10/11 朝の『株価材料』PART Ⅳ

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■株価材料

△タイムズ、東京 有楽町に287台収容の機械式駐車場
タイムズを運営するパーク24<4666>は12日、東京・有楽町前に誕生する複合商業施設「有楽町イトシア」に地下駐車場「タイムズステーション・イトシア」をオープンさせる。タイムズ初の機械式駐車場で、287台が収容可能。タイムズステーションは、「駐車場+α」の発想で、駐車場を娯楽・商業施設などに付帯させることで、利用者に駐車場が街の機能のひとつとを実感させることを意図している。有楽町イトシアのタイムズステーションは、「マルイ」とのセットになっている。タイムズステーション・イトシアでは、快適なおもてなしと、ゆきとどいた気配りがコンセプト。入庫バースのサイズが、通常の1.5倍にあたる幅3.6m、高さ2.1mまでとなっており、ハイルーフ車にも対応している。場内バリアフリーで、24時間有人管理体制となっている。パーク24経営企画部の絹川いずみさんは「機械式駐車場ということで、1－2分の待ち時間には、ロビーに設置されたモニターにエンタメ系の情報を配信し、対応しています。シネマ・BOOKランキング・音楽情報・渋滞情報等を配信していますが、これもタイムズでは初めてとなります」という。支払い方法は Suica、PASMOも対応、Edyには未対応だ。

△CEATEC07　ロボロボロボロボ
「CEATEC JAPAN 2007」（2-6日、幕張メッセ）では技術アピールのため、自社開発ロボットを展示する企業もあれば、部品を搭載しているホビー用途などのロボットを展示する企業もあった。
シチズン<7762>は自社製ロボットを展示していた。大阪大学大学院工学研究科とともに開発した、縦1cm×横1×高さ2cmという、小型で、光エネルギーで動く『マイクロ・ロボット』である。シチズンブースでは、その『マイクロ・ロボット』を使ったサッカーゲームのデモンストレーションを実施していた。またヴイストンは、税込み価格で504万円という、高機能ロボットの新型『Robovie-R ver.2』を展示。全高は110cmとホンダ『ASIMO』クラスで、移動は車輪方式。504万円という価格は、市販されていないもののASIMOがウン千万円といわれており、このクラスのロボットとしては非常に安価だ。また展示だけではなく、案内という業務に従事していたのが、綜合警備保障の『ガードロボ』シリーズだ。05年に開発された最新型の警備機能特化モデル『D1』、02年に同シリーズ初の販売モデルとして登場した『C4』、そして愛知万博での実証実験のために開発された研究用プロトタイプの『i』の3タイプが幕張メッセのコンコースに配備されていた。ちなみに、『D1』はヘッドランプの赤いプロトタイプと、青い量産型の両方があった。現在はD1量産型がリースされており、リース料は月々38万円だ。

△東京モーターショー07　ダイハツ<7262> タント にピラーレス電動スライドドア
第40回東京モーターショーのダイハツブースには、「市販予定車」という形で新型『タント』が登場する。注目はなんといっても、両側スライドと軽自動車初の助手席側のBピラーレスを実現したパッケージング。
スズキ<7269>がタント狙いの軽自動車を参考出品するが、先駆者タントはさらに新しい要素を盛り込んで逃げ切ろうという考えのようだ。磨き込んだのが居住スペース。初代に比べてインパネやフロントシートを前に、そしてリヤシートをさらに後ろにレイアウトすることで、軽自動車とは思えない広さを実現しているのである。室内長は、初代より150mm延びた2150mm。前後席間のカップルディスタンスは95mm伸びた1135mmを実現している。商品企画部主査の惣内茂さんによると「室内長は日産『キューブ』より30cm長く、レクサス『LS』と同じ。1355mmの室内高は『ノア』や『ヴォクシー』を超えています」とのこと。新型タントは、そこまで広いのだ！　フローリングフロアや折りたためる助手席の採用も、ニュースだろう。標準タントに加えて「タントカスタム」も用意されるが、「『ムーヴカスタム』が洗練されてしまったので、新型タントではカスタム本来の“悪そうな感じ”を狙った」（惣内さん）という。

