11/6 朝の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

■日立<6501>、北米のリアプロジェクション・テレビから撤退
日立製作所は北米でのリアプロジェクション・テレビ（背面投射型テレビ、用語参照）の生産・販売から撤退した。プラズマ、液晶に代表される薄型テレビの急速な普及と低価格化で競争力を失ったためで、今夏に北米向けリアプロを生産するメキシコ工場（ティファナ市）の組み立てラインを停止した。北米ではプラズマテレビと液晶テレビの販売に専念する。リアプロ市場は世界的に縮小傾向にある。北米でリアプロを販売する日本ビクターやソニーなども方針転換を迫られそうだ。日立は主に中国と北米でリアプロを販売。北米では「ウルトラビジョン」のブランド名で販売していた。薄型テレビが普及する前は、５０型以上の大画面テレビでリアプロを提案販売していた。具体的には５０、５１、５５、５７、６２、６５型の６サイズ。しかし、大画面化するプラズマテレビや液晶テレビの台頭により、リアプロの販売台数が減少。０４年度は北米で３６万台、０５年度は２６万台だった。０６年度は３４万台まで持ち直したが、０７年度上期にはわずか３万台にとどまった。このため、北米向けテレビを生産するメキシコのリアプロ組み立てラインを停止。薄型テレビの組み立てに完全シフトした。一方の主力販売先である中国でのリアプロ販売は継続する。リアプロは大画面でありながら比較的価格が安いことから北米を中心に普及した。しかし、高付加価値なプラズマテレビや液晶テレビの価格下落が進んでいることから優位性を失っていた。日立はリアプロを含めテレビ事業全体の見直しを進めている。電子情報技術産業協会（ＪＥＩＴＡ）によると、０６年のリアプロジェクション・テレビの世界総需要は前年比９８・２％の４９０万台で０５年に続いて前年割れだった。２０１１年までに需要が年平均１１％減少すると予想している。

□ＯＫＩ<6703>、宮城沖電気への投資凍結－半導体、製造委託へ
ＯＫＩ（沖電気工業）は半導体製造子会社である宮城沖電気（宮城県大衡村）への投資を凍結する。ウエハーの大口径化とチップ上の回路線幅の微細化が進むと、半導体製造設備を導入する際に多額の設備投資を要する。このため、台湾や中国の半導体受託製造会社（ファンドリー）に製造委託した方が得策と判断した。宮城沖電気への投資凍結により、もう一つの拠点である宮崎沖電気（宮崎県清武町）に資金を振り向け、向こう数年間は半導体の設備投資額を１２０億円から１５０億円の範囲に抑制する。半導体事業では設備投資の選択と集中を進める。ウエハーの状態で再配線や保護膜、端子形成を行うウエハーレベルＣＳＰ（ＷＣＳＰ）や高密度実装技術などに投資を集中する。その一方、ウエハーの大口径化や微細化への投資は抑制する。宮城沖電気は直径２００ミリメートル（８インチ）ウエハーラインで、システムＬＳＩや液晶表示装置（ＬＣＤ）ドライバーなどを製造。研究開発は八王子事業所（東京都八王子市）で実施するが今後、宮城沖電気への新規投資は実施しない。ウエハー寸法が直径３００ミリメートル（１２インチ）以上、回路線幅が１００ナノメートル未満に微細化が進展した際には、ファンドリーを活用する。ＯＫＩは台湾の聯華電子（ＵＭＣ）や中国の上海宏力半導体製造（ＧＳＭＣ）などに一部のウエハー製造を委託している。直径３００ミリメートルウエハー対応では、ＯＫＩ専用に生産能力を振り向けてもらう。宮崎沖電気では、直径１００ミリメートル（４インチ）ウエハーラインを閉鎖し、製造後工程にあたるＷＣＳＰラインを新たに敷設。同所では、ＯＫＩが技術的に強みを持つシリコン・オン・サファイア（ＳＯＳ）などを製造しているため、投資を集中し事業を強化していく。

