10/30 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△マツキヨなどドラッグ店、郊外展開急ぐ
マツモトキヨシホールディングス<3088>（ＨＤ）やサンドラッグ<9989>など都市部で多店舗化してきたドラッグストアが、幹線道路沿いや住宅地など郊外への出店を加速する。集客が見込める駅前や繁華街などに積極出店して業容を拡大してきたが、地価上昇による家賃高騰などを受けて収益確保が難しくなっている。各社は出店余地が残る郊外に新規出店の軸足を移し、成長力を維持する。マツモトキヨシＨＤは2009年3月期以降、新規出店の約3割だった郊外の店舗を5割まで引き上げる。11月1日に事業会社「マツモトキヨシ」の組織改正を実施し、郊外型店舗を担当する「ドラッグストア事業本部」と、繁華街型店舗を手掛ける「ファーマシー事業本部」を新設する。
（NIKKEI NET）

△商船三井<9104>、08年3月期営業利益を2700億円に上方修正
商船三井は３０日、２００８年３月期の通期業績予想を上方修正し、連結営業利益を前年比６０．６％増の２７００億円（従来予想は２１００億円）に引き上げた。ロイターエスティメーツによる主要アナリスト１２人の予測平均値２３５４億円を上回った。下期の海運市況が堅調に推移すると見ている。同日発表した４―９月期の営業利益は前年同期比８６．５％増の１３６０億円だった。燃油価格の高止まりが収益の圧迫要因となったが、主にドライバルク船の運賃市況が上昇しており利益拡大に貢献した。

△住友不<8830>が堅調、9月中間期営業益が予想比上振れとの観測報道
住友不動産が堅調。３０日付日経新聞朝刊が、同社の９月中間期連結営業利益が従来予想（８２０億円）を上回る８６０億円前後になったもようと伝えたことが材料になったという。株式市場では不動産、小売りなど内需セクターに買い戻しの動きが出ていることもあって、同社株にも買いが先行しているという。

▼グリコ<2206>大幅安、ＣＳが投資評価を「アンダーパフォーム」に引き下げ
江崎グリコが前日比１２％を超す大幅安となっている。クレディ・スイス（ＣＳ）が２９日付で同社の投資評価をこれまでの「ニュートラル」から「アンダーパフォーム」に引き下げたことなどが嫌気されている。目標株価は１２６０円から１１００円に引き下げた。江崎グリコは３１日に上期の決算を発表するが、クレディ・スイスでは足元での収益モメンタムが牛乳・乳製品部門を中心としたトップラインの遅れや原料高などを背景に会社計画を下回ると推測している。また、下期は原料高の影響でコスト増が進むとみている。

△スズキ<7269>が堅調、インドに2000億円追加投資との報道
スズキが堅調。３０日付日経新聞朝刊は、同社がインドに２０００億円追加投資し、研究開発拠点や物流センターを新設すると伝えたことが手掛かりになっているという。報道によると、公表済みの生産能力増強計画とあわせ、現地で開発から生産、販売までの体制を拡充することになる。市場では拡大するインドマーケットでの収益増を期待した買いが入っているという。

▼岩崎電<6924>売られる、中間期は最終赤字の見込み
岩崎電気が売られている。同社が２９日の引け後に、中間期の連結業績予想を下方修正したことが嫌気されている。最終損益の予想はこれまでの９０００万円の黒字から一転、３億９０００万円の赤字見込みとなった。同社では、売上高が計画を下回ったことや、セラルクスランプの不具合による無料点検・交換費用、安全基準上販売できない製品主体の廃棄損の特別計上などを理由として挙げている。

△エフテック<7212>大幅高、業績予想を上方修正
エフテックが大幅高。同社が２９日の引け後に連結業績予想を上方修正したことが好感されている。通期の経常利益予想はこれまでの６１億円から７０億円に引き上げられた。
同社では、主要取引先であるホンダ<7267>への販売が順調に推移したことや、金型設備販売が増加したこと、新設子会社の持分変動益などを背景として挙げている。

△大阪ガス<9532>が続伸、自己株取得を好感
大阪ガスが続伸。２９日に発表した２００７年９月中間連結業績は前年比減益となったが、自己株取得が好感されている。発行済み株式総数の３．２％に相当する７１００万株を上限に自己株を取得する。取得総額上限は３００億円。取得期間は１０月３０日から２００８年３月３１日まで。取得した自己株は、原則として消却する予定としている。０７年９月中間連結業績は、売上高は前年比２．０％増の５４３６億３９００万円となったが、純利益は前年比８．２％減の２５４億２７００万円となった。小口部門のガス料金改定や減価償却制度の変更などが利益を圧迫したという。

