10/29 『株価材料』PART Ⅵ

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■株価材料

△米ＩＴ企業に３つの成長エンジン、７－９月は２ケタ増収
米主要ＩＴ（情報技術）企業の7―9月期決算が出そろった。信用力の低い個人向け住宅融資（サブプライムローン）問題がＩＴ景気にも水を差すとの懸念があったが、大半の企業が２ケタ増収を確保。インターネット広告、デジタル娯楽、半導体・パソコンの３大エンジンが成長をけん引した。企業間の業績差は残るが、デジタル化を追い風にＩＴ需要は底堅さを保っている。ネット企業の多くが収益源とするネット広告市場はテレビや新聞からの乗り換えを背景に、前年比20％増の成長が続く。けん引役はネット検索と連動する広告。利用者が探す情報に関係する広告を表示するため効果が高い。

△新日鉄<5401>、経常利益８％増・９月中間、高級鋼伸びコスト増吸収
新日本製鉄の収益拡大が続いている。自動車や造船向けに高級鋼が伸び、2007年9月中間期の連結経常利益は従来予想を約100億円上回り、前年同期比 8％増の2900億円弱になったもようだ。世界的に鉄鋼需給は逼迫（ひっぱく）しており、高級鋼を中心に原材料価格の上昇分を、製品価格へ転嫁しやすい環境になっている。新日鉄は9月初めに中間期の連結経常利益を期初予想の2700億円から2800億円に上方修正したが、さらに50億―100億円ほど増えたもようだ。日本の鉄鋼業界全体では、船舶運賃の高騰などで原材料コストが年間で8000億―9000億円増えると予想される。新日鉄の高級鋼は需要が強く、販売数量の拡大や価格引き上げでコスト増を吸収できた。

△ウシオ電機<6925>、フィリップスと開発・半導体装置の次世代光源
ウシオ電機はオランダの総合家電大手、フィリップスと、次世代半導体の製造装置向け中核部品を共同開発する。2008年初めにも独光学部品メーカーを加えた3社で合弁会社を設立、半導体の回路形成に欠かせない露光装置用の次世代光源の実用化を目指す。大容量データを保存できるメモリーカードなど次世代半導体の普及をにらみ、開発体制を整える。ウシオ電機とフィリップス、独イエナオプティックが合弁会社を設立する。欧州に設立する方向で検討しており、出資比率や社名は今後詰める。

△キッコーマン<2801>、ロス近郊に北米物流拠点・50億円投資
キッコーマンは北米に新たな物流拠点を整備する。約50億円を投じ、ロサンゼルス近郊に設ける。同社が現地生産するしょうゆのほか、日本を含む東南アジアなどから調達する加工食品や水産物などを保管し、全米各地に配送する。米国では日本食の需要が拡大傾向にあり、キッコーマンは自社商品をはじめとする日本食向けの食材販売事業を強化する。新たな物流拠点はキッコーマン子会社の米食品卸、ＪＦＣインターナショナル（カリフォルニア州）が整備する。床面積は約1万8000平方メートルで、 2008年7月に稼働する予定。ＪＦＣは現行のロサンゼルスの物流拠点（床面積約8500平方メートル）が手狭になったため、新拠点に物流機能を移管する。

△東レ<3402>、名古屋地区の研究者３倍に
東レは名古屋地区の研究開発要員を3倍以上に増やす。炭素繊維などの先端素材を使った自動車や航空機向けの部品工場を2010年に名古屋に新設するのにあわせ、現在約70人を配置している研究者を09年春をメドに250人程度に増員する。中京地区に集まる自動車や航空機メーカーと連携、樹脂と炭素繊維を組み合わせた複合材料の成型加工の技術開発などを強化する。東レは10年をメドに名古屋事業場（名古屋市）に自動車部品工場を建設するのに先立ち、自動車分野に特化した研究施設「オートモーティブセンター」、複合材料成型品を開発する「アドバンストコンポジットセンター」を相次いで新設する。

