果が上がれば、とくに人手不足が続く首都圏の店舗に積極的に導入する計画だ。好景気を背景に、小売業界では首都圏を中心にパートやアルバイトの確保が難しくなっている。このため、人手不足対策の観点からセルフレジが支持されているという。また、セルフレジは「少量の買い物だから早くレジを済ませたい」「プライバシーを気にせずマイペースで精算をしたい」といった顧客にも支持されており、小売業で導入が相次いでいる。

△りそな<8308>信託銀、確定給付企業年金を強化－中小向け商品拡充
りそな信託銀行は確定給付企業年金（ＤＢ年金）の業務を強化する。２０１２年３月末に廃止が予定されている適格退職年金からＤＢ年金への移行を進める中小企業を後押しするのが主眼。今回、主力商品として従業員３００人未満の中小向けに開発した「りそなＤＢ３００シンプルプラン」を投入する。これまで約１年半かかっていた制度実施までの期間を１０カ月前後に短縮したのが特徴。同商品で約３００件、既存商品を含め約２０００件の受託を目指す。適格退職年金の制度廃止を踏まえ、一部の企業ではＤＢ年金の採用が進んでいるが、中小企業では、未導入の企業が少なくない。りそな信託銀行では従来商品に比べ、制度設計期間を短縮するなど、中小が利用しやすいように商品内容を見直すことで、りそな信託銀以外で適格退職年金を実施している企業を視野にした受託活動に力を入れる。

▼民間調査機関の１２月の日銀短観予測、中小中心に減速感
日銀が１４日に発表する１２月の企業短期経済観測調査（短観）に関する民間調査機関の予測は、大企業製造業の業況判断ＤＩが有力８機関の平均で２１、中小製造業の業況判断ＤＩはマイナス３と、いずれも９月の短観の大企業製造業２３、中小製造業１を下回った。大企業製造業と中小製造業の景況感の差は、９月の２２からさらに広がるとの見方が強い。１４日に示される公表値も、原油価格の高騰に伴うコスト負担増や建築基準法改正に伴う住宅投資の減退などで、中小企業を中心に景気の減速感が強まっていることを示す内容になりそうだ。大企業非製造業の業況判断ＤＩに関する８機関の予測の平均は１８、中小非製造業はマイナス１４で、やはりそれぞれ９月の短観の２０、マイナス１０を下回り、実際の公表値でも規模・業種を問わず、景況感が悪化すると予想される。

△伊藤忠<8001>、子育て支援の休暇制度新設
伊藤忠商事は5日、社員のワークライフバランス（仕事と生活の調和）を促す取り組みを拡充したと発表した。男性社員の育児参加を促す「出産サポート休暇」や子どもの学校行事・家族行事を対象とした「ファミリーサポート休暇」を新設。育児のため短時間勤務を認める制度でも、対象となる子どもを現行の満3歳までから小学校卒業までに延長した。育児・介護にかかわる費用の負担策も拡充。伊藤忠が提携する福利厚生サービス会社のベビーシッターや介護ヘルパーなどのサービスを利用した場合、育児・介護それぞれで最大月5万円まで負担する。
（日刊工業新聞）

△フォーカスシステムズ<4662>　新中期経営計画を発表
フォーカスシステムズは、５日に０８年３月期中間業績の説明会を開催した。説明会の席上で、石橋雅敏代表取締役社長は、中期経営計画を振り返るとともに現状とこれからの新中期経営計画について「今期は、中期３カ年計画の最終年度になりますが、０５年３月期の業績に比較し、０８年３月期の売上高１５％増、営業利益２８％増、経常利益３１％増と確実な増収増益の確保を目標としていますが、単体では、事業計画どおりで推移していまして、合格点をつける状況にあります。しかし連結では、残念ながら達成できないですが、増収増益は確保する見込みです。キャッシュフローの改善は、１０年までに有利子負債を現預金残高と同水準にする計画ですが、今期は有利子負債を１６億７０００万円減らし、改善してきています。また、売上総利益率は、開発部門で０５年３月期に比較して１５％アップすることですが、公共・通信・ＩＴ部門は達成しましたが金融部門は未達です。しかし、３年前に比較して金融部門は非常に成長してきています。今後、大きな３つの柱（証券、銀行、生保）を作ることで、３年後には、公共・通信に追いつく計画です。情報セキュリティ部門の売上は０５年の４億円から０８年までに７億円を目標にしていますが、ほぼ達成しています。現在デジタルフォレンジックが凄い勢いで伸びてきているので、早く１０億円まで伸ばしたいと思っています。また、来期より２０１１年３月期を最終年度とする新中期経営計画を立案しましたが、中期経営計画の内容を引き継ぐもので、連結売上高１５５億円、経常利益１０億円、情報セキュリティの売上を総売上の１０％まで伸ばす、社員１０００人体制とする、有利子負債と現預金を同水準にする、プロジェクトリーダーとなる人材育成のスピードアップ、東証上場への体制を整えるという６つの目標を掲げています。目標達成に向けて今後も一生懸命にがんばります。」と語った。０８年３月期連結業績予想は、売上高１１８億５０００万円（前期比４．９％増）、経常利益３億８０００万円（前期は３億６８００万円の損失）、純利益３億１０００万円（同４億１０００万円の損失）と増収増益を見込んでいる。なお、新中期経営計画の最終年度である０１１年３月期の連結業績目標数値は、売上高１５５億円（ＳＩ９８億円、ＩＴサービス３６億円、情報セキュリティ１６億円）、営業利益１０億５０００万円、経常利益１０億円としている。
（証券日刊新聞）

