10/16 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

□ヘリウム供給、半導体向け年内確保・大陽日酸<4091>など削減幅圧縮
半導体などの製造に使うヘリウムガスが世界的に不足している問題で、大陽日酸など工業ガス大手は当初20―30％を計画していた国内需要家への年末までの供給削減幅を平均10％程度に抑える方針を決めた。混乱回避に向け主産地の米国側が関連施設の改修工事を延期するなどの対策を打ち出したためで、主力の半導体向けはほぼ全量供給できるという。ただ品薄状態は続く見通しで、代替品の開発など新たな対応策が焦点になる。半導体など電子産業向けの供給が多い大陽日酸と日本エア・リキードは当初、供給量を10月から平均20―30％削減する方向だったが、10％程度の削減にとどめる。岩谷産業の削減幅も数％程度になる見通しだ。

■居酒屋やファミレス、店舗種類絞り込み・ワタミ<7522>、焼肉など撤退
居酒屋やファミリーレストラン大手は店舗の種類の絞り込みを進める。ワタミは焼き肉店などから撤退し、個室タイプの居酒屋を中心に出店する。すかいらーくは首都圏で運営していた小型レストランを主力の「ガスト」に転換した。各社は新たな客層を獲得するため店舗の多様化を進めてきたが、過当競争の中で苦戦が目立っている。不採算部門を整理し、人気の高い主力部門に集中することで、収益向上を目指す。ワタミは来年3月をメドに各5店ずつあった焼き肉の「炭団（たどん）」と海鮮料理の「和民市場」をすべて閉鎖する。今後は若者に人気が高い個室感覚の「坐・和民」（9月末で161店）や炭火焼きの「わたみん家」（同125店）などを中心に出店する。
（NIKKEI NET）

△やまねメディカル<2144>が大幅上昇、中間期予想を上方修正
やまねメディカルが大幅上昇となっている。９時２５分現在、同社株はヘラクレス市場で値上がり率第１位。２００７年９月中間期連結決算予想について、経常利益を２億６０００万円から３億３８００万円へ上方修正したことを好感した。

▼Ｊフロント<3086>が反落、08年2月期売上高見通しを下方修正
Ｊ．フロント　リテイリングが反落。１５日、２００８年２月期連結売上高見通しを天候不順や衣料品の不振を理由に、９月の経営統合時に公表した１兆０４３２億円から１兆０３９７億円（前年比３％増）に下方修正したことなどを嫌気している。０８年２月期の連結営業利益見通しは前年比９％増の４２４億円に据え置いた。営業利益４２４億円は、ロイターエスティメーツによる主要アナリスト４人の予測平均値４３０億円をやや下回った。

△松屋<8237>しっかり、中間期営業益が8.7％増
松屋がしっかり。同社が１５日引け後に発表した２００７年８月中間期の連結決算で営業利益が９億３７００万円と前年同期比８．７％増となったことなどが好感されている。松屋は同時に発行済み株式総数の０．７５％に相当する４０万株を上限に自己株を取得すると発表した。取得総額上限は１０億円。取得期間は２００７年１０月１６日から２００８年２月２９日まで。
（ロイター）

△株が反発、中間純利益の減益幅が縮小－原料費や固定費下振れる
大阪ガスの株価が一時、10円（2.4％）高の422円と反発。15日の取引終了後に2007年９月中間期の連結業績を修正し、従来計画より減益幅が縮小したことを受けた。原料費や固定費が計画を下回ったことが背景にある。東証業種別33指数の電気・ガス指数で、採用17銘柄のうちで上昇している３銘柄の中の１つ。大ガスは15日、９月中間期の連結純利益が前年同期比9.8％減の250億円になったもようと発表。従来予想の160億円から上振れた。売上高は同1.9％増の5430億円（従来予想5350億円）、営業利益は同14％減の385億円（同 275億円）、経常利益は同8.4％減の415億円（同275億円）とそれぞれ増額修正されている。通期（2008年３月期）の売上高予想に関しても、従来予想から1.1％上方修正して１兆2035億円（前期比2.5％増）とした。公表資料によると、下期におけるガスの売上高増加が寄与するという。ただ、原料費も上昇することから、純利益予想は前年同期比7.4％減の490億円に据え置いた。

