11/8 朝の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

■原発　７基に地震計なし　緊急時の感知器は設置
全国の原発や再処理施設のうち、建屋に地震計が設置されていない原発が計７基あることが７日、内閣府の原子力安全委員会の調査で分かった。地震波のデータを収録する装置の記録容量が少なすぎる原発もあった。
地震計が原子炉建屋やタービン建屋に設置されていなかった原発は▽北海道電力<9509>泊２号機▽関西電力<9503>高浜２号機▽同大飯２号機▽九州電力<9508>玄海１、２、４号機 ▽同川内２号機－－の計７基。１基あたりの地震計設置数も３～６６個と、大きな開きがあった。また、地震波のデータを収録する装置の記録容量が、最新のものに比べ１００分の１～１０００分の１程度しかないものもあった。地震計は、地震の際に原発がどの程度揺れるかを予測する計算手法の妥当性や、地震後の施設の健全性などを確かめるために重要な装置。ただ、緊急時に制御棒をすべて挿入して原子炉を停止するための地震感知器はどの原発にもあり、地震計がなくても安全上の問題はない。法令などによる義務付けはなく、各電力会社が自主的に設置している。
東京電力<9501>・柏崎刈羽原発では、設置された地震計のデータ記録容量が小さかったため、新潟県中越沖地震の際に余震の記録が上書きされて本震の記録が一部失われた。このため安全委が１０月中旬、全国にある原発や再処理施設の地震計の設置状況などを調査した。各電力会社とも、地震計のない原発建屋への設置や、データ記録容量の増強などを検討しているという。

▼大飯原発　給水配管の肉厚減り、国基準下回る
関西電力<9503>は７日、定期検査中の大飯原発２号機（福井県おおい町、加圧水型軽水炉、出力１１７．５万キロワット）で、２次系主給水配管の１カ所の肉厚が国の技術基準（１５．７ミリ）を４．８ミリ下回っていたと発表した。肉厚検査は社内規定に基づいて行われたが、関電は「減肉が予想以上に進んでいた」として、配管を切り出して詳しい原因を調べる。１１月下旬に予定されていた運転再開は延期される。減肉の見つかった配管は、０４年８月に破断し１１人が死傷した美浜原発３号機事故の配管と同じ系統。同事故も減肉が原因だったが、関電は「今回はすぐに大規模破断につながるほど深刻ではない」と説明している。関電によると、配管は原子炉補助建屋内にある曲がった部分で、外径４０．６センチ（未使用品の肉厚は２１ミリ）の炭素鋼製。約１メートル上流側に水流を調節する弁が突き出ており、流れに乱れが生じやすくなっていた可能性があるという。７９年１２月の営業運転開始から交換されていないが、９０年の定検で肉厚を測定した際は「今後約２７年間は安全に使える」と判断されていた。美浜事故後の０５年３月、大飯原発２号機の類似個所を調べた際に異常がなかったこともあり、今回の部位は点検していなかったという。

□ＡＴＭ手数料　プロミス<8574>とアイフル<8515>、金融機関に減額要求　
消費者金融大手のプロミスとアイフルは、地銀など提携先金融機関に対し、契約者が資金の借り入れや返済で提携先ＡＴＭ（現金自動受払機）を利用した際に消費者金融会社が払っている利用手数料を、引き下げるよう求める。改正貸金業規制法により、消費者金融業者が契約者から直接徴収できるＡＴＭ利用料の上限額が０９年末をめどに大幅に引き下げられるため。「従来通りの利用手数料では契約者から受け取る料金でまかなえなくなり、経営が圧迫される」としている。
アコム<8572>や武富士<8564>も追随すると見られ、銀行の対応が注目される。消費者金融各社は、大手行や地銀、信金など金融機関とＡＴＭの利用で提携している。プロミスの場合、自社のＡＴＭは１６７５台だが、約４００金融機関と提携しているため、契約者が利用できるＡＴＭは全国１８万台（６月末現在）に上る。消費者金融業者は従来、契約者が支払う金利の中から、提携先の金融機関にＡＴＭ利用手数料を払ってきた。しかし、貸出上限金利が現行の年２９．２％から年１５～２０％に引き下げられる改正貸金業規制法の施行後は、金利に含めず、契約者から別途、ＡＴＭ利用料として徴収することになった。その利用料は、与党などからの批判の結果、上限が当初の金融庁案（最大６３０円）から引き下げられ、出入金額１万円超は２１０円、同１万円以下で１０５円となった。これに対し、消費者金融業者が提携する金融機関に支払っている手数料は、利用１回当たり「１００円＋利用金額の０．７％」程度。改正法施行後に契約者が１万円を利用すると、契約者から徴収できる利用料は１０５円なのに、提携先銀行には１７０円を支払わなければならなくなり、持ち出しコストは大手消費者金融業者で年間数十億円に上るという。
（毎日新聞）

