9/28 朝の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

■アークス<9948>：北海道地盤のスーパー。子会社７社の上半期（３－８月）既存店売上高が想定を0.6ポイント下回ったとして８月中間期の連結売上高予想を1212億円から1200億円に１％引き下げた。
しかし、粗利益率は想定以上に改善、店舗改装費の一部が下半期に先送りされたため、中間純利益は前年同期比96％増の28億円になる見通し。

△宝印刷<7921>：企業のＩＲ（インベスターズ・リレーション）活動が活発化しているうえ、業績予想の入力や蓄積などで使う「ＸＢＲＬ」関連製品の販売が伸び、第１四半期（６－８月）の連結営業利益は前年同期比3.4％増の15 億円となった。
同社は第１四半期が繁忙期で第２四半期以降は営業赤字となるケースが多い。通期営業益予想は前期比20％増の14億2000万円。

△アスクル<2678>：９月の単月売上高は前年同月比11％増の163億円だった。
インターネット経由の売上高構成比は53.2％で、前年同月より3.3ポイント高い。
（ブルームバーグ）

□フルキャスト<4848>、平野会長の代表権返上を決定＝業務停止処分で
フルキャストは27日の取締役会で、平野岳史代表取締役会長が9月30日付で代表権を返上することを正式に決めた。労働者派遣法違反で8月に厚生労働省から事業停止処分を受けた経営責任を明確化するため、平野氏が申し出ていた。　

■石原産業<4028>、新たなフェロシルト埋設が判明＝岐阜県中津川市で
石原産業は27日、土壌埋め戻し剤フェロシルトの不法投棄問題で、フェロシルトが岐阜県中津川市の造成地に埋設されているのが新たに見つかったと発表した。同社によると、この造成地に搬入した記録はなく、運び込まれた経緯を調べている。フェロシルトの埋設が判明したのは39カ所目。土壌調査を行い、回収するとしている。　
（時事通信）

■就活女学生にわいせつ行為　三菱ＵＦＪ<8306>銀行員に８年求刑
三菱東京ＵＦＪ銀行の元行員が採用担当を装い、就職活動中の女子大学生にわいせつな行為や暴行をしたとして、強制わいせつなどの罪に問われた元行員、白石真也被告（２４）の論告求刑公判が２７日、大阪地裁（並木正男裁判長）で開かれた。検察側は「就職活動に取り組む学生の熱意を踏みにじり、人生の進路にも多大な影響を与えた」として懲役８年を求刑した。弁護側が最終弁論で情状酌量を求め、結審した。判決は来月２９日に言い渡される。この日は論告に先立って被告人質問も行われ、検察側が「今回の被害学生３人以外も誘い出したのか」と追及。白石被告は「１０人ぐらいにカラオケ店に誘う電話をした。応じたのが３人だった」と供述、「職場や家庭のことで悩みがあり、わいせつな行為をしてストレスを解消したかった」と述べた。論告によると、白石被告は４月８日午後、同行の採用面接を受けていた大学４年の女子学生を大阪市北区のカラオケ店に呼び出し、抱きつくなどの暴行を加えたほか、別の女子学生２人にも抱きついて胸を触るなどのわいせつな行為をした。
（産経新聞）

△ケンウッド<6765>とカーナビ・ソフト開発－10月に開発会社設立
（読売新聞）

□泊原発　発電機故障の原因は異物混入　来週にも運転再開へ
北海道電力<9509>は２７日、泊原発（後志管内泊村）１号機の非常用ディーゼル発電機２基が故障したため原子炉を停止している問題で、発電機内のタービンの回転数を調整する「調速装置」に金属片やテープなどの異物が混入したのが故障の原因だと発表した。北電は２８日に原子力安全・保安院の調査を受け、試運転で問題がないことを確認したうえで、来週にも原子炉の運転を再開する方針。発電機２基は非常時に原子炉を冷却する機器を動かすためのもので、１８、１９日の定期検査で作動せず、２０日から原子炉を停止した。原因を調べたところ、一方の調速装置からネジが欠損した金属片４個、もう一方からは油漏れを防ぐテープの破片３個が見つかったという。北電は、メンテナンス業者が装置を検査した際に混入したとみている。

