11/15 朝の『株価材料』PART Ⅱ

朝の『株価材料』PART Ⅱは、"つづきはこちらです"をクリック！

[0回]

■株価材料

■新生銀<8303>：７－９月期は80億円の赤字、ノンバンクの業績悪化が響く
新生銀行が14日発表した2007年９月中間期連結決算によると、第２四半期（７－９月）の純損益は80億円の赤字（前年同期は196億円の黒字）になった。関連ノンバンクの業績不振による与信費用が拡大したほか、米サブプライムローン（信用力の低い個人向け融資）問題を受けた損失処理が影響した。９月中間期の純利益は前年同期比40％減の231億円。本業の儲けを示す実質業務純益は同2.3％減の613億円となった。貸出金利息など資金利益は増えたが、傘下の消費者金融シンキの持分法投資損失68億円などが響いた。また、子会社アプラスの株式減損処理や米住宅市場での投融資評価減や引当金の計上などにより純利益で減益となった。同日夕に決算会見したティエリー・ポルテ社長は、利息返還損失引当金の積み増しなど大幅な損失計上の要因となった消費者金融ビジネスについて、「撤退するつもりはない」と述べ、今後も同ビジネスでの収益獲得を狙っていく考えを示した。通期（08年３月期）の純利益予想は、10月25日に公表した620億円（前期は609億円の赤字）から変更はない。

▼東電<9501>：柏崎刈羽原発５号機の燃料棒、炉内で支持金具から外れて設置
東京電力は14日、新潟県中越沖地震で被災した柏崎刈羽原子力発電所５号機の燃料集合体が、原子炉内でステンレス製の受け皿状の金具から外れ、外側にずり落ちた位置で設置されていたと発表した。13 センチ四方、4.5メートルの長さがある直方体の燃料集合体は、正しく設置されていれば、ペンがキャップにはまるように、「燃料支持金具」と呼ばれる受け皿にはまった状態で固定される。東電は、５月12－22日に定期検査の一環で行った燃料集合体の交換作業時に、集合体が支持金具の縁に乗ったまま、正しく設置されずに作業が終わったとみている。その後、７月16日の新潟県中越沖地震の揺れで、集合体が支持金具の縁から外れたと推定している。５号機は地震発生時も定期検査中だったため、稼働は停止していた。東電原子力運営管理部の田口雅丈・燃料管理グループマネージャーによると、仮に燃料棒か支持金具から外れたまま原子炉が稼働していたとしても、冷却水は集合体の中に流れるため問題はないと指摘した。また、炉内の水にヨウ素濃度の変化はないことから、燃料への損傷はなさそうだという。11月11日に、燃料集合体を原子炉内から使用済み燃料プールへ移動する際に、燃料交換機で荷重の異常を示す警報が発生し、交換機が自動で運転を停止した。調査したところ、燃料集合体が支持金具から外れていたことが判明した。その後、５月の燃料設置作業時の燃料集合体の設置位置を示すデータを調べたところ、他の燃料集合体よりも高い位置で設置されていたことが明らかになった。東電は、これまで燃料集合体交換時にこのデータを確認していなかった。今後は、設置時の高さを示すこのデータの確認作業を追加する方針だ。また、現在稼働中の福島第一原発と福島第二原発について、このデータを確認したところ同様の事例は見つからなかったという。

△米シティグループ：バーテクスＳＴ<6821>株を純投資で５％超保有－大量報告
米シティグループが航空通信機器などを製造するバーテックス スタンダード株式を買い進め、発行済み株式の５％超を保有していることが明らかになった。米シティの子会社で投資運用業務を行うシティグループ・グローバル・マーケッツ・フィナンシャル・プロダクト（デラウェア州）が14日、関東財務局に提出した大量保有報告書によると、バーテクスＳＴの株式を６日から報告義務発生日の８日までに合計41万7200株を保有。発行済み株式総数に対する割合は 5.89％になった。保有目的は「純投資」と説明している。バーテクスＳＴは５日、モトローラが行う株式公開買い付け（ＴＯＢ）に賛同の意を表明すると発表した。モトローラは買収子会社を通じ１株2214円で11 月６日から12月26日までバーテクスＳＴにＴＯＢを実施する。
（ブルームバーグ）

△ＡＣＣＥＳＳ<4813> 保ち合いレベルを上放れつつ。
急落で空けたマド下限が上値抵抗として意識され、直近安値水準での保ち合いが続いていたが、これを上放れつつある。マド上限および25日線レベルが位置する50万円辺りを意識。

