12/4 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

■小野薬<4528>が４日ぶり反落――海外機関投資家などの売りで
４営業日ぶりに反落。海外機関投資家や個人投資家からとみられる売りが先行し、一時は前日比240円安の5530円まで下げた。11月半ば以降、株価は 5800円近辺まで戻すと売られる展開で、前日に5790円まで上げたことで売りが出やすくなったという。「買い材料が乏しく、業績の先行きへの不透明感もある」（大手証券）という。新薬の特許切れが相次ぐ2010年問題を控え、後発医薬品の攻勢が強まることが予想されている。来年４月には薬価の引き下げも見込まれている。ただ、配当利回りは３％を超える高利回り銘柄。11月22日時点の信用買い残は18万株強にとどまり、需給面でのしこりが少ないことで、市場では「下値は限定的ではないか」とする見方があった。

△ＪＲ東日本<9020>が続伸――内需物色の流れに乗る
続伸。朝方は小安く始まったが、その後は上げに転じ、じりじりと上げ幅を拡大している。前日比１万2000円高の93万4000円まで上昇し、高い水準を維持している。野村証券の村山誠シニアアナリストは「直近の株式相場は海運や鉄鋼が売られ、信用力の低い個人向け住宅融資（サブプライムローン）問題や外国為替市場の円相場の変動と無縁な内需株に物色の矛先が向かっており、きょうの上昇もその一環」とみている。３日には携帯電話サービスの「モバイルスイカ」の利用で新幹線に割安で乗車できるようにする、と発表した。東北や山形、秋田、上越、長野といったＪＲ東日本の新幹線に割安な指定席や自由席の新料金を導入するという。村山氏は「大きく収益に寄与する話とは考えにくいため、きょうの上昇はこの材料によるとは考えにくい」とみていた。

△ネットプライスドットコム<3328>がストップ高気配　「ヤフー<4689>とイーベイから仲介業務委託」
朝方から買い気配が続いている。現在の気配値は値幅制限の上限（ストップ高）にあたる前日比5000円高の６万9000円で、差し引き 2400株程度の買い越しとなっている。４日付日本経済新聞朝刊が「ネットオークション世界最大手の米イーベイと日本のヤフーが業務提携し、ネットオークションサービスを相互乗り入れする」と報じた。「税金の代行徴収や送金などの各種仲介業務をネットプラに委託する」（同紙）としており、事業拡大期待から買いが先行している。市場では「共同購入サイトの運営で伸び悩んでいるなか、収益源が多様化することは評価できる」（国内証券アナリスト）との指摘が出ていた。ヤフーは前場の取引開始後に米イーベイとの業務提携を正式に発表した。

▼みずほＦＧ<8411>など銀行株が小安い　「自己資本定義見直し」
みずほＦＧや三菱ＵＦＪ<8306>といった大手銀行株が小安い。みずほＦＧは反落で、前日比9000円安の59万9000円まで下げる場面があった。三菱ＵＦＪも反落で、一時は前日比14円安の1104円まで下げた。その後は下げ渋っている。４日付の日本経済新聞朝刊は金融庁が銀行の自己資本の算定方法をより厳しくする方向で検討を始めたことを報じた。狭義の自己資本でＴｉｅｒ１とも称される「中核自己資本」の定義から価格変動リスクの高い証券化商品の保有額を差し引くという。自己資本比率が低下する銀行が出かねない、との見方から総じて銀行株は売り先行となっている。
りそなＨＤ<8308>やあおぞら銀行<8304>も小安い。ＵＢＳ証券の田村晋一シニアアナリストは「自己資本比率が低く、公的資金が残っている一部の地方銀行に影響が出る話で、多くの銀行が風評リスクにさらされることはなさそうだ」とみる。企業向けの貸出が伸びない中、地方銀行や第二地方銀行は有価証券の投資に乗り出していた経緯がある。田村氏は「この方向性は国際決済銀行（ＢＩＳ）の新しい自己資本比率規制（バーゼル２）で示されており、突然起きた話ではなく銀行全体に影響は出ない」と話している。

