10/1 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△フジテレビ<4676>、仮想空間運営の国内２社に出資
フジテレビジョンはインターネット上で3次元（3Ｄ）の仮想空間サービスを運営する日本企業2社に資本参加する。同サービスは米リンデンラボの「セカンドライフ」が先行しているが、日本企業2社の技術力や将来性を評価。フジテレビの番組制作やイベント開催のノウハウと2社の技術を組み合わせて、日本市場にあわせた仮想空間サービスの提供を目指す。出資するのは、3月から仮想空間「スプリューム」を運営するスプリューム（東京・港）と、12月をメドに現実の東京の街並みを再現した仮想空間「ミートミー」の試験サービスを始めるココア（東京・渋谷）。

□大企業製造業ＤＩ、横ばいのプラス23・９月日銀短観
日銀が１日朝発表した９月調査の企業短期経済観測調査（短観）によると、企業の景況感を示す業況判断指数（ＤＩ）は大企業製造業でプラス23となり、前回６月調査と同じだった。横ばいは２四半期連続。世界経済の拡大や高水準の企業収益が景況感を下支えし高水準を維持した。ただ米国の信用力の低い個人向け住宅融資（サブプライムローン）問題に端を発した市場の混乱が米国経済を下押しするとの懸念などが重しになり、３カ月後の「先行き」はプラス19と悪化を見込む。ＤＩは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた値。足元の大企業製造業を業種別にみると、輸出が比較的好調な自動車や精密機械などが改善したものの、原材料や燃料価格の上昇を背景に非鉄金属、金属製品、食品などは悪化した。先行きの業種別では特に石油・石炭製品、精密機械の悪化幅が大きい。
（NIKKEI NET）

△三菱自動車<7211>が高い、東証1部で出来高トップ
三菱自動車工業が高い。商いも活発で、１０時３５分現在、出来高は東証１部トップとなっている。引き続き、２８日に発表した９月中間期の業績予想の上方修正が好感されているという。価格的に個人投資家が参加しやすいこともあって、値動きのよさをねらった短期筋の買いなども巻き込んで活況となっているという。

▼建設株がさえない、ＵＢＳは目標株価引き下げ
清水建設<1803>など建設株がさえない展開になっている。ＵＢＳ証券が清水建設や大林組<1802>、大成建設<1801>、鹿島<1812>の大手ゼネコンの目標株価を引き下げたことなどが売り材料。市場では「内需系銘柄が高いなかで建設株が逆行安となっている。
ＵＢＳの目標株価引き下げやみらい建設グループ<1792>の民事再生手続き開始の申し立てを引き続き嫌気しているようだ」（準大手証券情報部）との声が出ている。ＵＢＳでは大手ゼネコンについて、最近まで赤字工事の受注を続けていたと推定され、本格的な収益回復は２００９年度以降にずれ込む見通しとしている。

▼いちよし<8624>大幅下落、ＣＳが投資評価を「ニュートラル」に引き下げ
いちよし証券が大幅に下落している。クレディ・スイス（ＣＳ）が同社の投資判断をこれまでの「オーバーパフォーム」から「ニュートラル」に引き下げたことが嫌気されている。目標株価は、これまでの２１００円から１１５０円に引き下げられた。いちよし証券は、９月２８日に２００８年３月期の連結中間期業績予想を下方修正した。経常利益予想は、これまでの２５億４０００万円から１７億５７００万円となった。クレディ・スイスでは、市場環境の急変から投信販売が大きく減少し、更に新興市場の低迷で株式委託手数料も減少したとみている。環境悪化のマイナス要因が大きいとしている。

▼シーエスアイ<4320>売られる、07年9月期業績予想を下方修正
シーエスアイが売られている。同社が９月２８日に２００７年９月期の連結業績予想を下方修正したことなどが嫌気されている。経常利益予想はこれまでの３億２０００万円から８０００万円に大幅な下方修正となった。子会社が運営するペット事業でユーザー獲得に遅れが生じ、ペットサイト運営事業の売上高が見通しを大幅に下回ることになったためと同社では説明している。

