10/16 朝の『株価材料』PART Ⅳ

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■株価材料

△液晶付き専用機でゲームも　バンダイ<7832>、ICチップ内蔵カプセル玩具
バンダイは、ICチップ内蔵のカプセル玩具「データップ」を11月下旬に発売する。第1弾はSDガンダムのフィギュアで、内蔵されたデータを専用ゲーム機で読み取ればアクションゲームが楽しめる。データップは非接触型ICチップを内蔵したフィギュアなどのカプセル玩具。データップ自動販売機と一体となった専用ゲーム機「データップステーション」にかざすとデータを読み取り、ゲームが始まる仕組みだ。第1弾はSDガンダムのフィギュアを使ってアクションゲームができる「データップ SDガンダムガシャポンバトル パート1」。フィギュアは20種類あり、価格は200円。データップステーションでデータを読み取ると、フィギュアと同じキャラクターがゲーム画面に登場。データップステーションのコントロールパネル上でフィギュアを動かすと、敵の攻撃をかわしたり、敵を倒したりできる。同時にフィギュアを3体までエントリーして、ゲームオーバーしそうなものと交代させたり、必殺技を出すといったこともできる。プレイ時間は約5分。ゲームを開始する場合、そのつど未使用のデータップが1体必要。1度使ったデータップはスタートには使えないが、成長させることができるようになっている。発売から1年で10億円の売り上げを目指す。
（ITmedia News）

△エアバスA380 第1号機、シンガポール航空に納入
シンガポール航空は15日、仏トゥールーズで、総2階建ての大型旅客機、エアバス『A380』の量産型第1号機を受領し、機内設備を初めて公開した。シンガポール航空のA380は3クラス客席仕様で、総座席数は471席。

△アースコンシャス・アクトを展開…コスモ石油<5007>
コスモ石油は、地球環境対応の一環として、昨年度に続いてTOKYO FM及びJFN（全国FM放送協議会）加盟38局とともに、地球環境の保護と保全のために呼びかけていく活動「コスモ・アースコンシャス・アクト」を展開中だ。同社では、より多くの人に地球環境の大切さを理解してもらうとともに、同社の環境への取り組みを理解してもらうため、2001年4月から全国の山、川、海、湖、公園を舞台に、自然と親しみながら清掃活動を行う「クリーン・キャンペーン」を実施している。これまでの期間、269カ所で清掃活動を行い、延べ 10万4888人が参加、223万6375リットルを超えるゴミを回収するという成果を上げている。11月の開催は滋賀、大分、広島の3カ所で開催する。滋賀では湖南市の野洲川河川敷での清掃活動とサッカー教室、大分では杵築市・住吉浜での清掃活動と地引網体験、広島では呉市・恋が浜での清掃活動とみかん狩りを楽しみながら環境を学べる内容のイベントを開催する。

△入院患者に心温まる時間を、ハッピードール・プロジェクト…コスモ石油<5007>
コスモ石油は、社会貢献活動の一環として、今年度からNPOワンダーアートプロダクションとともに全国的に病院でのプログラムを開始すると発表した。同社では2004年度から、長期入院中の子どもたちに社員が励ましのメッセージを添えてクリスマスカードを贈る「コスモ・クリスマスカード・プロジェクト」を実施しているが、このプログラムが社内に浸透し、多くの社員が参加するようになった。このため、さらに一歩踏み出し、カードを受け取ってもらえる病院と患者を対象とした社会貢献として、入院患者に心温まる時間を過ごしてもらうためのワークショップ「- ハッピードール・プロジェクト -」を同社の事業所所在地を中心とした全国の6都市で、NPOワンダーアートプロダクションと共催で実施する。プログラム実施はすべて平日で、同社では今年度からボランティア休暇制度を導入したことから、この制度を活用し、社員やその家族がボランティア参加しながらプログラムを展開する。

