11/27 朝の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

△建機メーカー各社、協力工場にライン移管
タダノ<6395>、新キャタピラー三菱、コマツ<6301>、日立建機<6305>など建設機械メーカーは協力工場への生産ライン移管を加速する。タダノは協力工場の三村鉄工（高松市）の遊休工場を取得し、建設用クレーンの旋回台の仮組みラインを移設。新キャタは明石工場（兵庫県明石市）の協力工場を“第２製造部”と位置づけ、製缶（溶接）部品などを生産するサブラインの移管を進める。部品生産のサブラインを協力工場に積極的に導入する背景には、工場の有効活用や生産効率改善で完成車組み立て能力を増強する狙いがある。
タダノが三村鉄工から譲り受けた「春日事業所」（高松市）は、もともとタダノが資材倉庫として借りていた。三村鉄工はタダノが中国に９月に設立したトラッククレーン向け油圧機器の合弁工場に出資する緊密な関係にある。タダノは建設用クレーンの志度工場（香川県さぬき市）で複数機種を混流生産する組み立てラインを１１月、１ラインから２ラインに増やした。０８年度に同工場で月産２００台（０７年度計画比１１％増）を目指すため、協力工場へのサブライン移管が一層進む見通しだ。新キャタピラー三菱は油圧ショベルを生産する明石工場の協力工場組織「明協会（めいきょうかい）」（１０１社）で板金や機械加工メーカーが所属する外製部会（３８社）を同社の「第２製造部」と位置づけ、サブラインを順次移管中。同社は明石工場の小型の生産能力を０８年度に１日３４台（０７年度比２倍）、大型を同１２台（同４倍）に増やす計画。同工場の半径３０キロメートル圏内に集中する外製部会を活用し、製缶部品を中心に移管する。コマツはフォークリフトとミニホイールローダー（ＷＬ）を生産するコマツユーティリティ栃木工場（栃木県小山市）で、協力工場を活用し部品のユニット生産を強化。メーンラインのフォークとミニＷＬの混流生産を円滑にすると同時にコスト競争力を高める。日立建機は主力協力工場の大岸製作所（埼玉県白岡町）が０８年６月に山形県南陽市に完成する新工場に、土浦工場（茨城県土浦市）で生産する本体重量２０トンと１０トンの油圧ショベル向けアームの生産ラインを全面移管する。同社は主力の２０トンのアーム生産を大岸に移し、空きスペースで本体組み立て能力を増やす。アジアを中心とするインフラ・資源開発投資の活発化に伴う世界的な需要拡大で建機各社が一斉に増産体制を敷く中、協力工場の存在感が一層高まりそうだ。

△昭和電線<5805>、電線製造にトヨタ<7203>生産方式導入－グループ全体に拡大
昭和電線ホールディングスは電線製造部門などへのトヨタ生産方式（ＴＰＳ）の導入を進める。同部門の一部にＴＰＳを先行して採用し、段取り替え時間を３０％以上短縮するなどの成果が出ており、グループ全体に展開して生産効率の向上を図る。複写機用ローラーの製造部門でもＴＰＳの導入を始めており、今後は愛知工場など国内の生産拠点を中心にして半年に１カ所のペースで拡大していく。被覆電線製造子会社の吉田電線（東京都港区）の三重工場では、生産量が比較的多い動力用ＣＶケーブル（架橋ポリエチレンを絶縁体に使ったケーブル）などのラインで、ボトルネックだった４工程にＴＰＳを導入し、ボビンの交換などを行う段取り替え時間を従来比で平均３２％、最高４１％短縮した。受注から出荷までの時間（製品リードタイム）も、これまで約１５日かかっていたのが３―７日に縮まった。在庫管理やかんばん方式を徹底することで、０４年度末と比べ仕掛かり在庫数を半減したほか、製品在庫の２０％削減も実現した。三重工場に隣接する他事業部門への横展開や、複写機用ローラーの生産拠点である海老名工場でもＴＰＳを採用している。昭和電線は０６年から、ＴＰＳ導入のため専任者５人を置く専門プロジェクト「ＳＰＳ（ショーワ・プロダクション・システム）プロジェクト」を立ち上げ、改善活動に取り組んでいた。