△富士通<6702>エフサス、情報インフラ事業を強化－製品工場内でシステム構築
富士通エフサスは、主力の情報インフラ構築事業を強化する。顧客の規模やサーバの種類に応じてシステム構成を類型化。サーバやストレージの生産工場内で構築作業をする体制を０７年度中に本格化し、納期の半減につなげる。情報インフラの最適化に向けた提案力や設計・構築力を高度化するため専任組織も新設し、０９年度の売上高目標３０００億円（０６年度は２５６０億円）の達成に弾みを付ける。このほど富士通製サーバの製造を担当する富士通アイソテック（ＦＩＴ、福島県伊達市）の本社工場内にラックへの搭載や配線、検証作業などをするインフラ構築ライン「インフラ工場」を設置した。類型化したインフラ構成メニューをもとに、必要な製品をインフラ工場に集約。構築作業を２―７日間で済ませた後、出荷する。従来はシステムに必要な製品の到着を待って客先で構築する個別対応のため、一連の作業に約３週間かかっていた。新体制ではシステム構成を類型化したことにより、製品工場の生産ラインの隣で構築ができ作業時間が半分以下に短縮。不具合が発生した場合でも製品工場から代替品を発送する手間が省ける。すでにウィンドウズ対応システム向けに試験稼働を始めており、１２月までにリナックスやソラリス対応システム向けについても着手。０７年度中の本格稼働に向けＦＩＴ以外の製品工場でもインフラ工場の設置を計画する。インフラ構築の企画・設計力や提案力の高度化では、インフラ担当システムエンジニア（ＳＥ）５０人を集めた「基盤システム統括部」を１０月２１日付で設置し大型商談にも対応可能な体制を整えた。蓄積したノウハウは構築作業の標準化に取り込むことを計画する。

△日立<6501>、ＣＯ２削減へＩＴ製品を省電力化－５年間で累計３３万トン
日立製作所は５日、サーバやネットワーク機器など主要ＩＴ製品の開発で省電力化を強化していくと発表した。強化にあたり開発の重点分野などを定めた行動計画を策定。独自の仮想化技術や冷却技術などを高度化し部品や装置を省電力化する。システム全体の運用効率化にも取り組むことで対象製品の消費電力を約４０％削減し、５年間で累計３３万トンの二酸化炭素（ＣＯ２）の排出削減を実現する。行動計画「ハーモニアス・グリーンプラン」では、仮想化技術を用いてブレード（基板型）サーバの処理を特定のブレードにまとめ、使用しないブレードの電源を切る仕組みを構築。０９年度にミドルウエア（基盤ソフト）やアプリケーションと連携した自動運用を始める。また長期間アクセスしないハードディスクドライブ（ＨＤＤ）群の回転を停止させることにより、ストレージ（外部記憶装置）の消費電力を最大４０％削減。気化熱を用いてファンの消費電力を最大８０％削減するほか、高効率化回路技術などの採用で電源損失を１０％以下に削減する技術も取り入れる。同プランの第１弾としてインテル製クアッドコア（コアが四つ）ＣＰＵ（ジーオン低電圧版）を搭載し、消費電力を２５％削減した省電力サーバ「ＢＳ３２０ｅｓサーバブレード」を１２月１７日に発売する。価格は３２万５５００円から。今後、ブレードサーバを中心にしたシステム基盤製品「ブレードシンフォニー」シリーズ全体で省電力化を推進する。

△岩崎電気<6924>、照明事業を強化－今後３年間に１５００点の新製品投入
岩崎電気は道路や施設照明を手がける照明事業の強化策として今後３年間、毎年５００点の新製品を投入する。道路やトンネルの照明灯や歩道灯に重点を置く。現在の製品数は約１万点だが、３年で１５００点を入れ替えるともに、不採算製品や陳腐化した製品は新製品で代替できるようにして製品数の削減も進める。製品力の強化により現在売上高約４００億円の照明事業を２０１１年度に５００億円に成長させる。岩崎電気は２０１１年度までに、半導体分野向けや紫外線洗浄関連など光応用分野と照明事業の合計で売上高１０００億円を目指す経営計画を持つ。照明事業は官公需縮小の動向を踏まえ商業施設照明など民需開拓を進めてきたが、今回の計画では官需を再開拓する。１０月に実質的に道路照明施設設置基準が２５年ぶりに改定されたことを商機ととらえ、新基準に適した製品を積極的に投入することで成長を目指す。設置基準が仕様規定から性能規定に変更されたため、道路上の明るさや均整度の条件を満たせば、道路灯の高さや設置間隔は問われない。高機能製品の利用で設備費用低減や、省エネルギー化、安全性向上を実現できる。岩崎電気は屋外の照明や配光技術の蓄積が差別化になり、同市場での競争力になると判断。光源、安定器などの制御機器、照明器具のすべてを手がける同社の特徴を生かし製品設計を効率化して製品開発を急ぐ。高圧ナトリウム、セラミックメタルハライドを光源とした発光効率の高い製品開発を先行する方針だ。自治体が車いす対応など道路のユニバーサルデザイン化を進めており、歩道灯の需要も増加している。こうした新需要向け製品も開発するほか、新光源として発光ダイオード（ＬＥＤ）を利用した製品群を拡充する。