△アールエイジ<3248>：上場２日目も買い気配切り上げ、株数少なく需給妙味
居住用不動産の管理運営、開発販売などを手掛けるアールエイジ株が東証マザーズ上場２日目も買い気配で推移している。公開株式数が少なく、株式の需給面に着目した買いが膨らみ、午前９時57分現在、公募価格７万円の2.7倍に当たる19万円で差し引き約3600株の買い注文が入っている。上場初日の15日は14万2000円まで気配値を切り上げたが、売り注文と買い注文の数が合致せず、売買は成立しなかった。ＳＢＩイートレード証券投資調査部の藤井知明次長は「少ない株式数を取り合っている状況。大株主にベンチャーキャピタルがなく、需給がすぐ崩れることはないとの連想につながっている」ことが気配値を押し上げていると指摘。アールエイジの公開株式数は公募1500株、売り出し1000株の計2500株で、買い注文がこれを大きく上回る状況が続いている。さらに新興株式市場が低迷した時期に公募価格を決定したため、仮条件の下限に当たる７万円に決まり、ＰＥＲ（株価収益率）など株価指標が割安なことも手がかりになっているようだ。公募価格のＰＥＲは3.9倍だった。同社は1986年設立。東京都と千葉県を中心に、不動産物件を所有者から一括して借り上げてリフォームや管理業務を請け負うほか、不動産開発販売も手掛ける。狭小地や変形地といった一見マンション用地に適さないと思われる場所も、企画力を駆使して顧客にアピール。バイク愛好者向けには、住居スペースに駐輪できるようにし、部屋に居ながら愛車を見えるように工夫したものもある。07年10月期の連結業績予想は売上高が前期比8.7％増の40億3800万円、営業利益が同39％増の４億7300万円、純利益が同46％増の２億2500万円。１株当たり利益は１万7853円11銭。

△イハラケミ<4989>が急上昇、海外向け好調で収益性向上－通期予想増額
有機化学品に強みを持つイハラケミカル工業の株価が急上昇。一時は前日比43円(14％)高の350円まで買い進まれ、７月 26日以来、約３カ月ぶりの高水準に回復した。海外向けの農薬原体や有機中間体などの高採算製品が伸長、利益率が高まっている。2007年10月通期の連結業績予想を増額修正したため、投資家の買いが集まった。この日は買い気配で取引を開始。午前９時35分ごろ前日比38円（12％）高の345円で12万2000株の売買が約定した。その後も1000株、2000株単位の買い注文が断続的に入って上げ幅を拡大、取引時間中の上昇率としては01年６月18日（19％）以来の大きさを示した。イハラケミが15日の取引終了後に公表した新しい通期業績予想によると、連結営業利益は前期比28％減の18億円になる見通しで、従来予想の７億円から 86％の引き上げとなる。東洋経済新報社の「四季報」直近号は８億円と予測していたため、想定以上の収益性改善を示した格好。同社総務部の大竹秀夫ＩＲ担当は、「国内向けの汎用品は想定を下回ったが、採算の良い海外向け農薬原体や有機中間体が伸びた」と説明、研究開発費を一部来期に繰り越したことなどの要因もあって利益率が改善するという。イハラケミ株は02年12月19日に付けた169円を底値に06年１月13日の 488円まで上昇。その後約10カ月かけて４割調整し、07年以降は300円から350 円でもみ合ってきた。今回の急騰で一目均衡表チャートの「雲」（先行スパン１と先行スパン２で結ばれた価格帯）を一気に上抜けたため、先高観が強まりそうだ。