△東レ<3402>、生産ライン管理機器の安全対策を強化
東レはトレンドマイクロ<4704>と協力し、国内の生産拠点での生産ライン管理機器のセキュリティー対策を強化する。生産管理システムの統合に伴い、全１２カ所の事業場・工場でトレンドマイクロのネットワークウイルス対策アプライアンス（用途に特化した製品）を１００台採用。０８年３月までに導入作業を完了する。ネットワークウイルス対策や障害発生時の接続保持といった機能により、本社と各拠点を結ぶセキュリティー性の高い情報システムを構築する。２４時間操業を基本とする東レの生産拠点は、システムの停止や再起動をすることが難しく基本ソフト（ＯＳ）へのパッチ（修正プログラム）適用やウイルス対策ソフトの導入が難しい。このため専用ＬＡＮによる各拠点内の通信に限定していたが、このほど本社と拠点の情報システムを相互接続するため生産管理システムを統合。一方で、拠点外のパソコン端末などからネットワークを通じてウイルスに大規模感染する危険性が高まり、生産ライン管理機器へのネットワークウイルス対策が急務となっていた。同アプライアンス「ネットワークウイルスウォールエンフォーサー１２００」は、導入時にシステムを止める必要が無い。またネットワークを流れる不正なパケットを検出・遮断するほか、障害発生時でもネットワークを利用できる。東レは既にトレンドマイクロ製品の導入実績があり、運用管理を一元化できることも導入の決め手となった。同アプライアンスで１００台以上の納入はトレンドマイクロにとってこれまでにない契約になり、この実績をもとに製造業向け販売を拡充。０８年１２月期に前年度比２倍となる１０億円の事業売り上げを目指す。

△ＮＥＣ<6701>、ＩＴ環境の省電力化を推進－ＣＯ２を９１万トン削減へ
ＮＥＣは２６日、ＩＴ環境の省電力化を推進する総合施策「リアルＩＴクールプロジェクト」を策定したと発表した。サーバやストレージ（外部記憶装置）などＩＴ機器の省電力化やデータセンター（ＤＣ）の空調設備の最適化といった取り組みを強化。２０１２年までに対象機器の電力を年間で５０％、二酸化炭素（ＣＯ２）排出量を累計で約９１万トン削減する。併せて従来機比で最大６０％の省電力化を実現するＤＣ向けサーバ「エコセンター（開発コード名）」を０７年度末に投入する。プロジェクトはエコセンターをはじめＩＴ機器の省電力対応のほか、省電力制御のソフトウエア、ＤＣやマシンルームの冷却設備などの消費電力削減を支援するファシリティーサービスの３領域を対象に推進。丸山好一執行役員常務は「当社はコンセプト中心ではなく具体的な製品やサービスの提供までをカバーしている」と述べプロジェクトの先進性を強調した。約９１万トンのＣＯ２削減目標は、同社のＩＴ機器の２０１１年までの出荷台数の伸び率を前提に、出荷した機器が５年間稼働した場合で試算した。機器関連では部品レベルでの対応策に加えて、現状の２倍の冷却性能を実現する次世代技術や電力損失を従来比７０％削減できる高効率の電源装置など実用化。ソフト関連では消費電力の上限を制限する機能や機器のＤＣ内の熱源（ホットスポット）を検知して発熱を均質化する機能などを順次提供する。ファシリティー関連ではＩＴ機器と空調設備の最適なレイアウトを設計する「熱シミュレーションサービス」を０８年１月に提供。０９年度には電源・室温度センサーと連携してＩＴ機器や空調機の制御を最適化する「省エネ運用管理サービス」の開始を計画する。サービスはＮＥＣフィールディングが受け持つ。

△関電<9503>とＯＫＩ<6703>、アクセス系光ファイバーで新技術－情報通信量４０倍に
関西電力は２６日、ＯＫＩ（沖電気工業）と共同でアクセス系光ファイバーの情報通信量を従来比４０倍にアップする技術を開発したと発表した。「ビット多重方式」と呼ばれる通信方式を用いて各家庭に設置しているメディアコンバーターの処理能力を引き上げ、毎秒４０ギガビット（ギガは１０億）の通信に成功した。今後は気温変化の影響に関する検証実験を進め、２０１０年以降の実用化を目指す。現在、通信局と家庭などを結ぶアクセス系光ファイバー１本に流れる情報は３２ユーザーで共有する。今回は４０ユーザーで共有しても、１ユーザーあたり毎秒１ギガビットの容量を常時確保できるビット多重方式をアクセス系に採用した。今回の通信技術を活用すれば、家庭用ビデオ映像の送受信や遠隔診療などの利便性向上が見込める。