△東京モーターショー07　カワサキ、Ninja 250R を出品
川崎重工<7012>は、幕張メッセで開催される「第40回東京モーターショー2007」に、世界初公開を1台、日本初公開4台を含む、参考出品モデル13台を出展すると発表した。今回カワサキは、フルカウルを装備する250ccスポーツモデルとして、スタイリッシュな外観とスポーツ性能を融合させた『Ninja 250R』を出品する。オフロード走行性能を強化し、スタイリングを一新したデュアルパーパスモデル『KLX250』と、モタードモデルとして専用設計のサスペンションにより、従来からの特長である軽快なフットワークをさらに高めた『D-TRACKER X』を出品する。また、海外市場で高い評価を得ている、大排気量スーパースポーツモデルのニューモデルとして、全面改良した『Ninja ZX-10R』を出品する。レース活動から多くの技術的なフィードバックを受け開発したモデルで、エンジン特性や、シャーシの剛性バランスに大幅な変更が加えられた。このほか、2006年にデビューした、カワサキのフラッグシップモデル『ZZR1400』に吸排気系を改良し、さらなる低排出ガスレベルを達成するとともに、高い走行性能を実現したモデルも出品する。

△ゼンリン<9474>データコム、無料地図情報検索サイトをリニューアル
ゼンリンデータコムは、無料地図情報検索サイト「its-mo Guide」（いつもガイド。http://www.its-mo.com/）を15日から機能・デザインを大幅にリニューアして公開を開始した。いつでもガイドは、2001年4月にスタートし、最近では月間約4000万ページビューの利用がある地図情報サイトだ。今回のリニューアルは従来の目的地（地図）を探すことを主体としたサイト構成から、目的（情報）を位置情報とともに検索・収集できるサイト構成とした。特に、インターネット上の主要なブログサイトの記事に含まれるスポット情報や、他サイトが保有する施設情報とのマッシュアップにより、読み物的な情報が充実したサイトへなることをコンセプトとしている。さらに、お気に入りの地点を「Myスポット」登録することも可能だ。地図の表示についても、従来の方向ボタンや地図上をクリックして移動する「クリック地図」と、地図画面をドラッグして移動する「スクロール地図」を切り替えて利用できるなど、利便性の向上を図った。
（レスポンス）

△ホンダ<7267>系部品１１社、インドに集結－ホンダ含め総投資５００億円に
ホンダがインドに建設中の４輪車新工場（ラジャスタン州）の近隣にサプライヤーパークを設置し、系列部品メーカーが相次いで進出することになった。工場設置に伴うグループ全体の投資額はホンダ本体含め４００億―５００億円になる見込み。
サンルーフを手掛ける八千代工業<7298>、
シートのテイ・エステック<7313>、
燃料供給部品のケーヒン<7251>、樹脂部品の森六（東京都港区、森茂社長）の４社が進出を近く決定する見通し。
すでに拠点設置を表明しているプレス部品メーカーなどを含め、現時点では１１社が入居する。　ホンダにとってインド初のサプライヤーパークに系列の主力企業が集結し、一丸となって高効率・高品質生産に取り組むことになる。同パークはインド北西部のラジャスタン州クシケラに建設、敷地面積は約６０万平方メートル。ホンダの４輪車新工場（第２工場）は投資額が約２８０億円。０９年末の稼働予定で年産能力は６万台規模。小型車などを生産する計画で、同パークから主要部品を供給。　現時点ではテイ・エステックがシートの第２工場を建設する方針を固めたほか、ケーヒンは「新工場を検討中」としている。同社の４輪車向け燃料供給部品の生産はインド初。八千代工業も初進出に向け最終調整中のもよう。２輪車用部品子会社の合志技研工業（熊本県合志市）もインドに進出する可能性が高い。ホンダは第２工場と約１２０キロメートル離れた第１工場（ニューデリー近郊）を９７年に稼働させたが、部品メーカーは点在している。インドは日系メーカーをはじめ世界の主要各社が進出、激戦区になりつつある。特にコスト競争力が問われる小型車は高い生産性と品質確保が不可欠。部品開発・生産のノウハウを熟知した系列サプライヤーとの高次元の連携が必要と判断した。サプライヤーパークは４輪車組立工場の近くに立地する部品メーカーの集積地のこと。物流効率が高まり、同期生産の精度が向上するなどのメリットがある。９０年代から世界的に増え始めた。ホンダも中国や北米の拠点に同パークを置き、埼玉県寄居町の新工場（２０１０年稼働予定）にも設置する計画がある。
インドではシェア首位のスズキ<7269>が２０１０年までに２０００億円の追加投資を行い、年産１００万台体制を整える方針。
ジェイテクト<6473>やベルソニカ（静岡県湖西市）などが現地に進出している。
日産自動車<7201>も仏ルノー、現地のマヒンドラ・マヒンドラと合弁で０９年末に現地生産を始める。
これに合わせカルソニックカンセイ<7248>など１０社程度の部品メーカーが拠点を設ける考えだ。
トヨタ自動車<7203>は初期投資で約２２０億円を投じて２拠点を築き、
デンソー<6902>や豊田紡織<3116>などの系列企業も現地生産を始めた。