△「エコ・スクール」優勝は、登下校時のスタンプ・ラリー
トヨタ<7203>・モーター・ヨーロッパは、ヨーロッパの小中学校を対象として、交通問題の改善を図る「インターナショナル・エコ・スクール・プログラム」を支援しているが、先頃、2007年の優勝校が発表された。優勝したのは、英ノーフォーク州ノース・ワルシャム小学校の「スタンプ・スタンリー、ウォーク・トゥ・ミルフィールド・プロジェクト」。登下校のルートに設置された、スタンプ発行機のスタンプを歩いて集めることを奨励して、自動車による送り迎えを減らそうという試みだ。集めたスタンプは、同小学校で、いろいろなものと交換できる。このインセンティブにより、同校では、歩いて登校する生徒数が80％増加し、登下校時の自動車による混雑は大幅に減少したという。「インターナショナル・エコ・スクール・プログラム」には、ヨーロッパ全体で100校が参加した。このうち25校に、アイデアを実行に移すための資金として3000ユーロ（50万円）を提供した。優勝したノース・ワルシャム小学校には、4000ユーロ（65万円）が贈呈された。このほかのプロジェクトには、交通安全を教育するプログラム、カー・シェアリングの推進と代替交通手段の奨励、自転車を薦めるプロジェクトなどがあった。

△CEATEC07　PASキャパシタでゾイドエヴォドライブ起動！
「CEATEC JAPAN 2007」（2-6日、幕張メッセ）にはロボットのパーツを開発している企業も出展し、性能をアピールしていた。
太陽誘電<6976>がブースに展示した製品のひとつが、80年代から続くタカラトミー<7867>（旧トミー）の玩具である『ゾイド』。
今年12月末に発売予定の新シリーズ『ゾイドエヴォドライブ』の電源に、同社製の部品「PAS」（Polyacenic Semiconductor：ポリアセン系有機半導体）キャパシタが採用されているからだ。特徴は、アモルファス構造に多くのイオンを蓄積することで、これまでの電気二重層コンデンサと比較すると蓄電容量で大容量化できること。安定性の高い素材であることから、サイクル寿命、過充電・過放などの耐久性にも優れている。ゾイドエヴォドライブはPASキャパシタにより、1分30秒という急速充電で3分間動作させることが可能。“エヴォドライブ”の名にふさわしい仕組みといえよう。発売される『ゾイドエヴォドライブ』シリーズの4体は、『ゴジュラス』（6825円）、『ゴジュラスマリナー』（3675円）、『レッドホーン』（6825円）、『ダークホーン』（3675円）となっている。

□豊田自動織機<6201>、間伐材を利用した木製ベンチ18脚を寄贈
豊田自動織機は、自然保護と地域社会への貢献を狙いに、高浜市の保育園などに、間伐材を活用した木製ベンチ18脚を寄贈したと発表した。10日に高浜市の認定こども園「翼幼保園」で寄贈式を行い、現地で豊田自動織機従業員ボランティアがベンチを組み立て、贈呈した。森林の保全には、植林した木々の成長に合わせて間伐を行い、健全な森林の育成を促すとともに、間伐材を活用するサイクルの構築が必要だ。森林保全に取り組む国際環境NGO FoE Japanは「森のプレゼントプロジェクト」で、企業や個人の寄付金で、間伐材をベンチなど木製品に加工し、自治体などに寄贈する活動を行っている。豊田自動織機は2005年度から、この森のプレゼントプロジェクトへの寄付を通じて、同社工場所在地域への間伐材ベンチを寄贈しており、今年で3回目となる。今後も、NPOやNGOと協働し、幅広い社会貢献活動を行っていく。

△豊田自動織機<6201>、床面清掃機・洗浄機をモデルチェンジ
豊田自動織機のL＆Fカンパニーは、清掃機器『ハイウォッシャー』と『ハイスイーパー』をモデルチェンジし、11日から全国41社のトヨタL＆F店で販売すると発表した。工場や倉庫内における職場環境の改善や、清掃作業の効率化・負荷軽減などのニーズが高まっており、床面清掃機・洗浄機などの清掃機器の市場が拡大している。トヨタL＆Fでは、こうした市場ニーズに対応するため、ハイウォッシャー、ハイスイーパーをモデルチェンジし、洗浄力やメンテナンス性、操作性を大幅に向上させるとともに、ハイスイーパーシリーズにライダータイプ2機種を追加し、清掃機器分野でのラインナップを充実する。トヨタL＆Fでは、今回モデルチェンジした清掃機器をはじめ、フォークリフトのジェネオシリーズや物流システムなどの豊富な商品ラインナップとノウハウで、顧客に最適な物流ソリューションを提案するとしている。
（レスポンス）

