10/17 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

▼都築電<8157>軟調、最終損益予想を下方修正
都築電気が軟調。同社が１６日引け後に、２００８年３月期の連結業績予想を下方修正したことなどが嫌気されている。通期の最終損益予想はこれまでの１３億円の黒字から８億５０００万円の黒字に引き下げられた。役員退職慰労引当金の計上に伴う特別損失発生のためと同社では説明している。

△ゴメスＣ<3813>が大幅高、07年1―9月期の好業績を評価
ゴメス・コンサルティングが大幅高となっている。１６日に発表した２００７年１―９月期決算（単体）で経常利益が前年同期比４５．３％増の１億６７００万円と好調だったことを評価した。銀行や証券会社向けのウェブサイト分析事業が好調だったことなどが寄与した。

△ティアック<6803>しっかり、中間期業績予想を上方修正
ティアックがしっかり。同社が１６日引け後に中間期の業績予想を上方修正したことなどが材料視されている。連結経常利益予想はこれまでの１億円から３億円に引き上げられた。借入金返済による金融費用の減少や、たな卸廃棄損の発生が見込みよりも少なかったという。

▼文教堂<9978>がさえない、07年8月期予想を下方修正
文教堂がさえない。２００７年８月期の連結決算予想について、経常利益を５億円から２億４９００万円に下方修正したことを受け、売り優勢となっている。

▼アコム<8572>軟調、日興シティが目標株価を2050円に引き下げ
アコムが軟調。日興シティグループ証券が、同社の目標株価をこれまでの２５９０円から２０５０円に引き下げたことなどが材料となっている。投資評価は売り／高リスクを継続。日興シティでは業績予想の下方修正とセクター全体のリスク上昇を、目標株価引き下げの理由として挙げている。

△アールエイジ<3248>の初値は28.6万円、寄り後にストップ高
１５日にマザーズ市場に上場し買い気配で値付かずとなっていたアールエイジが公開価格７万円に対し約４倍の２８万６０００円で初値を付けた。寄り後は値動きの良さから短期資金主導で上値追いとなり、９時３７分現在、ストップ高水準の３２万６０００円買い気配となっている。

△ヤフー<4689>が買い優勢、米ヤフーの予想上回る決算受け
ヤフーが買い優勢となっている。米ヤフーの予想上回る決算を受け買いを誘った。米ヤフーが１６日発表した第３・四半期決算は、企業のオンライン広告減少などで小幅減益となったものの、売上高がアナリストの事前予想を上回ったほか、２００７年通期の業績見通しに楽観的な見方を示した。同社株は時間外取引で１０％上昇した。

△ＷＤＩ<3068>が堅調、07年9月中間予想を上方修正
ＷＤＩが堅調な値動き。１６日に発表した２００７年９月中間業績予想の上方修正を好感した。連結経常利益は従来予想の２億０７００万円から２億７０００万円、連結純利益は５８００万円から１億０２００万円に増額した。出店の遅れにより開業費用の計上が予想を下回ったためとしている。

△コスモ石油<5007>がしっかり、中間期上方修正と原油高を好感
コスモ石油がしっかり。１６日に２００７年９月中間期連結決算予想について、経常利益を４２０億円から４９０億円に上方修正したことと、原油価格が引き続き高くなっている点が好感されている。

△旭化成<3407>買い気配、中間期営業益が18％増との報道
旭化成が買い気配。１７日付日経新聞朝刊で、同社の中間期連結営業利益が前年同期比１８％増の６００億円程度になったようだと報道されたことなどが材料となっている。従来予想は５６０億円。合成樹脂の原料となるアクリロニトリルの市況が高騰して採算が改善したほか、リチウムイオン電池用微多孔膜などの販売も好調で、化学部門が収益を押し上げたと報道では伝えている。

