10/5 朝の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

△製紙大手各社　海外市場の活路－国内成熟化　設備投資増強

△京セラ<6971>、有機ＥＬディスプレーを国内初公開　シーテック
千葉市で開催中のＩＴ・家電の総合展「ＣＥＡＴＥＣ（シーテック）ＪＡＰＡＮ２００７」で、京セラが開発を進めている有機ＥＬ（エレクトロ・ルミネッセンス）ディスプレーを出展し、来場者の関心を集めている。米国で昨年開かれたディスプレー専門の展示会に出展したことはあるが、国内で一般に披露するのは初めて。展示品の画面サイズは最大５・７インチで、試作機も含まれている。京セラが開発する有機ＥＬは、基板材料に液晶でも広く使われているアモルファスシリコンＴＦＴ（薄膜トランジスタ）を採用したのが特徴で、低コスト化につながるという。京セラは平成１５年、完全子会社の「京セラディスプレイ研究所」を設立。産業機器用と携帯電話やデジタルカメラなどの民生機器用を対象に２～８インチ程度の中小型サイズの研究開発を行い、１７年の市場参入を目指していたが事業展開が遅れており、今春から一部で外販を始めたばかりで本格量産には至っていない。シーテックでは、ソニーが１２月に世界で初めて発売する厚さ３ミリの有機ＥＬテレビ（画面サイズ１１インチで売価２０万円）の最終製品を出展している。有機ＥＬは超薄型化が可能なことや高画質といった特徴がある半面、画面の大型化や長寿命化などの面では課題があるとされる。だが“ソニー効果”で改めて注目を集めているだけに、今後市場が拡大していけば京セラの事業展開を後押しする可能性もありそうだ。
（産経新聞）

■車庫飛ばし　ホンダ<7267>販売会社、社内で保管偽る　横浜
横浜市の自動車販売会社「ホンダベルノ神奈川東」が、社員の私有車を社内で保管しているように偽り車庫登録していたとして、神奈川県警は週明けにも、社長ら幹部４人と社員二十数人を電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で横浜地検に書類送検する方針を固めた。会社ぐるみで“車庫飛ばし”を続けていたとみている。

■柏崎刈羽原発　新たにひび、亀裂発見　中越沖地震の被害で
新潟県中越沖地震の被害を調べている東京電力<9501>は４日、柏崎刈羽原発の放水路や１号機の主排気ダクトの継ぎ手に、新たにひびや亀裂を発見したと発表した。放射能漏れなど外部への影響はないという。東電によると、同原発１～７号機のコンクリート製放水路で、これまでに数十カ所のひびを確認した。

■楽天<4755>控訴　ＴＢＳ<9401>株買い増しで帳簿閲覧求めた訴訟で
楽天のＴＢＳ株買い増し問題に絡み、楽天の子会社がＴＢＳに０５年４月以降の株取引の詳細を記した会計帳簿を閲覧させるように求めた訴訟で、楽天側は４日、請求を棄却した東京地裁の判決を不服として東京高裁に控訴した。
（毎日新聞）

△宇都宮大など、感性工学使い企業評価－金融・コンサルに実用化
宇都宮大学大学院工学研究科の春日正男教授とトヨタ<7203>ウッドユーホーム（宇都宮市）の中津正修社長らのグループは感性工学を使って企業を評価、分析する手法を開発した。貸借対照表、損益計算書などの数値だけでなく、経営者のやる気、気質、環境などを取り入れることで企業を的確に評価する。特許を出願しており、将来は分析精度を上げ、金融機関、コンサルティング会社に実用化を提案する考え。過去の文献や研究事例を調査し、データマイニングの手法を取り入れ、独自の評価シートを作成した。これにより、従来の定量評価だけでなく、定性評価の視点が加わり、より現状の経営状態に近い企業評価が得られる。学生１３７人が調査したところ、実際の経営状態とほぼ一致することが分かった。また、起業家の将来の可能性についても予測できる。中津氏は、栃木県に拠点を置く住宅メーカー、トヨタウッドユーホームの社長で、０６年に同大学大学院に入学して、社会人学生として研究を続けてきた。１１日に札幌市で開かれる感性工学と感情研究の国際会議「ＫＥＥＲ２００７」で発表する。

