10/3 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△東芝プラント<1983>とＪＦＥ<5411>エンジ、産業用発電設備で提携
東芝<6502>とＪＦＥエンジニアリング（東京都千代田区）は３日、産業用発電設備事業で提携すると発表した。東芝がＪＦＥエンジに中小型の蒸気タービンの製造技術を供与する一方、ＪＦＥエンジは東芝にタービンを供給。東芝は自社生産に加えてＪＦＥから供給を受けることで事業を拡大する。東芝はグループ会社の東芝プラントシステムを通じてＪＦＥエンジと提携。早ければ年内にＪＦＥエンジからタービンの供給を受ける。東芝プラントは現在年５─１０台のタービンを東芝から調達しているが、ＪＦＥエンジとの提携により調達台数を倍増。年間約２００億円の売上高を２５０億円以上に引き上げる。中小型タービンを使う産業用発電設備は、日本では素材メーカーの自家用発電として、海外では東南アジアを中心に火力発電設備として需要が高まっている。

□トヨタ<7203>、ピックアップ「タンドラ」次期モデルを米国で値下げへ
トヨタ自動車は２日、米国で販売しているピックアップトラック「タンドラ」の次期モデルの価格を引き下げる方針を明らかにした。米自動車メーカーが依然優位を保つ同分野でシェア拡大を目指す。米自動車販売全体の約１３％を占めるピックアップトラック市場は、最も競争の激しい分野で、自動車メーカー各社はシェアを維持するため利益率を犠牲にして高コストの販売奨励策を実施している。軟調な住宅着工やガソリン価格の上昇が同分野を圧迫しているが、トヨタの広報担当者は、この圧力は来年まで続くとの見方を示した。トヨタは「タンドラ」の２００８年モデルのラインアップを拡充し、１３の新モデルを加えるほか、「ダブルキャブ」と「クルーマックス」について、従来はオプションだった装備を標準装備とした上で、同様の装備の０７年モデルよりも低価格で販売する方針。

△証券株が全般高、日興ＣＧ<8603>にらみ新たな合従連衡への思惑も
証券株が全般高。
野村ホールディングス<8604>や大和証券グループ本社<8601>など大手証券から準大手証券まで幅広く買われている。出遅れ修正の動きに加え、米シティグループが日興コーディアルグループを完全子会社化すると発表したことをにらみ、証券業界での新たな合従連衡に対する思惑的な期待から買いが入っているという。

△近鉄エク<9375>買われる、羽田─上海便使った輸送サービス開始
近鉄エクスプレスが買われている。３日付日経新聞朝刊によると、同社は９月２９日に就航した羽田─上海虹橋空港線の航空機を使った中国から日本への輸送サービスを始めた。従来の成田─上海浦東空港線に比べて、輸送時間を半日─１日短縮できる。新路線に就航した４社の全便活用を視野に入れているという。

▼電炉株が総じて軟調、業績見通しの下方修正観測
電炉株が総じて軟調な始まりとなった。
合同製鉄<5410>、東京製鉄<5423>、東京鉄鋼<5445>などがさえない。業績見通しの下方修正観測で売り優勢となっている。３日付の日本経済新聞は、２００８年３月期の上場電炉会社の業績で、１２社中１０社が経常減益になる見通しで、市場で下方修正観測も強まっていると報じた。

△ナガイレーベン<7447>しっかり、43万株・10億円を上限に自己株取得
ナガイレーベンがしっかり。同社が２日の引け後に、発行済株式総数の２．２％に当たる４３万株・１０億円を上限に自己株を取得すると発表したことなどが材料視されている。取得期間は２００７年１０月３日から２００８年１０月２日。

△日テレ<9404>が小じっかり、巨人軍優勝受け買い優勢
日本テレビ放送網が小じっかりとなっている。プロ野球で巨人軍が５年ぶりにリーグ優勝を決めたことを受け、買い優勢で始まった。
そのほか、市場で巨人関連とみられている銘柄では、優勝記念セールを行うセブン＆アイ・ホールディングス<3382>が堅調な一方、東京ドーム<9681>はさえないなど動きはまちまちとなっている。