▼出光興産<5019>株が続落、今期営業益は前期比20％減の報道－石油製品苦戦
出光興産の株価が続落し、一時前日比 480円（3.6％）安の１万3030円まで下げた。16日付の日本経済新聞は、原油価格の高騰による価格転嫁が進まず、石油製品事業が苦戦していることから、出光の2008年３月期の連結営業利益が前期比20％減の820億円になりそうだと報道。収益の先行きを不安視した売りが先行している。ＵＢＳ証券の伊藤敏憲アナリストは、「今のような急激な原油価格の上昇は、在庫評価に後入れ先出し法を採用する出光にとっては、石油製品や石油化学製品部門の利益の圧迫要因となる」と指摘した。出光が原油在庫の評価に用いる後入れ先出し法では、原価の上昇分の販売価格への転嫁が遅れると、収益にマイナスに働きやすい側面を持つ。一方で、ほかの石油元売りが採用する総平均法では、原油価格の上昇局面で期初の安い在庫を原価に含めることから、実際の仕入れ価格よりも会計上の原価が下がる。この影響でかさ上げ利益が発生する。出光は今期の業績見通しの前提条件として、ドバイ原油価格が平均１バレル当り68.7ドルになると想定。ブルームバーグ・ニュースのデータによると、 15日までの今期のドバイ原油価格の平均は同67.82ドルと出光が想定した水準を下回る。しかし、９月28日には史上最高値76.64ドルに達しており、その後も70ドル以上の水準を維持していることから、今期の平均価格は出光の当初の見通しを上回る可能性が出てきている。通常であれば、原油価格の上昇は「上流」と呼ばれる石油開発事業ではプラスに働く。しかし伊藤氏によると、出光の石油開発事業の柱となっているノルウェーのスノーレ油田では、原油価格の変動の影響を受けない契約形態になっており、現在の油価の上昇は利益の押し上げには寄与しにくいという。

▼ベスト電<8175>株が５連敗、中間利益予想を大幅減額－さくらや軌道に乗らず
家電量販店７位のベスト電器の株価が前日比35円（4.2％）安の804円と５日続落。連結子会社化した「さくらや」が軌道に乗らなかったことなどを理由に、15日に８月中間期の業績予想を下方修正した。足元の収益環境の厳しさが認識され、売り注文が膨らんでいる。中間期の連結経常利益は前年同期比77％減の４億5000万円と、従来予想を 11億5000万円下回ったもよう。昨年12月にさくらやを連結子会社化したことで、売上高は同19％増の2090億円（従来予想2100億円）と増収を確保したものの、子会社化による費用増加や新規事業の初期コストが膨らんだことが響く。連結純利益は前年同期比75％減の２億4000万円と、従来予想を５億6000万円下回る。マネックス証券投資情報部の小沼利幸氏は「今回の業績予想の修正は幅が大きく、ネガティブサプライズだ。家電量販店で価格競争が厳しさを増している」と指摘し、収益環境のさらなる悪化を懸念していた。
一方、家電量販店最大手のヤマダ電機<9831>がベスト電株を買い増しする動きが活発化している。ヤマダ電の山田昇社長は９月22日付の日本経済新聞で、当面はベスト電の経営への発言権を強めることを狙い、持ち分法適用会社となる 20％をめどに株式を買い増す意向を示している。９月25日付の大量保有報告書によると、ヤマダ電のベスト電の株式保有比率は従来の6.47％から7.71％に上昇した。
これに対してベスト電は、９月20日に家電量販店５位のビックカメラ<3048>と資本・業務提携すると発表している。小沼氏は、ベスト電株を巡る株式争奪戦の様相を呈していることから、「株価が大きく下げることはなさそう」とみる。ただし、「業界再編期待が高まっているものの、シナジー効果を見極める必要もある」と語り、積極的には手掛けにくいことを指摘した。
（ブルームバーグ）

