10/4 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

▼扇風機事故、メーカー8社で54件・業界団体調べ
日本電機工業会は3日、扇風機の長期使用に伴う部品などの経年劣化が原因の発火、発煙などの事故は1982年8月から今年9月までに計54件発生していたと発表した。
このうち死亡事故は、三洋電機<6764>製が原因で今年8月、東京都足立区の夫婦が死亡した火災1件。
家電メーカー8社の製品で事故が発生しており、54件のメーカー別内訳では三洋電機<6503>が最も多く26件。シャープ<6753>10件、東芝<6502>ホームテクノ7件、日立<6501>多賀テクノロジー4件などが続いた。54件の事故事例のうち使用期間が20年以上たった扇風機が46件と大半を占めた。約40年に及ぶ例もあった。同工業会は死亡事故や今夏に相次いだ発火事故を受け、調査を実施した。

△イオン<8267>、メーカーと連携加速・調達効率化で低価格維持
イオンは商品調達や販売の効率化に向けてメーカーとの連携を加速する。商品の販売計画や売れ行きなどをメーカーに公開して共同で需要予測する取り組み「ＣＰＦＲ」の参加企業を現在の約70社から年内に約190社に増やす。卸を通さないメーカーとの直接取引も拡大。仕入れコストの削減を通じて、食品原材料の高騰のなかでも、低価格販売を続ける体制づくりを急ぐ。イオンは、プライベートブランド（ＰＢ＝自主企画）「トップバリュ」の生産委託先などとの間でＣＰＦＲを進めている。現在の参加企業は日用品メーカー約 70社だが、新たに大手食品メーカーなど約120社を加える。イオンは現在約2200億円のＰＢ販売額を、2011年2月期に7500億円（ダイエー<8263>など提携企業含む）に増やす計画で、これに合わせて取り組みを拡大する。

△ソニー<6758>、液晶ＴＶ今期1000万台販売・副社長「達成可能」
ソニーのデジタル家電部門を統括する井原勝美副社長は3日、日本経済新聞記者に対し、2008年3月期に1000万台をめざす液晶テレビの販売計画について「達成できる」との見通しを示した。また「液晶パネル需要のひっ迫を受け能力増強を急ぐ」と述べ、韓国サムスン電子との合弁会社で増産を検討していることを明らかにした。11月に世界に先駆けて発売する有機ＥＬ（エレクトロ・ルミネッセンス）テレビの量産に関連した設備投資では「有機ＥＬは液晶の次に大きな可能性を秘めた技術。何らかの設備の手当てをする」と語った。大容量ＤＶＤ規格「ブルーレイ・ディスク（ＢＤ）」レコーダーについては、ＤＶＤ現行機種の新規開発は中止し、ＢＤに注力する方針を示した。

△星野仙一氏ら、米マイナー球団に33％出資・ビジネス人材育成
野球の日本代表監督を務める星野仙一氏は、インターネット関連サービスのネクシィーズ<4346>などと組み、松井稼頭央選手が所属する米大リーグ、コロラド・ロッキーズ傘下の１Ａ球団に33％出資する。日本やアジアの若者を期間限定のインターンシップで引き受け、球団経営の様々なノウハウを習得させる。日米をまたいでスポーツビジネスを担う人材を育成する初めての試みとなる。星野氏らが出資するのは、トライシティ・ダストデビルズ（ワシントン州）。米野球殿堂入りしている元大リーグ選手のジョージ・ブレット氏が興行権などの資産を保有しており、そのうち33％を買い取る。譲渡金額は公表していないが、5億円程度とみられる。
（NIKKEI NET）

△小口宅配便事業、さまざまな方向性を検討＝日通<9062>
日本通運は４日、日本郵政（西川善文社長）と宅配便事業や国際物流などの分野で包括提携するとの一部報道について、同社が発表したものではないとした上で、小口宅配便事業について、さまざまな方向性を検討しているとコメントした。国際物流分野においては、報道にあるような事業協力検討の事実はないとした。４日付の日経新聞朝刊は、日本通運が郵政民営化で発足した日本郵政（西川善文社長）と宅配便事業や国際物流などの分野で包括提携すると報じた。将来的には株式の持ち合いも視野に入れるという。宅配便事業では両社のブランドを残しながら相互に配送網を活用してコストを下げ、国際物流の分野では日本郵政の国内配送網と日通の国際輸送網を組み合わせたサービスの開発を目指すと伝えている。