△ＤＴＳ<9682>、中国でオフショア強化－「ＤＴＳ上海」の日本法人設置
ＤＴＳはソフト開発の中国へのオフショア（海外委託）を強化する。中国・上海に１１月１日付で設立する子会社「ＤＴＳ上海」の日本法人を０７年度末までに設置。国内企業からのオフショアを直接受注できる体制を整備する。またＤＴＳ上海を軸に協力会社である中国国内のソフト開発会社との連携を強化。協力会社への出資や新規開拓を進めるほか、品質向上に向けた開発体制を整える。一連の強化策により０７年度見込みで５億円の発注額を、２０１２年度までに４０億円に引き上げる。日本法人の設置はオフショア案件の見積額の見直しといった問題発生時のリスク管理として、日本法人と契約したい日本企業の要望に対応。日本企業との窓口役を果たし、営業や連絡体制も構築する。設置場所は東京都内になる見込み。ＤＴＳ上海ではオフショア開発を受け持つ中国国内の協力会社８社への出資や中小ソフト開発会社の新規開拓を進める。また中国の協力会社が参加したコンソーシアムを形成。１社では開発能力を超えるオフショア案件に対し参加企業間に分割発注する仕組みを築く。協力会社との調整役としての役割も果たし、オフショア案件の進ちょく状況や品質を管理。「大手ソフト開発会社へオフショア案件を丸投げするのではなく、協力会社の開発を支援してプロセスごとにチェックし指導する」（赤羽根靖隆ＤＴＳ社長）体制を構築することでオフショア案件の不採算化を防ぐ。ＤＴＳは０４年４月に中国へのオフショアを開始。０６年１１月に中国・大連に駐在員事務所を設け、協力会社の新規開拓を進めてきた。今後、大連事務所はＤＴＳ上海の下部組織に編入する。ＤＴＳ上海ではオフショア以外に、金融機関など中国国内に進出した日系企業のシステム構築支援を担当。将来は日本国内のシステム運用・保守業務を中国で請け負う事業も計画していく。

△富士通<6702>、ＮＧＮのサービス品質を管理するソリューション開発
富士通は１５日、次世代ネットワーク（ＮＧＮ）で提供されるサービスの品質などを管理するソリューション「プロアクトネスＩＩ」を開発し、０８年度第１四半期に発売すると発表した。音声や映像などの通信品質を保証するＮＧＮはネットワークの品質管理の必要性がこれまで以上に求められ、検知や分析の精度を高めた製品需要の拡大に応えた。通信事業者のほか、大規模ネットワークを持つ企業にも売り込む。価格は音声などの体感品質を管理する「同ＱＭ」が１２９万１５００円から、大規模ネットワークの監視・運用管理用の「同ＮＭ」が３１５万円から。販売目標は３年間で２００億円。「同ＱＭ」はＩＰ電話の音声やテレビ会議システムの映像などの品質情報を計測装置を使って体感レベルで測定。サーバにそのデータを集約・分析して品質劣化や障害予想を利用者に通知し、ネットワーク品質の「見える化」を実現する。音声監視では音声に混入するエコーやノイズまで検出するほか、映像監視ではシーンごとに特性を判断し映像品質を数値化する。「同ＮＭ」は数十万の通信機器で構成する大規模ネットワーク向けの運用管理ソリューション。インターネット・プロトコル（ＩＰ）電話などのサービスごとにデータの流れるルートを管理する機能を備え、障害の影響範囲などが簡単に特定できる。

