9/28 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△液晶テレビ、「壁掛け」競う・有機ＥＬに先手
将来の壁掛けテレビの本命とされる有機ＥＬ（エレクトロ・ルミネッセンス）テレビに対抗する「超薄型」の液晶テレビの開発競争が激しくなっている。
日本ビクター<6792>は最薄部の厚さが3.7センチの製品を開発、2008年3月にも発売する。
シャープ<6753>や日立製作所<6501>が開発した試作品に比べ厚さは少し大きくなるものの、09年度に発売見通しの両社に先行することで普及を狙う。
年末にはソニー<6758>の有機ＥＬテレビも発売の予定で「薄さ」を巡る戦いが熱を帯びそうだ。
ビクターが開発した新型の液晶テレビは42型で、同社の同じ大きさの従来製品に比べ、最薄部の厚さを9.2センチ減らした。重量も同10―15％減。住宅によっては補強工事などが必要になるが、薄型・軽量化で壁掛けテレビとして利用しやすくなる。試作品を10月2日に千葉市で開幕するデジタル家電の見本市「ＣＥＡＴＥＣ（シーテック）ジャパン」に出品したうえで、来春の発売をめざす。価格は未定。42型以外にも40―50型台の複数製品を用意する。

▼８月の全国消費者物価、0.1％下落・７カ月連続
総務省が28日発表した８月の全国の消費者物価指数（ＣＰＩ、2005年＝100）は、生鮮食品を除く総合が100.2と、前年同月比0.1％下落となった。下落は７カ月連続。項目別で価格の下落幅が大きかったのは家具・家事用品（1.8％下落）だった。生鮮食品を含む総合では100.6と、0.2％下落した。生鮮食品を除く総合は、日経ＱＵＩＣＫニュース社がまとめた市場予測平均値（0.1％下落）と同じだった。同時に発表した９月の東京都区部の消費者物価指数（中旬の速報値、2005年＝100）は生鮮食品を除く総合で100.1と、前年同月比0.1％下落した。
（NIKKEI NET）

▼サークルＫＳ<3337>が軟調、業績予想の下方修正を嫌気
サークルＫサンクスが軟調。２７日に発表した２００８年２月期業績予想の下方修正を嫌気した。連結経常利益は従来予想の２００億円から１８５億円、連結純利益は７６億円から７４億９０００万円に減額した。自営店売上総利益が当初予想を上回るものの、加盟店からの収入減を補えず、営業総利益が当初予想を下回る見通しとなった。さらに人件費などの増加も利益圧迫要因となる。

△ライトオン<7445>高い、発行済み株式の4.05％上限に自社株取得
ライトオンが高い。２８日に、１２０万株（発行済み株式総数の４．０５％）・１７億円を上限とする自社株取得を決議したと発表したことが好感されているという。取得期間は１０月１日から１０月３１日。同時に発表した２００７年８月期単体経常利益は前年同期比３８．６％減の６０億２２００万円、２００８年８月期予想は同３．７％減の５８億円になった。

△コロムビアＭＥ<6791>、ＴＤＫ<6762>からＴＤＫコア全株を取得
コロムビアミュージックエンタテインメントは２８日、ＴＤＫから同社のゲーム・教育ソフトの企画・制作・販売などに実績がある１００％子会社、ＴＤＫコアの全株式を取得し、子会社化すると発表した。

▼ＩＤＥＣ<6652>がさえない、08年3月期予想を下方修正
ＩＤＥＣがさえない。２００８年３月期の連結決算見通しについて、経常利益を５４億円から４５億円に下方修正したことが嫌気されている。一方、同社は２７日、発行済み株式総数の０．８％に相当する３０万株、取得総額６億円を上限に自己株を取得すると発表したが、これを材料視する動きにはなっていない。

△イトーキ<7972>しっかり、100万株・10億円上限に自己株取得
イトーキがしっかり。同社が２７日の引け後、発行済み株式総数の１．９１％に相当する１００万株、取得総額１０億円を上限に自己株を取得すると発表したことなどが材料となっている。取得期間は１０月１日から１２月２１日まで。

■沢井薬<4555>軟調、ＣＳが目標株価引き下げ
沢井製薬が軟調。クレディ・スイス（ＣＳ）が同社の目標株価をこれまでの３６００円から３１００円に引き下げたことなどが嫌気されている。投資評価は「アンダーパフォーム」で変わらず。クレディ・スイスでは主力のジェネリック（後発医薬品）の売り上げが低調のようであるとして、中間決算の印象がネガティブになる公算のほか、ジェネリック成長のプレミアムが減少することを勘案したという。

