10/18 朝の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

△日産<7201>、独自ＨＶで専用車－２０１０年に第１弾
日産自動車は、２０１０年に発売する独自開発のハイブリッド車（ＨＶ）について、新しい名前の専用車にする考えを明らかにした。専用車の方がブランド訴求や車両の完成度が高まるメリットがある。
トヨタ自動車<7203>は現在、幅広い車種でＨＶを展開しているが、最初に市場投入した「プリウス」の販売台数が群を抜く。
ホンダ<7267>も０９年に発売する新型ＨＶは専用車。
日産は２社に比べＨＶ戦略で“慎重路線”を貫いてきたが、今後はディーゼルとともに、環境対応車の両輪と位置づける。日産が開発中のハイブリッドシステムは、高級車タイプの後輪駆動車（ＦＲ）。当初は「スカイライン」などへの搭載が有力とみられていた。ただ、同社幹部は「トヨタのプリウスの成功例は大いに参考になる」と、専用ブランドでの投入を念頭に置いている。現在、日産はトヨタからシステム供給を受けて北米で中型セダン「アルティマ・ハイブリッド」を製品化しているが、販売台数はごくわずかにとどまる。独自システムの第１弾は、新しい車名の方がマーケティング上もインパクトが大きいと考えているようだ。さらに設計など開発面でも専用車の方がパワートレーンと車体を仕上げやすい。とくに、日系メーカーでは初めてＨＶにリチウムイオン電池を採用するため、安全性の担保も考慮している。一方で、専用車の場合、最初は販売台数が限られるため、「コストとの兼ね合いで最終決定する」（同社幹部）考え。トヨタの０７年１ー８月のＨＶの車種別販売台数は、トップの「プリウス」が２位の「カムリ・ハイブリッド」の４倍以上で、依然圧倒的なブランド力を誇る。ホンダは「アコード・ハイブリッド」の生産を今年夏で中止。今後はＨＶを小型車中心に展開する方針で、０９年に発売する専用車で巻き返しを狙う。

■ニコン<7731>、フッ化アルゴン液浸露光装置の第２期増強計画を先送り
ニコンは次世代半導体製造に用いるフッ化アルゴン（ＡｒＦ）液浸露光装置の生産の第２期増強計画を先送りした。ＡｒＦ液浸露光装置の市場が自社の予想より緩やかに立ち上がっていると判断した。熊谷製作所（埼玉県熊谷市）では現在、０８年３月末までに年４０台の生産体制を敷く能力増強計画を進めている。工場棟の新設を含めて生産能力を同６０台に引き上げる第２期増強計画の意思決定は０８年に先送りする。チップ上の回路線幅が４５ナノメートル（ナノは１０億分の１）まで微細化した次世代半導体では、レンズとウエハーの間を純水で満たして露光するＡｒＦ液浸露光装置が必要になる。だが、「液浸露光と従来のＡｒＦドライ露光装置とのすみ分けがどのように進むかを見極めたい」（ニコン）としている。このため、０９―２０１０年までの次世代半導体の市場状況を見ながら、０８年中にＡｒＦ液浸露光装置の第２期増強計画を決める。現在、熊谷製作所で進めている増強計画では、当初計画した年３０台を上回り同４０台までの増産が可能となったため、当面の手充てはついている。液浸露光では、感光剤（レジスト）の成分が純水中に溶け出し回路パターンに影響を与えることが懸念されている。これを防ぐのが保護膜が不要な感光剤（トップコートレス・レジスト）。半導体メーカーがトップコートレス・レジストの性能を十分に把握するのは次世代半導体製造が本格化する０８年以降とされる。ニコンではその時期に第２期増強計画を進める。