▼ファーストリテ<9983>が軟調、9月既存店売上は12.9％減
ファーストリテイリングが軟調。同社は２日、９月の国内ユニクロ事業の既存店売上高（６５０店舗、速報ベース）が前年比１２．９％減少したと発表した。１２．９％減は、２００６年１月の１３．４％減以来の大幅な落ち込み。足元の不振を嫌気した売りが先行した。９月は残暑が続き、長袖など秋物商品の販売が伸び悩んだ。既存店客数は１１．２％減、同客単価は１．９％減だった。国内ユニクロ事業は、５月から前年割れ（０７年８月期中は５６８店舗ベース）が続いている。
（ロイター）

△オメガＰＨ<6819>が一時３カ月ぶり高値、投資有価証券の売却で業績予想増額
投資やレジャー、映像関連事業を展開するオメガプロジェクト・ホールディングスの株価が、一時11円（21％）高の63 円まで急伸。取引時間中としては７月６日以来、約３カ月ぶりの高値水準を回復した。投資事業で有価証券の売却が進んだことを理由に、今期（2008年３月期）の業績予想を２日に増額したため、利益水準の高まりによる株価の水準訂正が進むと見られた。新たに示された今期の単体売上高予想は、従来の４億円から15億5000万円（前期比31％減）に上方修正。経常利益も5000万円から２億5000万円に修正されている。前期は12億2700万円の赤字だった。一方、保有する一部株式の価格が下落し、回復の見込みが難しいため、投資有価証券評価損を特別損失に計上するため、純利益予想は5000万円を据え置いた。

△ケネディ<4321>が大幅高、資金調達の優位性で勝ち組と評価－大和総研は強気
不動産ファンドを手がけるケネディクスの株価が大幅続伸し、８月９日以来約２カ月ぶりの高値水準に浮上した。金融機関の融資選別などを背景に不動産ファンド業界の二極化が進むなか、同社の資金調達の優位性やファンドの運用力などを評価する動きが強まっている。大和総研は２日、投資判断を新規「買い」とした。午前10時36分現在の株価は前日比１万6000円（7.7％）高の22万3000円。出来高は１万9141株と、すでに前日の１万4466株を上回っている。大和総研の綾田純也アナリストは２日付のリポートで、「資金調達や財務体質、運用力など総合的優位性を背景にセクター内で勝ち組となる可能性が高い」との考えを示し、目標株価を29万5000円、投資判断を新規に「買い」とした。リポートによると、同社は投資案件ごとにＳＰＣ（特別目的会社）を組成・運用することで、多様な投資家の要求利回りに沿った透明性の高いファンド運用を行っている。「これまでの豊富なトラックレコードを有していることに加え、国内外の機関投資家や年金基金などと太いパイプを構築している」（綾田氏）という。同社は2003年から年金基金の積極的な運用を開始。大和総研のまとめによると、これまで９本のファンドを組成し、累計資産規模は2190億円。綾田氏は、高い運用体制・能力を背景にファンドの投資家構成と投資対象の分散が進んでいることも評価。「ノンリコースを含めた資金調達リスクはセクター内で最も小さいと考えられるなど、今後の利益成長を見据えた際の安定感は最も高い」（綾田氏）と判断している。同社株は９月６日に年初来安値14万8000円を更新。米サブプライム（信用力の低い個人向け）ローン問題のあおりを受けたほか、金融商品取引法施行を控えていたことが影響した。しかし９月下旬からは急速に戻りを試す展開となっている。

