11/29 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△10月の鉱工業生産指数1.6％上昇
経済産業省が29日発表した10月の鉱工業生産指数（速報、2000年＝100、季節調整値）は112.1となり、前月比で1.6％上昇した。２カ月ぶりの上昇で、水準は現行基準で比較できる1998年１月以降で過去最高を更新した。業種別では国内向けの半導体製造装置や印刷機など一般機械が好調で、堅調な生産が続いている。主要製造業を対象に先行きを調べる生産予測をみると、11月は1.7％低下するものの、12月は建設機械などの伸びにより3.2％の上昇が見込まれる。予測通りになれば10―12月期の生産は前期に比べ1.7％の増加になる。経産省は先行きも底堅い生産が続くとみて「緩やかながら上昇傾向」という基調判断を据え置いた。

△公衆無線ＬＡＮ、「ｉＰｏｄタッチ」で無料体験
ＮＴＴ<9432>グループとアップルジャパンは飲食店などでインターネットに接続できる公衆無線ＬＡＮ（構内情報通信網）の無料サービスを12月1日に始める。アップルの無線ＬＡＮ機能付き携帯音楽プレーヤー「ｉＰｏｄタッチ」の利用者向けに、接続できるサイトや回数を制限した上でサービスを体験してもらい、ＮＴＴグループの有料サービスに誘導する。人気商品のｉＰｏｄを活用し、外出先でのネット接続サービスの普及を狙う。ｉＰｏｄタッチで無料サービスが利用できるのは約700施設。ＮＴＴグループがすでにパソコン利用者向けに無料サービスを提供している「プロント」や「ロッテリア」など約350施設に加え、12月1日から「タリーズ」や「ケンタッキー・フライド・チキン」、都営地下鉄のほぼ全駅など首都圏を中心に約 350施設でも利用可能にする。
（NIKKEI NET）

▼日本ミクロ<5381>軟調、通期最終損益予想が赤字転落
日本ミクロコーティングが軟調。同社が２８日の引け後、２００８年３月期通期の連結最終損益予想をこれまでの２億５５００万円の黒字から一転、９億４１００万円の赤字に下方修正したことが嫌気されている。年間配当予想は、これまでの６円２６銭から５円に引き下げられた。主力のハードディスク駆動装置（ＨＤＤ）の製造工程で使う研磨材の販売が、当初見通しを下回る見込みのためと同社では説明している。

△三洋電機<6764>高い、イオン<8267>と家電製品を共同開発
三洋電機が高い。２８日にイオンと、白物家電を中心に製品を共同開発すると発表したことが好感されているという。開発した家電製品は三洋電機の子会社である鳥取三洋電機（鳥取県鳥取市）を中心に製造し、イオンのプライベートブランド「トップバリュ」として、全国のジャスコ、サティ、ダイエーなど約５００店舗で順次発売する。

▼石油株が軟調、原油相場の急落受け売り優勢に
石油株が軟調な展開となっている。国際石油開発帝石ホールディングス<1605>、新日本石油<5001>、昭和シェル石油<5002>などがさえない。原油先物相場の急落を受けて売り優勢になった。２８日のニューヨーク・マーカンタイル取引所（ＮＹＭＥＸ）の原油先物相場は、米国在庫の減少幅が市場予想を下回ったことから大幅続落。標準油種であるＷＴＩの中心限月１月物は前日終値比３．８０ドル安の１バレル＝９０．６２ドルと約１カ月ぶりの低水準まで下落した。

△ドリコム<3793>が気配上げる、第三者割当増資の発表受け買い誘う
ドリコムが気配を上げている。ＮＥＣネクサソリューションズに約４６００万円の第三者割当増資を行うと発表したことを受けて買いを誘った。発行価額は１株あたり２３万３１００円で２００株割り当てる。払込日は１２月１４日。今回調達する資金は、主にＮＥＣネクサソリューションズとの事業提携に係るビジネスソリューション製品全般の開発・営業活動に使われるという。
（ロイター）

