12/03 『株価材料』PART Ⅵ

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■株価材料

▼トオカツフーズ－賞味期限切れ材料使用冷凍パスタを日本製粉<2001>が回収

△大手信託銀、株券電子化で対応ビジネス強化
大手信託銀行が平成２１年１月の株券電子化（ペーパーレス化）を控え、金融機関や事業会社が担保として保管している株券の代行管理業務に相次ぎ乗り出す。
三菱ＵＦＪ<8306>信託銀行は、地方銀行が融資担保として保管している株券を代行管理するほか、
みずほ信託銀行<8404>も事業会社が持つ株券の管理サービスを年内にも開始する。電子化に伴う手続きの煩雑さを回避し、コスト軽減にもつながるとアピールし、新たな収益源に育てる考えだ。
株券は金融機関が融資の際の担保にしたり、事業会社間でも信用補完、売掛債権の担保として使われてきた。これまで担保取引は、現物の株券を介して行われていた。２１年１月に予定されている株券電子化後は、金融機関に証券口座を開設し、改めて担保設定する必要がある。ただ、手続きが煩雑なことや、口座管理などに費用がかかるなどの難点が指摘されている。そこで、三菱ＵＦＪ信託は、地銀が融資担保として保有する株券を代行管理するサービスを２１年までに開始する。すでに武蔵野銀行（埼玉県）、十六銀行（岐阜県）、泉州銀行（大阪府）、南都銀行（奈良県）、紀陽銀行（和歌山県）など１４地銀が同サービスを利用することが内定している。三菱ＵＦＪ信託が契約窓口となり、子会社で資産管理業務を手掛ける日本マスタートラスト信託銀行に証券口座を開設して株券を管理する。一方、みずほ信託は９月３０日施行の改正信託法で可能になった担保権信託（セキュリティートラスト）の手法を活用し、事業会社の担保株券の代行管理を始める。第一弾として、住宅設備機器大手のＩＮＡＸが保有する担保株券の管理契約を年内にも締結する。
ＩＮＡＸ（住生活グループ<5938>）は販売業者との取引で、売掛債権の担保として株券をおさえている。これまで担保権は債権者であるＩＮＡＸが管理していたが、これをみずほ信託に信託。債権が仮に回収不能となった場合は、みずほ信託が担保株券を処分する。株券の電子化後は、みずほ信託に証券口座を開設、引き続き担保権を信託する。
株券電子化に対応するため、系列を超えた提携も始まっている。中央三井信託銀行（中央三井トラストＨＤ<8309>）とみずほ信託は、証券代行業務のデータ管理などを手掛ける共同出資会社を２０年にも設立することで合意している。株券電子化で新しいシステムが必要となるため、共同出資会社で業務の効率化を進める。
株券電子化　上場会社の紙の株券を電子化（ペーパーレス化）する措置。偽造や盗難を防げるうえ、印刷代がかからずコスト削減につながる。平成２１年１月に実施予定で、証券会社などで必要な手続きをしないと自宅や貸金庫で保管したままの「タンス株」は“紙くず”になり、株主の権利を失う恐れもある。電子化後の株券は「証券保管振替機構（通称・ほふり）」に預託され、金融機関に開設された証券口座で管理される。
（産経新聞）

▼荏原製作所<6361>が裏金補てん３億円、代理店の受注工作費
大手プラントメーカー「荏原製作所」（東京都大田区）が２００４～０６年、同社の代理店が東京国税局から追徴課税された法人税などを補てんするために、代理店側に計３億２０００万円を支払っていたことがわかった。代理店は自治体が発注するごみ焼却施設などの受注工作を担当していた。荏原は３億２０００万円を帳簿上、経費の「販売手数料」としていたが、税務当局に対しては課税対象の「交際費」として処理しており、正規の手数料でないことを自ら認めた形だ。関係者は「不正な受注工作の口止め料の意味もあった」と証言している。関係者によると、追徴課税され、滞納していた税金の穴埋めを、荏原にしてもらっていたのは、同社の代理店だったコンサルティング会社「オーエム（ＯＭ）プラント」（港区）。自治体のごみ焼却施設や汚泥・し尿処理施設を受注するため、予定価格などの入札に関する情報を入手したり、荏原が受注することへの賛成を取り付けたりする工作を担っていたという。
（読売新聞）