△富士通<6702>、ＦＲＡＭの回路線幅を微細化－非接触ＩＣカード向け量産
富士通は非接触ＩＣカードなどに用いる強誘電体メモリー（ＦＲＡＭ、用語参照）の回路線幅を一段と微細化する。チップ上の回路線幅を従来の３５０ナノメートル（ナノは１０億分の１）から１８０ナノメートルまでに微細化する。近く、このプロセスを採用したＦＲＡＭの量産に乗り出す。ＦＲＡＭを搭載した無線識別（ＲＦＩＤ）タグは、非接触ＩＣカードとして鉄道やバス、各種の金融決済処理向けに需要が拡大している。このため回路線幅を半分程度まで微細化し、その分、１枚のウエハーから取れるチップの数を増やす。富士通は岩手工場（岩手県金ケ崎町）のほか、三重工場（三重県桑名市）の直径２００ミリメートルウエハーラインでＦＲＡＭを生産。需要拡大に伴い、両工場ではフル生産となっている。このため回路線幅を３５０ナノメートルから同１８０ナノメートルに微細化し、増産対応を進める。直径２００ミリメートルウエハー上で、ＦＲＡＭの回路線幅を半分程度までに微細化すると、１枚のウエハーから取れるチップの数は、およそ２倍になると見られる。ＦＲＡＭは、電源を切っても記憶内容を保持できる不揮発メモリーの一種で、低消費電力、高速書き込みできるなどの特徴がある。物体識別に利用する微小な無線ＩＣチップのＲＦＩＤタグにＦＲＡＭを搭載し、金融決済分野向けなどに需要が拡大している。
ソニー<6758>が開発した非接触ＩＣカード「フェリカ（ＦｅｌｉＣａ）」には、富士通のＦＲＡＭを搭載した高密度集積回路（ＬＳＩ）が採用されており、今後も数量は増える見通し。また、ブランド品などの模造品識別などにもＦＲＡＭを搭載したＲＦＩＤチップの需要が見込める。

△日立<6501>、インドの開発拠点を強化－２０１０年めどに要員５倍に増強
日立製作所は国際展開する企業のシステム構築・運用を請け負うグローバルアウトソーシング事業を強化する。インドの中核拠点「日立グローバルソリューションセンタ」（ＨＧＳＣ、ベンガルール市とハイデラバード市）の開発要員を２０１０年までに５倍の５００人に増強。０８年までに設計者を派遣するなど自社色を強め、名称も変更する。さらに自前で開発拠点を設立することなども検討。欧米企業や国際展開する日系企業の統合業務パッケージ（ＥＲＰ）を中心としたプログラム開発や運用支援といった需要を取り込む。事業の強化は企業の国際化に伴う統合的なグローバル情報システムの構築・運用ニーズや低コスト化に対応。米日立コンサルティング（テキサス州ダラス市）が受け持つ欧米企業からの受注増も見込む。情報インフラの改善やアプリケーション変更・保守、追加開発といった業務を一括受託するＡＭＯ（アプリケーション・マネジメント・アウトソーシング）サービスについても積極展開する。要員については設計者の派遣を計画。「現地の開発要員向けに当社が望む品質レベルをマニュアル化し、開発の質を上げる体制を構築していく」（齋藤眞人情報・通信グループ事業主管）という。ＨＧＳＣは０５年１１月に米インテリグループとインド現地企業のサティアムとの連携により設置。日立はこれまで両社の開発センター内でスペースと開発要員を借りる形で運営し、人的資源の投入は受注案件の調整役として二人のコーディネーターを派遣するといった限定的な対応だった。