△三社電機<6882>、情報システム全面更新－製品在庫半減し納期も短縮
三社電機製作所は約６億円を投じて２５年ぶりに情報システムを全面リニューアルする。電源機器事業に加え半導体事業の規模が拡大したことや、受注品だけでなく計画生産のウエートが増すなど業態が変化したため。稼働すれば製品在庫は半分以下に圧縮、納期も大幅に短縮できるとみている。全社的なプロジェクトチームを発足済みで０９年４月を目標に稼働する。統合業務パッケージ（ＥＲＰ）システムの「ＳＡＰ　Ｒ／３」を導入する。販売、生産、購買、原価計算、会計などの各部門について、電源機器事業と半導体事業からメンバーを選定し、プロジェクト体制を整えた。年末からシステム構築の最上流にあたる「要求定義」の策定に入り、０８年６月から設計・製作にとりかかる。０８年末から運用環境を整備し０９年４月に本稼働する計画だ。軌道に乗れば現在４０億円内外の製品在庫は１カ月分に半減し、工場在庫も半月分まで圧縮できる見込み。納期面でも、台数の多い中小型電源機器について４５日以内に短縮する。製品ごとの収益構造が瞬時に把握でき、受注コントロールの精度がアップするとみている。同社の事業は受注品が中心の電源機器事業と、計画生産が可能な半導体事業に大別される。現行システムは電源機器事業に比重を置いており、実態にそぐわなくなっていた。電源機器事業も溶接機やめっき用電源に代表される準量産品と、直流電源のような完全受注生産品が混在しており、現システムでは対応力に限界があった。

△ＮＴＴデータ<9613>、情報検索ソフト開発でノルウェー社と提携
ＮＴＴデータはノルウェーのファストサーチ＆トランスファ（オスロ市）と同社の日本法人の３社で、企業向け情報検索ソフトを共同開発する。０８年６月までにＮＴＴデータの日本語解析ソフト「なずき」とファストサーチの検索技術を組み合わせた検索ソフトを開発。検索キーワードと検索対象となる企業内情報の双方に高精度の日本語処理を施し、従来に比べ高い検索精度を実現するという。共同開発する「なずきサーチ」は企業内に電子化して蓄積された文章の単語情報に加え、意味情報も解析。意味的に、より重要な情報を検索結果の上位に位置づけることを可能にした。形式が異なる企業内のさまざまなデータから必要な情報を的確に得ることができる。３社は商品開発につなげる製品の開発も計画。「なずき」とファストサーチが開発した企業向けのサイト内検索エンジン「ファストＥＳＰ」で、アンケート結果など顧客の意見を感性分析する手法を検討する。

△富士通<6702>は、映像・音声を高速伝送するコントローラーＬＳＩを開発
富士通は５日、映像や音声などを高速伝送する車載ネットワーク規格「ＩＴＳデータ　バス―１３９４（ＩＤＢ―１３９４）」に準拠したコントローラーＬＳＩ「ＭＢ８８３８８Ａ」と「ＭＢ８８３８９」を開発したと発表した。自動車の座席背面にあるモニター上にカーナビゲーションやＤＶＤの映像、音声を遅延させずに伝送できる。サンプル価格はＭＢ８８３８８Ａが２０００円で月販２０万個、ＭＢ８８３８９が１５００円で月販１０万個を計画。１２月１日にサンプル出荷を開始。０８年後半に回路線幅１８０ナノメートル（ナノは１０億分の１）プロセスを採用して量産を始める。新製品のうちＭＢ８８３８８Ａが映像転送用、ＭＢ８８３８９が音声転送用。マルチメディア情報を伝送するため、ＩＤＢ―１３９４の映像圧縮・復元に富士通研究所（川崎市中原区）が開発した「スマートコーデック」を搭載した。伝送速度を毎秒４００メガビットとし、映像情報を２ミリ―３ミリ秒の低遅延で３分の１サイズに圧縮・復元できる。スマートコーデックはＭＰＥＧコーデックに比べて、遅延時間が２００分の１となり１０００分の３秒に、チップ構成を３分の１の２チップに削減。アナログビデオに比べてワイヤハーネスを２本減の４本に、コネクターを４個減の８個に、ＬＳＩを４個減の８個にそれぞれ削減できる。