△新日本石油<5001>、2008年カレンダーはメトロポリタン美術館から
新日本石油は、2008年企業カレンダーのデザインに、米国メトロポリタン美術館所蔵の印象派名画コレクションを採用したと発表した。同美術館は、ルーヴル、エルミタージュ、大英博物館と並ぶ、世界4大美術館の一つで、300万点以上の美術品を所蔵している。同社は2000年から世界各国の美術館にスポットを当てて企業カレンダーに印象派名画コレクションを採用している。特に2005年のボストン美術館は、日本インフォメーションが実施した第33回カレンダーイメージ調査で人気投票で総合1位を獲得、2006年のエルミタージュ美術館、2007年のオランジュリー美術館でも、それぞれ2年連続して総合2位を獲得するなど、好評だ。2008年もメトロポリタン美術館の充実したコレクションの中から、モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーギャン、セザンヌの作品を厳選して採用する。
（レスポンス）

△ＴＤＫ<6762>、業界最高の精度・速度の半導体フリップチップ実装機を開発
ＴＤＫは業界最高の実装精度と実装速度を実現した半導体のフリップチップ（用語参照）実装機を開発した。実装精度はプラスマイナス７マイクロメートル（マイクロは１００万分の１）と同社製品比で１マイクロメートル、他社製品比で３マイクロメートル向上。超小型化が進み、微細な精度が要求される半導体チップの実装ニーズに適合する。年間の生産能力１００台体制を整え、販売本格化に備えた。電子部品の開発、生産で培ったノウハウを生かした高性能機の投入で販売拡大を目指す。実装精度を向上するため補正用のカメラを４台搭載した。フリップチップの吸い上げ、反転、移動、実装の状況を制御して目標の位置で接合できる。実装速度は業界最高の０・９秒と同社製品比で０・１秒、他社製品比で０・２秒短縮し、生産性を向上した。高速化するため、フリップチップを移動する部品を３０％軽量化したほか、カメラの画像処理精度を高めた。装置の設置面積を従来の同社製品より４５％縮小し、省スペース化ニーズに対応する。電子部品の開発、生産で培ってきたプロセス技術を生かし、顧客に装置そのもののサポートだけではなく、次世代技術や製品をにらんだ提案を行っていく。同社のフリップチップ実装機は、フリップチップと基板の接合に超音波を使用するタイプ。超音波の振動で電極部の金を溶解して接合する。フリップチップの接合には熱や圧力などの方式があるが、超音波方式の実装機はＴＤＫがトップクラスのシェアを握る。超音波方式は熱や圧力を用いる場合に比べ実装速度が速いのが利点。現在は熱、圧力が主流を占めるものの、超音波方式が伸びつつある。

△岡谷電機<6926>、アジアにコンデンサー工場－ノイズ対策需要に対応
岡谷電機産業は０８年９、１０月ごろの完成を目指し、ノイズを除去するフィルムコンデンサーの工場をアジアに建設する。今年度中に建設場所を決める。生産能力は月５０００万個前後になる見込み。中小メーカーが品質やコスト面で顧客の要求に応えることが難しくなっており、同社への引き合いが増えている。ノイズ対策用での需要拡大が期待できることから供給能力を増強する。新工場の建設に向け、設備などの調達に着手した。建設場所の決定後、早期に着工する。フィルムコンデンサーの需給がひっ迫しているため既存工場でも増産する。中国広東省東莞市の工場の生産能力を０８年３月をめどに、０７年度上期比で約３０％増となる月６０００万個に引き上げる。すでに１１月に５５００万個にまで生産量を拡大。年明けの旧正月には従業員が若干少なくなるので、旧正月後をめどにフル稼働できるようにする。今年度のコンデンサー増産向けの設備投資は５億円。生産能力の拡大に合わせ人材確保に乗り出した。給与待遇を改善したほか採用基準を厳しくした。会社の定着率向上への対策もとる方針。加えて、セロハンフィルムなど原材料の高騰分をこれ以上吸収できないため、価格を１１月に８％上げた。顧客のうち台湾などアジア系メーカーは価格転嫁を受け入れており、日系メーカーとは交渉を進める。フィルムコンデンサーは高調波のノイズの除去などに使う。最近では品質や性能への要求が厳しくなる中で、中小メーカーが生産をやめており供給メーカーが少なくなっている。一方、電子機器の小型化、高機能化に伴いノイズ対策の重要性が高まり、ノイズ除去用コンデンサーの需要が拡大している。