△ＭＳ、ＵＣソフト４種を発売－在席情報やウェブ会議など
マイクロソフトは１７日、統合コミュニケーション（ＵＣ）ソフト製品群を１１月から順次国内発売すると発表した。既存のオフィス製品などに音声やビデオ、会議、プレゼンス情報（在席情報）などを提供する「オフィスコミュニケーションサーバ（ＯＣＳ）２００７」や３６０度の全方位カメラを利用した会議用電話システム「ラウンドテーブル」など４製品。「部門の壁を越えホワイトカラーの生産性向上を図る」（樋口泰行代表執行役兼ＣＯＯ）ためのコミュニケーション基盤を提供する。ＵＣの普及に向けては構内交換機（ＰＢＸ）、ソリューション、デバイスの３分野でパートナー制度を発足。各分野で高いシェアを持つ主要ベンダー２０社以上が参加し、ＵＣ対応の新製品やサービスを発表した。
ＰＢＸはＮＥＣ<6701>、沖通信システム（沖電気工業<6703>）、富士通<6702>、日立<6501>コミュニケーションテクノロジー、日本アバイアなど８社。
ソリューションは日本ユニシス<8056>、大塚商会<4768>、三井情報<2665>など９社。デバイスはポリコムジャパン、日本サムスンなど７社と組む。発表会には日産自動車の行徳セルソ執行役員最高情報責任者（ＣＩＯ）が出席。ＯＣＳの先行導入企業として「当社が描くＩＴ基盤の標準化のアーキテクチャーにシームレスに統合できる」と導入の狙いを語った

△キヤノンＭＪ<8060>、コンビニ向け複合機を拡充－ローソンに新機種
キヤノンマーケティングジャパン（キヤノンＭＪ）は１７日、コンビニエンスストア向けを中心としたセルフサービス用の複合機（複合コピー機）事業を拡充すると発表した。
大型操作パネルや７カ国語による表示、音声ガイダンス機能などを備えたキヤノン<7751>製の新機種「Ｓ３５００」を投入。サーバ経由の文書出力やファクス送受信、デジタルカメラで撮った写真のプリントなどにも対応させる。３年間で新規に３００億円、約１万９０００台の販売を目指す。Ｓ３５００をベースにしたローソン向けモデルを１１月中旬から全国８６００店舗に順次納入する。官公庁やホテル、インターネットカフェなどの市場も開拓する。
これまでローソン<2651>やミニストップ<9946>などに約１万２０００件の納入・稼働実績がある。
新機種投入でキヤノンＭＪ調べで首位の富士ゼロックス（富士フイルムＨＤ<4901>）（１万４５００件）と２位のシャープ<6753>（１万２５００件）を追撃する。

△ダイキン工業<6367>、社有車にバイオ燃料利用－１２台の運用で開始
ダイキン工業は社有車のバイオ燃料利用に乗り出した。大阪府の「Ｅ３（バイオエタノールを３％混合したガソリン）実証事業」に参加申請し、今月から社有車１２台の運用を開始。年内をめどに２２台に引き上げる。０８年以降はＥ３給油所の増加に合わせて、台数を拡大していく。地球温暖化対策に役立つ燃料の利用を通じて、従業員の環境意識の浸透を図る。ダイキンは主力の空調機器の省エネ性追求や冷媒であるフロンの回収、生産・物流での二酸化炭素（ＣＯ２）排出量削減などの環境活動に取り組んでいる。バイオ燃料活用は今まで着手しておらず、社有車に利用すれば従業員の環境啓発に効果があると判断して運用に着手した。１２台の内訳は臨海工場（堺市西区）と金岡工場（同北区）で構成される堺製作所で１０台、保守などのアフターサービス拠点の堺サービスステーション（同西区）で２台。堺製作所はさらに１０台を申請予定で、バイオ燃料の利用を拡大する。

△住友重機<6302>、騒音減らし小型の平行軸ギアモーターを１１月発売
住友重機械工業は１７日、減速機のインボリュートギアを採用した平行軸小型ギアモーターを完成、１１月１日に発売すると発表した。モーター出力は０・１キロワット、０・２キロワット、０・４キロワットの３タイプあり、価格は０・２キロワット品で２万５９００円。初年度６０００台の販売を見込み、３年後までに年間１万台を目指す。０・１キロワットタイプは、製品の全長が２１・５センチメートルと小さく、騒音も同社従来品よりも２０デシベル減らし５５デシベルを実現。高剛性の筐体を採用し、減速比２０の場合で同２０％高い１４２０ニュートンメートルの許容ラジカル荷重（軸にかかる垂直荷重）を達成した。減速比は０・１キロワットの場合、３―２００まで可変できる。密封性能が高いオイルシートを採用し、信頼性を向上。小型コンベヤー、食品機械、包装機械、化学機械など幅広い用途を見込んでいる。

