10/12 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△大手運用会社、上場投信の品ぞろえ拡充
国内や海外の大手運用会社が上場投資信託（ＥＴＦ）の品ぞろえを競っている。
大和証券<8601>投資信託委託は近くシンガポール取引所に日本株で運用するＥＴＦを上場するほか、
野村<8604>アセットマネジメントは今年に入り３本のＥＴＦを新規に設定、日本の個人投資家などの取り込みを進めている。ＥＴＦは一般的な公募投信に比べて手数料が低く、世界的に販売が伸びている。各社は日本でも顧客層が広がると期待している。
ＥＴＦは金融機関の店頭で購入する通常の公募投信と違って、個別株と同じように取引所で売買できる投信。個人投資家の負担する手数料が低い特徴がある。例えば、株価指数連動タイプでは保有期間中に毎年徴収される信託報酬が0.25％前後と、公募投信のおおむね半分以下にとどまる。
（NIKKEI NET）

△ソニーフィナンシャル<8729>が上値追い、東証1部で売買代金第1位
ソニーフィナンシャルホールディングスが上値追いの展開となっている。１０時２５分現在、東証１部で売買代金第１位。好発進となったことで、資金の回転が効いており、引き続き短期的なディーリング資金を誘った。ＴＯＰＩＸへの組み入れなどによる、インデックスファンドの買い需要が材料としてはやされている。

▼日本信号<6741>が売られる、改札機トラブルを嫌気
日本信号が下落。東日本旅客鉄道<9020>（ＪＲ東日本）や東京メトロ、都営地下鉄などの各駅で１２日早朝、自動改札機の電源が入らずに使用できない問題が発生、鉄道各社によると日本信号製の改札機でトラブルがあったとされ、嫌気されている。ＪＲ東日本が１６０駅、東京メトロは４８駅、都営地下鉄では１０３駅で同様のトラブルが生じたが、各社とも、改札機を開放するなどして対応し、列車の運行に影響はなかった。トラブルの原因は調査中だが、ＪＲ東日本では「日本信号製の改札機でトラブルがあったようだ」としている。東京メトロと都営地下鉄も、トラブルのあった改札機は日本信号製だったと話している。日本信号はロイターの取材に対し「当社製品に関わったトラブルかどうかを含め調査中」としている。

△ドン・キホーテ<7532>堅調、長崎屋を買収との報道
ドン・キホーテが堅調。日経新聞が１１日、同社が長崎屋を買収する方針を固めたと報道したことなどが材料となっている。共同仕入れによる調達コスト削減などの相乗効果を狙うという。ドン・キホーテはこの件について、検討はしているが、現時点で決定した事実はないとのコメントを発表した。

▼ダイエー<8263>がさえない、08年2月期予想の下方修正で売り誘う
ダイエーがさえない。２００８年２月期の連結決算見通しについて、経常利益を従来予想２２０億円から７０億円に下方修正したことを受けて売りを誘った。
オーエムシーカード<8258>が、２００８年２月期連結決算見通しについて、経常利益を２２０億円から６８億円に下方修正したことなどが修正の理由で、オーエムシーカードは売り気配を切り下げる動きとなっている。

△東急リバブル<8879>が買い先行、9月中間業績予想を上方修正
東急リバブルが買い先行となっている。１１日に発表した２００７年９月中間期業績予想の上方修正を好感した。連結経常利益は従来予想３２億５０００万円から４２億５０００万円、連結純利益は同１８億５０００万円から２５億５０００万円に増額した。不動産販売の利益率改善と営業費用の効率的使用が寄与する。通期予想については、中間決算発表時に公表するとしている。

▼ＪＲ東日本<9020>や地下鉄など、一部改札で電源入らないトラブル
東日本旅客鉄道（ＪＲ東日本）や東京メトロ、都営地下鉄などの各駅で１２日早朝、自動改札機の電源が入らずに使用できないトラブルが相次いだ。ＪＲ東日本が１６０駅、東京メトロは４８駅、都営地下鉄では１０３駅で同様のトラブルが生じたが、各社とも、改札機を開放するなどして対応し、列車の運行に影響はなかった。
トラブルの原因は調査中だが、ＪＲ東日本では「日本信号<6741>製の改札機でトラブルがあったようだ」としている。東京メトロと都営地下鉄も、トラブルのあった改札機は日本信号製だったと話している。日本信号はロイターの取材に対し「当社製品に関わったトラブルかどうかを含め調査中」としている。
（ロイター）