△東京モーターショー07　カワサキ<7012>、根強い人気と新たな人気
東京モーターショー、カワサキ（川崎重工）ブースでは、1000ccオーバーのコーナーと、250ccのコーナーの2部構成で製品を紹介していた。会場手前に位置する大排気量のコーナーで注目されていたのは、ツーリングバイク『1400GTR』。登載されるDOHC4気筒エンジンはアルミモノコックフレームによって支えられ、動力はシャフトドライブによって後輪へと伝えられている。さらに日本初披露となる『Ninja ZX-10R』も人気。外装を外したモデルも展示されており、来場者に注目されていた。また、今回のショーでは3台の250ccバイクを大きくアピール。ブース内の奥に設置された巨大な舞台では、定期的にステージを開催していた。ここでプロモーションされるのは、3台の中型バイク『Ninja 250R』と『D-TRACKER X』、『KLX250』。大排気量バイクメーカーとしてのイメージが強いカワサキだが、新たなユーザーの獲得に精力的な姿勢が伺えた。

△東京モーターショー07　ホンダ<7267>二輪、注目を集めた2台
東京モーターショー、ホンダの二輪ブースで注目を集めていたのは、水平対向6気筒エンジンを搭載したコンセプトスポーツクルーザー『EVO6』。トラスミッションは2タイプのオートマチックモードの他に、ボタン操作で変速を行なう6速マニュアルシフトモードも用意。車体のコンパクト化を追求しつつ、エンジンの迫力を表現するために、アルミバックボーンフレームを採用している。さらに、市販が予定されている参考出品車『DN-01』も人気だった。低い車体と長いフロントノーズが特徴で、現行のビックスクーターとはデザインが明らかに異なっている。会場では試乗して、ライディングポーズを確かめる人が多かった。
（レスポンス）

□ソニー<6758>、来年度の半導体設備投資を１０００億円に抑制
ソニーは０８年度、半導体事業への設備投資額を１０００億円程度（０７年度１３００億円を計画）に抑制する。家庭用ゲーム機向けのマイクロプロセッサ（ＭＰＵ）を内製から外部調達に切り替えるほか、光通信用半導体や工業用の高出力レーザーダイオードなど採算の低い製品から撤退する。新規設備導入にかかる費用負担や償却負担が軽減することから、半導体事業の採算は大幅に改善し、０８年度以降、黒字基調を維持する見通しだ。ソニーは０４―０６年度で半導体事業に総額４６００億円の設備投資を計上。０７年度は同事業に１３００億円を投じる計画。だが、０８年度の設備投資は、家庭用ゲーム機「プレイステーション３（ＰＳ３）」用のＭＰＵ「セル」への投資負担が減るため、２５―３０％減の１０００億円程度に抑制。それ以降は当面、年１０００億円を下回る水準になると見られる。ソニーは０８年３月末までにセルの生産を東芝と共同出資で設立する新会社に移管する。共同出資会社は東芝の連結対象子会社となるため、ソニーはセルの微細化への投資負担を軽減できる。チップ上の回路線幅に６５ナノメートル（ナノは１０億分の１）プロセスを採用するセルは今後、同４５ナノメートルプロセスに微細化し１枚のウエハーから取れるチップ数を増やす。ただ、回路線幅を４５ナノメートルプロセスに微細化するには一世代前の６５ナノメートルプロセスで稼働していた設備では対応できない。液浸露光装置などは１台４０億―４５億円するため、設備投資額が膨らむ傾向にある。ソニーの０７年度の半導体事業はＰＳ３向けセルの出荷が増え、売上高が前年度比７・７％増の８４００億円、営業利益は黒字転換する見通し。今後、ＰＳ３用のセルを共同出資会社から調達し、ソニー・コンピュータエンタテインメントに販売する形態を取る。このためソニーの半導体事業は、売上高は０７年度と同じく高水準で推移するが、設備の償却負担が減る分、営業利益は増える。

