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<イラン核>IAEAに手詰まり感 欧米で「攻撃」発言も 毎日新聞 11月23日23時41分配信 【ウィーン中尾卓司】イラン核問題は、国際原子力機関(IAEA)が中部ナタンツのウラン濃縮施設完成を確認したことで、新たな局面に入った。イランが国連安全保障理事会決議を無視し、核兵器製造にも転用できるウラン濃縮活動を本格化させたことに米英仏などの欧米諸国は強く反発、「イランに核爆弾保有を許すのか、それとも、イラン攻撃か」(サルコジ仏大統領)と、「究極の選択肢」をめぐる発言も相次ぐ。IAEAのエルバラダイ事務局長は、8月にイランと合意した「作業計画」を進め、平和的解決に道を開こうと懸命だが、イランの非協力で思うように作業が進まず、手詰まり感が漂っている。 「これはリトマス試験紙だ」。エルバラダイ事務局長は、「作業計画」で、イランの姿勢が試されていると強調する。「作業計画」は、イラン核開発の未解明の問題を解決しようと両者が8月に合意したもの。エルバラダイ事務局長は、イランに「はっきり答えてくれないと、誰もイランを支持しなくなる」と決断を迫る。 だが、イランは作業計画に終始、「受け身」な対応を続ける。11月になっても、核開発の狙いが、イランの主張する「平和利用」なのか、核兵器製造を目指したものかははっきりしない。エルバラダイ事務局長は、今月初旬、イラン首脳との直接協議で事態打開を図ろうとテヘラン訪問を試みたが実現しなかった。エルバラダイ事務局長は22日、手詰まりともいえる現状に「(欧米諸国との)交渉再開が早いほど、危機の打開も早くなる」と対話の重要性を訴えるが、決め手に欠ける状況が続く。 ◇IAEA報告書「情報には限界」 IAEAが今月15日にまとめた報告書は、ウラン濃縮活動について「現在、得られる情報には限界があり、核計画の目的を(平和目的と)結論づける立場にない」とイランの非協力ぶりにいら立ちを表した。イランでは、過去に高濃縮ウランが検出されているが、その出どころは依然として不明だ。イランが秘密裏に、ウラン濃縮を進めた疑惑は、完全には払しょくされていない。また、金属ウランを半球体に加工する技術や、起爆装置実験など核兵器開発に不可欠な技術開発の目的も未解明のままだ。 報告書について、米国は「失望した。引き延ばし戦術はイランの常とう手段だ」(シュルティ・ウィーン国際機関代表部大使)とイランを厳しく批判。一方、イランは「イラン核問題を国連安保理に持ち込んだのは、歴史的失敗だ」(ソルタニエIAEA大使)と米国を非難する。 IAEAと並び、調停役と期待される欧州連合(EU)は、ソラナ共通外交・安全保障上級代表が30日に、ロンドンでイランの核交渉責任者、ジャリリ最高安全保障委員会事務局長と会談する。ただ、事態の急進展は望み薄だ。 安保理常任理事国(米英仏中露)とドイツは、ソラナ氏が近くまとめる報告書を受けて、安保理での追加制裁が必要かを協議する。米英仏3カ国とドイツは、イランのこれまでの対応に不満を表明しており、安保理での追加制裁論議を前提に、今後、イランに対する圧力と外交攻勢をかける構えだ。 PR |
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