11/15 朝の『株価材料』PART Ⅳ

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■株価材料

△ＪＦＥシステムズ<4832>、ＳａａＳ事業に参入－品質情報の作成支援
ＪＦＥシステムズはＳａａＳ（ソフトウエア機能のサービス提供、用語参照）事業に参入する。中小規模の食品メーカー向けに、スーパーなど小売店が参照する品質情報システムの利用機能を１２月３日からＳａａＳ形式で提供する。小売店に提出していた品質情報の作成や受け渡しの作業が軽減し、情報の正確さが高まる。食品業界の相次ぐ不祥事で「食の安全・安心」の確保が注目される中、品質情報の透明性向上の一助として期待される。今回のサービスを含め食品向け事業で、０７年度１０億円の売り上げを見込む。従来、小売店が新しい食料加工品を販売する場合、メーカーに対して、「商品カルテ」と呼ぶ原料の配合率などを示した品質情報の提出を求めている。しかし小売店ごとに商品カルテのフォーマット（書式）が異なり、メーカーは作業負担や品質情報の入力ミスがあるという。サービスはパソコン画面上で入力した自社商品の詳細情報を、小売店向けの商品カルテ配信システムへ転送。小売店が転送した情報の中から自分のフォーマットに必要な情報を引き出すことで、食品メーカーはカルテ作成の手間が省けると同時に、品質情報の誤表示防止にもつなげられる。主に年商１００億円以下の中小企業に提供し、価格は年間１０万円とする。売店にとっては今回のサービスの利用は商品の情報を正確かつ迅速に把握できる利点がある。メーカーによる同サービスの利用率を上げるためには、小売業者にも商品カルテ配信システムの利用を働きかけることが不可欠として、生活協同組合やスーパーを中心に今後３年間で５０社程度のユーザー獲得を目指す。

△アルゴグラフィックス<7595>、クライムエヌシーデー株取得
アルゴグラフィックスは自動車用プレス金型のＣＡＤ／ＣＡＭデータ作成で実績があるクライムエヌシーデーの株式の２０％を取得、関連会社化した。取得額は９８４０万円。設計・製造分野のシステムサービスのラインアップ拡充により、競合他社との差別化を図ることが狙い。アルゴグラフィックスは仏ダッソーシステムズの３次元ＣＡＤ／ＣＡＭシステム「キャティア」を中心としたＰＬＭ（生産ライフサイクル管理）ビジネスに力を入れている。クライムの生産準備支援分野の製品を加えることで設計から製造までの幅広いソリーュション提供が可能になる。クライムは金型仕上げ用のＮＣデータと切削時間の大幅短縮が図れる工法を開発している。国内主要自動車メーカーに納入しているほか、プレス部品メーカー、大手重工業への納入実績がある。

△日立ソフト<9694>、組み込みソフト事業を強化－専任事業部を新設
日立ソフトウェアエンジニアリングは組み込みソフト事業を強化する。このほど専任の事業部を新設。組み込みソフト開発の短期化を目指すメーカーのニーズを受けて、チップに搭載するミドルウエア（基盤ソフト）からアプリケーション（応用ソフト）までの製品群を拡充しパッケージとしての提供を始める。開発支援コンサルティングサービスも充実させ、組み込み事業全体で２０１０年度に２００億円（０６年度は約１５０億円）の売り上げを見込む。開発事業部に所属していた組み込み専門部隊を独立させて設置したのはエンベデッド（組み込み）システム事業部。組み込み事業は受託開発が全体の９０％を占めてきたが、より高収益が期待できる一連のサービス拡充でパッケージ部門と支援サービス部門の売り上げ割合を２０１０年に３０％（０６年度は約７％）まで引き上げる。パートナー企業を含めると約１２００人の人員規模となる新事業部ではチップや基本ソフト（ＯＳ）、ミドルウエア、アプリケーションをメーカーにワンストップで提供する体制を構築。情報家電やストレージ（外部記憶装置）、ブルーレイディスクやＨＤＤＶＤ双方に対応した次世代ＤＶＤ向けなどの品ぞろえを拡充する。メーカーが独自開発した場合に比べて開発期間を半分に短縮できるパッケージ化も進める。これまでの開発実績をベースにしたプロセス改善支援や教育サービスについても提供。品質や納期厳守に向けたＣＭＭＩ（能力成熟度モデル統合）達成指導サービスを始める。組み込みソフトは携帯電話端末や情報家電などの多機能化に伴って開発量とコストが増大。また商品サイクルの短期化で品質を維持しながらの開発スピードも求められるようになっている。