△日立<6501>など、次世代ＨＤＤ向け磁気ヘッド開発－記録密度５倍を実現
日立製作所と日立グローバルストレージテクノロジーズは１５日、ハードディスク駆動装置（ＨＤＤ）で読み取り動作を行う新しい磁気ヘッドを開発したと発表した。記録密度が現行製品に比べ５倍となる１平方インチ当たり１テラビット（テラは１兆）の次世代ＨＤＤが実現できる。２０１１年をめどにこの記録密度を持つＨＤＤの実用化を目指す。開発したのは次世代の磁気ヘッドとして有力な「ＣＰＰ―ＧＭＲ」と呼ばれる方式。ヘッドを構成する巨大磁気抵抗効果（ＧＭＲ）素子の膜方向に対して垂直に電流を流すため、小さい信号でも読み取れる特徴がある。本方式を採用し、新たに出力を高める多層膜材料とノイズを低減する膜構造を開発した。これで出力信号が弱いなど「ＣＰＰ―ＧＭＲ」方式のネックを解消、実用化水準まで性能を引き上げた。まず０９年にも記録密度が１平方インチ当たり５００ギガビット（ギガは１０億）のＨＤＤに適用し、さらに１テラビットまで広げる考え。現在、ＨＤＤの磁気ヘッドには微小信号から高い出力を得るトンネル磁気抵抗効果（ＴＭＲ）素子が使われている。だが１平方インチ当たり５００ギガビット以上の高記録密度ではノイズが発生し、適用が難しいといわれていた。

△イシダ、シーアイ化成<7909>と鉛フリーで薄いＸ線防護カーテンを開発
イシダはシーアイ化成と共同で、鉛フリーのＸ線防護カーテンを開発した。自社のＸ線異物検査装置「ＩＸ―Ｇ―２４５０」に採用し、１６日から受注を始めた。Ｘ線遮へい性能は鉛含有の既存ゴム製防護カーテンと同等。厚さは従来製品比５０％以下で０・３５ミリメートルまで薄くできる。価格は５４６万円と従来品と同等に据え置く。鉛の代替材料として食品衛生法に適合するタングステンを使い、複数の材料を混合させた。食品に直接触れても問題ない。鉛含有カーテン搭載時に必要な防護カバーが不要で、装置幅を従来の半分程度に抑えられる。さらにカーテンを薄くできるため、検査対象への負荷も軽減できる。イシダが仕様とユーザーニーズを提供し、シーアイ化成が材料開発を担当。評価試験はイシダが行った。

△ダイハツディーゼル<6023>、今年度中に顧客情報を一元管理するシステム構築
ダイハツディーゼルは０７年度中に、舶用エンジンの顧客情報を一元管理するシステムを構築する。文書やＣＤをはじめ記録媒体に分散した過去４０年の製造情報とメンテナンス履歴を、すべて電子データ化する。データからエンジン部品の交換時期を割り出し、顧客に事前通知する。国内外の拠点からオンラインで情報にアクセスできる体制を整える。これまでのホストコンピューターからサーバに置き換え、顧客情報の一元管理システムを整備する。国内の販売会社５社や部品管理会社１社、海外のサービス５拠点とネットワークをつくる。舶用エンジンの受注から出荷までの経過や出荷後の保守工事、部品補給の履歴を一括管理。エンジンの種類や顧客別の対応状況を、販社や海外法人も含むグループ全体で共有、把握する。顧客にはＩＤとパスワードを配布し、船名ごとに搭載部品リストとエンジン取扱説明書をウェブサイトで閲覧できるようにする計画。

△ＮＴＮ<6472>、産機向け軸受強化へ三重・桑名に第２開発拠点を新設
ＮＴＮは桑名ビジネスリサーチパークに「桑名第２研究開発センター」を新設する。０８年中の完成を予定。産業機械向けベアリングなどの技術開発を強化する。１６日、鈴木泰信会長が桑名市と立地協定に調印する。都市再生機構から３万５００平方メートルの用地を取得した。床面積１万平方メートル超規模の同センターを建設する。既存の桑名研究開発センター（桑名市）は拡張の敷地が乏しいため、将来の再拡張も視野に入れて、十分な敷地を確保した。第２研究開発センターでは、ナノメートル級の構造解析や表面創生などの要素技術の開発に注力する。また、環境に対応した商品の開発を進めるとともに、製品実験設備を導入する。同社は産業機械向け軸受が急拡大。桑名市周辺地域を産業機械向け軸受の生産拠点と位置づけ、桑名・三重両工場の再編・増設を進めている。研究開発体制を増強することで、品質や競争力の向上を目指す。