▼コクヨ<7984>が売り気配、07年12月期連結利益予想を下方修正
コクヨが売り気配。１６日に２００７年１２月期の連結利益予想を下方修正したことを嫌気している。０７年１２月期（決算期変更により９カ月決算）の連結売上高予想は２５０４億円で据え置かれたが、連結営業利益は従来予想の５７億円から２１億円、連結経常利益は５９億円から２２億円、連結純損益は２億円の黒字から４９億円の赤字にそれぞれ引き下げられた。原紙や樹脂など原材料が高騰しているほか、価格競争やシェア争いの激化により、売上高総利益率が低下したという。また繰延税金資産の一部を取り崩すため法人税等調整額を約１７億円計上することも利益圧迫要因となる。現時点では年間配当は当初予想通り１１円２５銭を実施する予定としている。
（ロイター）

△日産自<7201>：専門の訓練受けた販売員・整備士配備の店舗設置へ－160カ所
仏ルノーと資本・業務提携関係にある日産自動車は17日、国内販売店のうち、専門の教育・訓練を受けた販売員と整備士を配備した店舗を「日産ハイパフォーマンスセンター」とすると発表した。現在 2400店舗あるが、このうち160カ所を選ぶ。「ＧＴ－Ｒ」の導入に合わせて設置する。

△半導体関連株が高い、米インテルが強気の業績見通し－先行き安心感
東証１部の値下がり銘柄数が1000近くとなる中、ニコン<7731>や東京精密<7729>などの半導体関連株の一角が堅調。16日の米国の取引時間終了後に、半導体最大手インテルが市場予想を上回る業績見通しを発表したことを受け、半導体業界の先行きに対する安心感が広がった。午前10時現在のニコンの株価は前日比20円（0.5％）高の3950円、東京精密は同80円（３％）高の2750円。インテルは16日、第４四半期（2007年10－12月）売上高見通しを105億－111億ドルと発表した。ブルームバーグ・ニュースがまとめた担当アナリストの平均予想値は104億ドルだったため、これを上回る好内容。これを受けてインテルの株価は時間外取引で上昇し、一時は通常取引の終値比1.5ドル（5.8％）高の26.98ドルまで買われた。通常取引終値は25.48ドル。インテルのオッテリーニ最高経営責任者（ＣＥＯ）は、需要好調で第３四半期は値下げを回避できたと説明。アンディ・ブライアント最高財務責任者（ＣＦＯ）は「第３四半期の需要は力強いものだったし、第４四半期も堅調が続くだろう」と述べた。米サブプライム（信用力の低い個人向け）ローン問題による個人消費の低下懸念から、パソコンの需要期となる年末商戦の苦戦が警戒されていたが、インテルの売上高見通しでこうした懸念が和らいだ格好となった。

▼三洋電<6794>株が大幅続落、半導体事業の売却を白紙撤回－計画頓挫に失望感
三洋電機の株価が大幅続落。売却予定だった半導体事業について同社は17日朝、今後も事業を継続すると発表した。売却計画の断念で、今後のリストラ進展を懸念する売りが先行している。この日は売り気配でスタート、午前９時40分までに前日比15円（7.7％）安の181円まで下げた。三洋電は発表文で、「半導体事業は売却せず、基幹事業として育成する方針」と明記。11月末に発表予定の新しい中期経営計画には、同事業売却が構造改革の目玉の１つとして盛り込まれるはずだったが、これを白紙撤回する。　　広報担当の大岩明彦氏は、「事業価値に見合う価格以下での売却するつもりはない」としている。同時に事業継続に当たり、「今後も顧客に対して安定した製品供給を行う」との姿勢を発表文では明確化した。売却話が表面化して以来、従業員や取引先の間で広がっていた動揺を払しょくすべく、供給者責任を果たすとの意志を示した。今回の方針転換について、三菱ＵＦＪ証券の石野雅彦アナリストは「計画していたことができなくなった点は、当然ネガティブ」としつつも、売却話の白紙撤回は「これでやっと営業ができるので、ポジティブな話」（同氏）とも指摘した。方針が明確になったことで、顧客の三洋電離れに歯止めがかかり、事業が安定を取り戻す可能性に一定の評価を与えている。同事業の収益は、前期（2007年３月期）は通年で40億円の営業黒字を確保した。ただ四半期ベースでは、07年１－３月期と４－６月期に赤字となり、採算が悪化している。今期は通期で50億円の黒字を目標とする。17日付日本経済新聞は、売却に向けて交渉していた投資ファンドのアドバンテッジバートナーズが、見込んでいた買収資金の調達が困難になったと伝えた。アドバンテッジは、８月の入札時に買収額として1100億円を提示したが、米信用力の低い個人向け住宅融資（サブプライムローン）問題で国内外の金融機関が融資に慎重になったことが影響した、としている。

