11/9 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△大和ハウス<1925>の中間、連結経常益５％増――商業建築好調で
大和ハウス工業が９日発表した2007年９月中間期の連結決算は、経常利益が前年同期比５％増の408億円だった。戸建て住宅が振るわず住宅事業は減益となったが、商業施設や物流センターが伸びた商業建築事業が好調で補った。売上高は６％増の8258億円。ショッピングセンターやドラッグストアなどの建築受注が好調だった。金額ベースでの受注高は、住宅事業は戸建て請負受注が前年同期に比べて１％減、集合住宅は同９％増となった。営業利益は８％増の407億円。前年同期にあった保有不動産の減損損失がなくなり、純利益は17％増の236億円と増益幅を拡大した。
（NIKKEI NET）

▼オークマ<6103>が大幅安、東証1部で値下がり率第3位
オークマが大幅安。９時３８分現在、同社株は東証１部で値下がり率第３位となっている。８日に発表した２００７年９月中間期連結決算で、営業利益が１３６億１８００万円（前年同期比１５．７％増）とこれまでの会社計画である１４０億円に到達しなかったことを受け、売りを誘った。通期の営業利益見通し２９８億円（前年比９．３％増）は据え置いている。

△バンダイＶ<4325>が買い気配、ＴＯＢ価格28.7万円にサヤ寄せ
バンダイビジュアルが買い気配。バンダイナムコホールディングス<7832>は８日、同社株を１株２８万７０００円でＴＯＢ（株式公開買い付け）すると発表した。株価はＴＯＢ価格にサヤ寄せする動きとなっている。
バンダイナムコは、バンダイビジュアルのほか、バンダイネットワークス<3725>にもＴＯＢ（株式公開買い付け）を行い、この２社のすべての株式を買い取ることにより完全子会社化を計画している。バンダイネットワークスのＴＯＢ価格は１株６万０３００円で、株価は買い気配を切り上げている。

△日清粉Ｇ<2002>小じっかり、食品中細菌数測定の技術開発報道
日清製粉本社グループが小じっかり。９日付日経新聞朝刊で、同社が国立医薬品食品衛生研究所と、食品に含まれる生きた細菌の数を１時間以内に測定できる技術を開発したと報道されたことなどが材料となっている。食品の製造工程では、食品中の生きた細菌の数を測定することが法律で定められており、現在は１─２日かかる。日清製粉では、食の安全への関心の高まりを踏まえて実用化を目指すと報道では伝えている。

△三菱電<6503>堅調、変電所用装置増産との報道
三菱電機が堅調。９日付日経新聞朝刊で、同社が変電所の主要機材「ガス絶縁開閉装置」（ＧＩＳ）を増産すると報道されたことなどが材料となっている。２００８年度末に、年間生産能力を売上高ベースで現在の３割増となる８００億円に高める。中国や米国で送電設備の新設・更新の動きが活発化していることに対応すると報道では伝えている。

△ゲームオン<3812>が買い気配、韓国企業との資本提携を材料視
ゲームオンが買い気配で始まっている。８日に発表した韓国Ｎｅｏｗｉｚと韓国ゲームホールディングスとの資本提携契約を材料視した。２社がゲームオン株に対し、１株２０万円でＴＯＢ（株式公開買い付け）を実施する。買い付け予定株数は４万１０００株。また、ゲームオンは２社を割当先に第三者割当増資を行うことを決定した。普通株式２万株を発行し、調達資金は２７億８０００万円。今回の提携で、優良タイトルの拡充やオンラインゲーム周辺ビジネスの拡大が図れると同社では説明している。
（ロイター）