△ＦＮＥＴＳ、侵入監視システムの機能強化版発売－不審者を継続追尾
富士通<6702>ネットワークソリューションズは、不審者の自動追尾が可能な「侵入監視システム」の機能強化版を５日に発売する。従来比２倍の処理性能を持つ動画処理ボードを画像処理装置に採用。不審者が電柱など遮へい物の陰に一時的に入ってしまった場合でも、継続追尾ができるなど監視能力を高めた。価格は画像処理装置一台あたり２９９万２５００円から。港湾や空港、工場といった立ち入り禁止区域の監視向けに３年間で２００システムの販売を見込む。富士通研究所（川崎市中原区）が開発した自動追尾処理技術を採用し、監視カメラでとらえた不審者の追尾処理速度を従来比２倍まで設定可能にした。これにより監視カメラから約５００メートル―１キロメートル先にいる不審者の自動追尾精度が向上。望遠機能付きの監視カメラを用いた場合、より高度な侵入検知を実現した。また動き回る不審者が電柱や壁などに遮られ監視ができない状態になっても、不審者が再び現れる動きを予測して再検知を試みる「ターゲット再検知機能」を装備。システム管理パソコンに表示される監視カメラ映像を見ながらマウス操作で追尾したい不審者を変更できる「マニュアルロックオン機能」も加えた。侵入監視システムは一システムあたり３２台の監視カメラに接続可能。旋回カメラと連動させることで全方位を監視し、侵入者を自動追尾して警報を発報する。木々の揺れなどを認識して誤検知を防ぐほか、非検知エリアの設定、時間帯による監視設定の切り替えなどの機能を持つ。従来版は０３年５月に発売。官公庁や通信事業者などの企業向けに１００システムの販売実績を持つ。

△ＮＴＴ<9432>西、宅内監視サービス拡販へ－ペット市場に照準
拡販のキーワードは“ペット”―。ＮＴＴ西日本は光通信回線を使った宅内監視サービス「フレッツ・ホームセキュリティ」で、ペットの見守りに焦点を絞った営業活動に乗り出している。６―８日にポートメッセなごや（名古屋市港区）で開催される「ペット博」で同サービスによるペット監視を実演。今後も各種の展示会を通じて飼い主への認知度を高め、同サービスと光回線の拡販に取り組む。これまでＮＴＴ西は同サービスの普及にあたり、防犯や高齢者の見守り、事故の防止などをアピールしてきた。今後はペットの監視を新市場に位置づけ需要を創出していく。着目したのは小型犬などを室内で飼う飼い方が増えている点。またペットにかけるお金を惜しまない飼い主も少なくないことから、高い成約率が見込める市場として期待する。ペット展はペット関連のグッズやサービスの見本市で９月に大阪市でも開催。ＮＴＴ西では名古屋で実演予定のシステムを大阪で初出展した。１０日から福岡市内を皮切りに西日本エリア６カ所で予定する展示会「ＮＴＴコレクション」でも実演展示を計画する。同ホームセキュリティは家庭用の光通信網とカメラ付きインターネット・プロトコル（ＩＰ）電話「ひかり電話」を組み合わせたサービス。自宅に電話をかけるだけで、宅内の様子を携帯電話やテレビ電話で確認できる。導入費用は７万３５０円からになる。

△日本オラクル<4716>、グローバル標準に準拠した中堅向けＥＲＰで攻勢
日本オラクルは４日、業務パッケージを中堅企業向けに低コストで短期導入するための協業施策「ネオ」を刷新し、米本社の戦略に沿ってグローバル標準に基づく新施策「アクセラレート」を始めると発表した。まずパートナー企業２２社が参画。１２３０種類を超える固有の業務手順に対応したパッケージ化支援ツール「ビジネス・アクセラレーター」を核とした協業モデルを推進する。第１弾では統合業務パッケージ（ＥＲＰ）の「ＥＢＳ」と「ＪＤエドワーズ・エンタープライズＯｎｅ」の２種を対象に、０７年末までに３０種類のアクセラレーターを協業各社に無償提供する。年商１００億―１０００億円の企業を中心に今後１年間で１００件の契約、売上高２０億円を目指す。