△フェローテック<6890>、単結晶引き上げ装置を強化－中国で５割増産
フェローテックは太陽電池セルの基板となる単結晶シリコンの、インゴット引き上げ装置事業を拡大する。近く中国での現地生産を５割増やすとともに欧州、韓国で販売を始める。世界的な太陽電池市場の広がりに伴い、製造工程の最も川上にあるインゴット引き上げ機は大型化が求められている。同社の装置は８インチ径で１３５キログラムの大型インゴットが全自動成形でき、世界の電池メーカーに売り込む。フェローテックは中国・上海にある全額出資子会社の上海漢虹精密機械でインゴット引き上げ機を製造し、これまで中国に１００台以上、日本に約５０台納入した。このほど、上海の展示会を通じて約１５０台を新規受注したことから、現在の月産２０台を近く同３０台に高める。数年後には同１００台規模を狙う。韓国、欧州での営業活動は当初は両地域にある他分野の現地法人を拠点に、日本からの出張ベースで行う。

△ＳＨＯＥＩ<7839>、茨城・岩手工場の高級ヘルメット塗装ラインを増設
ＳＨＯＥＩは０８年に、茨城工場（茨城県稲敷市）と岩手工場（岩手県藤沢町）に２輪車向け高級ヘルメットの塗装ラインを増設する。生産能力を茨城では約２０％引き上げ、岩手でも同等程度を目指すとみられる。総投資額はおよそ２億５千万円の見通し。欧州市場へ０６年に投入した新型ヘルメットの受注増や、東欧やブラジルなど新興国への販売拡大に対応する。ＳＨＯＥＩは来春をめどに茨城工場の敷地内にヘルメットの塗装ラインを２本設け、日産７４０個から９００個に増やす。工場を新たに建設する計画はなく、既存の工場内や工場の一部増設で対応する。主力の岩手工場は来春以降に設備を増強する。工場敷地内の倉庫などを活用して、塗装ラインを増やす。同工場は、従業員を増やして約１０％増の日産１５００個体制を敷いたばかりだが、一層の生産拡大が必要と判断した。

△ＮＴＮ<6472>、ＣＶＪとハブベアリングのユニットを普及車向けに提案
ＮＴＮは、低価格小型自動車向けに等速ジョイント（ＣＶＪ）とハブベアリングをユニット化した「Ｖシリーズ　ハブジョイント」を開発した。組立工数の削減につながり、低価格車で新興市場を狙う自動車メーカーに提案。ＣＶＪとハブベアリングを組み合わせた商品では、世界初の量産化を目指す。２０１１年に年４０億円の販売目標を掲げる。東京モーターショーに出展する。ＣＶＪとハブベアリングの接合部分には、新方式「プレスカット接合」を採用。ＣＶＪ外輪軸の外径に凹凸溝を形成し、ハブベアリングの円筒内径部に溝を成形しながら圧入して接合する。これで、がたつきと接合面で発生する異音をなくした。ハブベアリングを新形状として、従来のＣＶＪとハブベアリングの組み合わせに比べ約１２％軽量化した。別メーカー同タイプの車種間でも部品の共有ができるようにした。一体型と補修時に分離・再接合ができる分離型の２種類を用意する。

△電気化学工業<4061>、高電力半導体向けセラミックス基板を増産
電気化学工業は鉄道駆動車両や工作機械などに使う高電力半導体向けセラミックス基板の生産能力を２０１０年度までに現在比２倍に増強する。熱を逃がす放熱特性に優れる点が評価され、ＢＲＩＣｓ（ブラジル、ロシア、インド、中国）を中心に採用が拡大しているため。十数億円を投じて大牟田工場（福岡県大牟田市）の同基板製造棟を増設する。２０１０年度までにセラミックス基板の売上高を０７年度見込み比約７割増の１００億円を目指す。電気化学が手がけるセラミックス基板は鉄道車両などのモーターやインバーター向け高電力半導体に使用される。制御部品が搭載される回路基板「窒化アルミ基板」と、回路基板の下に敷いて熱を逃がす放熱基板「アルシンク」があり、同社は基板を主に電機メーカーに納めている。アルシンクは世界のほぼすべての鉄道駆動車両に採用されており、新興国での鉄道網の発達に伴い需要が年率１０％の成長を遂げている。