■アジアの建材価格、弱含み・米住宅不振が波及
米国の住宅市場の不振でアジアの建設素材価格が弱含みに転じ始めた。木材需要が減った米国の輸出余力が増し、同国産丸太の11月の対日輸出価格は1年前に比べ14％下落した。鋼材の中間製品も米国産のアジア市場への流入で値下がりしている。中国の需要増などで活況が続いていたアジアの建設素材市場に冷や水を浴びせかねない状況だ。米国の住宅着工件数は9月に14年ぶりの低水準となるなど落ち込みが大きい。建設用木材となる米国産丸太の対日輸出価格は米住宅市場が減速し始めた1年前からほぼ一貫して下げ続けている。11月に船積みされる予定の標準品は1000スクリブナー（約4立方メートル）当たり720ドルと、10月船積み予定に比べ10ドル（約1％）安い。

△百貨店、化粧品で集客
百貨店各社は化粧品や美容サービス関連の売り場を相次ぎ拡充する。
大丸（Ｊ．フロントリテイリング<3086>）が11月開業の東京新店（東京・千代田）に国内最大級の売り場を作るほか、
有楽町阪急（阪急阪神ＨＤ<9042>）はエステなどサービス専門のフロアを新設する。仕事を持つ女性の増加で需要拡大が見込めると判断した。国内外の有力ブランドや医薬品メーカーも百貨店向けの新商品やサービスを続々と投入しており、顧客獲得競争が激しくなりそうだ。
大丸・東京新店の化粧品売り場は約1500平方メートルで、これまで国内屈指の売り場面積を持つとされてきた阪急百貨店梅田本店（大阪市）を上回る。
取り扱う商品は資生堂<4911>、エスティローダーなど43ブランドに及び、「国内外のほぼすべての有力ブランドを網羅した」（同社）という。

△三井住友<8316>銀行、排出権取引の専門部署
三井住友銀行は温暖化ガスの排出権取引など、環境関連ビジネスを強化する。関連事業を手掛ける専門部署を設け、温暖化ガス排出量の多い電力会社や鉄鋼メーカーなどに、排出権の販売元となる海外の事業者を紹介する。京都議定書による温暖化ガスの削減義務が2008年から始まることをにらみ、取引先企業の関連需要を開拓する。10月の組織改定で「環境ソリューション室」を発足した。日本と英、米、シンガポールに担当者を配置して排出権取引の需要を募る。

▼９月の実質輸出、3.3％低下・５カ月ぶりマイナス
日銀がまとめた9月の実質輸出指数（季節調整値、2000年＝100）は159.0で、前月より3.3％低下した。信用力の低い個人向け住宅融資（サブプライムローン）問題を引きずる米国向け輸出の減少などを背景に、5カ月ぶりに前月を下回った。実質輸出は輸出額を輸出物価指数で割って算出する。物価や為替変動の影響を除くため、実態が把握しやすくなる。

△第一フロンティア生命、みずほ<8411>銀行で変額年金保険販売
第一生命保険の銀行窓販専門子会社、第一フロンティア生命保険は29日からみずほ銀行で変額年金保険の販売を始める。みずほ銀向けの商品としては第１弾となる。第一フロンティア生命はすでに、
りそなグループ<8308>や三菱ＵＦＪグループ<8306>を通じて変額年金を販売している。商品は「ねんきん便り」で、元本保証型の変額年金。契約時に手数料がかからないのが特徴。

▼みずほ<8411>コーポ銀、250億円の評価損・サブプライム余波
みずほコーポレート銀行は欧州などのＬＢＯ（借り入れで資金量を増やした買収）向け融資を巡って250億円程度の評価損を9月中間決算に計上したもようだ。サブプライムローン問題の余波でＬＢＯ融資の売買が停滞しており、予想される売却損をあらかじめ計上したようだ。非上場のみずほコーポ銀は中間期の利益予想を公表していないが、単体の最終利益はほぼ期初の計画に達したもよう。本業や市場部門などが堅調で、ＬＢＯ関連の損失は限定的だった。