△ＯＫＩ<6703>株が反発、富士通<6702>とＡＴＭ事業で提携の報道－競争力強化を期待
情報通信システムや半導体などを手掛けるＯＫＩ（沖電気工業）の株価が反発。前日比８円（4.3％）高の196円まで上げている。ＯＫＩと富士通が金融機関向けのＡＴＭ事業で提携すると、29日付の日本経済新聞朝刊が報じた。ＡＴＭの高機能化が進んでソフト開発費負担が重くなる中、コスト負担軽減や競争力強化につながると期待された。日経報道によると、ＯＫＩのＡＴＭ事業部とＡＴＭの開発・製造を手掛ける富士通子会社の富士通フロンテック（ＦＴＥＣ）が提携する。両社で開発したソフトの第１弾を近く発表、早ければ2008年春にも共同開発したソフトを組み込んだＡＴＭ端末を両社がそれぞれ発売するとしている。同社ＩＲ室の吉田邦彦氏は、「本件について取材を受けた事実はなく、全くの観測記事だ」と述べた。その上で報道内容について、「事実無根とは言えないが、相手方もあることなのでコメントできる状況にない」（同氏）とした。大和証券ＳＭＢＣエクイティ・マーケティング部の西村由美上席課長代理は、両社の提携が実現すれば、開発コスト負担の軽減と競争力強化につながり、「ＡＴＭ市場が飽和気味の国内のみでなく、需要の伸び拡大が見込める中国など新興国の市場開拓にも有利に働きそうだ」との見解を示した。富士通は急反発で7.8％高の788円まで上げ幅を拡大。一方、ＦＴＥＣは小反落。

△光通信<9435>株が反発、保険事業は採算重視に方針転換－下期以降の回復期待
光通信の株価が反発。28日公表の９月中間決算は保険事業の赤字などで減益となったが、人員の削減など採算重視の経営戦略に改めたため、下期以降の回復を期待した買いが入った。午前９時20分現在の株価は前日比90円（3.0％）高の3140円。中間連結営業利益は前年同期比１％減の77億円にとどまり、営業利益率も 5.3％と前年同期から3.2ポイント悪化した。疾病や介護など第３分野の保険を勧誘するコールセンター要員の拡充に伴い、保険事業の人件費や研修費などがかさんだ。同事業の営業利益は同96％減の9000万円だった。　　据え置かれた通期（2008年３月期）業績目標は、連結売上高が前期比42％増の3000億円、営業利益が同24％増の230億円。法人事業の拡大や保険事業の収益改善で大幅な増益を実現する計画だ。大和総研の大杉直人アナリストは「26日に上方修正された内容通りでサプライズ（驚き）はないが、下期の営業利益目標153億円が本当に達成できるのか不安感が残る」と指摘している。光通信は収益をけん引してきた保険事業について、規模拡大から採算重視に戦略を転換した。大杉氏は「今後、人員の削減などで生産性の向上が期待できるものの、保険事業で30億円の営業利益が確保できるかは第３四半期（10－ 12月）の実績を見てみないと分からない」と述べていた。大和総研の光通信株の投資判断は「中立」。光通信株の株価は９月末以降、3000円を挟んでもみ合いを続けている。年初来高値は6040円（２月８日）、年初来安値は2600円（９月25日）。高値を 100、安値をゼロと置いた場合の現在の株価位置は15.4。
（ブルームバーグ）

△任天堂<7974>---一目均衡雲突破、上昇トレンド継続の期待
米利下げ期待と円高一服を好感した買いが流入し、一目均衡表の雲を上抜けしている。上昇トレンド継続に期待感を高める格好となり、25日線は下向きから横這いへ転じている。「Ｗｉｉ」の光回線接続を推進するサービスでＮＴＴ東西との協力が発表されたことも株価押し上げ要因となったもよう。

□旭硝子<5201>---カルテル問題の企業価値への影響は軽妙との指摘
ギャップアップで基準線（1514円）を試す展開。欧州板ガラスのカルテル問題に絡んだ制裁金が6500万ユーロ（約105億円）と発表されたが、野村では不透明要因を考慮しつつも、企業価値に大きな影響を与える可能性は非常に低いと指摘しており、強気スタンスを継続している。

△インボイス<9448>---ストップ高、中間期の上ぶれ決算を受け
ストップ高。前日に発表した中間決算の内容が買い材料につながる。中間期営業利益は12.5億円と黒字転換、従来計画の7.4億円を上回った。第1四半期決算発表時には下方修正していたこともあって、大幅上ぶれにはサプライズが強まる格好に。ダイナシティの不動産売買前倒しなどが背景の模様。