□ＫＤＤＩ<9433>、携帯販売方法を一新－端末価格帯で２方式を導入
ＫＤＤＩは４日、携帯電話端末の販売方法を一新し、１１月１２日に提供を始めると発表した。端末を安く購入できる「フルサポートコース」と、端末は高いが通話料は割安となる「シンプルコース」の二つを用意し、利用者が選択できるようにする。一方でいわゆる「１円端末」の元凶と指摘された販売奨励金は「減額する方向だが当面は現状の３万６０００円程度を維持する」（高橋誠取締役執行役員常務）という。フルサポートは２年間の継続利用を条件に、端末代金から２万１０００円分を補助する。通話料は既存プランの適用になる。途中解約は解約料が発生するが、利用額に応じて付与するポイントで解約料を相殺する仕組みを採用。通話頻度の高い利用者なら１年で実質解約料なしに機種変更ができるようにした。シンプルコースは端末への補助はしないが、通話料は基本料月額２６２５円で通話料一分あたり１０円５０銭など既存プランより割安に設定した。２コースは同じ端末でも店頭での販売価格には大きな開きが生じる。総務省は携帯事業者に対し端末料金と通話料を別建てで表示することを求めており、シンプルコースはその方針に対応する。ただ同社の事前調査によると大半の利用者がフルサポートコースを選択すると見ている。消費者が高額な端末価格を受け入れる素地はまだ少ない。このため「高機能型端末を売るには利用を後押しする仕組みがこれからも必要」（同）とし、販売奨励金制度も当面維持する方針だ。

△沖電気<6703>、ｅ機能モジュール事業を強化－受託製造サービス立ち上げ
沖電気工業は４日、半導体と他のグループ保有技術の融合を進めるエレクトロニック機能（ｅ機能）モジュール事業を強化すると発表した。専門部署を設置し、受託製造サービスを０８年度に本格的に立ち上げる。電子機器の商品サイクルが短くなったことや、モジュール製品のさらなる高付加価値化のニーズに応えるのが狙い。２０１０年度に同事業で売上高３５０億円、営業利益３５億円以上を目指す。経営推進本部内に「ｅ機能モジュール事業推進室」を設置した。部品内蔵基板などの高密度実装技術を生かした設計・製造サービスを試験的に始めており、０８年度から本格事業化する。その後、受託製造で得たノウハウをもとに携帯電話やテレビなどの市場で独自のモジュール製品を発売する計画だ。事業強化の一環として、八王子事業所（東京都八王子市）に約１０億円を設備投資し半導体の後工程ラインを増設中。０７年度に生産能力を月３０００枚に引き上げる。０８年度も投資を継続して同１万枚にする。

△ヤマハ<7951>、家庭で映画館の臨場感楽しめる音響装置を発売
ヤマハは４日、スピーカー配線なしで、家庭で手軽に映画館の臨場感ある音を楽しめるデジタル・サウンド・プロジェクター「ＹＳＰ―５００」を下旬に発売すると発表した。価格は７万４８００円。世界で月販４０００台を見込む。５チャンネルの音声を壁に反射させて前後左右から届け、重低音と合わせ５・１チャンネルサラウンドを実現するＹＳＰシリーズの最小・普及モデル。１６個の小型スピーカーを内蔵。横幅６１センチメートルと小型で、１８畳以下の部屋でもホームシアターの臨場感を味わえる。従来難しかった６畳未満の部屋で広がりのある音声を再生する「マイサラウンド」機能も新搭載した。

