10/4 朝の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

△ハナビラタケにがん予防・転移抑制作用　ユニチカ<3103>
ユニチカは３日、キノコの特異種「ハナビラタケ」が、がんの転移を抑制したり、大腸がんの発生を予防したりする作用を動物実験で確認したと発表した。大腸がんの予防作用は同日、横浜市のがん学会でも報告した。ハナビラタケは、標高１０００メートル以上のカラマツなどの針葉樹に特異的に発生するキノコ。白色や淡黄色で、直径２０～４０センチの葉ボタン状に成長し、多糖類のβ－グルカンがアガリクスの３－４倍も含まれているという。ユニチカの中央研究所（京都府宇治市）が大阪大、岩手医科大などと共同で、ハナビラタケの抗がん作用を研究。肺に転移しやすいがん細胞を移植したマウスに、ハナビラタケから精製したβ－グルカンを７週間、経口投与すると、投与しないマウスの３分の１程度しか、がん転移数がみられなかった。また、大腸がんを発生させる薬剤を投与したラットに、ハナビラタケを混ぜたエサを５週間与えると、ハナビラタケを多く食べたラットほど、大腸前がん病変（がんになる可能性の高い細胞の固まり）の数は減少したという。ユニチカはこれまで、ハナビラタケについて、アトピー症状の軽減、花粉症の緩和、コラーゲン産生の促進などの作用を確認。健康食品として、平成１５年にハナビラタケを原料にした顆粒（かりゅう）状食品を発売以来、ドリンク、錠剤などを相次いで商品化している。

△イオン<8267>で「行こか～」　利用店を一挙１０倍…ＪＲ西<9021>のＩＣＯＣＡ
イオンとＪＲ西日本、ＮＴＴドコモ<9437>関西は３日、各社の電子マネーサービスを近畿圏のイオン店舗など約４２００店で今月１５日から利用できるようにすると発表した。ＪＲ西のイコカ（ＩＣＯＣＡ）やドコモのアイディ（ｉＤ）を利用できる店舗が一気に増えそうだ。イオンは今年４月、新たな電子マネー、ワオン（ＷＡＯＮ）の運用を開始。小銭の要らない便利さが受け、約１００万枚の電子マネーカードを発行している。これまで首都圏中心のサービスだったが、大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、三重の２府３県のジャスコ、サティのほかイオンの商業施設に出店する専門店でも発行と利用を開始。これに合わせ、イコカ、アイディも各店舗の買い物で利用できるようになる。もともと、ＩＣ乗車券として始まったイコカだが、現在の発行枚数は約３２０万枚で、利用可能店舗数は約４３０店。顧客の利便性を高めるため店舗での利用拡大を急いでいる。
来年３月にはＪＲ東日本<9020>のスイカ（Ｓｕｉｃａ）と電子マネーでも相互利用できるようになり、利便性はさらに高まる見通しだ。ＪＲ西としては、手数料収入の増加による収益増を狙っている。関西地区のアイディの利用可能店舗数は、約２万４０００店。イオンでの利用について「普及のチャンスになる」と意気込んでいる。
（産経新聞）

▼牛ホルモン「こてっちゃん」、１億２０００万所得隠し
牛ホルモンの「こてっちゃん」で知られる東証、大証１部上場の食品会社「エスフーズ<2292>」（兵庫県西宮市）が大阪国税局の税務調査を受け、２００６年２月期までの３年間に約１億２０００万円の所得隠しを指摘されていたことがわかった。同国税局は、同社が取引先の牧場からの牛の仕入れ費用を水増し計上する方法で所得を圧縮していたと認定、重加算税を含めて約４５００万円を追徴課税した模様だ。同社はすでに修正申告したという。関係者によると、同社は「新種の牛の導入を依頼しており、開発、肥育にかかった費用の一部を当社で負担するため」として、相場よりも高い価格で牧場から国産牛を仕入れていた。
（読売新聞）