△みずほＦＧ<8411>が続伸、東証1部で売買代金第1位
みずほフィナンシャルグループが続伸している。１０時０５分現在、同社株は東証１部で売買代金第１位。引き続き市場では出遅れ感が強調されているほか、サブプライムローン（信用力の低い借り手向け住宅ローン）問題が落ち着いていることが買い安心ムードを漂わせた。海外勢からの資金流入も観測されている。三菱ＵＦＪフィナンシャル・グループ(8306.T: 株価, ニュース, レポート)、三井住友フィナンシャルグループ(8316.T: 株価, ニュース, レポート)など他の銀行株も高い。

△東海理化<6995>が反発、三菱ＵＦＪは新規「1」でカバー
東海理化電機製作所が反発している。三菱ＵＦＪ証券がレーティング「１」、目標株価３６００円でカバー開始したことを材料視した。同証券では２００８年３月期の営業利益を前年比２３％増、会社計画比７％増と予想している。為替前提は１米ドル＝１１８円（上期１２０円、下期１１５円）、ユーロ＝１６０円。会社計画には織り込まれていない（１）銅価格の高騰、（２）カナダドル高騰などのマイナス要因をトヨタのグローバル生産台数増やスマートキー等の装着拡大による製品ミックス改善、アジア子会社の好調で吸収するとみている。

■トヨタ自動車<7203>さえない、期間従業員を組合員化との報道
トヨタ自動車がさえない。４日付日経新聞朝刊が同社の労組について、賃金や待遇の改善をねらって期間従業員を順次組合員として受け入れる方針と伝えたことから、円安にもかかわらず売りが先行しているという。組合員化により、人件費が増加したり必要に応じたフレキシブルな労働者の配置がしにくくなることなどが懸念されているという。

△消費者金融株が高い、銀行株の出遅れ修正の動きが波及
武富士<8564>やアイフル<8515>、アコム<8572>など消費者金融株が高い。銀行株を中心とする出遅れ修正の動きが波及しているという。日経平均が１万７０００円台を回復したところでもみあい、先行した銘柄には利食い売りも出ている一方で、出遅れた金融系の値戻しが続いている。証券株も高い。

▼チヨダ<8185>安い、8月中間経常益が予想比下振れへとの報道
チヨダが安い。４日付日経新聞朝刊が、同社の８月中間期連結経常利益について、５７億円の従来予想を下回る４３億円（前年同期比１０％減）程度になったもようと伝えたことが嫌気されているという。

▼ＮＩＳ<8571>が軟調、Ｓ＆Ｐの格下げを嫌気
ＮＩＳグループが軟調に推移している。スタンダード＆プアーズ（Ｓ＆Ｐ）の格下げを嫌気した。Ｓ＆Ｐは、ＮＩＳグループの長期格付けをＢＢ＋からＢＢ─に２ノッチ引き下げたうえで、格下げ方向でのクレジット・ウォッチに指定した。Ｓ＆Ｐによると、今回の格下げは、金融機関が貸金業者に対する与信姿勢を慎重化させており、この状況が長期間継続した場合、ＮＩＳグループの財務の安定性が損なわれる懸念があることに基づく。

△ＰＣＮＥＴ<3021>が買い先行、07年11月中間期予想を上方修正
パシフィックネットが買い先行となっている。３日に発表した２００７年１１月中間期決算見通しの上方修正を好感した。連結経常利益は従来予想の１億３６００万円から１億６９００万円、連結当期利益は７９００万円から９７００万円に引き上げた。売上高は計画に沿って推移しているものの、売上原価率の改善や経費削減が、利益面での上方修正につながったという。通期見通しに変更はない。同時に、発行済み株式総数の１．９３％に相当する５００株を上限とした自己株取得も発表した。取得総額上限は３１００万円。取得期間は１０月４日から１１月１５日まで。
（ロイター）