▼ニイウスコー<2731>が売り先行、東証が2部市場に指定替え
ニイウスコーが売り先行となっている。東京証券取引所が同社株を１１月１日付で１部市場から２部市場に指定替えすると発表したことを嫌気した。債務超過の状態となったためで、２００８年６月３０日までは「債務超過」の猶予期間入り銘柄となる。

△イオンモール<8905>が高い、8月中間期経常益が過去最高との報道
イオンモールが高い。２８日付日経新聞朝刊で、同社の２００７年８月中間の連結経常利益が９９億円強と中間期ベースでは過去最高となったようだと報道されたことなどが材料となっている。既存ショッピングセンター内の専門店の販売が順調に推移し、売上高に連動する歩合家賃の収入が増えたと報道では伝えている。

△富山化<4518>買い気配、中間期業績予想を大幅に上方修正
富山化学工業が買い気配。同社が２７日、２００７年９月期の連結業績予想を大幅に上方修正したことなどが材料となっている。営業利益予想はこれまでの４億円から３２億円に、経常利益は１億円から２７億円に、純利益は１億円から２７億円にそれぞれ上方修正となった。下期に見込んでいたＴ ─５２２４に関するライセンス契約の締結に伴う技術料収入が当中間期に早まった一方、当中間期に見込んでいた研究開発費の一部の発生が下期に遅れる見通しとなったためと同社では説明している。

△8月鉱工業生産は前月比＋3.4％、２カ月ぶり上昇
経済産業省が発表した８月の鉱工業生産指数速報（２０００年＝１００、季節調整済み）は１１１．８で、前月比プラス３．４％となり、２カ月ぶりに上昇した。ロイターの事前予測調査では前月比プラス３．２％が予想されていたが、発表された数字は予想を上回った。経済産業省は生産の基調判断を「緩やかながら上昇傾向」に修正した。
業種別にみると、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、一般機械工業などが生産の上昇に寄与した。８月の鉱工業出荷指数は前月比プラス４．３％、在庫指数は同プラス０．３％だった。製造工業生産予測指数は、９月が前月比マイナス０．８％、１０月が同プラス４．１％となった。９月の低下に寄与するのは輸送機械工業、情報通信機械工業など。１０月の上昇に寄与するのは電子部品・デバイス工業、輸送機械工業など。

△コロムビアＭＥ<6791>、ＴＤＫコア買収について午前11時半から会見
コロムビアＭＥは、ＴＤＫコアの買収について午前１１時半から東証で記者会見すると発表した。両社の社長が出席する。開示資料については午前１１時１０分ごろ開示するとしている。
（ロイター）

■プロスペクト：ＲＥＩＴのＦＣＲ<8975>を買い増し－上位３法人で56.53％に
カーティス・フリーズ会長率いる米系投資ファンドのプロスペクトアセットマネジメントは、大量保有しているＦＣレジデンシャル投資法人（ＦＣＲ）の投資口を買い増し、保有比率を42.01％に引き上げたことが明らかになった。プロスペクトが28日、関東財務局に提出した大量保有報告書によると、報告義務発生日の21日までにＦＣレジデンシャル投資法人を断続的に取得。合計１万3737口保有し、投資口総数に対する割合は従来の40.98％から42.01％となった。その結果、同投資法人の上位投資家は１位がプロスペクトの42.01％、２位が同8.08％のジェイピーイーキャピタル・マネジメント、３位が同6.44％の日興アセットマネジメントとなったことが大量保有報告書で確認されており、３法人を合計すると56.53％となる。ＲＥＩＴの場合、配当可能利益の90％超を投資家に分配するなど一定の要件を満たすと法人税が免除になり、これが高い分配金の主因となっている。しかし、決算期末で３人以下の投資家が発行済み投資口の50％超保有する場合は適用条件から外れ、課税対象になる。したがって、ＦＣＲの場合も第４期の決算期（10月期）において、上位３社による保有比率が50％を超えると、税負担相当額の分配金が減少する可能性がある。ＲＥＩＴ市場に詳しいアイビー総研の関大介代表取締役は、「ＦＣＲは分配金の減少を避けられない」と指摘。「今のＦＣＲの株価水準をみるとプロスペクトは今後売ってくることは考えにくい」とし、「ＦＣＲは10月末に決算期を控えていることもあり、税制負担相当額の分配金が減少する可能性は非常に高い」との見解を示している。

