10/24 朝の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△ワッツ<2735> 大幅高。
前日に発表した自社株取得枠の設定が評価材料となっているようだ。1500株、1.35億円を上限としており、上限株数は発行済み株式数の4.08％に相当する。併せて決算を発表しているが、07年8月期実績は従来予想にほぼ沿った数値となったほか、08年8月期の会社見通しについては四季報予想に近い数値となっている。

□花王<4452>---中間決算控えてもみ合い、メリルでプレビュー
中間決算発表を控えてもみ合い。前日のメリルのプレビューでは、中間期営業利益は会社計画の490億円、前年同期比16％減益に対して、552億円で同 6％減益と上ブレを予想している。ただ、想定以上の原料高を受けて、通期予想が上方修正される可能性は低く、むしろ下方修正のリスクも残ると考えているもよう。

□エイチアイ<3846>---資金の逃げ足早く
資金の逃げ足早く。60万円乗せで短期的な目標達成感もあったようだ。割り切りスタンスとは言え資金の逃げ足は早く、マイナスレンジに。僅か15分で10万円の値振れに。資金回転早く戻りも早そうだが。
（フィスコ）

△スタンレー<6923>が３日続落、中間期純益２５％増益と７期連続の過去最高益、５円の増配も材料出尽くし
スタンレー電気が３日続落、６５円安の２５８０円まで売られている。同社は２２日、今０８年３月期の９月中間期連結決算、増配を発表したものの、材料出尽くし感から売られた。純利益は前年同期比２５．３％増の１４５億７３００万円と７期連続の最高益で着地。これに伴い年間配当を３０円（前期は２５円）とした。中国を中心にアジアでの自動車向け製品や電子応用製品の受注が好調に推移した。同時に最大２００万株（発行済み株式総数の１．０６％）、５０億円の自社株買いを行う。取得期間は０７年１０月２３日～０８年３月１６日まで。

▼ベスト電<8175>が安い、今期利益予想を下方修正
ベスト電器が４日続落。一時２２円安の７９３円まで下げた。２２日に今０８年２月期利益予想を下方修正しており、嫌気売りが先行した。連結経常利益で４０億円から２０億円に減額。上期業績悪化が要因という。同時に発表した８月中間期連結決算では経常利益で４億５１００万円（前年同期比７７．２％減）を計上した。

△富フロンテク<6945>が戻り高値、業績予想、配当予想の増額が買い材料に
富士通フロンテックが３日ぶりに急反発。一時７５円高の１１３８円まで買われ、戻り高値を更新している。２２日に、今０８年３月期業績予想、配当予想を増額しており、買い材料となった。連結営業利益を９月中間期で２５億円から２９億８８００万円、通期で５０億円から５６億円に増額。国内外の金融システムおよびソフト・サービスの売上が好調だったという。業績上方修正に伴い、配当予想も年間１２円（中間、期末とも６円）から同１４円（同７円）に増配した。この日の出来高は１４万１７００株（前日の４万４７００株）と増加。大引けは伸び悩んだが、７月２４日の年初来高値１１８１円をうかがう動きとなってきた。

▼日ギア<6356>が東証２部値下がり率トップ、引き続き業績予想の下方修正を嫌気
日本ギア工業が急落、一時９２円安の５５５円まで売られるている。午後２時３５分現在、東証２部値下がり率トップ。１９日引け後に今０８年３月期の９月中間期、通期業績見通しの下方修正を発表、２２日はストップ（１００円）安まで売られ、きょうもその地合いを引き継ぐ展開。原子力関連のテーマ性を持った銘柄として人気化し、７月１２日には１３１０円の年初来高値を示現したものの、その後は上値の重い展開となっていた経緯がある。市場では「原子力関連のテーマ性も、やや買い疲れ感が高まっており、悪材料に敏感な反応を示す地合いに巻き込まれてしまった格好。当面は日柄整理が求められる局面となりそう」（地場関係者）との声が聞かれた。

