11/30 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△ＳＣＥ、ＰＳ３に番組有料配信・ゲーム連動、テレビで視聴
ソニー<6758>・コンピュータエンタテインメント（ＳＣＥ）は据え置き型の家庭用ゲーム機「プレイステーション３（ＰＳ３）」にインターネットで番組を有料配信するサービスを来年初めから世界で始める。ゲームの内容と連動したドキュメンタリーなどハイビジョン画質の映像をテレビでみられる。大日本印刷も任天堂の携帯型ゲーム機向けに電子書籍などを配信するサービスを始めると発表。ゲーム機をコンテンツ配信用端末として活用する動きが加速する。ＳＣＥの新サービスはＰＳ３を持ち、ネット接続サービスに加入していれば誰でも利用できる。ＰＳ３のネット接続機能を使ってダウンロードした動画をハードディスク駆動装置に蓄積。テレビでハイビジョン級の高画質として再生する。
（NIKKEI NET）

△みずほＦＧ<8411>が切り返す、米利下げ期待強まる
みずほフィナンシャルグループが切り返している。バーナンキ米連邦準備理事会（ＦＲＢ）議長の講演をきっかけに米利下げ期待が強まり、サブプライム問題に苦しむ米金融セクターの経営環境が改善されるとの見方から、東京市場でも銀行株に連想買いが入っているという。

▼ダイナシティ<8901>がさえない、所得隠し報道を嫌気
ダイナシティがさえない。３０日付の日本経済新聞が、２００５年３月期までの５年間に約７億数千万円の所得隠しを東京国税局に指摘されていた、と報じたことを嫌気している。日経によると、新たに重加算税など約２億円を追徴されたとみられるという。ダイナシティは、この報道について、４月２７日と５月２２日に発表した通り、附帯税などの発生が見込まれるとして織り込み済みのもので、新たに税務当局の調査などを受け、新たに追徴課税されたものではない、とするコメントを発表した。

△新日鉄<5401>が3日続伸、東証1部売買代金でトップ
新日鉄が３日続伸。東証１部売買代金でトップになっている。市場では「高値から３００円近く下落しており、値ごろ感から国内機関投資家が買っているのではないか。海外勢が買い戻しているという感じではない」（国内証券調査部）との声が出ている。

△オールアバウト<2454>買い気配、ＮＥＣ<6701>と提携報道
オールアバウトが買い気配。３０日付日経新聞朝刊で、同社がＮＥＣとパソコン販売で提携すると報道されたことなどが材料となっている。オールアバウトがパソコンを使った趣味の楽しみ方を紹介し、ネット利用者をＮＥＣのパソコン直販サイトに誘導する。ＮＥＣは約１５００万人の利用者を持つオールアバウトでの情報提供により潜在顧客を開拓すると報道では伝えている。

△富士通<6702>堅調、台湾当局と次世代無線用半導体開発で協議
富士通が堅調。次世代高速無線通信で使用する端末の心臓部となる半導体開発で台湾当局と協議していると伝えられたことが買い手掛かりになっているという。富士通の広報担当者はロイターに対して「（台湾当局と）合弁など様々な可能性について協議しているが、現時点で発表できるものはない」と語っている。３０日付日経新聞朝刊は、富士通について、台湾当局と共同で次世代高速無線通信のための端末の心臓部となる半導体を開発すると報じた。

▼アイフル<8515>が軟調、Ｓ＆Ｐの格付け引き下げを嫌気
アイフルが軟調な展開となっている。スタンダード＆プアーズ（Ｓ＆Ｐ）が、同社の長期カウンターパーティ格付けと長期優先債券格付けをＢＢＢ＋からＢＢＢに引き下げたことを嫌気した。
同様に引き下げられた武富士<8564>もさえない。Ｓ＆Ｐによると、格下げは、自己資本基盤が同格付けの同業他社との比較で見劣りする水準にある一方で、貸倒率の悪化度合いが相対的に大きく、資金調達の柔軟性が低下していることや、多角化事業についても収益環境が以前に比べて悪化していることに基づく。