▼ＤＩ<4310>---一時ストップ安、中間期は一転営業赤字決算で
一時ストップ安。昨日中間期業績の下方修正を発表している。営業損益は2.7億円の黒字予想から0.5億円の赤字に減額修正、第1四半期は増益決算であったため、インパクトは強まる状況に。株式市況低迷に伴う保有有価証券の売却抑制が背景となったようだ。

△日曹達<4041>---7/30、8/7高値レベルを捉える
4営業日続伸で7/30、8/7高値レベルを捉えてきている。週足ベースの一目均衡表の先行スパン（雲）上限を突破し、遅行スパンは上方転換シグナル発生。信用倍率は5.40倍と需給妙味はないが、戻り高値突破なら短期筋の買い戻しも。

▼Ｊフロント<3086>---きつい下げ、前日の中間決算内容受けて
きつい下げ。前日に中間期の業績を発表、大丸は前年同期比で営業1％増益、松坂屋は同7％減益となり、ともに期初予想未達となっている。主力の百貨店事業苦戦が背景のようだ。アナリストコンセンサス比では、大丸の想定下ブレが多い模様であり、統合における大丸の負担増があらためて警戒される格好にも。

△コシダカ<2157> 大幅反発。
今期見通しが手がかり材料となっているようだ。15日は07年8月期業績予想の大幅な下方修正を受け、失望売りからストップ安比例配分となった。一方、15日の大引け後に決算を発表しており、08年8月期の見通しについては経常利益で前期比52.8％増の8.58億円となっている。なお、野村ではノーレーティングながらポジティブなレポートをリリース、08年8月期は悪天候などの一時的な要因がなくなって業績が回復すると。

△ＵＭＣＪ<6939> 大幅高。
四半期決算の内容が買い材料視されているようだ。第3四半期までの業績は各利益項目の赤字幅が前年同期に比べて縮小、最終損益については6.81億円の赤字（前年同期29.42億円の赤字）となった。また、第3四半期のみでは最終損益が8.32億円の黒字（同0.14億円の黒字）と黒字幅が拡大している。

△アウトソシング<2427> ストップ高買い気配。
業績並びに配当の上乗せが好感されているようだ。07年12月期の利益予想を上方修正、経常利益で従来予想の7.9億円から9.5億円に増額された。また、期末配当を同345円から422円に引き上げている。利益重視の事業基盤を強化したため、利益率の高い適正請負の受注が順調に推移したと。

△アドバンテス<6857>---25日線レベルの攻防
25日線レベルの攻防。ＮＹ市場の下落影響やインテル、ＩＢＭ決算を控え短期筋の利食い優勢となっている。ただ、信用倍率は2倍台とそれ程需給は悪くなく、インテル決算での悪材料出尽くしの可能性もあるため、売り方の買い戻しの動きも。

△佐世保<7007>---連日の年初来高値更新
連日の年初来高値更新。利食い優勢のスタートとなったが、日立造が船舶用ディーゼル増産を発表するなど、新造船建造量が過去最高を更新する中、業績上振れ期待は根強い。

△日本通運<9062>---しっかり、ＨＳＢＣが新規「オーバーＷ」
しっかり。ＨＳＢＣでは投資判断を新規に「オーバーウェイト」、目標株価を820円としている。今・来期とコンセンサス予想を上回る増益が見込まれるなか、現在の株価は過去のバリュエーションやトレーディングレンジの下限付近にあり、短期的な買い場にあると考えているようだ。土地資産の含み益は推定で 8000億円以上、こうした土地資産の有効活用に着手していることも魅力と。

△三井鉱山<3315>---続伸で連日の最高値更新
続伸で連日の最高値更新。業績予想の上方修正を好感した前日ストップ高の流れが続いている。相場全体が膠着感の強い相場展開となる中、材料性のある銘柄に短期値幅取り資金が向かい易い。