△みずほ<8411>銀　環境守る設備投資支援の融資スタート
みずほ銀行が、中小企業や個人事業者を対象に、二酸化炭素（ＣＯ２）の排出量削減など環境保護のために行う設備投資を支援する新しい長期融資を始めた。融資期間は最長７年で、金利を通常より最大１．６２５％優遇し、中小企業などの環境対策を後押しする。中小企業や個人事業者の環境投資をターゲットにした支援融資は大手銀行として初めて。新環境融資制度の対象となるのは、大気汚染・水質汚染防止設備の整備や、本支社建物の屋上緑化、太陽光発電など新エネルギー発電装置の導入などに伴う設備投資資金。環境対策投資の説明資料や、コンサルティング会社などが発行する効果の証明書などを企業に提出してもらい、融資金利の優遇幅を決める。融資額は１件当たり１０００万円以上で、今後１年間で総額１００億円の実施を目標にしている。企業側のニーズや反応を見ながら、制度の拡大なども検討する。企業の環境への取り組みは、大企業や中堅企業の工場やオフィスで節電効果の高い設備への更新が進んでいるが、中小企業や個人事業者は対応が遅れがちだ。二酸化炭素など温室効果ガスの削減を目指す政府の環境政策でも大きな課題となっている。経済産業省の中小企業アンケート調査によれば、省エネ設備導入など環境対策が進められない理由として、全体の４割近い企業が「設備投資のための資金調達が難しい」ことをあげていた。
（毎日新聞）

△ホンダ<7267>、来月タイでバーツ債４０億を発行－販売金融に充当
ホンダは１０月にタイでバーツ建て社債を発行する。起債額は最大４０億バーツ（約１３０億円）で、調達資金は現地の自動車販売金融に充てる。これまでに２度バーツ債を発行しているが、今回の規模は過去最大。同社はタイで第２工場が０８年後半に稼働予定で、同国で販売が順調に伸びることが見込まれ、おう盛な金融需要に対応する。
自動車業界ではいすゞ自動車<7202>、トヨタ自動車<7203>、三菱自動車<7211>などもバーツ債を発行しており、資金調達ルートの多様化、現地化を目的に今後も起債が増えそうだ。発行体はタイの金融子会社「ホンダリーシングタイランド」。ホンダでは０４年に２０億バーツ、０６年にも２５億バーツの社債を発行した。銀行借り入れに比べ長期資金を確保できるなどのメリットがある。ホンダのタイでの販売は０７年１ー８月累計で、前年同期比約５％減の約４万２０００台。ただ同国市場ではシェア３位で、新工場稼働時には既存工場と合わせ生産能力は２４万台になる。今後、「シビック」を中心に小型車、スポーツ多目的車などの販売拡大を目指しており、それに合わせ自動車ローンや保険の原資を充実させるのが狙い。タイでは「アジア債券市場育成イニシアティブ（ＡＢＭＩ）」により、現地政府や日本側の支援策で０４年から社債発行が進んでいる。
同年には同国でピックアップトラック首位のいすゞ自動車が、生産能力増強などを目的に１０億バーツを起債。すでに「ＩＳＵＺＵ」ブランドは浸透していたが、日本企業の現地通貨建て債券の発行に十分な実績がなく、日本の公的金融の信用保証を利用し、タイの機関投資家などに販売した。
経営再建中で資金調達に課題を抱えていた三菱自動車は、０５年に東京三菱銀行（現三菱東京ＵＦＪ<8306>銀行）の債務保証を伴った債券を５０億バーツ発行、設備投資資金などに充てた。トヨタは販売金融が中心となっている。