△富士重<7270>堅調、ダイハツ工業<7262>と提携との報道
富士重工業が堅調。３０日付日経新聞朝刊で、同社がダイハツ工業と乗用車事業で提携すると報道されたことなどが材料となっている。富士重工業が中型車、ダイハツが軽自動車と小型車を国内市場に相互供給する方向で交渉に入った。
トヨタ自動車<7203>から８．７％の出資を受けた富士重は将来の資本関係拡大も視野に、トヨタグループでの分業体制を本格的に構築すると報道では伝えている。

△アイオデータ<6916>が大幅高、自社株買いを好感
アイ・オー・データ機器が大幅高となっている。９時１０分現在、同社株はジャスダック市場で値上がり率第１位。自社株買いを好感した。同社は２９日、発行済み株式の２．０２％にあたる３０万株・２億円を上限に自社株式の取得を実施すると発表した。取得期間は０７年１１月１日─０８年６月３０日。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行が目的という。

▼沢井製薬<4555>が売り気配、08年3月期業績予想を下方修正
沢井製薬が売り気配。２９日に発表した２００８年３月期業績予想の下方修正を嫌気した。連結売上高は従来予想の４０３億円から３６５億円、連結経常利益は５３億円から３１億円、連結純利益は２８億円から１６億円に減額した。ジェネリック医薬品採用に対する調剤薬局の姿勢が消極的であり、売り上げが想定を下回っている。競争激化で新製品の出足も鈍いという。在庫圧縮の必要性から生産調整を進めたため原価率が上昇し、利益を圧迫するとしている。

▼キッコマン<2801>が軟調、通期予想の下方修正受け売り優勢
キッコーマンが軟調な展開となっている。通期業績予想の下方修正を受け、売り優勢となった。同社は２９日、２００８年３月期連結決算見通しについて、営業利益を２４０億円から２３０億円（前年比６．３％増）に下方修正した。原料高に伴うコストアップが収益圧迫要因となっているが、価格転嫁は現時点で白紙としている。
（ロイター）

△ラウンドワ<4680>が２カ月半ぶり高値、出店力評価でＪＰ証強気－基準線向上
ボウリング場などのアミューズメント施設の運営を手掛けるラウンドワンの株価が４日続伸。一時は前日比２万3000円（8.8％）高の28万5000円と、２カ月半ぶりの高値水準を回復した。一部アナリストの間で、出店余力と業績拡大の可能性を評価し、強気の投資判断を示す動きが出たことが好感された。投資家の長期売買コストである200日移動平均線（25万8000円）に対し、約１年半ぶりに上抜け傾向が鮮明となってきた。ＪＰモルガン証券の齋藤剛アナリストは29日付のリポートで、「新規出店の安定化と収益性上昇を評価すべきタイミング」と指摘し、「オーバーウエート」で新規に調査を開始した。同氏は、現状の出店戦略（エリアや店舗モデル）によって日本国内では150店舗までは展開が可能と予想。2007年９月末は77店舗で、現状の倍以上の開拓余地があると見込む。ラウンドワが８月に発表した08年３月期（通期）の連結業績見通しは、売上高が前期比21％増の798億円、営業利益が同13％増の203億円、純利益が同 7.9％増の105億円と増収増益を見込む。今期出店は11店舗の予定で、従来の 20店舗を下方修正している。ブルームバーグ・データに登録された５人の連結営業利益の予想平均値は、 08年３月期が201億5600億円と会社側の予想を下回るものの、前期と比べ13％増の見通し。09年３月期は229億800万円と利益成長は続くとの見方が強い。ＪＰ証の斎藤氏は、「新規出店の落ち着きがリース料負担の軽減に直結することを鑑みると、2015年度までは現在のビジネスモデルの持続で年率15％＋ α（プラスアルファ）」の経常利益成長が可能」と分析する。200日線との位置関係に加え、テクニカルチャートの分析上は、一目均衡表で買いシグナルの１つとされる基準線の上向き転換もこの日確認されている。