□イオン<8267>小じっかり、ＰＢ24品目の値下げを発表
イオンが小じっかり。同社が２９日、プライベートブランド（ＰＢ）２４品目を３０日から値下げすると発表したことなどが材料となっている。値下げを実施するのは、食品や飲料、日用品。
たとえば、山崎製パン<8267>は１２月１日出荷分から食パンや一部和洋菓子の希望小売価格を平均８％値上げすることを発表しており、価格差は明確になる。

△日本精蝋<5010>が買い気配、07年12月期予想を上方修正
日本精蝋が買い気配。２９日に２００７年１２月の業績（非連結）見通しを上方修正したことを好感している。０７年１２月期業績予想の売上高を４３０億３０００万円（従来予想は４０４億円）に、営業利益を３１億４０００万円（同２６億６０００万円）に、純利益を１７億２５００万円（同１３億９０００万円）にそれぞれ引き上げた。原油高騰に伴い、８月にタイヤ用やプリンターのトナー用などのワックスの価格を値上げし、浸透状況が順調だという。１株当たりの年間配当予想も従来の８円５０銭から９円に引き上げた。
（ロイター）

△アサヒ<2503>：ビール系飲料を18年ぶりに値上げ、来年３月から－原料高
ビール販売国内最大手のアサヒビールは30 日、ビール系飲料の出荷価格を2008年３月から値上げすると発表した。酒税改正に伴う増税分上乗せを除くと、値上げは1990年３月以来、約18年ぶり。原材料価格が想定以上に高騰しているのが背景。

△ＵＭＣＪ<6939>株が買い気配、今12月期は赤字縮小へ－販価改善やコスト減
半導体メモリーの受託製造・販売を手掛けるユー・エム・シー・ジャパン（ＵＭＣＪ）の株価が買い気配で始まった。製品の平均販売単価の改善や製造コスト削減などが寄与するとして、29日に今通期（07年12月期）の業績予想を増額修正。損益ベースの赤字幅が縮小する見通しとなり、収益の悪化に歯止めがかかることが評価された。午前９時21分時点の気配値は前日比1400円（14％）高の１万1200円にあり、同水準で差し引き800 株程度の買い越しとなっている。ＵＭＣＪの07年12月通期の連結業績は、売上高が前期比19％減の277億 3000万円（従来予想は272億200万円）、前期に31億5700万円の赤字だった営業損益は22億7400万円の赤字（同35億8400万円）、同29億1000万円の赤字だった最終損益は８億100万円の赤字（同29億9000万円の赤字）を見込む。同社広報部の明石愛氏は、「回路線幅の小さい高付加価値製品の比重を高めたことで、10月以降に平均販売単価が改善している」と話した。また、千葉県の館山工場で余剰設備を売却したことで稼動率が高まったほか、原材料調達コスト削減努力が実り原価低減の効果も出るという。このほか、ストック・オプション発行に伴う株式報酬費用が、付与数の減少（付与予定数９万8960個、実績５万5860個）や株価低迷により、想定していたよりも減少し、販売管理費が抑制される見通しだ。

△板硝子<5202>株が続伸、原点回帰を評価－液晶ＴＶ用ガラスから撤退との報道
日本板硝子の株価が続伸。液晶テレビ用ガラス基板事業から撤退すると一部で報じられた。これを受けて、建築用や自動車用に経営資源を集中させる戦略が一段と明確になったとして投資家の買いが入った。午前９時10分現在の株価は、前日比７円（1.2％）高の597円。30日付の日本経済新聞朝刊によると、板硝子は1991年にＨＯＹＡ<7741>と設立した折半出資会社「ＮＨテクノグラス」（横浜市）の全持ち株を数百億円で売却する方針を固めた。ＨＯＹＡは50％分の持ち分を引き続き所有するものの、板硝子は年明け早々に売却先を決める予定だという。みずほ証券の松田洋シニアアナリストはＮＨテクノについて、「板硝子にとっては折半出資という中途半端な立場だったうえ、シェアも小さく限界供給者だった」と説明、今回の売却報道を「良い判断」と受け止めている。そのうえで松田氏は「板硝子は英ピルキントンを買収した時から建築用や自動車用に注力していく方針を示していた。今回の動きは『原点回帰』を進めるための一環で、その経営判断は評価できる」と述べている。
（ブルームバーグ）