△西友<8268>に６億８０００万株超の買い物、ＴＯＢ価格にサヤ寄せ、市場ではウォルマートは逆行と
西友（監理ポスト）が３０円ストップ高の１１７円でカイ気配。２２日引け後、米ウォルマート・ストアーズがＴＯＢ（株式公開買い付け）による同社の完全子会社化を発表。買い付け価格１４０円にサヤ寄せし、６億８０００万株超の買い物となっている。ウォルマートが西友を完全子会社化した背景は「日本の小売市場が長期的に成長する」（ウォルマート・シニアバイスプレジデントのブレッド・ビッグス氏）と見込んでいるため。ウォルマートはドイツ、韓国から相次ぎ撤退し、日本からの撤退も観測されていたが、西友の再建を軸に日本市場への積極姿勢を示した格好だ。ただ、ウォルマートの戦略には懐疑的な見方が大勢。「イオン <8267> など国内小売大手は海外市場への進出を視野に入れており、飽和状態にある日本市場に注力するウォルマートは逆行している」（小売株アナリスト）といい、国内小売企業への影響は限定的との声が多い。
（株式新聞ダイジェスト）

▼ＡＤワークス<3250>がストップ安、直近のＩＰＯ銘柄は軒並み安
先週末、ジャスダック市場に上場したＡＤワークス値幅制限の下限となる前日比3万円（15.15％）安の16万8000円まで下落してストップ安となると同時に初値（18万9000円）割れとなった。19日付けの日経新聞朝刊が「公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人（年金運用法人）は、2008年初めに中小型株に特化して投資する新しい資金枠をつくる。規模は1000億円程度で、新興市場に上場するベンチャー企業株も購入する」と報じて以降、市場では比較的時価総額の大きな新興銘柄を物色する動きが強まっており、直近のＩＰＯ銘柄に関しては物色の対象から外れた形となっている。
他、ナチュラム<3090>も前日比4万円（14.55％）安の23万5000円まで下落、アールエイジ<3248>が前日比5万円（14.29％）安の30万円まで下落して、両銘柄ともにストップ安を付けるなど、直近のＩＰＯ銘柄は軒並み安の展開となった。
（テクノバーン）

■有沢製<5208>中間決算～大幅な減収減益も計画はクリア
有沢製作所が２３日に発表した２００８年３月期９月中間連結決算は、売上高が１９９億円（前年同期比１８．４％減）、営業利益が１１億円（同４２．３％減）にとどまった。リアプロＴＶ用フレネルレンズの事業縮小を進めている最中で、前年同期比では大幅な減収減益となった。ただし、売上・利益ともに期初に想定した会社側計画はクリアしての着地で、営業利益は計画を３億円強上回った。携帯電話やＰＣなどに使われるフレキシブルプリント配線板（ＦＰＣ）用材料が、６月後半から回復したことが大きかった。通期の業績については、売上高４０５億円（前期比５．０％減）、営業利益２２億円（同１９．８％減）の期初予想を変更していない。ＦＰＣ用材料は例年通り１０月にピークを迎えるとの見方だが、１－３月の減速が想定よりもややきつくなると見ているようだ。リアプロＴＶ用フレネルレンズに関して、会社側は「市場の拡大はもはや考えられず、撤退も視野に入れている。止めるとすれば、今期いっぱいとなるだろう」と説明しており、今後は残された柱であるＦＰＣ用材料の動向が業績を大きく左右することになりそう。自国の材料を優先して使用する韓国では事業展開が厳しいと見て、今後は中国での展開に注力する考え。

□東宝<9602>の中間期は若干上ブレ、通期はほぼ予想通り
東宝が２３日発表した２００７年９月中間決算は、連結売上高が前年同期比４％減の１０５９億円、営業利益が３４％減の１１３億円、経常利益が３１％減の１２３億円、純利益も１６％減の６８億円と減収減益になった。前期に「ゲド戦記」など興行収入が７０億円を超えるヒット作が相次いだことの反動。しかし「劇場版ポケットモンスター　ダイヤモンド・パール　ディアルガＶＳパルキアＶＳダークライ」「西遊記」「映画ドラえもん　のび太の新魔界大冒険～７人の魔法使い～」などが好調で、期初予想は若干上回った。連結子会社のスバル興業の好調も寄与した。通期の連結売上高は前期比０．５％減の２０００億円、経常利益は１９．７％減の２０５億円と期初予想を据え置いた。ただ最終利益は２８．６％増の１００億円と期初予想を１０億円下回る。事業再編に伴う特損を計上するため。下期は９月公開の「ＨＥＲＯ」が貢献する見込み。同作品は公開後、１０月２１日まで４４日間の興行収入が７３億８０００万円に上っている。
（ラジオNIKKEI）