△こんなに大変　中国の意匠権訴訟　スズキ<7269>全面勝訴まで６年　ジェトロが経緯報告書
日本貿易振興機構（ジェトロ）は５日までに、スズキが中国で６年をかけて今年７月に事実上、全面勝訴した二輪車の意匠（デザイン）権訴訟の経緯を裁判文書を含めて詳述し、中国における知的財産権訴訟の煩雑さなど問題点を指摘した報告（Ａ４判、約２００ページ）を作成した。中国では、商標権だけでなく意匠権の侵害案件が増加しているが、判例が少なく、「多くの日系企業は暗中模索の状態」（ジェトロ北京センター）にある。報告はジェトロとして初めての試み。被害調査など訴訟の準備段階から経過を追っており、今後の知財訴訟の参考になるとみられる。意匠権を侵害されたのは、スズキのバイク「ＥＮ１２５」とスクーター「ＳＪ１２５」。２００１年から訴訟準備に入り、０３年１０月、それぞれについて、模倣品を生産・販売した中国メーカーを相手取り、生産停止、損害賠償、謝罪声明の掲載を求めて上海の裁判所に提訴した。しかし、中国メーカーが直ちに、スズキの意匠権の無効審判を請求したため、結果が出るまで、本裁判は中断。その後も、（１）審判で中国メーカー有利の審決（２）スズキが審決取り消しの行政訴訟提起（３）並行して和解交渉を断続的に実施－など複雑な経過をたどった。最終的には、スズキの意匠権が認められ、「ＳＪ」では勝訴、「ＥＮ」は賠償と謝罪声明掲載を内容とする和解に達し、今年７月１１日に全面決着した。賠償額は計３３万元（約５００万円）。意匠権訴訟では、侵害の立証が難しく、「専門家による鑑定など事前に綿密な調査が必要」（北京センター）という。今回の報告は約１５０部を印刷。近くジェトロのホームページにその主要部分を掲載する。

△伊藤園<2593>が「トクホ茶」参入　来春新製品
緑茶飲料最大手の伊藤園は５日、特定保健用食品（トクホ）の緑茶飲料の新製品を来年４月末に発売する方針を明らかにした。同社がトクホの緑茶飲料を本格販売するのは初めて。トクホの茶系飲料では花王「ヘルシア緑茶」、サントリー「黒烏龍茶」が先行して市場を形成しているが、伊藤園が本格参入することで、来年の茶系飲料市場は再び「トクホ」に注目が集まりそうだ。伊藤園は５日までに、厚生労働省から今回開発した緑茶飲料について「コルステロール値を下げる」という機能・効用が認められた。

△うまい空気１１４４円なら買う　ダイキン<6367>調査　心地よい場所　屋久島（国内）、アルプス（海外）
おいしい空気代は月１１４４円－。ダイキン工業が１０月に実施した「現代人の空気感調査」で、「おいしい空気を得るために出しても良い金額」の平均回答額が５年前の月２１２５円から半減した。同社は「空気清浄機の普及などで『おいしい空気』が身近となり、コスト意識が高まった結果」と分析している。調査は２００２年から毎年２回実施しており、今回で１２回目。同社のホームページで参加者を募ったところ、約２万３０００人が回答した。おいしい空気代を年代別でみると、５年前は５０代以上が２５１４円で最も高かったが、今回は７０５円で最も低かった。逆に、５年前は２０６１円で最も低かった１０代・２０代が、今回は１８２４円と最も高い額となった。１０代・２０代は空気に対するコスト意識も他の年代より高く、それが金額にも表れているようだ。「おいしい水を得るために出しても良い金額」の平均額は月１３４６円と、こちらも５年前調査（２５２５円）のほぼ半額だった。同社は「ミネラルウオーターの販売量が大きく伸びる一方で、単価が下がってきたため」とみている。「心地よい空気の流れている場所」については、国内では世界遺産に登録された屋久島（鹿児島県）が１位。次いで、日本アルプス（中部地方）、富良野（北海道）、上高地（長野県）、四万十川（高知県）だった。５年前はテレビドラマで脚光を浴びた富良野が首位だった。海外では、アルプス（欧州）、ロッキー山脈（米国）、モンゴル大草原（モンゴル）、エーゲ海（欧州）、アラスカ（米国）の順だった。