△スズケン<9987>：販売する小腸用カプセル内視鏡が保険適用
医薬品卸大手のスズケン（名古屋市東区）は３日、５月から国内の総代理店として販売している小腸用カプセル内視鏡が１日付で保険適用を受けることになったと発表した。イスラエルのギブン・イメージング社製。ビタミン剤サイズ（長さ２６ミリ、直径１１ミリ）を飲み込むだけで、これまでの内視鏡検査では難しかった小腸の粘膜などが撮影できるのが特徴。バリウムなどの造影剤も不要で、体への負担もなく、カプセルが体内にある８時間の検査中、患者は日常生活を続けることができる。従来は自由診療扱いだったため１０万円前後の費用がかかっていたが、保険の適用を受けることで３割程度まで負担額を減らすことができるという。

■力士急死　時津風部屋前でもみ合い、カメラマン１人軽傷
３日午後８時ごろ、東京都墨田区両国３の大相撲・時津風部屋前の路上で、力士急死問題を受けた部屋側への事情聴取を終えた日本相撲協会の伊勢ノ海理事が車に乗り込もうとしたところ、路上で待機していた報道陣が殺到。伊勢ノ海理事をガードしようとした力士３人ともみ合いになり、
フジテレビ<4676>の男性カメラマンが転倒するトラブルがあった。カメラマンは頭に軽傷。警視庁本所署が詳しい状況を調べている。調べでは、部屋前には当時、聴取内容の取材のために約８０人の記者やカメラマンが集まっていた。３人の力士は時津風部屋の所属で、部屋の勝手口から出て迎えのハイヤーに乗り込む親方の道筋を確保しようとした際、１人が男性を突き飛ばすような形になったという。同署は故意に突き飛ばした可能性は低いとみている。

■泊原発火災　スイッチ異常が原因、不審火を否定…北電<9509>
北海道電力は３日、泊原発で先月２６日に起きた火災について、試験装置のヒューズ付きスイッチが放電で加熱され、樹脂製カバーが焼けたとする調査結果を経産省と地元４自治体に報告した。スイッチの取り付けが不十分なため放電が起きたとして不審火の可能性を否定し、同日、スイッチを新品に交換、再発防止策も報告した。

■消費者金融　借り換えで返済増額、訴えた主婦に賠償　仙台
消費者金融大手のアイク（現ＣＦＪ）とアイフル<8515>の２社に「利率が低くなる」などと勧められ不動産担保ローンを両社間で何度も借り換え逆に支払額が増加したとして、仙台市太白区の主婦（６８）が両社を相手取り計３３０万円の損害賠償を求めた訴訟の和解が３日、仙台地裁（伊沢文子裁判官）で成立した。アイフルが１３０万円、ＣＦＪが２０万円支払う。主婦側代理人の佐藤靖祥弁護士は「債務者を『キャッチボール』して不動産を奪う行為で、違法性を実質的に認めた全国初のケース」としている。訴状によると、主婦は８８年、自宅を担保にアイクから３６０万円の融資を受けた。９１年、「うちの方が利率が安い」と勧誘されアイフルから７００万円の融資を受けて借り換え。その後も２社の勧誘を交互に受けて借り換えを重ね、違約金などを含めて総支払額は１９４０万円以上に達し自宅を２度手放した。ＣＦＪは「円満な形で解決したと考えている」、アイフルは「お客様のためには早期解決を図るべきと考えた」とコメントした。

△欧州委員会　ソニー<6758>ＢＭＧを無条件承認「市場独占ない」
ＥＵの欧州委員会は３日、ソニーと独メディア大手ベルテルスマンの合弁会社「ソニーＢＭＧ」設立について、「再審査した結果、欧州市場で独占的な地位を占めることはない」として、当初の判断と同じように無条件で承認した。欧州第１審裁判所が昨年、当初の承認を無効とする判決を下し、欧州委が審査をやり直していた。

