11/2 朝の『株価材料』PART Ⅲ

朝の『株価材料』PART Ⅲは、"つづきはこちらです"をクリック！

[0回]

■株価材料

△東海理化<6995>、タイにアセアン統括会社を設立
東海理化は、アセアン地域の統括拠点として、タイに「トウカイリカアセアン」を新設すると発表した。今回の統括拠点の設立は、アセアン地域でのグループ会社への指揮命令系統を集中、一本化することで、地域内総合力を強化するのが狙い。トウカイリカアセアンは、2008年1月から業務を順次開始し、アセアン地域内の生産拠点に対し、営業、調達、経理、生産技術、品質保証などの業務について、迅速かつ効率的に対応すると、している。アセアン地域の中でも特に自動車産業が急成長しているタイに統括機能を配置することで、地域全体で競争力のある事業体制の構築を目指す。

△中国自動車セールス満足度調査、メルセデスベンツいきなりトップ…JDパワー
J.D.パワーアジア・パシフィックは、「2007年中国自動車セールス満足度調査」の結果を発表した。調査は、新車購入時から2 - 6か月経過した車の個人ユーザーを対象に、中国の正規販売店での車の販売から納車までのプロセスに関する顧客満足度を調べたもので、2000年から年1回の割合で実施している。満足度は「納車プロセス」、「セールス担当者」、「販売店設備」、「取引」、「納車タイミング」、「書類手続き」の6つのファクターを調べた。中国の主要24都市で面接調査を実施し8335人から回答を得た。調査対象の自動車メーカーは40社。セールス満足度ランキングでは、今回初めてランキングの対象となったメルセデスベンツがトップとなった。スコアは、調査始まって以来最も高い829ポイントをマークした。
2位は東風ホンダ<7267>で、スコアは823ポイントだった。3位は長安スズキ<7269>で、スコアは2位に僅差の821ポイントだった。

△ダイハツ<7262>が2か月連続でトップ…10月軽自動車販売
全国軽自動車協会連合会が発表した10月のブランド別販売台数によると、ダイハツが前年同月比2.6％増の4万7642台となり、2か月連続でトップとなった。
スズキ<7269>は同0.3％減の4万4200台と微減だった。
3位のホンダ<7269>は同20.3％減の1万4381台と大幅に低迷した。
日産<7201>は同18.7％減の1万0046台とマイナスながら4位に浮上した。
5位は、三菱自動車<7211>で同33.5％減の8556台、
6位はスバル（富士重工業<7270>）で同18.2％減の8419台と三菱自動車と僅差だった。
マツダ<7261>は同7.8％増の3744台。前年を上回ったのはダイハツとマツダだけだった。
（レスポンス）

△ＫＤＤＩ<9433>、ハイビジョン映像を高信頼・低遅延で送信するシステム開発
ＫＤＤＩとＫＤＤＩ研究所は、ハイビジョン映像をインターネット・プロトコル（ＩＰ）回線を用い無瞬断かつ低遅延で送信する伝送システムを開発した。新開発した映像の圧縮復元（コーデック）装置は、１セットで回線の二重化に対応でき、導入コストが半減以下に低減可能になる。放送局の生中継や遠隔医療など、一瞬の停滞も許されない映像伝送ニーズに対応する。新開発した映像コーデック装置「ＪＨ―３０００Ｎ（Ｄｕａｌ　Ｆｅｅｄ）」は、高信頼映像伝送、映像伝送の遅延要因となる映像圧縮技術の双方に新方式を採用した。伝送技術は通信回線を専用線とベストエフォート型のＩＰ回線などで二重化することで信頼度を向上させる。通常二重化には回線ごとに映像を圧縮するエンコーダーと復元するデコーダーが１セットずつ必要。それを１台のエンコーダーで映像と音声を二重化しそれぞれの回線に送出し、デコーダー側も１台で復元処理を行えるようにした。映像の圧縮には国際標準規格「ＪＰＥＧ　２０００」を採用。映像をエンコーダーで送信し、受信側のデコーダーで復元するまでの遅延時間を約０・０５秒とした。既存の圧縮技術「ＭＰＥＧ―２」と比べて遅延時間は５分の１程度と大幅に短縮でき、生中継でも違和感なく視聴できる映像品質が確保できるという。地上デジタル放送やハイビジョン撮影機器の普及により、伝送容量が大きいハイビジョン映像を遅延なく低コストで伝送したいというニーズが急速に高まっている。ＫＤＤＩは専用線とＩＰ回線による高信頼タイプの伝送システムを放送局の中継回線向けに提供。また異なるＩＰ回線で二重化する低コスト型を企業のテレビ会議システム向けに提案するなどの活用を狙っていく。