△ソニー<6758>、植物樹脂でＩＣカード・耐久性高め写真も印刷
ソニーは社員証や学生証など写真付きＩＤカードに応用できる植物原料樹脂を使った非接触ＩＣカードを開発した。独自の添加剤を加えて耐久性を高めたほか、表面に石油系樹脂を張り合わせて写真や文字を鮮明に印刷できるようにした。環境負荷の少ないＩＣカードとして企業や大学などに売り込む。新カードはＩＣチップなどを植物原料樹脂ではさみ、外側にペットボトルなどに使う石油系の樹脂を張り付ける。電子部材を除く全重量の46％が植物樹脂。従来は2種類の樹脂を接着すると耐久性が低下したりそりが生じたりしていた。

△丸紅<8002>、米で風力発電に参入・現地大手を買収
丸紅は米国で風力発電事業に参入する。来年1月をめどにカリフォルニア州の風力発電大手を買収する。環境重視の流れに加え、石油、天然ガスの世界的な価格高騰を受け燃料費ゼロの自然エネルギーの競争力が高まっており、丸紅は同事業への投資を加速する考え。買収するのは米大手電力ＡＥＳの関連会社のオーク・クリーク・エナジー・システムズ社。同社の第三者割当増資を引き受けた後にＡＥＳの出資分を買い戻し、丸紅の56％出資会社にする。投資総額は約24億円。残りの44％分の株式は従来の個人株主などが引き続き保有する予定。

△食品メーカー、信頼確保へ国際認証の取得加速
食品メーカーが「食の安全」に関する国際認証の取得を加速させる。ニチロや日清製粉グループも取得した食品衛生の国際規格「ＩＳＯ２２０００」の認証は、国内の取得件数が来年にも約300と倍増する見通し。米国で一般的な食品工場の監査方法「ＡＩＢ」の導入ペースも、製菓・製パン業界を中心に前年の3割増しの勢いだ。表示偽装などが相次ぐなか、地方や中小の企業も第三者のお墨付きを得て、スーパーなど取引先や消費者の信頼を確保する。
ニチロ（マルハニチロホールディングス<1334>）は11月、4工場で新たにＩＳＯ２２０００の認証を取得した。本社を合わせ、全5工場について認証を終えた格好。従来から品質管理の国際規格を導入してきたが、ＩＳＯ２２０００の取得で「本社と工場の役割が明確になり、特に新しい原材料のチェック体制が手厚くなった」。
（NIKKEI NET）

△日本デジタル研究所<6935>堅調、三菱ＵＦＪ証券が新規の「2」
日本デジタル研究所が堅調。三菱ＵＦＪ証券が「２」の投資判断で新規にカバーを開始したことが支援材料になっているという。目標株価は１８２０円。会社側による０８年３月期営業減益計画発表でＴＯＰＩＸをアンダーパフォームしているが、三菱ＵＦＪ証券は、０７年３月期の会社法特需の反動によると指摘。０９年３月期以降は増益基調に戻ると予想し、現状の株価には割安感があると判断している。

▼ベリサーブ<3724>安い、公募増資・売り出しで需給懸念
ベリサーブが安い。３日に発表した１５００株の公募増資や７００株の売り出しが嫌気されている。ほかに、３００株を上限とするオーバーアロットメント（ＯＡ）による売り出しも予定されており、これらによる需給圧迫やき薄化への懸念から、東証１部または２部への市場変更決定という好材料をよそに、売りが先行しているという。

△ミズノ<8022>が堅調、星野ジャパンの北京五輪出場を材料視
ミズノが堅調に推移している。３日に行われた野球のアジア選手権の日本対台湾戦で日本が勝利したことを受け「星野ジャパンが北京五輪出場することが決定し、野球に関心が集まりそうなことが材料視された」（中堅証券情報担当者）という。
（ロイター）