△九州大日精化<4116>、非カーボンで着色可能な帯電防止コンパウンド完成
九州大日精化工業は、非カーボン素材の持続性帯電防止コンパウンドを完成した。摩耗によるカーボンの粉落ちがなく、自由に着色ができる。ペレット状で２５キログラム袋に詰めて販売する。カーボンを含有する導電性プラスチック材料に比べて価格は１キログラム当たり２００円高くなる予定。初年度は１億円の売り上げを見込んでいる。柱力事業として育て、５年以内に売り上げ高を１０億円まで引き上げる方針だ。対応色はさまざまで、「色付けにより電子部品の識別に役立つ」（真野社長）。粉落ちによるプラスチックトレーなどの廃棄量も減り、「ロスも少なくなる」（同）。九州地域に集積する半導体業界や自動車業界向けに販売を強化する。

△日本ロジテム<9060>、来春めどタイ―ベトナム間で定期トラック便を運行
日本ロジテムは来春までにタイ―ベトナム間の定期トラック輸送を始める。タイとベトナムの物流拠点を活用して貨物を集荷し、チャーター便と並行して定期トラック便を運行する予定。これにより、タイ・バンコク―ベトナム・ハノイ間で船便で１２日間かかる貨物を３日程度に短縮できる。今後、海上輸送の約２倍のトラック運賃をどこまで圧縮できるかを詰めていく。日本ロジテムはタイ―ベトナム間の輸送貨物を一時保管するため、中間点のラオス・サバナケットで保税倉庫業免許を持つ物流会社、グローバルロジスティクスを９月に買収した。またグローバルロジスティクスの社名を「ロジテムラオス」と改め、営業を開始したことからタイとベトナムで物流事業の営業活動を本格化する。

△スギ薬局<7649>、化粧品・ヘアケア分野のＰＢで高価格帯に参入
スギ薬局が化粧品・ヘアケア分野で、プライベートブランド（ＰＢ）としては異例の高価格帯へ参入、商品開発に力を入れている。今秋立ち上げたＰＢ「エス・ルミエ」は、シャンプー６００ミリリットル入り７９８円。大手メーカーが激戦を繰り広げる高価格商品と同じ土俵に乗せる戦略に出た。小売りのＰＢといえば、大手メーカー品より価格を低く設定するのが通例。だが美容に関するものは「安いと逆に手にとってもらえない」（広報担当）と、美容院向け製品の専門メーカーと組み、サロン向け並みの品質を打ち出している。大々的な広告宣伝をせず、目につく場所に商品を並べ、店頭のＰＯＰや店員の声かけで顧客に訴求する。今後０８年３月期末までに、現７品目を１８品目に増やす計画だ。

△スリーエフ<7544>、生鮮コンビニの出店加速－安定供給にめど
スリーエフは生鮮品などの品ぞろえを強化したコンビニエンスストア「キュウズマート」の出店を加速する。生鮮品の調達ルートを産地直送に切り替えるとともに、産地から店舗までの冷蔵物流体制を構築した。これにより量・質両面で安定供給が可能となったことから、今後、店舗の本格展開に踏み切る。年間１０店舗をめどに店舗開発を進める考えだ。キュウズマートは０３年から試験展開しており、現在（８月末時点）の店舗数は東京都・神奈川県で計２３店。これまで生鮮品の仕入れは市場（市場取引）からだったが、本格展開に向けて契約産地との直接取引（市場外取引）に切り替えた。スリーエフでは取引形態の見直しに伴い、相場に左右されずに一定の価格で安定供給が可能になるとみている。また「産地や生産者の“顔”が見えるため食のトレーサビリティー（履歴管理）を徹底でき、安全・安心のニーズにも対応できる」としている。