△三菱電<6503>、来年度から国内向けルームエアコンを国内生産へ切り替え
三菱電機は０８年度に国内向けルームエアコンをすべて国内生産に切り替える。静岡製作所（静岡市駿河区）で生産改善活動が進んだことで、海外生産におけるコスト面などの優位性が薄れたため。同製作所のマザー工場としての機能を高めるとともにタイの工場を欧州など海外市場向けに特化して、空調冷熱システム事業で世界市場トップ３入りを目指す。タイの「ミツビシ・エレクトリック・コンシューマー・プロダクツ」（チョンブリ県）から国内販売向けルームエアコンの生産を静岡製作所にすべて移管する。０４年には国内向けエアコンのうち、低価格機種など約１０％をタイで製造していた。その後、同製作所においてジャスト・イン・タイム（ＪＩＴ）を始めとした生産の効率化に取り組んだため、「タイと比べてロスがほとんどなくなった」（東健一専務）。加えて、商品の安定供給を考慮して生産移管を決めた。

△松下器<6752>、デジタル家電向けシステムＬＳＩを外販
松下電器産業は次世代の映像圧縮・伸長（コーデック）技術を搭載したシステムＬＳＩの外販を本格的に始める。業界最細の回路線幅４５ナノメートル（ナノは１０億分の１）を採用し、高集積でチップサイズや消費電力を抑えられる利点を訴える。グループ内部向け販売と合わせて２０１０年度に１０００億円の売り上げを見込んでいる。松下はデジタル家電共通のシステムＬＳＩ開発基盤「ユニフィエ」を０５年１０月発売のビデオカメラを皮切りに薄型テレビやＤＶＤレコーダーに採用してきた。６月から回路線幅を６５ナノメートルから４５ナノメートルに切りかえ、生産実績が上がってきたため他社からの注文も受けることにした。次世代コーデック技術の「ＭＰＥＧ４　ＡＶＣ／Ｈ．２６４」は従来の動画圧縮技術より２、３倍の高効率で圧縮を行えるが、チップ化すると回路規模が膨大になる課題があった。回路線幅を４５ナノメートルに微細化することで６５ナノメートルの約４倍のトランジスタを１チップに集積し、次世代コーデックの搭載を可能にした。戦略デバイスの外販に乗り出した背景は、半導体事業の業容拡大を計画するため。松下は半導体事業で２０１０年度に売上高を６５００億円（０６年度４３８２億円）に伸ばす方針で、ユニフィエを外販の中核にする。

△舶用エンジンメーカー、相次ぎ生産能力を増強
舶用エンジンメーカーが、相次ぎ生産能力を増強する。
神戸発動機<6016>は０７年度の生産台数を前年度比２０％増とし、
阪神内燃機工業<6018>は０７―０８年度に１２億―１４億円投じ、機械設備を更新する。旺盛な造船需要を背景に受注量が拡大している。エンジンメーカーは能力を増強するとともに生産効率を向上し、今後の受注量の増加に備える。
神戸発動機はディーゼルエンジンを生産する本社工場（兵庫県明石市）で、０７年度の生産台数を前年度より９台多い５２台とする。０８年度も同規模の生産台数を計画している。本社工場は長崎工場（長崎県諌早市）と神戸工場（神戸市西区）を集約し、０６年４月に稼働した。生産能力は年間６０台程度で「さらに生産性向上に取り組み」（矢野繁社長）、フル稼働を目指す。生産台数の増加で０８年３月期は売上高１８５億円（前期比３８％増）を見込んでおり、収益も黒字に転換する見通し。

△富士重<7270>、登録車を相次ぎ投入－国内・米国販売をテコ入れ
富士重工業は、国内外で相次いで新しい登録乗用車を投入する。近くスポーツ車を発売するほか、当初計画を数カ月前倒して０７年度中に小型のスポーツ多目的車（ＳＵＶ）を全面改良し、発売する。同社は６月に新型「インプレッサ」を投入したばかりで、１年以内に登録車２車種以上を集中投入するのは約１３年ぶり。低迷する国内と米国の販売をテコ入れするとともに、ロシアなど新興国でのシェア拡大につなげる。まず、２６日に幕張メッセ（千葉市美浜区）で開幕する東京モーターショーで市販の新型「インプレッサ」をベースに走行性能を高めた「ＷＲＸ　ＳＴＩ」を世界初披露し、発売する。同車は水平対向エンジンを搭載した３００万円を超えるスポーツ車で、従来のコアユーザーである２０―３０代のクルマ好きの男性に加え、「欧州車と比較検討している４０―５０代男性」（富士重）を取り込む。