▼フルキャスト<4848>---ストップ安、違法派遣の疑いで書類送検
ストップ安。警備業に違法派遣の疑いで書類送検と報じられている。今年の1月に違反嫌疑によって家宅捜索を受け、今回の書類送致に至っている。有罪判決が確定した場合などには、今後の推移次第で派遣事業の許可取り消しに発展する可能性もあるなどとされており、あらためて先行き不透明感が強まる状況へ。

△住友化<4005> 反発で9月27日以来の高値更新、昨年5月以来の1000円大台乗せとなっている。
メリルでは、「中東関連株とオイルマネー」と題するレポートをリリース、関連銘柄の一つとして取りあげており、物色材料につながっているとみられる。同社はサウジアラムコと合弁事業を展開している。

△日新薬<4516>---中間業績予想を上方修正
続伸。9月中間業績予想を上方修正し、連結経常利益を前回予想比24.1％増の33.5億円に増額した。医薬品事業、機能食品事業はともに伸長したほか、経費削減も進んでいることが寄与したという。一目均衡表の雲上限に接近しており、突破すれば、年初来の高値水準である1200円レベルが再び視野に入る可能性も考えられる。

△日立造<7004>---雲下限突破なら短期資金集中も
約100億円を投じて船舶用ディーゼルエンジンを増産すると発表。新造船建造量が過去最高を更新し、国内外の造船各社向けにエンジン需要が拡大していると。一目均衡表の雲下限に上値を抑えられる格好となっているが、遅行スパンは上方転換シグナルを発生させた感はある。雲下限突破なら短期資金が集中しそうだ。

△国際帝石<1605>---買い優勢、原油市況の上昇を材料に
買い優勢。原油市況の上昇が買い材料視される。原油相場は5営業日続伸で連日の最高値更新、トルコ・イラク国境の緊張の高まり、非ＯＰＥＣ諸国の原油供給量の伸び悩み観測を受け、買い優勢の展開となっている。新日石、新日鉱ＨＤなど石油株も総じて買い先行。

▼メガバンク---総じて売り先行、サブプラ問題懸念再燃
メガバンク大手3行は売り先行のスタート。米シティが決算発表において、第4四半期はさらに業績が悪化する見通しと示したこと、米銀がサブプライム問題に関して共同基金を設立したこと、野村ＨＤが追加損失の計上を発表したことなどが重なり、同問題に対する楽観的な見方が後退する格好となっているようだ。

△野村ＨＤ<8604>---追加損失発表で売り先行、ＧＳでは格上げ
売り先行。サブプライムローン問題に関する追加損失の計上を発表、嫌気売りの動きが先行へ。7月には総額726億円の損失が発生したと発表していたが、8 月以降の市況悪化に伴い損失が1456億円まで膨らむ状況となっている。米国における住宅ローン証券化事業からの完全撤退も発表。なお、ＧＳでは、追加ロスの可能性はほぼ消失しているなど、懸念材料が払拭されたとして、投資判断を「中立」から「買い」に格上げしている。
（フィスコ）

△内海造船<7018>は業績上方修正をテコに急続伸
内海造船は、８６円高の８５０円と急続伸している。前日１５日に今９月中間期・３月通期業績の上方修正を発表、過去最高純利益をさらに伸ばすことが造船関連の割安株買いを盛り上げている。上方修正のうち３月通期業績は、売り上げが期初予想より１億円、経常利益が３億７０００万円、純利益が１億２０００万円それぞれ引き上げられ、純利益は７億３０００万円（前期比７１％増）と前期の過去最高を大幅に更新する。基幹事業の船舶事業が、営業、設計、資材、現業の受注一貫体制の充実によりコスト競争力を強めるとともにコストダウンも実現し上方修正につながった。株価は、前期業績の上ぶれ着地、今期の続伸予想、１０円配当への増配などを買い材料に６月に１０５０円高値まで急伸し、ほぼ往って来いとなっている。高値奪回に拍車がかかろう。