△鉱研工<6297>株が急騰、海外案件前倒しで中間期は黒字を確保－収益性も改善
工事用掘削機器大手、鉱研工業の株価が急騰。一時は前日比56円（20％）高の332円まで買い進まれ、今年８月１日以来の高水準に回復した。アルジェリアでの地質調査案件が想定より早く売り上げ計上できるとして、16日の取引終了後に2007年９月中間期の連結業績予想を増額修正した。連結純損益が従来予想１億1200万円の赤字から5000万円の黒字に浮上することとなり、業績に対する安心感から投資家の買いが入った。午前10時現在の株価は、同16％高の321円で、ジャスダック市場の上昇率ランキングで１位。出来高は既に19万9800株に達しており、過去５営業日の平均出来高（終日ベース）４万760株の4.9倍に相当する。鉱研工が16日の取引終了後に公表した９月中間業績予想の修正によると、本業のもうけを示す連結営業損益は１億300万円の黒字が確保できたもよう。これまでは2000万円の赤字とみていたため、１億2300万円の上方修正となる。アルジェリアの高速道路建設に絡むボーリング工事が上半期に計上できるようになったことで２億6000万円の増収要因が働いたほか、「海外の民間需要が強く、工事施設やボーリング機器などの収益性が想定より良かった」（取締役管理本部長の大谷幸彦氏）という。08年３月通期の業績見通しについては、国内公共工事が減少している影響を見極めたいとして、従来予想を据え置いた。

▼信越ポリ<7970>株が急落、競争激化で携帯ボタン単価安－中間営業減益
塩化ビニール樹脂の加工販売などを行う信越ポリマーの株価が売り気配で始まり、197円（16％）安の1001円で寄り付いた。競争激化を背景に主力の携帯電話ボタンの販売価格が低下していることから、同社は前日16日に2007年９月中間期の業績予想を減額修正した。収益性の低下により、業績の先行き不安が高まっている。売買高もすでに55万株を超え、10 月に入ってからの１日当たり平均41万株をすでに上回る。連結営業利益は従来予想の65億円に対し、前年同期比17％減の54億円と、一転して減益に陥ったもよう。前年同期は60億6800万円だった。同社は携帯電話のキーパッドを手がける。昨年から中国や台湾の企業が相次いで市場に参入したため価格競争が激化しており、同社の中間期の販売価格は前年同期と比べて約３割低下したという。　　広報・ＩＲ担当の塚田研一郎氏は、「顧客からの要請で販売価格を下げざるを得なかった。前期は少なかったＢＲＩＣＳ諸国向けの数量が伸びていることも、価格低下につながっている」と話していた。一方、通期（08年３月期）予想は据え置いた。連結営業利益は前期比11％増の132億円の見通し。ただ、ブルームバーグ・プロフェッショナルに登録されたアナリスト５人の平均予想値は128億8000万円と、下振れが見込まれている。同社は今月25日に中間期の決算を発表する予定。「今後の対応は決算発表までに検討したい」（塚田氏）としていた。ブルームバーグ・プロフェッショナルによると、メリルリンチ日本証券は 16日付で目標株価を2100円から1700円に下方修正した。投資判断は「買い」を据え置いた。
（ブルームバーグ）

△三井物産<8031>---強含み展開、原油価格上昇のインパクト大
最高値レベルでの強含み展開。原油先物相場が一時88ドル台に乗せるなど最高値を更新。同社が商社の中で最も原油価格上昇のインパクトがあるとされており、業績上振れ期待。