△ロケーションビュー、名古屋市も公開　アイディーユー<8922>
アイディーユー（大阪市、池添吉則社長）とアジア航測（東京・新宿，丸岡大祐社長）は10月23日、共同開発した360度ハイブリッドマップ「ロケーションビュー」の名古屋市撮影データを公開した。ロケーションビューは、街並みを全周囲画像で撮影し、デジタルデータ化したもの。従来の３Ｄマップ、衛星画像、航空写真などと異なり、実際の歩行者の目線で前後・左右・上下あらゆる方向の映像がインターネットで見ることができる。10月９日に東京23区を対象とした一般サービスが開始され、10月16日に大阪市撮影データを公開、今回が第三段となる。

△首都圏の住宅地・既存マンション価格は調整局面に　三井不動産<8801>販売
三井不動産販売は10月23日、10月１日時点の「リハウス・プライスリサーチ」を発表した。首都圏の住宅地・既存マンション価格動向を四半期ごとに調査しているもの。それによると、住宅地・既存マンションともに価格上昇基調は鈍化し、価格は調整局面に入ったとしている。07年第３四半期（７月から９月）の「住宅地」の状況は、前回調査時点（４月から６月）から0.5％上昇となった。上昇個所は前回の31から17に減少、下落個所は３から９へと増加し、引き続き上昇基調にはあるものの、上昇幅に一服感が見られる結果となった。「既存マンション」は、前回調査（４月から６月）から0.9％上昇となった。上昇個所は、前回調査の51から40に減少、下落個所は６から11に増加した。

△大阪市生野区で「ルイシャトレ巽東」分譲開始　ニチモ<8839>
ニチモは10月27日から、大阪市生野区で開発している「ルイシャトレ巽東（たつみひがし）」（全123戸）の第１期分譲を開始する。同物件は、大阪市営地下鉄千日前線「北巽」駅徒歩10分に立地。敷地面積は約4,430平方メートルで、鉄筋コンクリート造り地上10階建て。間取りは３ＬＤＫ・４ＬＤＫを中心とし、専有面積は63.55から81.13平方メートル。自走式・平面駐車場を100％設置している。第１期の販売戸数は20戸で、最多販売価格帯は2,800万円台。竣工予定は08年９月下旬となっている。

△２階建て賃貸住宅の新商品「クラヴィエ」発売　積水ハウス<1928>
積水ハウスは10月25日から、賃貸住宅シャーメゾンシリーズの新商品として「クラヴィエ」（２階建て賃貸住宅）を発売する。共用階段や廊下の形態によって「内階段スタイル」「外廊下シリーズ」「テラスハウススタイル」「重層テラスハウススタイル」の４つの建物形態を用意することにより、優れたプランニング力で様々な敷地条件と入居者ニーズに対応する。それぞれの建物形態について「ヨーロピアン・テイスト」「ジャパニーズ・テイスト」「モダン・テイスト」の３つのデザインテイストを提案。街並みとの調和を図り、付加価値の高い賃貸住宅を実現する。さらに、居住スタイルにおいても「シングル向け」「カップル向け」「ファミリー向け」の３タイプをそろえ、満足度の高い暮らしを提案する。価格は3.3平方メートル当たり39万円台から。販売目標は月700棟。
（住宅新報）

■みずほ<8411>銀が被害届＝伊豫商事融資金詐欺－岡山
岡山市の紙製品販売会社「伊豫商事」（破産手続き中）の融資金詐欺事件で、同社に計144億円を融資したとされるみずほ銀行が、融資の一部について岡山地検に被害届を出していたことが23日、分かった。伊豫商事には、同行を含む22金融機関が総額400億円近くを融資しているが、大半が回収できない見通し。岡山地検は同行の被害についても捜査を進める。また、同地検は23日、全国農業協同組合連合会（全農）が債務保証しているように装い、金融機関から融資金35億円をだまし取ったなどとして、詐欺や有印公文書偽造などの罪で伊豫商事専務大島敏昭容疑者（59）ら5人を起訴した。