▼松下電産<6752>株が急反落、電池工場火災の影響を時間差でクローズアップ
松下電器産業が取引開始直後に急反落、一時は前日比120円（5.5％）安の2060円まで売られた。取引中の下落率としては、８月15日（6.9％）以来の大きさ。子会社の松下電池工業の本社工場で９月30日に大規模火災が発生、２日になって対策本部設置を発表したが、これは８月に発覚した携帯電話向け電池の不具合への対策を強化する内容だった。市場関係者の間ではこの日の株安について、影響の大きさがクローズアップされた上、実額が読みにくいことで不安心理が増幅されたと見られている。松下電池工業では今回の火災で、本社工場のリチウムイオン電池ラインが停止した。通常なら火災発生の翌日である１日の株価に響きそうだが、３日になって材料視された形。理由として、クレディ・スイス証券の田端航也アナリストは「当初は影響が見えにくかった」ものの、対策本部の設置発表で「クローズアップされた」と指摘している。松下電池をめぐっては８月、携帯電話メーカー世界最大手であるフィンランドのノキア製端末向けに製造したリチウムイオン電池に不具合が発覚。対象は4600万個と膨大だった。松下電産の株価が6.9％の下げを記録した８月15 日は、この発表の翌日だった。また、２日に設置を発表した対策本部の前身の組織は、ノキア向け電池の不具合問題への対処が目的だった。それだけに連想が働き、「火災の影響は重大と受け止められたのでは」（田端氏）という。大和総研の三浦和晴アナリストも、「３日の下げの材料は電池要因以外に見当たらない」と語り、こうした連想が働いた可能性を認めている。その上で、「電池回収の費用負担自体は大したことはないが、不運が重なったことで、顧客が離れるリスクを市場が意識してしまったのではないか」と述べている。　　ノキア向け電池の交換費用はすべて松下が負担するが、同社は100億－ 200億円程度だと発表していた。

△米タイヨウＦ：ＯＳＧ<6136>株を8.22％まで買い増し－状況に応じ重要提案
企業価値向上を目指す投資スタイルで知られるタイヨウ・ファンド・マネジメント・カンパニーが筆頭株主となっているオーエスジーの株式を買い進め、発行済み株式の8.22％まで追加取得したことが大量保有報告書で明らかになった。タイヨウＦが提出した同報告書の直近60日取得状況によると、タイヨウＦは９月６日から報告義務発生日の９月26日までに取得した分について報告。オーエスジー株式を合計813万3600株保有し、保有比率を6.97％から8.22％に引き上げた。保有目的には「純投資および状況に応じて重要提案行為などを行うこと」としている。米タイヨウ・ファンドは、米国最大の公的年金基金であるカリフォルニア州職員退職年金基金（カルパース）から出資を受けて設立され、経営陣と協力し、企業価値向上を目指す投資スタイルで知られる。オーエスジーＩＲ担当の水谷香名子氏は、「タイヨウＦは当社の筆頭株主だ」とし、「タイヨウＦからはＩＲ関係で細かいアドバイスを受けているだけで、マネジメントに関して提案はない」と話していた。

▼シナネン<8132>が売り気配、原油高騰で石油製品の需要減退－中間営業赤字へ
燃料商社のシナネンが売り気配で始まった。原油価格の高止まりを背景に石油製品の需要が減退したうえ、仕入れ価格の上昇分を販売価格に転嫁することも遅れ、９月中間期の連結営業損益が赤字に転落する見通しとなった。業績の先行き不安が台頭し、午前９時７分現在で売り株数８万7000株に対して買い株数は8000株にとどまっており、当面は値が付きそうにない。前日発表の業績修正によると、９月中間期の連結営業損益は１億8000万円の赤字になったもよう。これまでは前年同期比5.5％減の６億円の利益を見込んでいた。同社のＩＲ担当の山本聡氏は「原油価格などの上昇がこれほどとは思っていなかった。気温が高めに推移したこともあり、需要が当初計画より減退した」と説明していた。同社は、石油製品やＬＰＧ、灯油などを燃料店やホームセンターなどへ卸売りする。冬期需要商品の販売ウエートが高いのが特徴で、前期（07年３月期）の場合、下期の営業利益が通期の76％を占めた。このため「冬期が平均並みの寒さになれば、価格転嫁を進めていくため通期（08年３月期）予想の達成は可能」（山本氏）として、通期業績予想を据え置いた。通期の連結営業利益は前期比70％増の45億円の見通し。
（ブルームバーグ）