△東芝<6502>、製品の目視検査を自動化する技術を開発
東芝はノウハウを積んだ熟練の技術者が目視で行う製品検査を自動化する技術を開発した。人の目による点検と同程度の精度に制御し、処理速度を２倍に向上。人的作業では避けられない検査の見落としや不均一性を無くし、一定の品質を保った製品に仕上げる。まず液晶画面のムラや傷を自動検知する手法を開発、携帯電話向け液晶モジュールの検査に適用する。液晶モジュール製造の最終工程での外観検査は、職人が製品を手に取り目視で点検する。製品１台当たり約１分で検査をこなすが、こうした作業には数カ月間の訓練が必要という。東芝は人の感覚的な視覚処理を数値的に処理する手法を編み出した。製品を３方向から撮影、撮った画像をランダムに取り出して画像処理する。液晶画面のムラや傷、異物などを定量化し、人が気になるレベルの欠陥のみを検知する。人の視覚はモノを大観し、大きな変化をとらえる特性がある。不良個所の大きさや周囲との明るさを比較するなど単純なパラメーターで制御すると、機械にはどんな小さな欠陥でも検出してしまう難点がある。開発した技術はモノを「鈍感」に見ることで、人間の視覚に近づけたのが特徴だ。今後は液晶だけでなく、プリンター複合機の印刷ムラ検査など汎用的な検査手段として技術を確立、適用範囲を広げる。

△米レッドベンド、携帯端末のソフト更新技術をドコモ<9437>に初提供
米レッドベンド・ソフトウエア（マサチューセッツ州、ヨラム・サリンジャー最高経営責任者）は、携帯端末のソフトウエア更新を効率化するソリューション「ＦＯＴＡ」をＮＴＴドコモとシャープ<6753>が採用したことを明らかにした。レッドベンドの技術をドコモが採用するのは初めて。シャープとは業務用通信端末間で情報をやりとりする「マシン・ツー・マシン（Ｍ２Ｍ）」市場の開拓で手を組む。ドコモは１１月下旬から順次発売するＮＥＣ製の新端末「Ｎ９０５ｉ」、「Ｎ７０５ｉ」、「Ｎ７０５ｉμ」の３機種に技術を採用。搭載端末の技術検証を踏まえ、さらに搭載端末数を拡大する方向で検討しているという。レッドベンドは日本向けではこれまでソフトバンクモバイルとＰＨＳのウィルコム向けにＦＯＴＡを提供。今回業界最大手のドコモと組むことで、日本市場への大きな足がかりを獲得した。今後、ＫＤＤＩとの取引も狙い日本市場における携帯向けソフトウエア更新技術でシェアを５０％以上へと一気に高めたい考えだ。シャープとはＭ２Ｍ市場開拓で関係を強化する。まずシャープの外食向け業務用携帯端末「ＲＺ―Ｈ２００Ｒ」にＦＯＴＡを提供。さらにシャープやアッカ・ネットワークス、ウィルコムなどＭ２Ｍ市場開拓を目指す日本の事業者で組織する「Ｍ２Ｍコンソーシアム」に参加し需要の創出で連携していく。ＦＯＴＡは携帯の無線通信を利用して携帯端末のソフトウエアを更新する技術。独自のアルゴリズムにより携帯電話利用に支障がなく、短時間で更新できる。すでにモトローラやノキアなど欧米の大手携帯メーカーが採用し、搭載端末は累計で２億台を超えている。

△ＭＮＰ開始から１年、シェア変動は２％に
１年間のシェア変動は２％―。携帯電話の同番号移行制度（ＭＮＰ）の開始から１年が経過。携帯大手３社のシェアはＮＴＴドコモ<9437>が２ポイント減らし、ＫＤＤＩ<9433>とソフトバンク<9984>モバイル（ＳＢＭ）が各１ポイント増加させた。ただシェア変動はＭＮＰ利用より新規加入者獲得の影響が大きい。ＭＮＰは携帯電話市場に激変をもたらすと見られたが依然ドコモが過半数を握る市場実態は変わっていない。転入と転出の差し引きで他社から加入者を獲得したのはＫＤＤＩだけ。独り勝ちになったが小野寺正ＫＤＤＩ社長が「想定したほどではなかった」と言うように期待したほどの大勝ちではなかった。メールアドレスの変更や手続きに２１００円の費用が必要なことが手控えられる要素となった。シェアに影響したのは新規加入者の動向。ＳＢＭが繰り出した低額で定額の料金は多数の加入者を獲得、５月以降新規獲得で優位に立つ構図をつくった。劣勢のドコモは携帯電話を長く使うほど有利になる料金プランを開始。既存客の囲い込みでシェア維持を狙う。