△電子部品主要４４社、０７年９月中間－需要拡大し３５社が増収
電子部品主要４４社の０７年９月中間は携帯電話や薄型テレビなど電子機器向けの需要が堅調に拡大し、３５社が増収となった。一方、価格競争の激化や原材料価格の高騰、事業構造改革の影響などで営業利益の増加は２６社にとどまった。今後も電子部品需要は拡大基調にあるものの、原材料の高止まりや価格下落が収益を圧迫する見込み。米国の信用度の低い個人向け住宅融資（サブプライムローン）問題による景気減速が懸念材料となる。
「第２四半期から全アプリケーションが好調だった。中間期の売上高は見込みより６３億円の増収となった」（外丸隆太陽誘電<6976>常務）。０７年９月中間では携帯電話や薄型テレビ、パソコン、ゲーム機、自動車向けなど、全般的に電子部品の需要が伸び、電子部品メーカーの収益を押し上げた。コンデンサーは電子機器の高機能化を受けて小型・大容量品が好調に推移。インダクターは電子機器内部のノイズ対策などで増加した。水晶デバイスも携帯電話を中心とした需要拡大や、搭載機器の多機能化による使用個数の増加などが業績拡大に寄与した。
一方、薄型テレビに見られるようにセット製品の価格下落が著しく、国内外で競争が激しい電子部品への値下げ圧力が増した。「平均３―４％の値引きがあり生産革新で吸収しきれなかった」（黒岩護新光電気工業<6967>社長）。原価低減への取り組み強化が一層重要になっている。
「銅や銀などの価格が上がっている。使用量をいかにして減らすかを考える」（望月晴夫富士通コンポーネント<6719>常務）との声があるなど、原材料高も各社の利益を圧迫した。
ＫＯＡ<6999>は営業減益分の７、８割が原材料価格の高騰の影響だったと分析する。
下期以降の見通しについては「第３四半期（１０―１２月）まではいいが、０８年１―３月の受注状況がまだ見えない」（堀口信浩ミツミ電機<6767>常務）など不透明感が漂う。「ここにきて急速な円高になっている」（同）のもマイナス要因だ。ミツミ電機は中間決算発表時で通期の売上高、各利益を上方修正したが下期だけでみれば堅めの数字にしている。
「クリスマス商戦向けが例年より１カ月早い。どうなるか注視している」（須賀純一日本ケミコン<6997>常務）など、米国のサブプライムローン問題の影響で米国の景気がどう変化するのか関係者の関心は高い。「テレビの売れ行きが悪いようだ」（同）といった指摘もあり、米国が落ち込めば影響は大きい。
こうした懸念材料をぬぐい去れば「年明け以降もそう大きくは下がらない」（松本邦彦ＮＥＣトーキン<65759>専務）。米国の景気減速が緩やかであればアジアを中心とした新興国の需要拡大でその分吸収できる。０８年夏の北京五輪に向けた需要も追い風になる。

△スズキ<7269>、中国に２輪合弁工場を建設－製造・販売体制を強化
スズキが中国に２輪車生産の新工場を建設することが２６日、明らかになった。技術援助先である江門市大長江集団（広東省江門市）と合弁提携し、江蘇省南部の常州市に新工場を建設する計画。大長江集団は中国最大級の２輪車メーカー。常州市は上海市に近く、２輪車の需要拡大が見込まれることから、技術援助から合弁提携に発展させ製造、販売体制を強化する。両社はすでに常州市に１００万平方メートル近い工場用地を確保したもようで、近く合弁契約を結ぶ。出資比率など詳細は現在、詰めているが、大長江集団が過半数を占め、６０対４０とする案が有力。工場は０８年後半にも稼働する予定で、排気量１２５ｃｃクラスの小型バイクを生産する。

△日阪製作<6247>、中東のビル空調向け熱交換器市場に参入
日阪製作所は０８年度に中東のビル空調向け熱交換器市場へ参入する。年内にも現地空調機メーカーと業務提携し、プレート式熱交換器の供給を始める。将来は現地でノックダウン生産する。豊富なビル建築需要を背景に、これまでのプラント分野に加え、建築設備分野での熱交換器需要を開拓する。２０１０年度までの３年間で、中東の空調市場で売上高約３００億円を見込む。すでに業務提携先を３、４社に絞り選定に入った。合弁による生産会社設立や資本参加は予定せず、提携先の工場を活用しノックダウン生産も視野に入れる。日阪製作所は中東で石油や化学、電力プラント向けに熱交換器を年間約３０億円販売しているが、空調向けの実績はない。現在、中東ではドバイを中心にビル建築の需要が拡大している。同社の推定では、今後１０年の空調需要は１３５０万冷凍トン（１冷凍トンは１トンの水を２４時間で氷にする能力）。

▼空調設備工事８社の今３月期見通し－５社が減益に
空調設備工事主要８社の０８年３月期見通しは、高砂熱学工業<1969>と大気社<1979>を除く６社の経常利益（損益）が前年度比で減少または赤字となる厳しい決算となりそうだ。２―３年前に受注した都市部の大型再開発物件を中心に赤字が拡大するため。
三機工業<1961>は大型受注を積極的に行った結果、設備工事の前段階の遅れや外注業者の人件費高騰の影響を受け本業のもうけを示す営業赤字が５４億円となる見通し。
新日本空調<1952>など４社は、営業利益段階で前年度実績を下回る見通し。大型再開発物件の赤字の影響は各社とも０７年度がピークとなる見通し。各社は採算重視の選別受注を強化しており、０８年度には増益基調に転換すると見られる。