△不二油<2607>株が大幅反発、円高や経費減で業績目標達成も－ＣＳ証は格上げ
不二製油の株価が大幅反発。一時は前日比 51円（6.5％）高の839円を付け、８月９日（6.8％）以来、３カ月ぶりの高い上昇率を記録した。大豆たんぱく事業の不振で上半期業績は会社計画を下回ったが、経費削減や仕入れコストの低減などで今期業績予想の達成は可能との見方が出て、買い安心感が広がった。午前終値は同4.8％高の826円で、東証１部上昇率ランキング19位。出来高は21万株で、過去５営業日の終日出来高の平均（17万株）を既に上回った。クレディ・スイス証券は８日付で同社株の投資判断を「Neutral（中立）」から「Outperform（買い）」に引き上げた。原材料価格上昇ペースが徐々に鈍化していることや直近の円高傾向も今後ポジティブに働くとして、目標株価1000 円を継続した。不二油が８日の取引終了後に公表した2007年９月中間期の連結決算によると、営業利益は前年同期比26％減の23億円にとどまり、計画を７億円(24％)下回った。大豆食材に対する消費者の購入意欲が低下、業務用を中心に大豆たんぱく事業は売上高を減らし、７億7900万円の営業赤字（前年同期は３億5500 万円の赤字）となった。　　ただ売上高販売管理費率は15.4％と1.3ポイント改善、経費削減で収益性悪化を緩和した。ブルームバーグ・プロフェッショナルに登録されたアナリスト７人による不二油の今期(2008年３月期)純利益予想の平均は29億円。市場コンセンサスは会社計画の33億円より４億円低いが、ＣＳ証では海外事業の好調やコスト削減などで32億円になると予想、今後は利益も回復基調になるとみている。

▼カプコン<9697>株が大幅続落、ソフト販売好調も中間期16％減益－格下げ嫌気
ゲームソフトメーカー大手のカプコンの株価が大幅続落。一時前日比230円（7.4％）安となる水準まで売られた。８日に発表した９月中間期の連結純利益は、前年同期比16％減の16億円。新型ゲーム機向けのゲーム販売は引き続き好調ながら、為替差損などが響いた。こうした中で一部アナリストによる投資判断引き下げも重なり、一段の上値に限界感が広がって１カ月ぶりの安値に沈んだ。三菱ＵＦＪ証券は、カプコンの投資判断を８日付で「１（強いアウトパフォーム）」から、「２（アウトパフォーム）」に格下げしている。同証の村上宏俊アナリストは、「中間業績の着地数値にサプライズはない」と述べた上で、格下げ理由については、「アミューズメント施設と業務用機器販売が不調なこと」を挙げた。明和証券の矢部靖夫顧問は、「中間業績を受けた投資判断の引き下げが効いているようだ」と述べ、外国人投資家はポートフォリオの見直し中で、格下げには敏感な時期」と指摘している。カプコンの中間期の売上高は同6.6％増の311億円、営業利益は同0.5％増の31億円、経常利益は、為替差益を計上した前期から一転して今期は為替差損を計上したことが影響し、同10％減の34億円となった。ただ、同社の主力のゲームソフト事業は好調だ。欧米を中心に「バイオハザード４ Ｗｉｉ ｅｄｉｔｉｏｎ」が大ヒットしたほか、前期末に発売した「モンスターハンター ポータブル２ｎｄ」が引き続き好調だった。両ソフトは100万本販売のミリオン セラーとなった。同社は、2008年３月期の連結業績予想は据え置いた。純利益は前期比5.9％増の62 億円、売上高は同4.6％増の780億円、営業利益は同4.1％増の100億円、経常 利益は同3.8％増の110億円をそれぞれ予想している。

▼トレンド<4704>株が一時ストップ安、北米などで受注失速－３カ月ぶり低水準
ウイルス対策ソフト大手のトレンドマイクロの株価が大幅続落。一時は前日比500円（11％）安の4290円まで売り込まれ、今年８月17日以来、約３カ月ぶりの低水準を付けた。第３四半期（７－９月期）の受注高は前年同期比５％増にとどまり、第１四半期の21％や、第２四半期の 34％増と比べ、伸び率が鈍化した。受注失速が中長期的な業績停滞を招くと懸念されている。トレンドＭが８日の取引終了後に公表した第３四半期業績によると、連結営業利益は前年同期比24％増の89億円だった。営業費用が抑制されたことで、会社側の事前予想（74億円）を大きく上回ったが、受注高が５％増と伸び率が鈍化した。地域別売上高は、日本が同12％増の93億円、北米が同32％増の65 億円、欧州が同16％増の59億円、アジア・パシフィックが同25％増の27億円、中南米が同22％増の７億円。ＵＢＳ証券の富井喜隆アナリストは８日付の投資家向けリポートで、「受注失速が一時的か否かの判断は現時点では難しいが、来期業績コンセンサスの切り上がりは期待できないであろう」と指摘、投資判断「Neutral（中立）」と目標株価4800円を継続した。９日朝、ブルームバーグ・テレビに出演した同社のマヘンドラ・ネギＣＯＯ兼ＣＦＯは、新製品の投入が１カ月遅れたことについて「新しい機能を入れたため、ユーザーに慣れてもらう時間が必要だと思った」と説明。受注拡大のため、慎重な販売戦略をとったことを示唆した。　　また、今後の注力分野については情報漏えいを予防するセキュリティーソフトだとし、「これまでは外部のハッカーが情報を盗むのを妨げるソフトだけを提供してきたが、内部の人が情報を盗めないような仕組みをつくりたい」と話している。