△アーティストハウス<3716>買い気配、監理ポスト割当て解除を引き続き好感
アーティストハウスホールディングスが買い気配。２８日に東証が監理ポスト割当てを解除すると発表したことが引き続き好感されているという。アーティストハウスが提出の遅れていた２００７年５月期有価証券報告書を２８日に関東財務局に対して提出したため、東証は２８日、監理ポスト割当を２９日付で解除すると発表した。

▼丸八証券<8700>が急落、証券監視委が法令違反で処分勧告
丸八証券が急落。証券取引等監視委員会が同社を検査した結果、主幹事を務めた上場企業の株価を公募価格以上に維持させる目的で、顧客に売買の勧誘したことなどの法令違反が認められたとして、金融庁に行政処分を行うよう勧告したと９月２８日に発表したことを嫌気している。また検査では、顧客の同意を得ないで株式売買の執行を行う取引一任勘定取引の締結の法令違反も認められたという。

△日本水産<1332>が続伸、仏加工食品会社を買収との報道
日本水産が続伸。フランスの加工食品メーカーのシテマリン（ケルビニャック市）を買収すると１日の日経新聞朝刊が伝えたことが買い手掛かり。日水が欧州で加工食品メーカーを買収するのは初めてで、１０月１日付で創業一族から発行済み株式の５９％を取得し連結子会社にするという。買収額は約２６億円で、水産物に加え冷凍食品などを欧州各国で拡販していく方針と報じている。

■常磐興産<9675>が軟調、08年3月期見通しを下方修正
常磐興産が軟調に推移している。２００８年３月期の連結決算見通しについて、営業利益を２１億５０００万円から１８億２０００万円に下方修正したことを嫌気した。
（ロイター）

▼エルゴブレ<4309>株が大幅安、上場廃止基準に抵触－浮動株時価総額が低下
電子メールを利用したインターネットマーケティング事業を手掛けるエルゴ・ブレインズの株価が大幅安。大阪証券取引所は28日、流動性の低下を受けて29日から同社の株式を監理ポストに割当てると発表した。改善されなければ上場廃止となる可能性があるため、売り圧力が強まっている。午前10時42分現在の株価は前週末比20円（6.9％）安の270円。大阪証券取引所は９月28日、同社の浮動株の時価総額が30営業日連続して５億円未満となったため、29日から監理ポストに割り当てると発表した。今後６カ月間の間に、５営業日連続して浮動株の時価総額が５億円以上とならなければ、上場廃止となる。同社の小川大介最高財務責任者は、「浮動株数がもともと少ない上、直近の株価下落が響いて上場廃止基準に抵触してしまった。浮動株数を増やすため、株主との話し合いに動いているが、現状ではお話できることはない」とした。６月末の株式保有比率は親会社デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムが44.8％、創業者の井筒雅博氏は22.18％となっており、株主保有上位１、２位で６割以上を占めている。浮動株数は140万7153株だった。業績は低迷している。８月20日に発表された07年６月中間期の営業損益は１億7800万円の赤字に転落した。前年同期は9200万円の黒字だった。消費者金融からの広告出稿の減少などで主力のメール広告事業が低迷したことが響いた。業績低迷から株価は下落傾向になり、年初来の株価パフォーマンスはマイナス36.9％と不振。９月20日には上場来安値230円を付けた。過去の出来高推移を見ると、ＩＰＯした02年２月14日からの１年間の１日当たりの平均は１万 224株だったが、直近１カ月は2356株まで減少していた。