△三菱商事<8058>---反発、モルガンでは「オーバーＷ」に上げ
反発。モルガンでは投資判断を「イコールウェイト」から「オーバーウェイト」に格上げ、目標株価を3721円としている。株価下落と業績見直しによる割安感の台頭のほか、ＬＮＧ事業に注目すべきタイミングであるとの判断のようだ。モルガンでは、総合商社全般に対して、強気判断を再強調ともしている。

△クラレ<3405> ギャップアップで3日ぶり反発。
5日線奪回後は転換線（1331円）を上放れ、騰勢を強めている。自動車向け強化ガラス用樹脂の増産が報じられたことが手掛かり材料視されたもよう。週足のローソク足は一目均衡表の雲下限（1327円）を下回る水準が下ヒゲ部分となりつつあり、目先の底入れ気運を高める形状をみせている。

△ＤｅＮＡ<2432> 続伸、1ヶ月ぶりに株式分割考慮後の最高値を更新。
株式市場が好転するなか、「Ｓ＆Ｐ日本新興株100指数」の正式発表を受け、本日も新興市場では時価総額上位が堅調に推移している。同社については高成長期待に加え、短期線のＧクロスや一目均衡表の三役好転などテクニカル面での妙味も加わっているようだ。

△コマツ<6301> 3日ぶりに反発。
アジア地域の建機需要増に対応するため、中国に50億円超の投資を行い3ヶ所の新工場を建設すると報じられている。生産能力の増強により油圧ショベル生産を07年度計画比33％増の年間1万6000台以上に引き上げる計画という。チャート上では3000円レベルをサポートに下値を固めている。反発基調が鮮明になれば、8月の安値水準とともにダブル・ボトムの形状を形成していく可能性も高まる。

△トヨタ自<7203> 大幅反発。
1ドル＝110円台までの円安反転を受けて、輸出比率が高いとされる自動車株には買い安心感が強まる展開。また、最近では、中国やロシアなど政府系ファンドの日本株への資金流入期待も高まる状況だが、買い候補とされそうなコア銘柄としての期待感も徐々に高まる方向へ。

△楽天<4755> 続伸。
前日に続いて新興市場連動ＥＴＦの上場観測を背景に、本日も新興市場では時価総額上位が堅調に推移している。一方、いちよしでは投資判断を「1-A-HR」から「1-B-HR」に引き下げたようだ。事業構造再編による選択と集中が不可欠として07年12月期以降の業績予想を下方修正しており、フェアバリューについては6万円としている。

△ワコールＨＤ<3591> 4日続伸。
400万株、60億円を上限とする自社株取得を実施すると伝えられたことが材料視されたようだ。窓をあけて上昇しており、約2ヶ月ぶりに1450円レベルを回復している。一目均衡表上でも雲の上限を試す展開となっており、突破すれば、3役がすべて好転することとなる。
一方、同じく自社株買いを発表したトランス・コスモス<9715>も前日比約13％増と大幅高。

△ＳＴＥＩＬＡＲ<2673> ストップ高。
利回り妙味から人気化している。08年3月期は期初段階では無配を計画していたが、期末に6.5円の特別配当を実施すると発表している。経営環境は予断を許さないとしているものの、クリスタルアースの吸収合併が利益に貢献するためと。

△板ガラス<5202>---大幅高、制裁金命令も悪材料出尽くし感
大幅高。建築ガラスのカルテルで欧州委が制裁金226億円の支払命令と伝えられているが、悪材料出尽くしとも受け止められる格好に。すでに、引当金として約800億円を計上しており、こうしたリスクは十分に株価に織り込まれていたようだ。また、旭硝子に関しても、制裁金の額が企業価値に与える影響は限定的として、同様にアク抜け感が先行。

△明乳<2261> 人気化。
乳飲料など58品目の値上げを発表、評価材料とされている。来年3月1日より3-10％の幅で値上げを実施としている。野村では投資判断「２」を継続、原料コスト増の悪影響を過度に懸念してきた株式市場にとってはサプライズと指摘している。

△トラコス<9715>---大幅反発、自社株買い発表が反発のきっかけ
大幅反発。前日に発表した自社株買いの実施が好感材料に。80万株、発行済み株式数の1.88％を上限とする自社株買いを12月12日から実施するとしている。決算発表後の株価は急落歩調を辿っていたため、格好のリバウンドのきっかけ材料につながっている格好。