△ＮＥＣエレ<6723>、車載向け画像認識並列プロセッサー製品を拡充
ＮＥＣエレクトロニクスは車載用の画像認識並列プロセッサー「アイマップカー（ＩＭＡＰＣＡＲ）」のラインアップを拡充する。標識や信号機などに認識対象を広げた高付加価値品と、用途を限定した普及品をそれぞれ開発する。高付加価値品、現行品、価格の安い普及品とラインアップを広げ、自動車以外のセキュリティーやゲーム機、工場自動化（ＦＡ）機器分野にも拡販する。ＩＭＡＰＣＡＲを含む車載画像認識システムで、２０１５年に売上高２００億円、シェア４０％を目指す。
０６年に発売したＩＭＡＰＣＡＲは、同年秋にトヨタ自動車<7203>の「レクサス」に搭載され、プリクラッシュセーフティー（衝突回避）などを実現している。プログラムを開発すればさらに認識対象を拡大でき、衝突回避のほかにも応用分野が広がる。このため、認識対象を拡大した高付加価値品と、用途を限定した普及品を開発して拡販する。高付加価値品では標識や信号、可視光による歩行者まで認識対象を拡大。その結果、標識や信号などの予告注意、脇見・居眠り警報などにも応用分野を広げる。現行品では白線やレーン、先行車や後方車、横断歩道や停止線、赤外線による歩行者などに認識対象が限られている。ＮＥＣエレクトロニクスは２０１０年から車載用の画像認識システムの市場が拡大すると予測している。市場規模を２０１０年に４００万台、２０１２年に８６０万台、２０１５年に１８００万台に達すると見る。この１８００万台のうち４０％にあたる７２０万台、金額にして２００億円獲得を目指す。

■ユーシン<6985>、ナイルス買収断念へ
ユーシンが、ナイルスの買収を断念する方向で調整していることが４日明らかになった。両社の筆頭株主はＲＨＪインターナショナル（旧リップルウッド）で、両社の経営一体化を目指したが、取締役会でユーシンの創業家側などがこれを退けた。今後、同社の事業展開をめぐってＲＨＪＩの対応が注目される。ユーシン関係者によると「ナイルス買収の推進派が（創業家などの）反対派に負けた」。その結果、買収推進派とされ、代表権を持つ竹辺圭祐前社長（９月２５日辞任、現取締役）と竹網健祐前副社長（１０月３日退任）が相次ぎ辞任した。反対派幹部は「ＲＨＪＩとの関係見直しも否定しない」（同）とし、単独での生き残りや、ナイルス以外の提携先を模索する可能性を示唆した。一方でＲＨＪＩは「我々は２０％程度出資する一株主。

△今年の国内舶用機器、２６年ぶり生産額最高－１兆２千億円見込む
０７年の国内舶用機器生産額が８１年以来２６年ぶりに過去最高を突破し、１兆２０００億円前後となるもようだ。新興工業国向けの海運需要が急増し、新船の建造ラッシュが続いている。このためエンジンを中心に関連機器の生産も増加。０７年はこの９月に日本舶用工業会がまとめた０６年実績の１兆８３９億円を大幅に上回ることが確実な情勢となっている。ここ数年の旺盛な造船需要を反映し、右肩上がりの伸びを続ける舶用機器生産額は統計を開始した６６年が１８００億円だった。その後、造船ブームの波に乗り、８１年に１兆１５００億円の最高額を記録。８７年の造船不況時に約６５００億円にまで落ち込んだ後は、０３年ごろまで８０００億円前後で推移していた。

△クボタ<6326>、来年度に北米で自社製ガソリンエンジン搭載した作業機を投入
クボタは０８年度に北米で自社製ガソリンエンジンを搭載した作業機を投入する。多目的運搬車（ＵＶ）でガソリン車を開発したほか、草刈り機でもガソリンエンジンをこれまで外部調達していたのを内製に切り替えて発売する。これまでのディーゼルエンジン機主体からガソリン車も加え、製品群を拡充。最大の北米市場で拡販につなげる。生産量の計画は今後詰める。クボタのＵＶは敷地面積が広い庭や狩猟場などで使用されるオフロードタイプ。これまでクボタのＵＶは、ディーゼルエンジン車しかなかった。今回、変速機の相性を改良した４６０ｃｃの新ガソリンエンジンを開発し、ＵＶに初めて搭載する。草刈り機では、その場で回転できる「ゼロターンモア」シリーズのガソリン対応機において、内製エンジンを搭載する。他社製エンジンの搭載機は廃止する。北米向けのガソリンエンジンは堺臨海工場（堺市西区）で生産し、量産効果によるコスト削減を狙う。