△ＣＴＣ<4739>、電力会社向けＩＴインフラの安全管理を支援
伊藤忠テクノソリューションズ（ＣＴＣ）は米シマンテック、マクシスコンサルティング（東京都千代田区）と協業し、電力事業者向けにＩＴインフラのセキュリティー対策を一括提供するサービスを８日に始める。対策で先行する北米の基準をもとにセキュリティーポリシー（方針）違反を自動検出するソフトを用いてＩＴシステムを診断。改善策を提示するとともに対策に基づくシステム開発や構築・運用を支援する。改善後のシステム監視についても提供し、障害や事故を防ぐ。金融業者など重要インフラを支える企業・団体向けサービスについても計画し、３年間で５０億円の販売を見込む。新サービスはセキュリティーポリシーやコンプライアンス（法令順守）違反を自動検出するシマンテックの「エンタープライズ・セキュリティ・マネジャー（ＥＳＭ）」を活用。北米電力信頼性評議会が策定したセキュリティー基準「ＮＥＲＣ　ＣＩＰ」に基づくＩＴシステムのセキュリティー診断をし、セキュリティーポリシーや管理体制の見直しといった対応の実行計画を策定する。診断から計画策定までの期間は約２カ月からになり、価格は約１０００万円からに設定した。顧客の要望に応じて実行計画に基づいたシステム構築や運用サービスについても提供。改善後の情報システムについてもＥＳＭを用いた監視サービスを実施する。電力事業者は設備の運用を効率化するため、発送電を支える重要ＩＴインフラを社内情報システムやインターネットと接続して利用するようになっている。このためサイバーテロなどセキュリティーリスクの増大が表面化。この問題を打開するため、北米では０７年４月に「ＮＥＲＣ　ＣＩＰ」が施行された。日本でも政府が０６年２月、電力などの重要インフラを支える事業分野の安全基準の策定に向けた指針を示し、企業は対応を求められている。

△オリンパス<7733>、東南アにデジカメ拠点－分業生産体制構築へ
オリンパスは７日、東南アジア地域にデジタルカメラの生産拠点を設けることを明らかにした。簡単な部品から生産を始め、作業者の技能を向上させながらレンズ、一眼レフカメラ本体の生産へと順次拡大していく方針。当初はデジカメ生産のメーン拠点である中国の工場に部品を送り、組み立ては中国で行う。具体的な立地は明らかにしていないが、建設の申請は済んでいるという。さらに、デジタル一眼レフの世界シェア目標について、これまで５年内に２０％としていたが同３０％に引き上げた。同社のデジカメ生産拠点は長野県辰野町と中国・深セン地区２カ所。辰野は一眼レフ用交換レンズの一部の高級品だけでほとんどは中国で生産している。東南アジアの拠点開設で、一極集中を避け効率的な分業体制を築く。また一眼レフのシェアは「１位、２位の座も取れる３強の一角を目指す」（菊川剛社長）として目標を高めた。同社のデジカメ事業は世界的に需要が拡大しているうえ、０７年度に入り１１月末までに一眼レフの新製品３機種を発売、ラインアップ強化により好調な販売が続いている。０７年度のデジカメ出荷台数は１１８０万台（うち一眼は５０万台）を計画する。

△三菱電<6503>、セキュリティー専門部署を新設
三菱電機はグループが保有するセキュリティー関連の製品やサービスを集め、総合セキュリティーソリューション「ディガード」として展開する。１６日付で同ソリューションを手がける組織「トータルセキュリティー事業推進部」を新設する。機密情報管理や企業コンプライアンス（法令順守）強化の意識が高まる中で、複数の製品やサービスを組み合わせてセキュリティー関連の需要拡大に応える。セキュリティー事業全体の売上高を現在の年６００億円から２０１０年度に１２００億円に引き上げる。入退室管理システムやファイル暗号化などの複数の異なったシステムをインターネットプロトコル（ＩＰ）ネットワークで接続できる基盤ソフト「ディガードネット」を開発。識別（ＩＤ）・履歴情報などを共通の通信規約でやりとりするため、システムの拡張などが容易に行える。ＩＰを基盤にしているのでインターネットとの親和性が高く、通信回線経由でのシステム遠隔監視などの保守サービスと円滑に連携できる。トータルセキュリティー事業推進部はビルシステム事業本部内に専従者十数人で立ち上げ、全国のグループ会社や関係会社などのシステムエンジニア約３００人と協力して事業を展開する。