▼新日鉄<5401> 本日は売り優勢。
世界第4位の鉄鋼メーカーである韓国ポスコが予想外の減益決算を発表、7-9月期純利益は1年ぶりの減益となっている。原材料価格の上昇が背景とされており、国内の鉄鋼メーカーにも先行き収益鈍化への警戒感。

▼三井住友<8316> 4営業日続落。
サブプライム問題再燃で直近リバウンド分を打ち消してきている。ただ、今回のリバウンド時点で空けたマド（842000-863000円）を埋めており、押し目買いポイントに。また、一目均衡表では遅行スパンの下方転換シグナル発生を拒否させられる水準。

△ＪＰＮ債権回収<8774> いちよし証券では16日付で、投資判断を新規に「2-A-MR」としている。
受託方式に加え、買取方式の強化や官マーケットの開拓で成長を成し遂げる見通しと。08年1月期は経常利益で前期比50.9％増と予想、株価に割安感があるとしている。

△バイテック<9957>---サムスンＳＤＩから有機ＥＬ販売権取得
大幅反発で8/9以来の水準を回復している。韓国サムスンＳＤＩから有機ＥＬディスプレーの販売権を取得したと報じられている。半導体に並ぶ主力事業に育てると。7月、8月に3月年初来高値に接近するも跳ね返されていたが、有機ＥＬを手掛かりに再度上値を意識した展開に。

△東芝<6502>---25日線レベルを回復
5営業日ぶり反発で25日線レベルを回復してきている。日本エア・リキードは、東芝四日市工場への工業ガスの供給量を窒素ガスを中心に2009年までに約5割増やすと報じられている。また、好決算を発表したインテルの時間外の上昇を好感。

△三井鉱山<3315>---短期値幅取り資金集中
短期値幅取り資金集中。指数膠着の中、値動きの軽い材料株に割り切りスタンスでの値幅取り資金が集中しているようである。出来高は既に1000万株を超えてきている。資金の逃げ足は早いが、回転が利いている。

△三菱商<8058>---高値レベルでの底堅い展開
高値レベルでの底堅い展開。原油相場が連日最高値を更新しており、業績上振れ期待が強まっている。また、チリで進めている温暖化ガス削減事業により、ＣＯ2換算で年82.2万トンの排出権を獲得と。

▼三菱ＵＦＪ<8306>---続落、サブプライム問題への警戒感続く
続落。サブプライムローン問題への警戒感が昨日から高まる状況となっているが、ウエルズ・ファーゴ、キーコープなど米大手地銀の業績不振、住宅市場指数の落ち込みなどを受けて、本日もこうした警戒感は拭えない状況に。メガバンクをはじめ、銀行株は総じて売り先行のスタートに。

△洋鋼鈑<5453>---再度プラスレンジで推移
再度プラスレンジで推移。一時前日安値水準まで下押す場面もみられたが、再びプラスレンジを回復してきている。高値レベルで膠着が続いており、上値の重さが嫌気される一方、10/12時点の信用倍率は0.36倍と8月の急落以降、1倍を下回る状況が続いており、需給が下支えする。

△三菱重工<7011>---雲下限レベルの攻防
雲下限レベルの攻防。25日線がサポートとして意識される一方、一目均衡表の雲下限が上値を抑える格好に。信用倍率は9.69倍と需給妙味はなく、強弱感も対立。英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルと発電所から出る大量のＣＯ2を回収して油田に送り込み、原油を増産するプラントを開発、事業化すると報じられている。

△バンナムＨＤ<7832>---大幅高、リーマンの格上げ受けて
大幅高。リーマンがゲームソフト業界のセクターレビューを「ネガティブ」から「ポジティブ」に変更、個別では、同社のほか、任天堂、カプコン、コナミなどの投資判断を格上げしている。同社に関しては「イコールウェイト」から「オーバーウェイト」に格上げ、目標株価も1800円から2500円に引き上げている。合併によるシナジー効果が今後ゲームソフト事業で拡大可能と指摘。