▼古河電工<5801>株が３日続落、半導体向け厚板の不振続く－中間期は営業減益
古河電気工業の株価が３日続落。半導体製造装置などの需要低迷に伴い厚板販売の不振が継続、軽金属部門の利益率が悪化し、前日に発表した07年９月中間期は営業減益となったため、業績に対する不安が高まった。午前９時49分現在の株価は前日比10円（2.0％）安の490円。中間期の連結営業利益は前年同期比12％減の209億円と、ブルームバーグ・プロフェッショナルに登録されたアナリストの平均予想値225億円を下回った。厚板を含む軽金属部門の売上高は、税制改正による減価償却費の増加などもあり、前年同期比5.5％減の1265億円だった。もっとも、電線材料の銅価格高騰が寄与して中間期の売上高は前年同期比 12％増の5775億円と過去最高を記録。アナリスト予想の5675億円を上回った。金属部門では、エアコン向け銅管の売り上げが昨年を上回って推移したほか、電解銅箔がＬｉ電池やフレキシブルプリント基板関連向けに売り上げを伸ばした。同社の過去の株価推移をみると、今期（08年３月期）業績見通しが示された５月以降、下落基調となっていた。年初から前日までの株価はマイナス34％。前日は年初来安値488円を付けていた。

△ニコン<7731>株が急反発、業績増額で５年ぶり上昇率－目標株価上げる動きも
ニコンの株価が急反発。一時前日比320円（9.4％）高の3720円と、取引時間中の上昇率としては2002年11月21日の 13.1％以来の大きさとなっている。８日の中間決算発表に併せ、デジタル一眼レフカメラ好調などから純利益予想は従来比13％増額しており、これを好感して買いが集まった。決算を受けて、クレディ・スイス証券は2600円から3300円、みずほ証券は4150円から5000円へ、それぞれ目標価格を引き上げている。

▼ＤＯＷＡ<5714>株が売り気配、亜鉛急落ショック－上方修正が一転下方修正に
非鉄大手のＤＯＷＡホールディングスの株価が売り気配。午前９時19分現在の気配値は前日比80円（6.6％）安の 1126円。亜鉛相場の急落で、７月に引き上げた通期純利益予想を一転下方修正し、失望売りを誘っている。同社は８日、 2008年３月期の連結純利益を従来予想の260億円から40 億円（15.4％）引き下げ 220億円になるとの見通しを発表した。前期比では 16.5％の減益となる見込み。同社は７月の第1四半期決算公表時に銅市況の高騰を背景に７月に200 億円から 260億円に引き上げていた。上期平均トン当たり3445ドルで推移した亜鉛価格が下期は 2593ドルに落ちるとみている。ロンドン金属取引所（ＬＭＥ）の亜鉛相場は ５月に4000 ドル台にあったが直近は2710ドルまで下げている。
（ブルームバーグ）

△ＡＣＣＥＳＳ<4813>---そろそろ出直り体勢に
そろそろ出直り体勢に。前日ストップ高の反動、東証1部のリバウンドの流れから利食い優勢となっている。ただ、前日高値レベルで踏ん張っているほか、東証 1部がややダレてきていることもあり、短期資金は新興市場へシフトする可能性も。新興市場の指標銘柄との位置付けもあり、同社の切り返しは波及効果大きい。

△上証５０連動投<1309>---基準価格割れでリバウンドに
3日ぶり反発。前日に一時64900円まで下げており、基準価格（66600円）を割り込んでいた。過熱抑制策に対する警戒感から上海市場は不安定な動きをみせてきているが、上海指数が前日5％近い下げの反動がみられればリバウンド狙いの動きもでてきそうだ。