■ポイント<2685>株が反落、11月までの累計売上マイナス－冬物伸び追いつかず
カジュアル服の専門店を全国展開するポイントの株価が７営業日ぶりに反落し、一時前日比260円（4.4％）安の5660円まで下げ幅を広げた。寒い日が続いたことから冬物の販売が順調で、11月の既存店売上高は前年同月比で２カ月連続増加となった。ただ、上期の販売苦戦が響き、期初３月から11月までに至る９カ月間の累計売上高は前年同期比マイナスとなっており、投資家による収益の先行きに対する見方を一変させるまでには至っていない。３日に発表した11月の売上速報によると、既存店売上高は前年同月比 2.5％増と、10月（同5.1％増）に続き２カ月連続でプラスとなった。客数が 1.5％増と４カ月連続で増加したほか、客単価は１％増と10カ月ぶりにプラス圏に浮上した。高温だった昨年とは異なり、寒い日が多かったことから、冬物の販売が順調に推移した。メンズではカラーパンツ、長袖Ｔシャツ、ウールセーターなどが売れ、レディースはギャザースカート、タートルネック、ニットワンピース、フェイクレザージャケット、雑貨ではブーツやストールが主力となった。同時に示した３－11月までの９カ月間の既存店売上高は、前年同期比1.8％減（客数1.1％減、客単価0.8％減）。同社経営企画室によると、９－11月にかけては、昨年に比べて休日が少なかったほか、気候的にも秋らしい日が少なく、外部環境は逆風だったが、顧客ニーズに合った商品を投入することで、秋物商戦は極めて良好だった。ただ、販売が苦戦した上期（３－８月）を補いきれていないのが現状としていた。上期には、生産工場のある中国で旧正月が例年より長かった上、春から夏にかけて流行した布帛素材のワンピースの仕入れが不足し、売れ筋商品の追加投入に踏み切れなかったことがマイナス要因として響いた。

△サイトサポ<2386>が買い気配、シミック<2309>の完全子会社に－医薬品請負で総合力
医薬品の臨床試験を総合的に支援するサイトサポート・インスティテュート（ＳＳＩ）株が買い気配を切り上げている。医薬品開発業務支援（ＣＲＯ）大手のシミックが株式交換で来春にもＳＳＩを完全子会社化することが明らかになり、医薬品にまつわる請負業者としての総合力が増すと期待された。午前９時15分現在の気配値は前日比60円（6.1％）高の1040円。4100株の売り注文に対し、20万4700株の買い注文が入っている。シミックは同1550 円（5.1％）高の３万2050円。シミックとＳＳＩが３日の取引終了後に発表した報道資料によると、株式交換比率はＳＳＩの普通株１株に対し、シミック株0.0391株を割り当てる。３日終値で算出したＳＳＩ株の理論株価は1193円で、ＳＳＩ株の３日終値より 21.7％高い水準。来年２月の臨時株主総会でこの株式交換が承認されれば、東証マザーズ市場に上場するＳＳＩ株は３月26日に上場廃止となる。いちよし証券経済研究所の山崎清一アナリストは、今回の資本業務提携について、「製薬メーカーが積極的にアウトソーシング（外部委託）を進めており、ワンストップ型の支援企業がますます求められるようになった。シミックが業界のリーディングカンパニーとして、丸抱えで依頼を受けられる体制を構築できるか、より専門性の高いサービスを提供できるかがポイントだ」と述べていた。シミックはＣＲＯの大手だが、企業の要請に応じて医薬品製造支援（ＣＭＯ）や医薬品販売支援（ＣＳＯ）を請け負うケースもあった。これまでは、ＣＲＯとＳＭＯ（治験施設支援）は利益が相反するとして別々の企業が担当することが多かったが、「一緒に請け負っても良いのではという風潮が強まり、より効率性が問われるようになった」（野村証券金融経済研究所の渡邊未奈アナリスト）という。シミック・中村和男会長兼社長は今年６月収録のブルームバーグ・テレビのインタビューで、「日本のＣＲＯ市場規模は2008年に1500億円になろう。シミックはそこで20％のシェアを取りたい」と発言した。中村氏はまた、ＣＳＯ事業の５年後売上高を現在の５倍の100億円にする方針を示したほか、「薬の特許の確保や、ある程度開発したものを製品としてメーカーに納品することなど、付加価値のあるビジネスにも手を出したい」と述べていた。
（ブルームバーグ）