△先端露光装置「ＥＵＶ」、実用化２年遅れ－光源出力に課題
次世代半導体の製造技術として有望視される極端紫外線（ＥＵＶ）露光装置（用語参照）の実用化が２０１１年以降になることが濃厚となった。０９年の量産機投入が期待されたが、ＥＵＶ光源の出力不足が不安視されている。
半導体先端テクノロジーズ（セリート、茨城県つくば市）とニコン<7731>、キヤノン<7751>など日の丸半導体連合、ＩＭＥＣ（ベルギー）とＡＳＭＬ（オランダ）の欧州連合はいずれも０９年中に量産ひな型（プリプロダクション）機の投入を計画するが、生産性を量産水準に引き上げるにはさらに２年ずれ込む見通しだ。
ＥＵＶ露光装置は試験評価用の機械として現在、ニコンが東芝<6502>や富士通<6702>など半導体メーカー１１社が出資するセリートへの設置作業を進めている。蘭ＡＳＭＬは、研究機関のＩＭＥＣに納入済み。０７年下期からそれぞれ本格的なＥＵＶの評価を始める。
ニコン、キヤノン、ＡＳＭＬの露光装置各社は０９年に１時間あたりの生産枚数を表すスループットが５０枚程度のプリプロダクション機を投入する計画。だが、半導体メーカーが量産に用いるにはスループットを１００枚以上にしなければ採算ベースに乗らない。生産性を上げて実用化するには（１）ＥＵＶ光源の出力不足を解消（２）感度と解像度、線幅の凹凸を示すラインエッジラフネスの最小化などで平均して良好なデータを得られる感光剤（レジスト）（３）欠陥のないマスク―などの課題を解決する必要がある。このうちＥＵＶ光源が安定して５０―１００ワットを実現できるかが不透明となっている。このため、露光装置各社は、ＥＵＶ露光装置に関して「０９年実用化という市場要求は難しい」（ニコン）、「０９年は苦しい。早くても２０１０年」（キヤノン）、「２０１１年にはＥＵＶ露光装置の開発を終え、量産対応できる」（ＡＳＭＬ）とみている。半導体は、ロードマップ通りに回路線幅の微細化が進み、０９年に３２ナノメートル（ナノは１０億分の１）、２０１１年に２２ナノメートル台に達する見通し。現状の先端プロセスは６５ナノメートルで、回路を焼き付ける露光工程にはフッ化アルゴン（ＡｒＦ）液浸露光装置を用いている。同４５ナノメートル台までは現在のＡｒＦ液浸露光装置で対応できるが、３２ナノメートル以降は明るさを表すＮＡ（開口数）が低く対応できない。そこで、日欧の露光装置メーカーと研究機関がそれぞれ波長の短いＥＵＶを露光光源にする方向で研究開発を進めている。

△コーエー<9654>の加法人など、ゲーム開発要員を増強－北米市場で存在感
コーエーなどカナダ・オンタリオ州に現地法人を置く日本のゲーム会社が開発要員の増強を計画している。開発体制を強化し、新商品の投入サイクルを早めることで北米市場での存在感を高める。いずれの企業もコンピューター関連技術に強い地元の大学や職業専門校（カレッジ）から人材を採用し、開発力を高める方針だ。コーエーのカナダ法人であるコーエー・カナダ（トロント市）は、４４人の開発要員を抱え２ライン制で開発を進める。将来は要員を倍増し３ライン制を計画。現行の要員規模では年１作品の投入が限界といい、３ライン化により「年２作品前後は発売したい」（大竹敏生ソフトウエア開発部マネジャー）としている。コーエーは当初、北米向けの作品は日本の作品の移植で対応してきた。ただ北米と日本の利用者の趣向は異なり、単なる移植では販売に結びつかないと判断。そこでコンピューターグラフィックス（ＣＧ）スタジオだったコーエー・カナダで、０５年からオリジナル作品の開発を始めている。
開発要員を中期的に２倍強にまで増やすのはカプコン<9697>のカナダ法人のカプコン・インタラクティブ・カナダ（バーリントン市）。携帯電話向けゲームを開発し、現在の開発要員は２０人。計４ラインで開発を進め、６週間に１作品のペースで新作を投入している。湯浅緑社長は「３年後ぐらいには総勢４０―５０人にしたい」と積極策を検討。開発体制の強化により商品の投入サイクルを短期化し、市場でのシェア獲得につなげる。

