春爛漫～花辨當（京都の休日１１）

　今週、東京には開花宣言が出ました。
これから日本列島は桜色に染まって行きますね。

　お弁当･･･むかしは「御辨當」と書いていました。
何でも簡単になって行く今日このごろですが、
たまには、凝ったお弁当でも･･･
刹那にしか楽しめないこの季節を「粋」に凝りましょう。

　むかしは、雛祭りに花見･盂蘭盆会･観月に紅葉狩り･･･と、
日本ほど、お弁当を囲み季節の彩りを愛でる習慣を
持つ国はないでしょう。

　
　さぁ～そろそろ花見の季節！
満開の桜の下で「花辨當」の蓋を開ける瞬間の
なんと待ち遠しいことでしょう。

　京都の桜百景や料亭特製辨當を簡単に紹介しながら
日本列島が桜色に染まるわずかな日々を楽しみましょう。

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■京都桜百景■

◆神苑の桜：平安神宮◆

緋色の宮柱と競い合うかのように咲き誇る、平安神宮の山桜。
毎春、染井吉野のあとを追うように山桜と紅枝垂桜が順ぐりに
社(やしろ)を彩る。

◆舞妓の桜：祇園白川◆

お茶屋さんや料亭が立ち並ぶ祇園白川。
花びらがひらり～ひらり～舞妓の髪に舞い降りる。
町の賑わいに呼応するかのように、花を開いた染井吉野。

◆里の桜：渡月橋◆

行楽客で溢れるこの地も、古(いにしえ)の時代は貴族の別荘地。
大堰川に映る染井吉野と、遥かに望む山桜が嵯峨野に春を告げます。

◆宵の桜：嵐山◆

闇色に沈みゆく愛宕山を彼方にひかえ、妖艶に、地面の際まで
しだれ咲く花の美しさを誇る、枝垂桜。

◆母の桜：善峰寺◆

徳川綱吉の生母、桂昌院の手植えによる枝垂桜。『生類憐れみの令』の
発案者と伝えられる女性ゆかりの桜が、今でも誇らしげに咲く。

◆燈篭の桜：平野神社◆

桜の名所として知られる古社。境内には、約五十種にも及ぶ桜が連なり、
春先から四月半ばまで、朝に夕にと訪れる人を歓待する。

◆名残の桜：二条城◆

徳川家の栄華に続く、大政奉還以降の激動の世。
この国の歴史を見続けた桜は春を惜しむように地を染める
山桜と八重桜。

◆御室の桜：仁和寺◆

春も盛りを過ぎた頃に花をつける地名を冠した御室桜。
かつて、天皇の子弟が入寺したと伝えられる仁和寺で、
江戸時代初期より人々を魅了し続ける。

◆水面の桜：哲学の道◆

日本画家、橋本関雪夫人が大正十年に植えた桜が、
約二キロの路を彩る。水面(みなも)に散った花びらが、
静かに京の都を流れ去る。

◆太閤の桜：醍醐寺◆

豊臣秀吉が植えた桜並木『桜の馬場』
慶長三年、栄華を極めた秀吉は、千名を超える共を連れて、
この寺で花見を楽しんだという。

◆小野小町の桜：地蔵禅院◆

万葉集の里、井手にあり、平安の女流歌人にして
六歌仙のひとりとされる小野小町の終の住処。
絢爛な様を誇るしだれ桜は京都府の天然記念物であり、
京都・円山公園のしだれ桜の兄弟木にあたるそうです。

■花見遊山の贅沢名店仕出し辨當■

◆紫野和久傳：陶筥弁当"春のにがみ"、青竹酒の取り合わせ◆

京都北山方面へ桜を愛でに、仁和寺や平野神社へ。
いずれも紫野和久傳からほど近い距離にあります。
大徳寺真珠庵に伝わる「永正ます」の形をうつした陶製の
弁当箱に、季節の味を配した人気の定番「陶筥弁当」。
陶筥が二つ収納出来る特製桐箱を用意し、これに、春に芽吹く
山野菜を詰め合わせた「春のにがみ」(2月～4月中旬迄期間限定)と、
和久傳特製青竹酒を合わせました。
春、人が集まれば、お気に入りの桜の下で楽しんでみたい取り合わせです。