△新ディーゼル車　日産<7201>、ホンダ<7267>は来年から市場投入
自動車メーカー各社は排ガス中の窒素酸化物（ＮＯｘ）などの有害物質を大幅に抑える次世代の「クリーンディーゼルエンジン」の開発に力を注ぎ始めた。日産自動車とホンダはディーゼル車を０８年以降、国内市場に投入する構え。環境対策と燃費性能に優れていることをアピールし、日本での浸透を目指す。
（毎日新聞）

□ソニー<6758>、大分の半導体設備も東芝<6502>に売却へ
ソニーが、高性能半導体を生産する大分の製造設備を、東芝に売却する方向で交渉していることが３日わかった。すでに明らかになっている長崎の半導体製造設備に続く事業の見直しで、経営資源を映像・音響機器など中核事業に集中させる戦略がより鮮明になった。売却するのは、ソニーが東芝大分工場内に所有する製造設備。ゲーム機「プレイステーション３（ＰＳ３）」向けの画像処理ＬＳＩ（大規模集積回路）などを生産している。設備の運営は、東芝・ソニーが共同出資する大分ティーエスセミコンダクタ（大分市）を通じて東芝に委託している。共同出資会社の契約期限が来年３月に切れるのを機に、ソニーセミコンダクタ九州の長崎テクノロジーセンター（長崎県諫早市）にある製造設備とともに、東芝へ売却する方向で検討している。ソニーは、ＰＳ３に使っている高性能半導体「セル」の次世代製品について、開発から生産まですべて自前で手がける態勢を見直し、今後は開発に特化して製品を東芝から調達する方針。セルと並びＰＳ３の核となる画像処理ＬＳＩについても、製造設備を売却して東芝から調達し、今後は設備投資しない考えだ。セルは東芝、米ＩＢＭと共同で開発し、昨年１１月発売のＰＳ３に線幅９０ナノメートルの初期型を搭載。今年、省電力とコスト削減を同時にはかる６５ナノの量産を始めている。
（朝日新聞）

△福祉機器展07　カーメイト<7297> まどか…自力で安全に乗車する
カーメイトは、10月3－5日に東京ビッグサイトで開催されている国際福祉機器展H.C.R.2007に、乗車サポート用品 『まどか』を出展する。まどかシリーズは、高齢者のいる家族に向けた乗車サポート用品。2006年5月に発売された。以降、数々の福祉見本市に出品を重ねた。いずれも後付けの、車内の手すり、体側サポートパッド、つり下げグリップ、乗り降りステップ、車椅子積み降ろしキャリア、杖留め（ホルダー）などがある。今回は、いいまでの展示で最も興味を集めた「助手席の乗車補助用品」を中心に実車で展示。片麻痺の方の乗り降り方法など「自力で安全に乗車する方法」を紹介する。

△日産<7201> ライダー 10周年記念仕様を4車種に設定
日産自動車の関連会社オーテックジャパンは、代表的なカスタムカー「ライダー」シリーズが発売10周年を迎えるのを記念して『キューブ』『プレサージュ』『ラフェスタ』『オッティ』に特別仕様車「ライダー 10thアニバーサリー」を設定し、3日から販売開始した。ライダー10thアニバーサリーは、スポーティなスタイルで好評の「ライダー」シリーズに、専用のスモーク化したフロントグリル、キッキングプレート、ボディサイドグラフィックなどの装備を追加したモデル。モデルは2008年5月末までの期間限定販売となる。また、ライダー10thアニバーサリー全車を対象に、成約者全員に「専用本革車検証入れ」をプレゼントする。