□工作機械９社の８月受注、６．２％増の５２３億７６００万円
日刊工業新聞社がまとめた工作機械メーカー９社の８月の受注実績は、前年同月比６・２％増の５２３億７６００万円となった。鍛圧機械メーカーを含めた１０社では同４・６％増の７１４億３５００万円。輸出は夏季休暇の影響が見られたものの好調を継続した。一方、国内受注は減少が続いている。９社の受注を内外需別に見ると、国内は３カ月連続で前年同月比減となった。輸出は１２カ月連続で同２ケタ増。鍛圧機械メーカーを含めた１０社の国内は同４・４％減の３６２億８１００万円、輸出は同１５・８％増の３５１億５４００万円。国内は４カ月連続で減少している。企業別では三井精機工業の国内が増加した。「ネジ研削盤でまとまった受注があった」（三井精機）。
アマダ<6113>の海外受注は前月までと比べ伸び率が鈍化。「夏季休暇の影響が出たと見られるが、高水準の受注が続いている」（アマダ）。また米国の受注が前年同月比プラスに転換した。

△ホンダ<7267>、埼玉・小川新工場で次世代ディーゼル生産－Ｖ６も開発
ホンダは次世代のクリーンディーゼルエンジンを、０９年稼働予定の埼玉県小川町の新エンジン工場で生産する。現在は鈴鹿製作所（三重県鈴鹿市）と埼玉製作所（埼玉県狭山市）でディーゼルエンジンを生産しているが、段階的に小川新工場へ集約する見通し。また同社は直列４気筒（直４）に続き、Ｖ型６気筒（Ｖ６）の次世代エンジン開発にも着手。中核市場の欧州に加え、０９年からは米国や日本でも次期排ガス規制に対応したディーゼル車を投入する計画で、小川を次世代エンジンの中核拠点にする。小川新工場は当初、「直４のガソリンエンジンを生産する」（福井威夫社長）としていた。ただディーゼルエンジンの搭載が、近接する埼玉製作所や２０１０年に稼働する埼玉県寄居町の完成車新工場で生産する車種になるため、小川にディーゼル向けの設備投資を行う。鋳造から機械加工、組み立てのラインを設ける。

△日本プラスト<7291>、３カ所目の技術開発拠点を新設
日本プラストは静岡県富士市に３カ所目となる技術開発拠点「第３テクニカルセンター」を新設、１１月に稼働する。同富士宮市にある既存テクニカルセンターが手狭となったことから生産技術部門を移管する。内製率向上に向けた技術の確立や、新工法の量産技術開発などを進め、同社グループ全体の生産の効率化を図る。試作用設備などを導入し、総投資額は約３億５０００万円。新拠点は８月に精算した金型製造子会社のプロステックの工場、土地を購入し改装した。建物は２階建てで、延べ床面積は約２０００平方メートル。日本プラストは６月に技術開発部内に生産技術課を新設した。新拠点は同課を中心に１１人でスタートする。設備は射出成形機や産業用ミシンなどを導入。エアバッグのバッグ縫製の技術力を高め内製率向上につなげるほか、自社製の生産設備の開発などを進める。今後、塗装設備なども導入し、生産技術開発の幅を広げる方針。

△コニカミノルタＨＤ<4902>、八王子事業所の六価クロム土壌を浄化
コニカミノルタホールディングス（ＨＤ）は八王子事業所（東京都八王子市）の六価クロム土壌汚染に対し、電極に六価クロムイオンを誘電して回収する「電気フェンス法」を今月導入した。地中に電極を配置し、陰イオンとして存在する六価クロムを効率よく回収する。同事業所はこれまで周辺地域への汚染拡散を防ぐため、引き上げた地下水を浄化していたが、同技術により敷地内に残る汚染土壌自体の浄化に乗り出す。電気フェンス法は地下に設置した電極に直流電圧を加え、地下水中の陰イオンを陽極に、陽イオンを陰極に移動させる。六価クロムイオンは陽極に移動し、電極の周辺を循環する電解液に溶け込み地上のタンクに回収される仕組み。同事業所では陰極と陽極を５メートル間隔で埋め、地下１０―１５メートルの帯水層に電流を流す。