△ソニー<6758>、ＴＶチューナー容積１／１０に削減できるチップセット製品化
ソニーは５日、シリコンチューナーＩＣ「ＣＸＡ３７４６」と復調ＬＳＩ「ＣＤＸ２８１１」のチップセットを製品化したと発表した。同チップセットを用いてチューナーモジュールを設計すると、従来のＣＡＮチューナーと比べて容積を１０分の１に削減できる。復調ＬＳＩ部は日本のＢＳデジタル放送、地上デジタル放送に加えて、地上アナログ放送の映像検波と音声多重デコーダー、ゴーストキャンセラーをワンチップに納めた。サンプル価格はＣＸＡ３７４６が１０００円、ＣＤＸ２８１１が４０００円。０８年４月末に量産を開始。２０１０年に市場シェアをシリコンチューナーＩＣで３０％、復調ＬＳＩで２５％に引き上げる。

△日立化成<4217>、重さ１／３のセラ製自動車ブレーキ部品を開発
日立化成工業はセラミックス製の自動車ブレーキ部品（ローター）を開発した。現在主流の鋳鉄製に比べ重量が約３分の１と軽く、自動車の燃費向上に貢献できる。また１０００度Ｃ以上の熱に耐え、鋳鉄に比べ寿命も長いという。価格は鋳鉄より割高だが、製法などを工夫し、既存のセラミックス製の半値程度を予定している。カー用品専門店で試験販売し、ユーザーの評価を経て本格発売する。新製品は炭素繊維で強度を高めた円盤状のセラミックス部品。重量の指標である密度が１立方センチメートルあたり２・４グラムと鋳鉄（同７・２グラム）の３分の１で、耐熱性は１３５０度Ｃと鋳鉄（７００度Ｃ）に比べ大幅に向上した。セラミックス製ローターはすでに存在しているが、高価なため数千万円単位の超高級車にしか採用されていない。このため同社は樹脂の部材成形技術を応用して製造することで、価格を半値に抑え、採用車種の拡大を図りたいとしている。

△ミヤノ<6162>、自動旋盤の組み立てを１１０時間に短縮
ミヤノは自動旋盤の納期を短縮する。福島工場（福島県矢吹町）の組み立てを４工程に分割し、各工程ごとに担当者を配置して生産を平準化する。カイゼン活動も本格化し、作業のムダ取りを徹底する。主軸の組み立てから本体完成までの時間が４月時点で１５０時間だったのを０８年４月に１１０時間とする。納期短縮を実現し、受注を拡大する。主軸台固定型自動旋盤の組み立ては電装品の取り付けやカバーの装着工程などに分割した。１人が全工程を担当する生産方式は、作業者の習熟度によって生産の進ちょくにバラツキが生じる。作業者は担当工程を持つことで習熟スピードが上がり、生産を平準化しやすい。生産の進ちょくもきめ細かく把握できる。福島工場のカイゼン活動は４月から始めた。５人１組を基本とした小集団ごとにカイゼン活動を展開している。

△タダノ<6395>、中国にトラッククレーン向け油圧機器の合弁設立
タダノは５日、中国にトラッククレーン（ＴＣ）向け油圧機器の製造と販売を行う合弁会社、「京城多田野（北京）液圧機器」（北京市）を設立したと発表した。０８年４月に生産を始める。現地のＴＣ生産合弁会社である北起多田野（北京）起重機（同）に油機を供給するほか、タダノの国内外工場向けの油機供給拠点に育成する。京城多田野は９月２６日に、当局の営業許可を取得した。資本金は２５０万ドル（２億８６５５万円）。タダノが５０％を出資し経営権を握る。北起多田野（北京）起重機の現地パートナーである北京京城重工機械（同）が４０％、タダノの国内の主力協力工場である三村鉄工（高松市）と村上製作所（同）がそれぞれ５％を出資する。

△住重<6302>、米でクレーン増産－３０億円投じ体制強化
住友重機械工業は米国での自走式建設用クレーンの生産体制を強化する。０８年春に現地子会社にクレーンのブーム（作業機）塗装ラインを、０９年１月にはクレーン本体の製造ラインをそれぞれ新設する。投資額は計３０億円。米国での公共工事や発電所新設に使われる建設用クレーンの需要に対応するのが狙い。生産体制を強化するのは、全額出資子会社「リンクベルト　コンストラクション　イクイップメント」（ＬＢＣＥ、ケンタッキー州）。８６年に設立、同クレーンの製造、販売を手掛けている。米国市場は発電所や企業の工場などの新設に使われる産業用クレーンの需要が伸びている。現地生産増強で、米国内での受注増に備える。ＬＢＣＥのクレーンの売り上げは０７年４―９月で約３００億円。０９年度の同クレーンの米国販売計画を０６年度比３３・３％増の８００台に設定した。