△サイバー<4751>---一旦は強弱感が対立するところ
3営業日続伸。一時99300円と10万円回復に後一歩に迫ったが、その後は前日ストップ高の反動もあって伸び鈍く。週足ベースの一目均衡表の雲下限を捉えており、一旦は強弱感が対立するところであろう。ただ、この水準をクリアしてくるようだと雲上限が意識され、同時に1月高値の15万円レベルが射程圏に入ってくる。達成感は出ていない。

△ベネッセ<9783> しっかり。
難関大学専門の進学塾である鉄緑会を買収で合意と伝えられている。積極的な事業拡大策を評価する動きが先行へ。少子化の逆風下、ビジネス領域の拡大による成長を目指す方向性は、豊富なキャッシュを活かした戦略として高評価されやすいようだ。

△ユビキタス<3858>---ストップ高反動も底堅く
ストップ高反動も底堅く。一時45万円を回復するも、その後は前日のストップ高の反動もあってか利食い優勢に。ただ、下値は堅く達成感は出ていない。利食い吸収後の出直りの可能性もあり、高値更新に期待したいところ。

△ＤｅＮＡ<2432>---100万円の大台乗せも意識される状況に
連日高値更新。中高年を対象にしたサイト開設が伝えられている。中高生を中心としたモバゲーに加え、中高年を対象にしたサイト開設で顧客層拡大。株価は上昇基調を強めているが、100万円の大台乗せも意識される状況に。

△ヤフー<4689> やや伸び悩むも10/23高値59000円は射程圏に。
米イーベイとの業務提携が刺激材料となっているが、3万円半ばレベルで底打ちを示しており、中長期的なリバウンド体勢に入っている状況。昨年7月高値62000円レベルや同3月の分割落ちした7万円半ば、一昨年12月の95000円レベルなど。

△ゲオ<2681> 小幅続伸。
日興シティによる格下げなどもあり、先週末には6月安値水準まで調整していたが、ダブルボトム形成も意識されリバウンドの流れに。なお、次世代ＤＶＤのブルーレイのレンタルを一部店舗で始めると報じられている。

△ソフトバンク<9984>---直近戻り高値を突破
4営業日続伸で直近戻り高値を突破してきている。ヤフーと米イーベイの提携報道も手掛かりに。5日、25日線との短期ゴールデンクロス発生、一目均衡表の遅行スパンは上方転換シグナルを発生させる可能性。信用倍率は1倍台と需給妙味もあり、リバウンド強まる。

△ＡＣＣＥＳＳ<4813> 一目均衡表の雲上限レベルの攻防。
短期値幅取り資金の利食いを吸収しつつリバウンド基調が持続している。雲上限レベルの攻防だが、遅行スパンは現在株価でも来週には上方転換シグナルを発生させる可能性が高く、まずはマド埋め意識か。

△小林製薬<4967>---続伸、昨日の上ひげを否定する動き
続伸。三菱ＵＦＪではレーティング「１」、目標株価5000円を継続しているもよう。ヘルスケア関連製品の堅調な成長で本業は安定成長していることを評価し、割安感が強く、卸事業譲渡によるバリュエーション切り上げ期待は大きいとの見方を示したようだ。チャート上では昨日の上ひげを消す展開となっており、 5日移動平均線を支えに7月の戻り高値水準となる4200円レベルを意識する展開も考えられる。

▼旭化成<3407> 下げきつい。
モルガンの投資判断格下げが響く格好となっている。投資判断を「オーバーウェイト」から「イコールウェイト」、目標株価を980円から790円にそれぞれ引き下げへ。汎用化学品の市況軟化の影響による化学部門のほか、住宅部門などの見通しを引き下げている模様。