▼日立国際<9756>が急落、半導体設備投資の鈍化警戒－ＧＳ証は判断中立に下げ
日立国際電気の株価が急落。午前を前日比119円（7.7％）安の1425円で終え、東証１部の下落率で９位となった。ＤＲＡＭ（記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー）価格の下落を受けて半導体メーカーの設備投資が落ち込み、同社の業績拡大ピッチが鈍るとの不安が高まっている。ゴールドマン・サックス証券は11日付で、日立国際の投資判断を「買い」から「中立」に引き下げた。目標株価も1800円から1600円に変更。同証券の堀江伸アナリストは同日付の投資家向けリポートで、「半導体設備投資減速リスクが高まっている。９月中間期決算は会社計画を２割程度上回ると予想するが、その後２－３四半期は期待値を上回る局面がない可能性がある」と述べ、受注・業績モメンタムが今年度下期に鈍化するリスクを指摘した。昨年末時点で６ドルを超えていたＤＲＡＭ（512メガビット）のスポット価格は急落し、11日時点で1.36ドルと最安値に落ち込んでいる。価格下落は「供給過剰が背景との見方が一般的で、引き続き半導体メーカーの設備投資減速懸念が出やすい状況」（ＳＢＩイー・トレード証券の鈴木英之投資調査部長）という。

△吉野家<9861>株が約２カ月ぶり20万円乗せ、地域別価格導入で利益増を期待
吉野家ホールディングス（ＨＤ）の株価が一時、前日比7000円（3.6％）高の20万1000円まで上昇。安部修仁社長が中間決算会見の席で地域別価格の導入を検討していることを明らかにし、導入による利益押し上げを期待した買いが先行した。吉野家株が取引時間中に20万円台に乗せるのは８月３日以来、約２カ月ぶり。11日に行われた中間決算会見で安部社長は、地域別価格の導入について具体的な計画は未定としながらも、「来年には検討したい」と述べた。ただ、この導入は「値上げのためではない」とも強調した。外食業界では、ハンバーガーチェーン店の日本マクドナルドホールディングスが地域別価格を導入している。
三菱ＵＦＪ証券の新井勝巳アナリストは「マクドナルド<2702>の地域別価格は、一部で価格を下げ、大半で上げるというやり方で、今のところ順調。仮に吉野家がマクドナルドと同じやり方で導入するとなれば、それなりに利益にプラスになるだろう」と見ている。ただ、「吉野家の場合、マクドナルドと違ってメニューが少ないため、どの程度の業績に影響するのかはまだわからない」（同氏）とした。また、吉野家の中間決算については「まったくサプライズはない」（新井アナリスト）といい、この日の株価上昇は「地域別価格導入による利益増を期待したものではないか」（同氏）との見方を示した。吉野家が11日に発表した2007年８月中間期決算は、連結純利益が前年同期と比べて約4.9倍の11億円だった。米国産牛肉の輸入解禁に伴い昨年９月から牛丼販売を復活。当初の販売は時間限定だったが、今年３月から延長したことなどが奏功、客数が伸びて既存店売上高が同28％増と好調に推移した。通期（08 年２月期）の業績予想は据え置いた。

▼半導体関連株が軒並み安、ニコン<7731>とスクリン<7735>急落－ＧＳ証は弱気判断に
ニコンや大日本スクリーンなどの半導体製造装置の株価が軒並み安い。ゴールドマン・サックス証券は11日、半導体製造装置銘柄の投資判断や目標株価を軒並み引き下げており、これをきっかけに業績の先行きや株価見通しに対する弱気な見方が台頭しているようだ。午前９時35分現在の株価は、ニコンが前日比260円（6.1％）安の3990円、スクリンは66円（8.7％）安の691円、東京エレクトロン<8035>は170円（2.3％）安の 7220円など。ゴールドマン・サックス証券は11日、ニコンの投資判断を「中立」から「売り」、目標株価を3800円から3300円に引き下げたほか、スクリンを「買い」から「売り」、940円から610円に、東エレクを「買い」から「中立」、１万1800円から7300円に下方修正した。
このほか、アドバンテスト<6857>とディスコ<6146>の投資判断を「中立」に据え置く一方、目標株価は引き下げた。アドテストは4700円から3000円に、ディスコは8200 円から6800円に修正した。