△ダイセキ<9793>は通期業績上方修正を買い手掛かりに連日の高値
ダイセキは、８０円高の３６２０円と４営業日続伸し連日の年初来高値更新となっている。前日に発表した２００７年８月中間期業績が、期初予想を上ぶれて２ケタ増収益で着地するとともに、今２月通期業績を上方修正したことが環境関連の好実態株買いを増幅している。同社の中間期業績は、前年同期比２４％増収、３３％経常増益、２２％純益増益と大きく伸びた。土壌汚染調査・分析・処理を行う連結子会社のダイセキ環境ソリューションの業績が、すでに期中２回も上方修正するなど好調に推移しているほか、今年４月に買収した田村産業の上乗せ、さらに主力の産業廃棄物の収集運搬・中間処理事業の続伸やリサイクル燃料の高水準な需要が続いたことが上ぶれ着地につながった。２月通期業績は、売り上げが期初予想より１１億１０００万円、経常利益が８億４１００万円、純利益が４億１０００万円各引き上げられ、純利益は３８億３６００万円（前期比１９％増）と前期の過去最高を大幅に更新する。株価は、子会社のダイセキ環境ソリューションの２回目の業績増額にツレ高し６００円高と急伸中である。ＰＥＲは割高だが、株不足で逆日歩のつく信用好需給も押し上げ効果を発揮し上場来高値３６４０円へのキャッチアップを速めよう。

△サムティ<3244>は業績上方修正が直近ＩＰＯ人気を刺激し急反発
サムティは、１万４０００円高の２１万４０００円と３営業日ぶりに急反発している。前日の今１１月期第３四半期（３Ｑ）決算の開示に合わせて、今期通期業績の上方修正を発表、今年７月の新規上場時の予想より増益率を拡大することが直近ＩＰＯ（新規株式公開）人気を高め割安株買いを増幅している。同社の１１月期業績は、売り上げは７月予想を据え置いたが、経常利益は６億７４００万円、純利益は３億６５００万円それぞれ引き上げ、純利益は３０億９６００万円（前期比６０％増）と増益率を伸ばし前期の過去最高を大幅に更新する。同社は、近畿圏を地盤に不動産流動化事業や不動産分譲事業、不動産賃貸事業を展開しているが、金利上昇が当初予想より低位に推移し今後も上昇が想定されないことから支払利息が３億９４００万円抑制され、上場に伴う広告宣伝費などのコスト削減で販売費が８０００万円改善されることが上方修正要因となった。株価は、公開価格３０万円でＩＰＯされ、公開直後に２５万８０００円まで買われたものの、一度も公開価格を超えず、一時は１２万８０００円まで突っ込んだ。この調整幅の半値戻しを達成しているが、業績増額でＰＥＲは８倍台と超割安となる。下値買い妙味は大きく膨らんでくる。

△象印<7965>は株式分割で業績下方修正をカバーし小幅高
象印マホービンは、２営業日ぶりに商いが成立し１２日終値に対して８円高の１２９３円と小幅高している。同社は、今１１月期業績について一度は今年７月に上方修正したが、１０月には一転して下方修正、株価は年初来高値１３４９円から下ぶれた。ところが前日１５日に株式分割を発表したことで業績減額をカバー、好感した下値買いを増幅している。株式分割は、投資しやすい環境を整えるとともに株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることを目的に実施するもので、１１月２０日割り当てで１株を３株に分割する。業績は上方・下方修正が交錯しＰＥＲが２０倍と割高になっているが、ＰＢＲは０．６倍と割り負けが目立っている。株式分割の権利を取って業績回復を待つのも一考の余地がありそうだ。