△ＴＩＳ<9751>---大幅続伸、大和では「１」に格上げ
大幅続伸。大和では投資判断を「２」から「１」に格上げ、買い材料につながっている。妥当株価は2560円としているようだ。業績は外部要因の影響を受けにくく、また、内部要因でも最大の悪材料は払拭されたとの判断。特定大型案件は08年5月に内部テスト完了、10-11月の納品が見えてきたとしている。

△新和海<9110>---バルチック海運指数の反発もサポート材料
大幅反発。調整一巡感が高まるなか、これまで下がり続けてきたバルチック海運指数が11日ぶりにプラスに転じたこともとりあえずサポート材料となったようだ。5日移動平均線を回復しており、目先800円レベルをめぐる攻防が続いている。同レベルを突破すれば、反発基調を強める可能性も。

△そーせいＧ<4565> 買い先行。
「AD923」のフェーズ３臨床試験の欧州での治験認証取得が材料視されているようだ。モルガンでは会社計画に織り込まれているためサプライズはないとしているが、重要な株価浮上材料が浮上したとして投資判断「Overweight-V」並びに目標株価35万円を継続している。

△ダイエー<8263>---買い気配、リーマンが「買い」推奨に格上げ
買い気配。リーマンが投資判断を「アンダーウェイト」から「オーバーウェイト」に2段階格上げ、目標株価を950円としていることが材料視されている。長期間における収益の低迷とリストラにピリオドを打ち、業績底打ちの時期が近づいてきたと判断の模様。

△タケエイ<2151> 買い気配から。
大和総研では投資判断を新規に「2」、目標株価を5000円としたようだ。循環型社会形成への貢献とともにに持続的な成長を遂げるとの見方を示しており、今後3年間の営業利益については07年度26％増、08年度17％増、09年度15％増を見込んでいると。
（フィスコ）

△島津製<7701>は連続最高業績に信用好需給が相乗し急反発
島津製作所は、３１円高の１１０５円と急反発している。１１月９日に２００７年９月中間期決算を発表、１０月２４日の上方修正値をクリアし、今３月通期業績も連続過去最高純益更新を予想したことから、信用好需給と相乗し売り方の買い戻しを交え再度上値を窺う展開となっている。同社の中間期業績は、上方修正通りに前年同期比１５％増収、１３％経常増益、１３％純益増益と増収増益率を伸ばして着地した。計測機器事業では、国内民間設備投資拡大により質量分析計、材料試験機が堅調に推移したほか、欧州、米州向けにクロマトグラフ、光分析機器が好調に伸び、海外市場向けの医用機器やターボ分子ポンプ、ガラスワインダー、太陽電池成膜装置などの需要増加も加わり２ケタ増収益となった。３月通期業績は、１０月増額値を据え置き増収増益を見込んでおり、純利益は１４８億円（前期比１０％増）と連続の過去最高を予想している。株価は、年初来高値１４４３円から１０００円大台を試す調整となり、前回業績増額時には調整幅の３分の１戻しをクリアした。ＰＥＲはやや割高だが、信用取組が０．７倍と株不足となる好需給を手掛かりにリバウンド幅を拡大しよう。

△エア・ウォーター<4088>は上ぶれ修正・最高業績見直し急反発
エア・ウォーターは、２９円高の１１６７円と３日ぶりに急反発している。１１月１４日に発表した２００７年９月中間期決算が、期初予想を上ぶれて着地し、３月通期業績も小幅ながら上方修正され連続過去最高更新の更新幅を拡大することを見直し割安株買いが継続している。同社の中間期業績は、前年同期比０．３％増収、８％経常増益、４０％純益増益となった。産業関連事業では鉄鋼・ガラス向けの酸素、化学・液晶・ＰＤＰ・半導体向けの窒素、半導体・光ファイバー・ＭＲＩ向けのヘリウム、造船向け炭酸などが供給量を伸ばし、ケミカル関連事業でもアジア市場向けに基礎化学品が堅調に推移したことなどが上ぶれ着地につながった。今３月期通期業績は、売り上げを期初予想より１００億円、経常利益を５億円、純利益を２億円それぞれ引き上げ、純利益は１４２億円（前期比１９％増）と前期の過去最高をさらに伸ばす。株価は、９月の年初来安値から日本海水の株式取得を手掛かりに２００円高し往って来いとなっているが、今回の業績増額でＰＥＲは１５倍台となお割安になる。３月の上場来高値１４５０円へのキャッチアップも視野に入ってこよう。