▼ポケトカド<8519>株が急落、利息返還請求に伴う費用増で利益減額－減配も
クレジットカード事業を展開するポケットカードの株価が売り気配で始まり、前週末比33円（6.8％）安の450円で寄り付いた。同社は28日、2008年２月期（通期）の連結純利益が従来の28億円から12億円になる見通しと発表。貸金業法の改正により貸出上限金利の引き下げが決まり、過払金返還請求に備えた引当金を積み増したことが判明したため、業績の先行きに不透明感になったとして、売り圧力が高まっている。今回の業績下方修正については、利息返還損失に関する費用が増えた上、新規事業のプロセシング事業の開始に伴いシステム投資などの費用が発生することも重なった。同社が発表した新しい通期業績は、経常利益は従来の57億円から31億円に減額。営業収益も従来の403億円から401億円に修正されている。また、ポケトカドは期末配当を前回予想の１株当たり8.5円から4.25円に減配を決めた。リテラ・クレア証券の井原翼理事・投資情報部長は、「ポケットカードの事業展開は手堅いものの、貸金業法改正により過払金の返還請求の先行きが見極めにくい」と指摘。さらに、中堅消費者金融のクレディアが14日、民事再生法の適用を申請したことも、一連の業績修正や株安の背景にあるとの見方を示している。
（ブルームバーグ）

▼ソフトフロン<2321> ストップ安売り気配。
中間期業績の下振れが嫌気されているようだ。07年9月中間期は売上高で従来予想の5.35億円から3億円（前年同期4.07億円）、最終損益で同0.05億円の赤字から1.12億円の赤字（同0.46億円の赤字）に減額された。08年3月期予想については各利益で若干の上方修正となっているが、中間期の大幅な下方修正が嫌気される格好に。

■トヨタ紡織<3116>---売り先行、業績上方修正も出尽くし感
売り先行。先週末に業績予想の上方修正を発表しているが、目先の好材料出尽くしと捉えられているようだ。中間期営業利益は200億円から260億円に上方修正、ただ、第1四半期は146億円を計上していたこともあって、今回の修正幅は想定の範囲内とも受け止められる格好に。

△ドワンゴ<3715>---大幅反発、ニコニコ動画の将来性期待で
大幅反発。米バイアコム傘下企業が同社の運営する「ニコニコ動画」に番組配信をスタートすることが期待材料とされているもよう。メリルでは、コンテンツ配信の決断はニコニコ動画の違法動画管理体制やメディアとしての将来性を評価した結果と評している。

△Ｃ４Ｔ<2355> 2日続けてストップ高。
売り方の買い戻しが活発化しているようだ。27日時点での貸借倍率は0.70倍に低下している。また、26日時点で50円の逆日歩が発生、27日時点では3000円に増加した。

△オーエイチテ<6726> ストップ高買い気配。
自社株買いが材料視されているようだ。2000株、3億円を上限とする自社株買いを実施すると発表している。上限株数は発行済み株式総数の4.58％に相当、取得期間は本日から11月30日まで。

▼清水建設<1803>---さえない、ＵＢＳでは投資判断を格下げ
さえない。ＵＢＳでは投資判断を「バイ」から「ニュートラル」に格下げ、目標株価も1100円から650円に引き下げている。赤字工事の受注継続に伴い、建設セクター収益本格回復は09年度以降にずれ込むとしており、大手4社の目標株価を一斉に引き下げている。ただ、資産価値から見て割安感、再編期待も残り、同社以外の3社に関しては投資判断「ＢＵＹ」を継続している。

△ユニデン<6815>---急伸、業績上ぶれ報道に買い安心感
急伸。今期営業利益は従来予想を5億円上回る75億円前後になりそうとの観測報道が材料視される。主力のコードレス電話の採算改善などが背景となるようだ。上ぶれ幅は限定的ながら、業績の回復傾向があらためて確認されたことで、見直し買いの動きが積極化する格好に。四季報予想などでは下ブレも見込まれていた。

△三井物<8031>---続落も5日線レベルでは底堅い推移
前週末は一時2820円まで上昇し、7月24日につけた上場来高値2920円を意識する展開となった。本日は高値圏での揉みあいだが、5日線（2778 円）レベルでは底堅さを示しており、利食い売り一巡後の動向が注目される。なお、エジプトで230億円、アルメニアで250億円で発電設備を受注したことが報じられている。