△シャープ<6753>子会社、手術器具洗浄システム開発－無線タグで作業履歴管理
シャープマニファクチャリングシステムは、無線識別（ＲＦＩＤ）タグを使って病院で手術器具の洗浄、滅菌などの作業履歴を管理するシステムを開発した。すでに２カ所の病院で試験運用を始めており、０８年春から本格的に販売する。開発したシステムはＲＦＩＤタグとアンテナ、管理用ソフトウエア、超音波式洗浄装置で構成する。手術器具の回収、洗浄、組み立て、滅菌の各工程で情報の読み書きを行い、装置の運転状況を履歴に残す。器具の使用状況や在庫をパソコンのモニター画面で確認できる。手術器具は一度滅菌しても時間の経過で効果が薄れるため、処理日時を正確に記録する必要がある。システムの導入により、手術器具に洗浄や滅菌などの処理を施した日時を把握できる。滅菌作業時の高温高圧の環境にも耐えるＩＣタグを開発した。同社はシャープの１００％子会社でＲＦＩＤや工業用カメラ、生産設備を製造する。医療用の超音波式洗浄装置の分野では国内最大手で、これまでは装置を単品で販売してきたが、ＲＦＩＤを組み合わせてソフトと装置の提供を増やしていく。新築の大型病院を中心に納入を目指す。

△北斗電子工業、純水中の微粒子検出する小型センサー開発
北斗電子工業は、半導体洗浄水など純水中の微粒子を検出し、粒子径や個数を簡便に測定できる小型センサーを開発した。１０センチメートル角サイズで製造ラインに設置できる。
半導体商社のエー・ディ・エム<3335>と代理店契約を結び、０８年８月に発売する。価格は既存測定装置の半分の２００万円以下を予定、初年度２００―３００台の販売を計画する。
機器を小型化するため新たな測定方法を開発した。粒子径１００ナノ―４００ナノメートル（ナノは１０億分の１）の粒子が測定でき、純水製造装置や半導体洗浄装置への組み込みも可能。センサーの上部に青色レーザー、下部に二つの受光素子をつけた。ガラス管などを通過する液体に直角方向に青色レーザーを照射する。二つの受光素子の出力から光束中を通過した粒子の移動時間を測定し、粒子径や個数を特定する仕組み。既存の測定装置の多くは照射したレーザーが粒子にあたる際の散乱光の強さで粒子を測定する。ガラス管の汚れなどの影響を受け、正確なデータが得られない場合があった。大型で設置スペースが限られ、ラインへの組み込みも難しかった。５日から千葉市美浜区の幕張メッセで開かれる展示会「セミコン・ジャパン２００７」に出品する。販売元となるエー・ディ・エムは米アナログ・デバイセズの製品を主力とする商社。新規商材開拓に力を注いでおり、同センサーを加えて売り上げ拡大を目指す。

