11/16 朝の『株価材料』PART Ⅳ

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■株価材料

△ツクイ<2398>　中間業績は２ケタ増収大幅増益で黒字転換
ツクイは、１５日引け後に０８年３月期中間業績を発表した。売上高１４２億２２００万円（前年同期比２３．２％増）、経常利益６億３００万円（前年同期は７０００万円の損失）、純利益２億８５００万円（同１億１６００万円の損失）と２ケタ増収大幅増益で黒字転換となった。介護業界においては、グッドウィル・グループの不正請求が表面化し、社会問題化している。同社ではより一層法令順守を徹底するために内部監査のスタッフを５名から９名に増員し、内部監査体制を強化しているが、介護事業に続く収益の柱として、有料老人ホーム事業、人材派遣事業を運営している。収益拡大には継続的な設備投資が必要であることから、成長と収益のバランスを重視した経営を推進している。介護事業では、これまで積極的に設備投資してきたデイサービスを中心に集客のための営業力を強化し、利用者の確保を重点的に進め、事業所の稼働率を引き上げて収益改善を図ったことから、売上高１１７億４１００万円（前年同期比２３．２％増）となった。有料老人ホーム事業では、４月に大阪府大東市に、９月に御殿場市と倉敷市に開設したため、売上高は９億３８００万円（同５９．９％増）と大きく伸びた。人材派遣事業は、千葉県柏市、浜松市、北九州市など１５箇所の営業拠点を開設した結果、中間期末の営業拠点は４３都道府県３７４箇所となったことで、売上高１５億２９００万円（同１１８．２％増）と２倍超の売上高となった。その他の事業の売上高は、１３００万円（同３９．６％減）であった。通期業績予想は、売上高３０８億３４００万円（前期比２７．２％増）、経常利益９億６３００万円（同２．８０倍）、純利益４億１２００万円（同６．９４倍）と大幅増益を達成し、最高益更新を見込む。

△アスラポート・ダイニング<3069>　通期業績予想の上方修正を発表
アスラポート・ダイニングは、１５日引け後に０８年３月期中間業績と通期業績予想の上方修正を発表した。中間期連結業績は今回が最初となるため、前年同期との比較が出来ないが、売上高４８億１４００万円、経常利益１億５００万円、純利益４９００万円であった。外食産業では市場規模が下げ止まるなど回復の兆しが見えてきているが、依然として競争は激化している。そのような状況で、既存業態の業績改善と新規業態の開発・出店、Ｍ＆Ａにより事業拡大を進めている。既存業態では、牛角の業績が好調に推移している。主な要因は、オーダーバイキング方式の「ビュッフェ・コース」が好評であり、直営既存店の対前年度売上高比率は１１５．９％、加盟店を含めると１０２．４％と売上を伸ばしている。また、新規加盟店６店を含め、牛角のフランチャイズ店舗数が当初見込みを上回って推移したため、ロイヤリティ売上高および加盟金売上高等のフランチャイズ売上高を期初の見込みより増加させる要因になった。新規業態開発については、首都圏の繁華街立地における店舗展開を目的とした「鶏専門　日向暁荘（ひゅうがあかつきそう）」を際コーポレーションと共同開発し、東京都中野区に出店することが決定している。戦略的事業展開に関しては、７月１日より子会社のゲンジフーズが、オリジンフーズより一部事業を譲り受け、和食レストラン「源氏家族」をはじめとする４業態、直営店３１店舗、フランチャイズ店２５店舗の運営を開始した。８月３１日には東京タスコよりとり鉄の全株式を取得し連結子会社化した。この結果、「とり鉄」の直営店１１店舗、ＦＣ店６０店舗が加わることになった。牛角の売上増、新規業態の開発、Ｍ＆Ａによる事業の拡大と順調に進んでいることから、通期連結業績予想の上方修正となった。売上高は前回予想を５億円上回る１０５億円（前期比５５．６％増）、経常利益は２０００万円増の２億２０００万円（同５４．９％増）、純利益は１０００万円上回る１億２５００万円（同３．５７倍）と大幅な増収増益を見込む。