△産車体<7222>株が急騰、日産からの受託生産好調－通期増益予想に変更（２）
日産車を受託生産している日産車体の株価が買い気配で始まり、86円（12％）高の825円で寄り付いた。その後93円高の 832円とチャート上の窓を開け、昨年５月来の高値水準を回復している。ミニバン「セレナ」の販売がファミリー向けに順調なことなどを受け、上期（４－９月）売り上げ台数は予想を上回るペースで伸びた。下期は売り上げ増加がさらに加速する見通しで、当初は減益を予想していた今期（08年３月期）連結経常利益を増益見通しに変更、これを評価した買いが先行している。３日に発表した業績予想の修正によると、今期連結売上高は前期比2.2％増の5800億円（従来予想5360億円）、経常利益は19％増の250億円（同184億円）、当期利益は８％減の112億円（同99億円）となる見込み。同社総務部の田坂和子主管は「国内向けのセレナ、中近東向けピックアップトラック、商用車『キャラバン』などが好調で、足元の売り上げ台数が期初予想以上に増えている」と語った。同社では９月中間期の売り上げ台数を15万8000台と想定していたが、実際は16万2000台と4000台上回った。上期の順調な売り上げに伴い、通期の売り上げ台数予想も31万台から34万台へと３万台引き上げた。９月中間期推定では売上高を2710億円（従来予想2660億円）、経常利益を 115億円（同75億円）へと引き上げる一方、当期利益は40億円を据え置いた。７月に発表したセカンドキャリア支援（転身援助）制度の実施により、特別退職加算金約45億円を特別損失に計上するため。同制度の対象者は45歳以上の一般従業員1500人で、募集期間は来年３月末まで。今回の業績予想修正では販売台数の増加が下期に大きくなる見通しとしているものの、上期の経常利益増加額40億円に対して下期予想は26億円の増加にとどまっている。この点について同社では「上期で貢献した原価低減効果を下期は見込んでいないため」（田坂氏）と説明している。

▼今仙電<7266>が大幅続落、総額30億円のＣＢ発行－価額の下方修正条項付き
独立系の自動車部品メーカーで、照明機器などに強みを持つ今仙電機製作所の株価が大幅続落。一時84円（4.4％）安の1835円まで下げた。総額30億円の転換社債型新株予約権付社債（ＣＢ）の発行を３日に決めており、将来的な売り圧力の増加や利益希薄化を懸念した売りが優勢。また同ＣＢには、130％コールオプション条項や転換価額下方修正条項が付いている。償還日は、2012年11月１日。

■京都きもの<7615>は小動き、９月既存店受注は大幅増も振り袖の厳しさ続く
京都きもの友禅の株価が小動き。９月の既存店受注高は２カ月連続でプラスとなったものの、競争激化を背景に主力の振り袖販売は厳しい状況が続いていることが判明し、買いは限定的だ。午前９時33 分現在の株価は前日比1000円（１％）高の10万1000円。京都きものが３日の取引終了後に発表した９月の月次受注動向によると、既存店受注高は前年同月比10.2％増だった。06年３月以来、１年５カ月ぶりにプラスとなった前月８月（1.8％増）から２カ月連続でプラスを維持した。受注の内訳を見ると、店内催事の拡充で一般呉服が26.3％増と大幅増となった半面、主力の振り袖は同3.4％減と減少した。売上構成比は振り袖が６割、一般呉服４割。振り袖は広告効果で８月は9.6％増と回復基調を見せたが、再び落ち込んだ格好だ。繁忙期に相当する今年１－３月期は競争激化で来店客数が減少、前期（07年３月期）の受注高は前の期比15％減と低迷した経緯がある。同社のＩＲ担当の弓削佳美氏は振り袖の苦戦について、「今年は他社が前倒しで受注を獲得しているのかもしれない。来年になれば成人式向けの新規顧客が出てくるが、12月までは厳しい状況が続く可能性がある」と話していた。
（ブルームバーグ）

△ヤフー<4689>---3日続伸、年初来高値をうかがう展開
一時48350円まであり、前日突破した5月8日高値46350円を上放れる展開。年初1月4日以来となる5万円大台回復も視野に突入している。新興株市場の堅調推移から連動性の高い同社株への物色も継続している。

△武富士<8564> 続伸も上げ幅を縮小させている。
一時2825円まであり、8月6日以来の25日線（2652円）を奪回したが、足元では上ヒゲ部分となりつつある。直近の急ピッチな上昇から目先の目標達成感も台頭したもよう。なお、転換線は上向きが鮮明となり、押し目買い意欲が試される形状をみせている。