△ＤｅＮＡ<2432>---連日の高値更新、野村では妥当株価73万円と
大幅続伸で連日の高値更新。野村では、モバゲータウンの媒体力拡大を背景とする成長見通しの確度は一段と高まっているとして、投資判断「１」を継続している。今夜、日本テレビにおいてモバゲータウンと連動したユーザー参加型テレビがスタート、今後の影響が期待できるとも見ている。なお、妥当株価は73万円と試算しているもよう。

△日興コーデ<8603>---ストップ高で寄り付く、1700円鞘寄せ意識
ストップ高で寄り付く。米シティが三角合併方式で完全子会社化すると発表、具体的な交換比率は年末から来年初にかけて決定とされているが、今春のＴＯＢ価格である1700円相当の株式が与えられる見通しとなっており、また、現金で請求も可能などとされていることから、1700円へのさや寄せを意識した動きが先行。

▼しまむら<8227>---中間決算受け大幅安、2年ぶり大台割れ
大幅安、2005年8月以来の1万円大台割れ。前日に中間決算を発表、営業利益は159億円で前年同期比3.9％増となったが、会社予想の181億円は下回っている。下期スタートとなる9月の売上も低調スタートとなっており、通期でも業績下ブレ懸念が高まる状況。ＵＢＳとＣＳで投資判断を格下げしている。

▼ドコモ<9437>---軟調、通話料金の追随値下げ報道で
軟調。携帯電話料金の追随値下げ報道が伝えられている。ＫＤＤＩの新料金体系を受けてのものとみられるが、通信業界の一段の競争激化懸念につながる状況へ。なお、ＣＳでは「アウトパフォーム」から「ニュートラル」に格下げ、目標株価に関しては24万円から15.4万円に引き下げ、加入者獲得ペースが回復していないことを懸念している。

△ケネディクス<4321>---大幅続伸、大和が投資判断新規「１」
大幅続伸。大和が不動産ファンドセクターを新規にカバレッジしている。セクター判断は「中立」としているが、同社に関しては新規に「１」、目標株価 295000円としており、評価材料につながっている格好。優勝劣敗の選別化の動きが進むなか、資金調達・財務面や運用力などにおける総合的優位性を背景に、勝ち組となる可能性が高いと見ているようだ。

△東エレク<8035>---ＭＬでは投資判断「買い」へ引き上げ
しっかり。ギャップアップで続伸し、7700円処を推移する25日線、基準線を奪回した。なおＭＬでは、12月以降の新製品攻勢や、ＬＣＤ最終需要回復に伴う受注回復期待などから、低ＰＥＲが解消されるとし、投資判断を「中立」から「買い」へ引き上げ、目標株価を9500円に設定している。

△富士通<6702>---Ｍ＆Ａによる海外事業拡大を好感視
3日続伸。ニュージーランドの情報システム開発会社を約30億円で買収すると報じられる。Ｍ＆Ａを通じた海外事業拡大を打ち出すなか、手薄であった市場開拓が具現化したことが好感された格好。寄り後は前日高値との間に空いた窓を下に埋める展開だが、信用需給の改善傾向などからも底堅い動きをみせている。

△ニコン<7731>---心理的節目上放れ、上場来高値を意識
堅調。ここ数日は4000円台での値固め推移にあったが、心理的節目を上放れる展開。ここにきて信用倍率が1倍を大きく割り込むなど、需給改善妙味も高まっているようだ。踏み上げ期待台頭で2000年4月の上場来高値更新4430円がいよいよ視野に突入しつつある。

△バリオセキュア<3809> 大幅高。
四半期決算の内容が評価材料となっているようだ。第1四半期は経常利益で前年同期比2.5倍の1.11億円となり、上期予想に対する進ちょく率では59.4％となっている。サービス提供件数の増加に加え、前年同期に計上した上場費用が消えたことで利益が押し上げられたもよう。