△東海カ<5301>---1200円レベル回復を目前に控える
続伸、約2週間ぶりに1200円レベル回復を目前に控える。好業績を見直す傾向が強まるなかで堅調な動きをみせている。買い圧力が強まり、目先10/18 の戻り高値からの調整幅のおよそ半値戻し水準に相当する25日移動平均線を上値メドとして意識される展開も想定される。

△安川電機<6506>---しっかり、ホンダ<7267>向けロボットの拡大期待
ホンダから多間接ロボット300台を受注と一部で報じられている。すでに織り込み済みの案件ではあるようだが、今後は埼玉県の新工場での受注獲得も期待される状況のようだ。導入台数は飛躍的に増える見通しともされている。ＧＳでは、ホンダにおけるシェア上昇が目立っているなどとして、強い買い推奨リストへ継続採用と。

△新電元<6844>---テクニカル買いサインに加え需給妙味も
大幅続伸。業績下方修正後調整が続いていたが、300円レベルを中心に下値が固められ、目先反発を試す展開となっている。窓をあけて上昇し、一目均衡表の転換線を突破しているうえ、パラボリックのポジションも買いに転じている。信用倍率は1倍割れと取り組み妙味も窺わせるなか、25日移動平均線回復期待も高まりそうだ。

△東海理化<6995>---大幅続伸、アナリストの高評価目立ち
大幅続伸。アナリストの評価が高まっており、株価の上昇につながっているようだ。みずほでは投資判断「１」継続で、目標株価を3880円から4080円に引き上げているほか、日興シティでも「１Ｈ」継続で4000円から4400円に引き上げ。中国事業の成長などが評価対象となっているもよう。

△スクリーン<7735>---上げ目立つ、ＧＳでは「中立」に格上げ
上げ目立つ。ＧＳが投資判断を「売り」から「中立」に格上げ、買い戻しを誘っているものと観測される。ＧＳでは、受注回復は見えず半導体製造装置を買うにはまだ早いと指摘しているが、同社に関しては、液晶事業の回復が半導体事業の落ち込みをある程度カバーできると判断しているもよう。

△いすゞ<7202>---大幅続伸、野村の高評価など材料視
大幅続伸。野村では、前日付けで投資判断「２」を継続、円高下でも増益を達成できる数少ない完成車メーカーとして注目しているようだ。環境規制強化による優位性の高まり、エマージング地域の経済好調などを背景に、トラック輸出の好調さが増していると評価。

△リロＨＬＤ<8876> ＪＰモルガンでは投資判断を新規に「Overweight」、目標株価については3110円としたようだ。
リロケーション事業と福利厚生代行事業がコスト管理の厳格化で実を結びつつあるほか、リゾート事業が新たな成長ドライバーとして立ち上がってきたと。Ｂ to Ｃをも事業領域に加えることによって、新たな収益拡大局面を迎えつつあると評している。

△特殊陶<5334>---ＪＰモルガンが新規「オーバーウエイト」に設定
小幅高ながらジリ高推移。前日空けた窓埋めを拒否する動きをみせている。なおＪＰモルガンでは、自動車関連事業の好調で来年度からの業績回復を想定しており、投資判断を新規「オーバーウエイト」、08年12月までの目標株価を来期PER18.2倍相当の2500円に設定している。直近で売り長に転じた信用倍率0.59倍の取組み妙味も材料視されている。