△セキュアード<2392>は東証１部指定替えで需給思惑高まりストップ高
セキュアード・キャピタル・ジャパンは、寄り付きの買い気配から３万円高の１８万９０００円と買われストップ高の続急伸となっている。前日２８日に東京証券取引所から１２月５日付けで市場第１部への指定替えを承認され、指定替えに伴い公募増資などの新株式発行を伴わないことから、株価指数連動型ファンドなどのインデックス買いの需給好転が期待できるとして先取りの買い物が増勢となっている。同社は、１１月８日の今１２月期第３四半期決算の発表時に今期通期業績を下方修正したのが響き、４万円超の急落を演じたばかりで、引き戻す動きを強めている。業績減額は、不動産ファンドのアクイジションフィーや不動産メザニン投資のアクイジションフィー、アセットマネジメントフィーは順調に推移しているが、資産の取得やポートフォリオ資産の一部売却が、契約相手先の事情により来期にズレ込み、居住用物件を対象とする私募不動産ファンドの年内組成も難しくなったことを要因としている。売り上げは期初予想より１億７５００万円、経常利益は３億９０００万円、純利益は２億３５００万円引き下げられたが、それでも純利益は２３億１５００万円（前期比１５％増）と前期に続く過去最高更新となる。株価は、ＰＥＲ９倍台と割安であり素直に需給好転恩恵を享受することになろう。

■白洋舎<9731>は３Ｑ業績も大幅減益と不調が続くが小反落
白洋舎は、２円安の３２６円と小反落している。前日２８日に発表した今１２月期第３四半期決算が、大幅減益、純益赤字で着地するなど悪業績が続いているが、８月２２日につけた年初来安値２９８円を前に悪材料出尽くし感も出て積極的に売る動きとはなっていない。同社は、今年８月に今期中間期・通期業績の下方修正を発表しており、３Ｑ業績はこの通期修正値に対しても低進捗率となっている。同社の３Ｑ業績は、前年同期比０．３％増収、５８％経常減益と伸び悩み、純利益は６８００万円の赤字（前年同期は５億６６００万円の黒字）と悪化した。主力のクリーニング事業で原油価格の高騰や衣料のカジュアル化が進む厳しい環境が続き、昨年の暖冬の影響や原油価格高騰が業績を圧迫し、レンタル事業でホテル向けリネンスァプライは好調だったものの、集配車両設備運営費などの経費増が響いて大きく落ち込んだ。通期業績は、８月の修正値を据え置き純利益は３億円（前期比５５％減）を見込んでいるが、予断を許さないことになる。株価は、前回業績修正時につけた２９８円安値を意識しながら底値圏形成となりそうだ。

▼ＮｏｗＬｄｉｎｇ<2447>は中間期業績の赤字着地を嫌い売り気配
ＮｏｗＬｏａｄｉｎｇは、わずか１株の売り物だが２０００円安の１１万１０００円売り気配と反落している。前日２８日に開示が遅れていた２００７年９月中間期決算を発表、減収、赤字着地となったことが嫌気されている。同社の中間期業績は、売り上げ８億３３００万円（前年同期比１２％減）、経常損失１億２１００万円（前年同期比は６１００万円の黒字）、純損失１億１９００万円（同３４００万円の黒字）と悪化した。既存のセールスプロデュース事業が、年々案件精度が高く規模も大きくなっており、企画段階から成約までのプロセスが煩雑化し、調整遅れや企画倒れとなる案件が数件発生し、持ち越し案件も発生したことが業績を押し下げた。同社は、第１四半期業績も減収赤字となったが、成功報酬型のワンストップサービスが中心のためクライアントの都合によい実施時期が遅れ売り上げ計上がズレ込んでおり、第２四半期にカバーするとしていたが、結果的に赤字幅は拡大した。ただ３月通期業績は、期初予想を据え置いており、純利益は１億１２００万円（前期比５３％増）を見込んでいる。株価は、決算発表の遅れなどから１１月２０日に上場来安値１０万１０００円まで突っ込み底固め継続となっている。再度下値確認の動きは避けられそうもない。