▼リソー教育<4714>株が売り気配、当初計画は過大－中間期は一転大幅減益に
首都圏で学習塾を展開するリソー教育の株価が前日比200円（4.1％）安の4620円で売り気配。学習塾の新規開校や広告宣伝費用などがかさんだことで、８月中間期の連結純利益が前年同期比85％減の8800万円になったもようだと11日発表した。当初は同12％増の６億5000万円の増益を計画していたため、一転しての大幅な業績悪化で再度安値を模索する展開を予想する声も出ている。中間期の連結売上高は前年同期比7.2％増の72億6100万円と増収を確保したもよう。ただ、「当初の計画が高水準だった」（同社広報・ＩＲ室）ため、従来予想に10％届かない。新規に塾を５カ所で開校したほか、生徒募集のための営業人員増強や広告宣伝費が膨らんだため、経常利益は前年同期比61％減の３億9100万円と従来予想を９億3000万円下回る。さらに、全額出資子会社が名古屋に支社を開設したことも経費増加要因となった。08年２月通期の業績予想も下方修正。売上高は前期比14％増の160億300 万円（従来予想比5.9％減）、経常利益は同10％増の22億100万円（同27％減）、純利益は同16％減の10億2600万円（30％減）をそれぞれ見込む。同社は連結配当性向40％以上を経営目標に掲げているが、利益予想の下方修正に伴い、減配することを決めた。前回計画では１株当たり年170円の配当を見込んでいたが、年140円にする。前年実績は年150円だった。市場では「今回の業績下方修正の幅が大きく、サプライズだ。失望売りにつながり、株価は再び4000円を割り込む可能性もある」（リテラ・クレア証券の井原翼理事・情報部長）と見方があった。リソー教育株の年初来の推移をみると、２月19日に8680円の高値を付けたものの、下落傾向が続き、９月25日には3900円まで値を下げた。この間の下落率は55％に達する。その後は買戻しの動きが広がり、10月９日には5000 円を回復した。

■京セラ<6971>が小安い、赤字の携帯事業を三洋電<6764>から買収で合意－三洋小高い
京セラの株価が一時、130円（1.2％）安の１万710円と反落。経営再建中の三洋電機から、採算が悪化している携帯電話機・ＰＨＳ事業を買収することで基本合意したと11日発表したことを受けた。ただその後は、一時プラス圏に浮上するなど下げ渋り。一方、三洋電は３円（1.6％）高の194円と小高く推移。携帯事業の売却自体は昨年秋から断続的に報道されていた経緯があり、市場では既定路線として株価の反応は限られている。三洋電が売却対象とする事業の年商は前期（2007年３月期）で2770億円と、三洋電の連結売上高全体の12.5％。最終合意の時期や売却額は未定だが、同社は譲渡の前段として携帯・ＰＨＳ事業を分社化する可能性がある、としていた。発表文の中で三洋電は、売却目的として「事業環境の変化を受け、当社単独での展開を継続するよりも、他社への譲渡により経営基盤強化を図る必要があると判断した」と説明。京セラは「国内および海外の携帯通信市場で、事業のさらなる強化が必要」と考えた、としている。三洋電の広報担当者、大岩明彦氏は11日、同日付の日本経済新聞朝刊が、京セラが売却額として700億円を提示したもようだと報じた点については「憶測に基づく数字だ」と述べていた。
（ブルームバーグ）

▼アデランス<8170>---下落率2位、通期も想定以上の下方修正に
下落率2位。前日に中間決算を発表、並びに、通期業績予想を下方修正している。中間期は先に下方修正済み、通期の下ブレは織り込まれていたものの、想定以上の下方修正幅であるといった見方に。経常利益は従来の77億円から44億円に下方修正している。先に発表している中期計画の実現性なども乏しくなっていきているようだ。