△タカラＢＩＯ<4974> 大幅続伸。
米社へのライセンス供与が材料視されているようだ。「ＬＡ－ＰＣＲ」技術に関する特許の全世界における非独占的実施権について、米社に供与するライセンス契約を締結したと発表している。

▼イントランス<3237> ストップ安売り気配。
一転しての減益並びに減配が嫌気されているようだ。07年9月中間期並びに08年3月期の業績予想を大幅に下方修正しており、通期については経常利益で従来予想の17.2億円から8億円（前期11.39億円）にまで減額された。また、期末配当を同1400円から700円（前期末800円）に引き下げている。米サブプライム問題の影響で、販売候補先の資金調達に支障があったと。

△三菱ＵＦＪ<8306>---買い安心感確認し、物色が継続
一時1195円まで上昇し、75日線（1197円）をトライする場面もみられた。前日の海外市場では、ドイツ銀がサブプライ問題に絡んだ巨額損失を計上したにもかかわらず、他事業の好調でカバーできる見通しが好感されて上昇。国内金融株への買い安心感も高まる格好となった。なお、ここにきて25日線の上向き転換が確認されている。

△大平洋金属<5541>---続伸、ニッケル市況の上昇を材料に
続伸。ニッケル市況の上昇が材料視される。前日の非鉄市況は高安まちまちとなっているが、ニッケル市況は前日比で2.7％高と上昇が目立っており、同社や冶金工などのニッケル関連銘柄には買いが優勢となっている。

△東洋水産<2875>---小動き、17年ぶりに即席めんを値上げへ
５日線を跨ぐ動きが続く。昨日同社は、来年１月出荷分から即席めんの10％前後の値上げを発表。値上げは実に17年ぶりで、原料コスト高を製品価格に転嫁した点はポジティブか。

△東海理<6995>---「三役好転」し、中期ではＷトップ突破を意識
買い気配スタート。一目雲抜けが確実視され、「三役好転」を達成へ。三菱ＵＦＪ証券では、投資判断を新規に「1」とし、目標株価を今08年3月期予想ＰＥＲ16倍程度の3600円に設定。中期では06年2月および今年7月のダブルトップ3470円突破を意識した動き。

▼ハニーズ<2792>---軟調、メリルでは「買い」から「売り」に
下げ目立つ。メリルでは投資判断を「買い」から「売り」に格下げ、ネガティブインパクトが強まる。メリルでは、今期経常利益予想を110億円から92億円に減額修正しているが、さらなる下ブレの可能性も示唆している。足元の販売低迷が背景、ここまでの高い成長の反動が警戒される状況と。

△クラレ<3405>---窓明け上伸、ＭＳが新規「Overweight」
ギャップアップでスタート。５日線と25日線のゴールデンクロスも示現。なお、ＭＳが投資判断「Overweight」、目標株価1800円でカバーを開始したもようで、これが寄り高要因と考えられる。

△セタ<4670> 買い気配から。
親会社のアルゼ <6425> による完全子会社化が材料視されているようだ。アルゼがセタを完全子会社化すると発表、セタはこれに賛同すると発表している。セタはジャスダックが不適切な決算処理を理由に2日付で監理ポストへ割り当てていることから、先行き不透明感が後退しているもよう。なお、完全子会社化の方法等については未定としている。

△ソニー<6758>---グレー市場でソニーＦＨにビット「41.5万円」と観測
反落。週初、11日上場ソニーＦＨ<8729>の公募価格が仮条件上限（40万円）で決定。以降は最終益の押し上げ効果などで堅調に推移したが、本日は利食い売りの動きが優勢に。ソニーＦＨに関しては、グレー市場で「41.5万円」でビット（買い提示）が入っていると観測。

△住友鉱<5713>---小じっかり、東洋証が3日付で新規「BUY」
５日移動平均線をサポートに小じっかりの展開。３日付で、東洋証券が投資判断「BUY」で新規カバレッジを開始。今後６ヶ月の目標株価を3000円に設定されたが、現値との乖離が小さく、反応は弱い。
（フィスコ）