△オークマ<6103>、中国で工作機械を３割増産－車・金型向け需要に対応
オークマは中国で工作機械を３割増産する。現在、生産子会社の北一大隈北京机床（北京市）がＮＣ旋盤や立型マシニングセンター（ＭＣ）、横型ＭＣを月間５０台生産している。従業員の技能レベルが向上してきたため、これを０８年１月から月産６５台にする。中国で０８年３月期に１００億円の売り上げを見込んでおり、増産により０９年３月期は売り上げも３割伸ばす考え。北一大隈は、現地工作機械メーカーと０２年に設立した合弁企業。オークマが５１％を出資し、中国向けの低価格機を生産している。設立当初から月産１００台の生産能力をもっている。従業員の技術レベルの問題のほか、今までは市場が成長していなかったため生産台数を抑えてきた。中国は自動車産業や金型などの産業が好調で、工作機械市場は成長を続けている。従業員の育成も進んでおり、需要の高まりに対応するために増産することにした。

△河西工業<7256>、ルーフトリムをウレタン素材から一貫生産
河西工業は、自動車のルーフトリム（天井内張り）をウレタン素材から一貫生産する。自動車内装部品メーカーの三和工業（広島市安佐北区）から技術供与を受け、０９年にも国内と米国でウレタン発泡・スライスなどに着手する。投資額は各拠点で最低でも１０億円にのぼる見通し。既存のプレス成形・組み立てと合わせ、ルーフトリムを一貫して手がけることで、コスト競争力を引き上げ、自動車メーカーからの受注増に拍車をかける。河西工業はこの拡充策で、年間２００億円弱のルーフトリムの売り上げを６０億円程度上積む見込み。群馬県の子会社では０８年夏にもウレタン発泡設備などの導入に着手、同所でルーフトリムを一貫生産するほか、寒川工場（神奈川県寒川町）にウレタン素材を供給する。米国では、テネシー州あるいはオハイオ州の工場に０９年にも発泡やスライスの設備を導入する計画。

△トヨタ<7203>、安全技術開発を強化－大型シミュレーターで運転特性を解析
トヨタ自動車は２６日、交通事故低減に向けた予防安全技術の開発を強化すると発表した。東富士研究所（静岡県裾野市）に、世界最大級の移動範囲をもつ新開発のドライビングシミュレーターを設置。運転特性を解析、安全技術を開発する。高度道路情報システム（ＩＴＳ）技術を活用したインフラ協調による安全運転支援システムなどと合わせ、関連技術の開発を加速する。岡本一雄副社長は同研究所で、「安全対策を究極までやるのがメーカーの使命。ドライビングシミュレーターでの実験結果は３、４年後に新車に搭載したい」と述べた。シミュレーターでは直径７・１メートルのドーム内に設置した実車に乗り、映像に合わせ運転操作する。ドームの移動範囲は縦３５メートル、横２０メートル。これまで難しかったブレーキ時の減速感や乗り心地などを再現する。最高体感速度は時速３００キロメートル。同装置を用いて運転特性の解析や安全技術の検証をする。

△新日石<5001>、簡易ガス団地に燃料電池を集中設置－年内愛媛に２２台
新日本石油は２６日、簡易ガス団地に燃料電池システムを集中設置すると発表した。同社傘下の簡易ガス会社が、愛媛県今治市の「夢が丘団地」に２２台を年内に設置。簡易ガス会社が燃料電池システムを設置するのは今回が初めてという。オール電化攻勢の強まりから、今後も同様の事例が増えていきそうだ。同システムを設置するのはコーアガス愛媛（松山市）。出力７５０ワットの液化石油ガス（ＬＰＧ）仕様の家庭用燃料電池システムで、大規模実証事業で新日石が０７年度に設置を計画する３９６台に含まれる。新日石では今回の集中設置によって工事の効率化を進め、設置にともなうコスト削減効果の検証も行う。

△クラレ<3405>、高強力ポリアリレート繊維の販売体制を強化
クラレはスーパー繊維の一つである高強力ポリアリレート繊維「ベクトラン」の生産能力増強に合わせ、販売体制を強化した。事業部横断のベクトランプロジェクトチーム（ＰＴ）を立ち上げた。また用途開発、品質向上の研究開発チームを岡山事業所（岡山市）、倉敷事業所（岡山県倉敷市）、クラレ西条（愛媛県西条市）のそれぞれに設置。「次世代ベクトラン」の開発にも着手した。プロジェクトチームと一体となった活動で「ベクトラン」の市場拡大を図る。これらの取り組みにより、現在１０００トンの年産能力を２０１５年には同３０００トンへの増強を実現する。事業部横断ＰＴの「ＤＡＳＨ１０００トン」は、繊維カンパニーでベクトラン以外の製品を販売する五つの販売部から代表メンバー約２０人が参加し、用途開拓、新規顧客開拓に注力する。