▼ＣＴＣ<4739>株が急反落、中間決算は計画未達－通信業向け大型案件の反動減
コンピューターネットワークシステムやソフトウエアの開発などを手掛ける伊藤忠テクノソリューションズ（ＣＴＣ）の株価が急反落。一時、前日比360円（８％）安の4150円まで下げ幅を広げた。通信業界向け大型案件の受注を獲得した前年同期の反動などにより、29日午後の取引時間中に発表した９月中間決算は従来計画を下回った。前日には株価に目立った反応が見られなかったが、一部アナリストから下期以降の業績見通しについて慎重な見方が出され、収益環境の厳しさに警戒感が広がった。ＣＴＣは旧伊藤忠テクノサイエンス（ＣＴＣ）と旧ＣＲＣソリューションズが経営統合して2006年10月にスタートした企業で、情報通信や金融業界向けを中心に相乗効果（シナジー）を発揮すると期待されていた。しかし中間期の連結業績は、売上高が前年同期比19％増の1403億円（従来予想は1515億円）、営業利益は同24％減の79億円（同105億円）、純利益は同9.1％減の46億円（64億円）となり、いずれも会社計画を下回った。情報通信分野において通信業界向けサーバー販売の大型受注があった前年同期の反動があったほか、公共関連向け製品の販売が伸び悩んだことも響いた。ＵＢＳ証券の富井喜隆アナリストは、一般企業向け売り上げ不振を主因として「上期計画がこの程度の未達となることは想定できた」と、29日付の投資家向けリポートで指摘。会社側が据え置いた「通期業績計画の達成は、ハードルが高い」（同氏）との見方を示している。また富井氏は、９月末の旧ＣＴＣ受注残（前年同期比1.7％減の1241億円）から判断し、「下期に盛り返すことにより、通期計画を達成するのは困難な状況にある」と分析。旧ＣＴＣの四半期受注は第２四半期（７－９月）に前年同期比7.9％増とプラスへ転じ最悪期を脱した感はあるが、同業他社に比べて弱い印象で、「シナジー効果を含めた中期的な成長ドライバーが欲しいところ」（同氏）という。会社側の通期（08年３月期）連結業績見通しは、売上高が前期比18％増の 3480億円、営業益は13％増の255億円、純利益は同19％増の140億円を見込む。ＣＴＣ経営企画部によると、中間期時点での進ちょく率は５割を大きく割り込んでいるが、下期には受注残の消化や新規案件獲得を多く予定し、通期計画の達成は可能としている。

△大林組<1802>株が小高い、中間期利益の増額に反応限定－市場は新中計に注目
大手ゼネコン（総合建設会社）の大林組の株価が、一時前日比５円（0.9％）高の540円と小高い。同社は29日、単体の不動産事業などの利益が増加したことで、９月中間期の連結営業利益を従来予想比2.4倍に上方修正すると発表した。ただ、中間期決算と併せて新中期経営計画が発表される予定で、計画の内容を見極めたいとの姿勢が優勢だ。中間期の連結営業利益は72億円に変更した。従来予想は30億円としており、大幅な上方修正となる。前年同期は98億3900万円。純利益は従来予想比 63％増の49億円（前年同期実績135億4900万円）に増額した。一方で売上高は、上期に予定していた工事の一部が下期にずれ込むため、同10％減の6467億円（前年同期実績6448億2900万円）に下方修正した。同時に発表となった08年３月期（通期）業績予想では、下半期の完成工事利益が期初予想と比べ減少する見通しで、売上高が前期比7.1％増の１兆6800 億円、営業利益が同16％減の400億円と従来予想を据え置いた。純利益は同43％減の230億円と、従来予想と比べ10億円減額した。市場では、中間期決算と併せて発表となる新しい中期経営計画に注目が集まっている。野村証券金融経済研究所の小松善明アナリストらは29日付のリポートで、「投資視点としては、短期的な業績動向よりも中期経営計画の内容に注目した」と指摘。さらに、現在の中期計画では08年３月期の連結営業利益の目標を500億円としているが、達成は困難な状況にあり、「建設業界の競争環境が依然厳しいことに加え、過去の談合事件による指名停止措置や営業停止処分などのリスクも残っている。その中で設定される数値目標と、それを達成するためのアプローチを確認したい」（小松氏ら）との見方を示した。

▼ビクター<6792>株が３営業日ぶりに反落、通期純損失予想が倍増－前日は急騰
経営再建中のＡＶ（音響・映像）会社、日本ビクターの株式が３営業日ぶり反落、前日比14円（5.8％）安の229円まで下げた。29日発表の中間決算発表で、今期（2008年３月期）の通期純損益の赤字予想幅を172億円から325億円に下方修正。このショックに29日終値が前日比７％高だった反動も加わり、売り込まれている。通期の営業損益予想は従来通り81億円の黒字（前期は57億円の赤字）と、３年ぶりの黒字転換を見込む。実際に第２四半期（７－９月）の営業損益はリアプロジェクション（背面投射型）テレビなどが苦戦した中、コスト低減努力で前年同期比27％減ながら９億1900万円の黒字を確保した。一方で純損益は、08年度に中堅ＡＶ会社ケンウッドとの経営統合を目指して採算改善に努めているため、リストラ負担が増大。さらに、監査法人から課税所得見通しの甘さを指摘されて繰り延べ税金資産115億円の取り崩しを強いられ、赤字予想をほぼ倍増させる結果となった。ただし、発表内容に関して、アナリストの間では予想の範囲内だったとの声が多数を占めている。