△キヤノン電<7739>は増額値未達織り込み下げ過ぎ訂正で続伸
キヤノン電子は、２０円高の２９３５円と続伸し９月１８日につけた株式分割権利落ち後安値２６８０円からのリバウンド幅を拡大している。２００７年６月中間期業績が、今年４月の上方修正値を下ぶれて着地し、通期経常利益も小幅下方修正され１０００円超幅の調整となったが、６期連続で過去最高を更新する今１２月期通期純利益を見直し下げ過ぎ訂正の下値買いが続いている。同社の中間期業績は、前年同期比１５％増収、１０％経常増益、２０％純益増益と伸び、中間期として６期連続の過去最高となったが、ただ第１四半期決算発表時の上方修正値に対し経常利益で約３億円の未達となった。デジタルカメラ向けシャッターユニット・交換レンズユニットなどが続伸し過去最高となったが、電子情報機器部門でＡ３紙対応のレーザービームプリンタが第２四半期から需要が伸び悩み経常利益の増益率を押し下げた。１２月通期業績も、売り上げ１１２９億円（前期比１１％増）、経常利益１５０億円（同４％増）、純利益９６億円（同９％増）といずれも過去最高更新を予想、純利益は４月の上方修正値を据え置いたが、売り上げは３６億円、経常利益は６億円の引き下げとなった。このため値幅調整先行となったが、ＰＥＲは１２倍台、配当利回りも１．９％と下げ過ぎ顕著となった。一段のリバウンド幅拡大が有力視される。

△シチエ<4724>は９月月次の連続プラスで決算期待高まり急続伸
シチエは、３８円高の１１００円と急続伸し９月１８日につけた年初来安値９８８円からの出直りに弾みをつけている。１０月２日に発表した９月の月次売上高が買い手掛かりで、アミューズメント施設の既存店売り上げが、前月に続き前年同月比マイナスとなったが、既存店全体、全店売り上げはプラスを維持、１０月２６日発表予定の今１２月期第３四半期決算への期待を高め割安株買いが続いている。同社は、ＣＤ・ＤＶＤのレンタル部門と、ゲーム、ボウリングのアミューズメント施設部門を経営の２本柱としており、施設部門は新規出店、店舗拡充、ネットカフェ併設、アミューズメント機器入れ替えなどから好調に推移、９月は既存店で９９．９％と前年を下回ったが、全店ベースでは１１６．７％、今期累計でも１２１．４％とプラスを維持している。またレンタル部門も、ＣＤは軟調なもののＤＶＤが好調に推移、これも累計で前年同期比増となっている。業績は、２００７年６月中間期業績が、７月の上方修正通り２ケタ増収増益で着地、１２月通期業績は期初予想を据え置き、経常利益は１９億９０００万円（前期比６％増）、純利益は１０億５０００万円（同４％増）を予想している。株価は、タワー投資顧問の保有株が減少したことで思惑が後退、下値模索となったが、急落幅を上回る反騰を演じた。ＰＥＲ１１倍台の修正高が続こう。

△廣済堂<7868>は３回の純益増額見直す超割安株買いが続き高値肉薄
廣済堂は、１１円高の８３７円と反発し９月２６日につけた年初来高値８４３円に肉薄している。８月２９日に発表した今９月中間期・３月通期純利益の３回目の上方修正が、引き続き下値での超割安株買いを誘っており、中期経営計画による事業再編がリストラ人気をフォローしている。同社の中間期・通期純利益は、今年７月３１日、８月６日、同２９日と３回も上方修正された。第１回目が固定資産売却と子会社株式の譲渡、第２回目が孫会社株式の譲渡、第３回目が同社と子会社廣済堂開発保有の固定資産売却を各上方修正要因としており、通期純利益は、期初予想の３４億円が４３億円、４８億円、５３億円（前期比３０％増）に相次いで引き上げられた。前期業績も、昨年８月のケーブルテレビ２子会社の株式売却で特別利益５２億２３００万円が発生して上方修正し、その反動で今期業績は大幅減益を見込んでいたが、増益転換して連続の過去最高更新となる。今年５月公表の「企業価値向上戦略」に基づき財務体質改善のため事業用資産の集約化により資産のリストラを実施しているもので、業績実態そのものも今期第１四半期は前年同期比３％増収、１６％営業増益、１３％純益増益と前期の減収減益から増収増益転換している。ＰＥＲ３倍台、ＰＢＲ１倍ソコソコの修正高が有望となる。