△アロカ<7704>---1999年9月最高値2250円意識されるところ
連日の年初来高値更新。前日までの上昇で1999年11月以来の1700円を回復している。目先的には同年9月最高値2250円が意識されるところ。放射線測定装置などを手掛けているが、原発事故等が相次ぐ中、原発関連の穴株との見方も。

▼マルマエ<6264> 軟調。
今期見通しに失望感が生じているようだ。07年8月期実績は7月中旬の下方修正にほぼ沿った数値となっており、経常利益で前期比36.4％減の0.89億円となった。一方、08年8月期の見通しについては、経常利益で2.1億円と四季報予想の4.7億円を大幅に下回っている。

△ハブ<3030> ストップ高。
中間決算の内容が好感されているようだ。08年8月中間期は、経常利益で前年同期比68.3％増の1.54億円となった。中間期実績は上方修正通りでの着地、通期予想については前回の増額から据え置かれているものの、好業績銘柄として見直しの動きが進んでいるもよう。既存店の好調推移に加え、前期に上場関連費用を計上した反動などが好決算の背景とみられる。

△島精機<6222>---高値更新、ＵＢＳでは目標株価7200円に引き上げ
高値更新。本日はＵＢＳの目標株価引き上げが買い材料視される展開。業績変化率の高さに加えて、当面は中国需要継続が想定されること、今後の生産体制増強効果が見込めることなどを背景に、目標株価は従来の6500円から7200円にまで引き上げへ。

△アロカ<7704> 連日の年初来高値更新。
前日までの上昇で1999年11月以来の1700円を回復している。目先的には同年9月最高値2250円が意識されるところ。放射線測定装置などを手掛けているが、原発事故等が相次ぐ中、原発関連の穴株との見方も。

△ＪＣＯＭ<4817> ＧＳでは、投資判断「買い」並びに目標株価11.9万円を継続したようだ。
関西で一部スタートした160Mbpsのネット接続は予想上回る人気としている。また、昨年買収したケーブルウエストとの統合も順調に進んでおり、今後はバンドル化の進展などによるARPUの引き上げが期待できると。

▼ＯＭＣカード<8258>---急落、業績下方修正や無配転落で
急落。前日に発表した業績予想の大幅下方修正が嫌気されている。中間期の営業利益は124億円から16.2億円に、最終損益は73億円の黒字から272億円の赤字に下方修正している。貸倒引当金、利息返還損失引当金計上などが背景に。今期の年間配当金も従来計画20円から一転して無配に転落へ。

△ＫＤＤＩ<9433>---6営業日続伸で6/26以来の94万円を回復
6営業日続伸で6/26以来の94万円を回復している。週足ベースの一目均衡表では先行スパン（雲）上限を突破してきている。来週初に新製品発表会、週末に決算発表が予定されている。決算控えて買い戻しの流れが優勢か。

△ソニーＦＨ<8729>---しっかり、野村では業績上ブレを想定とも
しっかり。昨日新規上場、公開価格40万円に対して初値は42万円、ほぼコンセンサス通りの初値形成となっている。株価水準の割高感など警戒する声もあったが、野村では、会社側の今期経常利益予想260億円に対して347.1億円、前期比89％増益を予想。業績上ぶれ期待など早々と高まる状況にも。

△エプコ<2311> 大幅高。
自社株買いが評価材料となっているようだ。1000株、2億円を上限とする自社株取得枠を設定したと発表している。上限株数は発行済み株式数の4.29％、取得期間は来年3月31日まで。

△木村化<6378>---指数膠着となると材料株に値幅取り資金がシフト
反発。直近戻り高値レベルを捉えてきている。昨日の全体の指数急騰では見送られていたが、指数が膠着となると仕手系色の強い材料株に値幅取り資金がシフトしやすい。

△東芝機械<6104>---出来高伴い続伸、ＫＢＣが「ＢＵＹ」に上げ
出来高伴い続伸。ＫＢＣが投資判断を「ホールド」から「バイ」に格上げしており、評価材料につながっている模様だ。目標株価は1100円に設定の模様。工作機械受注の上向きトレンドや株価水準の割安感などを評価している模様。前日に伝えられた9月の工作機械受注は前年同月比39.3％増、主要8社の中では突出した伸び率ともなっている。