△三菱電機<6503>、太陽光発電用パワーコンディショナー２機種を来年発売
三菱電機は４日、業界最高の電力変換効率９７・５％を実現した太陽光発電用パワーコンディショナー２機種を０８年１月９日から順次発売すると発表した。電力損失を大幅削減する「階調制御インバータ方式」を採用。電力変換時の損失を従来比４４％低減した。価格は定格出力４キロワット型で３６万７５００円、同５・５キロワット型で５２万５０００円。０８年度に１万台の販売を目指す。新製品は電力損失で発生する熱を低減したことで、放熱用の空気流入口が不要になり耐湿性能を向上。洗面所などへの設置も可能になった。また電圧振幅を低減し、実運転時に３０デシベルの低騒音を達成した。パワーコンディショナーは、太陽電池で発電した電力を直流から交流に変換する部品。これまでの業界の最高変換効率も三菱電機製の９５・５％だった。

△三菱マテ<5711>、０９年度にインドネシアで銅増産－年産３０万トンへ
三菱マテリアルは０９年度に連結子会社のインドネシア・カパー・スメルティング（ＰＴＳ）のグレシック製錬所で銅の年産能力を現在の２７万５０００トンから約９％増の３０万トン体制にする。急速な経済成長を遂げる中国やインドなど新興国、東南アジアでの銅需要の増大に備える。設備の新設は極力行わず、電解工程など既存設備の生産性を高めることで、２万５０００トンの増強を目指す。三菱マテは、現状の既存設備のままでも下工程の生産性向上などで１万トン程度を上積みできると見ている。このため、グレシック製錬所の電解工程で電解槽の電流密度を高めたり、電解槽に入れるアノード（電解用陽極板）の間隔を狭めるなど生産効率を向上する改良に取り組み、３０万トン体制を実現したい意向。ただ、需要が急増すれば従来のように電解槽を増やすことも検討する。設備投資額はいずれの方法で能力を増強するにしても、最大で１０億円程度と見込んでいる。

△ダイセル化学<4202>、広島・大竹工場にたばこフィルター製造設備を完成
ダイセル化学工業は、広島県大竹市の大竹工場にたばこフィルター用アセテート・トウ製造設備（工場）を完成した。本格生産開始に先立ち５日、小川大介社長ら関係者が出席して完工式を行う。アセテート・トウは大阪製造所堺工場（大阪府堺市堺区）の閉鎖に伴い、大竹工場に移管したもので、堺工場に比べ生産能力を２０％程度高めた。総事業費は約３８０億円。大竹工場は進出当初、用地は約２４万平方メートルだった。これを０４年以降３回にわたり隣接する広島県営の大竹工業団地を取得、約２倍の約４７万平方メートルに拡大した。同社はこれまで、アセテート・トウを堺工場と姫路製造所網干工場の２拠点で生産してきた。しかし大阪府道高速大和川線事業に伴う収用で、堺工場を閉鎖することになり、代替設備を大竹工場に建設した。

△三井ホーム<1868>、パネル生産ラインを刷新－多品種少量に対応
三井ホームは全額出資の生産子会社である三井ホームコンポーネント（千葉県美浜区）の埼玉工場（埼玉県大利根町）のパネル生産ラインを全面刷新、少量多品種生産や生産量の増減にスムーズに対応できる体制を構築した。投資総額は７億円。壁パネルと床パネルのラインをそれぞれ分割するとともに、現場作業員に複数の工程を担当させる。これにより、ラインにトラブルがあった際のリスクを分散し、コストダウンにもつなげる狙いがある。三井ホームコンポーネント埼玉工場はパネルの主力生産拠点。これまでは壁パネルのラインは長さが約２５０メートルあり、トラブルが１工程でもあると全体を停止する必要があり、生産に大きな影響が出ていた。そこで設備の老朽化に伴う更新に際し、１ラインだった壁パネルのラインを外壁ライン、内壁ラインそれぞれ２ライン、合計４ラインに分割。また２ラインだった床パネルのラインを３ラインにした。