△ＮＥＣ<6701>など、相次ぎ販促活動で「セカンドライフ」を活用
企業が３次元仮想空間「セカンドライフ（ＳＬ）」を販売促進活動で利用する動きが広がってきた。ＮＥＣは２７日、ＳＬを用いて携帯電話を利用した電子商取引サービス「トクトクポケット」の販促活動を始めたと発表した。ＳＬ上に「トクトクポケット島」を構築。サービスの内容や利用方法などを紹介し、現在数十万人のサービス会員数を１００万人に拡大する仕掛けにしていく。
ＫＤＤＩ<9433>は２７日、ＳＬ内に東京・原宿に実在する展示スペースをモチーフにした「ＫＤＤＩデザイニングスタジオ島」を開設した。携帯電話サイトとパソコンサイトを統合して「ａｕ　ｏｎｅ」とするのに合わせて体験型のプロモーションを展開。「リスモ」などキャラクターと遊べるアトラクションを用意するほか、新端末の投入と連動したイベントを開催していく。ＳＬ内に仮想放送局「汐留島」を開設し、番組制作や動画配信を計画するのが日本テレビ放送網。ニューススタジオなどを設け番組制作の様子が見学できるようにする。また現実に放送する新番組を全編ＳＬ内で収録。仮想世界と放送を連携させた取り組みは世界初という。

△ウィルコム、オフィスとＰＨＳ間通話の定額サービスを開始
ウィルコムは２７日、企業向けにオフィスの電話と同社のＰＨＳ電話機間の音声通話を定額で利用できるサービス「Ｗ―ＶＰＮ」を１０月下旬に始めると発表した。ＰＨＳには内線電話番号が付けられ全国どこでも内線番号で着信ができる。利用にはウィルコム定額プランや法人向け定額プランへの加入とＰＨＳ１台あたり月額３１５円が必要。さらに専用回線費用が初期費用１万５００円と１回線あたり月額５２５０円がかかる。サービスは企業の内線網の交換機（ＰＢＸ）と同社のＰＨＳ網を専用線で直結することで可能になる。
すでにＮＥＣ<6701>や富士通<6702>など１３のＰＢＸメーカーとサービスの提供で合意した。ウィルコムはＰＨＳ電話間での２４時間通話定額サービスを提供。新サービスは通信料金の削減に取り組む企業に提案していく。

△シャープ<6753>、コントラスト比向上した液晶ディスプレー開発
シャープは２７日、車載用では業界最高のコントラスト比（黒と白の対比）を従来品比６６％高い２５００対１にした新型液晶ディスプレーを開発したと発表した。視認性が高く、深みのある黒色を表示できる。インストルメントパネル（インパネ）に計器類を表示する用途などを提案し、高級車を中心に受注を見込む。シャープは車載ディスプレー事業について販売目標を明らかにしていないが、市場は東芝松下ディスプレイテクノロジー（東京都港区）とシャープが二分している。シャープはインパネなどの新規用途を開拓して、車載用ディスプレー事業を伸ばす。