△第一中央汽船<9132>---バルチック指数続伸で海運株は全面高
大幅続伸。本日も海運セクターは全面高、とりわけ、中小型海運株の値幅取り商いが活発化している状況。バルチック指数が続伸となり10000ポイントをあっさりと回復していることが背景、直近の株価下落ピッチが大きかったため、リバウンド余地は大きいとの見方。

△千代化建<6366> しっかり。
本日は豪州の営業拠点新設やシンガポール子会社では設計技術者増員など、アジア・豪州地域の受注体制強化が報じられている。前日は5日線が上向きに転じたほか、MACD（12-26-9）も買い転換するなど、11月22日安値（1288円）でのＶ字ボトム形成期待を高めている。

△オハラ<5218> 大幅続伸。
ＧＳが投資判断を「中立」から「買い」に格上げ、インパクトが強まる形になっている。目標株価は2500円に設定のようだ。ファンダメンタルズに変化は乏しいが、株価バリュエーションは歴史的な低位にあり「売られ過ぎ」と判断しているようだ。12月20日決算発表だが、説明会において会社側の前向きなコメントが予想され、株価カタリストにつながるとも。

△楽天<4755> みずほ証券では投資判断「2」を継続、目標株価については5万7500円から6万5000円に引き上げたようだ。
楽天ＫＣの業績改善を織り込んだほか、楽天トラベルの利益成長などを考慮したと。

△東京製鐵<5423>---買い優勢、ＣＳの投資判断格上げ受けて
買い優勢。ＣＳでは投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」、目標株価を1670円から1830円に引き上げている。足元のスクラップ価格安により、来期はスプレット改善から大幅増益が期待できるとみているようだ。ちなみに、ＣＳでは鉄鋼セクターの判断を「マーケットウェイト」に引き上げ、特殊鋼と電炉を買い推奨としている。

△トレンド<4704>---大幅高、4000円での目先底打ち確定
大幅高。心理的節目および200日線到達による直近安値4000円（11月16日）での目先底打ちを確定づける動き。
三菱ＵＦＪが投資判断を「３」から「２」へ引き上げ、目標株価については来期PER25.7倍相当の5000円に設定したことが手掛かり材料視されたもよう。

△国際帝石<1605>---みずほ証券では投資判断「１」へ引き上げ
しっかり。前日陥落した一目均衡表の雲下限を回復している。前日の米国市場で原油先物市況が4日ぶり反発したことや、みずほ証券が投資判断を「２」から「１」へ、目標株価を従来の134万円から145万円へ、それぞれ引き上げたことなどが材料視されている。

△アパマンショッ<8889> 買い気配から。
ＪＰモルガンでは投資判断を新規に「Overweight」、目標株価については5万3400円としたようだ。不動産情報ネットワークを活用した相乗効果、波及効果の拡大局面を迎えると評している。また、07年9月期を基点とした3期間の営業利益成長率を年率22％と予想。
（フィスコ）

△商船三井<9104>は下げ過ぎ訂正に債務格付けアップ加わり続急伸
商船三井は、７５円高の１６３８円と続急伸している。サブプライムローン問題の一巡感から前日の米ＮＹダウが３日続伸と落ち着きをみせたことから、主力株の割安株買い、下げ過ぎ訂正期待の買い物が、同社株にも循環しているもので、
前日２９日にムーディーズ・インベスターズ・サービスが、同社の無担保長期債務格付け・発行体格付けをＢａａ１からＡ３に引き上げると発表したこともフォロー材料となっている。ムーディーズの格上げは、商船三井が集中的な船隊強化を行いながらも、収益性の向上と安定により、中期的に財務体質を強化していくとするムーディーズの見方を反映している。格付けは安定的で、今回の格上げは２００７年１０月１９日以来の見直しの結論となる。ここ数年、種々の固定費を削減し、運賃、燃料価格、外国為替市場の変動に対処するため海運事業の効率性向上により収益性を大幅に強化してきた。同時に、顧客との長期輸送契約や燃料価格に応じて運賃を調整する条項を含む輸送契約を増やすことで、海運業の安定性を高めてきた。将来運賃市況が悪化することがあっても、同社財務の柔軟性は高まるとしている。株価は、今３月期業績の２回にわたる上方修正や増配にもかかわらずアジア関連人気の一巡で１０月の上場来高値２０４０円からの調整が続いた。ＰＥＲは１０倍台、１３週移動平均線からも１２％超のマイナスかい離となっており、リバウンド幅の拡大が続こう。