▼武田薬<4502>株が急落、高脂血症薬「TAK－475」の承認申請遅延－失望（２）
武田薬品工業の株価が急反落。一時は前日比960円（12％）安の7100円まで売り込まれ、今年８月17日に付けた52 週安値に並んだ。同社が次世代の成長を担う有望新薬として位置付けてきた高脂血症治療薬「ＴＡＫ－475（開発コード名）」の承認申請時期が先送りされることが29日明らかになった。高用量試験で肝臓に対する毒性が見られたため。医薬品アナリストの中には、開発そのものが中止されるリスクを織り込むべきだとの向きもあり、失望売りが膨らんだ。この日は取引開始前から140万株超の売り注文を集め、売り気配での取引開始となった。午前９時45分すぎ7100円で寄り付くと、その後は買い注文も入り、下落幅を縮小。９時50分以降は7200円台での取引が続いている。武田薬は29日の取引終了後に米食品医薬品局（ＦＤＡ）からＴＡＫ-475 の高用量試験を中止するよう推奨されたと発表した。同薬100ミリグラムを用いた第２相・第３相試験で、肝機能の低下を示す「ＡＬＴ」（アラニンアミノトランスフェラーゼ）の上昇例が多数見られたことをＦＤＡが重視した。武田薬は50ミリグラムではＡＬＴ上昇がみられていないとしているが、ＦＤＡは武田薬に対してＴＡＫ-475に関する追加臨床試験を求めた。このため 2008年４－６月（第１四半期）と見込んでいた承認申請時期が先送りされる。　　同社コーポレートコミュニケーション部の増田聖三氏は現在の状況について、「追加臨床試験の中身を社内で検討中」としているほか、今後の方針については「ＦＤＡなど日米欧の規制当局との協議を踏まえて早急に対応する」としている。
ＵＢＳ証券の志村裕久シニアアナリストは29日付の投資家向けリポートで「開発中止の可能性が浮上した」と指摘、2011年度に米国での年商が20億ドル（１株利益の10％に相当）になると見込んでいたＴＡＫ-475を業績予想からすべて除外した。これにより目標株価を１万円から8000円に引き下げたほか、投資判断も「Buy（買い）」から「Neutral（中立）」に格下げした。志村氏は30日朝、ブルームバーグ・ニュースの電話取材に応じ、「上市（発売）しない方がいいのではと思って売り上げをゼロにした。もし上市して数例の死者が出てしまうと大きな訴訟につながる」と回答、副作用リスクを考えれば、ここで開発を中止するのもひとつの選択肢だと述べた。ＴＡＫ-475は、糖尿病薬「ＳＹＲ-322」、抗かいよう剤「ＴＡＫ-390ＭＲ」と並ぶ次世代を担う３大新薬だった。ＳＹＲ-322やＴＡＫ-390ＭＲが既存の製品の補強に役立つとみられているのに対し、ＴＡＫ-475は「純粋な上乗せが期待できたため、TAK-475でこうしたケチがついたのは残念で、かなり厳しい」（みずほ証券の田中洋シニアアナリスト）との声もあった。

▼エプソン<6724>株が急落、下方修正幅に驚きの声－ディスプレー改革遅れる
セイコーエプソンの株価が売り気配で始まり、寄り付き後は一時175円（6.1％）安の2680円と、約１カ月ぶりの安値水準に沈んだ。同社は29日、ディスプレーを中心とする電子デバイス事業の不振を理由に今期（2008年３月期）通期の連結営業利益予想を従来予想の610 億円から560億円へ下方修正した。大幅な下方修正を受け、市場では失望売りが膨らんでいる。クレディ・スイス（ＣＳ）証券の簡野邦彦アナリストは29日付のリポートで、上期は部門別の動向を含めてほぼＣＳ証の予想並みだが、「下期のデバイスの下方修正幅は、当社予想を大きく上回りネガティブサプライズ」と述べている。29日のエプソンの発表によれば、従来は通期で収支均衡を見込んでいたディスプレーなどの電子デバイス事業は、200億円の赤字に下方修正した。ディスプレー事業は事業構造改革の進ちょくが遅れているが、今後一段の施策を実施していくという。東証で会見した久保田健二常務は、ディスプレー事業の今後の具体的な施策については「発表する段階にない」と述べた。ＣＳ証の簡野アナリストは、「すでに過去２年間、連続でリストラを施してきたディスプレービジネスだけに、事業売却を含めたドラスティックな施策が出てくる可能性がある」との見方を示した。
（ブルームバーグ）

▼船井電<6839>---大幅安、大幅下方修正にネガティブサプライズ
大幅安。前日発表した大幅な下方修正がネガティブサプライズに。中間期営業利益は108億円から20億円に、最終損益は61億円の黒字から43億円の赤字に下方修正している。通期でも営業利益は220億円から47億円に、最終利益は160億円から5億円に下方修正。中間期の大幅な下ブレは想定線といえ、通期の下方修正幅が想定以上、ＰＢＲ水準が株価の下支えとして機能しづらくもなってきている。