△ＪＣＯＭ<4817>、短編映画の視聴を通じて募金ができるサービス開始
ジュピターテレコム（ＪＣＯＭ）は有料の短編映画作品の視聴を通じて募金ができるサービスを１２月１日に始める。日本ユニセフ協会（東京都港区）と短編映画コンテストを主催するメディア総合研究所（東京都渋谷区）の３者で協力。「子供」をテーマとする作品を配信し、視聴者が楽しみながら募金に参加できるようにする。クリエーターにとっては表現の場が増えることになり、創作意欲の増進にもつなげる。募金サービスはケーブルテレビ（ＣＡＴＶ）回線を通じて好きな時間に見たい番組を視聴できるビデオ・オン・デマンド（ＶＯＤ）サービスの中で提供する。視聴料は１作品当たり１０５０円とし、消費税を除いた全額をユニセフ協会に寄付する。当初は過去のコンテストの優秀作品の中から３作品を配信し、３カ月ごとに内容を更新する。ＪＣＯＭとユニセフ協会は０６年１２月からＶＯＤによる募金サービスを展開しており、０７年１０月末時点の募金累計額は約１０１万円に上る。現行はユニセフ協会が用意した同一の映像に５２５円、１０５０円、３１５０円の３種類の視聴料を設定し、視聴者が募金額を選べるようにしている。１２月１日以降はメディア総合研究所が提供する短編映画作品の配信に切り替えるとともに視聴料も統一。金額の多少によらずに視聴者が純粋に作品を楽しめるようにする。メディア総合研究所が主催する短編映画コンテスト「ＣＯＮ―ＣＡＮムービー・フェスティバル」は今年で第４回を数える。２０分以内の作品を世界中から募集し、視聴者がインターネットで審査に参加できる仕組みを採り入れている。

△ＮＴＴ<9432>など５社、光ネット使い宝塚歌劇をＨＤ品質でライブ配信
ＮＴＴ、ＮＴＴ西日本、ＮＴＴコミュニケーションズ、宝塚クリエイティブアーツ、ＴＯＨＯシネマズの５社は１４日、高速広帯域光ネットワークを活用し１２月２４日の宝塚歌劇花組公演を全国７カ所の映画館にライブ配信する実験に取り組むと発表した。映像配信技術と商用化に向けたサービス品質などについて課題を洗い出し、実用化に向け評価、検証する。公演がある東京宝塚劇場とＴＯＨＯ系列の映画館を毎秒１００メガビット以上の光ネットワークでつなぎハイビジョン（ＨＤ）品質でライブ配信。東名阪の映画館で上映する。光ネットワークを使った映像配信技術について評価。またＮＴＴの研究所が開発した新しい圧縮方式「ＪＰＥＧ２０００」を活用したストリーミング配信の技術についても検証する。