△遠藤製作<7841> 7日ぶりに反発。
ＵＢＳでは、投資判断「Buy」並びに目標株価1100円を継続している。07年9月中間期の決算は2日の修正通りでサプライズがないとしているが、数字的にも内容的にも良好であったと。また、利益ドライバーとして期待されているウッド製品の大口注文は、期初の会社想定通りの注文状況になっている様子としている。

△ＴＩＳ<9751>---大幅反発、直近では岡三の格上げなど観測
大幅反発。業績下方修正発表に伴うアク抜け感の台頭から、リバウンド基調を強める展開が継続の格好。直近では、12日付で岡三が投資判断を「中立」から「やや強気」に格上げ、大型案件による業績変動リスクは軽減、業績は今期以降回復に向かう公算と。岡三では、今期営業利益予想80億円に対して来期は 136億円の予想としている。
（フィスコ）

△トッキ<9813>がストップ高比例配分、キヤノン<7751>によるＴＯＢで買い付け価格５５６円にサヤ寄せ
トッキが８０円ストップ高の５３６円で比例配分。出来高は２万４９００株、大引けで１３２９万株強の買い注文を残した。１３日、キヤノンによるＴＯＢ（株式公開買い付け）を発表しており、買い付け価格５５６円にサヤ寄せした。買い付け予定株数は３０７万２７００株。主要株主である津上健一氏、津上喜久恵氏、関裕子氏らが保有するトッキ株３２７万２７１２株のうち、３０７万２７００株についてＴＯＢに応募する旨の同意を得ているとしているが、買い付け株数に上限を設定しておらず、買い付け予定株数を超える応募はすべて買い付けるという。買い付け期間は１１月１４日～１２月１２日。また、トッキはキヤノンを引受先とする総額５９億円の第三者割当増資も発表しており、ＴＯＢと合わせトッキはキヤノンの連結子会社となる見込み。
（株式新聞ダイジェスト）

□バンダイネットワークス<3725>が４日ぶりに売買成立、ＴＯＢ価格にほぼ接近
バンダイネットワークスが一時、前日比2000円（3.63％）高の6万円ちょうどで４日ぶりに売買が成立した。
先週８日に親会社のバンダイナムコＨＤ<7832>が１株６万300円の買い付け価格でＴＯＢ（株式公開買い付け）を実施すると発表して以降、株価はＴＯＢ価格にサヤ寄せする展開が続いてきた。

△サイバーエージェント<4751>が大幅続伸、前９月期の連結営業利益は前期比27％増
サイバーエージェントが一時、前日比5000円（7.28％）高の7万3700円まで上昇して大幅続伸。同社が前日13日に発表した2007年９月期の連結営業利益は前期比26.7％増の55億100万円と大幅増益となったことが買い手掛かりとなったようだ。今期の業績見通しに関しては、売上高が前期比５％増の800億円、同63％減の営業利益20億円、経常利益が同65％減の18億円、当期純利益が同60％減の８億円を見込むとしている。今期の業績見通しが大幅減益予想となっているのは前期に生じたミクシィの上場に伴う株式売却益が今期は見込まれないため。そのため、今期の減益予想に関しては特に悪材料視はされていない。

△ＯＭＣカード<8258>が急騰、ＫＢＣ証券が新規に「買い」で投資判断を設定
オーエムシーカードが一時、前日比51円（13.78％）高の421円まで上昇して急騰。ベルギー系外資系証券のＫＢＣ証券が新規に「買い」で同銘柄の投資判断を設定したことが買い手掛かりとなったものと見られている。同証券では、オーエムシーカードの顧客層は良質で今後も成長する可能性が高いと述べている。

△ソフトバンク<9984>が大幅反発、値ごろ感から押し目買いが広がる
ソフトバンクが前日比160円（6.67％）高の終値2640円で大きく上昇して４日ぶりに反発となった。同銘柄は今月５日に直近の最高値（2860円）を付けて以降は米サブプライムローン問題やそれに起因する円高の進行による市場全体の調整局面に押されて下落。この間の下落率は一時、15％近くにも達したことから値ごろ感から押し目買いが優勢となったようだ。同銘柄はこの一週間だけで、携帯純増数６ヶ月連続で首位や、ディズニーと提携して来年から「ディズニー携帯」を日本で事業展開することなどを発表するなど、好材料が出ていたのにも関わらず、株価は軟調に推移していた。出来高も前日の1632万株に対して今日は1913万株で前日比で17％と増えた。
（テクノバーン）