■シスメックス<6869> 小幅安。
足元は4400円処を推移する200日線と一目均衡表の雲下限に上値を抑えられる展開だが、Ｖ字切り返し基調を継続させている。なお野村では、米国での顧客満足度の高さから、米州事業の中長期的な業績拡大期待を確認したと指摘しており、投資判断を「2」に据え置きながら、ポジティブに評価している。

▼ＹＯＺＡＮ<6830> 売り気配から。
会計監査人の辞任が嫌気されているようだ。会計監査人の太陽ＡＳＧ監査法人から辞任届けを受領、監査契約の解除について合意したと発表している。辞任の理由として会計処理上の問題に起因するものではないものの、事業計画の実行可能性に問題があると。

▼富士電機<6504>---売り気配、ＨＤ不振で業績下方修正
売り気配。先週末に発表した業績下方修正が嫌気されている。通期営業利益は従来予想の475億円から365億円に減額修正へ。ＨＤ分野を中心とする電子デバイス部門が大幅な下ブレとなっているようだ。三菱ＵＦＪでは投資判断を「１」から「２」に格下げしている。

△三菱ＵＦＪ<8306>---買い優勢、売買停止期間中の出遅れ修正で
基準値である1010円と比較して大幅上昇の展開になっている。先週1週間は株式分割や単元株変更に伴って売買停止となっていた。その間、三井住友ＦＧは14％の上昇、みずほＦＧは7％の上昇となっており、出遅れ感を埋めに行く動きが先行。

□テルモ<4543>---小じっかり、5900円奪回が焦点に
反発。繊細にして強力なバルーンカテーテルの新製品を開発し、本日より販売開始と報じられている。全般が方向感を探るなか、ディフェンシブ性の高さもあり、手掛けやすさが好感されているもよう。9月27日高値5900円奪回では、上場来高値5970円更新が意識されてくる。

▼ＡＭＩ<3773>---赤字幅拡大し、目先は上場来安値を意識
売り気配スタート。利益率の高い音声認識システムのパッケージ製品の販売不振が痛手となり、今08年3月期の最終損益予想を従来予想の8.2億円の赤字から29.1億円へ赤字幅が拡大すると発表。5日線（68560円）を割り込むと9月26日の上場来安値60000円も意識されてくる。

△ＴＤＫ<6762>---次世代半導体メモリー開発を材料視
反発。ＨＤＤ事業で培った磁性薄膜技術を転用した磁性材料を使う次世代半導体メモリー「ＭＲＡＭ」を開発し、早ければ08年中にも量産を開始。8月に提携した米ＩＢＭとＭＲＡＭとの効果が早くも具現化する格好となり、今後の収益拡大期待がさらに高まる公算も高い。

△ＡＱＩ<3838> 買い気配から。
ＨＳＢＣでは投資判断を新規に「Overweight」、目標株価を83.1万円としており、買い材料視されているようだ。「ポケモンバトリオ」の予想以上の普及拡大と自社開発ソフトの収益性改善を理由に、収益は09年3月期以降飛躍期を迎えると予想。また、08年3月期は会社予想対比営業利益で2.4億円の上方修正と試算しているもよう。

▼ＩＨＩ<7013>---売り気配、大幅下方修正ネガティブサプライズ
売り気配。先週末に発表した業績の下方修正がネガティブサプライズにつながる。今期営業損益は従来予想400億円の黒字から170億円の赤字になる見通し。エネルギー・プラント事業の採算悪化が主因、国内生産の混乱、請負金回収の長期化、工事不備による追加コストの発生などが背景のようだ。
野村では投資判断を「３」から「４」に格下げ。

▼ＩＨＩ<7013>---ＧＳでは投資判断「中立」を据え置き
売り気配スタート。寄り前の気配は281円のストップ安水準をつけていた。今中間期と通期の業績予想の下方修正を発表したほか、前07年3月期もしくは今 08年3月期に処理される280 億円の追加費用などもあり、業績不透明感が一気に高まった格好。
一方、ＧＳでは目標株価を従来の460円から410円へ引き下げているが、投資判断は「中立」を据え置いている。
（フィスコ）