△ＦＤＫ<6955>、携帯電話向けノイズ対策部品を来春量産
ＦＤＫは高周波ノイズをカットする電子部品のローパスフィルターを０８年春から量産する。大きさは縦横１ミリ×０・５ミリメートルの業界最小で実装面積は従来比６０％削減できる。携帯電話の多機能化でノイズ対策の要求が高まるのを見込んで量産に乗り出す。量産開始時の生産能力は月７００万個を計画しており、受注量の増加に応じて引き上げる。インダクターなどの積層部品で培ってきた材料技術や設計技術、プロセス技術などを活用して開発した。８５０メガ―９００メガヘルツ帯、１８００メガヘルツ帯、１９００メガヘルツ帯と周波数帯ごとに対応した製品をそろえる。８５０メガ―９００メガヘルツ帯の製品では、増幅した信号の損失を抑える低挿入損失の標準値で０・６デシベル、余分な信号をカットする減衰特性の標準値で３０デシベルの性能を確保した。携帯電話メーカーや携帯電話用モジュールメーカーの採用を目指す。サンプル価格は１００円。同社はローパスフィルターの事業化では後発となる。既存技術を生かせるほか、ノイズ対策が市場が拡大できると判断して市場参入を決めた。携帯電話では微弱な信号を増幅して発信する際に、不要な高周波のノイズが発生しやすい。このときローパスフィルターは低周波を通して高周波の余計なノイズをカットする。複数のコンデンサーとインダクターを使った回路設計でノイズを除去できるが、ローパスフィルターは１個で済むため携帯機器の小型化や省スペース化、部品点数の削減に寄与する。

△三機工業<1961>、工場廃熱を蓄熱し空調熱源に再利用－来年度実用化
三機工業は工場の廃熱をコンテナに蓄熱し、生産プロセスや事務所棟の空調用熱源として再利用する技術を０８年度に実用化する。年内に大手メーカーの国内工場に１号機を納入し実証を開始。利用者の二酸化炭素（ＣＯ２）排出量を削減する。温室効果ガス削減を義務づけた京都議定書の目標達成のため国内産業界は追加対策を迫られており、工場向けの環境技術として注目される。同社が実用化する技術は工場廃熱をトレーラーに蓄え、別の施設の熱源として再利用する潜熱蓄熱搬送システムを定置型設備とした。同システムは蓄熱した廃熱の再利用効率が９０％以上と高い。年内に同システムを導入する工場では、２１立方メートルの蓄熱コンテナを設置する。媒体に「酢酸ナトリウム」を採用。工場内のコンプレッサー（圧縮機）やボイラのドレン（排水口）など廃熱が発生する設備に熱交換機を取り付け、９０度Ｃ程度の熱を回収し再利用する。

△ＮＥＣ<6701>、極薄０．３５ミリメートルのＭＲセンサー量産
ＮＥＣは折り畳み式携帯電話などの開閉を検出して電源の切り替えを行う世界最薄クラスの厚さ０・３５ミリメートルの磁気抵抗センサー（ＭＲセンサー、用語参照）を開発、量産を始めた。携帯用電子機器の小型化が一段と進むなかで、電子部品薄型化のニーズ拡大に応えた。自動組み立て装置の位置決めなどの産業用途でも売り込む。ＭＲセンサー事業の売上高は３年後に、０７年度比３・３倍の１００億円を目指す。開発したＭＲセンサー「ＭＲＵＳ６１Ｃ」は同社従来品比０・１８ミリメートル薄くし、大きさを幅１・０ミリ×奥行き１・６ミリ×厚さ０・３５ミリメートルにした。新たなウエハー研削技術を採用して薄型化を実現し、チップ搭載、ボンディング、樹脂封止工程も改善した。携帯電話キーパッド上にＭＲセンサーを配置する際、隣接する発光ダイオード（ＬＥＤ）の一般的な高さが０・４ミリメートルで、それよりも低い製品が求められていた。