△特殊陶<5334>は急反発、ＮＹダウ大幅高で関連ハイテク株買い再燃
日本特殊陶業は、６７円高の１９７０円と急反発している。前日の米国市場でＮＹダウが３３１ドルの大幅続伸となり、インテルなどのハイテク株も人気となったことから関連の見直し買いが再燃しており、今３月期業績が、減益予想にあるものの期初予想よりは上ぶれ、自己株式取得などの需給好転期待もサポートしている。同社の今３月期業績は、売り上げ３４１０億円（前期比１％減）、経常利益４４１億円（同１８％減）、純利益２７７億円（同１８％減）と減収減益が予想されている。国内自動車販売の伸び悩み、ディーゼルエンジン用グロープラグ、各種センサーの増加が相殺する自動車関連事業は、増収営業増益となるものの、情報通信関連で主力のＭＰＵ用オーガニックＩＣパッケージや通信デバイス用セラミックＩＣパッケージが、主力顧客の在庫調整の影響を受け２ケタの減収減益となったことが響いた。ただ第２四半期に落ち込んだＭＰＵ用オーガニックＩＣパッケージが、第３四半期以降に回復が見込まれることなどから、期初予想に比べると経常利益は２０億円、純利益は１１億円上ぶれており、減益率はその分だけ縮小した。株価は、この減益率縮小と２５０万株（発行済み株式総数の１．０９％）、５０億円を上限とする自己株式取得を材料に８月の年初来安値１６１２円を起点に持ち直しの展開になった。信用取組の１倍割れと拮抗しており、下値対応も一考となりそうだ。

△ニチアス<5393>は続伸、通期業績を下方修正も赤字幅縮小
ニチアスは、１０円高の３６４円と続伸し１１月２２日につけた年初来安値３１０円から出直る動きを強めている。前日２８日にこの日の２００７年９月中間期決算発表に先立ち、２０日の中間期業績に続き今度は３月通期業績を下方修正、純利益がやはり１１５億円の赤字（前期は７６億２５００万円の黒字）としたが、中間期純益赤字１４７億円対比で減少することを逆に手掛かり材料に底値の打診買いを誘っている。同社は、１０月３０日に住宅用建材の耐火認定を不正取得したことを明らかにし、この取替・改修費用が約３００億円になるとして業績面への影響を精査、決算発表時期も延期されていた。この中間期業績については２０日に開示、純利益が期初予想の４２億円の黒字から１４７億円の赤字に急悪化、株価は３１０円安値まで売られ下値模索となった。今回は、これに続く通期業績の下方修正で、売り上げは６０億円、経常利益は２４億円、純利益は２０６億円それぞれ引き下げられ、純利益は１１５億円の赤字となる。中間期に取替・改修費用３００億円を特別損失に計上したほか、建材製品の売り上げ減少、製造設備の減損処理損失２２億１２００万円などが重なることが下方修正要因となる。株価は、底固め継続となっているが、相次ぐ企業不祥事に厳しい非難が高まっている環境下でなお先行き予断は許されない。

△タムロン<7740>は急反発、中国子会社第３工場稼働がきっかけ材料
タムロンは、９０円高の３２２０円と３日ぶりに急反発している。前日２８日に発表した中国の生産子会社・騰龍光学（広東省仏山市）の第３工場の稼働開始をきっかけに、好実態見直しが強まり買い先行となっている。前日の米国市場でＮＹダウ、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数とも大幅続伸したことも追い風となっている。中国の生産子会社は、１９９７年７月の設立以来、コンパクトデジタルカメラ用とビデオカメラ用のレンズニュニット、デジタル一眼レフカメラ用交換レンズの主力工場として生産能力を拡大してきたが、第３工場は、高画素携帯カメラ用レンズユニットや車載カメラ用レンズなどの生産も行い、生産能力は月産５００万台として青森県の国内マザー工場とともに拡大する需要対応を進める。同社は、業績も好調に推移、７月に２００年６月中間期業績を上方修正したあと、８月には１２月通期業績も上方修正、１０月末に発表した第３四半期決算も大幅増益・高進捗率着地となった。株価は、１０月に１部上場来高値４５５０円まで人気化したものの全般相場の急落にツレ安し大きく調整した。ＰＥＲ的には割安感は乏しいが、再度の業績上ぶれ期待も底流しリバウンド幅拡大が有力となる。
（東洋経済新報社）