□カルソカンセ<7248>は１３２億円の本社売却益も利益確定売りで小反落
カルソニックカンセイは、９円安の４８５円と７営業日ぶりに小反落している。前日３日に本社の土地・建物（東京都中野区、簿価２１億８１００万円）を島忠（８１８４）に１５５億円で売却、売却益１３２億円を今３月期業績に計上すると発表したが、利益確定売りと下値買いが交錯しもみ合いとなっている。本社売却は、来年５月に本社をさいたま市に移転、土地・建物が遊休化するためで、１０月５日に譲渡契約を締結、来年３月３１日に物件引き渡しの予定で、本社移転までの間は賃借し引き続き使用する。売却益は、今期業績予想に織り込み済みだが、当初見込み金額とのかい離や業績予想開示後の状況の変化もあり影響額を算定中で、判明後に必要に応じて業績修正を公表するとしている。同社は、電装品を中心とした自動車部品メーカーで、かつては「日産系のデンソー」といわれた時期もあったが、このところ業績、株価とも低迷が続いている。前期業績も、事業構造改革費用や製品補償損失などで下方修正、大幅減益で着地し、今３月期も立ち上がりの第１四半期業績は、営業利益、経常利益、純利益とも赤字計上となった。通期業績は、期初予想を達成できるとしており、純利益は３０億円（前期は１億５６００万円の黒字）を見込んでいる。株価は大きく調整しており、８月３０日に発表した「セカンドキャリア支援制度」による希望退職者募集でようやくアク抜け気配を強めている。底上げをサポートすることになろう。

■ヤマトインタ<8127>は３Ｑ小幅増益・低進捗率を嫌い安値覗く
ヤマトインターナショナルは、２０円安の７８０円と変わらずを挟み３日ぶりに急反落し、８月１０日につけた年初来安値７６５円を覗いている。前日３日に今１１月期第３四半期（３Ｑ）決算を発表したが、小幅増収益で着地し通期予想業績に対して低進捗率となったことから再び下値を確認する動きとなっている。同社の３Ｑ業績は、前年同期比６％増収、４％経常増益、５％純益増益と増収増益はキープしたものの、通期予想業績対比で経常利益は６６％、純利益は６７％の進捗率にとどまった。天候不順や自然災害、税負担感の増加など消費環境に不透明感が残るなかで、基幹ブランドの「クロコダイル」、「エーグル」の自主管理型売り場の運営強化、効率化を進め、ローコスト経営を継続したが、増益率は中間期実績より縮小した。通期業績は、中間期業績発表時にやや上ぶれ修正した予想を据え置き、純利益は１６億６０００万円（前期比４％増）を見込んでいる。株価は、７月発表の５月中間期業績の小幅増収増益が響き２年ぶりの安値水準まで下ぶれている。下げ過ぎ示唆の低ＰＥＲ・ＰＢＲと綱引きしながらなお下値を試す展開が続こう。

△ＰＣＮＥＴ<3021>はストップ高気配、中間業績増額に自己株式取得オン
パシフィックネットは、寄り付きから買い気配をアップさせ５５００円高の６万８０００円買い気配とストップ高で３日続伸している。前日に今９月中間期の単独業績は再上方修正、連結業績は初上方修正と自己株式取得を発表、割安株買いの拡大を刺激している。同社は、９月２１日に連結子会社の吸収合併を要因に中間期単独業績を増額したが、今回はこの再増額とともに連結業績を期初予想から上方修正した。売り上げは１０００万円、経常利益は３３００万円、純利益は１８００万円引き上げた。売り上げは、おおむね計画通りに推移しており、積極的な営業活動や業務効率化により売上原価率が改善、経費削減などの販管費合理化を推進したことが上方修正につながった。通期業績は、期初予想を据え置いた。自己株式取得は、資本効率の向上、機動的な資本政策を遂行することを目的にしており、上限を５００株（発行済み株式数の１．９３％）、３１００万円として１０月４日から１１月１４日の間に実施する。株価は、９月１８日につけた上場来安値４万９１００円から前回の業績増額などをテコに底離れしている。ＰＥＲは１２倍台、ＰＢＲは１倍ソコソコとなお割り負けており、リバウンド幅を拡大しよう。