△「パークシティ浜田山」Ｃ棟の販売を開始　三井不動産<8801>レジデンシャル
三井不動産レジデンシャルは11月23日から、東京都杉並区高井戸東で開発中の「パークシティ浜田山」（中低層マンション522戸・戸建住宅39区画）マンションＣ棟（111戸）の第１期販売を開始する。同物件は、開発面積8.3ヘクタールの大規模住宅開発。旧三井上高井戸運動場を開発するもので、開発地西側及び南側の樹林地を公園として整備。1,100本以上の既存樹を残しながら、新たに約1,000本を植樹し、緑豊かな住環境となっている。京王井の頭線「浜田山」駅徒歩３分の立地。マンションは、Ａ棟からＩ棟までの９棟が建築される（予定）。鉄筋コンクリート造り、地上２階から６階建て、地下１階建てで、専有面積は61.94平方メートルから204.83平方メートル。09年12月に竣工予定。Ｃ棟の販売価格は坪400万円強の予定。先行して販売したＢ棟（78戸）は、既に完売している。
（住宅新報）

□円建て優先出資証券を発行へ＝みずほFG<8411>
みずほフィナンシャルグループ（FG）は14日、資本増強策として海外特別目的子会社（英国領ケイマン諸島）を設立し、優先出資証券を発行すると発表した。発行額は未定。発行するのは円建ての優先出資証券で、みずほFGのほか、みずほ銀行、みずほコーポレート銀行の連結子会社の少数株主持ち分として、自己資本に算入される。なお、発行する優先出資証券にはみずほFGの普通株式への交換権は付いていない。　

■半数は初告知の可能性＝50人中、治療確認25人―薬害C型肝炎問題
汚染された血液製剤「フィブリノゲン」でC型肝炎に感染した疑いが強い418人に厚生労働省や製薬会社が事実関係を知らせていなかった問題で、
薬害C型肝炎訴訟で被告企業の田辺三菱製薬（旧三菱ウェルファーマ）<4508>が告知した50人のうち、治療を確認できたのは25人にとどまることが14日、分かった。残り25人は今回初めて投与事実を知らされた可能性があるという。　

▼ヒロセ電<6806>、中間連結営業益9．2％減＝競争激化、金属高騰で
2007年9月中間期の連結業績は売上高が前年同期比0．7％増の588億円、営業利益が9．2％減の184億8900万円、経常利益が7．9％減の 197億8600万円、最終利益が8．1％減の117億1300万円。価格競争の激化、金など金属材料の高騰で増収減益になった。　

▼三井住友建設<1821>、営業利益58．5％減＝07年9月中間期
2007年9月中間期の連結業績は、売上高が前年同期比0．4％減の2218億円、営業利益が58．5％減の11億0100万円、経常利益が65．6％減の6億9700万円、最終利益が81．0％減の3億2100万円で、大幅な減益となった。資材価格や労務費の高騰により、建築事業の売上総利益率は前年同期の4．4％から3．3％に悪化。同事業の半分を占めるマンション建設で苦戦した。　

△東京ガス<9531>、10月のガス販売量2．4％増＝卸供給が大幅増
東京ガスが14日発表した10月のガス販売量は、前年同月比2．4％増の10億2683万5000立方メートルとなり、7カ月連続で前年実績を上回った。これまでけん引役だった工業用がほぼ横ばいとなったものの、他のガス事業者への卸供給が大幅増となり全体をけん引した。　

▼名古屋地下鉄談合のゼネコン14社に課徴金19億円＝33社違反認定―公取委
名古屋市が発注した地下鉄工事をめぐる談合事件で、公正取引委員会は14日、大林組<1802>などゼネコン33社に独禁法違反（不当な取引制限）で排除措置命令を出すとともに、うち14社に計約19億2000万円の課徴金納付を命じた。公取委によると、33社は2005年12月から06年11月にかけ、受注予定業者などを取り決め。06年2月と6月に行われた入札で、取り決め通り落札した。
課徴金納付命令の対象となった14社は、これらの入札で受注実績があった社。うち清水建設<1803>、鹿島<1812>、奥村組<1833>、前田建設工業<1824>は先月、名古屋地裁で罰金が言い渡され確定しているため、独禁法の規定により罰金額の半分が課徴金から控除された。

△海外プラント好調で9期連続最高益へ＝下期に大型プロジェクト―日揮<1963>副会長
日揮の増田日出雄副会長は14日の決算発表の席上、2008年3月期連結業績を上方修正した要因として、中近東、東南アジアなど海外の旺盛なエネルギー需要を背景に、液化天然ガス（LNG）など採算性の良い大型プラント工事の消化が順調に進むことを挙げた。