△富山化<4518>株が急騰、新薬のライセンス収入で業績を増額修正－従来比27倍
中堅製薬メーカー、富山化学工業の株価が急騰。一時は前日比72円（12％）高の697円まで買い進まれ、９月５日以来の高水準に戻した。抗リウマチ治療薬「T-5224」に絡む海外提携先からのライセンス収入が上半期に前倒しされたとして、2007年９月中間期の連結純利益予想を大幅に引き上げたことが好感された。富山化が27日の取引終了後に公表した中間業績予想の修正によると、連結純利益は27億円になる予定で、従来予想の１億円の27倍に相当する。前年同期は26億円の赤字だった。「Ｔ－5224」のライセンスをスイス製薬大手ロシュグループに供与したことに伴い、契約一時金などが入ることを織り込んだもので、当初は下半期（07年10月－08年３月）に計上すると見込んでいたが、実際には上半期(07年４－６月)に前倒しされた。このほか、「研究開発費約10億円の計上が下半期にずれこんだ」（経営企画部広報グループの三谷久之氏）ことも奏功する。富山化とロシュは今年６月25日に、Ｔ-5224に関わるライセンス契約を締結。富山化はロシュから新薬の進ちょく状況に応じて最大３億7000万ドル（約458億円）の契約金などを受領するほか、同薬が発売できた場合は売り上げに応じたロイヤルティーを得るという。

△コロムビアＭＥ<6791>：ＴＤＫコアを買収、15億円－映像コンテンツ拡充
コロムビアミュージックエンタテインメントは28日、音楽ソフトの原盤やゲームソフトの製造・販売を手掛けるＴＤＫコアを買収すると発表した。両社の販売チャネル統合などでコスト削減を図るほか、映像コンテンツの拡充で事業拡大を狙う。コロムビアＭＥは、ＴＤＫコアの親会社ＴＤＫからＴＤＫコア株のすべてを15億円で取得する。取得は11月１日。これによる業績への影響は、ＴＤＫコアの事業見通しを精査中で、確定次第公表するとしている。

△シャープ<6753>株が４連騰、液晶需要見直しでＵＢＳ証は判断買いに引き上げ
シャープの株価が４連騰。液晶パネルの需要動向の再評価を着眼点に、ＵＢＳ証券は27日付でシャープの投資判断を従来の「中立」から「買い」、目標株価を2300円から2500円に引き上げており、直近の2000円割れの状況から見直す動きが先行している。この日は一時、前日比85円（4.2％）高の2115円まで買われた。ＵＢＳ証の土屋俊祐、進均両アナリストは27日付のリポート（英文）で、シャープが主力とする液晶パネルの需要動向について、「北米の景気減速に伴う強い懸念もあるが、開発途上国では増加し始めている」と指摘。さらに、北京五輪の効果もあって、来年の６月ごろまでは需給がタイトな状況が続くだろうと予測している。またリポートでは、50型などの大型液晶パネルを効率よく生産する技術で他社をリードしているシャープは、業界内で有利だともした。

▼住友ベ<4203>株が急反落、原料高で採算悪化－中間営業益予想を２割減額へ
樹脂加工大手の住友ベークライトの株価が急反落。原材料価格の高騰が続く一方で、製品への価格転嫁が遅れ、粗利益率が悪化している。27日付で07年９月中間期業績予想を大幅に減額修正したことが嫌気されたほか、先行きに対する不透明感も高まり、売り注文が増えた。この日は売り気配で取引をスタート。午前９時20分ごろに前日比47円（6.6％）安の670円で寄り付いた。その後も売り注文が続いており、一時は同9.2％安の651円まで値を下げ、８月21日に付けた年初来安値の645円まであと１％のところまで売りこまれた。住友ベが27日の取引終了後に中間期の連結営業利益予想を95億円から76 億円に20％引き下げた。前年同期比で４％の増益予想が一転、17％の営業減益となる。営業利益率は5.8％前後となる見通しで、前年同期の7.1％から1.3 ポイント程度の悪化となる。　　加えて、半導体封止剤について販売先からクレームを受けていた問題で約 49億円の和解金を支払うため、中間純利益は前年同期比88％減の10億円に低減する見通しで、前回予想から81％の減額修正となった。ＫＢＣ証券の中尾佳枝アナリストは、「クリスマス商戦後の半導体市況について会社側の見方が以前より慎重になっている。会社側がネガティブなシナリオを織り込んでくる可能性がある」と指摘、同証券による住友ベークの今期営業益予想を従来の200億円から178億円に引き下げた。ブルームバーグ・プロフェッショナルに登録された証券系アナリスト11 人の今期営業益予想の平均は196億円。会社側の現在の通期予想212億円を大きく下回るとみている。