△佐藤食品<2814>、野菜・果物粉末を本格販売－品質高めて品ぞろえ拡充
佐藤食品工業は野菜や果物を粉末にした「フレッシュ野菜パウダー」の販売を本格化する。品質を高めて品ぞろえを増やすほか、外食などへの販路拡大も模索する。２０１３年３月期に年間１０億円の売り上げを目指す。飲料や調味料などの粉末製品に次ぐ収益の柱に育てる考え。フレッシュ野菜パウダーでは、これまでにレモンやトマト、イチゴなど１２品種の粉末化に成功している。サンプル品を中心に、現在は主に菓子や飲料のメーカーに販売している。佐藤食品工業では０８年３月までにモモ、オレンジ、ブルーベリー、大根などを追加して、計３０品種をラインアップする計画だ。今後、品種を増やすことで新たに健康食品メーカーなどへの販売も本格化する。さらに弁当などの中食産業や外食産業で隠し味などとして使ってもらうため、独自のレシピなども検討する。

△外資系生命保険９社、０７年９月中間－７社が保険料等収入増
外資系生命保険９社の０７年９月中間は、主力の保障性商品などの伸びが寄与し、アメリカンファミリー生命保険（アフラック<8686>）、プルデンシャル生命保険など７社の保険料等収入が増加した。アリコジャパンとＡＩＧスター生命保険の２社は、保険料等収入が２ケタ台の減少。アクサ生命保険は新たに投入した円建て変額個人年金保険の銀行窓口販売チャンネルでの伸びが増収に寄与した。０６年度に貯蓄性商品の伸びに一服感があった外資系生保も、ここへ来て巻き返しの動きを見せている。アフラックはがん保険や医療保険の保有契約件数を堅調に積み上げていることを背景に、保険料等収入で前年同期比プラスを継続、新契約年換算保険料もプラスとなった。
（日刊工業新聞）

△ソフトバンク・テクノロジー<4726>　携帯電話の法人向けサービス「Ｂｉｚフェイス」を開始
ソフトバンク・テクノロジーは２６日、ソフトバンクモバイル（本社：東京都港区）と共同で、携帯端末の待ち受け画面や操作ボタンを各企業の業務に合わせてカスタマイズできる、法人向けサービス「Ｂｉｚフェイス」を来年１月から開始すると発表した。同サービスは、業務上使う電話番号や、業務システム・グループウェア等の社内システムにアクセスしやすいように、待ち受け画面にショートカットのボタンを設定したり、「Ｙ！」ボタンに利用機能を割り当てるなど、クリック一つで操作することができるように、あらかじめ利用用途に合わせて遠隔から一括して設定できるというもの。業務上必要な情報を利用者が端末に個別で設定する手間が省けるほか、端末の操作性がアップすることで社内システムとの連携によるスムーズな業務遂行が期待できる。これまでに、ウィンドウズ携帯向けのアプリケーションサービスや、携帯電話への安否確認ＡＳＰサービスなど、法人向けに安心して使用できる、セキュアな携帯アプリケーションサービスに取り組んできているが、今後、「Ｂｉｚフェイス」と合わせ、携帯電話向けアプリケーションサービスで、３年間で３０億円の売上げを見込んでいる。

△レカム<3323>の前９月期は黒字転換達成、今期も大幅増益見通しで１５００円の復配へ
レカムが２６日引け後に発表した前０７年９月期連結決算は、売上高１１９億１６００万円（前々期比８７．５％増）、経常利益１億１６００万円（前々期は４億４０００万円の損失）、純利益６００万円（同６億１００万円の損失）と当初の利益計画より下方着地となったものの、黒字転換を達成した。新商品であるＰＨＳ端末「９（ｎｉｎｅ）」の販売が好調に推移したほか、情報通信機器販売事業において販売チャネルの拡大施策を実施したことなどにより、売上高は過去最高となった。また、利益面では、グループ内の管理部門の統合や中国の連結子会社へのＢＰＯ推進が奏功し、販売管理費を抑制した。なお、純利益については、昨年１０月に連結子会社としたアレックシステムサービスの純資産減少によるのれん一時償却額３６００万円、携帯ショップの店舗閉鎖損失５００万円、固定資産の減損損失３６００万円等、計８４００万円の特別損失を計上している。今０８年９月期の連結業績予想は、売上高１２７億円（前期比６．６％増）、経常利益３億９０００万円（前期比３．３６倍）、純利益２億７０００万円（同４５倍）、１株当たり純利益５０３０円１８銭を見込む。前期は、単体において純損失計上という結果に終わったことから配当を見送ったが、今期は期末（＝年間）１５００円配当を予定している（前々期実績は５５０円）。