△東京製綱<5981>---急伸、ＪＰモルガンが新規に買い推奨
急伸。ＪＰモルガンが投資判断を新規に「オーバーウェイト」、目標株価を300円としており、買い材料につながっている格好。ＪＰＭでは、太陽電池関連製品の急拡大既存事業の回復によって、今年度下期以降は収益拡大局面に入ると予想しているようだ。今期は会社計画下ブレの予想だが。来期営業利益は2割増の 47億円を予想している模様。

△ヤフー<4689>---続伸、米イーベイとの提携が期待材料に
続伸。米イーベイと業務提携、ネットオークションサービスを相互乗り入れすると報じられている。野村では、オークションの活性化に向け、実効性のある施策になる可能性があると指摘。ＧＳでも、伸び悩み傾向にあった同サービスの活性化につながる可能性があると評価。

△サイトサポ<2386> 買い気配から。
株式交換比率にサヤ寄せの動きとなっている。シミックは前日、サイトサポートを株式交換によって完全子会社にすると発表した。株式交換比率については、サイトサポート株1株に対してシミック株0.0391株を割り当てるとしている。サイトサポートの理論株価は、前日のシミック株の終値をベースとすると1192円となる。
（フィスコ）

△マルカキカイ<7594>は業績減額織り込み割安返上で続伸
マルカキカイは、１５円高の１０１６円と小幅ながら４営業日続伸している。今１１月期業績の下方修正・減益転換から１０００円大台出没の下値固めが長引いたが、１１月５日に発表した期末配当の増配を手掛かりに出直り基調を強めており、割り負け訂正期待を高めている。同社の１１月期業績は、中間期決算発表前の７月に早くも下方修正され、経常利益は２４億８３００万円（前年同期比２％減）、純利益は１２億９３００万円（同８％減）と期初の増益予想から減益へマイナス転換した。機械専門商社として産業機械、建設機械ともメーカーの受注増による長納期化が影響し、同社からユーザーへの納期ズレ込みが響いているもので、その後の第３四半期業績も減収減益となった。ただ期末配当は、期初予想の９円から１１円に引き上げ、中間期配当と合わせて２０円とし、前記の市場第１部指定替え・創立６０周年記念配当込みの２０円を普通配当して継続する。株価は、年初来高値１７２３円から９月の９６１円安値までほぼ半値となる調整を経て出直ってきており、引き続きＰＥＲ７倍台、ＰＢＲ０．９倍の割安訂正が続こう。

△日東電<6988>は増額修正業績見直しを信用好需給もフォローし反発
日東電工は、寄り付きの３０円安から切り返し６０円高の５７９０円と反発している。１０月３０日の２００７年９月中間期決算発表に合わせて、３月通期業績を上方修正し窓をあけて急伸し、この窓埋め完了から再び上値を窺っているもので、信用取組が拮抗する好需給も側面支援している。同社の今期業績は、第１四半期業績が２ケタ減益で着地し株価は１０月の年初来安値４９３０円まで急落したが、それだけに中間期決算発表時に通期業績を上方修正したことが大きなサプライズとなった。売り上げは期初予想より２５０億円、経常利益、純利益は各１０億円引き上げられ、純利益は４５０億円（前期比９％増）と増益率を拡大する。液晶表示関連材料の製品価格下落、液晶テレビ大型化に伴う生産効率低下、減価償却費増加などが続く厳しい経営環境下で、新規分野として医薬品の経皮吸収型テープ製剤や水処理用の高分子分離膜などに注力したことなどが寄与した。株価は、業績増額による株価急伸とともに強弱感も対立、信用取組が厚みを増す展開となった。投資採算に割安感がないだけに売り方と買い方の攻防が激化し上値を追う展開も想定される。