△近畿車両<7122>、鉄道車両の生産を再増強－８億円投じ年６００両に
近畿車両は０８年度中に鉄道車両生産で３ライン体制を確立する。国内外で車両需要が急増しているのに対応する。１０月に生産ラインの増強に着手した。塗装工場の増築や台車工場の再整備、レイアウトの見直しを実施する。投資額は約８億円。これにより車両の年産能力を０７年度の５００両から１００両増やし、６００両とする。近畿車両は本社工場（大阪府東大阪市）で車両を生産し、工程によって２ラインと３ラインが混在している。三つのラインに完全に独立させて生産能力を高める。３ラインのうち２ラインを国内向け、１ラインを海外向けにする。１０月からの生産ライン増強に先立ち、９月には年間１００両分増産の設備投資を終えた。再増強により０８年度末の生産能力は０５年度（４００台）比で５０％増となる。

△ホンダ<7267>系部品１２社、０７年９月中間－１０社増収・９社増益
ホンダ系部品主要１２社の０７年９月中間は、売上高が１０社で増収、経常利益ベースでは９社が増益となった。海外で好調な４輪車生産や為替の円安傾向を受けて軒並み業績が伸長した。ただ各社は、世界的な増産による設備投資や研究開発費負担増が続き利益を圧迫している。下期は、先行き不透明な米国経済や為替相場、原材料高騰など不安材料が多く、深刻化すればホンダグループの成長基調に影がさすことになる。
前年の新車効果の反動で軽自動車組み立てが減少した八千代工業<7298>、エンジン部品の素材変更時期がずれ込んだ田中精密工業<7218>、世界戦略車「アコード」の立ち上げに伴う金型販売が一段落したエイチワン<5989>などは売上高や収益が前年同期を下回った。ケーヒン<7251>は品質補償引当金で特別損失を計上している。

△日産<7201>、中国向け「ティーダ」をマイナーチェンジ－台湾拠点でデザイン
日産自動車は中国での最量販車種の小型車「ティーダセダン／ハッチバッグ」を一部改良した新型車を０８年初に発売する。ティーダの販売は堅調に推移しているが、競争力を高めた競合車が増えており、同車テコ入れで販売下支えを狙う。中国向け改良ティーダは、台湾のデザインセンターが初めてグローバルデザインを手がける車種。今後は台湾のセンターが中国生産車のデザインにより関与していく方針。セダンは車格がやや大きくなり、ハッチバッグは外観がよりスポーティーになる見通し。今月開催の中国・広州モーターショーで公開する。ティーダの１―９月販売台数はセダンが前年同期比１９％増の約４万２０００台、ハッチバックが同１１％増の４万７０００台。

△荏原実業<6328>、紫外線吸収式オゾン測定器３種発売－モニターを小型軽量化
荏原実業は５日、紫外線吸収式オゾンモニター３機種を７日に発売すると発表した。大気中のオゾン濃度を測定するリークモニター「ＥＬＭ１」は従来装置に比べ大幅に小型軽量化するなど、３機種とも測定性能や使い勝手を向上した。オゾン発生器やオゾン水製造装置を利用する上下水道施設、半導体製造工場、食品工場などでのオゾン濃度確認や安全監視に向く。ＥＬＭ１の大きさは高さ１２５ミリ×幅２００ミリ×奥行き５４ミリメートルで、重さは約１・５キログラム。従来装置は高さ２００ミリ×幅２７０ミリ×奥行き１１０ミリメートルで重さは５キログラムだった。価格も従来の５０万―６０万円に比べ３７万１７００円と低価格で導入しやすくした。

△日東化工<5104>、廃木とゴムチップ原料の弾性床材を拡販
日東化工は、建設現場で発生する木材を粉砕したウッドチップとゴムチップを原料にした弾性床材「ウッディーロード」の販売を強化する。同社と明治大学、神奈川県産業技術総合研究所の３者が共同開発した製品で、公共施設における試験的な販売を手始めに、学校や幼稚園、郊外型の大型商業施設などを中心に拡販を図る方針。０７年度は５０００平方メートル、０８年度は１万５０００平方メートルの販売を目指す。ウッディーロードはウッドチップとゴムチップを、ウレタンのバインダー（結合剤）で混合した製品。クッション性が良いうえ、保水性に優れる木材チップの働きで路面温度の上昇抑制効果を持ち、さらにチップ間に存在するすき間により透水性も確保していることなどが特徴。屋上緑化時の防水層保護素材などにも適しているという。