■スター・マイカ<3230>は急反落、３Ｑ業績高進捗率も利益確定売り
スター・マイカは、１万円安の１７万１０００円と４営業日ぶりに急反落している。前週末２８日に発表した今１１月期第３四半期（３Ｑ）業績が、今年６月に上方修正された通期業績に対して高進捗率で着地したが、利益確定売りが先行している。同社の３Ｑ業績は、売り上げ１０５億１１００万円、経常利益１０億７６００万円、純利益５億６３００万円となり、四半期決算は初開示となりため前年同期対比はないが、上方修正された通期業績に対して経常利益は８８％、純利益は８６％の高進捗率となった。昨年１０月の株式上場による知名度・信頼性向上により不動産取引が大幅に増加、マンション流動化事業、インベストメント事業とも好調に推移、アドバイザリー事業でも証券化業務の組成報酬や売却時の成功報酬が積み上がり高進捗率につながった。通期業績は、６月の上方修正値を変更せず、純利益は６億５０００万円（前期比６１％増）と連続の大幅過去最高更新を予想している。株価は、公開価格１５万円で新規上場され４４万６０００円高値まで人気化、上場人気剥落後安値から前回の業績増額で一時はストップ高を演じたものの、８月には公開価格割れの１３万１０００円と再調整した。安値から再びリバウンドを狙うことになろう。

▼ユニオンツール<6278>は急反落、またまた業績を下方修正
ユニオンツールは、１５０円安の４８１０円と３営業日ぶりに急反落している。前週末２８日の今１１月期第３四半期（３Ｑ）決算の開示に合わせて、今期通期業績の３回目の下方修正を発表、売り先行となり再び下値を探る展開となっている。同社の今期業績は、中間期業績も含めて第１四半期（１Ｑ）決算、中間期決算の決算発表のたびごとに下方修正されてきたが、その２回目の７月の通期業績修正値をさらに減額した。売り上げは９億７８００万円アップさせたが、経常利益は２億５３００万円、純利益は１億６５００万円それぞれ引き下げ、純利益は５４億７００万円（前期比３％減）と減益率を悪化させる。期初の５６億９７００万円の連続過去最高更新予想からは約３億円の下ぶれとなる。電子部品業界向けの超硬ドリルは、同業界の生産調整の影響で低迷していたが、７月以降に一部製品・部品で回復が確認され、売り上げが上方修正されたたものの、高付加価値品の回復が本格化せず３Ｑ業績が、増収減益で着地、それに伴い下方修正した。株価は、１Ｑ決算発表時の中間期業績減額では年初来安値４１６０円まで急落し、中間期決算公表時の７月には悪材料出尽くし感に信用好取組が重なり６３４０円まで逆行高した。相場全般が業績下方銘柄に厳しく対処している環境下、下値で再び強弱感が鋭く対立することになる。

△大有機<4187>は３Ｑ純益大幅増益を買い手掛かりに続伸
大阪有機化学工業は、２０円高の６３０円と続伸し９月１８日につけた年初来安値５５５円からのリバウンド幅を拡大している。前週末２８日に発表した今１１月期第３四半期（３Ｑ）決算で、純利益が２ケタ増益で着地したことを手掛かりに割安株買いが膨らんでいる。同社の３Ｑ業績は、前年同期比０．９％減収、２％経常増益、２０％純益増益と減収増益となった。原油・ナフサ価格の高騰が続く厳しい経営環境下、自動車・建築材料などの塗料業界向けのメタクリル酸エステルや情報関連分野・電子材料向けのアクリル酸エステルなどの販売強化を進め、生産効率化によるコスト削減も重なり増益キープとなった。純利益は、前期計上の減損損失や除却損失が一巡して２ケタ増益となる。通期業績は、期初予想を据え置き１１億７３００万円（前期比７５％増）を予想しといる。株価は、年初来安値から下げ過ぎ訂正で持ち直しているが、ＰＥＲは１１倍台、ＰＢＲは０．６倍、配当利回りも１２円配当継続から１．９％となお割り負けている。一段の底上げが期待される。