△ファナク<6954>---7月下旬以来の13000円を回復
7月下旬以来の13000円を回復してきている。日本ロボット工業会が発表した07年の国内メーカーによるロボット生産額は同4.1％増となり、3年連続で過去最高を更新する見通し。また、08年の生産額は07年見込み比3.9％増の7900億円と4年連続で最高を更新すると予測。

△新日鉄<5401> 小幅続伸。
出資先のブラジル鉄鋼大手ウジミナスから鉄鋼半製品を大量調達すると報じられている。低コストの半製品を安定確保して増産につなげると。また、大手鉄鋼に対しては収益基盤を評価する見方も。

△三菱商<8058>---9/27以来の最高値更新
9/27以来の最高値更新。ＮＹ原油相場が83ドル台を回復するなど市況上昇や新興諸国の経済成長を背景に業績上振れ期待が強い。物色は業績面で安心感のある資源関連セクターに向かい易い。

▼スクリーン<7735>---売り気配、ＧＳでは「買い」から「売り」
売り気配。ＧＳでは半導体製造装置各社の投資判断や目標株価を一斉に引き下げている。半導体設備投資の減速リスクなどを反映させているようだ。同社に関しては、投資判断を「買い」から「売り」、目標株価を940円から610円に引き下げている。今期の3割営業減益に続いて、来期、再来期と営業2割減益見通し、業績修正に伴い株価の割高感は強いとしている。
（フィスコ）

△小森<6349>は決算発表先取りを信用好需給がフォローし反発
小森コーポレーションは、３０円高の３０１０円と３日ぶりに反発し７月１７日につけた年初来高値３１００円を意識する動きを強めている。今３月期第１四半期（１Ｑ）業績の大幅増益・高進捗率着地を見直し、中間期決算発表に向け業績上ぶれ期待を高め買い先行となっているもので、信用取組が薄めながら株不足となり逆日歩のつく好取組や自己株式取得の好需給も押し上げ効果を発揮している。同社の１Ｑ業績は、前年同期比１４％増収、８９％経常増益、２．２倍純益増益と伸び、経常利益は期初の中間期予想業績対比で７７％、純利益は８２％の高進捗率となった。海外売り上げが、枚葉機の売り上げ計上基準変更で米国向けが減少したが、中国、韓国のアジア市場や西欧、中・東欧の欧州市場向けが続伸し、円安による１７億５２００万円の為替差益発生も加わり好業績につながった。中間期・通期業績は期初予想を踏襲、通期純利益は１０３億円（前期比１１％増）と１７年ぶりの過去最高純益更新を見込んでいる。同社は、前期に中間期決算発表前の昨年１０月に１回目の業績上方修正を行い、今年４月には２回目の業績増額と期末配当の増配を発表している。株価は、ＰＥＲ的には市場平均を上回るが、信用取組が０．４０倍と株不足で逆日歩のつく好需給をテコに中間期決算発表の１１月１２日に向け業績上ぶれ期待が高まり高値抜けに弾みをつけよう。

△アロカ<7704>は中間業績増額、単元株変更に信用好需給オンし連日の高値
アロカは、４３円高の１７４２円と４日続伸し連日の年初来高値更新となっている。７月の今９月中間期業績の上方修正、８月の１単元株式数の１０００株から１００株への変更などをきっかけに上値追いに弾みをつけており、薄めながら株不足で逆日歩がつく信用需給もフォローの材料となっている。同社の中間期業績は、第１四半期（１Ｑ）決算公表時の７月に上方修正された。売り上げは期初予想据え置きとしたが、経常利益は１億６０００万円、純利益は１億７０００万円各アップし、純利益は４億円（前年同期比２．５倍）と増益率を伸ばす。超音波診断装置が、国内販売は価格競争が厳しく伸び悩んだが、西ヨーロッパ地域、東アジア地域向けが好調に推移、欧州市場向けの為替レートの円安寄与から、１Ｑ業績が大幅黒字転換、期初の利益予想に対して高進捗となったことから上方修正した。ただ通期業績は、今後の市況など不確定要素があるとして期初予想を据え置き、純利益は２０億円（前期比１１％減）とした。このため株価の一本調子の上値追いとともに強弱感も対立、信用売りが積み上がり株不足、逆日歩がつく展開となっている。もともとのディフェンシブ株人気に好需給が上乗せ、１１月１２日発表予定の中間期決算への期待を高め全般相場への逆行高に拍車がかかろう。