△日立造船<7004>、橋梁事業の人員再編－存続・撤退判断先送り
日立造船は０８年度までに鉄構部門の赤字の主要因となっている橋梁（きょうりょう）事業で、生産要員の一部を利益率の高いメンテナンスに配置転換する。また橋梁の新規の案件は選別受注をすすめ０９年度の鉄構部門の黒字化を目指す。同社は０７年度までの中期経営計画で、鉄構部門の存続か撤退を決める予定だったが、判断を次期中計に持ちこす。日立造船の鉄構部門は主に橋梁と水門、海洋土木。橋梁業界は技術と価格で落札企業が決まる「総合評価方式」が普及し、入札価格の下落に歯止めがかかっている。このため同社は「現時点での撤退決定は早計」（古川実社長）と判断。事業構造を見直し、採算性向上の取り組みを継続することにした。

△建機５社、０７年９月中間－４社が各利益最高
建設機械主要５社の０７年９月中間は、欧州や中国、東南アジア、中東など北米以外の海外需要が増加した。コマツ<6301>、日立建機<6305>、コベルコ建機、住友建機の４社が売上高と各利益が過去最高を更新した。新キャタピラー三菱は売上高と営業利益は過去最高だったが、建機需要が減速している北米向けの依存度が利益面で高いことが影響し、経常利益と当期利益は減益。世界的な建機需要増を織り込み、通期の上方修正が相次いだ。米サブプライム（信用度の低い住宅ローン）問題による住宅着工戸数の減少により、建設機械の最大市場である北米の中小型建機需要が急速に冷えている。コマツの北米売上高は前年同期比１１・６％減、日立建機は在庫調整のため減産し同４３％と大きく後退。新キャタピラー三菱も輸出の主力である北米が同２３・２％減少するなど、各社とも北米向けは前年同期実績を下回った。

△自動車７社、０７年９月中間－全社が営業増益
自動車大手７社の０７年９月中間決算が７日まとまり、全社増収増益（営業利益ベース）となった。好調な海外販売や円安が収益に貢献した。依然として国内市場は厳しい販売環境が予想されるが、
トヨタ自動車<7203>やスズキ<7269>、三菱自動車<7211>、富士重工業<7270>は海外での販売増などを織り込み、通期業績見通しを上方修正した。ただサブプライムローン（信用度の低い個人向け住宅融資）問題や原油高の影響で、米国の足元の自動車需要は弱含み。加えて、円高による輸出採算悪化の恐れもある。先行き不透明で下期は各社とも慎重に見ている。

△カネミツ<7208>、中国でプーリー生産開始
カネミツは年内にも中国でプーリーの生産を始める。中国国内の日系自動車メーカーにプーリーや金属加工品、金型などを供給する。０６年４月に現地法人を設立し、工場もこの９月に完成した。０８年度の年産目標は１００万個。投資総額は約７億１７００万円。当初１ラインの設備を４―５ラインに増強し、２０１０年に売上高５０００万元（約７億６７００万円）、年産４００万個の達成を目指す。新会社は「佛山金光汽車零部件」（広東省佛山市）。資本金は３８３万ドル（約４億３９００万円）で、カネミツが全額出資した。工場は敷地面積約２万平方メートル、延べ床面積４５８２平方メートル。１階建ての工場部分と２階建ての事務所部分で構成する。従来、外部委託していた、強度を高めるための塗装も自社で行うよう設備を整えた。従業員は日本人４人を含む４０人でスタートし、２０１０年には１００人体制にする。

△東電<9501>、携帯で家電遠隔操作－オール電化マンションに導入
東京電力は７日、携帯電話で家電などを遠隔操作できるサービス「リモコ」を開発し、東京建物<8804>と東電子会社の東電不動産（東京都中央区）が分譲するオール電化マンション「ブリリア　アープリオ戸塚」（横浜市戸塚区、０９年２月完成）に導入すると発表した。同社では３年後には５０００戸での導入を目指す。同サービスは東電１００％子会社のテプコシステムズ（東京都江東区）が運営。携帯電話からインターネットを介して、エアコン操作や高効率給湯機「エコキュート」の湯はり操作などが標準で可能となる。またホームオートメーション用端子を搭載する床暖房や浴室乾燥機などの操作や、自宅窓やドアの施錠や開閉状態の確認、ウェブカメラを使った遠隔監視などにも対応している。加えて高速電力線搬送通信（ＰＬＣ）を内蔵したカメラの開発を進めており、モニター希望者への設置を計画している。