■三井住友<8316>---利食い優勢も90万円割れず
利食い優勢も90万円割れず。利食いの流れが強まってきているが、90万円を割り込むことなく底堅い値動きに。ただ、米金利据え置きとの見方も出てきているほか、ＵＢＳの損失拡大憶測（会社側否定）などが燻る中、本日は動きづらい。

△ソフトバンク<9984>---週足雲上限レベルでの攻防続く
週足雲上限レベルでの攻防続く。香港上場を控えているアリババ・ドットコム期待と信用需給妙味に対し、ユーロＣＢの株式転換売り観測との強弱感が対立している。短期需給的には上とみられるが。

△東海カ<5301> 小幅続伸で順調なリバウンド基調継続。
10/18最高値1485円と8/9高値1479円とのダブルトップ突破が期待される。11/2に7-9月期決算が予定されているが、本日予定されている日カーボン（5302）の好調が確認されるようなら先回り的な動きが強まりそうだ。

■大塚家具<8186> 軟調、年初来安値を更新。
一転しての減益見通しが嫌気されているようだ。第3四半期の決算発表と併せて07年12月期の業績予想を下方修正、経常利益で従来予想の64.05億円から50.64億円（前期53.5億円）に減額された。既存店の伸び悩みに加え、人件費の増加が下方修正の要因とみられる。

△イオンクレ<8570>---大幅続伸、モルガンの新規買い推奨受け
大幅続伸で直近高値を更新。モルガンが投資判断を新規に「オーバーウェイト」で目標株価を2080円としている。クレジットカード業界の中では、事業や収益源の多角化によって中期的な収益成長が見込める企業も存在するとしており、海外展開で優位性を持つ同社もその候補と位置づけへ。

△曙ブレーキ<7238>---ストップ高、第2四半期の回復を評価
ストップ高。昨日に中間決算を発表、営業利益は従来計画63億円を下回る61.8億円、前年同期比1.4％増益となった。第1四半期は同20％減益であったため、計画は下ブレたものの、順調な回復基調を評価する動きとなっているようだ。第2四半期のみでは、営業利益は同15％増益となっており、通期計画達成に向けた安心感が強まる状況へ。

△川崎汽<9107>---決算に対する期待感も
小じっかり。8営業日ぶりに1700円を回復しており、10/12最高値1760円を射程に。本日前引け後に決算発表が予定されている。前日に郵船が好決算を発表して海運株の上昇に波及しており、同社に対する期待感も。

▼いい生活<3796> ストップ安売り気配。
業績の下振れが嫌気されているようだ。07年9月中間期並びに08年3月期の業績予想を下方修正しており、通期については経常利益で従来予想の2億円から0.37億円にまで減額されている。第1四半期は売上高が前年同期比50.3％増、各利益項目の赤字幅が前年同期に比べて縮小していただけに、大幅な下方修正を受けて失望売りがかさむ格好に。

△日立ソフト<9694> 急伸。
前日に中間決算を発表、営業利益は従来予想の52億円を上ぶれて60億円に、通期予想は115億円から123億円に増額修正している。営業利益は9月末に続いての上方修正、想定以上に原価低減が進んでいる模様だ。投資判断引き上げの動きなども観測されている模様。

△川崎汽<9107> 小じっかり。
8営業日ぶりに1700円を回復しており、10/12最高値1760円を射程に。本日前引け後に決算発表が予定されている。前日に郵船が好決算を発表して海運株の上昇に波及しており、同社に対する期待感も。

▼ナノメディ<3783> 売り気配から。
赤字見通しが嫌気されているようだ。07年9月中間期並びに08年3月期の業績予想を下方修正しており、通期については最終損益で従来の1.29億円の黒字予想から2.79億円の赤字（前期2.75億円の黒字）にまで減額された。一部案件のスタート時期の遅延に加え、のれんの減損損失を特損計上するためと。

▼ＢＢネット<2318> 売り気配。
監理ポストへの割り当てが嫌気されているようだ。ＢＢネットは29日、監査意見不表明による定時株主総会の延期を発表している。第三者割当増資の一部失権を受け、会計監査人から監査意見を表明しないとの通知を受領したためと。大証ではこれを受け、29日付で監理ポストに割り当てている。

□カーボン<5302>---本日、7-9月期決算発表予定
3営業日続伸で25日線レベルに接近。本日、7-9月期決算発表が予定されているが（時間は未定）、6月中間期では黒鉛電極とファインカーボンの好調を背景に通期予想を上方修正している。さらに上振れをしてくるとは考えづらいが、好調持続が確認されることにより、見直す動きが出てくるとみている。