△新光電工<6967>---買い先行、米インテルの好決算受けて
買い先行。米インテルが想定以上の好決算を発表、時間外取引で上昇しており、インテルとの関連性が強い銘柄として物色の矛先が向かう格好に。半導体関連全般にまではインテル効果が波及していないが、同社やイビデンなど関連の一角には好材料につながっている。
（フィスコ）

△日伝<9902>は連続最高利益の割安株買いを自社株買いが支援し反発
日伝は前場、４０円高の２８１５円と反発した。３０万株（発行済み株式総数の１．８８％）、１０億円を上限とする自己株式取得の推進が、今３月期第１四半期（１Ｑ）の減収小幅増益・低進捗率業績をほぼ織り込み済みとして下値の割安株買いを再燃させている。同社の１Ｑ業績は、前年同期比２％減収、９％経常増益、５％純益増益となり、期初予想の中間期業績に対し経常利益は４７％、純利益は４８％の進捗率と目安の５０％を下回った。アジア向けの一般機械の輸出・生産は増加したものの、国内向けの生産が減少に転じ、素材価格上昇とともに利益確保が難しくなったことが業績に反映された。ただ、中間期・通期業績は、産業機械の専門商社ナンバーワンを維持・確保を目指す中期経営計画の積極展開から期初予想を変更せず、通期経常利益は６１億５０００万円（前期比５％増）、純利益は３５億４０００万円（同０．７％増）と連続の過去最高更新を予想している。１１月６日発表予定の中間期決算の動向が、要注目となる。株価は、昨年２月の１部上場来高値４５３０円から長期日柄・値幅調整、約半値水準まで下げリバウンド途上にある。ＰＥＲ１２倍台、ＰＢＲ０．９倍の下げ過ぎ訂正に弾みをつけよう。

△アウンコンサル<2459>は急反発、１Ｑ好決算見直しをＴＭＴ５位が支援
アウンコンサルティングは、１万３０００円高の１９万９０００円と４営業日ぶりに急反発している。１０月１日に発表した今５月期第１四半期（１Ｑ）決算の２ケタ増益を買い直し、監査法人トーマツが発表したテクノロジー・メディア・テレコミケーション（ＴＭＴ）企業成長率ランキングの第５位を受賞したこともフォローの材料となっている。同社の１Ｑ業績は、前年同期比９％増収、１８％経常増益、２５％純益増益と伸びた。検索エンジンマーケティング（ＳＥＭ）の専業コンサルティング会社として、ワンストップで提供している検索エンジン最適化（ＳＥＯ）が新規受注拡大で９８％増と急伸、検索連動型広告・コンテンツ連動型広告（Ｐ４Ｐ）も４％増と着実に推移したことが寄与した。中間期・通期業績は、期初予想を据え置いたが、通期純利益は５億２５００万円（前期比２８％増）と連続の過去最高更新を見込んでいる。ＴＭＴランキング５位受賞は、同社の過去３年間の売上高成長率が１００７％を記録したことが理由となっている。株価は、３月に実施した株式売り出し（売り出し価格２５万５７８０円）を嫌って株式分割権利落ち後安値１５万２０００円まで突っ込み、前期業績の上方修正でいったんは戻したものの再調整、下値固め継続となっている。リバウンド幅の一段の拡大が予想される。

△オムロン<6645>は中間業績減額も増益は維持し反発
オムロンは、５０円高の３０４０円と反発している。前日１６日に今２００７年９月中間期業績の下方修正を発表したが、なお増益は維持できるとして悪材料出尽くしとして下値買いが入っている。ただ高値後はやや上値が重くなっていることは否めない。１０月末からスタートする３月期決算会社の主力株の中間期決算発表を前に、市場は業績動向に神経質となっており、上方修正よりも下方修正に敏感に反応しており、同社の１０月３０日予定の中間期決算発表が次のポイントに浮上する。同社の中間期業績は、売り上げが期初予想より８５億円、経常利益が２０億円、純利益が１５億円それぞれ引き下げられ、純利益は１８５億円（前年同期比２５％増）と増益率を縮小する。主力のインダストリアルオートメーションビジネスとエレクトロニクスコンポーネンツビジネスの売り上げが、期初予想を下回り利益も影響を受けた。株価は、７月に発表した第１四半期決算で経常減益・低進捗率着地となったことが嫌気売りされ３０００円大台出没となった。ＰＥＲは１６倍台と割安なこともフォローし強弱感の対立が続きそうだ。