△製薬大手８社、０７年９月中間－６社が増収増益
製薬大手８社の０７年９月中間が７日出そろった。第一三共<4568>と大正製薬<4535>を除く６社が主力薬剤の好調に加え、為替の円安効果やコスト削減効果で増収増益を達成。海外売上高も軒並み増加した。大正薬はかぜ薬の落ち込みが響き、第一三共は欧米子会社の決算期変更に伴う影響と非医薬品事業の規模縮小を進めた結果、ともに減収増益に終わった。大正薬は主力とする一般用医薬品事業でドリンク剤が期初計画を上回ったものの、前年同期比ではわずかに減少。発毛剤の伸長も、かぜ薬の減少をカバーできなかった。こうした減収を販売条件の見直しや広告宣伝費、研究開発費といった販管費で約６０億円を削減し、利益を確保した。
大日本住友製薬<4506>は、高血圧症・狭心症治療薬「アムロジン」などの主力４製品が堅調に推移し増収増益を確保。当期利益も前年同期にあった特別退職実施に伴う特損計上がなかったため、大幅に膨らんだ。

△スポンジチタン２社、０７年９月中間－３割値上げ奏功し増収増益
スポンジチタン２社の０７年９月中間が７日まとまった。海外向け民間航空機や電力・化学プラント、船舶用熱交換器向けの旺盛な需要を受け、
大阪チタニウムテクノロジーズ<5726>（ＯＴＣ）、東邦チタニウム<5727>とも増収増益。販売価格を前年度比３割値上げできたのが奏功した。両社が手がける高級品は高度な製造技術が必要なため、現在、他国での生産は難しい。両社が生産能力の増強を終える０９年までにかけて、需給ひっ迫が続く見通し。０８年３月期は０８年（１―１２月）の輸出価格が１割値上げで決着したことを受けて、ＯＴＣが上方修正した。０８年度の国内販売価格も、「１割アップをお願いする」（橘昌彰ＯＴＣ社長）考え。

△大成建<1801>、災害対策訓練を広域で展開－社員のＢＣＰ習熟度向上へ
大成建設は緊急時企業存続計画（ＢＣＰ）に基づく災害対策訓練を強化する。０６年から首都圏で始めた休日大規模訓練を他地域に拡大するとともに、新たな訓練・システムを組み入れ、ＢＣＰに関する社員の習熟度を高める。参加人数は合わせて約６０００人。休日でこれだけの規模の災害訓練を広域で展開するのはゼネコンでも異例。１０日に０６年と同様に首都圏対象の訓練を本社、首都圏内の支店、国際・住宅事業本部の各組織の役職員、出向者約４８００人が行うほか、同日に関西支店が関西地域（大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良、和歌山）で約６００人を対象に訓練を実施。名古屋支店では中部地域（愛知、岐阜、三重、静岡）で約５２０人を対象にした訓練を３日にすでに行った。さらに今回から、大成ロテック<1895>などグループ会社７社と専門工事業者などサプライヤーとの連携訓練も行う。

△ＪＦＥ<5411>スチール、橋梁基礎分野に参入－年１万トン施工目標
ＪＦＥスチールは７日、大きな支持力が得られる鋼管杭工法「スーパーＫＩＮＧ工法」で橋梁基礎分野に参入すると発表した。同工法は先端部にらせん状の突起が付いた鋼管杭を支持地盤層まで回転沈設し、セメントミルクを注入して杭と一体化した強固な基礎にするもの。建築基礎用に開発した技術を土木向けに改良し、このほど土木研究センターから「建設技術審査証明」を取得した。２、３年後に年間１万トンの施工を目指す。回転沈設する鋼管杭は支持地盤層に到達すると、機械式の拡翼特殊ビットを広げて掘削径を広げる。そこにセメントミルクを注入して支持力の基となる「拡大根固め球根」を築くのが特徴。球根部の大きさは最大で杭径の１・５倍。橋梁基礎分野への展開に合わせ、支持地盤層で拡大掘削していることを確認できるセンサーを備えた。