△日産車体<7222>、九州新工場を着工－日産九州工場６５万台体制に
日産車体は１５日、日産自動車九州工場（福岡県苅田町）内に建設する新工場の起工式を行った。０８年度末の完成、０９年度早期の稼働を目指している。稼働すれば同工場の年産能力は６５万台に達する。日産車体は湘南工場（神奈川県平塚市）の一部が住宅地に隣接しているため、今以上の拡張が難しい。このため効率的な生産体制構築を目的に生産の一部を九州に移転する。「中国などに近く専用埠頭（ふとう）もある日産九州工場内に建設すれば、投資は最小限で済む。日産グループとしてモノづくりのベストな計画を目指す」（高木茂日産車体社長）としている。新工場の投資額は３００億円。年産能力は１２万台規模。日産車体湘南工場の「エルグランド」と日産北米工場の「クエスト」の２車種を九州へ移管する。

△スズキ<7269>、相良工場関連の投資１９００億円規模に
スズキは１５日、新車両工場を建設中の相良工場（静岡県牧之原市）関連の投資が０５－２０１１年度に約１９００億円となる見通しを発表した。同工場内でディーゼルエンジンを生産することも正式表明した。同日、工場隣接地の用地取得について静岡県、牧之原市と３者協定を締結、その後の会見で鈴木修スズキ会長が明らかにした。近隣には２カ所の部品団地を建設する計画で、波及効果がさらに広がりそうだ。相良工場関係では、すでに新車両工場の６８０億円とガソリンエンジン増産分の２８０億円を発表している。今回の計画では１８７９億円と、倍増する。追加投資で最も大きいのがディーゼルエンジン工場で、早ければ０８年にも稼働する。増産分も含むエンジン関連全体の投資額は６４０億円。スズキはインドで１３００ｃｃクラスのディーゼルエンジンを生産するが、国内では初めて。

△日産<7201>、来年「インフィニティ」を欧で展開－「ＦＸ」など４車種投入
日産自動車は０８年から欧州市場で展開する高級ブランド「インフィニティ」の投入車種を決定した。まずは同ブランドで最量販車種のスポーツ多目的車「ＦＸ」、「Ｇ３５セダン（スカイライン）」、「Ｇ３７クーペ（同）」、新型クロスオーバー「ＥＸ」の４車種を発売する。欧州市場の日産車は０７年初めに投入した新型クロスオーバー車「キャシュカイ」の売れ行きは好調だが、商品ラインアップは端境期にあり、ラグジュアリーセグメントで収益の下支えを狙う。欧州の高級車市場はドイツ勢に加え、トヨタ自動車の「レクサス」の認知度も高まり激戦区。インフィニィ投入に向け、人気車、全面改良車、新型車の主力モデルを揃えた。４車種は０８年後半から順次発売する計画。

△日立造船<7004>、年末から１００億円の設備投資－舶用エンジン増産
日立造船は１５日、０７年末から約１００億円の設備投資を行うと発表した。舶用ディーゼルエンジンの生産量を年間約７０台から順次拡大し、２０１２年に同１２０―１３０台に引き上げる。同エンジンを生産する子会社２社で増産のための工場拡張と新設備導入を行う。好調な造船需要に対応する。増産する子会社は日立造船ディーゼルアンドエンジニアリング（熊本県長洲町）とアイメックス（広島県尾道市）。中・大型エンジンを製造する日立造船ディーゼルアンドエンジニアリング向けは約９０億円。本社工場の建屋を約１・５倍に拡張し、ラインを新設する。また日立造船の堺工場（堺市西区）の建屋を活用し、分工場とする計画。小型エンジンのアイメックスには約１０億円を投資する。ボイラなどを製造する機械工場を舶用エンジン専用に変更し、加工設備の増設を行う。ボイラは敷地内に新工場を設けて製造する。

△日立造船<7004>、ゼオライト膜で効率２倍の脱水システム開発
日立造船はゼオライト脱水膜エレメントと、同エレメントを用いた脱水システムをそれぞれ開発した。エタノールと水の混合物を同膜で処理した場合、膜１平方メートル当たりの脱水量は１時間５０キログラム。一般的な脱水膜の約２倍となる。バイオマスエタノール製造の無水化工程システムとして売り込む。５年後に年間３０億円の受注を目指す。開発した膜エレメントは、セラミックス多孔質チューブの表面にゼオライトを薄膜状に合成した。多孔質チューブの形状を最適化して、透過抵抗を低減した。シール部のない一体構造のため耐久性が高く、数百度Ｃの環境下でも使用できるのが特徴。通常、燃料用バイオマスエタノールは９９・５％まで無水化する必要がある。ゼオライト吸着法など現在の無水化プロセス技術では大規模設備が必要だった。同社によると今回のシステムを使えば、従来方式に比べ１０―３０％の省エネルギー化が可能としている。

