11/1 朝の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

△スカパーＪ<9412>、今期連結営業益70億円に上方修正――経費節減奏功
旧スカイパーフェクト・コミュニケーションズと旧ＪＳＡＴが今年４月に経営統合して発足したスカパーＪＳＡＴ(9412)は31日、2008年３月期の連結経常利益が70億円と、従来予想を20億円上回る見通しだと発表した。販売促進費や広告宣伝費の抑制などが奏功する。売上高に相当する営業収益は1210億円と従来予想を40億円下回る見込み。加入件数が想定を下回るほか、デジタルテレビ内蔵チューナーで視聴可能な「ｅ２　ｂｙ　スカパー！」への移行などもあり、既存契約の解約が増加傾向にあるという。営業利益は従来予想を15億円上回る70億円を見込む。加入者獲得のための販促費や広告宣伝費の合理化が進み、「ｅ２　ｂｙ　スカパー！」のマーケティング強化に伴う負担増を吸収する。純利益は従来予想を５億円上回る90億円。中間期にインデックス・ホールディングス(4835)株などの評価損24億円を特別損失に計上する。併せて、07年９月中間期の連結営業利益が68億円と、従来予想を28億円上回ったようだと発表した。

△財政融資資金の証券化、主幹事に３社選定・財務省
財務省は31日、今年度から開始予定の財政融資資金証券化の引受業務主幹事に大和証券<8601>ＳＭＢＣと三菱ＵＦＪ<8306>証券、日興L<8603>シティグループ証券を選んだと発表した。

□住宅ローン金利、3行が据え置き・みずほ<8411>は下げ
三菱東京ＵＦＪ<8306>、みずほ、三井住友<8316>、りそな<8308>の大手銀行が11月1日から適用する住宅ローン金利が31日出そろった。三菱東京ＵＦＪ、三井住友、りそなの 3行は10年以下の固定金利をすべて据え置く。みずほは2、3、5、10年物の固定金利をそれぞれ0.05％下げる。「市場金利が若干下がったことを反映した」（広報室）という。

△博報堂ＤＹ<2433>、中間純利益2.1倍に上方修正――通期は減益予想に
博報堂ＤＹホールディングスは31日、2007年９月中間期の連結純利益が前年同期比2.1倍の75億円になったもようだと発表した。期初は30％増の47億円と予想していたが、原価管理の徹底や制作業務に関する内製化体制の強化などが利益を押し上げた。税負担の減少も増益要因に働いた。ただ、通期の連結純利益は111億円と前期比８％減少する見通し。従来は12％増の135億円を見込んでいたが、グループ各社の東京地区オフィスの移転費用が膨らむため、減益予想に転じた。中間期の売上高は前年同期比３％増の5238億円（従来予想は5200億円）になったもようだ。官公庁・団体、不動産・住宅設備などの業種向けに売上高が伸びた。営業利益は71％増の124億円（同88億円）、経常利益は61％増の131億円（同95億円）となったようだ。通期の連結売上高は前期比２％増の１兆1055億円を予想。従来予想（１兆1160億円）に比べ、105億円ほど下方修正した。同社では、原材料コストの上昇や、米国の信用力の低い個人向け住宅融資（サブプライムローン）問題などを背景に、「企業業績や国内個人消費の先行きに不透明感が出ている」と指摘。その上で、「広告市場全般で短期的な回復は厳しい」などと説明している。通期の連結営業利益は４％増の255億円、連結経常利益は微増の270億円をそれぞれ見込み、従来予想を据え置いた。オフィス移転で販管費が膨らむため、下期の利益水準は期初予想に比べて低下する。オフィス移転に伴う新たな負担増としては、販管費で10億円、特別損失で50億円程度をそれぞれ予想。年間配当を80円とする期初方針は変更しない。