△マンダム<4917>、男性化粧品の中国向け製品開発へ
マンダムは男性化粧品ブランド「ギャツビー」の中国向け製品の開発に乗り出す。これまで日本の製品を現地に投入してきたが、今後は中国内の各地域の状況やニーズに合わせた低価格帯のオリジナル製品の開発に取り組み、顧客ターゲットを従来の富裕層中心から一般消費者まで拡大する。現地向け製品の開発により、３―５年以内に中国の男性化粧品市場でシェア２０％の獲得を目指す。現在、中国ではドラッグストアを中心にギャツビーを販売している。顧客は富裕層が中心だが、今後、オリジナル製品を開発し、スーパーマーケットなどでも販売可能な体制を整備する。一般消費者を対象にした商品ラインアップを新たに加えることで、ターゲット層を広げていく考えだ。

△ＪＡＬ<9205>ホテルズ、上海と無錫に０９年開業
日本航空（ＪＡＬ）グループのＪＡＬホテルズ（東京都品川区）は７日、中国・上海に高級ホテル「ホテル・ニッコー上海」を０９年３月に開業すると発表した。中国で５件目の運営ホテルで、中国・無錫にも０９年１０月にホテルを開業し、経済成長が続く中国で攻勢をかける。同日都内で会見した堤葵社長は、０８年度に株式上場する方針を改めて強調。経営再建中のＪＡＬにとって、ＪＡＬホテルズ上場による株式売却益という大きなメリットが得られそうだ。ホテル・ニッコー上海は、上海・虹橋空港から車で２５分という上海市浦西地区に開発中の複合施設「万宝国際広場」内に開業する。施設オーナーは上海の大手不動産開発会社。客室数は３８８室。ビジネス客をメーンに取り込みを図る。ＪＡＬは９月に羽田―上海・虹橋間で１日２往復のチャーター便運航を始めており、ホテル事業も合わせてＪＡＬグループ全体で中国での存在感を高めたい考えだ。

△メーカー物流３社、０７年９月中間－アルプス物<9055>のみ減益
メーカー系物流３社の０７年９月中間が７日出そろい、
日立物流<9086>のみが増収増益となった。一般企業向け物流サービスのサード・パーティー・ロジスティクス（３ＰＬ）の受託が順調に伸びた。
富士物流<9061>も３ＰＬは好調。ただ、親会社の富士電機グループ向けの取扱量は低迷した。アルプス物流は主力貨物の電子部品の取り扱いが低調だったほか、国際物流で単価の低い海上輸送へのシフトが進んだことなどで減益となった。
一般企業向け３ＰＬは日立物流が１８件、富士物流が３件受託。日立物流は国内外一貫物流の「グローバルシステム物流」の強化策が功を奏した。富士物流も玩具量販店向け３ＰＬなどを受託し、下期は「５―６件の新規案件を獲得したい」（小林道男社長）考え。一方で、事業別でみると、低迷するものも一部あった。日立物流は米国での薄型テレビの不振が響き、国際物流事業の営業利益が前年同期比で約４７％減。

△ＪＩＮ<3046>、メガネ・服飾雑貨複合店を来夏めど７店開業
ジェイアイエヌ（ＪＩＮ）は新業態のメガネ・服飾雑貨複合店の出店を加速する。メガネと同様に、雑貨でも製造直販型小売業（ＳＰＡ）体制を構築したことから、双方を品ぞろえした店舗展開で収益向上を目指す。１０月に東京・北青山に新業態「ジンズガーデンスクエア」の１号店を出店したのを皮切りに、０８年８月までに７店を出店する。複合店に加え、メガネ専門店も１８店舗店と積極的に出店し、今期（０８年８月期）に売上高７３億円（前年度比４３・１％増）、経常利益８億円（同２６・２％増）を目指す。新業態は路面店のほかショッピングセンター（ＳＣ）にも出店する。男性・女性用服飾雑貨をそろえ、メガネ店単体では取り込めなかった客層を集めて平均単価を高める。１号店の店舗面積は約１３０平方メートルで、メガネ２００点、雑貨５５０点をそろえた。標準的な店舗概要は「今後出店しながら形を整える」（中村豊専務）考え。

△三菱ＵＦＪ<8306>信託銀行、自己株式退職時付与信託を取り扱い
三菱ＵＦＪ信託銀行は、企業の自己株式を信託に拠出し、長く勤続した従業員の退職時に特別付加的に交付する「ストック・リタイアメント・トラスト（自己株式退職時付与信託）」の取り扱いを始めた。信託銀行の自社株投資退職給付制度（ＥＳＯＰ）は初めて。この第１号として日本駐車場開発が０８年４月に導入する。三菱ＵＦＪ信託銀は０８年３月期決算の上場企業を照準に導入を促し、上場企業１０社程度の採用を見込む。自己株式退職時付与信託を採用する会社は、取得条項付新株予約権の金銭の信託への無償割り当てを有利発行として特別決議を株主総会で行う。特別決議を受け、金銭を拠出し、将来の退職者を受益者とする信託を設定。新株予約権を信託あてに割り当てる。その後、退職者に会社株式を与える規定を整備し、取締役会の決議により、信託の所有する取得条項付新株予約権を取得。対価として自己株式を信託に交付し、金銭と企業の株式を信託財産とする。