△ＮＥＣ<6702>、匿名性を確保しつつＩＤを認証、安全性と
開発したシステムは各種サービス利用時にＩＤ認証が必要な際、個人を特定せずに所属するグループで認証する。例えばレンタカーを予約する場合は、運転免許証の有効性を所属グループのデータで確認。免許証の発行機関までさかのぼって認証する必要がないため、利用者は出身地や住所などを知られなくて済む。一方で、危険性を感じた場合には従来のデジタル署名方式に切り替えることも可能。免許証の発行機関を割り出し、登録情報から個人を特定できるため悪用は避けられる。図書館やレンタルショップ店が導入すれば、会員かどうかのみを認証し、店に「誰が何を借りたか」などの個人情報を蓄積される心配がない。こうしたグループ署名方式は世界中で研究が進んでいたが、複雑な処理工程を踏むため、認証までの時間が従来方式に比べ約１００倍かかるなど高速化が課題だった。今回これを４、５倍程度まで短縮、実用化水準にこぎ着けた。世界標準の認証技術として普及を目指すほか、電子投票への活用など用途も開拓する。さまざまな国で構成する欧州では欧州連合（ＥＵ）の拡大も後押しし、出身国などの個人情報を秘匿したままサービスを受けたいという要望が強まっている。今回のシステムは今年、ドイツに設立したＮＥＣ欧州研究所との連携で開発した。東京・有明の東京ビッグサイトで５日から開くＮＥＣのユーザーフォーラム「ｉＥＸＰＯ２００７」で初めて公開する。

△トヨタ自<7203>、０９年に韓国にトヨタブランドを投入
トヨタ自動車は、０９年に韓国に「トヨタ」ブランドを投入する。投入する車種は検討中だが、「プリウス」などハイブリッド車（ＨＶ）が主体となる見通し。トヨタは０１年に韓国に「レクサス」ブランドを投入、現在は輸入車市場でトップシェアをもつ。現地の輸入車市場が拡大しているため、トヨタブランドを追加し、シェア拡大を狙う。
販売網は、トヨタブランドとレクサスブランドのディーラー事業を海外で展開する豊田通商<8015>が大半を整備する計画。詳細は検討中だが、数店程度の規模で始める見通し。ＨＶを主体に、現地で人気が高いセダンやスポーツ多目的車（ＳＵＶ）などラインアップを拡充していく。韓国ではレクサスブランドで「ＬＳ」、「ＧＳ」など５車種を販売。０６年の販売台数は６５００台。現地の輸入車市場は４万台程度で、欧州勢と日本勢で大半を占める。ここ数年、ウォン高もあり、高所得者層を中心に輸入車の需要は増加傾向にある。

△いすゞ<7202>、大・中型バスＣＮＧ車を改良－新長期規制に適合
いすゞ自動車は、大型路線バス「エルガ」と中型路線バス「エルガミオ」の圧縮天然ガス（ＣＮＧ）シリーズを改良し、発売した。新ＣＮＧ車排出ガス技術指針（新長期規制）に適合したエンジンを搭載。国土交通省の「低排出ガス車認定　０５年基準窒素酸化物（ＮＯＸ）１０％低減レベル」を達成した。東京地区価格はエルガのノンステップ型が３４６３万１１００円、エルガミオの同型が２９２３万２０００円。ベース車に比べて約１０００万円高いが、このうち半分に補助金が付くという。両車種で年５０台の販売を目指す。ＣＮＧ車は、粒子状物質（ＰＭ）をほとんど排出しない低公害車。

△アイシン精機<7259>、愛知に新工場－２０１０年に４０億円投資
アイシン精機は、２０１０年にアルミダイカスト部品を生産する西尾工場（愛知県西尾市）の隣接地に新工場を建設する。生産品目など詳細を検討中。生産設備の刷新と将来の増産に備えるのが狙い。投資額は４０億円。新工場の敷地は、１０万３０００平方メートル。工場の規模や生産品目などは検討中だが、西尾工場からアルミダイカスト部品の生産を一部移管する見通し。西尾工場は生産設備が古く、能力も限界に近い。現状では効率化に向けた生産設備の刷新が難しく、新工場の建設を決めた。同社は、４月に北海道で新工場を稼働。西尾工場からバルブボディーなど自動変速機用部品の移管を進めている。
０８年には熊本県の工場も稼働するなど、トヨタ自動車<7203>の増産に対応して生産能力を増強している。