△イオンクレ<8570>---モルガンでは「Overweight」で調査開始
窓をあけながら続伸している。モルガンでは投資判断「Overweight」、目標株価を2080円で調査開始したもよう。キャッシング金利引き下げによる国内事業の一時的な減収はあるものの、アジアを中心とする海外の事業展開によって中期的な利益成長が見込まれ、10%超のROE水準維持も可能との見方を示しているようだ。チャート上では1700円の抵抗ラインを突破しており、目先5月（2280円、5/29）の戻り高値からの調整幅のおよそ61.8％戻し水準の1800円が視野に入る可能性も高まりそうだ。

△あおぞら銀行<8304>---続伸、Ｍ＆Ａ思惑なども高まる展開に
続伸。本日はＵＢＳの評価損追加計上の可能性などを受けて、大手銀行株が売り先行となっている中、逆行高の展開に。一部海外紙で伝えられているが、ＪＰモルガンでは、日本の経営陣に買収標的企業のリストを作成したことを要請したとされている。アナリストの間では、同社や新生銀が買収対象となる可能性があるなどともされているようだ。
（フィスコ）

△クラリオン<6796>は中間期に次ぎ通期業績上方修正も利益確定売り先行
クラリオンは、３円安の２０１円と続落している。前日２９日の２００７年９月中間期決算の開示に合わせて、今度は３月通期業績の上方修正を発表、好材料出尽くし感から利益確定売り先行となっている。同社は、１０月１０日に中間期業績を上方修正し、株価は年初来高値まで４０円高を演じ２００円大台乗せで目先一服感も出た。その中間期業績は、修正値を上ぶれ前年同期比３４％増収、２．３倍経常増益と伸び、純利益は６億２２００万円（前年同期は１０億１２００万円の赤字）と黒字転換した。日本、欧州でのＯＥＭ市場での販売増加、北米での電子機器製造受託サービスの増加に為替差益、受取利息増、さらに固定資産の売却益・売却損が相殺し純益の黒字転換につながった。通期業績は、為替差益などの営業外収益の改善を主要因に上方修正した。売り上げは期初予想より３０億円、経常利益は５億円、純利益は２億円ぞれぞれアップさせ、純利益は１０億円（前期は７億８４００万円の赤字）と黒字転換幅を拡大する。株価は投資採算では割高だが、株価水準そのものが好材料となっており、日立製作所の株式公開買い付け価格２３０円の一気の更新に弾みをつけよう。

▼大阪チタ<5726>は業績上方修正も事前観測下回り３日続急落
大阪チタニウムテクノロジーは、１０００円安の１万４２０円と３日続急落となっている。前日２９日に２００７年９月中間期決算の開示と同時に、今３月通期業績の上方修正と期末の記念増配を発表、経常利益が事前の観測報道を下回ったことから利益確定売りが膨らんでいる。同社の中間期業績は、期初予想を上ぶれ前年同期比２６％増収、３４％経常増益、２９％純益増益と伸びた。展伸材向けスポンジチタンの需要が、国内ではアジア、中東の電力・化学・海水淡水化などのプラント物件や船舶用熱交換器向けに伸び、輸出では航空機向けの新規受注が堅調に推移、半導体関連製品で多結晶シリコンの需給ひっ迫、販売価格改善も寄与した。３月通期業績は、来年１月出荷分からの輸出展伸材向け新規契約価格のさらなる改定を織り込み上方修正した。売り上げ、経常利益とも期初予想より５億円各引き上げ、経常利益は２０５億円（前期比２９％増）と過去最高を伸ばす。純利益は、スポンジチタン増産設備の早期稼働のための撤去損や吸収合併した子会社のエスティ不動産の株式評価損の発生などから１億８０００万円引き下げ１１６億４０００万円（前期比２５％増）と増益率をやや縮小する。期末配当は、商号変更記念配当１０円を上乗せして４５円に引き下げ、年間８０円とする。株価は、１０月２５日の業績増額観測報道で１万円出没相場から上値を伸ばしたところである。上方修正数値は、報道業績を下回るが増配付きであり、再度の急伸習性発揮が期待される。

△ガイシ<5333>は３回目の業績増額に増配も利益確定売り先行
日本ガイシは、２０円安の３９４０円と５日ぶりに反落している。８月９日につけた上場来高値４０８０円を前に利益確定売り先行となっている。前日２９日に開示した２００７年９月中間期業績が、９月の再上方修正値を上ぶれて着地するとともに、３月通期業績の３回目の上方修正と増配も合わせて発表。同社の中間期業績は、前年同期比２１％増収、６８％経常増益、２．１倍純益増益と高変化した。セラミックス事業では、Ｓｉｃ製ディーゼル・パティキュレート・フィルターなどのディーゼル関連製品が大幅に増加し、電力関連事業、エレクトロニクス事業も前年同期を上回り、生産性の改善、円安恩恵もオンし上ぶれ着地となった。３月通期業績は、売り上げを前回９月の修正値と横並びとしたが、経常利益は２０億円、純利益は５億円それぞれ引き上げ、純利益は４４５億円（前期比５１％増）と前期の過去最高を大幅に更新する。配当は、中間期・期末とも期初予想の各９円を１１円に引き上げ、年間２２円（前期実績１６円）に増配する。株価は、ＰＥＲ的には割高だが、前回修正時には配当落ちから５００円高を演じており再現連想を誘おう。