▼セタ<4670> 売り気配。
不適切な決算処理が嫌気されているようだ。07年3月期の決算で当時の経営陣が一部の書類を偽造または改ざんし、約8億円の売上高を不正に計上していたと発表している。また、今後は07年3月期の有報と決算短信を訂正すると。ジャスダックではこれを受け、2日付で監理ポストに割り当てている。

△日立<6501>---一目均衡表の雲を意識
反発。最薄部3.5センチの「超薄型」液晶テレビの年内発売方針を明らかにしている。株価は買い気配スタートから一時784円まで上伸するなど、ソニーの有機ＥＬ発売などへの対抗を好感した格好。一目均衡表の雲下限（789円）を意識した動きをみせている。

△ＩＨＩ<7013>---ＧＳでは投資判断「買い」へ引き上げ
反発。一時10月1日の寄付き値281円まで上昇する場面もあった。その後はさすがに戻り売りに押されたものの、9月28日安値358円との間に空けた大きな窓埋めトライを意識した動き。なおＧＳでは投資判断を「中立」から「買い」へ引き上げており、買い安心感を高める格好に。

△ＪＦＥＨＤ<5411>---戻り高値を更新、鋼板値上げを好感
一時8320円まであり、前日は上ヒゲとなった戻り高値8310円をクリア。造船重機に使う厚鋼板を15％値上げすると報じられたことが材料視されている。2007年度内の実現を目指すとしたことも収益拡大期待を高めているようだ。
（フィスコ）

△アオキスーパー<9977>は業績上方修正を追撃材料に３連騰
アオキスーパーは、１８円高の８３５と３日続伸している。前日の２００７年８月中間期業績の開示に合わせて、２月通期業績の上方修正を発表、期初の減益予想が小幅ながら増益に増益転換することが、７月公表の第１四半期（１Ｑの）大幅増益・高進捗率に続く追撃材料として割安株買いを刺激している。同社の中間期業績は、前年同期比２％増収、３０％経常増益、１９％純益増益と期初予想を上ぶれて着地し、中間期業績として過去最高を記録した。店舗間競争が激化する環境下、四半期一度の大感謝祭、毎月一度の日曜朝市、毎週一度の１００円均一セールの継続実施など競合店対策を進め、既存店をリニューアルしたことが、過去最高につながった。２月通期業績は、売り上げは期初予想の据え置きとしたが、経常利益は１億５０００万円、純利益は１億円引き上げ、純利益は１３億５０００万円（前期比０．３％増）と増益転換する。株価は、７月の１Ｑ好決算をテコに窓を開けて年初来安値水準から５０円高と急伸した。ＰＥＲは９倍台、配当利回りは２．１％と出遅れており上値拡大余地は大となる。

△クレハ<4023>は中間業績上方修正見直し割安訂正で続伸
クレハは、８円高の５２７円と３日続伸し、年初来安値水準の５００円台の攻防場面からの底離れ気配を強めている。８月６日に今３月期第１四半期（１Ｑ）決算とともに９月中間期業績の上方修正を発表、株価は上ぶれたものの、ポリ塩化ビフェニール（ＰＢＣ）が検出された工業薬品トリクロロベンゼンの全量回収の後遺症で上値の伸びが鈍いとして材料出尽くし感から１００円安となっており、改めて好実態見直しから下げ過ぎとして割安株買いが継続している。同社の中間期業績は、売り上げが期初予想より１０億円、経常利益が１２億円、純利益が１億円それぞれ引き上げられ、純利益は１１億円（前年同期比１４％増）と減益率を縮小する。下半期に見込んでいた医薬、農薬の一部売り上げが上半期に計上され、販売構成変化による利益率の向上、上半期予定の一部経費の下半期ズレ込みも重なり上方修正につながった。通期業績は、期初予想を据え置き、純利益は６０億円（前期比２％増）と前期の過去最高を連続更新する。株価は、この１年来の５００円台の１００円幅のボックス下限を再三試しており、トリクロロべンゼンの出荷も再開しているだけにＰＥＲ１６倍台の割安訂正が期待されている。７月高値６１７円を目指す底上げが想定される。