△日立<6501>の中間、営業益6.1倍の1216億円――電力・産業システム改善
日立製作所が31日に発表した2007年９月中間期の連結決算（米国会計基準）で、営業利益は前年同期比6.1倍の1216億円だった。前期に一括して計上した原子力発電所でのタービン損傷に伴う補修費用がなくなり、電力・産業システム部門の損益が大幅に改善。電子デバイス部門や物流サービス部門も堅調に推移した。売上高は11％増の５兆2804億円。
情報通信や電力のほか、クラリオン<6796>を連結子会社化した影響で、自動車機器の売り上げも拡大した。自動車関連や液晶ディスプレーなどの伸びで高機能材料部門も前期比７％増の9335億円と好調に推移した。プラズマディスプレーパネルの生産子会社の旧設備を休止したことに伴い、減損損失を計上し、最終損益は130億円の赤字（前年同期は780億円の赤字）に転落した。

△富士重<7270>の中間、連結経常益２％増――北米や新興国など海外好調
富士重工業が31日発表した2007年９月中間期の連結決算は経常利益が前年同期比２％増の141億円だった。売り上げの車種構成の悪化や原材料価格が高騰したものの、米国での販促費の節減や原価低減に努めたことが奏功。円安による利益押し上げ効果も寄与した。売上高は１％増の7088億円。国内市場は販売台数が前年同期比11％減の９万9217台と低迷。一方で海外では主力の米国や豪州、西欧が堅調だったことに加えて、ロシアや中国などの新興国で販売が伸び、販売台数は10％増の17万2187台と好調で補った。営業利益は４％増の189億円。前期にあった固定資産売却に伴う特別利益がなくなったことで、純利益は33％減の78億円と減益となった。

△ＴＤＫ<6762>の中間、連結純利益17％増――磁気ヘッドが伸びる
ＴＤＫが31日発表した2007年９月中間期の連結決算（米国会計基準）は、純利益が前年同期比17％増の346億円だった。ハードディスク駆動装置（ＨＤＤ）用磁気ヘッドの受注が伸びた。薄型テレビなど電子部品も好調だった。08年３月期の連結純利益は前期比３％増の720億円と従来予想を据え置いた。中間配当は60円（前年同期比は50円）を実施する。年間配当は120円（前期は110円）とする方針。中間期の売上高は２％増の4330億円、営業利益は23％増471億円と増収増益となった。ＨＤＤ用磁気ヘッドはパソコン向けや民生用機器への搭載が広がり販売数量が増加した。税引き前利益は17％増の483億円だった。

△中部電力<9502>、経常益33％増・９月中間、製造業向け電力販売好調
中部電力が31日発表した2007年9月中間期の連結決算は、経常利益が前年同期比33％増の1464億円だった。自動車など製造業向けに電力販売が好調。記録的な猛暑で家庭向けも伸び、原油高などコスト増を吸収した。売上高は7％増の1兆1822億円。08年3月期通期の連結業績予想を下方修正した。経常利益は前期比19％減の1450億円になる見通し。期初は1700億円を見込んでいたが、原油高の影響で減益幅が拡大する。売上高は8％増の2兆4000億円になる。業績を下方修正したが、年間配当は前期と同じ60円と従来予想を据え置いた。

▼コジマ<7513>、ずさん報告書・リサイクル廃家電紛失で
顧客から回収した約3000台の廃家電を紛失したとして、家電量販大手のコジマが家電リサイクル法（引渡義務）違反で経済産業省と環境省から是正勧告を受けた問題で、同社が30日に両省に提出した報告書の内容がずさんで、両省から異例の追加報告を求められていたことが分かった。コジマを巡っては環境省などの調査で、愛知、岐阜県の10店で2004年から約3年間、顧客から料金を受け取って回収した約3000台の廃家電が行方不明になっていたことが判明した。
（NIKKEI NET）