▼大特鋼<5471>は業績修正も増額・減額マチマチで急続落
大同特殊鋼は、５０円安の７９８円と４営業日続落している。前日１６日に今２００７年９月中間期・３月通期業績の修正を発表、増額、減額がマチマチとなったことから、売り買いが交錯し再度下値を試している。業績修正のうち３月通期業績は、売り上げが期初予想より１７０億円引き下げられ、経常利益が１０億円アップ、純利益は４５億円引き下げられるなど方向が異なり、純利益は１５５億円（前期比２０％減）と期初の増益予想が減益にマイサス転換する。原材料のニッケル価格下落と先安感から客先のニッケル製品の買い控えが出て減収となったが、経常利益はニッケル安により上ぶれた。純利益は、持分法適用会社の王子製鐵の保有株を新日鉄に売却することにより、留保利益の税効果を計上する必要があり減額修正された。なお、王子製鐵の株式売却は、今年１１月に正式に契約となり、この影響額を今回は織り込んでいないとしており、なお業績の再修正が予想される。株価は、鉄鋼株人気が続く相場環境下でもニッケル価格高騰に伴う前期業績の下方修正や減益着地などが響き底値圏での往来が続いた。ようやくの業績一部上ぶれであり、信用取組が１倍台と拮抗している好需給もサポートし安値転換の期待も高まる。

△鹿島<1812>は中間業績上方修正が内需株人気を刺激し急反発
鹿島は、１８円高の３８４円と急反発し９月２９日につけた年初来安値３５４円から底離れする動きを強めている。前日１６日に今２００７年９月中間期業績の上方修正を発表、昨年１０月の前期中間期業績増額で窓を開けて急伸したことを連想し、下値に内需関連株人気再燃を期待する打診買いが入っている。同社の中間期業績は、売り上げが期初予想より５００億円、営業利益が５億円、経常利益が７５億円、純利益が９０億円それぞれ引き上げ、純利益は２３０億円（前年同期比２３％増）と期初の減益予想が増益にプラス転換する。単独業績では営業利益が２５億円下振れするが、国内関係会社の増益などで吸収、従来予想の減益幅が縮小する。経常利益と純利益は、金融収支の好転と持分法投資利益の増加、さらに固定資産売却益の計上などが寄与する。３月通期業績は、１１月１３日予定の中間期決算発表時に公表するとしている。前期は、中間期業績発表時に通期業績も上方修正、株価が今年２月の６６２円高値まで底上げするきっかけとなった。株価は、談合事件による営業停止処分で安値を試すダメ押しとなった。米国株価の先行き不透明化などから内需関連人気のいっそうの高まりも予想される。

△タカラトミー<7867>は急反発、中間業績増額で増益転換
タカラトミーは、寄り付きの買い気配から７５円高の７６２円まで買い進まれ変わらずを挟み４営業日ぶりに急反発している。反発の材料は、前日１６日に発表した今２００７年９月中間期業績の上方修正で、期初の減益予想が大幅に増益転換することが割安株買いを呼び込んでいる。同社の中間期業績は、売り上げを期初予想より７０億円、経常利益を１１億円、純利益を１０億円各アップさせ、純利益は１５億円（前年同期比２．１倍）と増益転換する。任天堂商品を扱う子会社トイズユニオンの業績伸長や欧州市場でのプリスクール商品の堅調な販売に加え、固定資産売却益などの特別利益６億円と固定資産除売却損などの特別損失２億８０００万円が相殺し大幅増益転換した。３月通期業績は、最大商戦の年末・年始期の動向が不確定として期初予想を据え置いた。ただ同社は、持分法適用会社イー・レヴォリューションの株式公開買い付け（ＴＯＢ）に応募、このＴＯＢが終了する１０月２６日以降にこの業績影響度が判明するスケジュールにもある。株価は、今期第１四半期業績の低進捗率着地などが響き年初来安値５６０円まで突っ込み、ＴＢＯ開始とともに持ち直している。なおＰＥＲ１６倍台の割安修正で上値を伸ばそう。