△沖縄電<9511>は業績減額織り込み消去法的内需関連人気で反発
沖縄電力は、１９０円高の７４９０円と変わらずを含め４日ぶりに反発している。７月３１日の今３月期第１四半期（１Ｑ）決算とともに発表した今９月中間期業績の下方修正が響き、５９６０円安値まで突っ込み急落前の水準まで戻しているところだが、電力株のなかでも原子力発電を保有せず、原発トラブルの圏外に位置する消去法的な内需・ディフェンシブ株特性が買い物を集めている。同社の１Ｑ業績は経常利益、純利益とも赤字となり、９月中間期業績は下方修正された。燃料費コストの低い原発と水力発電を保有せず、円安と原油高が重なる燃料費負担増が業績を押し下げた。ただ通期業績については、下半期に燃料費調整制度を適用することから、売り上げは期初予想を小幅上方修正し、利益も期初予想をクリア、純利益は８０億円（前期比２４％増）と増益転換を変えていない。記録的な猛暑から、この夏の日中の最大電力や１日の電力使用量はいずれも過去最高を記録しており、この上乗せも期待される。全般相場の調整期には、ディフェンシブ株として電力株が選好され、逆行高するのが相場の定石であった。ただこのところ次々に明らかになる電力各社の原発トラブルが、この定石を押し止めているだけに、消去法的により同社への割安株人気の高まりが予想されることになる。

△平河ヒューテ<5821>は１Ｑ好決算見直し業績上ぶれ期待で連日の高値
平河ヒューテックは、４５円高の１９９５円と３日続伸し連日の年初来高値更新となっている。１０月末からの３月期決算会社の中間期業績発表を前に、第１四半期（１Ｑ）好決算会社に業績上ぶれ期待が高まっており、その関連株の一角として同社にも割安株買いが続いている。９月１４日の東証１部指定替えに伴い同社の浮動株比率が上昇、１０月３１日からＴＯＰＩＸ（東証株価指数）に組み入れられる好需給も側面支援材料となっている。同社の１Ｑ業績は、前年同期比５％増収、７９％経常増益、９７％純益増益と大きく伸び、利益は期初の中間期予想業績対比で６１―６０％の進捗率となった。電線・加工品では、薄型テレビ用極細ケーブルや車載ケーブルなどが好調に売り上げを拡大し、電子・医療部品でもネットワーク機器や医療用チューブが堅調に推移して受託生産のフレキシブルプリント基板の売り上げがなくなったことをカバー、為替差益発生を加わり好決算につながっている。中間期・通期業績は、期初予想を据え置き純利益は１０億８０００万円（前期比１１％増）を予想しているが、１１月６日予定の中間期決算発表に向け上ぶれ期待を高めよう。株価は、東証１部上場以来すでに３００円超高しているが、ＰＥＲはなお１４倍台、ＰＢＲも１倍ソコソコと割り負けている。２００６年５月の新規上場時以来の２０００円大台での再活躍に進もう。

△ＡＢＣマート<2670>は急反発、中間業績上ぶれ着地に期末増配オン
エービーシー・マートは、１８０円高の２６３５円と急反発している。前日１１日に発表した２００７年８月中間期決算が、今年７月の上方修正値を上ぶれて２ケタ増収益となり、期末配当を増配したことが株不足、逆日歩のつく信用好需給と相乗して消費関連の好実態株買いを刺激している。同社の中間期業績は、前年同期比１８％増収、１３％経常増益、１８％純益増益となった。長梅雨、台風、猛暑の天候不順の影響があったが、店舗展開で年間６２店の出店計画に対して、中間期で３３店の出店を完了し、「Ｈａｗｋｉｎｓ　Ｓｏｐｏｒｔ」が好調を持続、レディースシューズも売り上げを伸ばし構成比をアップさせたことなどが寄与したもので、利益は７月の修正値を１億４２００万円ー２億６６００万円上ぶれた。通期業績は、ほぼ７月修正値を踏襲し純利益は１０２億円（前期比１％増）を予想している。期末配当は、中間期業績の上ぶれに伴い従来予想の１２円を１８円に引き上げ、年間３０円（前期実績２４円）に増配する。株価は、７月の業績増額で３２７０円高値まで買い進まれたものの、同社創業者の三木正浩会長の辞任が響き、２２１０円安値まで急落した。この急落で信用売り残を積み上がり薄めながら株不足となり逆日歩もついているだけに、さらにリバウンド幅の拡大が想定される。