△ＮＴＴ<9432>レゾナント、小学生に直接意見を聞くネット調査サービス
ＮＴＴレゾナントは、小学生に直接意見を聞くインターネット調査サービスを１１月上旬に始める。学習塾や教材など子供向け商品を扱う企業の調査ニーズに対応。現行のサービスは調査対象を中学生以上と定め、小学生については親を介して調査してきた。新サービスは小学生の生の声を集められる点をアピールし活用を提案していく。新サービス「キッズｇｏｏリサーチ」は小学生向けサイト「キッズｇｏｏ」（ｈｔｔｐ：／／ｋｉｄｓ．ｇｏｏ．ｎｅ．ｊｐ／）内にアンケートコーナーを設ける。調査期間は２週間を標準とし、回答の回収数の目安は１０００サンプル前後。価格は５０万円台から。小学生が通常寝ている深夜時間帯の回答を無効にするなどして「成り済まし回答」を防ぎ、調査結果の信頼性を高める。現行のネット調査サービス「ｇｏｏリサーチ」は事前に性別などの属性や個人情報を登録したモニターに電子メールで調査を依頼。回答者には謝礼として商品券に交換可能なポイントを付与している。新サービスは安全面の配慮からモニター制度を採用せず、サイトを訪れた小学生に随時意見を聞く。謝礼も与えない。これまでは「ｇｏｏリサーチ」のモニターに子供の人数や学齢を事前登録してもらい、「学習塾の選び方」「携帯電話が子供に与える影響」といった調査を依頼してきた。ただ、この方法では親の意向が介在し子供の生の声が入ってこない可能性もある。ＮＴＴレゾナントでは子供向け商材を扱う企業からの調査依頼が増えている状況を受けて、小学生に直接意見を聞く実験調査をこれまでに３回実施。結果が良好なことから正式に商品化する。

△ＮＲＩ<4307>、ＩＴ統制評価で報告書を統一－作成作業の負担軽減
野村総合研究所（ＮＲＩ）は１日、情報システムのアウトソーシング（外部委託）顧客に対して、内部統制報告制度（日本版ＳＯＸ法）の対象となるＩＴ統制評価を共通化すると発表した。これまで顧客ごとに作成していた評価報告書を統一することで、監査人による報告書作成作業の負荷を軽減。顧客の報告書作成費用が従来に比べて半分程度に削減できるという。２０１０年３月期までに３０―４０社へ共通化した報告書の提供を目指す。外部委託したＩＴ業務に関する内部統制において、受注した企業から評価結果を入手する場合、外部の監査法人が評価し規定の報告書を作成する。しかし従来は監査人が顧客企業ごとに１件ずつ報告書を作成していたため、顧客は報告書の作成に平均数千万円の費用を負担しなければならなかった。ＮＲＩは顧客のＩＴ統制評価を一本化することで、評価などを委託する監査法人の作業簡略化や時間短縮を実現。ＮＲＩへＩＴ業務を委託する顧客の報告書作成コストの削減につながる。０８年４月から適用される日本版ＳＯＸ法では、ＩＴ全般統制の評価が義務づけられている。外部に委託したＩＴ業務に関する内部統制についても評価範囲になるが、監査が行き届かないなどの理由からＳＯＸ法が適用された米国ではＩＴ統制に関する指摘が最も多かったという。

△航空電子<6807>、清掃容易な光コネクター発売
日本航空電子工業はコネクターのプラグ側面を容易に清掃できる光コネクター「ＦＯ―ＥＸシリーズ　ＬＣコネクタ単心タイプ」を発売した。コネクターのアダプター部分を中央より分割できる構造を業界で初めて採用し、清掃しやすくした。ルーターなどの通信装置、画像伝送装置などでの使用を見込む。月１万個の販売を目指す。従来、アダプターからプラグを外して汚れをとっていた。アダプターが筐（きょう）体に実装されている場合は筐体を開け、内部の光コネクターのプラグをアダプターから外す必要があった。光通信の伝送容量増加に伴い、プラグ側面の汚れに起因する光ファイバーの損傷などが起きており、清掃しやすい光コネクターが求められていた。

△富士通<6702>、ＵＳＢ２．０対応の３２ビットマイコンを開発
富士通は１日、機器間データ伝送規格「ＵＳＢ２・０」に対応した３２ビットマイクロコンピューター「ＭＢ９１Ｆ６６２」を開発したと発表した。ＵＳＢ２・０のほか、最大２４チャネルの高速アナログデジタルコンバーターやシリアル通信１２チャネルに対応。動作周波数を３３メガヘルツに抑えた。写真やラベルのプリンター、オーディオ機器、ＦＡ機器を制御するコントローラーに向く。サンプル価格は１０００円。０８年１月にサンプル出荷を開始。月２０万個の販売を計画する。