△日立<6501>、電気製品内の熱流体の動きを自動解析する技術開発
日立製作所は電気製品の内部で発生する熱や気流などを自動的に解析するシミュレーション技術を開発した。解析対象の製品を微小な六面体に分割した３次元データ（メッシュ）で表し、これを基にスーパーコンピューターで熱流体の振る舞いを計算して画像化する。手作業でメッシュを作成していた従来法に比べ、解析時間を約６分の１に効率化できる。すでに社内の製品設計に導入、記憶容量１テラバイトのハードディスク駆動装置（ＨＤＤ）部品の開発期間を約１カ月短縮した。２８日に茨城県日立市の茨城大学で開かれる茨城講演会で発表する。電気製品の高性能化に伴い、製品内部の熱流体現象を定量的に予測することで最適な部品を効率よく実装することが求められている。一般に製品の精密化で部品形状も複雑になり、解析に膨大な時間を要していた。

△神鋼<5406>、米国で硬質膜コーティング受託加工事業に参入
神戸製鋼所は２７日、米国で硬質膜コーティング受託加工事業に参入すると発表した。１０月１日から、子会社のコベルコ・アドバンスド・コーティング・アメリカ（ＫＯＢＡＣ、イリノイ州バファローグローブ市）で、自動車部品メーカーを中心に工具や金型、機械部品メーカー向けの営業を始める。国内と合わせ、２０１０年度までに２０億円の売り上げを目指す。ＰＶＤ（物理的蒸着）被膜形成装置を使い、工具や金型、部品の表面をコーティングして耐摩耗性や耐久性を引き上げるサービス。製品寿命を２―１０倍程度に高められ、欧州や日本を中心に市場が拡大。神鋼によると、成長率は年１０％以上で、０６年は世界で９５０億円の市場を形成している。

▼１０月の工作機械受注予測ＤＩ、８．７ポイント減少
日本工作機械工業会が２７日発表した９月の工作機械短期受注観測調査によると、１０月の工作機械受注予測ＤＩ（「増加または良い」と答えた企業の割合から「減少または悪い」と答えた企業の割合を引いた値）は、足元と比べて８・７ポイント減少の６・０となった。内需、外需の項目の多くが伸び悩んだ。９月の好調な受注状況に反動したと見られる。内需の業種別のＤＩは、一般機械が前月比４・４ポイント減少と低迷した。自動車は同１・５ポイント、電気・精密は同３・１ポイントとそれぞれ軒並み減少した。一方で外需の地域別のＤＩと見ると、欧州は横ばいとなっており、引き続き好調に推移する模様だ。アジアは同１・４ポイント減、北米は同１・７ポイント減と低調だった。同工業会は「７、８月の数字に落ち着いた」としている。

△アマダ<6113>、加工時間を４７％短縮したレーザー加工機を発売
アマダは加工時間を同社従来機比４７％短縮したレーザー加工機「ＬＣ―３０１５Ｆ１ＮＴ」を１１月に発売する。プラスマイナス０・０１ミリメートルの位置決め精度を実現した。レンズ交換なしで薄板から厚板まで加工できる。レーザー発振器の出力は４キロワット。価格は６５００万―１億円。月産２５―３０台を計画している。Ｘ、Ｙ、Ｚの３軸すべてをリニア駆動とした。さらに応答性を６４倍高めたＮＣも採用し、高速・高精度加工を実現した。早送り速度は毎分１２０メートル、加工速度は同６０メートル。加工時間の短縮により、部品１個にかかる加工コストを同５６％削減する。また、材質に応じてビームを制御する技術を確立し、レンズ交換を不要とした。

△日野自<7205>、いすゞ<7202>との提携強化－変速機などコアユニット共通化
日野自動車の白井芳夫副社長は日刊工業新聞社とのインタビューで、いすゞ自動車との提携を強化する方針を明らかにした。ディーゼルエンジンや変速機など多大な投資を必要とする「コアユニットはなるべく共通化し、互いに融通していけばいい」などと述べた。日野といすゞは８月にディーゼルエンジンの排出ガス後処理装置と大型トラック用キャブ（運転台）の共同開発で基本合意した。協業を一段と深めて広範な分野で量産効果を引き出し、世界での存在感を高める。白井副社長は「日本のトラックメーカーの品質は世界で戦うレベルにある。米国での評価も高い」としたうえで、商用車部門の売上高が５兆円を超える世界最大のトラックメーカー、独ダイムラークライスラー（ＤＣ）などを引き合いに「日野といすゞの売上高を合わせても２兆９０００億円程度。世界トップ３に入らない。