△ＩＨＩ<7013>、中型ガスタービンエンジンで米社と提携－発電システム拡充
ＩＨＩは米国の機械メーカー大手、ソーラー・タービンズ（カリフォルニア州）と中型ガスタービンエンジンで提携した。ソーラーから同エンジンの供給を受け、同エンジンをベースにした発電システムを、企業の自家発電設備向けに販売する。０９年までに同システムで年２００億円の受注を目指す。ガスタービン事業の拡大を目指すＩＨＩと、自社開発のガスタービンエンジンの普及を狙うソーラーの思惑が一致した。ＩＨＩはガスタービンエンジンや発電機などをパッケージ化した発電システムを軸に、ボイラを組み合わせたコジェネレーション（熱電併給）システムとしても売り込む。ソーラー製エンジンはＩＨＩ傘下の新潟原動機（東京都中央区）も供給を受けている。ＩＨＩは７メガ―１５メガワット級を、新潟原動機は従来通り７メガワット級以下を手掛ける。

△ミクニ<7247>、中国４輪メーカー向けにＶＶＴの供給開始
ミクニは０８年初頭から、中国４輪車メーカー向けに可変バルブタイミングシステム（ＶＶＴ）の供給を始める。複数メーカーから受注したもので、現地子会社の上海三国精密機械（上海市）で生産する。年産規模は明らかにしていない。ミクニは相良工場（静岡県牧之原市）でスズキや三菱自動車向けにＶＶＴを生産しており、現地化の一環で日系メーカー向けの一部も上海で行う。上海の拠点は１０億円を投じ、生産ラインを設置済み。当初は「数十万台分」（ミクニ）の規模でスタートし、受注に応じ増産する。また２輪車用の電子式の燃料噴射装置（ＦＩ）部品も現地メーカー向けに受注したため、並行し生産を行う。中国の４輪車メーカーは第一汽車、奇瑞汽車などが一定の地位を築きつつある。現状では日系部品メーカーからの調達は珍しいが、環境規制の強化などを受けて、こうした動きが広がりそうだ。

△ホンダ<7267>、０９年めど次世代ディーゼル車の馬力・トルクを３０％向上
ホンダは１４日に開いたディーゼル技術説明会で、０９年までに日米などに投入する次世代クリーンディーゼルエンジン車について「馬力とトルクが現行ディーゼル車に比べ２０―３０％向上する」（長弘憲一本田技術研究所主席研究員）見通しを明らかにした。静粛性も同クラスのガソリン車と互角という。同社では現在、２２００ｃｃディーゼルエンジンを「アコード」に搭載し欧州で販売。次世代エンジンの燃費は、現行車と同じ１リットル当たり１８キロ ―１８・５キロメートル程度（１０・１５モード）という。ただ製品化で「すべての面でコストを下げる必要がある」（同）。コスト面では特に触媒に使うレアメタル（希少金属）の高騰も課題。使用量は「ガソリン車とほとんど変わらない」（同）が、金属によっては価格が３倍近くになっている。レアメタル価格は後処理技術のコストにも影響する。

△エイチワン<5989>、１０億円投じタイ工場を拡張－ホンダ向け骨格部品増産
エイチワンは、０８年度中にタイの工場を拡張する。０９年度までに約１０億円を投じ、溶接組立棟とプレス棟を建設。新たに年約１２万台分の生産能力を追加するほか、溶接ラインを再編して効率向上を図る。主要取引先のホンダがタイで０８年後半に４輪車第２工場を稼働し、年産能力を２４万台に倍増させるのに対応する。タイはショーワやケーヒンなど系列部品メーカーの拠点増強が相次いでおり、ホンダグループのタイの位置づけが高まってきた。エイチワンのタイ子会社「エイチワン・パーツ・タイランド」（アユタヤ県）は、主にホンダのタイ工場向けに「ＣＲ―Ｖ」や「アコード」の骨格部品を生産する。ハード面では加圧能力２０００トン、８００トンのプレス機を設置。溶接ラインでは新棟に、ダイハツ工業や日産自動車向けなど、ホンダ以外専用のラインとサブラインを集約。既存棟にはホンダ向けを集めて、庫内物流のロスを削減する。