△ＵＳＪ<2142>は中間業績の上方修正で内需株人気高まり３連騰
ユー・エス・ジェイは、６６００円高の８万６００円と３日続伸している。前日１１日に発表した今９月中間期業績の上方修正が買い手掛かりで、今年４月の前期業績の上方修正時の株価急伸が強く連想され内需関連人気を高めている。同社の中間期業績は、売り上げは期初予想より７５００万円の小幅増額にとどまったが、経常利益は９億円、純利益は１１億円それぞれ大きく引き上げられ、純利益は４５億円（前年同期比３．２倍）と増益率を伸ばす。今年３月に導入した新アトラクション「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」や夏季限定イベントが好調に推移、昨年７月実施のテーマパーク入場料の値上げ効果やコスト効率化、為替差益も重なり上方修正につながった。３月通期業績は現在見直し中としている。株価は、４月の業績増額時に直近ＩＰＯ（新規株式公開）人気もオンし上場来高値９万９００円まで約３万円高し往って来いとなっている。通期業績の上方修正催促で再度の急伸が予想される。

△東急リバ<8879>は増益転換の中間業績増額で割安株買い拡大し８連騰
東急リバブルは、１３５円高の２２７５円と８営業日続伸となっている。前日１１日発表した今９月中間期業績の上方修正が、期初の減益予想が増益にプラス転換するとして不動産関連の割安株買いを拡大している。同社の中間期業績は、売り上げが期初予想より８億円下ぶれるが、経常利益は１０億円、純利益は７億円各引き上げられ、純利益は２５億５０００万円（前年同期比３％増）と増益転換する。売り上げは予想値を下回ったものの、不動産販売業の利益率向上と営業費用の効率的な使用が相乗し利益を押し上げた。３月通期業績は、１０月２９日に予定している中間期決算発表時に公表するとしている。株価は、７月に開示した今期第１四半期決算が４０％経常減益と大きく下ぶれしたことから株式分割権利落ち後安値の１５８５円まで急落、独立系投資会社のスパークス・アセット・マネ－ジメントの大量保有報告書提出で思惑が高まりＶ字反騰した。ＰＥＲ評価はなお１７倍台と低く、上値追いに弾みをつけよう。

□スター精<7718>は業績再上方修正も米ハイテク株安響き急反落
スター精密は、１８０円安の３４９０円と急反落している。前日１１日に２００７年８月中間期決算を発表、８月２２日の上方修正値を上ぶれて着地し、２月通期業績も８月に続き再上方修正したが、１１日の米国市場でハイテク株安などからＮＹダウが、６３ドル５７セント安の１万４０１５ドル１２セントと続落したことから利益確定売りが先行している。同社の８月中間期業績は、８月の修正値を利益で２億円強上回り前年同期比１９％増収、５１％経常増益、４７％純益増益となった。特機事業の小型プリンタが米国、欧州、新興市場国まで広がったサーマル化需要に乗って売り上げを伸ばし、コンポーネント事業でも携帯電話向け小型マイクロフォンやスピーカーの販売が拡大、工作機械事業のＣＮＣ旋盤も欧州で自動車・電気・医療部品などの幅広い分野で受注が増加したことなどが、中間期として過去最高業績につながった。通期業績は、８月予想より売り上げは８０００万円だけ引き上げただけだが、経常利益は２億８０００万円、純利益は２億円それぞれアップさせ、純利益は９１億円（前期比２９％増）と連続過去最高更新となる。株価は、前期以来の再三の業績増額や今期配当５２円への連続増配などにより上昇トレンドが続き、１０月２日に年初来高値３７４０円まで買われた。目先調整一巡後のハイテク関連人気再燃が有力となる。