△日立<6501>、米製ミドルウエア対応のソフトフォン発売
日立製作所はインターネットプロトコル（ＩＰ）で音声通信するＩＰテレフォニー製品群を拡充する。米シトリックス・システムズのミドルウエア（基盤ソフト）「シトリックス・プレゼンテーション・サーバ（ＣＰＳ）」上で作動するソフトフォン用アプリケーションソフト（応用ソフト）を０８年初めにも製品化する。ソフトフォンはソフトウエアを使ってパソコンで通話できるようにする。主記憶装置を省いたシンクライアントパソコンに音声通話機能を付けることで、企業向けセキュリティー市場でシェア拡大を狙う。ＣＰＳはアプリケーションソフトなどをサーバで集中管理する。ＣＰＳが通話制御・管理を主に担当し、音声はパソコン間で直接やりとりする。ＣＰＳは音声処理を行わずに済むため負荷が軽く、音声の遅延や劣化などを通常のＩＰ電話並みに抑えられる。端末上ではアプリケーションなどを実行しないため、電話帳などの機密情報はパソコン内部に残らない。ＣＰＳは国内１万３０００社以上で導入実績がある。これまでＣＰＳ対応ソフトフォンは少なく、ヘッドセットや受話器をパソコンに接続するだけでＩＰ電話を利用できる製品が求められていた。ソフトフォンを含むＩＰテレフォニーシステム事業売上高は０６年度に約２００億円だった。

△神鋼電機<6507>、中国高速鉄道向け速度発電機の現地量産を開始
神鋼電機は中国の高速鉄道の速度検出に用いる速度発電機の現地生産を開始した。中国天津市の合弁会社である天津神鋼電機に技術移転と製造指導をして量産を始めた。月４０台体制で生産を始めたが、１年後までに同８０台に倍増する計画。中国の高速鉄道向け速度発電機は従来、伊勢製作所（三重県伊勢市）で製造し、車両メーカーである川崎重工業や日立製作所を経由して納入してきた。しかし、中国側から現地生産の要求があり、合弁会社での生産に切り替えた。当面、一部の部品は日本から供給するが、順次中国内での調達比率を高めていく。速度発電機は列車の車軸に取り付けられ、車軸の回転による発生電圧から速度を検出。速度データを列車制御やアンチロックブレーキシステムに供給する役割を持つ。列車１編成に８―２０台搭載する。

△ＮＴＮ<6472>、ノイズに強く長寿命の建機向け非接触型角度センサー開発
ＮＴＮはショベルカーなどの関節部で角度を検知する「非接触デジタル型角度センサユニット」を完成した。金属ブラシの接触を測定する従来の角度センサーに比べて、長寿命で耐ノイズ性に優れるという。電子制御化を促進する商品として、建設機械メーカーを中心に採用を提案。２０１２年に年間１０億円の売り上げを目指す。軸部に磁石を組み込み、磁界の変化を角度に変換し、制御機器にデジタル出力する。従来は、ブラシ接触部移動時の電圧値を出力していた。長期使用でも摩耗リスクがなく、振動など外部要因による電圧変化の影響も受けにくい。構成材をアルミ化して軽量化。取り付け時の作業性も向上させた。主に細かい角度設定が要求されるショベルカーやダンプカーでの使用を想定する。油圧稼働の産業機械などへの転用も可能だ。

△日本電子<6951>、来年度から中国規格適応の蛍光Ｘ線分析装置を現地生産
日本電子は月内に中国北京市で稼働する電子顕微鏡などの部品加工工場で、０８年度から中国の規格に適応した蛍光Ｘ線分析装置などの生産を始める。中国版の欧州特定有害物質規制（ＲｏＨＳ）の対象範囲拡大に備え、早期に中国向けの完成品を提供。２０１０年度には生化学自動分析装置の生産にも乗り出す方針。北京市にある部品加工工場は合弁会社の「北京創成技術」が運営する。現在、１万平方メートルの敷地に３階建ての生産棟を建設しており、１１月に完成して試運転を始める。工場の１階部分に加工設備を導入し、当面は日本電子の製品に使う部品の加工に専念する。ただ近年、中国では蛍光Ｘ線分析装置など小型エレメントアナライザーの需要が拡大しているほか、今後は中国版ＲｏＨＳの対象範囲が広がる可能性もある。そこで一段と環境関連向けの分析装置の需要が伸びると判断。