△イオン<8267>、電子マネー「ワオン」の利用エリアを拡大
イオンは電子マネー「ＷＡＯＮ（ワオン）」が使えるエリアを拡大する。これまでは関東１都６県だったが、１５日から中部、近畿エリアなどに拡大。約１万１０００店で利用できるようになる。
新たにワオンの扱いを始める近畿エリアの店舗では、ＪＲ西日本<9021>の「ＩＣＯＣＡ（イコカ）」とＮＴＴドコモ<9437>の後払い電子マネー「ｉＤ」、中部エリアの店舗では「ｉＤ」とＪＲ東日本<9020>の「Ｓｕｉｃａ（スイカ）」も使えるようにする。

▼ネット証５社、４－９月の売買代金３．７％減－新興市場低迷響く
０７年度上期（４―９月）の大手インターネット証券５社の売買代金と口座数が４日出そろい、合計売買代金は前年同期比３・７％減、０６年度上期比４・６％減の８９兆９２５６億円となった。個人投資家の売買の中心となる新興市場の長期低迷や、米サブプライムローン（信用度の低い個人向け住宅融資）の焦げ付きに端を発した世界市場の混乱などが投資家心理に影響した。９月末の口座数は４３２万６６５。
各社別売買代金を見ると、ＳＢＩイー・トレード証券<8701>が前年同期比１０・７％増の４６兆１３２１億円と増加した一方、楽天<4755>証券は同１０・８％減の１７兆６２４４億円。松井証券<8628>は同２４・８％減の１０兆３５３７億円。カブドットコム証券<8703>は同１０・８％減の７兆７６７４億円。マネックス証券は同１５・１％減の８兆４７９億円と減少傾向が続いている。市況低迷の中でも「売買手数料の安さと顧客数の多さが売買代金の上昇に貢献した」（イー・トレ）という。
（日刊工業新聞）

△キリン堂<2660>の８月中間期は経常利益５８．２％増
大阪を地盤にドラッグストアを展開するキリン堂の０７年８月中間期連結決算は、前期に子会社化したニッショードラッグも寄与し、売上高５３７億７５００万円（前年同期比５２．９％増）、経常利益１１億３５００万円（同５８．２％増）と大幅な増収増益となった。純利益は、減損会計の適用による特別損失計上と法人税等の影響により、３億１３００万円（同４．７％減）と前年を若干下回った。ニッショードラッグとのグループシナジーを追求するため帳合・システム・物流センターの統合を進めると同時に、関西地域ドミナント化推進のもと、スーパードラッグストアの積極出店を行うとともに、既存店の活性化による利益率の向上に努めた。出店は８店舗、改装が９店舗、閉店は９店舗だった。０８年２月期通期の連結業績予想は、売上高１０８７億２７００万円（前期比４９．３％増）、経常利益２５億６７００万円（同５５．５％増）、純利益７億１９００万円（同２４．６％増）と最終２ケタ増益を確保する見通し。下期からはニッショードラッグとの連携をさらに強化し、仕入一本化によるスケールメリットを活かしていく。同社グループでは、２０１５年に売上高２０００億円・５００店舗体制の実現を目指している。
（証券日刊新聞）