■緊急停止した浜松４号機、原因は流量計－中部電力<9502>が特定
中部電力は調整運転中の１１月１５日に緊急停止した浜岡原子力発電所４号機（静岡県御前崎市）の停止の原因を流量計測器によるものと特定した。計器を取り換え、３０日原子炉を起動、今月２日に発電再開した。問題の計器は原子炉起動時に復水器へ原子炉水を排出する導管に設置されていたもの。「故障ではなく、計器の特性に対する配慮が足りなかったのが原因」（増田博武原子力部業務グループ長）という。１１月３０日に方式の異なる計器に交換した。

△新日石<5001>、吹き付けアスベストの撤去完了にめど
新日本石油は、グループ１８社の施設を対象とした吹き付けアスベスト（石綿）使用個所の特定や撤去作業の完了にめどを付けた。０５年度から調査を開始し、１２５カ所での使用が判明。うち１２２カ所の撤去工事が１０月までに完了した。残りの３カ所もすでに囲い込み対策を実施しており、今後、撤去作業を行う。同社が対策を行ったのは、製油所や油槽所などの物件でアスベストを使用していたところ。０５年９月以降は従業員や元従業員、その家族の希望者４４５人を対象に健康診断も実施しており、現時点で中皮腫やアスベストを主因とする肺がんは見つかっていない。ただ過去には従業員、元従業員の計３人が中皮腫で死亡している。

△三和ＨＤ<5929>、コストの低い国に生産をシフト
三和ホールディングス（ＨＤ）はガレージドアに搭載する電動開閉機や自動ドアについて、米国での生産を縮小する一方、中国やメキシコの協力工場で増産するなど海外生産コスト改善に取り組む。米国ではサブプライムローン（信用度の低い個人向け住宅融資）問題を背景に住宅市場が低迷、今後の販売増が見込めないとみて、米国子会社のオーバーヘッドドアコーポレーション（ＯＤＣ、テキサス州）で不採算品の見直しに着手した。今後、徐々にコストの低い国に生産をシフトしていく。

△戸田建<1860>、鋼管コッター工法のオープン化の範囲拡大
戸田建設は特許を保有している耐震補強工事での「鋼管コッター工法」のオープン化（他社施工の容認）の範囲を拡大する。これまで鉄筋コンクリート造耐震壁に限定していた同工法の他社による施工を、鉄骨造ブレース方式の耐震補強についても認める。同工法は鉄筋コンクリート造耐震壁や鉄骨造ブレースの接合に、従来の「あと施工アンカー」に代わり、独自開発の接合方法を使うもの。仕上げモルタルの撤去工事が不要で、既存躯体の鉄筋を傷つけないほか、短工期で、建物を使いながらの工事に適する。同社は建物の耐震化工事促進のため、０６年１０月から同工法を一部オープン化。顧客や設計事務所からの要望が多いことから、オープン化の対象範囲を拡大した。

△イオン<8267>、タイに８店目の食品スーパーを開業
イオンはタイに食品スーパー８号店となる「マックスバリュフューチャーマート　ラマ３世店」を開業した。現地法人名をイオンタイランドに変更後、初の出店。イオンタイランドでは今後、食品スーパーに経営資源を集中し、２０１０年までに２５店舗体制を築く。８号店はバンコクの商業中心地から南に約７キロメートルの位置にあるショッピングセンター（ＳＣ）、フューチャーマートの１階に出店した。直営の売り場面積は１２５０平方メートルで、２４時間営業。
安全・安心にこだわった生鮮食品のほか、ベーカリー売り場ではタイでフレッシュベーカリーを展開している「ヤマザキ」製（山崎製パン<2212>）のパンを導入する。