△ＵＢＩＣ<2158>　売上拡大続く、中間損失も通期は増益へ
ＵＢＩＣが１５日発表した０８年３月期中間決算は、売上高２億７３００万円（前年同期比４７．２％増）、経常損益２３００万円の損失（前年同期は２５００万円の利益）、純損益１４００万円の損失（同２５００万円の利益）となった。１１月７日付で公表しているように、９月に予定していた販売案件６０００万円が下期にずれ込んだことから当初の計画を下回る結果となったが、当該売上は１１月に計上することが決定しており、通期の業績に寄与してくる。同社が事業展開しているコンピュータフォレンジックは、日本ではまだ馴染みが薄いが、米国では０６年１２月の連邦民事訴訟規則改正により、民事訴訟における電子データによる証拠開示が義務付けられ、日本国内でも０７年９月の金融商品取引法（日本版ＳＯＸ法）の施行に伴うコンプライアンスへの対応や、内部不正及び情報漏えい問題が多発する中で、急速に需要の広まりをみせている。監査法人トーマツによるテクノロジー企業成長率ランキング「第５回日本テクノロジーＦａｓｔ５０」（１０月１１日発表）において、同社は、過去３年間の売上高成長率が３９４８％と驚異的な記録で堂々の２位を受賞していることからも急成長ぶりが窺えよう。中間期の事業部門別の業績は、コンピュータフォレンジックサービス事業のうち、ディスカバリ（証拠開示）支援サービスでは、外国法事務弁護士事務所や外国コンサルティングファームなどにおける新規関与先が増加し、売上高１億２００万円となった。コンピュータフォレンジック調査サービスは、国内での認知度向上及び協業先との連携強化により、案件の増加と大型化に成功し、売上高１億２０００万円となった。フォレンジックツール販売事業は、警察庁関連や防衛省関連などの捜査機関を中心として順調に推移し、売上高３９００万円。フォレンジックトレーニング事業は売上高６００万円、その他コンピュータフォレンジックに関わるコンサルティング収入は３００万円だった。今後さらに拡大が予想される需要を見据え、同社は、社内の調査作業工数の大幅削減と合理化を意図した検索システムを自社開発。社内では下期から本格稼動する一方で、システムの外部への販売も企画し、すでに販売活動を開始している。
通期の見通しについては、下期の業績が順調に推移しているとして従来予想を据え置き、売上高８億２４００万円（前期比７１．３％増）、経常利益２億３２００万円（同６０．９％増）、純利益１億３９００万円（同５．６％増）を見込む。

△ノバレーゼ<2128>　第３四半期経常利益８９．２％増
ノバレーゼの０７年１２月期第３四半期業績は、売上高５１億８００万円（前年同期比４６．９％増）、経常利益６億９０００万円（同８９．２％増）、純利益３億７６００万円（同６７．９％増）と大幅増収増益となった。８月に都市型ゲストハウス「心斎橋モリス」（大阪市中央区）を開店する一方で、既存店の売上も堅調に推移した。事業別の売上高は、婚礼プロデュース事業１９億３３００万円、婚礼衣装事業１１億２４００万円、ホテル・レストラン事業２０億４９００万円であった。ブライダル業界特有の季節変動要因により、第４四半期は年間を通じて最大の繁忙期であり、通期業績予想は、売上高７７億円（前期比３６．８％増）、経常利益１１億８４００万円（同２５．９％増）、純利益６億２６００万円（同１９．１％増）、１株当り純利益１万２３８１円５５銭と過去最高の業績を達成する見込み。
（証券日刊新聞）