▼ファーストリテイ<9983>は下ぶれ減益業績と減配を売り急続落
ファーストリティリングは、寄り付きの売り気配から６６０円安の６８５０円まで売られ急続落している。前日１１日に発表した２００７年８月期業績の下ぶれ・減益着地、減配が嫌気売りされており、１１日米国市場の小売り株安やウォルマート・ストアーズの１株当たり利益見通しが引き下げられたことなども連想売りされている。同社の前８月期業績は、第３四半期決算発表時の今年７月に下方修正されているが、この減額値を下回り前々期比１７％増収、１１％経常減益、２１％純益減益となった。店舗面積が１０００坪級などの大型店２１店舗の出店効果で増収となったが、天候不順による在庫処分による粗利益率低下や、事業成長のための人件費増、ブランディング強化のための広告宣伝・販促費増などで減益となった。減益となったことから業績連動配当方針に基づき、期末配当を従来予想の７０円から６０円に下方修正して年１３０円（前々期実績１３０円）とする。今８月期業績は、売り上げ５７００億２０００万円（前期比８％増）、経常利益７２８億５０００万円（同１２％増）、純利益３８８億円（同２２％増）と増益転換を見込み、配当は年間１３０円を据え置く。株価は、７月の業績減額で窓を開けて急落、天候不順による月次売り上げの伸び悩みも響き下値を固める調整が続いた。再び下値を試す展開は不可避となる。

△ホギメディ<3593>は連続最高業績、積極中期計画に反応し続伸スタート
ホギメディカルは、５０円高の５３２０円と続伸して始まったあともみ合いとなっている。前日１１日に早期発表した２００年９月中間期決算で連続して過去最高を更新する好業績を確認するとともに、同時に開示した積極的な中期経営計画も評価し好実態株買いが増勢となっている。同社の中間期業績は、前年同期比５％増収、１３％経常増益、１５％純益増益と７月開示の第１四半期と同様の順調な推移を示した。高単価の手術用キット「オペラマスター」の累計契約件数が、前期末の６６件から８０件に契約を拡大、前期投入のガウン、ドレープの新製品も順調に伸び、外貨建て資産の為替差益や受取配当金が発生したことが２ケタ増益につながった。通期業績は期初予想を据え置き、純利益は４１億４０００万円（前期比１４％増）と連続過去最高更新を見込んでいる。一方、中期計画では「オペラマスター戦略」をさらに推進することにより同業他社との差別化を際立たせ、最終年度の２０１２年３月期には純利益７２億円を目標にしている。株価は、５０００円台固め下値から４月、７月と決算発表のたびごとに１０００円幅のボックス上限挑戦に動いている。上位ボックス移行に弾みをつけよう。
（東洋経済新報社）

△近鉄百<8244>が２０１５年２月期を最終年度とする中期計画を策定
近鉄百貨店は２０１５年２月期の連結営業利益を前０７年２月期の３．１倍に当たる１６０億円以上に引き上げることを柱とする経営計画を策定した。名称は「近鉄百貨店グループ第２次中長期経営計画」（０８年２月期～１５年２月期）。阿倍野橋ターミナルビル（大阪市）の旧館部分を地上５９階建て、高さ３００メートルの超高層複合ビル（仮称・タワー館）に建て替える。タワー館の１４階までを利用することにより、営業面積が約１０万平方メートルと日本最大級の百貨店とする。

▼オンワードＨ<8016>はモルガン証が目標株価引き下げ
オンワードホールディングスはモルガン・スタンレー証券が１１日付モーニングサマリーで、同社の目標株価を１５４０円→１３４０円に引き下げた。投資判断は「イコールウエート」継続。今０８年２月期の８月中間期連結経常利益は会社予想を約２０億円下ブレたが、同証券予想の範囲内でサプライズはないという。ただ、９月、１０月の月次売上高がマイナス基調であることから下期の下ブレリスクを考慮し、今期以降の経常利益予想を減額修正した。今下期以降不採算ブランドの統廃合が進めば、利益回復ペースが早まる可能性も指摘している。
（株式新聞ダイジェスト）