▼富士ソフト<9749>---一時ストップ安、大幅下方修正に失望売り
一時ストップ安。昨日発表した中間決算内容がネガティブ視されている。中間期営業利益は従来予想の45.3億円に対して33.3億円、前年同期比23％減になっている。通期予想は107億円から69億円にまで下方修正。ＪＰモルガンでは投資判断を「オーバーウェイト」から「アンダーウェイト」、目標株価を 3000円から1900円にそれぞれ引き下げへ。ファンダメンタルズ安定化まで最低2年は要する可能性との見方に変更しているもよう。

■ミクシィ<2121>---資金の流れに継続性がなく
資金の流れに継続性がなく、本日は売り優勢から25日線のサポート意識した展開に。昨日強い動きをみせていた新興市場の主力処は総じて冴えない展開。短期資金は東証1部の材料株などへシフトしているようだ。指標性の銘柄であるが故に、同社などの反転待ちに。

△住友化<4005> 大幅続伸。
決算通過で悪材料出尽くし、直近の急速な下げの反動もあり、リバウンド狙いの短期資金が集中している。一目均衡表では雲上限を突破し、遅行スパンは上方転換シグナルを発生させつつある。信用倍率は1倍を下回る状況が慢性化しており、需給妙味を手掛かりにした流れも。

■プロミス<8574> 軟調。
前日に中間決算を発表、経常利益は先の上方修正通り182億円となり、通期予想は194億円から302億円に上方修正している。ただ、増額修正は子会社化した三洋信販グループの統合効果を織り込んだものであり、特にインパクトは強まっていない。短期的な出尽くし感に加えて、足元の利息返還金も高水準継続で楽観視はしにくいとの見方。

△東芝<6502>---しっかり、リーマンでは2段階格上げ
しっかり。リーマンでは投資判断を「アンダーウェイト」から「オーバーウェイト」に2段階の格上げを行なっている模様。目標株価は647円から1052円に引き上げへ。ＮＡＮＤフラッシュの競争力の高さなどを評価しているようだ。また、野村でも、総合電機5社の中で最も投資順位が高いと評価している。

△三井物産<8031>---大幅反発、ＵＢＳの格上げも評価材料
大幅反発。地合いの落ち着きを映して、前日に売り込まれた総合商社株は総じてリバウンドの動きに転じている。加えて、同社に関しては、ＵＢＳが投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に格上げ、目標株価を2800円から3200円に引き上げていることもプラス材料に。鉄鉱石などを中心とした商品市況の良好な先行き見通しなどを反映させているもよう。

△金門製作<7724>---買い優勢、株式交換比率にさや寄せ
買い優勢。山武が株式交換で完全子会社化すると発表、株式交換比率にさや寄せする展開となっている。交換比率は1：0.045、現在の山武の株価3220円から試算すると145円程度が妥当値となってくる。

△オリコン<4800>---携帯コンテンツ関連に対する材料相次ぎ
続伸。前日急騰の流れが継続している。25日線レベルがサポートとして機能、一目均衡表の雲上限もサポート機能するなど、テクニカル妙味。ノキア、英ボーダフォン提携などここにきて携帯コンテンツ関連に対する材料が相次いでいる。

△三菱電機<6503>---買い先行、ＪＰＭやＣＳが評価を引き上げ
買い先行。アナリストの評価引き上げが複数観測されている。ＪＰモルガンでは投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウェイト」に格上げで、目標株価も 1410円から1630円に引き上げている。エアコン事業の拡大を牽引に、来年度の業績予想を上方修正している模様だ。また、ＣＳでも「買い」推奨継続で、目標株価を1370円から1690円に引き上げ、下期業績に対するリスクの低さ、来年度の事業拡大継続期待などを背景に。

△日ビクター<6792>---買い気配、ＣＳが投資判断を格上げで
買い気配。ＣＳが投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」に格上げ、目標株価も277円から334円に引き上げており、買い材料につながる格好。ＣＳでは、現在の株価は下方修正リスクを過度に織り込んだ水準にあるが、液晶テレビの売上動向次第では、会社計画達成も十分射程圏であると指摘。なお、ＣＳでは、民生エレクトロニクスセクターの投資判断を「アンダーＷ」を「オーバーＷ」に引き上げている。

△ＤｅＮＡ<2432> みずほ証券では投資判断「2」を継続したうえ、目標株価を80万円に設定したようだ。
ＫＤＤＩとドコモによる回収代行サービスの開始効果、検索関連広告の収益拡大効果、リクルートと組んで開始された「バイト探し」サービスによる収益拡大効果を織り込んだとしている。
（フィスコ）