△ホソカワミクロン<6277>、年内にも女性用育毛剤に参入
ホソカワミクロンは女性用の育毛剤を開発した。年内にも同市場に参入する。同社は薬物送達システム（ＤＤＳ）製剤技術を水平展開し、ナノマテリアル事業として化粧品や男性用育毛剤を既に商品化している。今回、女性用育毛剤を新たに加えることで同事業の強化に取り組む。女性用育毛剤については２０１０年９月期に年間２５億円の売り上げを目指す。女性用育毛剤は発毛休止期が長くなる女性特有の脱毛症に着目。既存の育毛剤をベースに休止期から発芽への転換を促すステビアやセラミドなどの成分を付加した。皮膚が敏感な女性に配慮し、爽快（そうかい）感を生み出すアルコール分は配合していない。ホソカワミクロンのＤＤＳは微粒子に薬剤や栄養分を封入する技術。毛穴や角質層に浸透できるように粒子径を２００ナノメートル（ナノは１０億分の１）まで微細化し、毛根内に送り込む。

△島津<7701>、ＦＰＤ搭載の血管撮影システム発売－全身の血管検査に活用
島津製作所は１０日、１７×１７インチサイズの直接変換方式平面検出器（ＦＰＤ）を搭載した血管撮影システム「ブランシスト・サファイア」を１１日に発売すると発表した。一度に広範囲の撮影が可能で、同社既存製品の９インチモデルでは十分に捕らえられなかった腹部領域を中心に全身の血管検査、治療に活用できる。基本価格は４億円。販売目標は初年度２０台。患者に触れた場合にＦＰＤなどを動かすアームを退避させる接触センサーと、患者を感知して自動停止する非接触センサーを組み合わせた機構を搭載、操作時の安全性を高めた。製品はアーム天井走行タイプとアーム床置きタイプの２機種を投入する。直接変換方式ＦＰＤはＸ線を電気信号に変換し、画像表示するデバイス。高精細画像が得られ、微細な末梢（まっしょう）血管やカテーテルなどの治療用器具も鮮明に撮影できる。

△工作機械主要８社の４―９月受注額、欧・アジア向け拡大し８．６％増
日刊工業新聞社がまとめた工作機械主要８社の０７年度上期（４―９月）の受注実績は、前年同期比８・６％増の３２４８億７７００万円となった。市場拡大や円安効果があり、欧州やアジア向けの輸出拡大が続いた。一方で国内は前年実績を下回った。企業別では４社が国内の減少を輸出の拡大で補った。オークマは「欧州とアジア向けが活発」と輸出の増加を分析。牧野フライス製作所はマシニングセンター（ＭＣ）の輸出が増加。国内が好調なジェイテクトは「自動車の設備投資が一服し専用機が踊り場だが、ＭＣ、研削盤が好調」。国内、輸出とも増加した東芝機械グループは「国内は産業機械、造船向けに横中ぐり盤、門型機、輸出は建機、航空機向けに立旋盤も好調だった」。三菱重工業は「国内は大型機、輸出はアジア向けに大型機、歯車機械が増加」。国内、輸出とも減少したツガミは「ＩＴ関連の設備投資が一服している」。

△ファナック<6954>、射出速度倍増の電動射出成形機を発売
ファナックは射出速度が毎秒１０００ミリメートルの電動射出成形機「ロボショットＳ―２０００ｉ１００ＢＨ」を１２月に発売する。射出速度は同社従来機に比べ２倍。携帯端末の液晶画面に使われる導光板を薄く加工できる。型締め力は１００トン。スクリュー径は２２ミリ―２８ミリメートル、射出体積は２９―５８立方センチメートル。月産１０台を計画。同社従来機に比べトルク（回転力）を２倍に高めたサーボモーターや高出力のサーボアンプを搭載し、射出を高速化した。射出の加速度は３・６Ｇで、最高速まで達する時間が短く、０・０５秒以下で金型への射出が完了する。モーターとボールネジを直結させる構造などで減速性能も向上させ、加工精度を高めた。Ｓ―２０００ｉ１００ＢＨを使うと、現在、厚さ０・３ミリメートルの導光板を０・２５ミリメートルに薄くできる。導光板の薄型化により、携帯電話など携帯端末の薄型化や高機能化につながる。