紫野和久傳：
京都府京都市北区紫野大徳寺門南東入ル　075-495-5588
陶筥弁当2点セット＋春のにがみ＋青竹酒　\27,300-(特製桐箱付き)
前日までに要予約

◆三友居：五色の重で五色の宴◆

銀閣寺道や哲学の道で桜が満開になる頃に、ほど近い処にある
茶事の出張料理店「三友居」の特別弁当と一緒に花見というのは
いかがでしょうか。雅(みやび)やかな五色の重箱は、
千家十職の一つ、塗師･中村宗哲氏主宰の「哲工房」製。
ここに煮物、焼物、揚物、飯物、造りに分けてそれぞれ盛り込むという、
かつてない演出です。茶室「塵外室」を構えて、茶事を催すことも
できる京都屈指の仕出し専門店の料理はいずれも華美な演出なく、
それでいて凛とした美意識を感じさせます。

三友居：
京都府京都市左京区北白川久保田町22　075-781-8600
「五色の重で五色の宴」\75,000-
3日前までに要予約

◆道楽：春の豊国弁当◆

豊臣秀吉を奉る豊国神社には、春になると地元の人々で賑わう桜が
あります。この門前に構えた茶店から始まった「道楽」は、
いくつも茶室を有し、楽、永楽をはじめとした器遣いや茶懐石料理に
定評があります。折詰弁当では、五年前に考案された瓢箪形の箱の
「豊国弁当」が人気です。今回、これにさらに贅をつくした限定版が
出来上がりました。女性の手にすっと収まる大きさの箱の中に、
種類豊富な料理が見目よく収まり、水菓子も別箱に用意されているので
満足度も充分です。

道楽：
京都府京都市東山区正面通本町西入ル　075-561-0478
「春の豊国弁当」\8,040-　要予約
引き取りは　11時～20時

◆木乃婦：ロゼシャンパンと戴く花見弁当◆

桜色のシャンパンを桜の木の下で楽しむ。
そんな時に注文したいお重です。

シャンパンは、やはりアート・オブ・シャンパンとも称される
「ペリエ･ジュエベル･エポック･ロゼ」。
エミール・ガレの描く花の模様の優美なボトルには、見覚えがある方も
多いかも。英国王室･フランス王室御用達のそのお味は、繊細＆芳醇。
長く口中に残るアロマが特徴ですよ。

そして、お重は穴子やはまぐりの煮詰めには赤ワインを隠し味に、
白魚は昆布出汁と白ワインで炊く、一寸豆に白ワインゼリーを挟むなど、
シャンパンとの相性を増す工夫が凝らされています。
また、グラスを片手に食べることを考え、鯛の昆布〆を桜葉で包んだり、
ちらし寿司を錦糸玉子でくるんだり、つまみやすいものばかり。
姿、形も愛らしく、フォークでもいただけるいわばフィンガーフード弁当です。

木乃婦：
京都府京都市下京区新町通仏光寺下ル岩戸山町416　075-352-0001
「ロゼシャンパンと戴く花見弁当」\31,500-シャンパンは別
3日前までに要予約

　上記の仕出し屋さんでは、お重などのお弁当箱が付いていますが、
料亭などのお料理を盛り込んでもらう方法があります。

春爛漫の行楽弁当にお勧めしたい「仕組みの筥(はこ)」を紹介してみます。
白木の清楚な木肌が、春の素材をさらに引き立て、
上品な華やぎを約束します。

和食器No.90862　檜・二段引き出し弁当 27026（1）
和食器No.90863　檜・嵯峨野弁当　　*中箱3段 27173（1）
和食器No.90864　檜・箪笥（たんす）弁当 29602（1）
和食器No.90865　檜・唐びつ三段弁当 27118（1）
和食器No.90866　檜・手提付松風弁当 27145（1）
和食器No.90868　檜・書院弁当（2）
和食器No.90874　ひのき福久桝三段弁当 27117（1）

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