△損保ジャパン<8755>・リスク、新型インフルに対する企業活動の継続支援
損保ジャパン・リスクマネジメントは、新型インフルエンザに対する企業の事業継続を総合的に支援するサービスを月内に始める。新型インフルエンザが発生した場合の行動計画の策定や、事業継続体制の構築などを支援する。経営者や社員向けの基礎知識の導入研修からシミュレーション訓練まで、企業の対応段階に応じたさまざまなサービスを提供していく。新型インフルエンザは人への感染力が強いとされる。企業活動への影響も懸念されており、厚生労働省などが対策に乗り出している。損保ジャパン・リスクは、企業の事業継続の観点からインフルエンザ対策に関するコンサルティングサービスを行う。サービスでは新型インフルエンザの基礎知識に関する研修から企業の対応状況を簡易診断するコンサルティング、行動計画や事業継続体制の構築支援、シミュレーション訓練などのメニューを用意した。
（日刊工業新聞）

△ランド<8918>　今２月期は大幅な増収増益を見込む
ランドは、７日引け後に０８年２月期通期業績予想の上方修正を発表した。連結予想売上高は、前回予想を５億円上回る５２５億円（前期比５１．６％増）、経常利益は１億円上回る６３億円（同４５．９％増）、純利益は１０００万円上回る３３億１０００万円（同５２．５％増）、１株当り純利益１万７７４５円１３銭と大幅な増収増益を見込む。同社は新日本監査法人と協議の上、過去に取得した不動産にかかる手数料請求訴訟に関して、１０月１１日の中間決算短信発表後の一審判決を受け、現時点で想定される最大限の訴訟損失引当金を修正後発事象として、今中間期の連結財務諸表に反映させることにした。これに伴い、通期の業績予想も見直し、現時点で利益に寄与することが確実に見込めるもののみを加味して、修正を行った。なお、当該訴訟は現在控訴中であり、同社としては、主張が認められるものと認識しているが、監査法人と協議の上、現時点で、主張が認められない場合に想定される最大限の損失見込み額を訴訟損失引当金として見込んでいる。

△コーセー<4922>　中間期連結業績は増収大幅増益
コーセーは、７日引け後に０８年３月期中間業績を発表した。高級化粧品とセルフ化粧品が堅調に推移し、連結売上高８８１億１９００万円（前年同期比３．９％増）、経常利益６９億９２００万円（同４１．２％増）、純利益３１億３４００万円（同８０．３％増）と増収大幅増益となった。セグメント別売上高は、化粧品６４４億８２００万円（同２．６％増）、コスメタリー２２２億５４００万円（同８．９％増）、その他１３億８１００万円（同１０．２％減）であった。通期連結業績予想は、売上高１８２７億円（前期比３．６％増）、経常利益１６０億円（同１２．０％増）、純利益８２億円（同１８．９％増）、１株当り純利益１３６円５５銭を見込む。
（証券日刊新聞）

△リミックスポイント<3825>、メガディーを完全子会社化
デジタル画像認識・解析用ソフトウエアの開発・販売会社、リミックスポイント（東京都千代田区）は、映像・音楽ソフトの企画・制作などを手掛けるメガディー（横浜市青葉区）を完全子会社化した。メガディーの発行済み全株式（６００株）を３０００万円で取得した。リミックスポイントは、画像や映像にかかわるアプリケーションの開発を顧客から受託するソリューション・サポート事業に注力。一方、メガディーは映像・音楽ソフトやウェブシステムの企画・制作で豊富なノウハウを持つ。今後、ソリューション・サポート事業を拡大するには、ウェブシステムなどの開発に強みのある企業との連携が欠かせないと判断。メガディーを傘下に収めることで、製品開発力を強化しサポート内容の充実を図る。メガディーの２００７年６月期業績は、売上高が前期比５・６％減の１億８２３７万円、営業利益が２０・７％減の３６２万円となっている。
（FujiSankei Business i）