△日産<7201>の軽乗用車でマーケティングキャンペーン
日産自動車は、『モコ』『オッティ』の特別仕様車投入と同時に、モコ、オッティ、『ピノ』3車種連合のマーケティングキャンペーンを展開すると発表した。キャンペーンのキャッチフレーズは「あなたはあなたが選んだものでできている」。軽自動車を志向する顧客に向けて、日産の個性豊かな軽自動車ラインナップから「自分らしい」車を選んでもらえるように、TV・雑誌・インターネットという複数メディアを使って、ライフスタイルやファッション、グッズを表現しながら、それぞれの車のもつ世界観を訴求していく。TVCFでは、ライフスタイルやセンスがファンに支持され、車のイメージにあうと思われる人気モデルを車種ごとに起用する。モコは竹下玲奈、オッティは雅姫、ピノが森貴美子と3人のモデルを起用する。また、集英社とタイアップする。各車種それぞれと世界観共感性の高い集英社の人気女性雑誌と連動させる。モコとMORE、オッティとLEE、ピノと non・no、軽3車種とMAQUIA。TVCF出演モデルが各雑誌にも登場して、ライフスタイルやファッションを通じて車種の魅力を伝える。車種ごとのオリジナルグッズも製作する。このほか、ウェブショップをオープンする。PLAZAとタイアップしているピノのウェブショップ「pinoshop.jp」に加え、モコには『MORE』がセレクトする「MOCOSHOP.JP」、オッティには『LEE』がセレクトする「OTTISHOP.JP」 をオープンする。

△トヨタ<7203> ランドクルーザー 新型発表　世界初の乗用車用冷房・冷蔵システムを搭載…デンソー<6902>
デンソーは3日、エジェクタ（小型冷媒噴射装置）を採用した、世界初の乗用車用冷凍サイクルを開発し、新型『ランドクルーザー』に搭載されたと発表した。クーリングボックス（冷蔵庫）使用時でも、カーエアコンの冷房性能が落ちないようにした。従来のシステムでは、カーエアコンの冷房用と、クールボックスの冷蔵用に冷媒の流れを電磁弁で切りかえていた。このため、クールボックス使用時に、冷房性能に影響を与えることがあった。新システムは、高圧冷媒を勢いよく噴出、膨張させるエジェクタを利用することでエネルギー消費効率を大幅に向上させ、クールボックス使用時でも、高い冷房性能と冷蔵性能を実現することを可能にした。新型ランドクルーザーに採用され、10月からは輸出用車両にも搭載される。
（レスポンス）

△ホンダ<7267>、２０１０年に４輪車世界生産を５００万台に－部品各社に通達
ホンダが主要部品メーカーに対し、２０１０年の世界年間生産能力計画（４輪車）を約５００万台と通達したことが明らかになった。従来公表している計画では同年の販売・生産能力は４５０万台で、１割以上の上方修正。０７年は約４００万台を予定しており、年１５万台程度のペースで生産を拡大することになる。国内販売は不振だが、米国や新興国で需要増を見込む。系列部品メーカーはホンダの好調な販売で現地生産を拡大してきたが、今回の上乗せで一層の設備投資や人材確保など課題が増えそうだ。生産能力計画は、半年ごとに主要部品メーカーに通達される。ホンダ首脳は当初、２０１０年に４７０万台を想定していたが、世界戦略車種の好調などを受けさらなる上積みに踏み切ったようだ。工場ごとの生産能力をあらかじめ示すことで、各部品メーカーも供給体制の詳細を検討し、新規投資や生産、採用などの計画を立てることになる。ホンダ系部品メーカーは、新拠点の投資負担を抑えるため中国・アジアで複数の企業が合弁で生産拠点を築いたり、ホンダの出資を仰いでいる。人材面もトレーニー（海外での研修）制度の導入や新卒の採用増など、人材確保・育成を急ぐ。北米、欧州、東南アジアの既存工場は総じて生産能力を上積みする。一方、中国は完成車メーカー各社の競争激化などから手堅く見積もり、公表する２０１０年５３万台からの上方修正は小幅になる模様。新工場も０８年度以降に相次ぎ立ち上がる。米インディアナ（０８年）、埼玉県・寄居（２０１０年）のほか、タイの第２工場（０８年）とインドの第２工場（０９年）、アルゼンチン（同）など新興国での生産拡大も続く。能力増強は供給余力を確保し、販売機会の損失を防ぐ狙いもある。年５００万台は、独フォルクスワーゲンに次ぐ世界第５位の規模。ダイムラークライスラーの合併解消で、ホンダは自力で世界トップ５入りする可能性が出てきた。