△神鋼商<8075>は中間業績上ぶれ着地見直す割安株買いで急反発
神鋼商事は、２１円高の４４３円と急反発している。同社株は、９月２８日に今期業績を上方修正し、株価は年初来高値４９１円まで好感高して利益確定売りに押されていたが、１０月３１に発表した９月中間期業績が、同修正値を上ぶれて連続過去最高で着地したほか、同日開催の決算説明会で今３月通期業績も「中期経営計画の最終年度の来期目標値を１年前倒しで達成する見込み」（森脇亞人社長）とした好実態を見直し、下値で割安株買いが再燃している。同社の中間期業績は、９月修正値を上ぶれ前年同期比１３％増収、１０％経常増益、１７％純益増益と伸びた。鉄鋼セグメントで、高級鋼材の自動車向け線材などが堅調に推移、機械・情報・溶剤などの各セグメントも増収となり営業利益が２ケタ増益となったことが業績を押し上げた。今３月通期業績は、９月修正値を据え置き売り上げ７２００億円（前期比１２％増）、経常利益８９億円（同％増）、純利益４８億円（同３２％増）を予想、中期計画最終の来期目標値を売り上げで５００億円、経常利益で１２億円、純利益で８億円上回る。株価は、９月の業績増額からほぼ１００円高し半値押し固めとなっているが、ＰＥＲは８倍台と割安である。高値奪回から１９９６年以来の５００円台での活躍も有望となる。

△三菱マテ<5711>は中間業績上ぶれ着地で割安株買い再燃し急反発
三菱マテリアルは、３２円高の６３２円と６営業日ぶりに急反発している。前日８日に発表した２００７年９月中間期業績が、９月１８日の再上方修正値を上ぶれて着地し、３月通期業績も再修正通りに純益減益率を縮小することが、業績予想を下方修正したＤＯＷＡ（５７１４）との比較感も働き買い材料視されている。同社の今期業績は、８月、９月と相次いで上方修正されているが、中間期業績は、この９月再増額値を上回り、前年同期比１４％増収、３６％営業増益、１８％経常増益、３％純益増益となった。銅価格上昇の影響を受け銅事業の売り上げが１９％、営業利益が４０％増と伸び、自動車関連が好調に推移した加工事業の１５％増収、２９％営業増益や電磁材料事業、アルミ事業の堅調推移と合わせて、セメント事業が建築工事の遅延などから減益となったことをカバーして上ぶれ着地につながった。３月通期業績は、９月予想を据え置き、純利益は６００億円（前期比１６％減）と減益率を縮小する。株価は、９月修正時に窓を開けて７７０円高値まで１４０円高し、その後、三菱伸銅の完全子会社化にも反応薄で調整、ほぼ往って来いとなっている。ＰＥＲは１３倍台と割安であり、再度の急伸も想定される。

□東邦薬<8129>は中間期に続き通期業績増額も利益確定売りで反落
東邦薬品は、８０円安の１９８０円と反落している。同社は、１０月２５日に２００７年９月中間期業績を上方修正し、株価は窓を開けて急伸した。前日８日にその中間期決算を発表するとともに、今度は３月通期業績を上方修正、中間期・期末配当も増配したが、織り込み済みとして利益確定売りが先行している。同社の３月通期業績は、売り上げが期初予想より５０億円、経常利益が５億円、純利益が３億円それぞれ上積みされ、純利益は８３億円（前期比１５％増）と前期の過去最高を更新する。中間期業績が、調剤薬局チェーンの大型化や医療機関の共同購入などで納入先の購買力が高まっているところをターゲットに提案型営業を進め、適正利益確保のための価格ロックシステムを厳格に運用した効果などから中間期業績が、前回増額通りに過去最高で着地、これを踏まえて通期業績も上方修正した。配当は、前期実績・期初予想の中間期・期末各６円を８円に引き上げ、年間１６円に増配する。株価は、前回増額時に窓を開けて５００円幅の急伸となった。目先調整終了後にＰＥＲ１４倍台の割安修正からもディフェンシブ株人気の再燃が有力となる。