△日立建機<6305>、来年度めど中国の販売網を再編－１省１代理店制に
日立建機は中国の販売代理店網を、０８年度をめどに再編する。各省内で営業エリアが重複している代理店を整理し、「１省１代理店」の体制に移行する。販売網再編により代理店の数を、０６年末の３３社から２０―２５社程度に絞り込む。代理店の建設機械の販売力を強化するには、整備工場の建設や情報システムの導入といった設備投資が不可欠と判断。経営基盤が脆弱（ぜいじゃく）な代理店を段階的に整理する。日立建機が再編する地域は江蘇省、浙江省、雲南省、四川省、新疆ウィグル自治区の５地域。
中国の建設機械の販売代理店政策は、現地でトップシェアのコマツ<6301>が「１省１代理店」体制を構築し成果を出している。日立建機も１省１代理店体制で省内の代理店競争を排除。各代理店の経営の安定化による投資余力を確保することで、代理店の販売力とサービス力の底上げをねらう。

△計測器２社、車向け事業領域を拡大－環境・高機能対応で商機
計測器メーカーが自動車向け計測・試験装置の事業領域を拡大する。
エー・アンド・デイ<7745>（Ａ＆Ｄ）は既存のエンジン用テストベンチ（動作検証装置）事業に加え、今冬から走行実験装置分野に参入。
チノー<6850>は０８年度に電子基板用エージング（寿命加速試験）装置などを投入し領域を広げる。開発競争が激しさを増す自動車業界に商機を見いだし深耕する。
Ａ＆Ｄはこのほど車両走行時の部品のひずみなどを調べる走行実験装置を開発した。装置にはトルクセンサーや荷重を測るロードセルなど高度な計測器を搭載。また二つのローラー部にそれぞれ動力源を備えており、スリップや水たまりでの走行など複雑な路面の条件を模擬的につくり車体の挙動を解析できる。自動車やタイヤのメーカーに提供する。チノーはラジエーター（放熱器）や電磁弁のエージング装置を提供している。

△９月の射出成形機受注、１８．１％増－中国向けが急回復
業界筋がまとめた９月の射出成形機の受注台数は、前年同月比１８・１％（２４７台）増の１６１４台となった。４カ月連続で前年同月比増加。３カ月ぶりに１６００台を回復した。中国向けが急速に回復し、「輸出が予想外の伸びを示した」（業界筋）。型締め力別では小型から中型クラスの輸出が好調を継続した。国内は前年同月比９％減の５０７台、輸出は同３６・７％増の１１０７台。国内は１２カ月連続で前年実績を下回った。「堅調な精密関連向けを除くと、ほとんどの業種で横ばいか減少が続いている」（業界筋）。輸出は４カ月連続で増加。東南アジアも家電向けに好調な受注が続いている。

△マキタ<6586>、ブラジルに新工場－電動工具の現地生産を月１０万台に
マキタはブラジルに電動工具の新工場を建設する。すでに着工し、０８年秋に完成する予定。これによりブラジルでの月間生産能力を現在の３万台から１０万台に引き上げ、好調な伸びを見せる同国の需要に対応する。投資総額は１６億２０００万円。ブラジルで２カ所目の生産拠点。新工場は、ブラジルの電動工具の製造販売子会社「マキタ・ド・ブラジル」（サンパウロ）が建設する。建設地は現工場のあるサンパウロから約４００キロメートル離れた南部のクリチバ近郊。現工場からは離れているが治安が安定しているとし、同地への建設を決めた。敷地面積１０万平方メートル。工場、倉庫、事務所を合わせた建築面積は２万６９００平方メートルで、現工場の約２倍の規模。主に岩などを砕く大型のハンマードリルなどを生産する。

△富士通<6702>テン、カーオーディオ北米生産を再編
富士通テンは北米でのカーオーディオなどの生産体制を再編する。米国子会社「富士通テンアメリカ」（インディアナ州）のラッシュビル工場の生産機能を、１２月末までに生産子会社「富士通テンメキシコ」（レイノサ市）に統合する。ラッシュビル工場は物流拠点として活用し、２００人の従業員を７０人まで削減する。生産機能の集約で、生産効率の向上やコスト低減を図る。ラッシュビル工場は８７年に稼働を開始。カーオーディオやキーレスエントリーシステムを生産しており、０６年度の生産額は５４億円。収益性が悪く、生産規模は年々減少してきた。自動車メーカーが現地調達ではなく、最適調達を加速しておりコスト面で優位なメキシコ生産拠点に統合する。

△マツダ<7261>の欧州販売、３２万台超に－１６年ぶり最高更新へ
マツダの０７年１―１２月の欧州販売が３２万１０００台に達する見込みで、過去最高を更新しそうだ。１―９月は「アクセラ」の好調が続き、新規市場のロシアの伸びが寄与した。１０―１２月は全面改良した「デミオ」、「アテンザ」の新車投入効果を見込む。欧州販売は９１年の３１万７０００台が過去最高で、１６年ぶりの記録更新となる。その主因は０６年から本格的に販売を始めたロシア。１―９月の販売はドイツ（４万９７７７０台）、英国（４万３０３９台）に次ぐ３万３１６３台で、一気に欧州３位の市場に成長した。税制変更での全体需要減の影響を受け前年割れが続くドイツでの不振を、ロシアの純増がカバーした。さらに１０月以降、新型デミオ、アテンザの投入もあり、欧州全体での新車効果による販売増が見込まれる。９月にデミオを発売した英国は、単月で前年同月比８・９％増の１万２５０台を販売した。