■日清紡<3105>、通販事業から撤退－今年度末に事業部廃止
日清紡は通信販売事業から撤退する。８９年のカタログ創刊以来、シニアを対象とした通販「日清紡コンフォートプロポーザル」を展開してきたが、競争の激化と事業収益の悪化を理由に将来性のある分野に事業を集中することにした。１０月末にカタログおよびウェブ販売を締め切り、０８年３月末に担当事業部を廃止する予定。通販製品には同社の素材を１００％使用し、綿紡績の老舗のノウハウを生かした「上質素材の心地よさ」を盛り込んだ衣料品を提供してきた。ピーク時は年間２０億円を売り上げたが、ここ数年は１５億円にとどまり、赤字が続いていた。「競合が増える中で事業を飛躍させることができなかった」（福田修一執行役員繊維事業本部第一部門長）とし、消費者向け製品販売は今後は子会社を通じて展開していく。

△モレキュエンスとプロトセラ、バイオマーカーの共同探索で合意
モレキュエンスとプロトセラは１５日、共同でバイオマーカーを探索することで合意したと発表した。プロトセラが開発したペプチドバイオマーカー探索技術であるブロットチップ解析技術を用いて探索する。共同研究で有望なバイオマーカー候補を確認した場合は、来年以降、大規模な評価試験を実施し、早期事業化を進める。
モレキュエンスは、三菱ケミカルホールディングス<4188>グループのバイオマーカー研究会社。脳梗塞など日本人に多い重篤な疾患の発症や進行、薬剤反応性にかかわるバイオマーカーの探索を行っている。プロトセラは独自の解析技術で、４６種類の疾患から２０００種類におよぶバイオマーカーを発見。

△ナカボーテック<1787>、低コストの電気防食工法を開発
ナカボーテックは橋梁などのコンクリート構造物で鉄筋の腐食（さび）を防ぐ低コストの電気防食工法「ＡＬＡＰＡＮＥＬ（アラパネル）」を開発した。鉄筋腐食が進むコンクリート面を、鉄筋と一端で電気的に接続したアルミニウム合金板で覆う。アルミ板の内側には吸水性ポリマーが塗布してあり、コンクリート面と密着し安定的に防食電流を供給する。金属間の電位差を利用する流電陽極方式のコンクリート防食技術をアルミで実用化した。概算工費は１平方メートル当たり５万５０００円で、従来工法に比べ２割以上安いという。コンクリート構造物の電気防食には異種金属の電位差を利用する流電陽極方式のほか、耐久性のある電極を取り付けて、鉄筋を陰極として直流電流を通電し続ける外部電源方式がある。

△大手百貨店４社、０７年８月中間－大丸が増収増益
大手百貨店４社の０７年８月中間が１５日出そろった。天候不順や台風の影響で総じて低調だったものの、大丸（Ｊ．フロントリテイリング<3086>）が４年連続で最高益を更新、高島屋<8233>は営業利益、経常利益で過去最高を達成した。大丸と経営統合した松坂屋ホールディングス（Ｊ．フロントリテイリング<3086>）は微増益ながら減収。０８年３月に伊勢丹<8238>と経営統合する三越<2779>は減収減益となった。原油や食品原料価格の高騰に伴う値上げラッシュなどを背景に消費の不透明感が強まっており、下期は厳しい商戦を強いられそうだ。５月から回復の兆しがみられたものの、７月以降は天候不順や台風の影響で全般に低調。例年より早く立ち上げた中元商戦も伸び悩んだ。主力の衣料商戦が「全体的には一進一退」（鈴木弘治高島屋社長）の状況だったが、一部、高額品などに動きがみられた。各社、郊外型商業施設との競合が激しい地方都市の店舗の苦戦が目立った。そうした中、高島屋新宿店をはじめとするリニューアル店舗が健闘。
（日刊工業新聞）