△サーラ<2734>は３Ｑ純利益の大幅増益・高進捗率も反応限定的でもみ合う
サーラコーポレーションは、１円高の６１０円と小高く始まり２月２２日につけた年初来高値６２５円を前にもみ合っている。前日に今１１月期第３四半期（３Ｑ）決算を発表、純利益は大幅増益となるとともに期初予想に対して高進捗したが、売り上げ、経常利益は前年同期を下回ったことから反応は限定的となっている。同社の３Ｑ業績は、前年同期比５％減収、１４％経常減益、５７％純益増益と増減マチチとなり、純利益は期初予想に対して８６％の進捗率となった。アニマルヘルスケア事業、ロジスティクス事業、カーライフサポート事業は、前年同期を上回ったが、エネルギーサプライ＆ソリューション事業で低採算取引から撤退し売り上げが減少し、建築工事の減収や自動車製造部門の原材料価格高騰などが重なり経常利益は減益となった。純利益は、前年同期に減損損失１４億２５００万円など１５億２２００万円を計上した特別損失が、３Ｑは１億４８００万円にとどまり大幅増益・高進捗率につながった。１１月通期業績は期初予想を据え置き、純利益は１９億６９００万円（前期比９８％増）を見込み、配当も８月の修正通り１４円（前期実績１０円）に増配する。株価は、子会社のサ－ラ住宅（１４０５・東２）の業績伸び悩みなどが響き５５０円安値まで調整、出直ってきたところである。ＰＥＲ１２倍台、ＰＢＲ０．８倍、配当利回り２．２％の割安修正は着実に進展しそうだ。

▼イントランス<3237>は業績下方修正に期末減配が重なり売り気配
イントランスは、寄り付きから売り気配を切り下げ１万２０００円安の１０万９０００円売り気配と３日ぶりに急反落している。前日３日に今９月中間期、３月通期業績の下方修正と期末配当の減配を発表、嫌気する売り物が殺到している。業績下方修正のうち３月通期業績は、売り上げが期初予想より１８億４０００万円、経常利益が９億２０００万円、純利益が４億９０００万円各引き下げられ、純利益は４億５０００万円（前期比２８％減）と期初の増益・連続過去最高更新予想から減益へマイナス転換する。プリンシパルインベスト事業で、中間期に売却予定だった販売用不動産を前期末までに仕入れていたが、販売候補先の不動産ファンド業者が、米国のサブプライムローン問題の金融機関への影響で資金調達が不調となり、他の候補先では想定した販売価格未達となったことが響いた。中間期売却物件は３物件にとどまり、残りは第３四半期以降に延期、下期も当初計画の利益率での売却が困難として下方修正した。期末配当は、１４００円を予定していたが７００円（前期実績は記念配当を含め８００円）に減配する。株価は、昨年１２月に公開価格１１万円で新規上場され、不動産流動化関連人気で４３万３０００円高値まで買われ、６万６１００円まで調整したあと、公開価格をクリアするＶ字反騰をしていた。再度の下値確認は避けられない。

△日通<9062>は５連騰、日本郵政と国際物流で包括提携報道
日本通運は、１９円高の６４８円と５日続伸している。この日付けの日本経済新聞で、同社と１０月１日に民営化されたばかりの日本郵政が、国際物流などの分野で包括提携すると報道されたことが買い評価されている。両社の提携は、企業物流に強い日通と小口配送網を全国展開している日本郵政が相互に配送を委託、宅配便最大手のヤマト運輸グループなどに対抗する。互いの「ペリカン便」、「ゆうパック」のブランド名は残し、シェア１１％で３位、同８％で４位の両社の競争力を強化し合計３割のシェアを狙う。また、日通の国際輸送網と日本郵政の国内配送網を組み合わせた国際物流でも新サービスの開発を進め、日本郵政の民営化後の初の大型提携となる。株価は、９月に発表した三菱商事との中国全土８０都市の定期混載トラックサービスの強化や中国の海運大手の中国海運との物流請負の新会社設立など、中国関連人気をテコに８月の年初来安値５５１円水準から持ち直している。日本郵政の２０１０年度の株式上場に向け新たな買いテーマの浮上となる。
（東洋経済新報社）