▼総合印刷大手２社、０７年９月中間－増収も営業益２ケタ減
大日本印刷<7912>と凸版印刷<7911>の総合印刷大手２社の０７年９月中間が１４日出そろった。両社とも売上高は増加したが、原材料価格の高騰と価格競争激化の影響を受け、営業利益はそろって前年同期比２ケタ減となった。液晶カラーフィルターは第８世代（８Ｇ）液晶基板向けの納入が始まったことなどで増収だった。パッケージ用フィルムや印刷用紙などの原材料価格が上昇。競争の激化により販売価格も下落した。原材料価格上昇と販価下落は大日印は１９９億円、凸版が１５０億円の営業減益要因となった。原材料上昇分は大日印が４１％、凸版が３分の１を販価に転嫁済みで、下期以降も転嫁できるかが課題となる。液晶カラーフィルターは８Ｇ向けの納入が本格化、数量が大幅に伸びた。価格も「パソコン向けに需給が逼迫（ひっぱく）しており、一時の値下がり傾向には歯止めがかかった」（山田雅義副社長）ため、大日印は前年同期比５４％の増収となった。

▼綿紡６社、０７年９月中間－原燃料高騰で４社営業減益
綿紡大手６社の０７年９月中間が１４日出そろった。各社とも原燃料価格の高騰や天候不順の影響から、繊維事業を筆頭に苦戦を強いられた。
そうした中でも非繊維事業比率の高い日清紡<3105>や日東紡<3110>、また繊維製品でも差別化品で強みを持つダイワボウ<3107>は比較的好調。一方でクラボウ<3106>とシキボウ<3109>は、０８年３月期業績予想の大幅な下方修正を強いられた。繊維事業が減収、営業利益段階から赤字となったのは日清紡とクラボウ。子会社のＣＨＯＹＡが不振だった日清紡に対し、クラボウは米国を中心にデニムが不振。またタイなど輸出拠点の現地通貨高が影響した。非繊維事業ではクラボウが原燃料高により化成品事業が増収減益になった半面、日清紡は海外のブレーキ事業やプラスチック事業が好調だったことから中間期では過去最高の売上高、経常利益を記録した。

△大和ハウス<1925>、足場など四つの工程不要にする新工法開発へ
大和ハウス工業は足場をなくすなど現場で四つの工程を不要にする新工法の開発に乗り出す。一戸建て住宅の原価を低減するのが狙いで、足場以外に、溶接やコーキング（水密性や気密性を高めるため外壁パネル間のすき間を埋める作業）、塗装の各工程を不要にする。２、３年後をめどに実用化し、０６年に投入した工法と組み合わせ、一戸建て住宅の原価を０５年度比で１５％の削減を目指す。大和ハウス工業は０６年に一戸建て住宅商品の９０％以上を占めていた軽量鉄骨造りの一戸建て住宅向け新工法「ｘｅｖｏ（ジーヴォ）」を２５年ぶりに開発。これまでの工法を抜本的に見直すことで、０５年度に比べ１５％の原価低減を実現した。ジーヴォ住宅では外張り断熱通気外壁や太陽光発電システム、外壁の美観を長期間維持できる塗装などを標準搭載するとともに、価格を据え置き、原価低減分を全面的に消費者に還元、値ごろ感を持たせて拡販を進めている。

△調味料系食品５社、０７年９月中間－海外事業好調で全社が増収
調味料系食品大手５社の０７年９月中間が１４日出そろい、海外事業の伸長や成長領域の強化などが奏功、全社増収となった。利益面では原材料価格の高騰という“逆風”が吹いているが、
売り上げ増加分が補う形でエスビー食品<2805>を除き増益。下期は原料価格はさらに上がるとの見方もあり、通期の業績修正も相次ぐ。原料高が安定成長に暗い影を落としそうだ。
原材料高は「国内食品（原材料価格）は前年同期比１６億円増」（山口範雄味の素<2802>社長）、
「コストの上昇要因はいろいろ含め２３億円」（喜岡浩二カゴメ<2811>社長）と、各社の収益に大きな影響を与えている。こうした中、成長の糧を海外に見いだす動きが活発化。味の素は不振の国内を海外がカバー。利益面では海外食品が前年同期比８３・７％増となり、国内食品の営業減益を補った。