△Ｔ・ＺＯＮＥ<8073>キャピタル、理研ビタミン<4526>株29％売却で事業会社と交渉＝関係筋
Ｔ・ＺＯＮＥホールディングス傘下のＴ・ＺＯＮＥキャピタルが、保有する理研ビタミン株式２８．７５％の売却に向けて、事業会社などと交渉に入っていることが３１日明らかになった。複数の関係筋が明らかにした。Ｔ・ＺＯＮＥはファイナンシャル・アドバイザーに米投資銀行、メリルリンチを起用し、事業会社などに売却を持ちかけている。関係筋の一人は「すでに特定の企業と交渉が始まっているが、成立するかどうかは微妙」と語った。事業会社の名前は明らかになっていない。「買い手候補は理研ビタミン経営陣の考えを尊重しながら進める意向だ」と別の関係者は指摘している。理研ビタミンの時価総額は約７２０億円。Ｔ・ＺＯＮＥキャピタルは、持ち株会社、Ｔ・ＺＯＮＥホールディングスの投資事業子会社。
ほかに、ビオフェルミン製薬<4517>やエステー<4951>などの株式を保有している。Ｔ・ＺＯＮＥホールディングスのコメントは取れていない。理研ビタミンの山下隆経営企画部長は「コメントは差し控える」と述べた。

△ＤＡＣＮＪ<4281>が1.2万株・9億円を上限に自社株買い、発行株の2.45％
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムは３１日、発行済み株式総数の２．４５％にあたる１万２０００株・９億円を上限に自己株式の取得を実施すると発表した。取得期間は２００７年１１月２日─０８年２月２５日。

▼ダイトーエム<9923>、投資ファンドへの第三者割当増資で約8.4億円を調達
ダイトーエムイーは３１日、２４５万株の第三者割当増資により約８億４０００万円を調達すると発表した。２００６年６月、インキュベート・パートナーズ１号投資事業有限責任組合（ＩＰ１号）に第一回無担保転換社債型新株予約権付社債を発行したが、株価は低迷し現在の行使率はゼロ。０９年６月に償還が到来するため新たな資金調達が必要となっていた。このため、今回は同じＩＰ１号に第三者割当増資と新株予約権発行（１０００個）を行うほか、ダイトーの役職員を対象にした新株予約権（１２３個）も発行する。ＩＰ１号への第三者割当増資の発行価額は３４３円で払込期日は１１月１９日。調達金額は約８億４０００万円。新株予約権が全て行使された場合は、４億４９２０万円が払い込まれる。調達資金は産業用組み込みＰＣ事業などの再構築・拡大のほか、Ｍ＆Ａ資金に充当するという。第一回ＣＢ（潜在株２４５万株）は繰り上げ償還されるが、第三者割当増資により２４５万株発行される。新株予約権による潜在株式数は発行株（増資後）の２７．９％になる。

△シティ、1月15─17日の取引高加重平均で日興<8603>との株式交換比率を決定
米シティグループは３１日、日興コーディアルグループの完全子会社化にともない実施する株式交換の条件の詳細を決定した。シティは日興ＣＧの株式１株に対し１７００円を基準に交換比率を決めることで合意していたが、具体的な比率は、２００８年１月１５日から１７日のシティの取引高加重平均価格の平均値によって決定することになった。株式交換の効力発生日は０８年１月２９日とする。これに先立ち、日興ＣＧは１２月１９日に臨時株主総会を開き、特別決議の承認を得ることを目指す。すでに両社は１０月２日、株式交換で完全子会社化することで合意しており、今月末までに詳細を詰めることになっていた。一方、シティと日興ＣＧは、０７年７─９月期の日興ＣＧの配当の支払い以降、株式交換の効力が発生する１月２９日までの間、日興ＣＧの配当の決議や支払いは行わないことも決めた。０８年１月２９日にシティの株を割り当てられる日興ＣＧの株主で、配当基準日まで株を保有する株主は、シティの配当を受け取ることになる。日興ＣＧはシティの完全子会社になるため、３月末で終了する現行の事業年度を、シティにあわせ１２月末に変更する。シティは１１月５日、東京証券取引所に株式を上場する。

■ＢＢネット<2318>、07年7月期の有価証券報告書が期限内に提出できず
ビービーネットは３１日、２００７年７月期の有価証券報告書について、提出期限の１０月３１日までに提出できなかったと発表した。また、提出期限の日から起算して８日目までに提出できる見込みがないこともあわせて発表した。同社は監査法人による監査意見の不表明を受け、１０月３０日に予定していた定時株主総会を延期したため、計算書類の確定ができなくなった。また、大証ヘラクレス市場の上場関係規則に則り、１０月２９日付で監理ポストに割り当てられている。