△一六堂<3366>　特別利益及び特別損失の発生を発表
一六堂は、２６日引け後に特別利益及び特別損失の発生について発表した。主力業態である和風ダイニングの「天地旬鮮　八吉　秋葉原ワシントンホテル店」を営業しているが、賃貸人より老朽化した建物を建て直したいとの申し出があったことから、０８年３月をもって、閉店することになった。その結果、３億３３００万円の特別利益が発生すると共に、明け渡しに伴い固定資産除却損及びリース契約解約損として、８０００万円の特別損失が発生する見込み。なお、特別利益及び特別損失は、０９年２月期の業績に織り込む予定。

△ユニバース<3078>　中間・通期業績予想を上方修正
青森県を中心に食品スーパーを展開するユニバースは、２６日引け後に０８年４月期中間期及び通期業績予想の上方修正を発表した。中間期の連結売上高は、前回予想を４億８４００万円上回る４６８億６０００万円（前回予想比１．０％増）、経常利益は４億３５００万円上回る１８億７０００万円（同３０．３％増）、純利益は２億１００万円上回る９億４０００万円（同２７．２％増）となる見通し。通期についても当初の予想を引き上げ、連結売上高が４億８９００万円上回る９４１億３０００万円（同０．５％増）、経常利益は４億６６００万円上回る３３億２０００万円（同１６．３％増）、純利益は２億２６００万円上回る１７億１０００万円（同１５．２％増）とした。既存店売上高が順調に推移したことに加え、利益面では売行きに合わせた製造や午後４時の第二開店に合わせた売込みを強化したことで、値下げ・廃棄が減少したことから、粗利益率が改善した。また、水産一括物流による物流費の改善効果もあり、中間経常利益は前年同期比で６２．２％増、通期でも２５．８％増と大幅増益となる見込み。なお、純利益は前年比では減益が見込まれているが、前年度は吸収合併した子会社の累積損失を引き継ぎ、法人税等の支払いがほとんど無かったことにより数字が膨らんだもので、今期は平常に戻ったと言える。
（証券日刊新聞）

△ディップ<2379>、子会社を再編　２社吸収し経営資源集中
派遣求人情報やアルバイト情報などの提供サイトを運営するディップ（東京都港区）は、子会社の再編成に乗り出す。出資比率８０％の連結子会社、ブックデザイン（東京都港区）の全株式を追加取得し完全子会社化する。さらに、取得後のブックデザインとディップの全額出資子会社、イー・エンジン（東京都港区）の２社を１月１日付で吸収合併する。経営資源を集中させることで、グループのシナジー効果を追求していくのが狙いだ。ブックデザインは、ディップグループで主力事業と位置づける転職情報サイト事業の広告制作やウェブデザインの企画、コンテンツ（情報の内容）の編集作業、採用ホームページの制作などを手掛けている。一方でイー・エンジンは、転職情報サイト事業でサイトの企画・運営を展開している。求人広告市場は今後も右肩上がりの成長が予想されている。しかし、参入企業の増加に加え、顧客のニーズの多様化で、サービスの質の向上が求められており、生存競争は激化している。激しい競争を生き抜くためには、意思決定の迅速化や人材活用の効率を高める必要があると判断。子会社２社に持たせた機能をディップに集約することにした。ディップの２００７年２月期連結業績は、売上高が前期比６３％増の８４億３４００万円と大幅な増収を記録。しかし、営業利益は１％減の６億３１００万円、最終利益は４６％減の１億８８００万円と減益を余儀なくされており、グループ経営の効率アップが課題となっていた。

△トヨタ<7203>、広州で生産拡大　来年半ばに２０万台
トヨタ自動車は２６日、世界戦略車「カムリ」を生産する中国・広州市の広州工場の最新の様子を報道陣に公開し、増産態勢を強化していることを明らかにした。２００７年の年産１７万台（計画）を、来年半ばまでに２０万台まで増やしたい考えだ。カムリの現地販売は絶好調で、来年には小型車「ヤリス」（日本名ヴィッツ）の生産も開始する。０９年をめどに敷地内に第２工場の新設も予定。トヨタは急成長する中国市場で攻勢を強め、販売シェア１０％を目指す。「最新の生産設備や仕組みをすべて入れた」（葛原徹広州トヨタ社長）広州工場は、現地メーカーとの合弁で昨年５月に操業開始。現在８０秒に１台の割合で生産しているが、今後６１秒にまで縮めて増産につなげる。新工場では生産車種を拡大。スポーツ多目的車（ＳＵＶ）生産などを検討している。工場の中では若い中国人従業員がてきぱきと作業を進めていた。従業員らは「トヨタ生産方式」への理解度も高く、葛原社長は「（無駄を省く）カイゼンの提案も積極的」と話した。別の幹部は「品質はトヨタの海外工場の中でも非常に高い。日本の工場に負けないほど」と胸を張った。
工場周辺には、豊田通商<8015>やデンソー<6902>、アイシン精機<7259>などグループ企業も進出して「トヨタ村」を形成。工場間を地下道でつなぎ「ジャスト・イン・タイム方式」で部品供給する効率的な仕組みを整えた。トヨタは中国での現地生産を加速。広州のほか天津と成都（四川省）、長春（吉林省）の計４カ所に車両組立工場があり、今年は９月までの累計で前年同期比６１％増の約３０万台を生産した。