△日立金属<5486>、大画面テレビ向け樹脂用金型材を本格販売
日立金属は大画面テレビなど広幅の樹脂枠を成形するための金型材「ＣＥＮＡ１（セナワン）Ｋ」の本格販売に乗り出す。幅１メートルを超える大型の広幅材の需要が高まっており、これまでのプラズマテレビや大型液晶テレビだけでなく、エアコンなどの大型家電や自動車用パネルなど、幅広い用途に拡販することにした。これにより販売量を０６年度実績の１３８トンから、０７年度には７２６トン、０８年度は上期だけで６００トンを狙う。ＣＥＮＡ１Ｋは成形する樹脂に継ぎ目が残らない「ウェルドレス成形」技術に対応したもの。工具鋼の加工熱処理工程において、ミクロ組織での制御方法を工夫したことで大型化に成功した。同社によると、現在、１メートルを超えるサイズをウェルドレス成形できる唯一の金型材だとしている。

△太平洋セメ<5233>とＯＫＩ<6703>、道路・橋のひずみ測定する計測システム開発
太平洋セメントとＯＫＩ（沖電気工業）は５日、道路や橋などの変形を測定する「ひずみ計測システム」を開発したと発表した。鉄筋コンクリート建造物の荷重や変形状態をデジタル測定し、データ管理が容易にできる。実証実験を進め、太平洋セメントのグループ会社である太平洋コンサルタント（東京都千代田区、石嵜寛治郎社長、０３・３２３７・６９０１）が０８年４月に試験販売を始める予定。ひずみ計測システムは、新設工事の際にセンサーを鉄筋に取り付け、電池不要のパッシブ型ひずみセンサー付き無線識別（ＲＦＩＤ）タグとつなぎ、コンクリートで埋設する。コンクリートの外側からアンテナを近づけると、ＲＦＩＤタグを通して、ひずみの状況を示すデータを受け取り、制御パソコンに送る。

△奥村組<1833>、建設工事の影響を定量評価する解析システム構築
奥村組は建設工事で発生する「騒音」「振動」「粉塵」が環境に与える影響を定量評価する解析システムを構築した。工事現場で、建設機械やダンプトラックから騒音、振動、粉塵がどの程度起こるかを工事前に評価することが可能。現場測定との照合による精度向上が見込まれ、周辺環境により適した対策が選定できるとしている。たとえば、現場で重機が民家に最も近づく位置で、その騒音の影響を検討して対策の必要性の有無をチェック。必要があれば、防音壁で騒音を何デシベルまで抑えられるかなどを、工事計画の立案前に確認できる。こうした定量評価には騒音、振動、粉塵の項目ごとに高度な数値解析が必要で、データ入力に時間がかかり、現場測定データをもとにした解析精度の向上も必要だった。

△ルシアン<8027>、欧州メーカーにレース資材を納入－現地営業拠点も検討
ルシアンは刺しゅうレース資材「かすみ」を欧州の複数の大手インナーアパレルメーカーに納入する。フランスのレジャビー（リヨン市）が０７年秋冬モデルの下着に同資材を採用したのをはじめ、他の欧州メーカーも０８年モデルに同資材の使用を決めた。これにより、欧州市場向けで年間約２万メートルの販売が見込めるという。同社ではアウターアパレルメーカーへの提案も計画するなど、レースの欧州展開を本格化する。これまでレースの海外販売は韓国や中国などアジア向けにとどまっていた。今回はまず欧州向けに仏レジャビーが採用。さらに、企業名は明らかにしていないものの、フランス周辺国の大手メーカーの０８年春夏モデルなどで採用が決まったという。

△不二家<2211>、千葉・船橋に売り場とカフェ併設した新業態店
不二家は５日、焼きたてベーカリーや手作りスイーツ（洋菓子）などの売り場とカフェを併設した新業態店「マムズ　カフェ　フジヤ」を立ち上げると発表した。１号店「マムズ　カフェ　フジヤ　船橋店」（千葉県船橋市）を６日にオープンする。今後、既存店の改装や新規出店などで店舗の拡大を図る考え。船橋店は店舗面積約２４０平方メートル。主な商品は洋菓子など約５０品、ベーカリー商品など約９０品。ベーカリー商品のほとんどは店内で焼き上げるほか、洋菓子の半数近くも店内で手作りする。
山崎製パン<2212>からベーカリーの生地を購入し、技術指導も受ける。１２月をめどに大阪・心斎橋にある既存店を２号店としてリニューアルオープンする予定だ。