△エフテック<7212>は急続伸、通期業績と期末配当を大幅増修正
エフテックは、１４０円高の２６６５円と急続伸している。前日２９日の２００７年９月中間期決算の開示とともに、今３月通期業績と期末配当の大幅増修正を発表、自動車関連の割安訂正買いを盛り上げている。同社の３月通期業績は、売り上げが期初予想より７１億７８００万円、経常利益が１０億２６００万円、純利益が５億８４００万円それぞれ引き上げられ、純利益は３７億円（前期比２３％増）と前期の過去最高をさらに伸ばす。中間期業績が、主要取引先のホンダ向け新型車のサスペンションはもとより、日産自動車などの他社の自動車向けにアジャスタブル・ペダルなどの販売が拡大、中国第２生産拠点の稼働開始や円安恩恵なども加わり、期初の減益予想が増益にプラス転換したことがそのまま通期業績の上方修正要因となる。期末配当は、期初予想・前期実績の２５円から３２円に大幅増配する。株価は、年初２月の上場来高値３２００円から１９１６円まで調整、この半値戻しとなっている。ＰＥＲ８倍台の割安訂正からも全値戻しを指向しよう。

△新規上場のＰＭＯ<3251>は買い物を集め買い気配アップ
駐車場綜合研究所が、東証マザーズに新規上場された。公開価格は２万７０００円、公開株式数は１万２６５０株となっている。寄り付きから買い気配を切り上げ９時４０分現在、公開価格を５４００円上回る３万２４００円で売り買い差し引き２万７０００株を超える買い物を集めている。新規株式公開（ＩＰＯ）市場は、米国のサブプライムローン問題を乗り越え、１０月５日以降に上場された９銘柄のうち、８銘柄が公開価格を上回り（勝ち）、１銘柄が下回る（負け）８勝１敗と人気復調、新規資金の流入が続いており、同業の既上場会社が、このところ軒並み業績伸び悩みとなっているが、同社の資金吸収額が３億円強と小規模で、公開価格がＰＥＲ１２倍台と割安なことが買い評価されている。同社は、大都市圏の大型複合施設の駐車場の運営事業と駐車場設置計画、既存駐車場の収益改善策などを提案するコンサルティング事業を展開している。運営事業は、有人での管理を特徴にしており、秋葉原ＵＤＸパーキングや表参道ヒルズなどの人気スポットの運営実績がある。今２００８年３月期業績は、売り上げ３５億９４００万円（前期比２％減）、経常利益３億５５００万円（同２．４倍）、純利益２億５００万円（同２．２倍）、１株利益２１３５．７円を予想している。

△日立国際<6756>は急続伸、業績再上方修正に期末増配上乗せ
日立国際電気は、７０円高の１４４５円と３営業日続伸している。前日２９日の２００７年９月中間期決算の開示に合わせて、中間期・３月通期業績の再上方修正と増配を発表、割安株買いを膨らませている。同社は、第１四半期決算発表時の７月に今期業績の上方修正を発表しているが、中間期業績はこの修正値を上ぶれ、前年同期比１１％増収、７８％経常増益、２．２倍純益増益で着地した。半導体製造システムが、国内外の半導体メモリーメーカーの設備投資拡大に支えられて受注、売り上げを伸ばし、通信情報システム・放送映像システムも計画通りに進捗、連結子会社の事業再編に伴い繰延税金資産の追加計上が可能となり税金費用が減少することが寄与した。中間期業績の再上方修正を踏まえ、３月通期業績も再増額した。売り上げは７月増額値を２７億円、経常利益を１６億円、純利益を１１億円各アップし、純利益は１１０億円（前期比３０％増）と連続過去最高を伸ばす。期末配当は、期初予想の８円を１０円に引き上げ、中間期配当８円と合わせて年間配当は１８円（前期実績１４円）に増配する。株価は、前回修正時に窓を開けて急伸、年初来高値１６１０円まで買い進まれた。ＰＥＲ１３倍台の割安修正で再び騰げ足を速めよう。