▼プロミス<8574>は今度は通期業績を上方修正も急続落
プロミスは、２１０円安の３０００円と３日続落となっている。同社は、１１月１日に２００７年９月中間期業績の上方修正を発表、２００円幅の急伸となったが、戻り売りに押され往って来いとなっていた。この時に３月通期業績は、中間期決算開示時に公表するとしており、前日８日に中間期決算とともに通期業績の上方修正を発表したが、今度は売り先行となっている。３月通期業績は、売り上げが期初予想より５７０億円、経常利益が１０８億円、純利益が３２億円それぞれ引き上げられ、純利益は１７２億円（前期は３７８２億８２００万円の赤字）と黒字転換幅を拡大する。同社子会社の朝日エンタープライズが、９月１３日までに実施した三洋信販に対する株式公開買い付けで三洋信販グループが連結対象会社となり、１０月１日以降に損益計算書に新規連結することが上方修正要因となった。なお中間期業績は、貸倒費用、債務保証費用の減少などを要因に上方修正通りの着地となった。株価は、前回修正時に３６３０円まで急伸し戻り売りに押され、上方幅を上回る調整となった。下値を固め悪材料出尽くし感から再び戻りを試す展開も想定される。

□ＪＱ上場のメガロス<2165>は公開価格比５％安の１５１０円で初値
メガロスが、ジャスダック証券取引所に新規上場された。公開価格は１６００円、公開株式数は９２万株となっている。寄り付き売り気配で始まり９時１６分に公開価格を９０円、５％上回る１５１０円で初値をつけ、その後は初値を下回る水準でもみ合いとなっている。前日上場の日本商業開発（３２５２・名セ）に続く公開価格割れである。新規株式公開（ＩＰＯ）市場は、１０月初めの人気持ち直しから米国のサブプライムローン問題の懸念再燃、全般市場の急落、新興市場の再度の不透明化などから、９月に続き公開価格割れの初値形成銘柄が続出するなど後退色を濃くしている。業態の先進性や資金吸収額の大小、将来展望などをポイントに選別色が強まっており、同社の資金吸収額が１４億円強とやや大きく、競争激化の業界環境も敬遠され、公開価格がＰＥＲ１０倍台と割安なことにも反応がなく、市場の事前観測を下回る初値形成となった。同社は、野村不動産ホールディングス（３２３１）の子会社で、スポートクラブの運営やスポーツ用品を販売している。首都圏を中心に直営店１８店舗を展開、フィットネスクラブ、スイミングスクール、テニススクール、ゴルフスクールなど多様なサービス部門で構成されている。会員数は１１万人強に達している。今２００８年３月期業績は、売り上げ１２９億３５００万円（前期比１％増）、経常利益１０億３００万円（同１５％増）、純利益５億６４００万円（同１９％増）、１株利益１４８．５円を予想している。

△メック<4971>は業績上方修正を追撃材料に急反発
メックは、１３９円高の１２９０円と３日ぶりに急反発している。東証１部値上がり率ランキングの第２位にランクインしている。前日に発表した今２００７年９月中間期・３月通期業績の上方修正が、第１四半期決算の高進捗率着地、台湾新工場の稼働開始に続く追撃材料として株価押し上げ効果を発揮している。上方修正のうち３月通期業績は、売り上げが期初予想を３億６７００万円、経常利益が２億２８００万円、純利益が１億７５００万円それぞれ引き上げ、純利益は１３億９４００万円（前期比１７％増）と増益率を伸ばして連続の過去最高更新となる。電子基板向け薬品の大手として、パソコンの買い控え、携帯電話の調整などで電子部品の生産調整は中間期いっぱい続くと見積もっていたが、中間期後半から新ＯＳ搭載パソコンの買い換えサイクルが到来するとともに、薄型テレビでも低価格化で世界的に需要が回復、電子部品の生産が復調したことが上方修正要因となった。株価は、１部上場来安値９０５円から下値を切り上げているが、ハイテク素材関連株の早期底入れ反転ムードをリードしよう。