△システム・テクノロジー・アイ<2345>　音声合成で４カ国対応　ｅラーニング教材　作製ソフトを開発
ｅラーニング用学習支援ソフトなどの開発、販売を手掛けるシステム・テクノロジー・アイ（東京都中央区）は、搭載した音声合成ソフトを利用することで、簡単に日本語や英語、中国語、韓国語のナレーションが作れるｅラーニング教材作製ソフトを開発した。今月末から企業向けに販売を開始し、初年度１０００万円の売り上げを目指す。新ソフト「ｉスタディ・クリエイターＮＸ　Ｖ３」は、システム・テクノロジー・アイが開発したｅラーニング教材に、人が話しているかのように聞こえる、ペンタックス開発の音声合成ソフト「Ｖｏｉｃｅ　Ｔｅｘｔ」を搭載した。作成した文章と、マイクロソフトのプレゼンテーション用ソフト「パワーポイント」に設定されたアニメーションや映像などを組み合わせることで、「臨場感あふれるｅラーニング教材を低コストで作製できる」（ｉＳｔｕｄｙ　ＯｎＤｅｍａｎｄ営業本部）としている。ライセンス価格は２０万円から。音声合成ソフトは、日本語だけでなく、英語や中国語、韓国語といった外国語にも対応した。同社はペンタックスと共同で、新ソフトの活用事例などを提案するセミナーを開催し販売促進を図る一方、より精度の高い音声合成ソフトの開発で協業していく。

△露向け貨物、新潮流　トヨタ<7203>／近鉄<9375>ロシア
ロシアの経済発展、日本企業の現地生産進出が続く中、物流の効率化を目指す動きが本格化してきた。トヨタ自動車はシベリア鉄道を使った部品輸送の検討に乗り出し、国際物流大手、近鉄エクスプレスの現地法人は自前のトラックを購入した。今後、他の日系企業も物流改革に着手するのは確実で、ロシアビジネスに一段とドライブがかかりそうだ。
トヨタ自動車は１５日までに、ロシアの極東と西部を結ぶシベリア鉄道による自動車部品の輸送試験を行った。１２月末にはサンクトペテルブルク郊外の同社工場で乗用車現地生産が始まる予定で、同鉄道利用の検討が本格化しそうだ。日本企業のロシア進出拡大に伴い、シベリア鉄道は新たな物流ルートとして注目されている。トヨタの輸送試験は昨年７月、今年１月に次いで３回目。今回はサンクトペテルブルク工場で組み立てられるものと同じ、精密加工された半完成部品を極東のウラジオストクからモスクワまで運んだ。トヨタ幹部は「海上輸送に比べ、鉄道は所用時間が短く、柔軟な生産に対応できる利点がある」と指摘。ただ、列車の振動による貨物の損傷や割高な輸送コストの問題も慎重に検討する必要があり、サンクトペテルブルク工場向け部品は当面欧州回りの船便で輸送する方針という。ロシアに進出した外国企業の中では、韓国・現代自動車がシベリア鉄道で部品を輸送、ロシア南部で現地生産を行っている。日本とロシアは七日、シベリア鉄道の整備・高速化に向けた協力などを協議する官民合同会議を東京で開催しており、日本からの貨物の鉄道利用促進も両国の協力案件に浮上している。
近鉄エクスプレスのロシア現地法人「近鉄ワールドエクスプレス（ＲＵＳ）」（近鉄ロシア）は、フィンランド－ロシア間の長距離トラック輸送を強化するため、自社トラック２０台を購入し、今月から運行を始めた。日本の物流業者の露法人が自社トラックを保有するのは初めてという。近鉄ロシアは、フィンランドの主要港であるコトカ港とハミナ港で陸揚げされた輸入コンテナをモスクワ近郊にある顧客の物流センターまで運ぶルートで自社トラックを活用する。これまでは地元トラック業者に委託、運行していたが、車両不足による配車手配の煩雑化や需要増による輸送コストの上昇、車両の老朽化によるサービス品質の低下に対応するには自社トラック導入が必要と判断した。２０台の車両購入とあわせて専用ドライバー３０人を採用。自社オペレーション化で迅速な配車予約が可能になり、サービス品質が向上するという。また、導入する車両にはＧＰＳ（衛星利用測位システム）機能を装備し、顧客がウェブサイトで輸送ルートの追跡ができるようになる。ロシアへの輸入コンテナの主要輸送ルートの１つであるフィンランド－モスクワ間の陸上輸送需要は、ロシア経済の成長に伴う消費の拡大や相次ぐ日系メーカー企業の現地法人化などにより、年々増加傾向にある。近鉄ロシアの輸送取り扱件数も２００６年の年間１００運行から０７年は１～１０月ですでに３００運行を超えている。