△富士通<6702>、サーバ事業で基本戦略－ＤＣ最適化に照準
富士通は３日、サーバ製品を中核としたプラットフォーム事業の基本戦略を発表した。４月にシステムプロダクトビジネスグループ長に富田達夫経営執行役常務が着任後、初の方針説明。サーバ事業の現状分析に加え、拡大が見込まれるデータセンター（ＤＣ）向け需要を視野にシステム全体での最適化に力を注ぐ方針などを示した。サーバ事業の収益性は０５年度を底に「Ｕ字回復」（富田常務）を遂げ、０７年度の営業利益率は３―５％に改善する見通し。当面は「この水準をボトムベース」（同）とし、収益拡大に取り組む。併せて「サーバ１に対して、他事業への波及効果は全体で４倍ある」（同）と強調した。ＤＣの最適化では製品単体での性能強化だけでなく、仮想化やミドルウエアなど全体に横くしを通すアーキテクチャー（設計概念）の確立を目指す。新概念に基づいてグリーンＩＴ（省電力・冷却）化を本格化する。製品関連ではブレードサーバをテコ入れし、社長直轄の専門チームを５０人規模で発足。開発と販促活動を一元化した。サーバ製品全体のロードマップ（工程表）については、基本路線は踏襲しながらも基幹ＩＡサーバ「プライムクエスト」を強く前面に押し出す従来スタンスを軌道修正。用途に応じて等距離で（サン・マイクロシステムズと共同開発している）ソラリス（ＵＮＩＸサーバ）市場も維持、拡大する考えだ。

△ＮＲＩ<4307>サイバーパテント、知財関連サービスを強化
ＮＲＩサイバーパテントは、知的財産情報に関するサービスを強化する。従来の特許情報検索サービスに加え、０８年４月から特許情報をインターネット上で共有、管理するサービスを提供。製品・技術開発における先行技術の調査や出願、管理など特許関連業務を支援する。一連の事業強化により０９年３月期に前年度比２ケタ増の売り上げを見込む。新サービスは企業単位で基盤を提供し、その上にオプションとして特許業務のサポート機能を企業が求める分だけ組み込む。例えば利用企業に関連した新着情報があれば、特許業務管理者が付箋（ふせん）を付け、開発と管理の両部門に権限分けしてそれぞれの部署に該当する情報を配信するなどの管理機能を提供する。さらに配信した情報を配信先で閲覧したかどうかを管理者が確認できる、といった機能なども用意。社内での特許業務を支援するインフラを提供し、企業の特許戦略強化に結びつける。料金体系も従来サービスでの利用者一人ひとりに対するＩＤの個別販売ではなく、企業単位での販売方法を採用。企業内で利用人数に応じてＩＤを提供し、その上に必要なサポート機能の料金を課金していく。ＩＤ料金は利用者数によって異なるが数十万―数百万円とし、オプション機能は数万―数十万円の価格を想定している。ＮＲＩサイバーパテントは野村総合研究所（ＮＲＩ）の社内ベンチャーとして０１年に設立。インターネットによる特許情報検索システムを中心にＮＲＩと連携した分析ソフトの販売やコンサルティングなどの知財支援サービスを手がける。特許情報検索システムでは約３０００社への導入実績を持つ。

△東芝<6502>、来月からメモリーカードのデータ復旧サービス開始
東芝はメモリーカードに記録した画像を読み出せなくなったときのデータ復旧サービスを１１月に始める。サービスの利用者は同社窓口に電話で相談してからメモリーカードを送る。これまでは同社製パソコンだけを対象にして、搭載するハードディスク駆動装置（ＨＤＤ）に記録したデータのバックアップや復旧サービスを行っていた。パソコンとデジカメなどの間でデータをやりとりするメモリーカードの復旧も手がけ、パソコンユーザー向けサービスを充実する。東芝製ではないメモリーカードも復旧サービスの対象とする。復旧するのはデジタルカメラの撮影画像で標準的なＪＰＥＧ形式のデータ。容量２ギガバイト（ギガは１０億）までで価格は２万５２００円。診断や復旧作業は同社のＰＣデータ復旧センタ（千葉市美浜区）で受け付ける。メモリーカードをデジカメやパソコンに接続したときの状態などを電話を通じて聴き取り、診断する。同社が実施しているＨＤＤのデータバックアップは容量４ギガバイトまで２万７３００円、データ復旧は６０ギガバイトで５万４５００円など、容量に応じた料金体系にしている。初期診断は無料に設定しているのが特徴。復旧対象にメモリーカードを加えて幅広いニーズに対応、ほかのパソコンメーカーとの差別化につなげる。