△大和システム<8939>は１Ｑ減収益織り込み下げ過ぎ訂正で３連騰
大和システムは、２０円高の２６１０円と３日続伸している。８月３日に発表した今３月期第１四半期（１Ｑ）業績が、２ケタ減収減益で着地したことから窓を開けて１部上場来安値２０８０円まで１２００円の大幅調整となったが、さすがにＰＥＲ６倍水準は下げ過ぎとしてリバウンド狙いの買いが継続している。同社の１Ｑ業績は、前年同期比５６％減収、６８％経常減益、７０％純益減益と落ち込んだ。不動産株の業績動向は、開発物件の売り上げ時期により上下にブレる会計特性があるが、同社の場合も前年同期に大型商業施設「モレル岐阜」が竣工した反動減が、厳しく業績に反映された。このため、中間期・通期業績は、企画提案型の建築事業や、分譲マンションの販売、宅地供給事業などが計画通りに推移するとして期初予想を据え置き、通期純利益は４０億円（前期比５６％増）と連続の過去最高を見込んでいる。株価面では、今年２月払い込みで実施した公募増資（発行価額２７３０円）のトガメも急落時に一気に噴出したが、これもほぼ織り込み済みとなっている。下げ過ぎ訂正でまず公募増資価格クリアを目指そう。

□乃村工<9716>は反落、中間業績上ぶれ着地も通期据え置きで出尽くし感
乃村工藝社は、１８円安の７０６円と４営業日ぶりに反落している。同社は、９月１１日に今８月中間期・２月通期業績を上方修正し、株価は４０円高と好反応した。前日２日に発表した８月中間期決算がこの上方修正値を上ぶれて大幅増収増益となったが、通期業績は増額値を据え置きとしたことから材料出尽くし感が強まり利益確定売りが先行している。同社の中間期業績は、前年同期比４７％増収、７２％経常増益、２．１倍増益と大きく伸びた。専門店市場分野で、アパレル関連や世界的なブランドショップ出店による内装工事、金融機関の各支店の店舗改装などの受注が拡大、余暇市場でも大型施設を手掛けたことなどが業績を上ぶれさせた。通期業績は、９月の上方修正通りに前期比３１％増収、１８％経常増益を予想、純利益は前期計上の本社社屋売却の特別利益一巡から２０億５０００万円（前期比５２％減）と減益になる。株価はこの１年来、６００円台で１００円幅のボックス展開に終始したが、９月の業績修正でこの上限を上抜いており、薄めながら株不足で逆日歩のつく信用好需給もフォローし再騰のチャンスを窺うことになろう。

△グローリー<6457>は上方修正業績見直しを好需給が後押しし高値肉薄
グローリーは、４０円高の３７１０円と続伸し８月８日につけた年初来高値３７５０円に肉薄している。７月２０日に発表した今３月期業績の見直し買いが再燃しており、自社株式取得や信用取組が売り買い拮抗している好需給要因も相乗している。同社の今期業績は、中間期業績とともに上方修正され、純利益は１２０億円（前期比８５％増）とＶ字回復継続が予想されている。国内金融機関の事務合理化・厳正化ニーズに対応して基幹商品のオープン出納システムや、海外金融機関向け窓口用紙幣入出金機などが順調に推移、来年７月導入の成人識別機能付きたばこ販売機の前倒し需要も重なり上方修正された。株価は、この好業績に上限を１６０万株（発行済み株式総数の２．１６％）、４０億円とする自己株式取得や、信用取組倍率が１倍台と拮抗する需給好転が加わり、窓を開けて年初来高値３７５０円まで急伸、いったん急伸時に開けた窓埋めしてから再度高値を窺う動きとなっている。ＰＥＲは割高だが、持ち前の急伸・逆行高習性の発揮が有力となる。