△ユニプレス<5949>、九州で大型トランスファープレス稼働
ユニプレスは、車体骨格部品用の高張力鋼板（ハイテン）を加工する型締め力３０００トンの大型トランスファープレスを、月内に子会社のユニプレス九州（福岡県みやこ町）で稼働する。ハイテン材用の大型プレスの導入は国内外で１１基目。
九州地域で生産を増強する日産自動車<7201>やダイハツ工業<7262>からのハイテン材の受注増で国内のプレス能力が不足しており、新プレス稼働でこれを解消する。新設備導入には１２億円を要した。大型プレスで加工するハイテン材はフロントやリア回りの骨格部品などに用いる。ハイテンは引っ張り強さの高い鋼板で、骨格部品に適用すれば軽量化などを進めることができる。世界各地での環境規制の強化に伴い、自動車のハイテン化も進展。ユニプレスの骨格部品におけるハイテン材の採用比率は０６年で５４％に達しており、ここ１０年で２０ポイント以上アップしている。

△ユーシン<6985>、社外から社長起用へ－ファンドとの距離置く
ユーシンは１０日、社長を社外から聘（へい）起用する方針を明らかにした。筆頭株主のＲＨＪインターナショナル（旧リップルウッド、ＲＨＪＩ）の後ろ盾を得ていた竹辺圭祐前社長が９月２５日に辞任したことで、暫定的に平山勝久社長代行（前専務執行役員）を立ている。現経営陣は投資ファンドに頼らない経営体制を築く方針。ＲＨＪＩとの関係が薄い人物を経営トップに据えたい考えだ。ユーシンは今後の経営方針を巡り、近く、ＲＨＪＩと協議の場を持つ。ユーシン経営陣からは現時点で「もう（ＲＨＪＩと）別れた方がいいのでは」との声が挙がっている。ＲＨＪＩが目指した、同社傘下のナイルス（東京都大田区、高宮勉社長）とユーシンの経営統合計画は白紙に戻る見通しだ。ユーシンは「町工場のようにコツコツとやってきた。成長は当然志向するが、このスタンスは変えない」（幹部）としており、単独での生き残りを含め、新しい経営方針を策定する。

△西部ガス<9536>、設備と供給体制の両面で地震対策を強化
西部ガスは設備と供給体制の両面で地震などに備えた対策を強化する。設備面では２０１５年度までに「ねずみ鋳鋼管」と呼ぶ敷設歴が長いガス管をポリエチレン管などへ切り替える。供給対策では０８年３月に供給地域を区分けしたブロックを３５から４４に細分化、きめ細かな対応が取れる体制に改める。都市ガス供給の安全性を高め、消費者からの信頼向上につなげる。西部ガスは０５年３月に発生した福岡県西方沖地震を機に地震などに対する対策を拡充してきた。ただ今年に入り、１月に北海道北見市でガス本管の破断事故が発生したほか、７月の新潟中越沖地震ではガス管破断で長期にわたって都市ガスを供給できない状態となった。そこで西部ガスとしても対策を強化することにした。ガス管の一種であるねずみ鋳鋼管は西部ガスでは６９年まで敷設していた古いガス管で、北見市の事故はこの鋳鋼管の破断が原因となった。

△タカラバイオ<4974>、昆布の抗腫瘍作用発見－フコイダンがＮＫ細胞活性化
タカラバイオはガゴメ昆布フコイダン（食物繊維の一種）が自然免疫機能のナチュラル・キラー（ＮＫ）細胞を活性化させ、抗腫瘍作用を発生させることを突きとめた。がん細胞を移植したマウスに同フコイダンを投与すると非投与マウスに比べ、腫瘍増殖率が３分の１に抑制されたという。今後は半年以内にヒト細胞を使った実験も計画している。実験ではがん細胞を皮下移植したマウスを使用。ＮＫ細胞の活動を抑制したマウスと、そのままのマウスの２グループに分け、それぞれに約４５ミリグラムの同フコイダンを３５日間投与した。結果、そのままのグループに増殖抑制効果が表れ、ＮＫ細胞の活性化が抗腫瘍作用を発生させることが確認できた。タカラバイオは、今回の成果を同フコイダンを活用した健康食品の販売支援などに活用する考え。