△ケンウッド<6765>会長、さらなる再編に意欲　条件合えば「３社目」歓迎
ＡＶ（音響・映像）機器メーカー、ケンウッドの河原春郎会長は１５日、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、
経営統合を目指している日本ビクター<6792>との再編枠組みに、別のメーカーが加わることについて、「条件がかみ合えば歓迎する」と述べ、さらなる業界再編に意欲を示した。河原会長は積極的な再編論者として知られるだけに、発言に注目が集まりそうだ。ケンウッドとビクターは７月に資本提携し、２００８年度中に共同持ち株会社を設立する統合計画を進めている。河原会長は新たな再編案について、「２社の統合成功が大前提。（枠組みを）複雑にするのは現時点では望ましくない」と前置きしながらも、「国内メーカーは多すぎる。海外勢との体力勝負は人件費などの面で厳しい」とし、「大同団結」の必要性を強調した。新たに加わる第３の企業について、河原会長は「（ケンウッドとビクターの）統合ビジネスに有益である国内メーカー」が念頭にあると説明。その上で、ビクターとの統合が成功例となれば、「（他の企業が）集まりやすくなる」と話し、まずは２社の統合実現に全力を尽くすとした。
ＡＶ機器メーカーでは９月にパイオニア<6773>」がシャープ<6753>と資本提携した。
河原会長は、５年前に再編で誕生した高級音響機器メーカー「Ｄ＆Ｍホールディングス<6735>」の再建を果たし、ケンウッドに招かれた経緯があるが、ケンウッドとビクターに対してＤ＆Ｍは「相互補完性は悪くない」と述べ、統合枠組みに加わる可能性に含みをもたせた。
ケンウッドはビクターと１０月１日に車載機器の技術開発を進める共同会社を設立。０８年度中の統合実現には、ビクターの業績改善も株主の理解を得る上でハードルになるとみられている。この点、ビクターが０８年３月期に見込む営業利益８１億円の達成について、「数字にこだわるより、将来の経営改善につながる構造改革が進展をみせたかどうか」が前提になるとし、早期の統合実現に期待感を示した。一方、両社の協業については、年内にも生産の相互委託に着手し、ビクターの海外工場をケンウッドが活用する計画を明らかにした。

△ＢＡＳＦ、アジアで拡販　売上比率　１０年までに２０％超目指す
ドイツの化学大手、ＢＡＳＦは１５日、アジアで成長が著しい自動車関連の事業を強化し、同社の化学事業部門の総売上高に占めるアジア地域の売上比率を２０１０年までに２０％以上に引き上げる方針を明らかにした。
トヨタ自動車<7203>のおひざ元にある名古屋事務所の機能強化などにより、グローバル展開を加速させ、世界の自動車生産の３割を占める日系自動車メーカーに拡販する。同日、都内で会見したＢＡＳＦアジア担当のウルフガング・ハプケ氏が明らかにした。ＢＡＳＦの昨年度の化学事業部門の総売上高は３９４億ユーロ（約６兆５４００億円）。中国などで販売が伸び、アジア地域の売上比率は１９％に達している。同氏は、アジアでの自動車生産成長率が４・５％と、世界平均（３％）を上回っている点を指摘。「市場成長を上回る速度でアジアでの売り上げを伸ばす」とし、アジアシフトを一段と強化する。特に、今月末に発売する、高温塗装に耐えられる自動車外板用樹脂など新開発素材を“武器”に、日系自動車メーカーへの販売攻勢をかける考えを示した。ＢＡＳＦは、樹脂部材や触媒など自動車産業向け化学品供給の世界最大手。同社が製品を投入する自動車関連産業市場は世界で３２０億ユーロ（約５兆３１２０億円）と試算している。自動車メーカーが軽量化や環境対応を強化しているのに伴い、化学製品の需要が拡大しており、中型乗用車１台あたりに使用される化学製品は８００ユーロ（約１３万２８００円）相当に上るという。
一方、日本市場ではシェア３割程度を占める三菱化学（三菱ケミカルＨＤ<4188>）や三井化学<4183>をはじめ、国内化学メーカー各社が、樹脂製のシートやガソリンタンクなどを自動車メーカーに提供している。ＢＡＳＦでは、日系自動車メーカーに拡販するため、自動車の開発段階から食い込んでいく考え。また、海外進出する日系メーカーのニーズに応え、中国をはじめとしたアジアに生産拠点を新増設しているが、「トヨタなどの厳しい品質要求にどこまで対応できるかが日系メーカーへの拡販のカギをにぎる」（国内化学大手幹部）とみられている。