△情報処理受託で大型拠点、ソフトバンク<9984>や富士通<6702>など
ソフトバンクは外部企業の情報システムの運用や保守を一括受託する「データセンター」で国内最大級の拠点を新設する。400億円を投じ北九州市に来秋から10万台超のサーバーを収容できる施設を整備、日立製作所や富士通も首都圏に大型拠点をつくる。産業界では生産性向上を狙い膨大なデータ処理を専門のＩＴ（情報技術）企業に委託する動きが活発化、来年度からの内部統制ルールの導入で扱うデータ量の急増も見込まれる。米国に比べ出遅れていた日本のＩＴインフラの整備が加速しそうだ。1990年代以降、ＩＴの革新が企業の生産性を大幅に高める役割を担ったが、バブル崩壊後のリストラに追われた日本企業は投資を抑制。経済産業省によれば、民間資本ストックに占めるＩＴ資本ストックの比率は04年で米国が18％を超えたのに対し、日本は約8％とＩＴ装備で大きく遅れた。これが日米の生産性格差につながったとの見方もある。大規模データセンターの整備が進めば企業は情報システムを低コストで構築・活用できるようになる。

■トヨタ<7203>、豪輸入関税巡り生産撤退を示唆・豪メディア報道
オーストラリアのメディアは27日、トヨタ自動車の浦西徳一副社長が、豪州政府が輸入関税を引き下げた場合、豪州での現地生産撤退を示唆したと報じた。これに対し、豪自動車産業の労働組合は同日、トヨタに説明を求めるとともに、豪州政府に対し雇用維持のために政策見直しを求める騒ぎになった。副社長は東京モーターショーで外国人記者に対し「豪ドル高に加え関税が引き下げられれば、現地生産は厳しくなる」と語ったとされる。トヨタ現地工場の関係者は、豪メディアに撤退や生産縮小の予定はないと語った。
（NIKKEI NET）

△三菱重<7011>、再生可能エネルギー事業を拡大＝ロンドンに販売子会社設立
三菱重工業は、欧州で風力や太陽光など再生可能エネルギー事業の拡大に取り組んでいる。今年に入り、ロンドンに発電設備の欧州販売統括子会社を、ドイツのハンブルクには大型洋上風車の研究・開発（R＆D）センターをそれぞれ設立。2008年にはブルガリアで風力発電事業を開始する。
（時事通信）

△鉄鋼大手　中印へエコ技術移転へ　他業界も注目
新日本製鉄<5401>など日本の鉄鋼大手が省エネの技術移転を目指して中国、インドの製鉄所に専門家を派遣して環境診断を行うことが２７日までに明らかになった。鉄鋼業界では、世界最高水準とされる日本の省エネ技術を途上国の鉄鋼メーカーに移転することで、二酸化炭素（ＣＯ２）など温室効果ガスの削減を目指す。同時に、京都議定書の定めた、他国で実施した温室効果ガス削減活動の成果の一部を自国の削減分に充当できるクリーン開発メカニズム（ＣＤＭ）の実現にもつなげたい考えで、試みは他業界からも注目されそうだ。環境診断は１２月以降、中国鉄鋼大手の済南鋼鉄（山東省）のほか、特殊鋼大手の太原鋼鉄（山西省）と江陰鋼鉄（江蘇省）の合計３製鉄所で実施。日本の鉄鋼各社の省エネ・環境の専門家をそれぞれ３～４人程度派遣する。
済南には新日鉄と神戸製鋼所<5406>の専門家を派遣。現地製鉄所の実態を把握したうえで、改善策を提案。「技術移転に向けた環境整備を進める」（大手鉄鋼幹部）考え。
太原にはＪＦＥ<5411>スチール、江陰には住友金属<5405>から、それぞれ専門家を派遣して診断を行う予定だ。
インドについても今年度中に派遣する予定で、５カ所程度をリストアップしている。経済活動が拡大する中国では、鉄鋼生産量が２００６年には４億２０００万トンとなり、１９９０年の６・５倍にまで急拡大している。しかし、生産拡大が優先で、省エネは遅れている。国内のＧＤＰあたりのＣＯ２排出量でも、中国は日本の１０・８倍とされている。世界最高水準にある日本の省エネ技術を移転することができれば、中国のＣＯ２排出量抑制への効果は絶大だが、日本の鉄鋼業界にもメリットがある。国内メーカーは、生産拡大で直接的なＣＯ２削減が困難となっている中で、途上国からの排出権購入やＣＤＭなどを駆使する必要に迫られており、今月に入って、途上国からの排出権購入を２８００万トンから４４００万トンに引き上げることを表明している。このため、ＣＤＭによる削減分に対する期待は大きい。また、アルセロール・ミタルの誕生に象徴されるように、国際的な再編の渦中にある鉄鋼業界にとって、成長市場であり、自動車など日系メーカーの進出も進む中国との関係を緊密化するとともに、日本の鉄鋼業界のプレゼンスを高めたいとの思惑もある。