△「ワイマックス」商用化　通信機器メーカーの国際的合従連衡加速
次世代高速無線通信規格「ワイマックス」が、世界で商用化に向けた動きが進むなか、基地局など関連機器・設備を提供するメーカーの陣取り合戦が激しさを増してきた。フィンランドのノキアや仏アルカテル・ルーセントなど大手に加え、
富士通<6702>やＮＥＣ<6701>など日本メーカーも世界展開を狙う考え。急成長している中国メーカーも勢力拡大を目指す。データ通信機器大手の米シスコも企業買収によりワイマックスで移動体通信分野に本格参入。国際的な合従連衡の動きも加速しそうだ。
日本では現在、総務省がワイマックス事業者選定作業が進行中。ＮＴＴドコモ<9437>グループなど３陣営が名乗りをあげ、少なくとも１陣営が来月中に免許を取得する予定だ。全国ネットワークの構築には１４４０億～２５００億円のコストがかかるとみられている。
通信事業者の機器・設備の発注は免許交付後となるが、すでにノキア子会社のノキア・シーメンスやアルカテルが参入へ準備中。カナダのノーテルネットワークスは東芝と提携し、技術開発を進めている。
中国大手の華為技術も沖電気工業<6703>などと提携し、参入を目指している。
東芝以外の日本勢では、日立製作所<6501>がイスラエルの無線ブロードバンド技術会社、アルバリオンと共同で技術開発を進めている。通信機器メーカーのＮＥＣ、富士通も実験を重ね、「どの事業者が免許をとっても大丈夫」（林完自・富士通テレコム事業推進室長）というように、免許が交付され次第、積極的な営業を展開する見通しだ。
ワイマックス規格は、これまで通信機器業界では影が薄かった半導体最大手の米インテルが主導するなど、従来の携帯電話とは異なり、機器・設備への参入プレーヤーが多い。ノキアやアルカテル、ノーテル、米モトローラなど国際展開する通信機器大手に加え、シスコも今年１０月にイスラエルのワイマックス機器大手ナビーニ社を買収して本格参入した。米では大手携帯電話事業者のスプリント・ネクステルが２０１０年までに５０００億円超を投入してネットワークを建設する計画。インテルやモトローラ、韓国サムスンなどが機器提供で参加している。２０１０年には世界で関連機器・設備市場の規模が１兆円を超える見通しで、各メーカーの競争が激化するのは必至。日本メーカーも国際展開へ向け、ＮＥＣが台湾にワイマックスの研究開発センターを設置する予定のほか、富士通や日立も海外メーカーと提携する検討を進めている。携帯電話事業で世界大手メーカーに大きく後れを取った日本メーカーが、ワイマックスで存在感を示せるか注目されそうだ。

△ダイキサウンド<3350>、中国子会社を譲渡　エフアンドエスに３０００万円で
インディーズ系ＣＤの卸販売などを展開するダイキサウンド（東京都品川区）は、中国子会社の北京至高科技（河北省北京市）を、コンピューターソフトなどの開発を手掛けるエフアンドエス（横浜市港北区）に譲渡した。経営再建中のダイキサウンドは、子会社や関係会社の整理や統廃合を進める一方で、注力事業に経営資源を充てる事業の選択と集中を進めており、中国子会社の売却もその一環だ。北京至高科技は、目覚ましいスピードで普及する中国携帯電話市場で、携帯電話向け音楽ダウンロードサービスや、データベースの入力作業のアウトソーシングなどを展開するために２００６年２月に設立した。資本金は４１００万円で、そのうちダイキサウンドが７３・２％出資している。しかし、中国での携帯電話向け音楽ダウンロードサービスを展開するには、高いハードルが存在。著作権や課金の仕組みなどの体制を構築するのが難しく、事業を軌道に乗せるためには当初想定していたよりも期間と資金がかかると判断。中国における携帯電話向け音楽ダウンロードサービス事業からの撤退を決めた。ダイキサウンドは保有している北京至高科技の全株をエフアンドエスへ譲渡する。譲渡金額は３０００万円としている。