△宝HD<2531>、今期経常益予想86億円へ上方修正＝中期計画目標は達成困難に
2008年3月期連結業績予想を上方修正した。売上高は前年同期比3．4％減の1917億円（従来予想は1900億円）、経常利益9．6％増の86億円（80億円）、最終利益2．2％増の43億円（40億円）で、いずれも上方修正。営業利益予想は82億円のまま据え置いた。同期は第6次中期経営計画の最終年度に当たるが、売上高2100億円、経常利益100億円以上などの数値目標は達成困難な状況となった。　

△名鉄<9048>、名鉄東部観光バスを完全子会社化
名古屋鉄道は14日、名鉄東部観光バスを株式交換により、完全子会社化すると発表した。名鉄は既に名鉄東部観光バスの株式47．3％を保有しているが、完全子会社化で同社の経営基盤を強固にして収益力の改善を図るとともに、名鉄グループのバス事業の再編を機動的に進める。　

▼名鉄<9048>、07年9月中間連結業績は40億0200万円の最終赤字☆差替
名古屋鉄道が14日発表した2007年9月中間期の連結業績は、売上高が前年同期比3．2％増の3479億円、営業利益が10．1％増の175億7000万円、経常利益が3．6％増の149億8700万円、最終損益は40億0200万円の赤字（前年同期は25億5600万円の黒字）だった。分譲マンションの販売が好調に推移したほか、名鉄百貨店が改装効果によって売り上げが伸びたことが増収につながり、「営業利益、経常利益とも過去2番目の水準」（木下栄一郎社長）となった。　

▼バイク用タイヤ2万2000本リコール＝転倒の恐れ、人身事故も－住友ゴム<5110>
住友ゴム工業は14日、バイク用タイヤ「DUNLOP　SCOOTLINE　SX01」に表面がはがれやすい欠陥があるとして、国土交通省にリコール（回収・無償修理）を届け出た。対象は昨年12月から今年10月までにタイで製造された2万2464本。製造工程で加えた薬品の量が不適切だったため、タイヤ表面のゴム層と内部の繊維層の接着力が弱い。走行中に表面がはがれ、転倒する恐れがある。タイヤの表面がはがれたり、変形するなどの不具合が7月から22件報告されており、転倒事故も2件起きている。先月15日には、横浜市の一般道で2人乗りバイクが転倒し、2人とも打撲やねんざなどのけがを負った。交換専用タイヤで、実際にどの程度装着されているか不明だが、進行方向右側の側面に「MADE　IN　THAILAND」の刻印があるなどの特徴がある。
（時事通信）

△「おサイフケータイ」世界へ　ソニー<6758>欧州で合弁
ソニーは１４日、欧州の半導体メーカー、ＮＸＰセミコンダクターズと非接触型ＩＣ（集積回路）事業の合弁会社「モベルサ」をオーストリアのウィーンに設立したと発表した。決済機能を持つ携帯電話の中核部品であるＩＣチップで国際共通規格を目指す。非接触型ＩＣ技術には、ソニーの「フェリカ」方式とＮＸＰの「マイフェア」の２方式が世界的に優勢。モベルサは両方式に対応したチップのサンプル品を来年上半期に出荷し、２００９年中に量産に入る。

▼フォルクスワーゲン<7659>が東証から撤退
ドイツに本社のある自動車大手、フォルクスワーゲン（ＶＷ）は１４日、東京証券取引所に上場廃止を申請した。東証は同社株を監理ポストに移し、１２月２１日付で上場を廃止する予定。ＶＷはバブル経済期の昭和６３年１２月に東証１部（外国株）に上場。上場株式数は９月末時点で２億９１００万株だが、売買が全く行われない日も多く、「低い売買高に対し高額な上場費用がかかる」（同社）として上場廃止を決めた。東証では外国企業の撤退が相次いでおり、ＶＷの撤退で東証の上場外国企業は２５社となる。

▼フェロシルト不法投棄、控訴審初公判
化学メーカー石原産業<4028>（大阪市）による土壌埋め戻し材「フェロシルト」の不法投棄事件で、廃棄物処理法違反罪に問われ、１審・津地裁で懲役２年の実刑判決を言い渡された同社の元取締役で元四日市工場副工場長の佐藤驍被告（７０）に対する控訴審初公判が１４日、名古屋高裁（田中亮一裁判長）で開かれた。被告側は１審同様、執行猶予付き判決を求めた。弁護側は控訴趣意書で「会社の方針に従い、会社の承認を得た会社ぐるみの犯行。被告の独断ではなく、１審の量刑は重すぎる」などと主張し、１審判決の破棄を求めた。