▼日産自動車<7201>：米国・カナダ・欧州でＳＵＶの計42万台あまりをリコール
仏ルノーと資本・業務提携関係にある日産自動車は、米国、カナダ、欧州でＳＵＶ（スポーツ型多目的車）についてガソリン・タンクのチューブの不具合により、計42万2697台のリコール（回収・無償修理）を届け出た。対象となるのは、1997年から2001年までに製造されたパスファインダーの33万853台とインフィニティＱＸ４の９万1844台。日産自動車の広報担当、和田治子氏によると、事故の報告はないという。
（ブルームバーグ）

△エリアリンク<8914> 大幅続伸、一時ストップ高。
マッコーリー証券では、投資判断「アウトパフォーム」並びに目標株価10万円を継続したようだ。中期的に年率30％超の成長を維持すると確信、日本で長期的成長が見込める数少ない投資対象であると。

△沖電気<6703> 小じっかり。
25日線に接近している。信用倍率は1倍を下回る状況であり、25日線突破なら思惑的な動きも出てきそうだが。シンガポールの半導体設計子会社をインド企業に売却すると報じられている。ここにきてハイテク企業の再編の流れが相次いできており、ハイテクセクターに対する見直しの動きが期待されている。

△ＳＦＣＧ<8597> 急騰。
昨日、前7月期の決算発表、並びに、非上場親会社であるＫＥホールディングスとＴ・ＺＯＮＥ<8073>の合併中止を発表している。親子関係逆転に伴う合併後の上場廃止リスクがなくなったことなどを好感する動きが先行か。また、前期実績は、経常利益が300億円の従来予想に対して341億円となったが、最終利益は150億円予想に対して22億円となっている。ただ、不良債権処理の進展として悪材料視する動きとはなっていない。

△丸文<7537> 小幅ながら3日続伸。
25日線を突破しているほか、一目均衡表では先行スパン（雲）上限を捉えているほか、遅行スパンは上方転換シグナルを発生させてきているなど、テクニカル妙味が高まっている。

▼エスイーエス<6290> 反落。
中間期の業績下振れが嫌気されているようだ。07年9月中間期の業績予想を大幅に下方修正しており、経常利益で従来予想の9.45億円から4.6億円に減額された。一方、通期予想については従来予想を据え置いている。

△ユニチャペット<2059>---7/24以来の年初来高値更新
7/24以来の年初来高値更新。信用倍率は0.11倍と1倍を下回る状況が慢性化しており、需給妙味から昨年8月高値5250円が意識されよう。なおクレディ・スイスでは、トイレタリーセクターでは成長性の高いユニ・チャームへの関心が高いとの見方であり、特に海外事業、ペットケア事業への関心が高いと。

△コロムビアＭＥ<6791> 急伸で8月14日以来の100円台回復。
ＴＤＫコアの買収で前引け後に会見などと伝わっている。詳細は伝わっていないものの、Ｍ＆Ａによる業績成長期待を高める動きが先行へ。

△東芝<6502>---買い優勢、米国半導体関連株の上昇受けて
買い優勢。米国市場では、マイクロン・テクノロジーやサンディスクなど半導体関連株が上昇、同社のコメントとして、メモリー製品への需要を満たすことが出来ないなどと一部伝わったことで、ＮＡＮＤフラッシュの需要は好調との見方が広がったようだ。また、本日は三菱重工の中国原発市場参入報道が伝わり、原発関連としての期待感も。

△三井鉱山<3315>---大幅反発で年初来高値接近
大幅反発で年初来高値接近。短期値幅取り資金が集中している状況。日中省エネルギー・環境総合フォーラムが北京で開催され、石炭火力発電など10のプロジェクトで日中合意しており、関連銘柄として蒸し返されているとも。