△旭化成<3407>はニチアス問題一巡で増額業績見直し６連騰
旭化成は、１７円高の８００円と変わらずを含み６営業日続伸し１１月２０日につけた年初来安値７３９円から出直る動きを強めている。ニチアス（５３９３）の耐火認定を不正取得した建材問題の波及で１５０円幅の急落となったが、ほぼ織り込み済みとして下値に割安訂正期待の打診買いが続いている。今３月期業績が、中間期業績に続き上方修正され、純利益が市場コンセンサスを上回ることも主力株人気再燃を刺激している。同社の今期業績は、第１四半期決算公表時の７月に中間期決算を上方修正、その中間期決算を発表した１０月に今度は通期業績を上方修正した。売り上げは期初予想より４７０億円、経常利益は１０５億円、純利益は９０億円各引き上げ、純利益は７９０億円（前期比１５％増）と増益率を伸ばして過去最高を更新するとともに、市場コンセンサス平均を約１９億円上回った。ケミカル事業でアクリロニトリルやスチレンモノマーなどに旺盛な海外需要が続き、繊維事業も、ポリウレタン弾性繊維の海外拠点が好調に推移するなど営業利益を２．７倍としたことなどが貢献した。なおニチアス製建材は、同社子会社旭化成ホームズが供給する工業化住宅で合計３万８０７７棟引き渡し済みで、建築工事中、着工前も７２８９棟に達しているが、この業績面への影響は判明次第に公表するとしている。株価は、業績上方修正人気もニチアス問題で不発となり下値固めを続けてきた。全般相場調整に先立つ前倒しの悪材料織り込みであり、早期立ち直りからＰＥＲ１４倍台の割安修正が期待される。

△澁谷工<6340>は年初来安値から６連騰、１Ｑ赤字業績を織り込む
澁谷工業は、１５円高の８９５円と変わらずを含め６営業日続伸し、１１月２０日につけた年初来安値８２０円からのリバウンドを本格化させている。同社株は、１１月１２日に発表した今６月期第１四半期（１Ｑ）業績が赤字着地となったことが、今年２月の前期業績の下方修正、株価急落を連想させ、全般相場の急落も重なり売り急ぎの動きとなった。ただ赤字着地は、パッケージングプラントの専業最大手として、大型プラントの売り上げが第２四半期以降に集中する業態・会計特性と再認識し、中間期・通期業績とも期初予想を据え置き大幅増益・連続過去更新となることを見直し割安株買いが続いているものである。同社の今６月期業績は、売り上げ５５０億円（前期比８％増）、経常利益３３億円（同２６％増）、純利益１９億３０００万円（同３７％増）と予想されている。パッケージングプラント事業が、食品用で飲料業界向けやミネラルウォーター業界向けに続伸、低迷していた酒類用でも工場再開発に伴い引き合い増となり、さらにメカトロシステム事業でも半導体製造装置や医療機器、液晶ガラス用の割断装置なども増加することが寄与する。株価は、昨年の猛暑関連高値１１６５円から調整一方で３割下げの水準にある。ＰＥＲがは１２倍台、ＰＢＲは０．８倍と割安であり底値圏脱出に弾みをつけよう。