△旭化成<3407>、北京でファッションデザイナー大賞の授賞式
旭化成は５日、中国・北京で開催中の中国インターナショナルファッションウイークで「旭化成中国ファッションデザイナークリエイティブ大賞」の授賞式を行った。同賞は中国での企業ブランド向上と再生セルロース繊維「ベンベルグ」の認知を目指し、今回から新設。グランプリを受賞した劉薇（リュウ・ウェイ）氏はベンベルグを使用したコレクションを披露した。　同賞は高級化が進む中国のファッション産業で業界を担うデザイナーを発掘し、素材を訴求する場として年２回、中国ファッションウイークで授賞式とショーを開く。大賞の創設にあたり蛭田史郎旭化成社長は「高級ファッションから機能ファッションまで、（ベンベルグは）なくてはならない素材になると自負している。天然素材のベンベルグの良さをデザイナーの方々に広く知ってもらえれば」と語った。
（日刊工業新聞）

△コスモスイニシア<8844>　不動産販売順調で２度目の増額
コスモスイニシアは５日引け後、０８年３月期中間連結業績予想の上方修正を発表した。売上高は、前回予想を４７億円上回る９７７億円（予想比５．１％増）、経常利益は２９億円上回る１０４億円（同３８．７％増）、純利益は３１億円上回る１８６億円（同２０．０％増）となる見込み。修正の理由としては、不動産販売事業が順調に推移し、前回予想において下期引渡を見込んでいた分譲マンション事業における物件の一部、並びに投資用賃貸マンション販売を含めた土地・建物販売事業における一部物件の引き渡しを行ったことによる。加えて、土地・建物販売事業においては、一部物件の売却価額が計画値を上回ったことも寄与した。また、販売費及び一般管理費の費消時期のずれによる利益改善もあり、前回８月６日の第１四半期決算発表時に修正した数値をさらに上回り、２度目の増額となる。なお、通期の業績予想については現在精査中であり、確定次第公表するとしている。中間決算の正式発表は１１月１２日の予定。

△アイレップ<2132>　０７年９月期業績予想を上方修正
検索エンジンマーケティング（ＳＥＭ）のアイレップは、５日引け後に０７年９月期通期業績予想の上方修正を発表した。売上高は従来予想を１１億３４００万円上回る８３億７６００万円（前期比６６．４％増）、経常利益は６４００万円上回る４億３８００万円（同３５．２％増）、純利益は２１００万円上回る２億３７００万円（同２３．４％増）となる見込み。インターネットマーケティング事業において、ＳＥＭ市場の成長を背景として、とりわけリスティング広告販売が第４四半期に予想以上に好調に推移したことが要因。
（証券日刊新聞）

△ケアネット<2150>とリクルート子会社　医師求人情報で提携
医療関係者向けウェブサイトを運営するケアネット（東京都文京区）は５日、医師人材紹介業大手のリクルートドクターズキャリア（東京都港区）と、医師向けキャリアアップ支援情報サービス事業で業務提携したと発表した。第１弾としてケアネットの医療情報専門サイト「ケアネット・ドットコム」の医師会員を対象に、リクルートドクターズキャリアの全国医療機関の医師求人情報を提供するサービスを６日から開始する。ケアネットは、医師向けに医療・医薬情報だけでなく、求人情報など医師のキャリアアップにつながる情報を提供することで、運営サイトの新規会員の獲得を目指す。一方、リクルートドクターズキャリアは、ケアネットの約７万４０００人の会員医師にコンタクトできることから、登録医師数と病院への紹介件数の増加を狙う。リクルートドクターズキャリアが提供する求人情報は、ケアネット・ドットコムの人気コンテンツ（情報の内容）「医療ニュース」の新たなメニューとしてサイト上に紹介される。ケアネット・ドットコム経由でリクルートドクターズキャリアの人材紹介サービスを受けるために登録した場合、ケアネットはリクルートドクターズキャリアから医師の数に応じた紹介料を受け取れる。ケアネットは、情報提供サービスの拡充だけでなく、収益アップにもつながる。ケアネットは今後、リクルートドクターズキャリアのサイトで展開する医師の転職にまつわるコンテンツや、求人病院情報などの提供も検討していく。