■ノエビア<4916>は東証上場と公募増資が好悪綱引きし小反落
ノエビアは、５円安の１２９９円と２日間の変わらずを含めて６営業日ぶりに小反落している。前日に東証から１０月２５日付けで東証上場（所属部未定）を承認されたが、同時に公募増資、株式売り出しも発表、好悪材料が綱引きとなり希薄化・需給悪化を懸念する売り物が交錯している。同社は、化粧品の訪問販売の大手で、１９８８年にジャスダック証券取引所に上場され１９年ぶりの新規市場上場となり、１０月１５日までに決定される発行価額により上場市場が決定されるが、１部上場となればインデックス運用型のファンドの買い増しがなどが期待され需給好転要因となる。一方、公募増資は、５５０万株の新株式を１０月２４日で発行、オーバーアロットメントによる４０万株の株式売り出しを伴う。手取概算の増資調達資金６４億９５７５万円は、設備投資、連結子会社常盤薬品工業への融資、借入金返済に充当する。株価は、７月に発表した今９月期第３四半期業績が、増収増益で着地し通期予想業績に対して高進捗したことなどから上値を窺い、年初来安値水準の１３００円台固めとなっている。ＰＥＲは割高だが、需給主導の株価展開が予想される。

△アトリウム<8993>は単独中間業績の上方修正をテコに続伸
アトリウムは、６０円高の３１００円と続伸している。前日２日に今９月中間期の単独業績の上方修正を発表、７月の連結業績増額時の株価急伸を連想する割安株が増勢となっている。同社の中間期単独業績は、売り上げが期初予想から１８億円引き下げられたが、経常利益は２４億円、純利益は１４億円それぞれ引き上げられ、純利益は５１億円（前期比２．２倍）と増益率を拡大する。不動産市況の活性化に伴い大型開発案件を中心に融資保証が順調に推移、２００４年９月のスタート時から３年で累計額が約５８００億円に達し、保証残高も２５００億円と積み上がり、不動産投資もアトリウムプライマリーファンドのクロージングに伴う配当金収入や銀座五丁目物件売却の匿名組合分配金収入などが重なり、上方修正につながった。通期単独業績は、期初予想を据え置いた。同社は、すでに今期第１四半期決算を開示した７月に連結業績を上方修正しており、株価は窓を開け４００円幅の急伸を演じている。その後９月に１部上場来安値２３７０円まで売られ反発しているが、ＰＥＲは１１倍台となお割安である。上値追いに期待が高まる。

△日興ＣＧ<8603>は米シティの株式交換比率巡り思惑再燃し買い気配
日興コーディアルグループは、寄り付きから買い気配をアップさせ１００円高の１５３２円買い気配と５営業日続伸している。前日に米シティグループ・インクが、同社株式を６７．２％保有する日本法人に加えて、株式交換方式で同社を完全子会社化する初の三角合併を発表、株式交換比率を巡り思惑が再燃し買い先行となっている。同社は、昨年１２月に発覚した不正会計問題による上場廃止懸念で今年２月に９８４円安値まで急落したが、シティの日本法人による株式公開買い付け（ＴＯＢ）、さらに上場維持から大きく持ち直した。ＴＯＢ価格も当初の１３５０円から、上場維持で１７００円に引き上げられ、ストップ高を演じるなど人気化した。今回の完全子会社化は、法人営業に高実績を持つ同社と世界最大級の金融サービスグループとしてグローバルなネットワークを保有するシティが、互いの強みを融合し内外での攻勢を強めることを目的としている。株式交換の内容は１０月末までに決定、来年１月中に効力発生、上場廃止となる予定で、交換比率は同社株価１７００円を円換算した米シティの株価で割って算出、最大値は５８ドル、最低値は３７ドルとされた。現在の株価、為替レートからは、１対０．３の比率になるとの観測が有力となっている。シティは、日本での上場を進めているとされており、初の三角合併の先行きが今後の巨大外資の対日攻勢に大きな影響を与えることになりそうだ。