△ＳＦＣＧ<8597>---厳格な不良債権基準導入で悪材料出尽くし
3日続伸で9/12以来の15000円回復。昨日発表した07/7期業績は連結純利益は前期比82％減となった。厳格な不良債権基準を導入したことが響いた格好だが、これにより悪材料は出尽くした格好に。

△ビックカメラ<3048> 岡三証券では、投資判断を新規に「やや強気」としたようだ。
ベスト電との業務提携効果は限定的としているが、07年8月期の業績は会社予想を上回ったと推定している。また、08年8月期以降も出店や粗利益率の改善を背景に増益基調が続くと。

△シャープ<6753>---買い先行、ＵＢＳでは「ＢＵＹ」に格上げ
買い先行。ＵＢＳでは投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に格上げしている。目標株価も2300円から2500円に引き上げへ。北京五輪を控えた中国を中心にして液晶の需給は逼迫の方向、大型化に伴う寡占化メリットで収益を伴った拡大が可能な局面に入るとみているようだ。

△日製鋼<5631>---買い優勢、中国原発市場の拡大メリット大とも
買い優勢。三菱重工の中国原発市場参入報道を受けて、原発関連として期待感も高まる状況に。野村では、同社が生産する大型蒸気タービンのコア部品などは、中国が技術的に生産できないものもあり、中国における原発市場の拡大メリットが大きいと考えている模様。原発用圧力容器、大型タービン用ローターシャフトなどで高シェアと。

△三菱重工<7011>---買い先行、中国原発市場への参入報道で
買い気配。中国の重電大手ハルビン集団と提携、中国の原発市場に参入との報道が好感材料となる。中国政府が新設する原発向けの主要設備を1000億円超で受注したともされている。巨大市場へ成長が期待される中国原発事業での先行展開に先行き期待が高まる状況。

△平田機工<6258> 買い気配から。
大和総研では投資判断を新規に「1」、目標株価を2250円として買い材料視されているようだ。短期的な注目点として、シャープの新工場向けにＦＰＤ関連設備の受注が今下期以降に期待されると。また、堅調な業績が期待できるほか、グローバルで評価されることを考慮すれば、株価の割安感は強いとしている。
（フィスコ）

△アグロカネシ<4955>は中間業績の増益転換着地を見直し急反発
アグロ　カネショウは、３４円高の８２０円と急反発している。２００７年６月中間期業績が上方修正され、期初の減益予想が増益へプラス転換して着地したことを見直しバリュー株投資が再燃しており、現在農薬登録申請中の土壌処理剤「ネマキック」の来期以降の寄与などによる業績押し上げ効果も先取りされている。同社の中間期業績は、前年同期比８％増収、４％経常増益、１３％純益増益で着地し、経常利益は５億５３００万円、純利益は３億５２００万円それぞれ期初予想を上回り増益転換した。海外子会社の欧州地区での売り上げ増加、高収益製品の上期前倒しと試験研究費の下期ズレ込みが重なった。同社は、果樹、花卉に特化した農薬を技術指導を伴う独自ルートで販売する農薬メーカーで、会計特性も農薬撒布時期に重なる上期の売り上げ・利益のウエイトが高く、通期業績が上期実績を下回る傾向がある。このため通期業績は農薬登録維持費用、為替などの不確定要因も控え期初予想を据え置き、純利益は１億９５００万円（前期比２８％減）と見込んでいる。ただ下期の動向次第で前期と同様に上ぶれ着地の可能性も残る。「ネマキック」は、年商目標を１５億円としているだけに来期業績への寄与期待も高まる。株価は、ＰＥＲでは割高なものの、ＰＢＲは０．４倍、配当利回りも２０円安定配当から２．４％と割り負けている。一段の底上げへ進もう。