■トヨタ紡織<3116>は業績増額で増益転換も利益確定売りで急反落
トヨタ紡織は、１７０円安の３７１０円と急反落している。前週末２８日に今９月中間期・３月通期業績の上方修正を発表、期初の減益予想が増益にプラス転換するが、２８日ザラ場に上場来高値３９００円まで買い進まれていただけに、利益確定売りが先行している。上方修正のうち３月通期業績は、売り上げが期初予想より５００億円、経常利益と純利益が各８０億円引き上げられ、純利益は３４０億円（前期比１２％増）と増益転換し前期に続く過去最高となる。トヨタ系列の内装品、フィルター・パワートレイン部品メーカーとして、トヨタ車の好調な販売推移を享受し、為替レートが中間期想定レートの１ドル＝１１５円に対して１１９円と円安となり、下期も順調に推移するとして上方修正した。株価は、今期第１四半期業績の大幅増益・高進捗率着地や自己株式取得、さらに米国ミシシッピ州の孫会社設立などを材料に３０００円台固めから上放れたところである。ＰＥＲ評価では割高だが、強弱感の対立から株不足となるまで売り込んだ売り方の買い戻し思惑も底流しなお上値追いが有力となる。

△共立マテリア<1702>は小幅続伸、業績増額で７期ぶり最高純益更新
共立マテリアルは、２円高の４０８円と小幅続伸している。前週末２８日に発表した今９月中間期・３月通期業績の上方修正が、７期ぶりに過去最高を更新するとして下値の割安株買いを刺激している。業績修正のうち３月通期業績は、売り上げが期初予想から８億円、経常利益が７０００万円、純利益が４０００万円各アップされ、純利益は８億２０００万円（前期比１０％増）と２００１年３月期以来の過去最高更新となる。ガラス原料では液晶、フラットパネルディスプレイ用原料、シリカなどでは光学ガラス用原料、さらにファインセラミックス原料や電子部材も、顧客業界の好調な需要に支えられ販売が拡大したことが上方修正要因となった。下期は、電子部材で国内外の生産調整の影響が出るとして増額幅は中間期より小幅になるとしている。株価は、今期業績の小幅増収増益予想が響き９月２６日に年初来安値３８３円まで突っ込み４００円台を出没していた。ＰＥＲは１０倍台、ＰＢＲは０．６倍と大きく割り負けており底値妙味はさらに拡大する。

▼富士電機ＨＤ<6504>は減益転換の業績再下方修正響き売り気配
富士電機ホールディングスは、寄り付きから売り気配を切り下げ４５円安の４６７円売り気配と続急落している。今年７月の今９月中間期業績の下方修正に続き、前週末２８日に中間期業績の再減額と３月通期業績の下方修正を発表、通期純利益が期初の増益予想から減益にマイナス転換することから売り先行となり再び下値を試す展開となっている。業績減額のうち通期業績は、売り上げが期初予想据え置きとされたが、経常利益は１２０億円、純利益は７５億円それぞれ引き下げられ、純利益は１７０億円（前期比２６％減）と期初の連続過去最高更新予想から減益転換する。売り上げは部門・商品別に増減差し引きで期初予想をキープするが、電子デバイス部門で、ディスク媒体分野でアルミ媒体、半導体分野でプラズマテレビ用ドライバＩＣが計画を下回り、営業利益が当初予想より１２５億円減額され、機器・制御部門の同１０億円減、リテイルシステム部門の１０億円減も重なり減益転換する。株価は、前回７月の中間期業績減額では、窓を開けて年初来安値４０３円まで１５０円幅の棒下げとなった。急落幅の３分の２戻しをクリアしたところだが、再度の下値確認は不可避となる。