△日産<7201>、欧でのフォーク事業強化へスウェーデン社と戦略立案組織を設置
日産自動車は年内に買収するスウェーデンの中堅フォークリフトメーカー、アトレットエービー（メンリッケ）と、購買や品質保証、販売、商品開発などに関する戦略立案組織「クロスカンパニーチーム」を１２月に立ち上げる。日産はアトレットの買収でフォークリフトの欧州事業を強化することになるが、中長期には北米やアジア向けにアトレットとの共同開発商品の投入を視野に入れている。同チームに専門部会を設置し、世界規模での相乗効果を探る。日産自動車によるアトレットエービーの買収には、欧州共同体（ＥＵ）委員会の認可が必要。「１１月中にはＥＵより買収の許可が得られる見通し」（青木俊雄日産自動車執行役員産業機械事業部長）で、日産はＥＵの認可取得後、速やかにクロスカンパニーチームを組織する。

△乗用車８社の８月生産・販売・輸出、日産<7201>が２８カ月ぶり全項目プラス
乗用車８社が２７日発表した８月の生産・販売・輸出実績によると、日産自動車が２８カ月ぶりに全項目で前年実績を超えた。日産は国内生産が「スカイライン」や北米向けスポーツ多目的車（ＳＵＶ）「ローグ」などが大きく伸びて２０カ月ぶり増。海外生産も米国を除く各地域で躍進し、８月では過去最高だった。
世界生産はトヨタ自動車<7203>、日産、ホンダ<7267>の“日系ビッグスリー”とスズキ<7269>の４社が８月単月で過去最高。海外生産で過去最高だったのは日産のほか、トヨタ、ホンダ、スズキ、ダイハツ工業<7262>。５社とも欧州やアジアで生産を拡大し、このうちトヨタの中国生産は「カムリ」「カローラ」が好調で、前年同月比４５・３％増と大幅な伸びを示した。日産は、新型「キャシュカイ」と「ノート」が好調だった英国や「ナバラ」が伸びたスペインでともに２ケタ増だった。

△日本精工<6471>、電動パワステと一体化した小型可変舵角機構を開発
日本精工は、電動パワーステアリング（ＥＰＳ）と一体型の可変舵角機構を開発した。ステアリングコラムに搭載するコラム式ＥＰＳと可変舵角機構を一体化して従来製品より小型化。同機構が採用されていない中小型車でも搭載が容易。完成車メーカーに売り込み、５年後以降新型車での採用を目指す。可変舵角機構はハンドルを操作した角度と前輪の切れ角を自動調整する。街中では車輪の切れ角を大きくとって小回りをきかせ、高速道路では小さくして車を安定走行させられる。現在、トヨタ自動車の「レクサス」など高級車で採用されている。新開発の機構は、鋼球と偏芯歯車を用いた独特の「ボール減速機」を採用。厚さは約４センチメートルと従来品の半分程度に薄くした。独自の電子制御ユニット（ＥＣＵ）とモーターで制御。操舵角に対し車輪の切れ角を通常の０・５―１・５倍まで自動的に変えられる。

△石油元売り各社、製品卸値引き上げ
石油元売り各社はガソリンなど石油製品の卸値引き上げに再び動き始めた。
新日本石油<5001>は系列特約店に卸す仕切り値を１０月から１リットル当たり前月比４円上げることを決定。
昭和シェル石油<5002>も同２・２円増を決めた。８月に２週にわたって過去最高値（８７年の統計開始以降）を記録して以来、値下がりが続くガソリンだが、再び最高値をうかがう可能性が高くなった。新日石では原油高を背景に３月から６カ月連続で仕切り値を引き上げてきたが、８月に原油価格が軟調となり９月は据え置き。２カ月ぶりの引き上げとなり、中村雅仁常務は「史上最高値を更新する原油と連動し、ガソリンも再び最高値を更新する可能性がある」。
出光興産<5019>はすでに１６日から１円程度を引き上げ済み。
ジャパンエナジー（新日鉱ＨＤ<5016>）も追随するものと見られる。