△ルネサス、３Ｇ携帯向けシステムＬＳＩを製品化
ルネサステクノロジは３日、第３世代携帯電話（３Ｇ）向けのシステムＬＳＩ「ＳＨ―Ｍｏｂｉｌｅ　Ｇ３」を製品化したと発表した。最大で毎秒７・２メガビットの高速通信が可能なＨＳＤＰＡｃａｔ．８やＷ―ＣＤＭＡのほか、無線通信方式のＧＳＭ、データ伝送技術のＧＰＲＳなどのデュアルモード通信をワンチップで実現した。これにより、日本国内、外国を問わず携帯電話端末を使用できる。
新製品はＮＴＴドコモ<9437>、富士通<9432>、三菱電機<6503>、シャープ<6753>、ソニー<6758>・エリクソン・モバイルコミュニケーションズと共同開発した。月内に同メーカーの携帯電話向けに評価用サンプルの出荷を開始。６社で共同開発中の「３Ｇ携帯電話プラットフォーム」は０８年第３四半期（７―９月）に完成する。これら通信処理を実施するベースバンドＬＳＩとともに、解像度ＷＶＧＡ（８６４×４８０画素）サイズの液晶画面に対応できるグラフィックスやオーディオ処理を実現し、同チップに搭載しているアプリケーション・プロセッサー機能も強化した。

△神鋼<5406>、冬季の連続運転１０時間以上可能な新型ＬＮＧ気化器を開発
神戸製鋼所は冬季の連続運転時間が従来比約３倍の１０時間以上を可能にした空温式液化天然ガス（ＬＮＧ）気化器を開発し、初号品を東邦ガスに納入した。ＬＮＧを中継するサテライト基地向け装置で、ランニングコストも半分程度に抑える。東邦ガスは計３基を年内に本格稼働する。神鋼は今後、同気化器を大手都市ガス会社や一般企業向けに年間１０基―２０基の販売を目指す。開発した気化器は１基の処理能力が毎時１トン。気化器内の管が温度差により発生する歪（ひず）みが少なく、熱量変動もわずかで、メンテナンスも容易。気化器の蒸発部管内にアルミ素材棒を入れることで、管内を通るＬＮＧが均一に内表面を通過し効率を高めた。伝熱管外表面に付着する霜も薄いパウダー状になり、自然通風で霜がとれる。このため、霜の除去作業の回数を減らし、運転コスト低減につながる。

△兼房<5984>、来年めどリーマ生産開始－車向けＯＥＭ供給
兼房は０８年内をめどに内面仕上げ工具であるリーマの生産を開始する。自動車エンジンのピストン穴などの加工用で、当初は大手工具メーカー１、２社にＯＥＭ（相手先ブランド）供給し、年間２億円の売り上げを目指す。自社ブランドによる販売も検討している。主力の住宅建材向け刃物に次ぐ収益の柱にする考え。同社はすでに自動車業界に金属切断用丸のこを販売しており、ユーザーからはリーマの要望も多い。そこで本社工場（愛知県大口町）に新たな機械加工設備を導入し、短納期も対応できる体制を整える。投資額は約１億円。同社は住宅関連向け木材加工用刃物が主力。この分野は年数％の伸びで堅調に推移しているが、今後の大きな成長は見込めない。一方、自動車業界向けの金属用刃物は順調に伸びている。国内の自動車産業の好況に加え、中国、インドなど海外の自動車生産が拡大する中で今後も市場の成長が期待できることから、自社生産を決断した。