△ＫＦＣ<9873>のクリスマス限定新商品　過去最高２万個予定
日本ケンタッキー・フライド・チキンは１５日、クリスマス期間の１２月２２～２５日に、新商品「ローストチキンバーレル」を数量限定で発売すると発表した。ローストチキンにサラダ、ケーキ、絵皿をセットした。価格はフライドチキンのセット「パーティバーレル」よりより１０００円高い４９８０円。２万個の販売を予定している。１９８５年から販売している「パーティバーレル」が赤色のパッケージのため、新商品は青色でお目見えする。また、発売４年目を迎える、数量限定の高級ローストチキン「ケンタッキー　プレミアム　ロースト」は毎年売り切れることから、過去最高の２万個を用意する。１５日、東京都渋谷区の本社で会見した渡辺正夫社長は、「ケンタッキーは日本のクリスマスの風物詩のひとつ。常に新しいおいしさを提供したい」と語った。

△日立<6501>、海外に本格進出　指静脈認証の入退管理装置
日立製作所は、指静脈認証による「入退管理システム」で海外市場に本格進出する。海外向けの新製品を開発し、第１弾として今月３１日から中国市場に投入すると１５日発表した。順次、シンガポール、マレーシアなどアジア地域にも販路を広げ、年間３０００台の販売を目指す。同社は海外専用製品投入で、２００８年に全世界で１０００億円（０６年は約２００億円）への成長が見込まれる同システム関連市場で優位なポジションを築く。日立のシステムは、指静脈認証によりドアの開錠と入退管理を行う装置で、１つのドアに設置して単体での入退管理ができるほか、ネットワークを介してサーバーと複数の同システムを接続し、複数のドアの入退管理をする大規模システムへの適用もできる。指静脈認証技術は、体内の指の静脈パターンを使って個人を特定するもので、生体認証技術の中でも偽造困難で、機器の小型化が可能な点に特徴がある。国内金融機関のＡＴＭ（現金自動預払機）の約８割に採用されており、デファクトスタンダード（事実上の業界標準）になりつつある。同社の指静脈認証による入退管理システムの販売は国内が中心。これまでシンガポールなどで販売した実績があるが、１００台未満にとどまっていた。

△日本初のＨＳＤＰＡ対応大画面広告開発　ＣＯＭＥＬなど
ソフトバンク<9984>テレコムの子会社ＣＯＭＥＬ（東京都港区）は１５日、電子看板の開発を手掛けるバンテン（同新宿区）と共同で、日本初となる次世代無線通信規格「ＨＳＤＰＡ」を利用した大画面電子看板システムを開発し、広告枠の販売活動に乗り出したと発表した。両社が開発した電子看板システムは、最大毎秒３・６メガ（１メガは１００万）ビットの速さでデータのダウンロードが可能。インターネット経由で映像コンテンツ（情報の内容）を受信し、繰り返し再生できる。無線通信を使うためＤＶＤなどのソフト交換が不要なほか、設置場所も自由に変更できるのが特徴だ。端末には４０インチの大型液晶ディスプレーを採用した。両社はすでに福岡市内の空港や駅などで実証実験を実施。これら設置済みの１０台の端末を使い、福岡ソフトバンクホークス関連のコンテンツなどを配信し、その映像に付随して流す広告枠の販売を始めた。両社は２００９年中に、国内で約１０００台の端末を設置し、３年間で総額３０億円の広告枠販売を目指す。

△三菱商事<8058>　病院ＰＦＩ事業に積極応札へ　総合管理導入で赤字削減策を提案
三菱商事は１５日、民間資金活用による社会資本整備（ＰＦＩ）方式での病院整備・運営事業の獲得に積極的に乗り出す方針を明らかにした。２００９年までの２年間に、全国の都道府県立病院や大学病院が計画するプロジェクト１１件以上に応札する予定。病院の赤字経営に悩む国や自治体などに対して、建物の設計・建設から治療器具・薬剤の購入までを総合的に管理する手法を導入し、財政赤字縮小とサービス向上に貢献する。病院ＰＦＩ事業には、ゼネコンや大手リース会社などが参入しているが、三菱商事は以前から手掛けてきた経営コンサルティングや先端医療機器販売、医療データベース、給食、物流管理などの医療関連事業などのノウハウを総動員し、１５年程度の長期に及ぶＰＦＩ受託期間中の運営費削減を最大の売り物とする。同社は今年３月、都立駒込病院を改修して「がん・感染症医療センター（仮称）」へと機能向上させる総事業費１８６２億円のＰＦＩ事業を落札するなど病院ＰＦＩ事業に力を入れている。
（FujiSankei Business i）