△大和<8601>ＳＭＢＣ、米投資銀との協業でＳＲＩ<7825>の米社買収に助言
大和証券ＳＭＢＣは、企業の合併・買収（Ｍ＆Ａ）の助言を専門とする独立系投資銀行、セージェント・アドバイザーズ（本社ニューヨーク）との提携後の協業第一号案件として、ＳＲＩスポーツによる米社買収でファイナンシャルアドバイザー（ＦＡ）をつとめた。大和は今後も、日本企業による国境を越えた企業買収が増えるとみており、米セージェントとの提携をテコにクロスボーダーＭ＆ＡのＦＡを獲得していきたい考え。３１日の発表によると、スポーツ用品事業会社ＳＲＩは、米ゴルフクラブ製造のクリーブランド・ゴルフ（米カリフォルニア州）を買収することで、クイックシルバー（米カリフォルニア州）と契約を締結した。ＳＲＩはクリーブランドの全株を約１５２億円（１億３２５０万ドル）の現金で買収する。ＳＲＩは買収を手元資金と新規借り入れでまかない、今年末までに完了する予定。クイックシルバーのＦＡはＪＰモルガンだった。ＳＲＩは、「ダンロップ」ブランドでゴルフやテニス用品の製造、販売を行っており、米国や英国などでは「スリクソン」のブランド名で海外展開している。買収するクリーブランドのゴルフクラブは米国を中心に高いシェアがあり、ＳＲＩにとっては今回の買収が商品の拡充や販売強化につながると判断した。大和証券グループ本社<8601.T>は今年４月、セージェントに６２億円（５２００万ドル）を出資し発行済み株式の約２０％を取得。米現地法人のＭ＆Ａチーム８人をセージェントに移籍させ、北米のＭ＆Ａアドバイザリー業務をセージェントに集約している。

△全日空<9202>の9月中間売上高は過去最高、国際線の需要が拡大
全日本空輸が３１日発表した２００７年９月中間期の連結業績は、主要ホテルを売却して事業が縮小したため営業利益が２．５％減の６７０億円となったが、国際線を中心にビジネス需要が拡大した航空運送事業がけん引して、売上高は前年比１．４％増の７６３２億円で過去最高となった。また、ホテル事業の売却益を特別利益に計上したことから、当期純利益は１０５５億円（前年同期３３２億円）で過去最高だった。航空運送事業は、原油市況の高騰によって燃料費が増加したが、旺盛なビジネス需要や運賃値上げなどで吸収し、増収増益を確保した。国内線は旅客数が伸び悩んだものの４月の運賃値上げで旅客単価が向上。国際線は中国路線の増便など好調な需要に支えられて、旅客数・旅客単価とも前年実績を上回った。ただ、今年６月にモルガン・スタンレー証券の不動産投資会社にグループのホテル資産を一括譲渡したため、連結決算でホテル事業が消失し、連結業績の営業減益の要因となった。前期のホテル事業の営業利益３１億円だった。２００８年３月期の連結業績は、従来予想を据え置いて、売上高は前年比横ばいの１４９０億円、営業利益は１４．３％減の７９０億円、当期純利益は９６％増の６４０億円とした。燃油費も２３００億円（前年実績１８９２億円）の見通しを変更しなかった。営業利益予想は、ロイターエスティメーツによる主要アナリスト１２人による予測平均８２４億円を下回っている。記者会見した日出間公敬専務は、通期の燃油費を据え置いたことについて「今後の上昇は予断を許さないが、通期のヘッジ率を８割にすることなどで、今の段階で変更しなかった」と語った。