△日本精工<6471>、精機製品の代理店販売を強化－中小ユーザーに照準
日本精工はボールネジや直動案内機器など精機製品の代理店販売を強化する。展示会の自社出展ブースを商談の場として代理店に開放するほか、一部商品での販売報奨を強化する。同社の精機製品の売り上げは、約６割が代理店経由で、残りが直販。代理店販売強化により中小規模のユーザーの取り込みをねらう。５日まで大阪市住之江区のインテックス大阪で開催している展示会「関西機械要素技術展」で、出展ブースを代理店に開放した。壁で仕切った商談スペースを設け、１６社の販売代理店が自由にユーザーを招いて商談や技術相談などに使えるようにしている。日本精工の精機製品は主力工場が関東地方に多いこともあって関西地区でのシェアは比較的低い。このため関西地区の展示会で先行実施し、反応を見て他地区の展示会でも実施する。

△大日本塗料<4611>、劣化程度を定量化できる塗膜診断システムを開発
大日本塗料は、実構造物を対象に塗膜下の劣化面積や劣化程度を定量化できる塗膜診断システム「ＦＳキューブ」を開発、サービス提供を始めた。作業現場で簡単に測定操作できる点が特徴で、主に鉄構造物や建築の補修などに使用する。同システムの活用により建築や工業用、重防食向けなど各種塗り替え品の販売促進を狙う。デジタル画像処理により劣化を定量化する。診断装置自体を軽量化したほか、診断ソフトの使用で劣化状況などに応じた塗り替えや防食工法の選定が可能。現場で診断する機能を持ったことで、構造物の緊急点検や維持修繕にも対応できる。

△京王<9008>百、来春めど顧客・商品情報を一体化した新システム稼働
京王百貨店は、０８年４月をめどに顧客情報と商品情報を一体化した新情報システムを稼働させる。従来、分かれている顧客・商品情報を合体し、顧客の購買動向に基づいた売り場づくり、販売促進、商品管理を進める。同社は今年、主力の東京・新宿店の改装を終えた。今後は新情報システムをフルに活用し、２、３年後をめどに売上高経常利益率を現在の２％台から３％に引き上げる計画だ。新システムは衣料品、食料品、住居余暇関連商品など全部門を対象にする。投資額は４億円。従来の顧客情報と商品情報を効果的に融合することにより、各売り場単位で「誰がいつ、いくらで、どういったデザインを何と一緒に買ったかが分かるようになる」のがポイント。
（日刊工業新聞）

△パトライト<6825>　緊急地震速報端末を拡販　学校・病院向けなど展開
表示灯メーカーのパトライトは、今月から気象庁が緊急地震速報の一般提供を開始したのを機に、緊急地震速報表示端末「ＦＴＥ－Ｄ０４」の拡販に力を入れていく。同端末は、地震発生の情報を受信すると、本体に搭載した３色（赤・青・黄色）のＬＥＤ（発光ダイオード）表示灯を点滅させると同時に、５インチ液晶モニターで「震度〇〇（の揺れが発生するまで）あと□□秒」と表示。さらに８５デシベル以上の大音量のブザーで迫る危険を報知する。このほか、地震直後の津波情報や余震情報、避難場所を黄色ＬＥＤが点灯して知らせる機能や、気象情報や地域情報を青色ＬＥＤで知らせる機能も搭載している。緊急地震速報は、震度５弱以上と予想される大きな地震が発生した際、地震の規模や震源地を予測し即時に警告、住民の生命を守り社会経済に与える損害を軽減するための情報だ。地震が発生すると、全国に配置された地震計で、震源から先に到達するＰ波（縦波＝初期微動）の小さな揺れを検知し、遅れて到達するＳ波（横波＝主要動）の大きな揺れを到達時刻や震度を推定して警告する。その情報は、気象庁から気象業務支援センターなどを経て民間事業者に配信される。２００６年８月から先行して、特定利用事業者向けに運用が始まっている。パトライトは、すでに鉄道総研や戸田建設などに納入。今後、鉄道会社や製造業、大型商業施設、学校や病院など幅広く展開していく。価格はオープンだが、実勢価格は１５万～２０万円程度。