□ニトリ<9843>は中間業績上ぶれ着地も利益確定売りで急反落
ニトリは、４１０円安の５５９０円まで売られ４日ぶりに急反落している。前日２７日に２００７年８月中間期業績を発表、期初予想を上ぶれて２ケタ増収増益で着地したが、上方修正が観測されていたにもかかわらず通期業績を期初予想の据え置きとしたことから利益確定売りが先行している。同社の中間期業績は、前年同期比１６％増収、１８％経常増益、１９％純益増益と伸び、経常利益は期初予想を約１６億円、純利益は約９億円上回った。北海道を地盤とする家具・インテリア販売チェーンの大手として、海外からの開発輸入商品の拡大、全国ネットのテレビＣＭの放映、国内外の物流網の見直し、関東圏中心の積極出店策などを実施したことが寄与している。２月通期業績は期初予想を据え置き、売り上げ２１５６億円（前期比１４％増）、経常利益２５０億円（同８％増）、純利益１４６億円（同８％増）と２１期連続の過去最高を予想しているが、すでに８月末に上方修正が観測され、過去最高更新の更新幅を拡大するとされた。株価は、同観測に反応し年初来高値６６２０円を目指しており、ニ進一退相場継続となりそうだ。

■図書印<7913>－は第３者割当増資とリストラ効果が綱引きし小反落
図書印刷は、寄り付きの４円高から６円安の３５５円と売られ、７営業日ぶりに小反落している。前日２７日に凸版印刷（７９１１）を割当先に第３者割当増資を実施すると発表、希薄化懸念と連結子会社化によるリストラ進展期待が綱引きし売り買いが交錯している。凸版は、すでに図書印の株式を２５．９８％保有、取締役９名中５名も派遣しているが、図書印が新社屋を建設し経営の効率化を進めることをサポートし増資を引き受ける。第３者割当増資は、１１３９万６０００株の新株式を１０月１２日払い込み、発行価額３５１円で発行、増資後の凸版の持ち株比率は４４．１７％に高まり連結子会社となる。手取り調達資金３９億８４９９万円は、建設費４７億円で来年６月着工、２００９年１２月完成予定の新社屋の建設資金に充当する。同社は現在、都内４カ所に事業所を展開、このうち３カ所が賃借物件で、年間約３億６０００万円の賃借料を負担しており、新社屋建設により賃借料、物流費、通信費などの削減により収益の向上が見込めるとしている。増資そのものの業績への影響は軽微としている。株価は、低位値ごろと信用取組が株不足となる需給優先の値動きに終始しており、８月１７日につけた年初来安値３２０円で思惑再燃となりそうだ。なお凸版は一時、２３円高の１２１０円まで買われ続伸している。

△富山化<4518>は中間業績増額で黒字転換幅を拡大し３連騰
富山化学工業は、寄り付きから買い気配をアップさせ７０円高の６９５円と急伸し３日続伸となっている。前日に新規抗リウマチ薬「Ｔ－５２２４」のライセンス契約に伴う技術料収入の早期寄与から、今９月中間期業績を上方修正、今年６月のライセンス契約締結当時のストップ高した株価急伸を連想する買い物が増勢となっている。同社の中間期業績は、売り上げが期初予想より２５億円、経常利益と純利益がそれぞれ２６億円引き上げられ、純利益は２７億円（前年同期は２５億５３００万円の赤字）と黒字転換幅を拡大する。「Ｔ－５２２４」の技術料収入のほか、中間期に見込んでいた研究開発費の一部の発生が、今期後半にズレ込むことが業績を上ぶれさせる。３月通期業績は、期初予想に変更はなく純利益は５５億円（前期は８７億６５００万円の赤字）を予想している。同社は、今年３月に前期業績を下方修正し赤字転落するなど、ライセンス収入の動向で業績が大きく変動する。株価は、これに鳥インフルエンザ関連思惑もオンし薬品株のなかでも名うての仕手株となっている。抗リウマチ薬のライセンス契約締結では、９３０円高値まで１８０円超の急伸をしており、再び高速エレベーター相場が発進することになる。

△アークス<9948>は続急伸、業績上方修正が低ＰＥＲ買いを刺激
アークスは、寄り付きの買い気配から９１円高の１６６３円まで買い進まれ続急伸している。前日２７日に発表した２００７年８月中間期・２月通期業績の上方修正が低ＰＥＲ株買いを誘発している。上方修正のうち２月通期業績は、売り上げが期初予想を１０億円下回るが、経常利益は３億２０００万円、純利益は１億５０００万円それぞれ上回り、純利益は４８億５０００万円（前期比２２％増）と増益転換幅を拡大する。スーパーマーケット７社の既存店売り上げが、想定数値を０．６ポイント下回ったことから売り上げは下方修正されたが、売上総利益率が計画を上回り、上期予定の店舗改装の一部を下期に変更することが業績を押し上げる。株価は、今年７月に大幅増益となった第１四半期決算を発表したが、材料出尽くし感も手伝い株式分割権利落ち安値１４２７円まで５００円の調整となった。前期は、期中に２回も業績を上方修正しており、再現期待からもＰＥＲ１４倍台の大幅修正は有力となる。