△ユアサ<8074>と三井リース、業務提携＝建設機械分野で共同事業会社設立へ
ユアサ商事と三井リース事業は23日、建設機械分野で業務提携すると発表した。共同事業会社設立に向けて協議する。ユアサの持つ建設機械販売のノウハウと三井リースの金融機能を組み合わせて、競争力を強化するのが狙い。　

△宇部興<4208>、09年度から水系塗料材料PUDを生産＝英社から技術導入
宇部興産は23日、2009年度から塗料材料の水系ポリウレタン・ディスパージョン（PUD）を生産すると発表した。英化学メーカーのインダストリアル・コポリマーズ（本社ランカシャー）から技術導入し、国内に年産2000トン規模の量産工場を新設する。　

△コスモ石<5007>、UAEで日本語教育スタート＝小学校に講師派遣
コスモ石油は23日、原油取引などで関係の深いアラブ首長国連邦（UAE）で、来年度から日本語教育プログラムを開始すると発表した。UAEのアブダビ首長国の公立小学校に日本語教師1人を派遣する。　

□共同通信の後藤氏を起用＝TBS<9401>「ニュース23」メーンキャスター
TBSの「筑紫哲也NEWS23」のメーンキャスターに共同通信の後藤謙次編集局長（58）が起用されることが、23日分かった。筑紫氏はスペシャルキャスターとなり、大きなニュースがあった場合などに出演する。　

△住友ゴム工業<5110>、転がり抵抗半減のタイヤ開発
住友ゴム工業の三野哲治社長は23日、都内で開かれた東京国際自動車会議で講演し、転がり抵抗が標準的なタイヤに比べて半分のタイヤを開発すると表明した。欧州連合が二酸化炭素排出量を削減する規制を導入することなどを踏まえたもので、タイヤの燃費性能が10％改善する。三野社長は「かなりめどが立ちつつある。近い将来、実現できると考えている」と自信を示した。　

△新日石<5001>、ワシダ石油瓦斯の全株式取得＝LPガス特約店の経営改善で
新日本石油は23日、完全子会社であるENEOSフロンティアを通じ、新日石のLPガス特約店であるワシダ石油瓦斯（本社北九州市）の全株式を11月1日付で取得すると発表した。LPガス業界の競争が激化する中、出資特約店の経営改善を促すのが狙い。　

▼フジテック<6406>、08年3月期連結最終益24億円に下方修正
フジテックは23日、エレベーターの強度不足問題の影響で、改修工事費用を特別損失に計上するため、07年9月中間期と08年3月期の連結最終利益予想をそれぞれ11億5000万円（前回予想14億円）、24億円（同27億円）に下方修正した。　

△「アジアの最も称賛される企業」15社を発表＝英テレオス
ナレッジマネジメントや知的財産分野の市場調査会社、英テレオスは「アジアの最も賞賛される企業」（2007アジアMAKE）15社を発表した。このうち7社がインド、日本3社、韓国2社、オーストラリア、インドネシア、シンガポール各1社となっている。「アジアの最も賞賛される企業」トップには、サムスンSDSが選ばれた。その他、インドのインフォシス・テクノロジーズ、タタ・スティール、
本田技研工業<7267>、ソニー<6758>、トヨタ自動車<7203>やシンガポール航空など。これら15社は、アジア拠点の「フォーチュン500社」の上級管理者など、ナレッジマネジメント専門家からなる委員会により評価・選出された。
（時事通信）