△文化シヤッター<5930>、サービス・メンテ強化へＩＤタグで商品・顧客管理
文化シヤッターはＩＤタグを使った商品管理と顧客管理を徹底し、シャッターのサービス・メンテナンス事業を強化する。ＩＤタグによる製品履歴の一元管理システムを導入した０５年以前の製品についても、顧客に取り付けを呼びかける。また、技能社員を積極的に採用してサービスの質を高める。０７年３月期のサービス・メンテナンス事業の売り上げは前年同期比９・９％増の１００億２１００万円と初めて１００億円を突破した。０９年３月期には１２０億円を目指す。文化シヤッターは主要製品にＩＤタグを付け、設計や製造情報、点検情報など製品の履歴を一元管理している。現在、ＩＤタグ導入以前の製品にも顧客からの修理・修繕の依頼時に取り付けを勧めるのに加え、首都圏では同社の方から顧客訪問し、ＩＤタグを取り付けている。今後は訪問する対象地域を順次拡大し、４年後をめどに全国展開する計画。

△０５年度の宅地供給量推計、３大都市圏２年ぶり増－国交省まとめ
国土交通省がまとめた０５年度の宅地供給量推計によると、全国の宅地供給量は前年度比１００ヘクタール減の６１００ヘクタールと５年連続で減少し、６６年度の調査開始以来、最小の推計値となった。ただ、３大都市圏では同１００ヘクタール増の３６００ヘクタールと２年ぶりに増加。全国の宅地供給量に占める３大都市圏の割合は同３ポイント増の５９％となった。０５年度は都市圏の地価下落が収まり、土地取引が上向いてきた時期で、その差が出たようだ。推計は宅地供給を地方公共団体や地方の住宅供給公社・土地開発公社、都市再生機構などによる「公的供給」と、民間の宅地開発事業者や区画整理組合などによる「民間供給」に分類。０５年度の宅地供給量推計では全国供給で公的供給が前年度比横ばいの１４００ヘクタールだったものの、民間供給が同１００ヘクタール減の４７００ヘクタールとなった。
（日刊工業新聞）

△タカラバイオ<4974>、天津医大と臨床研究　難治性がん免疫療法確立へ
宝ホールディングス<2531>グループで、遺伝子工学研究などを手掛けるタカラバイオ（滋賀県大津市）は、中国の天津医科大学天津市腫瘍病院と、がん細胞免疫療法の臨床研究開発を共同で実施する契約を結んだ。タカラバイオが天津市腫瘍病院に、がん細胞免疫療法に使われる「レトロネクチン」と呼ばれる組み換えタンパク質の拡大培養法を技術供与し、両者が協力して難治性がんを対象とする免疫療法の確立を目指す。
がん細胞免疫療法は、がん細胞を攻撃する性質を持つＴリンパ球を拡大培養し、患者に投与して治療する技術。従来はヒトリンパ球上に存在する抗原分子を特異的に認識する抗体「抗ＣＤ３モノクローナル抗体」で、患者のＴリンパ球を刺激して増殖させていた。タカラバイオは、Ｔリンパ球の拡大培養時に抗ＣＤ３モノクローナル抗体に加えて、レトロネクチンを共存させることで、２週間の培養で、従来法の２倍となる約１２００倍にＴリンパ球を増やすことに成功。この方法で増殖したＴリンパ球には、実際にがん細胞と戦うナイーブＴ細胞と呼ばれる細胞が従来法に比べ約３倍含まれることが判明している。天津市腫瘍病院は、中国初のがんの専門病院で、中国では特に乳がんを中心としたがん治療の主要拠点の一つに位置づけられている。細胞免疫療法で約１０年の治療経験があり、現在では抗がん剤と細胞免疫療法を組み合わせたがん治療に力を入れている。