△フレームＸＸ<3740>は買い気配、大和ハウス<1925>グループと資本提携
フレームワークスは、寄り付きから買い気配を切り上げ２０円高の７２０円買い気配と４営業日ぶりに急反発している。この日の寄り付き前の７時４５分に大和ハウス工業、大和物流との大和ハウスグループとの資本増強合意を発表、１０月１３日の上場廃止を前に経営再建思惑が高まり買い先行となっている。同社は、２００６年５月期以来２期連続で経常損失、純益赤字が続いて債務超過に陥り、監査法人のトーマツが監査意見を不表明としたことから、９月１２日に上場廃止が決定され、株価は７３５０円からストップ高を交え前日の上場来安値７００円まで急落した。大和ハウスグループとの資本増強合意は、債務超過の早期解消と財務安定資金の確保に向け、１１月中旬の最終契約締結時に向け同社の企業価値を１株当たり１５００ー２０００円とすることを基準に検討、総額１０億円規模の第３者割当増資を実施する。上場廃止後も、株式の流動性が毀損されないよう引き続き検討するとしている。取り敢えず上場廃止を前にマネーゲーム的な展開も増幅しそうだ。なお大和ハウスは、１９円高の１４３７円と４営業日続落となっている。
（東洋経済新報社）

△バンナムＨＤ<7832>は「むげんプチプチ」が発売９日で３０万個突破、販売目標を上方修正
バンダイナムコホールディングスが９月２２日に発売した「∞（むげん）プチプチ」は発売から９日間（９月末時点）で販売数３０万個を突破した。「∞プチプチ」は、プチプチをいつまでも気持ちよく潰せることに特化したキーチェーン玩具。表面の気泡の粒を指で押すとプチプチとはじける感触を味わえ、内蔵のスピーカーから出る効果音で、本物のプチプチをつぶしているかのような感覚が楽しめる。発売以来、２０代～３０代の男女を中心に子供から大人まで幅広い世代に買われている。同社はこの好調を受け販売目標の１００万個を上方修正、０８年３月までに２００万個の販売を目指す。

△あみやき<2753>が中間期決算を発表、増益基調維持で買い安心感
あみやき亭は焼き鳥・焼肉店のチェーン展開を手掛ける。２日、今０８年３月期（非連結）の９月中間期決算を発表。経常利益は前年同期比２．１％増の８億４５００万円に着地した。下期はコスト管理を徹底し、収益性のさらなる向上を図る。

□ダイセキＳ<1712>はいちよし経研がレーティングを新規「１―Ｂ―ＨＲ」に
土壌汚染調査・処理を手掛けるダイセキ環境ソリューションは、いちよし経済研究所が１日、同社のレーティングを新規「１―Ｂ―ＨＲ」、フェアバリュー３６万円程度とするリポートを出した。同社は土壌の調査と処理を一貫してできることが特徴。いちよし経研では、今０８年２月期（単体）第１四半期で伸び悩んだ関東・関西地区において、第２四半期は受注が回復し、会社計画を上回ると指摘。中期的にも土壌汚染対策増加が業績に寄与してくるとしている。

△ＯＬＣ<4661>のＴＤＬ、ＴＤＳ上半期の入園者数は前年同期比１％増
オリエンタルランド（ＯＬＣ）が１日、東京ディズニーランド（ＴＤＬ）・東京ディズニーシー（ＴＤＳ）の０７年度上半期（４月１日～９月３０日）の入園者数を発表。パーク全体の入園者数は前年同期比１．０％増の１２１７万人だった。７月２０日にＴＤＬでアトラクション「カリブの海賊」がリニューアルオープンしたほか、「カリブの海賊」に連動したテーマで実施した夜間エンターテイメントプログラムが人気を博した。一方、ＴＤＳでは５月末まで展開した「東京ディズニーシー５ｔｈ　アニバーサリー」や、０６年にオープンしたアトラクション「タワー・オブ・テラー」が寄与したという。
（株式新聞ダイジェスト）