△携帯メールで新商品開発　コンビニや百貨店、消費者の声を反映
ネット上の情報や評判を商品購入の判断材料にする消費者が増えるなか、コンビニエンスストアや百貨店が携帯電話のオリジナルサイトのメンバーの意見を取り入れた商品開発に力を入れている。不特定多数へのアンケートと違い、意欲のある消費者に、企画から販売まで参加してもらうことで“自分が作った商品”という意識を醸成する。この結果、口コミ効果や売り上げ増が期待できるといい、成果も上がりつつある。
ローソン<2651>は中部地域で限定販売していた「あたらしいプリン」と「なつかしいプリン」（各１６８円）を３０日から関東でも販売する。このプリンが従来と違うのはオリジナル携帯サイト「謎のローソン部」の部員（会員）の要望を聞いて、開発した点だ。企画から販売までの１年半で、女性会員５０００人にメールで５０回以上質問した。ローソン部の責任者である高橋千宏さんは「１０分で１００件の返信があるなど、携帯は反応が早く、すぐに開発に生かせる」と話す。実際、「子供に安心して食べさせたい」という声を受け、ゲル化剤は不使用とし、好き嫌いが分かれたカラメルも別添えにした。なつかしいプリンは「固めがいい」という要望から生まれた。メーカーの担当者は「今の主流はなめらか。別の需要があるとは思わなかった」と消費者の意外な声に驚く。２つのプリンは、通常の新商品の２倍を売り上げ、プリン部門の１、２位を独占。神奈川県から静岡県まで買いに行った会員もいた。飽和市場といわれるコンビニ業界は、他チェーンとの差別化が重要課題だが、高橋さんは「会員は間違いなくローソンを選んでくれる」と、試みが囲い込みにもつながっていると見ており、３０日には同様の手法で開発したカップ麺も販売する。
こうした動きは広がっており、小田急百貨店（小田急電鉄<9007>）はクリスマスケーキに自社サイトの会員の意見を反映している。「さまざまな味を楽しみたい」という声があり、イチゴやオレンジのムースを使用したオリジナルケーキなどを作った。今月１８日に新宿店で開いたお披露目会では「発売より先に食べることができてうれしい。気に入ったものもあったので買いたい」（神奈川県の主婦）などの声が聞かれた。
東急百貨店（東京急行電鉄<9005>）がサイト会員と開発したオリジナルビールも完売する人気。同社では「参加してもらったことが購買動機につながった」と分析している。
（産経新聞）

△養命酒製造<2540>　ミネラルウオーター「養命水」全国発売
養命酒製造は、養命酒づくりに用いる地下水をミネラルウオーター「養命水」として全国発売した。昨年１０月から一部のドラッグストアで試験販売していたが、包装をリニューアルし、スーパー、酒販店などでも本格的に販売する。地下水は中央アルプス山ろくの地下１５０メートルの水脈からくみ上げる。自然の状態を維持するために加熱せず、軟らかなのどごしで常温でもおいしいという。５００ミリリットルで価格は１５８円。