△出光興産<5019>、市販灯油利用した国内初の家庭用燃料電池　０８年度内に試験導入　
出光興産は１０日、市販の灯油を使用した家庭用燃料電池システムを２００８年度内に試験導入すると発表した。市販の灯油を使う家庭用燃料電池システムの導入は国内で初めてという。社員の家庭などに無償で１０台設置し、実用化に向けデータを収集する。他の石油元売り大手へもシステム導入を呼びかけ、市販灯油型の普及につなげる。試験導入するシステムは、東芝子会社の東芝燃料電池システムが開発した。市販の灯油は、家庭用燃料電池に多く使われるＬＰＧ（液化石油ガス）や都市ガスに比べ硫黄分が多く、燃料として使うには特殊な脱硫、改質技術が必要だった。出光が石油精製で培った触媒や改質技術のノウハウを東芝に提供することで市販の灯油から水素を作り出す技術を実現。同技術を使い東芝がＬＰＧを使う家庭燃料電池システムを改良、市販の灯油の利用を可能にした。システムの発電効率は３４％で、ＬＰＧを使うタイプと同等。製造コストは１台当たり１０００万円程度だが、普及により価格を引き下げる。家庭用燃料電池システムは、都市ガスや灯油などから水素を取り出し、システム内で酸素と反応させることで電気と湯を同時に作る仕組み。二酸化炭素（ＣＯ２）の排出量を従来の石炭火力発電などに比べ３～４割削減する効果が期待されている。

△中野冷機<6411>が大分冷機を買収　九州地方で営業力強化
冷凍ショーケースの販売・施工で国内最大手の中野冷機（東京都港区）は、九州地区を中心に冷凍冷蔵設備の販売や施工、保守・点検を手掛ける大分冷機（大分市）を買収する。これまで手薄だった九州地区の営業力を強化するのが狙い。大分冷機の強固な営業基盤を有効に活用することで業績拡大を目指す。中野冷機は大分冷機の発行済み株式総数４００株の全株を、大分冷機の渡邉利秀社長（３２０株）と渡邉麗子監査役（８０株）から取得し、完全子会社化する。株式の取得金額などの詳細は、今後詰める。大分冷機は九州地区での知名度が高く、営業上のメリットが大きいことから、大分冷機の社名のままで事業を継続する。株式の受け渡しは１２月下旬の予定だ。株券の受け渡し後、大分冷機は完全子会社として中野冷機グループの傘下に入る。

△“お気に入り広告”で自社サイトへ再誘導　マイクロアドが新サービス
インターネット広告代理店サイバーエージェント<4751>の子会社で、広告配信サービスを手掛けるマイクロアド（東京都渋谷区）は、国内初となるインターネット広告技法「サーチリターゲティング」を取り入れた新サービスを開始した。「リターゲティング」は、顧客サイトへの訪問者の履歴を元に、その訪問者がいったんサイトを離れ、再び提携サイトに接触した際に、興味を示した広告をピンポイントで掲載してサイトへの再来訪を促す手法。今回導入する「サーチリターゲティング」は、検索サイトの純粋な検索結果や有償で上位に表示される広告をクリックして、顧客のサイトに流入した訪問者に対し、検索キーワードやその後の消費につながる行動履歴を解析。その訪問者が再び提携サイトを訪れた際に、広告原稿をピンポイントに配信してサイトへ誘導する仕組み。検索エンジン経由の訪問に絞り込み、キーワードのタイプに応じてメッセージを変えることで、より高い広告効果が期待できるという。

△サン・マイクロ、富士通<6702>　処理能力従来の６倍強　小型サーバー発売
サン・マイクロシステムズと富士通は１０日、消費電力１ワット当たり世界最高の処理能力を持つサン製の最新プロセッサー（演算装置）を組み込んだサーバー「ＳＰＡＲＣ　Ｅｎｔｅｒｐｒｉｓｅ　Ｔ５１２０」「同Ｔ５２２０」を発売した。従来機種に比べて処理能力当たりの消費電力を大幅に削減できる。競合他社のサーバーに比べて１ワット当たりの処理能力は６倍以上に達するという。新製品は、サンが開発した最新の「Ｔ２プロセッサ」を搭載。分割処理する単位であるスレッド数が最大６４と従来の２倍になったことで、プログラムを効率的に実行することが可能となった。処理能力を大幅に高めたことで小型化も実現した。
（FujiSankei Business i）