△昭和シェル<5002>は通期業績再増額でＷＴＩ続落ハネ返し急反発
昭和シェル石油は、４０円高の１３４１円と３日ぶりに急反発している。前日８日に今１２月期第３四半期（３Ｑ）決算を発表、８月の中間期決算時に上方修正された今期通期予想業績に対して高進捗率となったうえに、通期業績を再上方修正し買い増勢となっている。前日の米国市場で、原油先物（ＷＴＩ）価格が、０．９１ドル安の１バーレル＝９５．４６ドルと続落したこともハネ返している。同社の３Ｑ業績は、前年同期比５％増収、１２％経常減益、２０％純益減益となり、８月予想の通期業績に対して利益が８６－８５％の高進捗率となった。原油代が、ドバイ原油で３Ｑ末で１バーレル＝７６ドル、為替レートが１ドル＝１１５円と高値、円高で推移し、石油製品価格が原油高の卸値への価格転嫁に遅れ、たな卸資産の影響による売上原価押し上げ額が減少したことで減益となったが、高進捗率につながった。１２月通期業績は、売り上げを期初予想より１０００億円、経常利益を１００Ｂ億円、純利益を６０億円引き上げ、純利益は４５０億円（前期比２％減）と減益率を縮小する。株価は５月、７月の中間期業績の２回の上方修正、８月の通期業績の増額修正のたびごとに好感高、とくに７月は年初来高値１６０３円まで買い進まれるきっかけになった。ＰＥＲ１１倍台、配当利回り２．６％の割安放置と株不足が続く信用好需給が相乗し底上げが続こう。
（東洋経済新報社）

△ソキア<7720>が急騰、原価率改善し今期純利益を増額
測量機大手のソキアが出来高を伴い急騰、一時６９円高の４７０円まで買われている。、午前１０時４５分現在、東証１部値上がり率トップ。同社は８日、今０８年３月期連結利益予想の上方修正を発表。純利益を従来計画の１４億５０００万円→２８億２０００万円（前期は１２億５５００万円）に増額修正した。原価率が見込み以上に改善したことに加え、利益面では繰延税金資産を計上したことが要因。これに伴い、１株利益は４１円８２銭→８１円３４銭に増加、８日終値４０１円ベースでのＰＥＲは４．９倍と割安感が強まったことが買い手掛かりとなっているようだ。
（株式新聞ダイジェスト）

△関東電化<4047>は７日ぶり反発、増額でＰＥＲ１０倍に
関東電化工業は７営業日ぶりに反発している。前日の通常取引終了後に０８年３月期の利益予想を上方修正したことが手掛かり。連結営業利益は従来の４５億円から５３億円、同純利益も２２億円から３０億円にそれぞれ増額。売上高は４３５億円のまま変わらないものの、減価償却費や支払作業費が予想を下回ったほか、コストダウン効果もあって売上原価が減少したことを理由にあげていた。この結果、５２．１円の予想一株利益を基にした昨日終値でのＰＥＲは１０．２倍に低下。割安感が強まり、個人投資家中心の買いを誘発している。

△三井松島<1518>が年初来高値、増額修正受け買い戻しも
三井松島産業が上昇して１０月１６日に付けた年初来高値を更新している。７日の通常取引終了後に現在集計中である９月中間期の業績予想を上方修正し、これを受けて見直し買いや買い戻しが継続している。豪州東部に石炭の権益を保有する子会社、三井松島インターナショナルの収益拡大などを理由に９月中間期の連結営業利益を１億５０００万円から３億６０００万円に、同経常利益も１億５０００万円から４億円にそれぞれ増額。子会社が保有する有価証券の売却を取りやめたため、純損益は１億５０００万円の赤字から２億２０００万円の赤字に下方修正したが、「本業は好調であることが確認された」（準大手証券）として見直す動きが強まった。０８年３月期通期の予想は１６日の中間決算発表時に公表する予定だが、「原油高を背景にした石炭価格も高止まりしている現状を考えると、通期でも増額修正は必至」（同）といった声が聞かれている。信用取引の売り方が買い戻す動きも見られているという。

△バンナムＨＤ<7832>が上伸
バンダイナムコホールディングスが高い。同社は前日に０７年９月中間期連結決算を発表。経常利益は前年同期比６％減だったが、事前の市場予想を上回ったという。三菱ＵＦＪ証券では同社株の投資判断を「２」から「１」に引き上げた。リポートでは「実績は、前回会社予想を上回ったため、ややポジティブサプライズ」、「データカードダスビジネスの販売不振とＡＭ施設事業の既存店の苦戦で、会社計画数字の達成は難しいと見ていた」などとしていた。
バンナムＨＤではまた、傘下のバンダイビジュアル<4325>とバンダイネットワークス<3725>をＴＯＢにより完全子会社化すると発表。ＴＯＢ価格はバンダイＶ２８万７０００円、ＮＥが６万３００円。両社の株価は買い気配で始まっている。
（ラジオNIKKEI）