△ライオン<4912>　「フリー＆フリー」ポンプサイズを追加
ライオンは、カラーリングで傷んだ髪を修復する成分を配合したシャンプーとトリートメント「フリー＆フリー　ダメージエイド」に、ポンプサイズ（５００ミリリットル）を追加した。ブナ科の植物から抽出した毛髪補修成分「ＤＧＡ」の効果で、なめらかな髪にする。価格は店頭で８９０円前後。ＤＧＡを４倍の高濃度にしたチューブ入りの「スペシャルトリートメント」（１８０グラム）は８００円前後。

△ラ・パルレ<4357>　男性専門エステをオープン　東京・錦糸町
エステティックサロンを展開するラ・パルレは１１月１５日、男性専門の「ラ・パルレ錦糸町メンズ店」を東京都墨田区のＪＲ錦糸町駅前にオープンする。女性向けなども合わせると１００店目の出店。オープン記念として１１月３０日まで、ニキビケアや脱メタボリックコースなどがお試し価格で体験できる。体験コースの予約はフリーダイヤル（０１２０・８６０・２３９）へ。

△ダイハツ工業<7262>　「アトレーワゴン」を一部改良
ダイハツ工業は、軽乗用車「アトレーワゴン」を一部改良して発売した。きびきびした走りと低燃費を両立させる新ターボエンジン「ＫＦ－ＤＥＴ型」を搭載した。大きな荷物を抱えている時などに開閉が便利なパワースライドドアも新たに備えた。外観はフロントグリル（エンジン冷却用の空気の吸入口）を一新して拡大し、車のワイド感を表現した。内装もベージュ基調の明るい色とし、座席には質感の高い生地を採用した。希望小売価格は１３６万５０００～１６６万９５００円。

△サッポロ<2501>ビール　期間限定で発売「ドラフトワン」
サッポロビールは第３のビール「ドラフトワン　スパークリングアロマ」を１２月５日から期間限定で発売する。ニュージーランド産のホップを使用することで、白ワインのような香りを出すことができた。販売目標は３５万ケース（１ケース＝大瓶２０本換算）。３５０ミリリットル缶が１３５円程度、５００ミリリットル缶が１８７円程度。

△ソニー<6758>＞クリアな音質を追求　ウォークマンシリーズ
ソニーは、原音を忠実に再現する高音質技術を採用した「ウォークマンＮＷ－Ｓ７１０Ｆ／Ｓ６１０Ｆシリーズ」を発売した。本体上部のスイッチを切り替えるだけで周囲の騒音を約４分の１に抑える機能を搭載し、付属の大口径ヘッドホンでクリアで臨場感ある音を再現できる。電車などで音量を上げ過ぎて音漏れすることもなく、音楽が楽しめる。１．８型画面でインターネットで入手したビデオも転送して再生することが可能。聴きたい曲をすぐに見つけられるよう検索を高速化した。想定市場価格は１万４０００～２万７０００円前後。

■ボーイング社　ＡＮＫ機のボルト脱落、設計変更の意向
那覇空港での中華航空機爆発炎上事故を巡り、事故機と同系のエアーニッポン（ＡＮＫ）のボーイング７３７－７００型機でもボルト留め具（ワッシャー）の欠落が見つかった問題で、ボーイング社が、
ＡＮＫの親会社の全日空<9202>に対し、ボルト部分の設計を変更する意向を伝えていたことが分かった。日本航空にも同じ意向を示したという。事故では、右主翼のワッシャーが脱落していた影響でボルトが外れ、これが燃料タンクを突き破ったとされ、整備ミスが疑われている。