△電通<4324>、ネットで新聞広告を取り扱う試験サービス
電通は１４日、インターネットで新聞広告を取り扱う試験サービス「新聞ＡＤＧＯＧＯ」を１５日から始めると発表した。朝日新聞など全国紙、ブロック紙・地方紙、デイリースポーツなどスポーツ紙、日刊工業新聞など専門紙、夕刊フジなど夕刊紙の計１０２紙の中から、顧客は広告を掲載する媒体を指定できる。電通では、新聞広告を活用したことのない企業を対象に、店舗誘引や商品・ブランド訴求など、目的に合わせた広告掲載ニーズに対応する考え。具体的には、新聞広告の効果や広告事例サンプルなどを専用サイトで閲覧でき、広告掲載の申し込みや原稿データ制作など一連の取引作業をインターネット上でできる。

□百貨店協、冷房の緩和期間延長など環境対応を強化
日本百貨店協会は、環境対応への取り組みを強化する。０８年度の事業として、今夏に実施した冷暖房温度緩和の期間延長や、消費者への啓発活動として「カーボンオフセット」、「カーボンフットプリント」、「フードマイレージ」などの導入を検討する。同協会では温暖化ガス排出量を削減する自主計画の目標を、１０月に９０年度比３％減から同６％減に引き上げる措置をとっている。百貨店協会では今夏に試験的取り組みとして、全国各地区で７月３０日から８月１４日までの２週間のうちの平日５日間に、店内冷房温度を通常設定温度より２度Ｃほど緩和した。実施後の来店客へのアンケートでは否定的な意見が２１％ある一方、「暑いが我慢できる範囲」など肯定的な意見が７９％を占めたため、来夏は緩和期間を倍程度に拡大する方針。

△陸運上場５社、０７年９月中間－２社が増収増益
陸運上場５社の０７年９月中間が１４日出そろった。
主力の運送事業は宅急便やメール便が好調だったヤマトホールディングス<9064>（ＨＤ）を除く４社が苦戦。国内部門は輸送需要の減少と競争激化で減収が相次いだ。
燃油費の高騰に伴うコスト増などをカバー仕切れなかった日通<9062>など２社が減益。０８年３月期は上期の不振が響き、ヤマトＨＤ以外の４社が期初の業績予想を下方修正した。５社のうち日本通運が唯一、営業利益ベースで減益。アジアや欧米など海外間の輸送は好調だったが、国内輸送の低迷、燃油費上昇、税制改正で減価償却費の計上が響いた。
国内トラック輸送が主力のセイノーＨＤ<9076>、福山通運<9075>、トナミ運輸<9070>も運賃単価の下落や採算に合う選別輸送を進めたことで取扱量が伸び悩んだ。
（日刊工業新聞）