△メタボリック対策　特定保健用食品や一般用薬品　０７年売上高１３００億円超に
中高年層を中心にメタボリックシンドローム（内臓脂肪症候群）への関心が高まるなか、同対策のための特定保健用食品（特保）や一般用医薬品が高い伸びを示していることが、富士経済（東京都中央区）の調べで明らかになった。一般用医薬品市場の分析に合わせて、「メタボリック」「花粉症」など初めて対策テーマ別に市場動向を調査し、メタボリック関連商品の好調ぶりが浮かび上がった。この調査でメタボリック対策の対象商品としたのは、特定保健用食品が中性脂肪値、コレステロール値、高血圧、血糖値の改善に効果があるもの。一方、一般用医薬品は「血清高コレステロール改善薬」「肥満防止改善薬」「漢方処方エキス製剤」。それによると、メタボリック対策に該当する特定保健用食品の２００６年の国内売上高は、前年比１６・９％増の１０５０億円。０７年も１２・６％増の１１８２億円と２けた増を維持する見通しだ。
同分野の商品は、健康に配慮した花王<4452>の食用油「エコナ」や、緑茶飲料「ヘルシア緑茶」などのヒットにより市場を形成し、拡大を続けてきたが、へルシア緑茶の爆発的なブームの反動で０５年に一時的に市場が縮小。しかし、０６年にサントリー「黒烏龍茶」のヒットで再び市場が拡大基調に転じたという。
０７年に入ると、味の素<2802>ゼネラルフーヅのインスタントコーヒー「ブレンディコーヒーオリゴ糖入り」が投入されたことなどから、引き続き好調が持続するとの分析だ。
これに対し、メタボリック対策の一般用医薬品は、これまで低迷ぎみで推移するなか、０６年に小林製薬<4967>が「ナイシトール８５」をヒットさせたことで注目度が高まり、その波及効果でその他の製品も拡大した。市場規模自体がまだ小さいとはいえ、０６年は前年の倍増に市場が膨らみ、０７年も２８・７％増の１３０億円が見込まれている。
この結果、特定保健用食品に一般用医薬品を加えた全体の売上高は０６年が２１・３増の１１５１億円になり、０７年も１４・０％増の１３１２億円に伸びると予想。さらに、０８年４月に生活習慣病の発症前対策の強化のため、特定保健指導の義務化が予定されていることもあり、メタボリック対策用市場は今後も着実に拡大すると予測している。

△腫瘍診断薬が保険適用　医学生物学研<4557>、一般患者に検査拡大
臨床検査薬や研究用試薬の製造などを手掛ける医学生物学研究所（名古屋市中区）が、厚生労働省に申請していた腫瘍（しゅよう）関連自己抗体測定診断薬「ＭＥＳＡＣＵＰ（Ｒ）ａｎｔｉ－ｐ５３テスト」の保険適用が承認された。同社では保険収載に伴い、一般患者に検査対象を広げ、２００８年３月期に２０００万円、１１年３月期に５億５０００万円の売り上げを目指す。同診断薬は、がん患者の体内に作り出される変異した抗体を検出するもので、早期の大腸がんや食道がん、乳がんの検査ができる。血清で検査されるため、画像診断や組織診断よりも簡単に診断できるのが特徴だ。特に食道がんでは従来、有用な腫瘍マーカー（血液中の特異なタンパク質を検査する手法）が存在していなかったが、同診断薬では早期食道がんでも高い陽性反応を示すという。また、大腸がんにおいては、これまでの腫瘍マーカーに比べ、高い陽性率が得られる。同診断薬は、保険適用に先立ち、０７年５月に新規腫瘍マーカーとして製造承認されていた。

△インテージ<4326>８社の経理・人事　人材派遣子会社に集約
マーケティングリサーチ最大手のインテージは５日、来年４月からグループ企業８社の経理・人事など間接サービス部門を人材派遣子会社のインテージリンクスに集約する、と発表した。業務効率化とコスト削減が狙いで、これを機に、インテージリンクスは社名を「インテージ・アソシエイツ」に変更し、従業員２４０人（嘱託・契約社員を含む）のシェアードサービスセンターとして新発足する。インテージ・アソシエイツは、グループの間接サービス業務を標準化・システム化することで、３年間で約２億円のコストを削減する一方、グループ企業の価値向上をめざし業務スキルの高度化・専門化に向け人材育成にも積極的に取り組んでいく。
（FujiSankei Business i）