△三菱紙<3864>は固定資産売却の業績押し上げ効果を先取りし反発
三菱製紙は、５円高の２２５円と反発している。前週末２８日に発表した固定資産の売却が、大きく来期業績を押し上げるとして先取りの低位値ごろ株買いを誘発している。売却する固定資産は、同社子会社菱紙がスポーツ施設（ボウリング場）と駐車場に使用している子会社保有分も含めた土地１万２０７２平方メートル（東京都葛飾区、土地・建物簿価３０億６４００万円）で、野村不動産に２００８年９月３０日を物件引き渡し日に７２億７２００万円で譲渡、売却資金は一部老朽化したスポート施設（フィットネススタジオ、プールなど）の新設費用に充当する。売却益は約３２億円で、計上は引き渡し完了後の来２００９年３月期となり、今３月期業績には影響はないとしている。ただ、同社の今期予想純利益は３０億円、来期も５０億円レベルが想定されているだけに、１株利益は一気に倍化する可能性もあり、再び低位値ごろ株思惑を高めている。株価は、８月の今９月中間期業績の上方修正や富士フイルム向け第３者割当増資（発行価額２３５円）・写真印画紙事業の提携などを材料に年初来安値２０５円から動意含みとなっていた。信用買い残もピークから約半減と整理が進捗しており、底上げ継続となろう。

▼ＩＨＩ<7013>は経常赤字転落の業績下方修正を嫌い大量の売り物
ＩＨＩは、売り気配で始まり２５円安の３３６円売り気配と続急落、９月１８日につけた年初来安値３２４円を覗いている。前週末２８日に今９月中間期・３月通期業績の増減マチマチの修正を発表、中間期利益、通期経常利益がともに大幅赤字転落することが失望感を強め売り買い差し引き約５７８８万株の売り物が殺到している。業績修正のうち３月通期業績は、売り上げが期初予想から９００億円引き上げられたが、経常利益は５７０億円引き下げられて２７０億円の赤字（前期は２１５億１１００万円の黒字）、純利益は１００億円引き上げられて２６０億円（前期比６４％増）とした。経常赤字転落は、エネルギー・プラント事業の大幅な業績悪化が要因で、サウジアラビア向けなどの海外セメントプラントでセメント剥離などの工事欠陥、工事遅延、追加費用計上で約１３０億円の採算悪化が発生したほか、セメントプラント以外の海外工事で約７０億円、国内ボイラ工事・化工機の生産混乱で約２３０億円、請負金増額交渉の長期化などで約１８０億円の採算悪化が重なったことが要因となった。純利益は、子会社運営のゴルフ練習場用地などを売却し約９０億円の特別利益が発生するため黒字を維持する。なおこのほか長期大規模工事のコストダウン施策を確認した結果、効果が適切に評価されておらず、前３月期業績が約２８０億円の減額訂正される可能性もあるとしている。株価は、プラント・造船・原子力関連の主力株人気や含み資産株思惑などで、約６４０億円の資金を調達した公募増資をカバーして大きく下値を切り上げてきただけに大きく反動安が予想され、同業他社のも影響が及ぼう。

▼アドヴァン<7463>は９月中間決算発表一番乗りも通期業績減額で反落
アドヴァンは、１３円安の９７１円と３営業日ぶりに反落している。この日７時４６分に３月決算会社としては一番乗りで９月中間期決算を発表したが、中間期業績が期初予想を下ぶれて着地するとともに、３月通期業績も期初予想から下方修正されたことが嫌気され利益確定売りが先行している。同社は、決算発表の一番乗りを競う早期決算開示の常連株で、今年４月２日の前３月期決算発表では、メッツ（４７４４・Ｍ）にわずか２４分遅れて後塵を拝し２番手となったが、今回の中間期決算では巻き返したことになる。ただ中間期の決算実績そのもののは、前年同期比２％増収、１％経常減益、１０％純益減益となり、２ケタ増収増益を見込んでいた期初予想から下ぶれた。地方の需要先の回復遅れや住宅投資の減少など厳しい環境が続いており、ショールーム改装に伴う固定資産除却損や投資有価証券評価損も重なり純利益は２ケタ減益となった。３月通期業績も、期初予想より売り上げを１０億円、経常利益を４億円、純利益を２億５０００万円それぞれ下方修正し、純利益は２０億５０００万円（前期比２％増）と増益率を縮小する。株価は、７月発表の今期第１四半期決算の減益・低進捗率着地から下値を調整となり９月２５日に年初来安値９３４円まで売られた。相場全般が、業績動向に神経質となっているだけに再度の下値確認が予想される。