▼ＪＴ<2914>子会社が償還延期のＡＢＣＰ197億円保有、サブプライムの影響
日本たばこ産業（ＪＴ）は３１日、カナダの子会社が、償還延期に同意した資産担保付コマーシャルペーパー（ＡＢＣＰ）を保有していることを明らかにした。同日発表した決算短信で「重要な後発事象」として注記した。米サブプライムモーゲージ（信用度の低い借り手への住宅融資）市場の混乱が、金融機関だけでなく一般事業会社にも広がった一例となる。ＪＴのカナダにある連結子会社、ＪＴＩ─Ｍａｃｄｏｎａｌｄ　Ｃｏｒｐ（ＪＴＩマクドナルド）は、短期資金の運用のためにＡＢＣＰを購入していた。今年８月、サブプライム問題をきっかけにカナダのＡＢＣＰ市場でも流動性が低下し、金融機関から償還の延期の提案を受けた。ＪＴＩマクドナルドは延期に応じたため、償還されないまま同ＡＢＣＰを保有した状態になっている。償還延期となったＡＢＣＰの保有額は、９月末時点で１億７１００万カナダドル（約１９７億円）。ＪＴは、現時点では引当金を計上する状況にはないほか、損失も発生していないが、投資家に情報を開示するため決算短信に注記したと説明した。今後は「現地で市場の流動性やＡＢＣＰの売買の実例がでてくるかを見極め、対応を検討する」（見浪直博・経理部長）としている。

▼東電<9501>が28年ぶり最終赤字へ、柏崎刈羽原発の復旧費用等を計上
東京電力は３１日、２００８年３月期の業績予想を大幅に下方修正し、２８年ぶりに当期純損益が赤字に転落するとの見通しを発表した。新潟県中越沖地震により運転を停止している柏崎刈羽原発の復旧費用等６０３５億円を計上することが要因。連結最終赤字は９５０億円で、１９９５年３月期に連結決算発表を開始して以降初めて、単独では１２００億円で１９８０年３月期以来２８年ぶりの赤字となる。東電は、０８年３月期に新潟県中越沖地震関連の費用として６０３５億円を計上する。これは、火力燃料・購入電力量の増加や現時点で見込んだ復旧費用などで、前回業績見通し公表時に見込んでいた２８２０億円を大きく上回った。最終赤字転落に伴い、配当は前期比５円減配し６５円を予定している。会見で勝俣恒久社長は「徹底した費用削減に努める。現時点では本格的な電気料金の値上げは実施しない」と述べ、燃料・原料費調整制度にもとづく四半期ごとの料金改定とは別の本格的な料金引き上げは、当面、行わない方針を明らかにした。さらには、電気料金値上げを実施しないためにも「原価変動調整積立金を取り崩すこともやむを得ない」とした。同積立金は、９月末で１兆２７００億円ある。０８年３月期の連結経常利益は従来予想の１３００億円から前年比８１．９％減の８００億円に引き下げた。ロイターエスティメーツにおける主要アナリスト９人の予測平均値である１６３１億円を大きく下回った。

■エプソン<6724>の3月期営業益見通し、11％増の560億円で修正せず
セイコーエプソンが３１日発表した２００８年３月通期の連結営業利益見通しは、２９日に発表した下方修正後の予想と同じ前年比１１．３％増の５６０億円だった。ロイターエスティメーツによる主要アナリスト１１人の予測平均値５９３億円を下回った。同社は課題のディスプレー事業が振るわず、２９日に通期業績見通しを下方修正。営業利益を従来予想の６１０億円から５６０億円に引き下げていた。ディスプレー事業は収益性の低い携帯電話向け売り上げ比率を従来の７割台半ばから６割台前半に落とすなどの構造改革を進めていたが、実際には７割前後にとどまった。

△三菱ＵＦＪ<8306>、1.5億株・1500億円上限に自己株取得を決議
三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループは３１日、１億５０００万株・１５００億円を上限にした自己株取得を決議したと発表した。発行済み株式総数に対する比率は１．４３％。取得期間は１２月３日から２００８年３月２４日まで。

△横河電<6841>が530万株・85億円を上限に自社株買い、発行株の1.97％
横河電機は３１日、発行済み株式総数の１．９７％にあたる５３０万株・８５億円を上限に自社株式を取得すると発表した。取得期間は１１月１日から１２月２８日。資本効率を改善し、株主還元水準のさらなる向上を図るためとしている。

△フィスコ<3807>、楽天<4755>証券が発行株の3.6％を取得へ
フィスコは３１日、楽天証券（東京都港区）がフィスコの発行済株式総数の３．６％にあたる１２００株を取得すると発表した。両社は同日、包括的な提携をすることで合意。それぞれ培ってきた顧客基盤やブランド力、顧客サービスのノウハウなどを融合して付加価値の高い金融サービスを提供する方針という。今期業績への影響は判明し次第、具体的な内容は策定し次第、それぞれ公表するとしている。