■台湾社のソニー<6758>提訴　強まる「知財重視」　背景に市場拡大
メモリーカードの知的財産をめぐり、台湾のパワーデジタルカード社（ＰＤＣ）がソニーを相手取って訴訟に踏み切る背景には、台湾をはじめアジア企業の技術水準の高まりがある。技術力を背景に、アジアのメーカーは「知的財産重視」の姿勢を強めている。欧米企業を相手に巨額賠償を勝ち取るケースも出ており、日本企業はより慎重な対応が迫られている。ＰＤＣ側は、問題となったメモリーカードの情報について、「ソニーへのＯＥＭ（相手先ブランドによる生産）供給の契約を前提として提供したもの」と主張している。ただ、ＰＤＣは守秘義務契約がないまま情報開示した経緯もあり、訴訟では、このあたりを裁判所がどう判断するかも焦点となりそうだ。メモリーカードの市場規模は成長の一途をたどっている。日本記録メディア工業会は、２００７年の世界需要は前年比４０％増の５億４０００万枚、３年後には７億７０００万枚と予測する。近年は、こうした“金のなる木”である製品の知財をめぐり、韓国や中国のメーカーが海外企業を訴えるケースも目立っている。９月には中国の裁判所が、フランスの大手電機メーカーを特許侵害で訴えた現地企業の主張を認め、仏メーカーに数十億円の巨額賠償を命じた。台湾は半導体や液晶テレビを中心に日本のＯＥＭ先として存在感を高めており、日本メーカーの「海外工場」の側面も持つ。こうした国際分業の広がりが、知財紛争のタネとなる可能性もあり、日本貿易振興機構（ＪＥＴＲＯ）知的財産課は、「日本企業には一層、細やかな知財対策が必要」と警鐘を鳴らす。

△マイクロソフトなど教育機関のＩＴ化を支援　パートナー制創設
マイクロソフトは２６日、小学校から高校まで教育機関のＩＴ（情報技術）化を支援するサービス「エデュステーション」を共同で展開する企業パートナー制度「エデュステーションパートナー」を創設したと発表した。
ＮＥＣ<6701>など関連製品やサービスを提供する１１社が参加した。
エデュステーションは、マイクロソフトが今年６月に日本専用のソリューションとして教育機関向けに提供開始。パソコンやインターネットを活用した授業プログラムのほか、ＩＴを活用して保護者や地域とのコミュニケーションを促進するシステム、防犯システムなど学校の抱えるＩＴ化の課題に総合的に対応する。すでに１０の教育機関で導入されているという。
新たに創設したパートナー制度は、ＮＥＣのほか、内田洋行<8057>、大塚商会<4768>など関連製品やサービスを販売する企業１１社が参加。マイクロソフトはパートナー企業に教育分野向けのソフト提供や技術支援、教育機関向けのセミナーなどを行い、各社の販売活動を支援する。
パートナー制度の導入により、マイクロソフトとしては全国約１７０の教育機関へのエデュステーション導入を目指す。

△王子<3861>ネピア　２箱３０００円ティッシュ　今度はクリスマス限定
王子ネピアは、クリスマス向け超高級ティッシュ「聖なる超鼻セレブティッシュ」をネット上で限定販売する。価格は２箱組で３０００円。箱全面に金箔（きんぱく）などでデザインを施し、保湿効果を高めた高級パルプ１００％ティッシュをぜいたくに３枚重ねにして表裏ともプリント柄で飾った。
「楽天<4755>市場」サイト内で、１２月３日午前９時から１１日午後６時まで受け付ける。同社の「究極のティッシュ」企画第２弾。今年２月に行った前回は３０００セットが即日完売したため、販売数量を５０００セットに引き上げた。

△組立ロボット用精密力センサー　ファナック<6954>が１月発売
ファナックは、組立ロボットなどの手首先端に装着し力加減を制御する力センサーに、１０キログラム負荷タイプ「Ｆｏｒｃｅ　Ｓｅｎｓｏｒ　ＦＳ－１０ｉＡ」をラインアップに加える。物に力を加えたときの形状の変化を感知するひずみゲージに、従来の金属箔に比べ５０倍の検出感度を備えた半導体を初めて採用。最小検出感度も従来比８倍の２０グラムに高めた。これにより、電子部品など小さな部品を感知できるようになり、熟練作業者に頼っていた精密組立が可能になった。また、より高い剛性構造により、定格荷重の１６倍（１６０キログラム）の負荷に耐えられる耐衝撃性を備えたほか、検出した力が指定値以上の場合にロボットを即座に停止させる機能を搭載した。発売は２００８年１月で、価格はオープン。デジタル家電メーカーや自動車関連メーカーなどを対象に、国内外で年間１５０台の販売を見込む。
（FujiSankei Business i）