▼三菱ＵＦＪ<8306>　最収益が２千億円減少へ　本業も伸び悩み
三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループ（ＦＧ）の０８年３月期通期の連結最終（当期）利益が、当初予想の８０００億円から２０００億円近く下振れし、６０００億円台に落ち込む見通しとなった。傘下のクレジットカード会社の大幅赤字や米低所得者向け高金利住宅ローン（サブプライムローン）関連損失が収益を圧迫するのに加え、本業の銀行業務の収益伸び悩みも響いた模様だ。月内にも業績予想を修正する見通しだが、市場からは収益力の抜本強化を迫られそうだ。三菱ＵＦＪＦＧは５月時点で、０７年９月中間期が３５００億円、０８年３月期通期で８０００億円の連結最終利益をそれぞれ見込んでいた。
しかし、傘下のカード大手、三菱ＵＦＪニコス<8583>が、利息制限法の上限を超えて受け取った過払い利息返還請求への対応やリストラの負担などで９月中間期に１０００億円超の最終赤字に転落すると発表した。三菱ＵＦＪＦＧはこの影響と、自社のサブプライム関連投資の損失が２００億円超に膨らんだことも響き、９月中間連結最終利益が当初予想より１０００億円近く下回る模様だ。また、日銀の追加利上げが遅れ、想定していた貸出金利ザヤの拡大が見込めないことや、９月の金融商品取引法施行の影響などで投信販売にもブレーキが掛かっており、０８年３月期の通期業績はさらに下振れすることが避けられない状況。三菱ＵＦＪＦＧは「決算数字を繕う保有株の益出しはしない」（関係筋）方針で、通期の最終利益予想も２０００億円近く落ち込む見通しとなった。

△デジカメ　高機能一眼レフ商品が続々登場　本格志向狙う
年末商戦を前に、デジタルカメラメーカー各社が、価格１０万～２０万円台の中・上級機種の高機能デジタル一眼レフ商品を相次いで投入している。一眼レフデジカメの市場はこれまで価格数万円の初心者向け「入門機」が高い伸びを支えてきたが、入門機で写真の楽しさを体験した女性や団塊世代ら中高年層が本格的に写真に取り組みたいと、一つ上のランクの機種に買い替える動きが出てきているためだ。
低価格の入門機がヒットし、１～６月のデジタル一眼レフ市場でキヤノン<7751>を抜いてトップシェアを獲得したニコン<7731>は年末に向け、「Ｄ３００」を発売する。入門機の有効画素数は８００万前後が一般的だが、Ｄ３００は１２３０万とプロ用に匹敵する高画質が売りだ。追う立場のキヤノンは「ＥＯＳ４０Ｄ」を投入した。１秒間に約６・５コマの連続撮影ができ、連写性能を強化。本格派にこだわる団塊世代を強く意識した商品に仕上げた。この２強に続くメーカーも、独自技術を開発して巻き返しを図る。
コニカミノルタ<4902>からカメラ事業を買収したソニー<6758>は、大容量の画像データを高速処理する高精細画質の「α（アルファ）７００」、
オリンパス<7733>は業界最速のオートフォーカス機能を搭載した「Ｅ－３」を投入する。
松下電器産業<6752>の「ルミックスＤＭＣ－Ｌ１０」はコンパクトデジカメの操作に慣れたユーザーを狙い、撮影対象が写る液晶モニターを自由に動かせるタイプの一眼レフ。モニターを上向きにすれば、地面ぎりぎりのカメラ位置から撮影できるなど、さまざまなアングルが工夫できる。デジカメ市場は年２けたペースの高い伸びが続いたが、主役だった入門機の需要に一巡感も出てきて、各社は新たな市場を開拓する必要にも迫られている。中・上級機種はメーカーにとって利益幅も大きく、「年末商戦は入門機を卒業した消費者層が狙い目」（メーカー首脳）とし、販売競争が過熱しそうだ。