△太平洋工<7250>は減額業績織り込み下げ過ぎ訂正で４連騰
太平洋工業は一時、１３円高の５６５円と４営業日続伸し、１１月２０日につけた年初来安値４８５円からのリバウンド幅を拡大している。同社株は、１０月２６日に２００７年９月中間期・３月通期業績を下方修正し、１００円幅の急落となったが、ＰＥＲ１２倍台、ＰＢＲ０．６倍は下げ過ぎとして割安訂正期待の買い物が続いている。同社の今期業績は、いったんは第１四半期決算発表時の今年７月に上方修正しながら、１０月には今度は下方修正するイレギュラーな業績修正展開となった。上方修正は、原価改善、合理化・コスト削減効果、円安を要因としていたが、下方修正は下期に入っての主要顧客の生産減と円高による為替差損が要因となった。これに九州工場増設や税制改正に伴う減価償却費増が重なり、３月通期業績は売り上げ８８７億円（前期比７％増）、経常利益３７億円（同１７％減）、純利益２３億５０００万円（同２５％減）の増収減益が予想されている。株価は、７月の上方修正時には９０円高、１０月の下方修正時には１００円安と業績修正に素直に反応しているが、投資尺度的にも下げ過ぎ歴然となっている。下値買い妙味が増そう。

△アシックス<7936>は５連騰、「星野ジャパン」五輪出場で好業績見直す
アシックスは、２１円高の１６３６円と５営業日続伸している。前日４日のオリンピック競技種目の野球で「星野ジャパン」が、劇的に五輪出場を決定したことなどから、開催まで１年を切った北京オリンピックの前景気が盛り上がるなかで早々と関連の先取り人気が高まっているもので、今３月期業績がすでに期中に２回も上方修正されたことも安心買いにつながっている。同社の今期業績は、８月、１０月と２回上方修正された。売り上げは期初予想から１６１億円、経常利益は２０億円、純利益は１０億円それぞれアップされ、純利益は期初の強含み予想から１５０億円（前期比８％増）と前期の過去最高を大きく更新する。スポーツシューズ類が内外で引き続き好調に推移し、スポーツ用具類でも国内でベースボール用具などが堅調に推移しており、９月２１日付けで持分法適用関連会社のアシックス商事を株式公開買い付け（ＴＯＢ）で連結子会社化したことも再上方修正要因となった。株価は、ＴＯＢスタートとともに３５０円高と急伸しほぼ往って来いとなっている。ＰＥＲは２１倍台と割安感は乏しいが、信用取組は大幅売り長と好需給となっている。売り方の買い戻し主導でリバウンド幅を拡大しよう。

△ワイエイシイ<6298>は買い気配、指定替え３銘柄は２勝１敗
ワイエイシイは、寄り付きから買い気配を切り上げ４０円高の１２３８円買い気配と急反発し１１月１３日につけた年初来安値１１４７円から出直り急となっている。前日３日に東京証券取引所から１２月１０日付けで東証１部への指定替えが承認され、指定替えに際して公募増資・株式売り出しを伴わないことから、指定替えに向け株価指数連動型ファンドなどのインデックス買いが期待できるとして需給好転を先取りする買い物が増勢となっている。株価は、今年１０月に２００７年９月中間期業績を上方修正したもののなお減益となり、３月通期業績も期初予想を据え置いたことから下値を探る動きとなっていた。前日は、同社のほか指定替えが承認された銘柄が２銘柄あり、まず東証マザーズから同じく１２月１０日付けで東証１部指定替えとなった日本Ｍ＆Ａセンター（２１２７・Ｍ）は、１万円高の７１万４０００円買い気配と続伸している。これに対して東証マザーズから１２月２１日付けで指定替えが承認されたものの所属部が未定となったべリサーブ（３７２４・Ｍ）は、２万円安の４９万６０００円売り気配と３営業日続落となっている。指定替えに際して１５００株の公募増資とオーバーアロットメントを含めて１０００株の株式売り出しを１２月２０日払い込み・受け渡しで実施することを合わせて発表しており、むしろ希薄化・需給悪化材料として敬遠されている。
（東洋経済新報社）