△建設コンサルタント会社　トライアイズ<4840>が買収
ソフトウエア会社を傘下に持つ純粋持ち株会社のトライアイズ（旧ドリームテクノロジーズ）は１５日、建設コンサルタントのアイ・エヌ・エー（東京都文京区）を子会社化したと発表した。トライアイズは創業家からアイ・エヌ・エー株の譲渡を受けた個人らから、発行済み株式総数の７６・０６％にあたる２５１万株を２２億５２００万円で取得した。みなし取得日が１２月末となるため、トライアイズの２００８年３月期連結業績に影響はない。子会社化について池田均社長は「アイ・エヌ・エーはダムや河川、海岸の設計・施工に携わり官公庁が主要顧客。傘下のソフト会社と顧客層が重なるため、事業的に相乗効果が期待できる」と説明した。

△電波腕時計、注目の年末商戦　小粋になって新製品続々
時計メーカー各社が年末商戦を狙って、１０万年に１秒の誤差しか生じないといわれる電波腕時計の新製品を相次いで投入している。技術改良によって小型化が可能になり、デザインも洗練されたことで、市場での認知が急速に進んでいることが背景にある。各メーカーとも「潜在需要を掘り起こせる久々の商品」と期待する。電波腕時計は、２００１年に全国で時刻調整の電波を受信できるようになって以降、各社が相次いで商品化。ただ、当初はアンテナや受信回路の小型化が難しく、話題を集めた割には普及しなかったのが実情。ところが、各メーカーはここ２～３年で本体が大きくなりすぎるなどの問題を解消。クオーツ式や機械式と大きさを同等にできたことで、新機能や高級感を盛り込み、新規ユーザーの掘り起こしに躍起だ。
シチズン<7762>時計がグローバルに活動するビジネスマンなどを主要なターゲットに、２３日から売り出すのがデュアルタイム表示機能を搭載した「ネオ　アクティブＧＭＴ」５モデル。電波時計ブランド「アテッサ」の新シリーズで、同社独自のエコ・ドライブ駆動により電池交換も不要だ。デュアルタイム表示は、時分秒を示す３針のほか、２４時間針をもう１本組み込むことで実現した。これにより、日本時間と任意の国の時間を同時にアナログ表示できる。希望小売価格は６万８２５０～７万５６００円。
セイコー<8050>ウオッチが、同じ２３日に発売するのは、通常の紳士用よりも一回り小さくしたドレッシーな「ドルチェ」ブランドの電波腕時計。すっきりした文字盤など、シンプルなデザインのなかにモダンな雰囲気を出し、オシャレ感と高級感を強調した。希望小売価格は９万４５００円と電波腕時計では高めの方だ。一方で同社は電波腕時計のユーザー層を広げるために、価格がリーズナブルなブランド「アルバ　ルークス」からもカジュアル感のある４機種を発売した。希望小売価格は３万３６００～３万６７５０円と手ごろだが、機能的には、高級機種と同様に電池交換が不要などほとんど変わらない。デザイン的には、クラシック感漂うケースとバンドが特徴的。「アルバ　ルークス」は、「自分のスタイルを持った大人の男性」のセカンドウオッチの位置付けという。
カシオ計算機<6952>は、電波腕時計の主力ブランドとして好評を博す「ＯＣＥＡＮＵＳ（オシアナス）」に、女性用モデル「ＯＣＷ－４０」（２モデル）を追加し、販売を始めた。日米３局の標準電波に対応するうえ、ミラー仕上げを多用したバンドや、ホワイトで色埋めしたタキメーターの刻印などで女性らしさを演出。カシオでは、同時に発売した男性用と組み合わせて、カップルや夫婦がペアウオッチとして購入することにも期待する。女性用の希望小売価格は７万３５００円。電波腕時計はこれまで、時刻が狂わないという機能面を売り物に市場を広げてきた。しかし、ここへきてデザインを重視する動きに転じており、この新たな取り組みによって市場が一気に拡大する可能性もありそうだ。
（FujiSankei Business i）