△日伝<9902>は業績下ぶれ修正織り込み割り負け訂正期待から６連騰
日伝は、３０円高の２８３５円と変わらずを挟み６営業日続伸している。１１月６日の２００７年９月中間期決算発表時に、今３月通期業績をやや下ぶれ修正し株価下押し圧力が働いたが、織り込み済みとして自己株式取得もサポートし再び割り負け訂正期待の下値買いが続いている。同社の今期業績は、売り上げが期初予想より６０億円、経常利益が１億１０００万円、純利益が３０００万円それぞれ下ぶれ修正された。中間期利益はほぼ期初予想通りに着地したものの、主力取扱商品の伝導用品、軸受の国内販売が落ち込み、中間期売り上げが前年同期比３％減となったことなどから保守的に予想したものだ。それでも通期純利益は３５億２０００万円（前期比０．２％増）と増益を確保し連続の過去最高更新となる。株価は、早くも業績下ぶれによる下押し分を埋めたがまだＰＥＲは１２倍台、ＰＢＲは０．９倍と割り負けている。３０万株（発行済み株式総数の１．８８％）、１０億円を上限に進めている自己株式取得とも合わせ上値余地を拡大しよう。

△パイオラックス<5988>は１３期ぶり最高純益を割安株買いし３連騰
パイオラックスは、６５円高の２２７０円と３日続伸している。２００７年９月中間期決算の発表とともに再上方修正された今３月期通期業績の１３期ぶりの過去最高純益更新が見直されているもので、割安訂正期待が再び高まっている。同社の今期業績は、第１四半期決算公表時の８月に上方修正されたが、１１月にはその修正値をさらに増額した。売り上げは８月修正値を１４億円、経常利益は７億４０００万円、純利益は６億８０００万円それぞれ引き上げ、純利益は２６億円（前期比３１％増）とそれまでの減益予想が増益にプラス転換し１９９５年３月期以来の過去最高更新となる。工業用ファスナーメーカーとして、国内外で拡販活動を展開、海外では需要増大に対応して中国などで新工場を稼働させるなど設備増強を進めていることが寄与している。株価は、８月の業績増額時は２００円高と敏感に反応したものの、１１月修正時は全般相場の波乱から小幅高にとどまった。ＰＥＲ１１倍台、ＰＢＲ０．６倍の割安修正になお拍車がかかろう。

△タツタ線<5809>は通期純利益再増額に自己株式取得重なり急続伸
タツタ電線は、寄り付きから買い気配を切り上げ３０円高の２９１円まで買い進まれて急続伸している。前日２９日に固定資産売却に伴い今３月期純利益の再上方修正と自己株式取得を発表、低位値ごろの割安株買いが増幅している。同社の今期業績は、８月に下方修正されたあと１０月に逆に上方修正された。高騰した銅価の価格転嫁の動向により増減したものだが、その１０月増額値の純利益だけを再上方修正し、１７億円が２２億５０００万円（前期比２９％増）に引き上げられて増益転換する。京都府福知山市、大阪府大東市などの土地（合計簿価４億４２００万円）を日本ピラー工業などに合計１７億５８００万円で譲渡、約１２億円の売却益から除却損を差し引き約１０億２０００万円を特別利益に計上することが要因となる。一方、自己株式取得は、経営環境の変化に対応する機動的な資本政策を可能とすることを目的にするもので、上限を２００万株（発行済み株式総数の２．９％）、６億円を上限に１１月３０日から来年３月３０日までに実施する。株価は、銅価伸び悩みとともに年初来安値水準の２００円台央での底もみとなっていたが、ＰＥＲは８倍台と一気に超割安となる。大きく底離れしよう。