△三桜工業<6584>、ハンガリー新工場で車用配管製品の生産開始
三桜工業は１日、ハンガリー新工場（エステルゴム市）で自動車用配管製品の生産を始めたと発表した。従来はスズキのマジャール工場内で製品を加工していた。スズキが年産３０万台に引き上げるのに伴い、隣接地に独自の新工場を設置、生産能力を増強する。敷地面積は約９０００平方メートル、建物面積は約２８００平方メートル。１００％子会社のサンオーマジャールが運営する。当面はスズキ向けで今後、日欧の自動車メーカー向けの受注も積極化する方針。

△曙ブレーキ<7238>、北米再編を加速－新車向け２子会社の生産部門効率化
曙ブレーキ工業は、北米連結子会社の再編を加速する。管理機能や補修用ブレーキパッドの生産は集約済みだが、新車用ブレーキ製造でも、子会社間で重複する部門の統合などを進める。北米市場が国内に次ぐ売り上げの同社にとって、利益率改善が課題。体制のスリム化で、収益性の底上げにつなげる。曙ブレーキは、北米本社であるアケボノコーポレーション（ケンタッキー州）のほか、アムブレーキ（同）、エーマックブレーキ（同）、アムテックブレーキ（同）という連結子会社を持つ。新車用ブレーキを扱うアムブレーキとエーマックブレーキで、保全部門を近く統合する方針。両社の工場は近くにあり、一方に機能を移管し、必要に応じて行き来する体制を構築する。今後も、生産部門を中心に２社間の効率化を急ぐ。

△東洋ゴム<5105>、米で生産・流通網拡充－シェア倍増狙う
東洋ゴム工業は、２０１１年３月期までに米国市場でシェア倍増を目指す方針を明らかにした。米工場（ジョージア州）を段階的に拡張し供給体制を整えるほか、タイヤディーラーへの迅速な流通網を構築し新たな顧客を取り込む。他メーカーがアジア戦略を推進する中、高付加価値製品で米国に攻勢をかける。月内に発表する中期経営計画（０８―２０１０年度）に盛り込む予定だ。東洋タイヤは、米国における一般消費者向けタイヤの市場シェアを現行の３％から５％に、商用車向けを同４％から８％にそれぞれ引き上げる。米工場での０９年の現地生産を、現行比約５０％増の３３０万本体制とする。その後も生産を順次増やす。米で増加中のクロスオーバーＳＵＶ（スポーツ多目的車）用タイヤなど新製品開発も進める。

△日清紡<3105>、抗菌・抗ウイルス繊維素材使用したウエアを試験販売
日清紡は、抗菌や抗ウイルス効果を持つ繊維素材「ガイアコット」を使用したウエアの試験販売を始める。災害時にライフラインが停止した場合を想定し、医療機関のほか、災害時の衛生環境維持が必要な警察や自治体職員向けなどを対象に展開する。０９年までにシャツなど基本品をそろえ、その後は用途に応じた受注生産に着手する。販売目標は非公表。公衆衛生製品として災害時の復旧活動者や医療関係者、避難所向け寝具に展開する。ガイアコットは綿糸内部に無機鉱物のゼオライト結晶を固着した繊維素材。雑菌やウイルスの感染繁殖を防ぐ銅イオンも含み、洗濯しても効果は持続するという。一方、ガイアコットを使用した業務用マスクは先行して、医用電子機器メーカーであるアロカを通じて医療機関などに試験提供を始めている。

△クラボウ<3106>、プロテイン融合の長繊維を１２月発売－風合いよく高機能
クラボウは１日、レーヨンを構成するセルロースにプロテインを融合させた長繊維「ルナセル」を１２月に発売すると発表した。通常のレーヨン糸と異なり、風合いが良く光沢があるほか、消臭・紫外線カット効果を持つ。高級ブラックフォーマルや婦人服向けに国内で糸を販売。０８年度に売上高１億円、２０１０年度に同３億円を見込む。ルナセルはクラボウ初の長繊維素材。ポリアミド系の水溶性プロテインをコットンリンター原料のセルロースに架橋させた。光沢や機能性を持つほか、濃色染色できるなどの特性がある。生産は中国の新郷化繊（河南省）に委託、当面は日本国内で販売しボンドリーム（大阪市中央区）が販売を担当する。７５デニールで１キログラム当たり２０００円程度。素材表示はレーヨンとなる。