△百貨店が物産展を立て直し　衣料品への波及期待　課題は脱「同質化」
百貨店各社が海外や各地域の名産品などを展示即売する「物産展」などの催事を立て直す動きを強めている。物産展自体の利幅は薄いものの、集客力が高く他の売り場への波及効果が期待できるためだ。百貨店の催事の定番は「日本全国うまい物フェア」「九州展」「北海道展」「イタリア展」の４つといわれる。
最近は「イタリア展」を重視する百貨店が目立ち、伊勢丹<8238>や三越<2779>、松屋<8237>、大丸（Ｊ．フロントリテイリング<3086>）などがここ数年連続して開催している。
「イタリアはワインやチーズに加え、ファッションが有名。衣と食は結びつけやすく、流行に敏感な層が数多く集まる」と、松屋は３年連続して開催した理由をこう説明する。催事場で開く食関連イベントに連動した動きを、衣料品売り場で展開すれば「全体への波及効果が見込める」（松屋）というわけだ。イタリア展は、今月２日まで開催していた松屋銀座に続き、伊勢丹も新宿本店で３日から１週間の予定でスタートした。伊勢丹では、世界で最も審査が厳正といわれるイタリア最大のワイン見本市「ヴィニタリー」に出品される５大陸３０カ国のワイン約３５００種類のうち、「大賞や金賞に輝いた３０種類を売り場に並べている」（池田大輔バイヤー）という。６日からは、催事場とは別の紳士靴売り場で、世界的に有名な靴職人シルバノ・ラッタンツィ氏が来日して、１足７８万７５００円からオーダーを受け付ける。食と伊勢丹が得意とする衣料品とを組み合わせた戦略だ。一方で、各社が“ドル箱”としてなかなか捨てきれないのが「北海道展」。利幅が高い衣料品との連動は難しいものの、海産物にとどまらず、乳製品、スイーツなどバラエティーに富んだ品ぞろえが展開できるためで、年２回開催する百貨店も多い。
「北海道展で年間５億円稼ぐ」（関係者）といわれる東武百貨店をはじめ、阪急百貨店（阪急阪神ＨＤ<9042>）、大丸、高島屋<8233>、松屋など多くの百貨店が毎年開催している。
ただ、各社がこぞって開催したため新鮮味が薄れているのも事実。３日から北海道展を開催している高島屋は「ここ数年、同物産展の同質化が進んだため参加店舗の３割程度を入れ替えた」（桑原慎太郎・食料品催係長）という。高島屋は、バターサンドで有名な六花亭の本店でしか販売していないソフトクリーム、松屋では「ファッション感度の高い女性向けにパスタやスイーツを展開し、女性客を引き込む」（加藤敏雄・食品催事専門係長）など、差別化に必死だ。全国の百貨店売上高は２００６年まで１０年連続で前年割れが続き、このままでは業界全体が衰退しかねない。これまでの催事から脱却し、懸命に新たな展開を模索するのは、業界の危機感を反映をしたものともいえそうだ。

△シチズンマシナリー（シチズンＨＤ<7762>）が自動旋盤４機種発売
シチズンマシナリーは、小型精密ＣＮＣ（コンピューター数値制御）自動旋盤の新シリーズ４モデルを来年２月１日に発売する。発売するのは「自動旋盤シンコム　Ａ２０－ＶＩＩ型」（右主軸機・左主軸機）と、「同Ａ２０－ＶＩＩ型ガイドブッシュレス機」（右主軸機・左主軸機）。コストパフォーマンスと優れた機能性を兼ね備えた既存の「Ａ２０－ＶＩ型」の背面主軸に１軸を追加した。背面主軸に１軸を加えながらも、新機種も最大の特徴である高いコストパフォーマンスを実現。また、切削中に発生する振動の減衰性にも優れた熱対称構造の肉厚ベッドを採用した。本体標準価格は各機種とも６３８万４０００円（税込み）。新シリーズ全体で月産１００台を予定している。同機は１７日から名古屋市の「ポートメッセなごや」で開催される機械の展示会「ＭＥＣＴ２００７」に出展する。

△輸入車上期販売、３年ぶりプラス
日本自動車輸入組合が４日まとめた２００７年度上期（４～９月）の輸入車販売実績は、前年同期比３・８％増の１３万２１０９台で、上期として３年ぶりの増加となった。
日産自動車<7201>が英国工場で生産し逆輸入しているＳＵＶ（スポーツ多目的車）「デュアリス」が底上げ要因となっており、外国メーカー車のみでは６・８％減と低迷した。ブランド別ではフォルクスワーゲンが２万３０９２台で２年連続のトップ。２位はＢＭＷ、３位はメルセデス・ベンツが続いた。９月単月は前年同月比７・４％増の２万８４７２台で５カ月連続の増加となった。
（FujiSankei Business i）