△ノートパソコンで立体画像認識・処理　東芝<6502>が“魔法の鏡”
２日から開催中の「ＣＥＡＴＥＣ　ＪＡＰＡＮ（シーテック　ジャパン）２００７」に、東芝は、世界で初めてノートパソコンで立体画像の認識と処理を同時に行う「魔法の鏡」を展示した。ＰＣに搭載したカメラで写した人の顔を画面上で、瞬時に化粧や髪形のコンピューターグラフィックスと合成でき、訪れた人は驚きの声をあげていた。ほかにも、カメラにかざした手の動きで録画画像の早送りや停止などの操作できるなど次世代の画像処理技術を展示している。これらの展示を可能にしたのが、初公開した演算処理装置「スパーズエンジン」試作機だ。ソニーなどと共同開発した高性能半導体「セル」の中核部品を利用し、通常の処理装置の４～５倍の処理速度を持つ。スパーズエンジンは画像処理に特化することで設計を簡素化し、消費電力を１０ワット台に抑えた。パソコン用のインターフェースを採用し、デジタル家電などへの搭載を想定している。同社は出展を機に営業活動を開始し、０８年前半にサンプル出荷する予定だ。

△ＧＭＯＰＧ<3769>とロックオン　カード決済事業で協働
消費者向けＥＣ（電子商取引）事業者にクレジットカード決済処理事業を展開するＧＭＯペイメントゲートウェイ（ＧＭＯＰＧ、東京都渋谷区）は、ＥＣサイト関連のソフトウエア開発、販売を手掛けるロックオン（大阪市北区）と業務提携した。ＧＭＯＰＧの決済モジュールをロックオンがＥＣ事業者に無料で提供するＥＣサイト構築ソフト「ＥＣ－ＣＵＢＥ」に標準搭載する。ＧＭＯＰＧでは「ＥＣ事業者は初期コストと開発コストの手間がかからなくなる」と期待しており、製品の競争力をアピールし、新規顧客の開拓につなげていく。また、両社は営業面でも提携。両社の営業員が重複して同じ事業者に売り込みをかけないよう調整するなど相互に協力し、新規顧客を効率的に増やしていく。ＥＣ－ＣＵＢＥは、商品や顧客、受注、コンテンツ（情報の内容）などの管理をはじめ、売り上げ集計やメールマガジンの配信などＥＣ構築に必要な機能を備えたソフト。ＧＭＯＰＧの決済モジュールを標準装備すると、ＩＤを設定するだけで、クレジットカード決済の導入ができるなど利便性が向上するほか、決済における高いセキュリティー性能を確保できる。

△関電<9503>　和歌山沖に新エネ施設　太陽光、風力など活用
関西電力が建設していた太陽光発電など新エネルギー関連の複合施設「日高港新エネルギーパーク」が和歌山県御坊市沖に完成し、３日、報道関係者に公開された。施設利用は無料で、１４日から一般公開される。施設は御坊市沖の埋め立て地に造った。約９９００平方メートルの敷地に、太陽光発電用のパネル１０枚（最大出力約１００キロワット）のほか、山間部や離島でも使える小型の風力、水力、バイオマス発電装置を実験用に設置。得られたデータを兵庫県尼崎市の研究施設に送って解析、発電効率の向上に生かす。子供用のソーラーカーと全長約１２０メートルのコース、新エネの仕組みなどを分かりやすく説明したソーラーハウスなども用意した。運営は御坊市に委託する。エネルギーパーク所長を務める関電和歌山支店の塩地和雅マネジャーは「新エネルギーは環境には優しいが、コストが普及のネック。新エネを多くの人に知ってもらえるようにＰＲしたい」と話している。
（FujiSankei Business i）