△三井エンジ<1737>は高値肉薄、一転して中間業績を上方修正
三井金属エンジニアリングは、１０円高の７２４円と続伸し、９月１２日につけた年初来高値７３５円に肉薄している。同社は、今期第１四半期決算発表時の８月に９月中間期・３月通期業績の下方修正を発表し、株価は６２７円まで下ぶれたが、前日１５日に今度は一転して９月中間期業績を上方修正、純利益が減益予想から増益にプラス転換することが、素材関連の割安株買いを拡大している。同社の中間期業績は、売り上げは８月の修正値を３億９０００万円下回るが、経常利益は１億２９００万円、純利益は８５００万円それぞれ上回り、純利益は１億３５００万円（前年同期比２．５倍）と増益転換する。売り上げは、パイプ事業の下期繰り越しがあり減収となるが、エンジニアリング事業で増収になるとともに非鉄金属関連工事を中心に各工事の利益率が向上し販管費の削減、下期ズレ込みが重なり一転して上方修正となった。３月通期業績は、諸条件を精査して見直し作業を進めており、１１月８日予定の中間期決算発表時に公表するとしている。株価は、前回業績減額時の急落をカバーし７００円台固め継続となっているが、ＰＥＲは１４倍台と割安である。高値抜けから一段高に弾みをつけよう。

△日新薬<4516>－は中間業績増額を追撃材料に急続伸
日本新薬は、５０円高の１０８５円と急続伸している。前日１５日に今９月中間期業績の上方修正を発表、８月開示の第１四半期（１Ｑ）決算の大幅増益・高進捗率着地に次ぐ追撃材料として割り負け訂正買いを増幅している。同社の中間期業績は、売り上げが期初予想より６億円、経常利益が６億５０００万円、純利益が３億５０００万円各アップされ、純利益は１８億５０００万円（前年同期比２．２倍）と増益率を大幅に拡大する。医薬品事業、機能食品事業とも計画を上回って売り上げが伸び、諸経費の削減、一部費用の下期ズレ込みも重なり上方修正につながった。３月通期業績は現在、見直し中で、１１月１２日予定の中間期決算発表時に公表するとしている。株価は、１Ｑ決算発表時に年初来高値１２２６円まで急伸し１０００円出没の下値固めを続けている。ＰＥＲは２１倍台とやや割高だが、ＰＢＲは０．９倍台と割り負けており、薄めながら株不足となっている信用好需給も上乗せ、年初来高値奪回に弾みをつけよう。

△神戸鋼<5406>は減益率縮小の業績再増額に好反応し続伸
神戸製鋼所は、４円高の４５５円と続伸している。前日１５日に今９月中間期・３月通期業績を７月３１日に続いて再上方修正、減益率を縮小することが鉄鋼関連人気を膨らませている。同社は、今期第１四半期決算発表時の７月に今期期初予想を上方修正しているが、その修正値をさらに増額した。このうち通期業績は、売り上げが７月予想より７００億円、経常利益が１００億円、純利益が５０億円引き上げられ、純利益は９００億円（前期比１７％減）と減益率を縮小する。堅調な鉄鋼関連需要を背景に鋼材販売価格の改善や、好調に推移している建設機械関連事業の販売台数増加が、中間期売り上げを押し上げ、エンジニアリング部門を中心とした機械関連事業のコストダウンが利益も上ぶれさせたもので、下期の各事業の需要環境は堅調に推移するとして、通期業績も再増額した。株価は、新製鉄法開発・インド進出観測をきっかけに５０１円高値まで買い進まれたものの、前回の業績増額には反応がなく３７１円安値まで突っ込んだ。この調整幅の半値戻しをクリアしたところで、ＰＥＲ１５倍台の割安修正からも全値戻しに動こう。
（東洋経済新報社）