△昭和電工<4004>、ディスプレー向け耐熱透明シート・フィルムの新製品開発
昭和電工は１日、ディスプレー向け耐熱透明シート・フィルムの新製品を開発したと発表した。シートは今月から厚さ１ミリメートル品のサンプル出荷を始めた。フィルムのサンプル出荷開始は０８年の予定。シートは熱変形温度が２５０度Ｃ以上と従来のアクリルシートなどに比べて高く、また全光線透過率９０％以上の光学特性を持つ。一方、フィルムは線膨張係数が１度Ｃ当たり２０ｐｐｍとフィルム製品としては高い耐熱性を持ち、有機エレクトロルミネッセンス（ＥＬ）ディスプレーなどのフレキシブルディスプレー向け透明電極基材として活用が見込めるという。

△大成ロテック<1895>、歩道向けの弾性舗装を開発－通常の舗設機で施工可能
大成ロテックは１日、歩行者のひざへの負担を軽減し、転んでもけがをしにくい歩道用の弾性舗装「ソフトウォーク」を開発したと発表した。既存のアスファルトプラントで製造できる。通常の舗設機械で施工可能で低価格なことから、積極的に技術提案する。従来はリサイクルゴムチップやカラーゴムチップを樹脂系バインダーで現地で混合し、主に人の力で施工していた。樹脂系バインダーは高価で、人力のため施工量が少なく汎用性に欠けていた。ソフトウォークは通常のアスファルト舗装と同様、バインダーにアスファルトを使用。アスファルトと接着性の良いリサイクルゴムチップを選定し、多孔質の配合とすることで高い透水性を確保した。実機プラントでの試験練りや通常機械による試験舗設を繰り返し、製造方法や機械による施工方法を確立した。

△大林組<1802>、超高層ＲＣ造住宅向けの新制震構造を開発
大林組は超高層鉄筋コンクリート（ＲＣ）造集合住宅向けの制震構造「デュアル・フレーム・システム」を開発した。一つの建物の中に硬さの異なる二つの構造体を構築し、制震装置で連結する。一般的な制震構造建物に比べ、３分の１の装置数で３倍の制震効果が得られるという。建物中央の硬い壁構造の構造体の外周に、柱と梁で構成した軟らかいロの字型の住棟部を配置して制震装置でつなげる。地震などで建物が揺れる際、互いが別の周期で揺れるため、構造体自体の変形が小さくても、それぞれの周期に差が出る。この差を制震装置で効率的にエネルギー吸収することで、高い耐震・耐風性能を発揮する。また、硬い壁構造物が建物全体の中心部で心棒の役割を果たすため、大きな柱・梁をなくし、居住空間を広げられる。たとえば、立体駐車場を中央部のＲＣ造壁で囲まれた内部に配置すれば、住宅への騒音を遮断することも可能。

△秋の褒章、清水元トヨタ<7203>副社長らに藍綬
政府は０７年秋の褒章受章者を決定、３日に発令する。今回の受章者は紅綬が１７人・３団体、緑綬が１８人・１４団体、黄綬が２８１人、紫綬が２５人、藍綬が４３７人の合計７７８人・１７団体。受章者の最年少者は２７歳で、最高齢者は９３歳。受章者総数（団体を除く）に占める女性の割合は１８・５％になる。産業の発展に貢献した人らが対象の藍綬褒章は、元トヨタ自動車副社長の清水哲太氏や元トヨタ車体社長の久保地理介氏、
オリンパス<7733>社長の菊川剛氏らが受章。中小企業経営者らが対象の黄綬褒章は、白山機工（石川県白山市）社長の穐田竹男氏、白鳳堂（広島県熊野町）社長の高本和男氏らが受章する。受章者は各省庁大臣らによる伝達式の後、１６日に天皇陛下に拝謁（はいえつ）する予定。
（日刊工業新聞）

△メディキット<7749>　１０月の自己株式所得数は１２００株
メディキットは、１日引け後に自己株式の取得状況を発表した。８月２７日の取締役会議で、１万５０００株を上限とする自己株式の取得を決議している。取得総額は４億円を上限とし、取得期間は８月２７日から１２月３１日までとしている。１日に発表された１０月の自己株式取得数は、１２００株、取得総額は２９９７万９２００円。従って８月２７日から１０月３１日までの累計の取得株式数は７２１０株、取得総額は１億６６２９万１２００円となっている。１日当り平均１６０株を買い付けていることから、１１月、１２月の立合い日数が合わせて４０日であり、上限である１万５０００株の自己株式取得を達成するには、これから１日当り平均１９５株の買い付けが必要となる。