□東芝<6502>は通期業績増額で市場コンセンサスに接近も反落
東芝は、２３円安の９７７円と反落している。前日に２００７年９月中間期決算を発表、７月の上方修正値を上ぶれて着地するとともに、今３月期通期業績を上方修正して期初の減益予想が増益にプラス転換、１０月２５日報道の増額観測値や市場コンセンサスを超過も戻り待ちの売り先行となっている。同社の中間期業績は、第１四半期決算公表時の７月に上方修正されたが、その修正値を上ぶれ前年同期比１６％増収、８％税引前純益減益、１７％純益増益で着地した。家庭電器部門が悪化、電子デバイス部門が減益となったものの、デジタルブロダクツ部門が黒字化し、社会インフラ部門が増益となったことが寄与した。３月通期業績は、売り上げが期初予想より３０００億円、税引前純利益が１１００億円、純利益が６００億円引き上げられ、純利益は１８００億円（前期比３１％増）と増益転換して市場コンセンサスを１２５億円上回る。株価は、銀座東芝ビル売却やソニーの半導体事業買収などの「選択と集中」戦略の進展を評価し、１０００円台出没の三角保ち合いに煮詰まり感を強めていたが、下値固めの動きが続きそうだ。

▼テルモ<4543>は大幅反落、中間業績上ぶれ着地も利益確定売り膨らむ
テルモは、３００円安の５４９０円と大幅反落となっている。前日２９日に２００７年９月中間期決算を発表、１０月１９日に報道された業績上方修正観測通りに中間期として過去最高を更新すると同時に、３月通期業績も上ぶれ修正し、市場コンセンサス通りだったが、好材料出尽くし感から利益確定売りが膨らんでいる。同社の中間期業績は、増額観測通りに前年同期比１３％増収、１６％経常増益、２４％純益増益と大きく伸びた。欧米を中心に高付加価値のカテーテルや人工肺システムなどが続伸し、国内も血液バッグや血糖値測定器などなどを中心に復調、円安効果も上乗せとなり上ぶれ着地となった。３月通期業績は、売り上げを期初予想より５０億円、経常利益を１０億円、純利益を８億円引き上げ、純利益は４２０億円（前期比１２％増）と前期の過去最高を大きく更新するとともに、市場コンセンサスの４４２億円に接近する。株価は、７月のキリンホールディングスとの業務・資本提携や５００万株（発行済み株式総数の２．４％）、２５０億円を上限とする自己株式取得などをテコに上場来高値６１５０円まで買い上げられスピード調整している。ＰＥＲは割高だが、大幅株不足となっている好需給から売り方の買い戻し主導で突っ込み買いも入ろう。

△小森<6349>は業績上方修正、増配を追撃材料に３連騰
小森コーポレーションは、６０円高の２９２５円と３営業日続伸している。前日２９日に今２００７年９月中間期・３月通期の業績と配当修正を発表、７月開示の第１四半期（１Ｑ）の大幅増益・高進捗率業績に次ぐ追撃材料として買い物を増幅している。上方修正のうち３月通期業績は、売り上げを期初予想より３０億円、経常利益を１４億円、純利益を５億円それぞれ引き上げ、純利益は１０８億円（前期比％増）と増益率を伸ばし１７年ぶりの過去最高更新の更新幅を拡大する。中間期は、国内、海外とも売り上げが好調に推移し、コストダウンや為替レートが対ユーロで円安となった為替差益が寄与し、通期では国内売り上げが減少するものの、新興国向けの拡販が続き上方修正につながる。配当は、連結配当性向３０％を目標に中間期・期末とも期初予想の各１７円を２０円に引き上げ、年間４０円（前期実績３０円）に増配する。株価は、１Ｑ決算発表時に４００円幅の急伸を演じた。ＰＥＲには割安感はないが、信用取組は薄めながら株不足と好需給となっており、７月の急騰相場再現が有力視される。

△キッセイ薬<4547>は業績上方修正で安値水準から反発
キッセイ薬品工業は、５０円高の１９９５円と反発し１月の年初来安値１９２０円に並ぶ水準から出直る動きを強めている。前日２９日に発表した今２００７年９月中間期・３月通期業績の上方修正が、７月の第１四半期業績の減収減益着地と異なるサプライズとなりディフェンシブ株人気を刺激している。上方修正のうち３月通期業績は、売り上げが期初予想より２１億円引き下げられるが、経常利益は２億５０００万円、純利益は１億４０００万円各アップされ、純利益は２５億７０００万円（前期比６３％増）と増益率を拡大する。医薬品売り上げが競合品、後発品の影響を受け、パーキソン病治療薬「カバサール錠」の売り上げも計画を下回るが、研究開発テーマの技術導出契約に伴うマイルストン収入などの技術料売り上げが計画を上回り、上方修正につながった。株価は、わかもと製薬の株式２００万株を取得して筆頭株主となった業界再編思惑で年初来高値２６１０円まで上ひげをつけたが、第１四半期業績の不調推移で２０００円台出没の下値固め継続となっていた。薄めながら株不足となる信用好需給も支援し一段の底離れに進もう。
（東洋経済新報社）