△東洋紡<3101>、車関連向け事業拡大へ国内営業・海外生産を強化
東洋紡は自動車関連向けビジネスを拡大するため、国内の営業体制と海外のコンパウンド生産体制を強化する。自動車向け高機能樹脂（エンジニアリングプラスチック）の需要が好調なためで、ユーザーニーズにあった素材提供体制を整える。０６年度の化成品事業の売上高は、フィルムや接着剤を含め１２４６億円。このうち自動車関連向けはおよそ１０％で、２０１５年には約３倍の４００億円弱を目指す。顧客に密着した営業体制を構築するため、１０月に広島営業所を開設する。来年には宇都宮に駐在員事務所開き、将来的には営業所に格上げする。従来は大阪や東京の営業部がカバーしていたが「国内の体制を整えて、まずは国内での採用を増やしていく」（中村英弘エンプラ事業部事業部長）戦略。また自動車メーカーの海外展開をにらみ、インドへの供給拠点としてタイでコンパウンドの自社生産を決めた。

△スズケン<9987>、静岡・掛川市に医療用医薬品の物流拠点を完成
スズケンは２７日、医療用医薬品の物流拠点「掛川商品センター」（静岡県掛川市）を完成、１０月１日に稼働すると発表した。静岡全県を担当、県内の医療機関や薬局に当日配送を可能にした。敷地面積１万１０５７平方メートル、２階建てで延べ床面積９４６７平方メートル。投資額は建物と設備を合わせ１６億円。１万８０００品目を保管し、新システムでロット番号や有効期限を管理できる。向精神薬などの保管庫に指静脈認証を採用するなど防犯にも配慮した。同社の商品センターは小商圏向けの物流拠点。今後、新潟、金沢、九州にも設置する計画。

△タカラバイオ<4974>、感度を高めた汎用食肉検査キット発売
タカラバイオは従来の食肉検査キットより汎用性と感度を高めた「サイクリーブＰＣＲ肉種判別キット（６種）」を発売した。従来品は同社製の専用検査装置にしか対応していなかったが、新製品は他社製でも活用できる。１キット２０検体用で価格は７万８７５０円。数千万円の売り上げを目指す。デオキシリボ核酸（ＤＮＡ）を増幅しながら同時に種判別も行える「リアルタイムＰＣＲ装置」に用いる試薬。ウシ、ブタ、ニワトリ、ウマ、ヒツジ、ウサギの６種の判別が行える。従来品は１００ピコ（ピコは１兆分の１）グラム以上のＤＮＡ量がないと試薬が反応しなかったが、新製品は１ピコグラムあれば反応するので、混入量が少なくても精度の高い肉種判別が行える。食肉偽造事件の発生などで検査需要が高まっている。原料肉表示に対する不信が高まる中、汎用性や高感度製品を求める市場ニーズに対応した。

△ＴＯＴＯ<5332>、幼児向けトイレ発売
ＴＯＴＯは２７日、保育園や幼稚園向けにユニバーサルデザインの水まわり器具「キッズトイレスペース」を開発、１０月１日に発売すると発表した。便器の高さや形状を工夫し、子どもの成長に合わせて使いやすくした。大便器２品、小便器１品、洗面台１品、手すり３品を用意した。価格は大便器が１０万５４７３―２３万７９８３円。初年度、大便器と小便器で５０００台の販売を見込む。大便器は１、２歳用と３―５歳用の２種類。１、２歳用は楕円形で、またがっても使用できる。小便器は壁掛けタイプにし、高さを自由に決められるようにした。ナノレベルで便器表面を平滑にして汚れにくくする独自技術「セフィオンテクト」を採用し、毎日の清掃を簡単にした。