△鈴茂器工<6405>　セハージャパンを完全子会社化
鈴茂器工は１日引け後、洗浄剤・除菌剤の製造及び販売を行うセハージャパン（本社：東京都台東区、資本金：１６００万円）の株式１００％を取得し、子会社化すると発表した。同社は、回転寿司業界、フードビジネス業界、惣菜業界等を中心に寿司ロボット、おにぎりロボットの製造・販売を行っている。また、多様化する消費者ニーズや外食産業のニーズに対応した製品開発に努め、正確な計測でご飯をふっくら盛り付ける「シャリ弁ロボ」や、鮮度が長時間維持されるように工夫した超小型包装寿司ロボットなど、時代の先端をいく製品を提供し業界をリードしている。自社食品加工機械のサニタリー衛生の向上はもとより、製造環境の改善に注力することが食品の安心・安全に寄与できるとの思いから、今後は寿司ロボット等の食品加工機械とともに、アルコール系洗浄剤・除菌剤を始めとする衛生商品の販売に注力していく方針。以前より取引先であるセハージャパンの各種製品は、業務用厨房の衛生環境に役立つとともに、市場の更なる成長性が見込めると判断し、今回の子会社化を決定したもの。直近の業績は、０６年１２月末現在で売上高４億５００万円。１１月８日付で株式を取得する（取得金額７５００万円）。なお、連結決算への影響については、確定した時点で開示する予定としている。
（証券日刊新聞）

△マスクの子供市場開拓　ユニ・チャーム<8113>が啓発
ユニ・チャームは、子供のマスク装着が風邪の予防に大きな効果を発揮することを訴え、潜在的な子供のマスク需要を掘り起こす。マスクを装着することで、子供のインフルエンザ発症率を大幅に低減できるとの研究成果を得ており、この啓蒙（けいもう）に取り組むことでマスクの子供市場を創出しようという狙いだ。同社が１日発表した関西医科大学との共同研究結果によると、マスクを装着すると、子供のインフルエンザ発症率を５分の１に低減できるという。今年２月５日から３月２日にかけ、東京都荒川区立尾久宮前小学校の生徒３０８人を対象に調べたところ、登下校と清掃時にマスクをした生徒のインフルエンザ罹患（りかん）率は２・０％。これに対し装着しなかった生徒は約９・７％だった。この研究成果は９日から横浜市で開かれる第３９回日本小児感染症学会で報告する。ユニ・チャームは、花粉症対策として需要が増加傾向にあったマスクに着目。２００３年１月から不織布技術などを応用して医療用に製造、販売していた立体マスクを一般向けにも売り出した。さらに、０３年１０月には花粉に比べ小さい飛沫ウイルスの侵入を防ぐためマスク部を高密度の３層構造にし、保湿機能も強化した風邪用シリーズ（７枚入り、希望小売価格５２０円）も投入した。これらの高い技術に裏付けられた製品で、子供市場を開拓していく方針だ。国内マスク市場はこの４年間で、２倍の１５０億円に拡大。なかでも立体タイプは８倍以上に急成長し、同社は２５％のシェアをもつ。今年１月からは抗菌作用や鼻部の密着性を高めた「ウイルスガード」（５枚入り、実勢価格６００円）も発売している。サイズは現在、３タイプだが、風邪予防の有効性をアピールし、今後は子供に照準を合わせた商品展開も検討していく。

△自治体もカード決済　三菱ＵＦＪニコス<8583>、堺市で文具調達実験
三菱ＵＦＪニコスは、地方自治体や企業が事務用品を調達する際にクレジットカードで一括購入・決済システムを導入する。第１弾として、大塚商会と堺市で実証実験を始める。地方自治体が民間のネット上の購買システムを導入するのは初めて。実証試験でコスト削減効果を試算するが、人件費などに換算すると約１億円に上るとみられる。経済産業省や総務省なども事務用品購入の民間委託を検討しており、三菱ＵＦＪニコスは今後５年間で約３０の地方自治体や中央官庁、企業からの受注を目指す。堺市は、クレジットカード決済による事務用品調達の実証実験を今月から約５カ月間行い、来春から本格導入する計画。従来は部署ごとに異なる文具店にバラバラに発注していたケースもあるが、文具購入を調達から決済まで一元管理すると１枚の請求書で決済が可能になり、煩雑な事務手続きを簡素化し、コスト削減につながる。具体的には、大塚商会が持つ複数の文具店との取引をまとめたシステムを活用した上で、三菱ＵＦＪニコスの「法人カードシステム」とネット上のカード決済システムを融合させ、ネット上で決済する。同社の法人カードシステムは現在、約６０００社が交通費や出張旅費の精算に活用され、コスト削減を実現している。今回の購買システムは、実際にはカードは使わず、カードナンバーの入力だけでウエブ上で購入できる仕組み。法人カードシステムを文具やオフィス関連業務、部品調達の購買分野に広げることで、カード事業の営業収益拡大につなげる。