△新日石<5001>、原油価格上昇背景に08年3月期営業益を上方修正
新日本石油 は３１日、２００８年３月期の連結業績予想を上方修正し、営業利益見込み（従来は２３７０億円）を前年比５０．３％増の２４００億円に引き上げた。原油高による在庫影響（原油価格の上昇により、総平均法によるたな卸資産の評価が売上原価を押し下げる影響）や石油・天然ガス開発部門の販売価格上昇が寄与が修正の要因となっている。修正した数値は、ロイターエスティメーツにおける主要アナリスト６人の予測平均値２２７５億円を上回った。前提となるドバイ原油価格について、７月公表時点では１バレル＝６４ドルで想定していたものの、その後も原油価格上昇が止まらないことから、１バレル＝６９．２ドルに修正した。これによって在庫影響が積み上げるほか、石油・天然ガス開発部門の販売価格も上昇し、これらが大きく収益に貢献する。しかし、パラキシレンなど石油化学製品のマージンが悪化する一方、制度変更に伴い減価償却費が１５０億円増加することから、在庫影響を除いた営業利益は１５５０億円と従来予想の１７３０億円から下方修正した。同社は、１１月１日からのガソリン等の石油製品卸価格について、１リットル当たり６．０円程度引き上げる。製品価格の値上げについて同社の平井茂雄常務は「値上げにより、ある程度の販売減少はやむを得ない」としたうえで「マーケットでいかに価格上昇が理解してもらえるかがリスク要因になる」と述べた。一方、足元のドバイ原油価格は１バレル＝８０ドルを上回り、同社の想定価格から大きく上方カイ離している。これに関し平井常務は「現状の水準は投機的な要素が強い。先物・コールオプションの建て玉はピークにあるとみられ、先行き原油価格は適正な水準に落ちていく」と指摘していた。

△ロングリーチがサイバード<4823>に1株6万円でＴＯＢ、非公開化目的のＭＢＯ
独立系投資会社のロングリーチグループは３１日、サイバードホールディングスの経営陣とともにＭＢＯ（経営陣による買収）を行うと発表した。サイバードを非公開化させる目的で、発行済みの普通株式と新株予約権の全てを取得するため株式公開買付（ＴＯＢ）を行う。サイバードはＴＯＢに賛同している。ＴＯＢ価格は１株あたり６万円。期間は１１月１日から１２月１３日。サイバードは、短期的な足元の業績に左右されない一定程度の先行投資が必要な時期に来ているとして、ＭＢＯによる非公開化に踏み切るとしている。

■ライオン<4912>、大証に上場廃止申請へ
ライオンは３１日、大阪証券取引所に上場している同社普通株式について、上場廃止申請をすると発表した。同取引所における取引が少なく、上場廃止による株主や投資家への影響は小さいと判断した。整理ポストに割り当てられた日から１カ月後に上場廃止になる予定としている。

▼9月新設住宅着工戸数は前年比‐44.0％、過去最大の下落幅
国土交通省が発表した９月の新設住宅着工戸数は、前年比４４．０％減少の６万３０１８戸となり、３カ月連続で減少した。季節調整済み年率換算は７２万戸だった。ロイターの事前調査では、予測中央値で住宅着工戸数は前年比３１．９％減、年率換算戸数８８．０万戸程度だった。　同省によると、前年比４４．０％減は前月の４３．３％減を抜いて過去最大の下落幅だという。また年率換算戸数も前月の７２万９０００戸を下回って、過去最低の数字となった。こうした大幅下落について同省では、６月２０日施行の改正建築基準法で審査期間が長期化していることを理由に挙げている。９月着工の内訳は、持ち家が前年比２１．６％減少、貸家が５１．３％減少、分譲住宅が５５．６％減少、分譲のうちマンション着工戸数は７４．８％減少だった。また、設備投資との相関が高い民間非居住用の着工建築物床面積は９月は前年比５４．２％減となった。３カ月連続の減少で、８月のマイナス４２．４％から下げ幅が拡大した。住宅着工に１カ月程度先行するといわれる建築確認件数は、８月に前年比２４．５％減と７月（３９．４％減）から持ち直したが、９月は同２７．５％減と再び下げ幅が拡大している。改正建築基準法に関連して、同省では「今周知を進めている」として、少しずつ住宅着工が回復基調に向かうとの見通しを示したが、同時に「年内にどの水準になるということについては、我々が予測するのは難しいのではないかと思う」と指摘した。同時に発表された大手５０社の９月の建設工事受注額は、前年比１６．３％減少の１兆５６６９億円となり、３カ月連続で減少した。

