■■11/16 ＮＹ市況■■

□ＮＹＳＥ（ＮＹダウ）　　　１３１１０.０５（－１２０.９６）▼０.９１％
□ＮＡＳＤＡＱ（ナスダック）　２６１８.５１（－　２５.８１）▼０.９８％
□ＣＭＥ日経２２５先物　　　１５１８５　  （大証比－３１５）
□為替　　　　　　（対ドル）　　１１０.３２　 （対ユーロ）１６１.３２

１５日のＮＹ株式市場は、再び金融不安が広がり大幅続落となりました。

　英銀大手の大手のバークレイズが３千億円の評価損を計上。同業のロイヤル・
オブ・スコットランドにも多額の評価損計上の可能性が指摘され、スイスの銀行
大手のＵＢＳもさらなる評価損計上が予想されるなど、欧米の金融機関が次々と
サブプライム関連の評価損失を計上するとのニュースが市場心理を悪化させまし
た。また、ＧＥ傘下の債券フォンドが元本割れで償還したことや、格付け機関の
Ｓ＆Ｐがベアスターンズの長期債格付けを引下げるなど信用格付けの引下げも相
次いでおり、引き続き損失が拡大するとの懸念が金融株に向けられました。

　尚、この日は通常より短期資金の需給が逼迫したため、ＦＲＢは金融不安が本格化した８月以来最大、米同時テロ発生時以来の大量資金を短期市場に供給しています。

　ＪＣペニーが早朝に発表した８―１０月期決算が市場予想を下回ったことに加
え、利益見通しを下方修正したことで今後本格化するクリスマス商戦を前に個人
消費の先行き不安が小売株の下げにつながり、アプライド・マテリアルズが減益
決算を発表し先行きの見通しも市場予想を下回ったことがハイテク株に対する慎
重な見方につながりナスダック指数を押し下げました。

　早朝発表の１０月の消費者物価指数（ＣＰＩ）は前年同月比３．５％上昇と昨
年８月以来の高い伸びとなったことで利下げ期待が後退。また、影響は限定的だ
ったもののＮＹ州製造業景気指数が前月比で低下、フィラデルフィア地区連銀業
況指数では新規受注が伸びる一方、先行きの見通しは悪化しました。

　セクターでもほぼ全面安の展開で、特に金融、素材、エネルギー、自動車の下
落が目立ちます。

　個別では、追加損失計上が懸念されているシティなど金融株が軒並み下落。米
金融大手ウェルズ・ファーゴのＣＥＯが、現在の住宅市場については大恐慌以来、
最悪の状況にあるとの認識を示したことも投資家心理を圧迫しています。ＪＣペ
ニーが、住宅市場の低迷、エネルギー価格高、金融不安に影響され消費が鈍化し
ていることを背景に先行きついて慎重な見方を示したことで、ウォルマートやタ
ーゲットなどの小売株に売りが波及しました。

　アップルやグーグルなどのハイテクセクターの主力株は高く寄り付いたものの
全体の流れに押されしだいに売りが優勢となり、配当の増額を決議したインテル
もマイナスに転じました。商品相場の下落を受けてフリーポート・マクモランや
バリック・ゴールドなど素材株も軒並み安となっています。一方、景気動向に左
右されにくいディフェンシブ銘柄のメルクやプロクター＆ギャンブル、アルトリ
アなどがしっかりでした。

　尚、ＮＹ原油先物は反落し、前日比０.６６ドル安の９３.４３ドル。ＮＹ金先
物は大幅下落、前日比２７.４０ドル安の７８７.３０ドルで取引を終了しました。
ハロー！株式より転載

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