△プラズマ世界シェア４割　松下電器産業<6752>、尼崎第３工場着工
松下電器産業は１４日、平成１９年度のプラズマテレビの世界シェアが当初目標の４０％を達成できるとの見通しを明らかにした。電機各社がサブプライム（低所得者向け高金利型住宅）ローンの影響などで北米市場で苦戦する中、松下は欧州やアジアなどグローバルでの拡販が奏功し、シェアは前年度の３５％から５ポイント程度改善できる見込みだ。基幹部品のＰＤＰ（プラズマ・ディスプレー・パネル）の生産を手がける子会社「松下プラズマディスプレイ」の森田研社長（松下電器産業常務役員）がこの日、尼崎第３工場の起工式あいさつで明らかにした。松下電器の１８年度のプラズマテレビの世界販売台数は３５０万台。１９年度は４割増の５００万台に引き上げる“強気”の計画を打ち上げている。世界シェア４割はこの販売台数が前提とみられており、５００万台も達成できる見通しだ。北米市場では、薄型テレビ各社は格安ノンブランド品に押されて苦戦。４０型以上の大画面サイズの売れ行きが落ち込んで業績を悪化させたが、中国やアジア、欧州で販促に成功した。松下電器産業は１４日、兵庫県尼崎市でＰＤＰ（プラズマ・ディスプレー・パネル）の尼崎第３工場の建設に着工した。今年６月に本格稼働した尼崎第２工場の隣接地に建設、平成２１年５月の操業開始を目指す。総投資額は２８００億円。ＰＤＰを年間１２００万枚（４２型テレビ換算）製造する世界最大規模を誇る。尼崎市内の建設予定地にはＡＶ（音響・映像）担当の坂本俊弘専務ら松下関係者、尼崎市幹部ら１００人が出席。松下プラズマディスプレイの森田研社長が「新工場の建設でプラズマ事業をより大きく発展させたい」とあいさつした。大阪湾岸では、液晶テレビ事業を主力とするシャープも今月中に堺市西区の敷地（１２７ヘクタール）で液晶テレビ向けパネル工場を着工。２２年３月までの稼働を目指している。

△人を育てる　企業が活きる　モロゾフ<2217>　コミュニケーション研修
「いらっしゃいませ」男性客に頭を下げた後、店員が笑顔で続けた。「外はまだお暑かったでしょう。ゆっくり涼んでいってくださいね」客が上着を小脇に抱えているのを見てとってのこと。その一言に客は相好を崩し、「帰省みやげを探していて…」と店員に話し始めた。
実は客は菓子製造販売、モロゾフの研修担当の社員。店も研修所（神戸市）内に設けた模擬店舗で、実際の同社の販売コーナーを忠実に再現したもの。中堅販売員を対象にした「コミュニケーション研修」での、接客のロールプレイング（役割演技）だ。同研修は、販売員の感度を磨くことでコミュニケーションを発展させ、カスタマー・サティスファクション（ＣＳ＝顧客満足）に結びつけるのがねらい。「販売員は、会話や観察から、お客さまの情報や潜在的ニーズを敏感にくみ取らなくてはなりません。接客は究極のコミュニケーションです」と、研修を担当する佃裕美ＣＳ担当部長は説明する。先の店員役の研修生は、帰省先の家族構成や客の好み、予算などを聞き出すと「遠方なら配達も可能ですよ」と提案。５分の制限時間内に、洋菓子詰め合わせセットの購入を決断させた。十分な接客に見えたが、「人数や好みを尋ねるだけではダメです」と佃部長の目は厳しい。「ご両親も帰省を楽しみになさっているでしょうね」とつけ加え、客と喜びを分かち合えてこそ、接客のプロという。佃部長は研修生たちに、「マニュアルで真の接客はできません。耳、目、心でお客さまの心の声を受けとめる臨機応変さが必要です」と説いた。コミュニケーション研修は、この“現場での応用力”を販売員から引き出そうと、昨年から年数回実施され、全国の百貨店や直営店の販売担当者などが順次、受講している。中堅の販売員１３人が参加した１０月の研修では、あいさつやお辞儀、発声の練習のほか、自己紹介ならぬ“自他紹介”も行われた。自由に会話して他の社員についての情報を集め、人前で他の社員を紹介するもので、情報収集能力や積極性が培われるという。研修を終えた西宮阪神店（兵庫県）の販売員、六車香月さんは「自分とお客さまとのコミュニケーションがいかに浅かったか気がつきました」。「こうした気づきがあるので、研修を終えて帰る販売員たちの顔は輝いている」と佃部長。職場に戻ったら、「研修で得た体験や知識を仲間にも教えてあげて」と伝達を促す。売り場ごとの接客態度や販売実績を競わせる「ＣＳキャンペーン」も設け、その成果の拡大を目指している。
（産経新聞）