△サッポロ<2501>ビールと関門海<3372>、資本業務提携へ
関門海は３１日、サッポロホールディングス傘下のサッポロビールと資本・業務提携に関する基本合意を決議したと発表した。サッポロビールは酒類販売の拡大などをにらみ、関門海は、サッポロビールの協力を得て外食産業の他企業との業務提携やＭ＆Ａを推進する方針。株式引渡し日は２００８年１月１５日。サッポロビールが、関門海の経営者による資産管理会社から同社株式５億円を取得する。サッポロビールによる関門海の保有比率は５─７％程度になるとみられる。関門海は現在のアサヒビール<2502>からの主売契約を解除するため、契約金の一部返却などが生じる見込みだが、連結業績への影響については、具体的な計画が固まり次第発表するとしている。

■三菱商事<8058>、日本ＫＦＣ<9873>にＴＯＢ＝1株1947円
三菱商事は３１日、日本ケンタッキーフライドチキン（ＫＦＣ）株を公開買い付け（ＴＯＢ）し、連結子会社化すると発表した。ＴＯＢ価格は１株あたり１９４７円。期間は１１月１日から１２月７日まで。　日本ＫＦＣの株式保有状況は、米国ＫＦＣと三菱商事がほぼ同数の３０％強を保有するという状態だったが、意思決定の迅速化のために三菱商事が米国ＫＦＣの保有株７１５万１０００株を取得する。米国ＫＦＣとはＴＯＢ応募の契約を結んでいる。今後は三菱商事は株主として、米国ＫＦＣはライセンサーとしての役割を明確にするという。買い付け株数には上限を設けないため、ＴＯＢの結果次第では東証の上場廃止基準に抵触する可能性があるが、三菱商事と日本ＫＦＣは上場を維持する方針だという。買付総額は、１９４７円で７１５万１０００株を買い付けた場合は１３９億２２００万円となるが、最大買い付け数（１５８３万２３９５株）が応募された場合は約３０８億２５００万円となる。

△旭硝子<5201>が韓国電気硝子をＴＯＢ、持ち株比率を80％に引き上げへ
旭硝子は３１日、韓国電気硝子<009720.KS> 株を公開買い付け（ＴＯＢ）すると発表した。機動的な事業運営と迅速な経営施策実行のために、少数株主から株式を取得し、韓国当局の承認を経て上場廃止とする計画。旭硝子は現在４２．７６％を保有する筆頭株主で、ＴＯＢにより持ち株比率を８０％に引き上げるとしている。ＴＯＢ価格は１株あたり３万ウォン。買い付け総額は約９０２億ウォン（約１１７億円）になる見通し。ＴＯＢの期間は１１月２日から１１月２１日。現在、株式を２０％保有する韓国のＬＧ電子< 066570.KS>は、引き続き、その保有比率を維持し、旭硝子と共同で事業を行っていくという。

△スズキ<7269>が業績上方修正、08年3月期営業益を1450億円に
スズキは３１日、２００８年３月期の通期業績予想を上方修正し、連結営業利益を前年比９．１％増の１４５０億円（従来予想は１３４０億円）に引き上げた。ロイターエスティメーツによる主要アナリスト１５人の予測平均値１５３０億円を下回った。