△ビジ太田昭和<9658>は新値追い、収益増額期待で
ビジネスブレイン太田昭和は続伸の動きで前日に続いて年初来高値を更新している。今３月期の業績上方修正期待が背景。会社法や金融商品取引法等の法改正に伴って金融機関等からの内部統制支援関連の引き合いが増え好採算のコンサルティング事業が伸びているほか、株券電子化関連のシステム開発の案件も増加しており、同社は８月３１日に９月中間期の連結純利益予想を１億２０００万円から２億４０００万円に上方修正していた。しかし、その時点では通期予想見直しておらず、同利益５億１０００万円を据え置いていたため、「今後の増額修正が濃厚」（中堅証券）という見方が出ている。

△住友化<4005>が昨年５月来の４ケタ、原油高の追い風
住友化学が買われて昨年５月以来となる１０００円大台を回復する場面もあった。原油相場がさらに上昇しており、指標となるニューヨーク市場のＷＴＩの期近１１月物は１５日に一気に１バレル８６ドル台まで上昇して９月２０日に付けた最高値を大幅に更新した。住友化はサウジアラビア国営石油会社のサウジアラムコと折半出資で、紅海岸ラービグにおいて総事業費９８億ドルの石油精製・石化プラントを建設中。原油価格の上昇はこのビッグプロジェクト「ラービグ計画」の追い風になり、０８年の第１期工事の完成後には早期に第２期工事に着手する構想も浮上している。同計画は比較的安い価格で調達できるサウジ産の原油や天然ガスを原料に、エチレンやプロピレンといった石化製品の基礎原料だけでなくポリエチレンなど川下の石化製品まで一貫生産する方針であり、原油高は競争力の強化につながる。

△内海造<7018>が上げ幅広げる、増額修正を好感
内海造船が上げ幅を広げている。前日引け後に現在集計中の９月中間期および０８年３月期通期の連結業績予想の上方修正を発表し、朝方から好感買いが流入した。営業から設計、建造までの一貫受注体制の充実によって船舶事業のコスト競争力が向上したことなどを理由に通期の売上高を従来の３６５億円から３６６億円（前期比４３％増）に、経常利益は１２億１０００万円から１５億８０００万円（同８９％増）、当期純利益も６億１０００万円から７億３０００万円（同７１％増）にそれぞれ増額した。　また、９月末での受注残高は１１３０億円に拡大し、「目標としてきた３年分の受注が確保できた」（会社側）としており、これも買い安心感に結びついているようだ。前３月期末での受注残は９９８億円、６月末では１０７０億円だった。

△ＮＥＣモバイリング<9430>が高い
ＮＥＣモバイリングが高い。販売チャンネルの拡大を受けて携帯電話の販売台数が拡大したことから、１６日に今３月期９月中間期の業績見通しを増額修正した。９月中間期の連結経常利益は従来計画の２４億５０００万円に対して３０億円（前中間期比３０％増益）に増額修正した。

△古河電池<6937>がＳ高
古河電池が一時ストップ高まで買われた。昨日１５日には前週末１２日と比べて出来高が１０倍近くとなり、東証１部における上昇率２位となった。商い面の変化や値動きの良さが短期の投資成果を追求する資金を呼び込んでいると推測される。また、エネルギー開発に力を入れている企業の１つであり、環境関連株の切り口も人気の拡大につながったもよう。
（ラジオNIKKEI）

▼コジマ<7513>に勧告へ＝廃家電、メーカー引き渡しせず－環境・経産省
環境省と経済産業省は16日、家電量販大手のコジマが消費者からリサイクル料金を受け取って廃家電を回収しながら、一部をメーカー側に引き渡していなかったとして、家電リサイクル法違反で勧告を行う方針を固めた。同日午後にコジマ幹部を環境省に呼び、勧告書を手渡す。両省が立ち入り検査などを実施した結果、愛知、岐阜の両県内にある11店で、テレビや冷蔵庫など計3066台の引き渡しが適正に行われていなかった。リサイクル料金は計約1000万円。事態を重視した両省は16日午後、中部地区以外の店舗への立ち入り検査を行うとともに、家電販売の業界団体に注意喚起の文書を通知する方針だ。
（時事通信）