△Ｅストアー<4304>　９月中間期は経常利益６２．７％増
Ｅストアーは、１４日引け後に０８年３月期中間決算を発表した。同社顧客の６ヶ月間の売上が２８１億円（前年同期は１７９億円）と拡大したことに伴う決済代行売上の増加、広告宣伝費の抑制等により、売上高１４億１４００万円（前年同期比５．６％増）、経常利益２億１５００万円（同６２．７％増）、純利益１億２２００万円（同２．６倍）と増収大幅増益となった。直販での累計契約件数は減少に転じたが、ＯＥＭによる獲得件数が増加したことで、全サービスの新規獲得件数は５３９９件、累計契約件数は４万３３１５件（前中間期末３万８８６２件）と着実に伸びている。各サービスの施策として、顧客の集客を促進する「ショッピングフィード」に登録された商品の露出増加、Ｅコマース成功パッケージ「ショップサーブ」の新規顧客獲得、レンタルサーバー「サイトサーブ」の解約防止に注力した。なかでも「ショッピングフィード」は、サービス開始以来、右肩上がりの成長を続け、本年１０月末現在で提携社数２２社、商品登録数４１万個、累計商品流通額は２億４６６９万円となっている。下期は、１１月より、大阪に西日本地域の新規顧客の獲得を目的とした関西オフィスを開設しており、収益への寄与を見込んでいる。また、サービス開発を速めるとともに、大規模開発に耐え得る体制構築のために海外を含めたアウトソーシング先の調査を進めているところ。通期の業績見通しについては、インターネット業界は環境の変化が激しく精確な予測が困難であるとして公表していないが、このまま順調に推移すれば、０１年３月期の最高純益１億７２００万円を７期ぶりに更新する公算が高い。
（証券日刊新聞）

△チタン需要拡大に貢献　新日鉄<5401>に米協会が賞
新日本製鉄は１４日、自動車市場で金属チタン需要の拡大に貢献したとして、国際的なチタン業界団体である米国チタン協会（ＩＴＡ）から、「２００７年チタン用途開拓賞」を単独受賞したと発表した。新日鉄は１９８４年にチタン事業に参入。９９年には、軽量化と排ガスの高温化へ対応できるとして、高級自動二輪車のマフラーに同社のチタンが採用された。現在では、エンジン吸排気バルブやサスペンションスプリングなどにも採用を広げており、これらの需要拡大努力が評価された。チタンは鉄に比べ重量が約６０％ながら、強度は２倍で耐食性にも優れる。日本国内のチタン製品出荷量は、この１０年間で２倍の１万７０００トン強に増えたが、鉄の数十倍という価格や加工の難しさから、全体の９割が発電設備や化学プラントなどの一般産業分野で利用されている。世界のチタン需要８万８０００トンを見ても、航空機向けと一般産業向けでほとんどを占める。日本国内では新日鉄などの技術開発によって、チタン製品の自動車分野向け販売量が９０年代後半から増え始め、現在は全体の８％を占めるまでに成長。需要拡大を狙う世界のチタン産業界から、技術開発による自動車分野でのさらなる採用拡大が期待されている。

△ホンダ<7267>とインド合弁　菊池プレス工業<5970>、増産対応
ホンダ系自動車用骨格部品メーカーの菊池プレス工業（東京都羽村市）は、ホンダとプレス金型メーカーの高尾金属工業（滋賀県甲賀市）の３社で、インドに合弁会社を設立、２００８年１０月の操業開始を目指す。ホンダがインドでの現地生産を拡大させており、同社はインドへ本格進出することで、ホンダの増産に対応する狙いだ。合弁会社の社名は「グローバル・オートパーツ・アライアンス・インディア・プライベート（ＧＡＰＡＩ）」。ラジャスタン州のタプカラ工業団地内に本社を置き、資本金は６億７０００万ルピー（約１８億９６００万円）。出資比率は同社と高尾金属が各４０％、ホンダが２０％。ＧＡＰＡＩは、ホンダ車向けの車体骨格部品を生産。工場の建物面積は約２万１０００平方メートルで、建物内には、大型のプレス加工機や溶接設備などの生産設備が導入する。建物や生産設備などに投じる総投資額は、第２期工事を含めて、５３億５０００万円を予定している。操業開始から約３年後の１１年には、従業員数を約１９０人に拡充する計画予定。１１年３月期の売上高目標は、１１億９７００万ルピー（約３３億８７００万円）に設定している。