■冶金工<5480>は業績上方修正も単独業績にとどまり急続落
日本冶金工業は、４６円安の１１７３円と急続落している。前日に業績の上方修正を発表したが、９月中間期のみでしかも単独業績にとどまったことに失望し利益確定売りが先行している。同社の中間期単独業績は、売り上げは期初予想より８０億円ダウンされたが、経常利益は４８億円、純利益は２９億円それぞれアップされ、純利益は１３１億円（前年同期比４．９倍）と増益率を拡大する。期初に騰勢を強めていたニッケル価格が、中間期後半では下落に転じたが、原料価格に見合った販売価格の実現を進めたことが上方修正につながった。連結業績は、原料価格の上下ぶれに対応し棚卸資産の評価に関する会計基準を早期適用することになり、連結子会社ＹＡＫＩＮの保有する棚卸資産に約５０億円の損失を計上することから、売り上げのみ４０億円増額し利益は期初予想据え置きとした。通期業績は、今後の経営環境動向を見極め、中間期決算発表時に公表するとしている。同社は、前期業績を中間期業績も含め期中に４回も上方修正し、株価は６月に上場来高値１７１３円まで急騰した。この調整で１０００円台固め継続となっていたが、ＰＥＲは８倍台と割安である。下値からの再騰は想定範囲内となる。

△神電鉄<9046>は中間純益の大幅増額に反応し安値から反発
神戸電鉄は、５円高の４７６円と変わらずを挟み３日ぶりに反発し、９月２１日につけた年初来安値４６５円から底離れしている。前日２７日に増額・減額マチマチの９月中間期業績の修正を発表、純利益が大きく上方修正されたことが底値買いを誘発している。同社の中間期業績は、売り上げが３億円、経常利益が６００万円それぞれ期初予想より下方修正されたが、純利益は逆に１２億９００万円上方修正され１３億３２００万円（前年同期は９４００万円の黒字）と大幅増益となる。このうち純利益は、北神急行電鉄に谷上駅鉄道資産を譲渡して１１億２０００万円の売却益、兵庫県神戸市北区の賃貸地を有馬ビューホテルに譲渡して６億２６００万円の売却損が発生し、これに法人税や土地再評価差額取崩額を増減し大幅上方修正となった。通期業績は現在集計中で、１１月１４日予定の中間期業績発表時に公表するとしている。株価は、大証１部の地味な電鉄株として５００円を上値限界とする５０円幅のゾーンの動きに終始している。それだけに今回の大幅業績修正は意外性十分で、ゾーン抜けも期待される。

▼みらい建<1792>は売り気配、民事再生手続き開始で上場廃止
みらい建設グループは、売り物で始まり１０円安の６３円売り気配と気配値を下げている。前日２１日に東京地方裁判所に民事再生手続き開始の申し立てを行い受理され保全処分命令・監督命令が発令され、東証が上場廃止基準に該当するとして１０月２８日付けで上場廃止を決め、整理ポストに割り当てたことから売り殺到となっている。前日は前場引け後にマキ製作所（６３０４・ＪＱ）が、同じく民事再生法の適用申請を発表して売買停止となり、大引け後はみらい建と続いており、景気が回復、企業業績全般も過去最高を更新する環境下で、「格差問題」が企業経営にまで及んできたのか個別問題なのか、熟考が不可欠となる。なお、この日売買が再開されたマキ製作所は、やはり２７日前場終値４８０円に対して１０円安の４７０円売り気配と売られている。みらい建の民事再生法適用申請は、土木事業を中心に公共事業が減少し、受注量減少、落札率低下により前３月期に赤字・無配転落、同期に繰延税金資産を大幅に取り崩し、３２の金融機関と結んでいるシンジケートローンの財務制限条項に抵触、一部金融機関から借入金の返済時期の延長が反対され、資金繰りに行き詰まったことが引き金となった。負債総額は、借入金１４６億円など１６２億円に達した。９月１４日のクレディア（８５６７・整理）以来、わずか半月で３社の経営破たんは、平成大不況の「失われた１０年」の記憶をまざまざと蘇えさせるとことがある。
（東洋経済新報社）