△山洋電気<6516>　回路に基板実装型採用　監視カメラ用ステッピングドライバー
山洋電気は、小型監視カメラ用に最適な５相ステッピングドライバー「ＳＡＮＭＯＴＩＯＮ　Ｆ」を発売した。回転角を正確に制御できるモーター「ステッピングモーター」を駆動させる回路部分で、業界初の基板実装タイプを採用。ステッピングモーターの１ステップ角を電気的に分割して細かく駆動する「マイクロステップ機能」を搭載し、装置の振動や騒音を抑え、精度を高めている。駆動方式が５本結線方式のため小型軽量で、電気回路の損失を約２０％低減する省エネ設計になっている。サイズは約５０×２３×２８ミリメートル。重さは２８グラム。価格は１万４７００円。初年度は月間３０００台、２年目は同８０００台の販売を見込んでいる。

△安川電機<6506>　３メートル角を高速搬送　次世代ガラス基板用ロボ
安川電機は、３メートル角の超大型液晶ガラス基板用搬送ロボット「ＭＯＴＯＭＡＮ－ＣＤＬ３０００Ｄ」を発売した。第１０世代サイズ（２８５０×３０５０ミリメートル）のマザーガラス基板の高速搬送を実現し、大型液晶パネルの生産効率を高めることができる。価格は制御装置とセットで２２４７万円。低価格化を迫られる液晶パネルメーカーに年間４００台の販売を計画している。ＣＤＬ３０００Ｄは、昇降軸に独自のダブルリンク式支柱機構を採用し、第１０世代のガラス基板を高速かつ高精度で搬送できるのが特徴。基板をガラスカセットから取り出して持ち上げ、別のカセットに収納して元に戻るまでの一連の動作時間が３７・４秒と、クラス最速の搬送を実現している。また、同機構は剛性が高く柔軟な動作機能を持つのでアーム（腕部分）のたわみが少ない。このため付帯設備が少なくて済み、搬送ラインの立ち上げも従来の２分の１以下に短縮できるので、設備の設置からパネル生産まで全体的に生産効率を向上できる。可搬質量は１アーム当たり１００キログラム、上下昇降動作範囲は４メートル、前後伸縮動作範囲は５・２メートル。

△ＮＴＴ<9432>番号情報　ｉタウンページ　検索機能を強化
ＮＴＴ番号情報（東京都港区）は５日、企業・店舗の電話帳「タウンページ」のネット版「ｉタウンページ」の検索機能などを大幅に強化し、６日から「ｉタウンページ　ハイパーサーチ」などの新サービスを開始すると発表した。従来の検索では地域の指定が必要だったが、地域がわからなくても店舗などの名称だけで検索できる。また楽天と連携し、楽天に登録された店舗や宿泊施設の詳しい情報を得られるよう楽天サイトにアクセスできるリンクも表示する。

△ロボットで職場和む？　大阪府庁で「実証試験」
ロボットの気遣いで職場は和むのか－。仕事を補助し雑談もする人型ロボットが職場に登場すると、人間関係を円滑にする効果があるかどうかを調べる実験が５日、大阪府庁で始まった。携帯電話や電子メールの普及で希薄化した職場の人間関係の改善を狙い、ソフトウエア開発会社などが企画した。
ロボットが動きやすい職場を想定した府商工労働部の会議室に、三菱重工業製<7011>の家庭用ロボット「ｗａｋａｍａｒｕ（ワカマル）」が“出勤”。書類の場所や最寄り駅の時刻表の内容を職員に教えたほか、放っておくと「どこに旅行に行きたいですか」などと積極的に趣味について質問した。一方で、相手の話を聞き取れずに「すいません。寝てました」ととぼける場面も。参加した男性職員は「子どもが紛れ込んだみたい。和むけど、仕事が忙しいとイライラするかも」と苦笑いしていた。
（FujiSankei Business i）