△キリンビール<2503>神戸工場のビオトープ　最新工場に息づく“生命”
真っすぐに伸びたガマやフトイといった多年草が茂る湿地に、チョロチョロと注ぐ小川、水面にはコウホネやスイレンの葉が浮かび、池の向こうにはコナラやクヌギだろうか、雑木林が揺らぐ。少しひんやりとしてきた山の空気に包まれていると、自分が最先端のビール工場にいることをつい忘れてしまいそうになる。神戸市北区赤松台にある「キリンビール神戸工場」は、希少な生物の避難場所となるレフュジアビオトープを敷地内につくるなど環境への取り組みに力を入れ、着実に成果をあげている。六甲北有料道路の終点、神戸三田インターチェンジ（ＩＣ）から数分。かつては野山が続き、田畑が点在していた場所は、近代的な大型ショッピングセンターやアウトレットモールが建ち、周辺道路は車が長い列を作っていた。それを横目に車を走らせた。キリンビール神戸工場（キリンビアパーク神戸）は敷地面積約２４万７０００平方メートルで約４５０人が働き、年間３０万キロリットル（３５０ミリリットル缶で８億６０００万本）のビールを製造している。以前はＪＲ尼崎駅（兵庫県尼崎市）北側にあったが、平成９年５月に移転。今年で１０周年を迎えた。当初から取り組んできたのは自然環境に優しい工場。例えば原料となる麦芽の仕込みかすから家畜の飼料を作ったり、名刺の原料にする再資源化などで環境への負荷を減らす努力を続けている。その活動のシンボルとなっているのが「ビオトープ」。無料の見学会（要予約）に参加した。
ビオトープの中心は広さ約１７００平方メートルの池。小川から流れ込む水は、ビールを詰める前の缶を洗った水などを工場内で濾過（ろか）して使っているそうだ。小川や池の周囲には、茶色の穂をつけたガマなどが風にそよぐ。池の周りの杭（くい）は水面から１０センチほど出ているものもあれば、３０センチを超えるような長いものも。「ヤゴは杭をのぼって羽化しますが、種類によって好きな長さが違うそうです。どのヤゴにも優しいように、さまざまな長さにしてあります」と案内役の女性スタッフ。春から夏にかけては、クロスジギンヤンマやショウジョウトンボ、チョウトンボなど１０種類を超えるトンボが池から飛び立つという。
水面をのぞき込むと、メダカよりやや大きめの魚影が多数。スタッフが用意していた、魚を捕るための「もんどり」というカゴを沈め、数分後、１０匹ぐらいの小魚が入っていた。カワバタモロコだ。カワバタモロコは全長３～６センチのコイ科の魚。平野部の浅い沼や小川、用水路などで普通に見られる魚だったが、水場の減少や水質の悪化などでその数が減り、現在は環境省のレッドリストの「絶滅危惧（きぐ）ＩＢ類（近い将来絶滅の危険性が高い種）」に指定されている。ここでは、平成１４年５月に近くのため池で捕獲した約２４０匹を放流。今月、地元の県立三田祥雲館高校の生徒たちの協力で行った調査の結果、約２７００匹が生息していると推定されるという。同工場で生まれたカワバタモロコたちが、周辺のため池や小川で昔のように普通に見られるようになったら、そこは私たちにとっても居心地の良い場所になっているに違いない。

△シャープ<6753>、業界最薄のモバイル用ディスプレー
シャープは２３日、業界最薄となる厚さ０．６８ミリのモバイル機器用液晶ディスプレーを開発したと発表した。実用化され始めた有機ＥＬ（エレクトロ・ルミネッセンス）に対抗する狙いがあるとみられる。携帯電話やデジタルカメラなどのモバイル機器では現在、厚さ１．５～２．５ミリの液晶ディスプレーが主流。シャープは昨年、０．８９ミリの開発に成功したが、今回はガラス基板やバックライトのさらなる薄型化に取り組み、２．２型で０．６８ミリという薄さを実現した。来年以降、同社の携帯電話などの新商品に組み込みたい考えだ。モバイル機器用液晶ディスプレーをめぐっては、台湾の液晶パネル大手ＡＵＯが先週、１．９型で厚さ０．６９ミリの開発を発表するなど薄型化競争は激しさを増している。次世代ディスプレーとして期待される有機ＥＬがモバイル機器向けに搭載され始めており、液晶各社も薄型化を進めて対抗する戦略とみられる。
（産経新聞）