△イオン<8267>とダイエー<8263>、花王<4452>と共同キャンペーンを展開
イオン、ダイエーの両グループは、３日から花王グループと共同キャンペーンを展開する。イオン、ダイエーのグループ約１６００店舗というスケールを生かした大規模なキャンペーンで、期間中の売り上げ目標は８５億円。０８年１月６日までの期間中、花王の日用品、化粧品、カネボウ化粧品の商品などの買い上げ金額に応じ、全国の高級ホテルの宿泊とエステ体験や美容用品などが計４０００人に当たる。応募方法は封筒、はがきに対象レシートを張り付けて郵送するか、店頭の専用応募箱に投函する。両グループのレシート合算でも応募できる。
（日刊工業新聞）

△生かせ植物　材料転換でＣＯ２排出削減　コーヒー、バナナ…脚光
商品の材料を、石油化学系材料から植物由来の天然材料に転換して、地球温暖化の原因である二酸化炭素（ＣＯ２）排出量を減らす試みが活発化している。利用する植物はバイオマス（生物資源）として、これまでほとんど見向きがされなかったコーヒーやバナナなど。成育中、光合成によってＣＯ２を吸収する植物は、「カーボンニュートラル」と呼ばれ、ライフサイクル全体では大気中のＣＯ２濃度を濃くすることがない。バイオガソリン向けに需要が急増するトウモロコシやサトウキビなどにとどまらず、資源として注目を集める植物が増えそうだ。
キーコーヒー<2594>は玩具メーカのバンダイ<7832>と、シルバースキン（コーヒー豆を包んでいる薄皮）を再利用したバイオマスチップを共同開発した。来春には、国内で初めてコーヒー豆の一部であるシルバースキンを主原料とする昆虫のフィギュアがバンダイから売り出される。キーコーヒーは、コーヒー製造工程で発生するシルバースキンを再利用する研究を重ねてきた。これまでに家畜用飼料や肥料として活用する用途を開拓。また、シルバースキンを混入した用紙を製造し、封筒をはじめ名刺、年賀状、包装紙などとして社内で利用してきた。これらの技術を発展させて、新たにバイオマスチップをつくり出した。シルバースキンの主な成分は可溶性無窒素物、繊維質、粗タンパク質だが、ポイントになったのは、同原料にポリプロピレンを混ぜ合わせたこと。薄皮の植物バイオマス約７０％、ポリプロピレン約３０％の比率で混合したことで、フィギュアのような精巧な商品の成形が可能になったという。主成分が天然素材のため、焼却しても有毒ガスやダイオキシンが発生せず、自治体によっては燃えるごみとしての処分も可能。植物成分が７０％のために、完全なカーボンニュートラルにはならないものの、ＣＯ２の排出を大きく抑制する。キーコーヒー関東工場（千葉県船橋市）の場合、シルバースキンが１日あたり平均７００キログラム、月間約１４トン排出される。今後はこれが有効に利用されることになる。
バンダイがバイオマスチップを利用して販売する商品は「アースカプセル　昆虫採集第２弾（仮称）」。同商品の第１弾でも間伐材からつくったバイオマスチップを用いており、今後もバイオマスの活用を積極化していく方針。
一方、サカタのタネ<1377>は、バナナの仮茎（かけい）を１００％使用した園芸用の「バナナ紐（ひも）」（希望小売価格１６８０円）を３日、発売する。キュウリやナス、ピーマンなどの栽培では、支柱にひもを張ってつるや枝を支える誘引という作業が不可欠。これに使うのが同商品。現在、使用されている化学繊維の誘引ひもは、焼却処分するとＣＯ２が発生し、土中に埋めても半永久的に残ってしまうなど、環境面で大きな課題を抱えていた。この問題を解決するために考え出したのが、ＣＯ２を増やさず、放置しても土にかえる天然素材の利用。その中でも着目したのが、バナナの幹を形成している部分である仮茎。これまで、誘引ひもに他の天然素材を使おうにも（１）麻は水に弱く、高湿度条件下で切れやすい（２）インド綿は引っ張り強度不足－といった欠点があった。これに対し、バナナの仮茎の繊維は水に強く、引っ張り強度にも優れる。生分解性のため、からみついたつるや茎とひもとを分ける作業も不要になる利点もある。
（FujiSankei Business i）