△三井住友<8316>銀、中小向け環境優遇融資の対象を２０規格に拡大
三井住友銀行は中小企業向け環境優遇融資「ビジネスセレクトローンＥＣＯ」の適用範囲を拡大する。これまで環境管理・監査の国際規格「ＩＳＯ１４００１」や環境省の「エコアクション２１」など２規格の認証取得企業を融資対象にしていたが、自治体やＮＰＯ法人が運営する環境マネジメントシステム規格の認証取得企業にも拡大。融資対象要件を計２０規格とした。ここまで適用範囲を広げるのは大手行では初めてという。適用範囲を拡大することなどで環境優遇融資を強化・拡充し、０７年度は同ローンで３００億円程度の融資実行を目指す。同融資は貸出金利を通常金利より最大０・５％優遇するなど、環境配慮型経営に取り組む中小企業を支援する目的の商品。融資額は最大５０００万円で、期間は最長５年。運転資金や設備資金といった環境配慮につながる事業資金を融資する。
（日刊工業新聞）

△ジーエヌアイ<2160>　炎症に関連する重要な新規制御因子を同定
バイオ創薬ベンチャーのジーエヌアイは１７日引け後、子会社の上海ジェノミクスが、炎症を制御する上で重要な新規制御因子を同定したと発表した。同社によれば、ＴＮＦ／ＮＦ－кＢシグナル伝達系は、炎症、免疫応答、プログラム細胞死を制御する上で重要な役割を果たすという。そのシグナル伝達系の鍵分子であるＮＦ－кＢの異常な活性化は炎症や自己免疫疾患をもたらすことから、製薬会社はこうした免疫に関連した疾患の治療薬を開発するために、長い間ＴＮＦ／ＮＦ－кＢシグナル伝達系をターゲットにした研究を進めてきた。今回、鍵分子であるＮＦ－кＢの新たな活性化因子の同定により、ジーエヌアイでは新たな創薬ターゲットを獲得したことで、関節リウマチや炎症性腸疾患など炎症系疾患の新規治療薬の開発につながるものと期待されている。なお、研究成果は、医学・生物学系の学術雑誌であるＢｉｏｃｈｉｍｉｃａ　ｅｔ　Ｂｉｏｐｈｙｓｉｃａ　Ａｃｔａ（ＢＢＡ）の１１月号に掲載予定で、オンライン（http://dx.doi.org/10.1016/j.bbagen.2007.07.010）では既に公開されている。
（証券日刊新聞）

△第３のビール「香り」勝負　キリン<2503>が新商品　各社、若年層狙う
ビール各社が香りを重視した第３のビールに力を入れ始めた。香りという新しい感覚を強調することで、ビール離れが進む若年層を呼び戻すのが狙いだ。
キリンビールは１７日、香りと発泡感が特徴の第３のビール「キリンスパークリングホップ」を発売した。ニュージーランド産と国産のホップを配合することで、これまでにない香りに仕上げたという。また、強めの炭酸による刺激感も味わえるようにした。第３のビールとしては初めて小瓶も投入し、カラオケ店など若者がお酒を楽しむ場などに売り込む。キリンビールの田村潤副社長は、ビール需要が盛り上がる１２月を控え、「新商品で（国内ビール関連市場の）総需要を拡大させたい」と意気込む。
サッポロ<2501>ビールも香りと発泡性にこだわった第３のビール「サッポロ　ドラフトワン　スパークリングアロマ」を１２月５日から期間限定で発売する。ニュージーランド産の希少なホップ「ネルソンソーヴィン」を使用し、白ワインのような華やかな香りが特徴。香りと発泡感で、スパークリングワインを飲む感覚で味わうことができるため、年末年始のパーティー需要にターゲットを絞っている。
アサヒビール<2502>が２日に季節限定で発売した第３のビール「アサヒぐびなま。冬のやわらかホップ」は、香りが特徴のファインアロマホップを全体の６割とぜいたくに使用したふくよかな香りが特徴だ。
サッポロ、キリンが発泡性による刺激で売り込むなか「やわらかな味わいが冬にぴったり」（広報部）とアピールする。第３のビールは、家庭でお酒を楽しむ人の増加を背景に市場を拡大してきた。従来のスッキリとした飲み口の商品に加え、ビールに近いコクや飲み応えを追求した商品も登場している。今の若年層はカクテルやチューハイといった低アルコール飲料を好む傾向が強いだけに、香りを前面に出すことで、これらの層の需要を喚起できる可能性がある。メーカー側はすでに「スッキリ系、コク系に次ぐ第３のビールの３つ目の商品群になる」（キリン）と期待する。このため売れ行きによっては、各社が通年商品を相次ぎ投入する可能性も出てきそうだ。