△赤城水産<2878>はＭＢＯ価格にサヤ寄せし買い気配アップ
赤城水産は、寄り付きから買い気配を切り上げ１０円高の１６０円と急伸している。前週末９月２８日に同社株式を４８．０８％保有する筆頭株主のジャパンフードシステム（神奈川県鎌倉市）が、株式公開買い付け（ＭＢＯ）により全株式を取得することを発表、同社も賛同を表明したことから、ＭＢＯ価格１８０円にサヤ寄せする動きとなっている。同社は、１９８３年に丸紅系列からジャパンフードサービスの傘下に入り経営を再建したが、世界的な魚食ブーム、主原料のマグロの漁獲規制などから原料価格が高騰し前３月期に再び経常利益が赤字転落、企業存続の危機を迎えた。この危機脱出に向け事業構造改革のリスクを株主全般から親会社に移行させることが、株主利益になるとしてＭＢＯに賛同した。親会社は、２００６年１０月にベトナムに水産物加工拠点を設立しており、今後は生産拠点の統廃合を含めたグループ再編を進める。ＭＢＯは、１０月１日から１１月１２日までの３０営業日を買い付け期間に、１１５万８０００株を２億８４４万円で買い付ける予定で、ＭＢＯ終了後に同社は所定の手続きを経て上場廃止になる。株価は、業績悪化、マグロ価格高騰で９月１２日に上場来安値１３１円まで売られていた。
（東洋経済新報社）

△信越化学<4063>が続伸、三益半導体<8155>も大幅高
信越化学が４日続伸している。日興シティグループ証券では９月２８日付でターゲットプライス１０８００円、投資評価１Ｍを継続した。信越化学の金川社長とのミーティングを受けて同証券のレポートでは「米国の塩ビの事業環境はすでに厳しくなっており、シリコンウエハーも２００ミリの需給が緩和し始めるなど、同社を取り巻く環境が変化している。そうした局面では同社の経営力の強さが他社との業績の差として明確に現れよう」としている。レポートによると「金川社長は仮にシリコンウエハー市場が悪化することがあっても十分に対応ができているとの自信を示した」としている。
半導体ウエハー事業のライバルであるＳＵＭＣＯ<3436>の第２四半期決算（５－７月期）が第１四半期と比べて勢いが落ちたことから、ＳＵＭＣＯの株価が急落した。信越化学の株式にも連想売りが出て、ＳＵＭＣＯの決算発表日の９月１０日に８０９０円だった信越化学の株価は９月１４日に７３５０円まで下げる場面があった。本日は９月１０日の株価水準に接近している。
半導体ウエハーメーカーでは、前週末の２８日に好調な第１四半期決算（６－８月期の経常利益は５４％増益の２３億円）を発表した三益半導体も大幅高となっている。

△コマツ<6301>が３日続伸、高値まであと少し
コマツが３日続伸し、７月２０日に付けた高値３９９０円まであと少しの水準まで上昇している。建設機械の最大手メーカーとして「米国経済が下向きになっても、新興国によるインフラ投資の恩恵を受けて収益が拡大するグローバル企業の代表格」との観点から買いが先行している。同社株は７月２０日に高値３９９０円を付けた後、お盆の大暴落となった８月１７日には２８７０円の安値を付けた。
（ラジオNIKKEI）