△三菱商事<8058>、通期予想を過去最高4300億円に修正
三菱商事は３１日、２００８年３月期の連結業績（米国会計基準）予想で、純利益見込みを前年比３．４％増の４３００億円に上方修正した。従来予想は同３．８％減の４０００億円だった。主要商品市況が堅調に推移し、原油など資源関連に加え、発電事業や自動車関連などが好調で、過去最高の純利益となる見通し。修正した純利益予想は、ロイターエスティメーツにおける主要アナリスト１３人の予測平均値（４２５４億円）をやや上回った。通期予想では、売上高を前年比７．２％増の２２兆円（従来予想１９兆５０００億円）、税引き前利益を同８．５％減の５４５０億円（従来予想は５１５０億円）にそれぞれ引き上げた。売上高も過去最高を更新する見込み。営業利益は、営業費用の増加により、３８５０億円と従来予想を据え置いた。純利益が４３００億円を達成した場合、０７年度の年間配当額は期初見通しから１株当たり６円増額して５２円程度とする方針だ。純利益見込みの増額分３００億円を部門別にみると、機械グループで１８０億円、原油や天然ガスなどエネルギー事業グループで５０億円、金属グループで５０億円などとなっている。機械グループでは、いすゞ自動車<7202>や三菱自動車工業<7211>と組む自動車事業がアジアを中心に大きく伸びる見込みであるほか、海外での発電事業が好調。金属では銅価格上昇が、エネルギーでは原油高騰などがそれぞれ寄与する。会見した水野一郎副社長は、資源価格の見通しについて、「エネルギー資源、金属資源は中長期的にみてもっと上がるとみている」と強調した。その理由について同副社長は「BRICｓ（ブラジル、ロシア、インド、中国）を中心とした新興国の旺盛な需要が背景にある。この需給ギャップはそう簡単には埋まらない」などと述べた。２００７年度における原油価格（中東ドバイ産）見通しは１バレル当たり６９．１ドル。従来見通しは同５７．０ドルだった。同社では、１ドル上昇で年間１０億円の純利益を押し上げる効果がある。また、銅地金の０７年度見通しは１トン当たり７３６６ドル（従来見通しは６７２４ドル）に引き上げた。銅価格は１００ドル上昇で年８億円の増益インパクトがある。
０７年９月中間期は、純利益が前年同期比１．２％増の２３７７億円、売上高は同１２．６％増の１１兆０７２６億円、営業利益が同７．３％減の１９００億円、税引き前利益が同９．４％減の２８５３億円だった。売上高と純利益は上期としては過去最高。事業拡大に伴う人件費増や前年同期に発生した株式売却益の反動減により、営業利益と税引き前純利益は減益だった。

△三菱重<7011>の受注高拡大、船舶・航空機など好調で中間期は3割増
三菱重工業の受注高が拡大している。２００７年９月中間期の受注高は１兆７６９６億円（前年同期比３０％増）を確保した。０８年３月期の受注見通しについては、生産能力などを踏まえ従来予想（３兆３０００億円）を据え置いたが、需要拡大から今後を見極めたいとしている。受注について同社は、もともと低価格だった船舶が資材高で赤字となるほか、プラント工事についても環境が厳しいため、リスク管理を徹底するうえ、採算で選別するなど慎重な考えを示している。しかし、新造船需要が市況の活況を伴い高水準を維持する一方、航空機事業では「Ｂ７８７」関連が好調となるなど、幅広い分野で需要がおう盛な状況で各セグメントとも順調に推移した。船舶・航空機以外では化学・製鉄などの大型プラント工事や米国向けの風車などを確保している。受注高の通期見通しは従来通りとしたが、これについて同社の菅宏常務執行役員は「大口工事を上半期に獲得した時期的なものがあるほか、生産能力なども考慮している。ただ、需要自体はおう盛であるため、今後については見極めたい」とコメントした。２００８年３月期の連結営業利益についても、１１５０億円とする通期業績見通しを据え置いた。ロイターエスティメーツによる主要アナリスト１７人による事前予測値１３００億円を下回った。
他方、３１日午前に発生した航空自衛隊Ｆ２支援戦闘機の炎上事故について、菅常務執行役員は「事故の原因について現在調査中」と述べた。共同通信によると、炎上した自衛隊機は定期点検中で、整備後初の確認飛行だった。
（ロイター）