△日本レップ<8992>、大型物流施設開発へ栃木・足利に６万平方ｍ超確保
日本レップは２７日、栃木県足利市の足利インタービジネスパークに、同社にとって最大となる敷地面積６万７２２７平方メートルの土地を取得したと発表した。０８年夏以降の完成予定で、大規模物流施設の開発計画を進める。投資総額は約８０億円。「Ｊレップロジステーション足利ＩＩ」として同産業団地内で２件目となる。北関東自動車道の２０１２年開通を見据え、首都圏北部の物流拠点としての活用を促す。同社の契約で足利インター・ビジネスパークの分譲が完了した。同日、足利市内で約６０人の関係者を前に分譲完了報告会が開かれ、吉谷宗夫足利市長が「予定より早く完売し、足利のポテンシャルを再認識した」とあいさつ。和本清博日本レップ社長も「熱心に誘っていただき感謝している。地域発展に貢献したい」と述べた。

△ローソン<2651>、郵政公社内に出店－民営化で提携さらに発展
ローソンが東京・霞が関の日本郵政公社内に１０月１日にコンビニエンスストアを出店することが２７日明らかになった。今回、１日付で郵政公社が民営化されるのを機に本社内に出店する形となる。今後、民営化で提携関係の発展に弾みがつく可能性もある。ローソンと郵政公社は業務提携し、郵便局内にローソン店舗を出店するポスタルローソンの展開などに取り組んできたが、“本社”への出店は両社の親密ぶりを示す格好だ。出店するのは地下１階で、通常のローソン店舗を出店する予定。両者は０２年の提携以来、ローソン全店での郵便小包「ゆうパック」の取り扱い、郵貯との現金自動預払機（ＡＴＭ）提携、高知県で共同配送の実験など実績を積み上げているが、今後、民営化で制約も少なくなることから、事業協力が増える可能性もある。
（日刊工業新聞）

△ビジネス用ノートＰＣ刷新　松下<6752>、海外販売７・５倍へ
松下電器産業は２７日、ビジネス向けの小型ノートパソコン（ＰＣ）「レッツノート」シリーズの海外展開を本格化し、２０１０年に同シリーズの海外販売台数を０６年比７・５倍の１５万台に引き上げる計画を発表した。松下が持つ海外販社に販売専門部隊を設け、ノート型の成長市場と見込まれる欧州を中心に大幅な拡販を実現する考えだ。東京都内で同日開かれた新製品発表会で、パナソニックＡＶＣネットワークス社の高木俊幸・ＩＴプロダクツ事業部長が明らかにした。高木事業部長は、「今後、新商品は国内外で同時発売する。レッツノート事業を海外市場で必ず成長させる」と述べた。松下はノートＰＣに特化した戦略をとっている。作業現場向けの「タフブック」シリーズは海外販売が中心だが、レッツノートは国内が大半だった。欧州や北米では無線通信環境の整備が進み、ビジネス向け機種が年率約１５％伸びると予想されている。需要拡大を見込む松下は、主に法人向けに２０～３０人のレッツノートの販売専門部隊を置くとともに、修理などのサービス拠点も拡充。今後は販売状況をみながら、「日米欧以外の国でも販売態勢を強化する」（高木事業部長）方針だ。この日、松下が発表したレッツノートの新モデルは「Ｗ７」「Ｔ７」「Ｒ７」「Ｙ７」の４機種で、日米欧で１０月１９日から順次、発売する。机とほぼ同じ７６センチメートルの高さから落下させても問題なく稼働する耐久性能を全機種で確保したほか、ＣＰＵ（中央演算処理装置）や通信管理装置はインテル社の最新型を採用している。
（FujiSankei Business i）