▼カテナ<9815>は第３者割当増資で希薄化懸念がやや強まり反落
カテナは、寄り付きの２円高から３円安の２２３円と３日ぶりに反落している。前日２９日にシステムプロ（２３１７）を割当先に第３者割当増資実施を発表、希薄化懸念と業容拡大期待が交錯しやや売り先行となっている。同社とシステムプロは、今年２月にシステムプロが創業者一族の小宮善継氏などの保有株を取得（取得価格３４０円）し２９．９２％の同社株式を保有する筆頭株主となっているが、この資本・業務関係をさらに強固にし、早期にシナジーを創出、両社の企業価値の極大化を目的に第３者割当増資を実施する。新株式３００万株を発行価額２１７円、１２月１４日払い込みでシステムプロに割り当て、増資後の持株比率は３５．９７％に高まる。調達資金６億４７００万円は、既存ビジネスの需要拡大に対応する新卒・中途採用の強化や社員教育研修制度の拡充、品質評価業務を立ち上げる先行投資資金などに充当する。株価は、９月につけた年初来安値２０２円から１０月に発表した今期業績の上方修正をテコに２８８円高値まで買い進まれたが、往って来いとなっている。希薄化懸念を織り込み再度の下値確認が続こう。

△ＪＱ上場のＭＩＣメディカ<2166>は６％高の３５万２０００円で初値
ＭＩＣメディカルが、ジャスダック証券取引所に新規上場された。公開価格は３３万円、公開株式数は４５３１株となっている。寄り付きの買い気配から９時５分に公開価格を３万２０００円、６％上回る３５万２０００円で初値をつけ、その後は初値近辺でのもみ合いとなっている。新規株式公開（ＩＰＯ）市場は、１１月に入って米国のサブプライムローン問題の懸念再燃、全般市場の急落などから公開価格割れの初値形成銘柄の続出など再び波乱色を濃くし、初値後のセカンダリーも乱高下が続くなど資金の逃げ足の速さを反映しており、同社のディフェンシブ業態と公開価格がＰＥＲ１４倍台と割安なことは評価されたものの、初値倍率は市場の事前観測を下回った。同社は、医薬品や医療用機器開発のための臨床試験などを支援するＣＲＯ（開発業務委託機関）会社である。医薬品メーカーなどに開発要員を派遣する派遣業務と臨床試験業務を受託する受託業務を合わせて展開する「ハイブリッド型ＣＲＯ」を特徴にしており、、今後は売り上げ比率の低い受託業務を増加させる。今２００８年９月期業績は、売り上げ４２億６６００万円（前期比３３％増）、経常利益４億８９００万円（同２０％増）、純利益２億９９００万円（同２３％増）、１株利益２万２７１４円を予想している。

△ＮＥＣエレ<6723>は米投資ファンド追加取得に反応し小反発
ＮＥＣエレクトロニクスは、２０円高の３１５０円と小反発している。１１月２９日に関東財務局に提出した大量保有報告書で、米国大手投資ファンドのペリー・キャピタルが、同社株式を追加取得したとこの日改めて伝えられたことが、買い材料視されている。大量保有報告書では、ペリーの保有割合は、前回９月の５．０３％から６．０３％に高まっている。ペリーは、ＮＥＣエレの株価低迷は、親会社のＮＥＣ（６７０１）の持ち株比率が６５％保有している「親子上場」問題に原因があり、持ち株比率を５０％未満に引き下げるために、２５％のＮＥＣエレ株式の追加取得を提案、同提案が伝えられた今年７月には同社株式がストップ高を演じる好反応をした。その後、保有割合が４．７６％から５．０３％へアップしたことが伝えられた９月は、寄り付き高のあと値を消し材料出尽くし感が強まっている。業績面、実態面からはなお株価上昇には力不足である。２００７年９月中間期業績は、上方修正され純益赤字幅は縮小したが、３月通気業績は期初予想を据え置き、純益赤字幅は市場コンセンサス平均を下回っている。さらに６社ある国内半導体生産子会社６社を３社に統合する生産体制統合・効率化や東芝との最先端ＬＳＩプロセス技術の共同開発も、世界の半導体メーカー売り上げ順位で１１位から１３位に後退した同社ポジションの挽回策となるか不透明で株価の反応も限定的にとどまった。ペリーの追加取得が、再度押し上げ効果を発揮するか注目されることになる。
（東洋経済新報社）