△お歳暮商戦始まる　高島屋<8233>が受注センター設置
百貨店のお歳暮商戦が早くも始まった。売上高業界一の高島屋は１７日、各店舗に受注センターを設置した。お歳暮は法人や仕事関係の需要が減る一方、身近な家族や知人へ贈るプライベートギフト化が進んでいる。各社は高価でも良質でこだわりのある商品や、ヘリを貸し切る豪華宿泊プランなどを用意し、消費者の嗜好（しこう）に応えようと、あの手この手を尽くしている。（田村龍彦）
高島屋は日本橋や新宿など全国１４店舗でお歳暮の受注を始めた。業界では最も早い滑り出しだが、内野幸夫・新宿店店長は「各社のカタログを見比べた上で、お店でじっくり選びたいという人が多い」と、先陣を切って受注に乗り出した理由を説明する。背景には以前の贈り先は法人や仕事関係が多く、贈ること自体が目的だったが、個人から個人へ贈るケースが増え、消費者が品物選びにこだわり始めたことがある。同社関東エリアでは昨年、法人向けの定番で、売上高上位の常連だった「和酒・ビール」が順位を落とす一方、「洋菓子」が１位に躍進した。このため、新宿店では前年より約１万部多くパンフレットを作成し、カード会員に送るなど、個人客の掘り起こしを図っている。品ぞろえについても「ぜいたく少量」ギフトとして「とらふぐ刺身」（１万５００円）などを用意。景気の回復に加え、高齢者や団塊世代を意識しており、「少量でも良い物、おいしい物が食べたいというニーズに応えた」（同社）という。
お歳暮を自分や家族で楽しむというケースも増えている。ミレニアムリテイリンググループ（セブン＆アイＨＤ<3382>）の西武百貨店とそごうは「至福の鍋」と題し、「京の湯豆腐セット」（５２５０円）、「氷見の海鮮と越中うどん鍋」（１万５００円）などを展開、今年は前年より６種類増やした。グループ広報は「お取り寄せ感覚のお客さまが多い。お土産として購入し、年末に実家に帰って家族で鍋を囲むケースもある」と話す。
三越<2779>は「究極のパーソナルギフト」として、貸し切りヘリコプターで東京の夜景を眺めた後、レストランで食事を楽しむセットプラン（２７万３０００円）も売り出す予定だ。個人の需要が増えることで、平均単価は上昇しており、各社とも前年比増の売り上げを予想している。いかに魅力ある品ぞろえで他社と差別化するかが、勝敗のカギになりそうだ。

△東京ガス<9531>　ガス・パッ・チョ！新ＣＭきょうから
東京ガスは１７日、俳優の妻夫木聡さんがガスの魅力を伝えるテレビＣＭ「ガス・パッ・チョ！」の最新ＣＭを１８日から放映する。新ＣＭでは２５日から発売するダッチオーブン付きグリルの商品性を訴求。「オール電化」で調理分野に切り込みを図る最大のライバルである東京電力に対抗する。新ＣＭは、俳優のピエール瀧さんふんする織田信長が、２５日発売のグリル「ピピッとコンロ　プラス・ドゥ・グリレ」で作る妻夫木さんの料理に感動し「本能寺」に戻るというストーリー。プラス・ドゥ・グリレは２６センチのグリルで、パン、ケーキ、１０インチのピザも焼くことができる。価格は２６万７７５０円。東ガスは火力に優れたガスを使ったグリルの使い勝手を訴え、「ＩＨクッキングヒーター」で攻勢をかける東電との差別化を進める考えだ。
（FujiSankei Business i）