△ダイハツディーゼル<6023>は中間業績再増額も利益確定売りで続落
ダイハツディーゼルは、３０円安の１９１５円と続落している。１０月１５日につけた上場来高値１９９６円に肉薄している。前日１６日に７月に続いて今２００７年９月中間期業績の２回目の上方修正を発表したが、１０月１５日に上場来高値１９９６円まで買い進まれていただけに利益確定売りが継続している。ただ前日に大証２部の阪神内燃機工業（６０１８・大２）は、同様に中間期業績の上方修正を発表、５５円高の１０３０円と急反発し８月の年初来高値１００９円を更新しているほか、内海造船、中北製作所などが続伸しており大証造船関連株は堅調推移となっている。ダイハツディーゼルの今期業績は、第１四半期決算発表時に中間期・通期業績が上方修正されたが、そのうち中間期業績を再増額した。売り上げは期初予想より９億６０００万円、経常利益が４億１０００万円、純利益が２億５０００万円それぞれ引き上げられ、純利益は８億５０００万円（前年同期比３．１倍）と大きく伸びる。世界的に新船建造量と海上荷動き量が高水準を維持し、船舶用エンジン、メンテナンス用品を中心に販売が増加したことが業績を押し上げた。通期業績は、７月予想を据え置くとしている。株価は、今年３月に実施した公募増資・株式売り出しからむしろ動意付き、３倍化と水準を上げている。投資採算からは割高だが、北浜銘柄特有の値動きの良さから人気再燃の可能性は高い。

△コスモ石<5007>は中間業績増額に米ＷＴＩ価格最高値重なり３連騰
コスモ石油は、１５円高の５４２円と３日続伸している。前日１６日に今２００７年９月中間期業績の上方修正を発表、純利益が期初の減益予想から増益へプラス転換することと、１６日の米国市場で原油先物（ＷＴＩ）価格が、１．４８ドル高の１バーレル＝８７．６１ドルと６日続伸し、ザラ場では８７．６１ドルと連日の最高値更新となったことが重なり買い増勢となっている。同社の中間期業績は、売り上げが期初予想を３００億円、経常利益が７０億円、純利益が６０億円各上回り、純利益は２３０億円（前年同期比９％増）と増益転換する。石油事業で市況悪化の影響が縮小し、純利益では特別利益として退職給付終了益３０億円を計上することが上方修正要因となった。３月通期業績は、現在精査中で１１月６日予定の中間期決算発表時に公表するとしている。株価は、今期予想純利益が市場コンセンサスを上回ったとして７２９円高値まで買われたあと、第１四半期決算発表時の期初予想据え置き、証券各社の投資判断引き下げなどで４７８円まで調整、アブダビ首長国系の国際石油投資会社との業務・資本提携で再動意となり、第３者割当増資価格５１０円を試す展開を続けている。リバウンドに拍車がかかろう。
（東洋経済新報社）

△タカラトミー<7867>が値上がり率トップ、「ポケットモンスター」関連商品などの売上好調で中間期業績推定を増額
タカラトミーが大幅反発。７５円高の７６２円まで値を飛ばし、午前１０時８分現在、東証１部値上がり率トップ。出来高は９８万株を突破し、前日２４万８７００株の約４倍に膨らんでいる。１６日、今０８年３月期の９月中間期連結業績推定の上方修正を発表、好感されている。経常利益を従来計画の８億円→１９億円（前年同期は１８億８００万円）に大幅増額修正した。「ポケットモンスター」関連商品などの売上好調で個別業績が堅調だったことや、任天堂 <7974> 商品を扱うトイズユニオンの業績が伸長した。通期業績は年末商戦動向が不確定要因とし、当初予想は変更していない。
（株式新聞ダイジェスト）