△ボージョレ・ヌーボー解禁　商戦、今年は控えめ　輸入量２割減
フランスの新酒ワイン「ボージョレ・ヌーボー」が１５日午前０時、解禁された。今年の商戦は全体の輸入量が前年比約２割減と“控えめ”ムードが漂う。ただ、輸入元の大手食品・流通各社は消費者の購買意欲を誘おうと「店頭での印象度」を重視した新たな販売戦略に挑むところが多い。最大手のサントリーは今年、販売戦略を転換。例年の芸能人らの解禁イベントを自粛し「店頭販売に注力する」として、「ノベンバーフェスト」を実施する。新酒に合う料理レシピを有名シェフ５人だけでなく、江崎グリコ<2206>や日本ハム<2282>などと小売店頭で共同提案し、販売量増につなげる構え。新酒のラベルのデザインに凝る社も多い。
アサヒビール<2502>は１４日、同社が取り扱うブシャールの新酒２品目が仏ワインコンクールで金賞を受賞したと発表。日本向け製品は写真家、蜷川実花さんがデザインした。
キリン<2503>グループのメルシャン<2536>は昨年に続き、一部製品にワインファンから好評な漫画「神の雫」のデザインを採用。
サッポロ<2501>ビールも今年から、ファッションブランド「トゥモローランド」委託のデザインを採用した新酒を取り扱い、「デザインの斬新さなどが受けているようだ」とみる。ボージョレの国内市場規模は直近１０年間で約５倍に成長した。ただ、前年は一部の流通店頭で売れ残りが発生し、輸入各社による０７年の輸入量は前年比２割減の７６万５０００ケース（１ケース＝７５０ミリリットル１２本換算）にとどまる。ピーク時の０４年（約１０４万ケース）からは２７％減の計算だ。

△業務エアコン　ダイキン工業<6367>、インドで生産　３０億円投資、組立工場建設
ダイキン工業は１４日、インド・デリー近郊に約３０億円を投じ、業務用エアコンの組立工場を建設することを決めた。２００９年春の稼働を目指しており、年間１５～２０％といわれるインドの空調需要の拡大に合わせて現地生産に踏み切る。同社によると、インドの空調市場は１２００億円規模とされる。商業施設や高層住宅などの建設ラッシュが大都市だけでなく、中規模都市にも波及しており、需要を押し上げているという。インドにはこれまでタイ工場で生産した製品を輸出していたが、インドに本格参入するには現地生産が不可欠と判断。候補地としてデリーやムンバイなど数カ所を検討した結果、優秀な労働力が確保でき、社会インフラも整備され、消費地に近いデリーに決めた。同日発表の０７年９月中間連結決算は、売上高が前年同期比４８・１％増の６５５４億円。営業利益は９５・６％増の８０７億円、経常利益は８３・８％増の７６６億円、最終利益は２倍の４９１億円。中間期として８期連続の増収、４期連続の増益となり、いずれも過去最高を更新した。欧州や中国など海外の空調事業が好調で、０８年３月期の連結業績を上方修正。売上高が前回予想から１００億円増の１兆３３００億円で、戦略経営計画で掲げる０９年３月期の目標数値を１年前倒しで達成する見通し。

△アストモスエネルギー　ＬＮＧサテライト供給　年１万トンを突破
出光興産<5019>と三菱商事<8058>の共同出資会社であるアストモスエネルギー（東京都千代田区）は１４日、産業用ＬＮＧ（液化天然ガス）のサテライト供給量が１０月までに年１万トンを突破したと発表した。今年３月に石川県内の企業に年７０００トンの供給を開始したのに続き、１０月から耐火物の製造販売を展開する品川白煉瓦向けに年３０００トンのサテライト供給を開始したことで１万トンを達成した。主力のＬＰＧ（液化石油ガス）販売に加え、ＬＮＧの供給先を増やすことで業績の拡大を目指す。サテライト供給は、ＬＮＧを使う企業向けに貯蔵設備を設置し、同社が調達したＬＮＧをローリーで輸送、天然ガス化して供給する仕組み。アストモスはＬＰＧ販売大手で出光が５１％、三菱商事が４９％を出資している。
（FujiSankei Business i）