△中国製玩具　国内メーカー、安全確保へ現地Ｘ線検査導入
有害物質の鉛の混入が発覚するなど、中国製玩具の安全性に不安が広がる中、クリスマス商戦を控えた国内玩具メーカーが製品の管理体制を相次ぎ強化している。国内で販売される玩具の約８割が中国製で、各社は有害物質を検出する最新のＸ線検査装置を現地法人に導入したり、生産委託先の中国の工場への立ち入り検査を増やすなど、安全対策に力を入れている。
Ｘ線検査装置は、タカラトミー<7867>とエポック社が１０月末から、中国の現地法人などに導入する。
バンダイ<7832>もすでに、中国と日本国内の３カ所で稼働させており、製品の出荷前の抜き打ち調査を実施している。Ｘ線検査装置は、鉛をはじめ、水銀やクロムなどの有害物質の有無や濃度を調べることができる。１台１０００万円超と高価だが、「最新の技術を使って対応しないと、品質管理を怠っていたと見られかねない」（エポック社）と、消費者の厳しい視線を気に掛ける。各社は、生産委託先の中国の工場に対する監視も強化。バンダイは、生産を委託する約５０カ所の工場に、安全な材料を使っていることを示す証明書を提出させているが、これまで新製品の出荷前の１回のみだったのを、１０月から追加生産のたびに提出してもらうことにした。中国では経済成長に伴って人件費が高騰しており、委託先がコスト削減のために、無断で生産を下請けに出す恐れがある。毎回の証明書提出は、こうした再委託で「安全性が確保できなくなる」（バンダイ）ことへの歯止めの意味がある。また、担当者による工場の立ち入り検査の回数も大幅に増やすなど、安全確保に全力を挙げている。中国製玩具を巡っては、今年６月以降、鉛含有の恐れによる米玩具メーカーの自主回収が相次いだ。
ソニー<6758>・クリエイティブプロダクツによると、国内でも１５品目約５万８０００個が回収対象となった「きかんしゃトーマス」の売れ行きは、問題発生前の７割にとどまるなど、消費者不安の高まりが売り上げに響いている。
（毎日新聞）

△往復で２８万円、日航<9205>が羽田―上海線にファーストクラス
日本航空は２８日、羽田―上海（虹橋）線にファーストクラスを導入した。大型座席や旬の食材を生かした機内食などのサービスを提供し、企業経営者などの利用を見込む。使用機を中型のボーイング７６７型から大型の７４７型（ジャンボジェット）に替えたのに伴い、１便に１２席設けた。平日往復で２８万２９００円（税、燃油付加運賃別）とエコノミークラスの普通運賃より約１０万円高いが、予約で満席の便もあるという。羽田―虹橋線は、羽田空港発着で２路線目の定期的な国際チャーター便。９月２９日から、日航、全日本空輸、中国東方航空、上海航空の４社がそれぞれ１日１往復を運航している。

■堺市の南海電鉄<9044>線路にヘリ墜落、２人死亡
２７日午後３時５分ごろ、大阪府堺市堺区遠里小野町の南海電鉄高野線の線路上に、「大阪航空」（大阪府八尾市）所属の２人乗りヘリコプターが墜落、炎上し、同社操縦士の山本克彦さん（４０）（奈良県橿原市上品寺町）と、操縦士資格の取得希望者向けの体験飛行で乗っていた会社員山本一樹さん（４４）（神戸市灘区鶴甲）が死亡した。現場付近は住宅や工場が密集。周辺の民家など被害はなかったが、現場の手前約２キロ地点を電車が走行中だった。目撃者によると、ヘリは、機首を中心に水平に回転しながら、急降下。高野線の架線に引っかかった後、線路上に落ち、爆発音とともに燃え上がったという。大阪府警捜査１課は業務上過失致死容疑で捜査本部を設置。国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会も調査官３人を派遣し、墜落原因を調べる。

▼東電<9501>、０８年度は赤字転落へ…料金値上げ検討
東京電力は２７日、新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原子力発電所の運転停止や、原油価格高騰の影響で、２００８年度の費用負担が０７年度の当初見込みに比べ６０００億円程度増えるとの見通しを明らかにした。０８年度（０９年３月期）決算で赤字に転落することはほぼ確実となり、電気料金の値上げが検討課題として浮上してきた。東電の赤字決算は、第２次石油危機の際の１９７９年度以来、２９年ぶりだ。原油価格の国際的な指標である米テキサス産軽質油（ＷＴＩ）は現在、１バレル＝９０ドルを超える水準で推移しており、今後も高止まりが続く公算が大きい。関係者によると、東電は、柏崎刈羽原発の０８年度中の再稼働を絶望視している。火力発電の稼働を高めざるを得ず、運営コストがかさむほか、燃料費の高騰が費用負担を大きく押し上げる見込みだ。
（読売新聞）