△プラズマパネル外販　日立<6501>が本格展開　薄型ＴＶ事業黒字化目指す
日立製作所は、プラズマテレビの主要部材であるプラズマパネルの外販に本格的に乗り出す。生産ラインの稼働率を高めるとともに、収益源の多様化を図るのが狙い。これまでパネル外販は一部にとどまっていたが、中国のテレビメーカーなどと供給に向けた交渉に入った。同社のプラズマテレビを含む薄型テレビ事業は、北米での販売不振もあって大幅な赤字に陥っている。パネル外販ビジネスを軌道に乗せ、早期の黒字転換を目指す。
薄型テレビをめぐっては、液晶テレビ大手のシャープ<6753>も液晶パネルの外販比率を中間期の１割から下期に２割に引き上げる方針を打ち出している。
日立のプラズマパネルの生産拠点は、富士通<6702>も一部出資する子会社の「富士通日立プラズマディスプレイ」（宮崎県国富町）。効率化を狙いに１０月末に旧型ラインの操業を休止し、昨年１０月稼働の最新ラインに生産を集約した。最新ラインの生産能力は４２型換算で月間２０万枚。生産を集約したものの、最新ラインの稼働率は約７０％にとどまっている。外販を増やすことで稼働率を高め、量産効果を引き出す。
薄型テレビ市場は販売競争と価格下落が一段と進んでいる。とくに北米市場は、安価なノンブランド品が台頭しているほか、個人消費の冷え込みもあって大画面を中心に販売が伸び悩んでおり、
日立のほかシャープやソニー<6758>など日本勢の採算が悪化している。日立は中間期に家電事業で５０４億円の営業赤字を計上したが、薄型テレビがそのほとんどを占めた。「来年度に向けて黒字化を目指す」（中村豊明専務）方針で、パネル外販はその一環となる。

△横河電機<6841>と産総研　海外の標準器を遠隔校正　気体圧力用、初の成功
産業技術総合研究所（産総研）と横河電機は１日、海外にある気体圧力の標準器を遠隔で校正する実証実験に、日本で初めて成功したと発表した。産総研つくばセンター（茨城県つくば市）の国家標準を使用し、横河電機の中国子会社、重慶横河川儀（重慶市）に設置された作業用標準器を遠隔校正した。計測器の信頼性は、各メーカーが所有する作業用標準器の精度が確保している。日本の製造拠点が海外移転しても、日本向けに逆輸入する製品は日本の国家標準を使って校正することが求められる。今年７月、標準供給機関でもある産総研があらかじめ国家標準を使って校正した遠隔校正用仲介器を、横河電機計測標準センター（甲府市）に搬送し、インターネットを使った遠隔操作で仲介器と被校正器との圧力差を求め、校正することに成功した。さらに、９月には重慶横河川儀にある作業用標準器との間でも実証実験に成功した。遠隔校正用仲介器に、横河電機の高精度・高信頼の圧力センサー技術と計測技術を採用することで、インターネットを使った遠隔校正が実現した。従来の圧力校正システムは、「重錘形圧力天びん」と呼ばれる装置を２台使用する大型で複雑なシステムで、輸送や手続きなどに長い期間と労力が必要だった。横河電機は、新システムの実用化に向け、今後、品質向上やコストダウンに取り組む。

△電気バス通勤利用実験　北陸電<9505>・富山市、今月開始
北陸電力と富山市などは今月から、リチウムイオン電池を活用した小型電気バスを通勤に利用するプロジェクトを開始する。三菱ふそうトラック・バスの「ローザ」をベースに開発した小型電気バスを使い、通勤時のエネルギー使用量削減を狙う。地域の産業界や自治体が連携し、二酸化炭素（ＣＯ２）排出量の少ない「持続可能な交通社会」に転換する可能性を探る。この新事業は、新エネルギー・産業技術総合開発機構（ＮＥＤＯ）の「民生部門等地球温暖化対策実証モデル評価事業」で、２００８年２月まで実施する。事業費は２１００万円。事業は、公共交通編が未整備な場所からマイカーで富山市内の企業に通勤する人を対象に実施。通勤者が利用しやすいよう携帯電話で電気バスの乗車を予約できるシステムを取り入れる。予約状況などに合わせてバスが各利用者宅を巡回する。　活用する小型電気バスは経産省の「地域新生コンソーシアム研究開発事業」から生まれたもの。北陸電力や三菱ふそう、福井大学、エナックスなど８事業者が共同で０５年度から開発を進めていた。乗車定員は２８人で、最高出力は１２０キロワット。最高速度は時速９０キロメートルで、１回の充電で１００キロ走行できる。車両のコストは６０００万円。プロジェクト開始を受け、バスを製作した三菱ふそうバス製造（富山市）の田中真二社長は「環境にやさしいバスが地域から評価された」と手応えをつかんでいる。
（FujiSankei Business i）