9/27 朝の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

■過払い利息　破綻のクレディア<8567>、返還額大幅減へ
破綻した消費者金融のクレディアが、利息制限法の上限金利を超えて契約者が払い過ぎた利息（過払い利息）の請求権について、銀行融資など一般債権と同列に扱う方針を債権者集会で示したことが分かった。消費者金融が破綻した場合に過払い利息の全額返還を保障するルールがないため。８～９割は返還されない可能性が高い。

△西濃運輸（セイノーＨＤ<9076>）　納品代行パックを共同開発　首都圏で展開
西濃運輸は２６日、東京納品代行と新商品「納品代行パック」を共同開発し、１０月１日から首都圏の１９百貨店７７店舗向けにサービスを開始すると発表した。順次、名古屋圏や関西圏の百貨店へも拡大する。「納品代行パック」は、メーカーなどが支払っていた納品代行業者までの運賃と代行料金の支払いを一本化する。
（毎日新聞）

△任天堂<7974>の時価総額、遂に国内2位に
大阪証券取引所に上場する任天堂の株価が、9月26日の終値で59800円(前日比+600円)となり、時価総額でキヤノン<7751>を抜いて、トヨタ自動車<7203>に次ぐ国内第二位となりました。時価総額は8兆4718億円です。まだ7月26日につけた61800円には達していませんが、世界的な株安傾向が続いており、その中でも踏みとどまった、あるいは東京ゲームショウでも出展はないものの存在感を示したことで買われたのでしょうか、初の国内二位となりました。ちなみにトヨタ自動車の時価総額は23兆円。時価総額は株価×発行済み株式数で算出。
（インサイド）

△山武<6845>、テーラーメード医療向けＤＮＡチップ開発で独社と提携
山武は臨床試験受託事業を行う独ＣＥＮｉＭＥＤ（セニメド、ベルリン）と、デオキシリボ核酸（ＤＮＡ）チップ（用語参照）事業で提携する方針を固めた。山武は一度に多品種のＤＮＡを合成できるチップの製造技術を持つ。この技術とセニメドのチップ解析技術を融合し、個々の患者に最適なテーラーメード医療向けのチップを０８年以降に開発。医薬品の有効性の個人差を分析する製薬会社などに提供する。山武とセニメドは「臨床開発用アプリケーション」で、個人の遺伝子差異に応じた治療を行うテーラーメード医療に適するチップを開発する。チップの主な利用法は、開発中の医薬品と個人特有の代謝酵素をチップに組み込んで反応させ、有効性を判別して個人に適した薬の種類や量を探ることなどを想定。今後、具体的な開発の内容・体制、市場投入時期などを詰める。山武は顧客が求める配列のＤＮＡを１枚のチップ上に８０種類以上合成できる技術をフランスの研究機関から取得。この技術を用いたチップ「ジェムキー」を開発し、０６年から試作品を出荷している。一方、製薬会社などから臨床試験を受託するセニメドは、チップの分析ノウハウや顧客網を持つ。両社の技術や経営資源を活用し、欧米市場を中心に提供する。セニメドは欧州でトップクラスの受託検査会社。今回の協業は「ジェムキー」を拡販したい山武と、テーラーメード医療向けの臨床試験支援事業に乗り出したいセニメドの思惑が一致したと見られる。

△ＮＴＴ<9432>東、ＣＡＴＶ２社と代理店契約－光回線普及へ連携強化
ＮＴＴ東日本はケーブルテレビ（ＣＡＴＶ）局との連携強化の第１弾として、宇都宮ケーブルテレビ（宇都宮市）、狭山ケーブルテレビ（埼玉県狭山市）とそれぞれ代理店契約を結んだ。ＮＴＴ東が提供する光回線サービス「Ｂフレッツ」やＩＰ電話「ひかり電話」などを２社がそれぞれの提供エリアで販売する。ＣＡＴＶ局にとって、ＮＴＴの光回線サービスは自社の顧客を奪われる最大のライバルだった。しかし通常のＣＡＴＶ回線ではインターネットの通信速度は毎秒最大２０メガ―３０メガビット程度で、ＮＴＴ東のＢフレッツの同１００メガビットと比べて見劣りする。そのため２社は高速回線を希望する利用者に対しＮＴＴ東の光回線を提供する、という共存共栄策に転換することを決断した。ＮＴＴ東も光回線を普及する上で、多数の顧客を抱えるＣＡＴＶと組むことが得策として連携を働きかけていた。双方にとって思惑が一致した結果、契約の締結が実現した。代理店契約により宇都宮ケーブルは、Ｂフレッツや映像配信サービス「オンデマンドＴＶ」の提供を始めた。狭山ケーブルは１０月にＢフレッツの提供を開始し、「ひかり電話」も順次導入する計画。両社の主力サービスである多チャンネル放送サービスは引き続き独自に提供する。通信事業者とＣＡＴＶとの連携では、ＫＤＤＩがＣＡＴＶの統括運営会社ジャパンケーブルネット（ＪＣＮ）を買収。またＩＰ電話サービス「ケーブルプラス」を約３０社に提供するなど先行している。ＮＴＴはＢフレッツの普及でＣＡＴＶとの連携を強化する方針で、地域密着型のＣＡＴＶ局と大手通信事業者との連携は今後加速することが予想される。

△日立ハイテク<8036>、生産性２０％向上のモジュラー型チップマウンター開発
日立ハイテクノロジーズは半導体や抵抗・コンデンサーなどの電子部品実装に用いるモジュラー型のチップマウンター「ＧＸＨ―３」と「ＧＸＨ―３Ｊ」を開発した。サーボモーターに直接ノズルを付けたダイレクトドライブヘッドのほか、Ｘ・Ｙ駆動軸にリニアモーターを採用。これにより一時間当たりの生産性を表すスループットを従来機比２０％引き上げ、毎時９万５０００チップの搭載を可能とした。０８年度に新型機を含めてチップマウンターを８５０台販売し、同年度に世界シェア２０％獲得を目指す。新型機は実装部分が二つあるＧＸＨ―３と一つのＧＸＨ―３Ｊ。ＧＸＨ―３Ｊはスループットが半分の毎時４万７５００チップとなる。国内標準価格６０００万円（ＧＸＨ―３）で１０月に発売する。デジタル家電や携帯型情報端末、ノートパソコンなどが小型化するに伴い、電子部品の寸法も１・０ミリ×０・５ミリから０・６ミリ×０・３ミリメートルの小物が主流になっている。このため、新型機は一つのヘッドで０・４ミリメートルから異形部品まで実装できるものを採用した。チップマウンターは日立ハイテクのほか、パナソニックファクトリーソリューションズ（大阪府門真市）や富士機械製造、独シーメンスなどが手掛けている。このなかで日立ハイテクは、ガントリー構造のビーム部分の両端をリニア駆動にするなど、実装精度の向上などによって製品差別化を図っている。一方で埼玉県熊谷市に新工場を建設し、チップマウンターを月１００台（年１２００台）安定的に生産できる体制を構築して増産に乗り出す計画を進めている。需要が拡大している海外、特に需要の半分が中国向けになっているため同地域で拡販する。

△富士通<6702>オフィス機器、ＩＴインストラクター対象の新人材活用制度を導入
富士通オフィス機器は、主力のＩＴ利用者向け研修サービス事業を担うインストラクター約３００人を対象とした新たな人材活用制度を１０月１日に導入する。明確な人材区分がなかったインストラクターを能力に応じて４段階に分け、サービス内容を顧客に分かりやすく提案する体制を確立。同時にコンサルティングや企画ができる人材の育成にも役立て、０８年度に売上高１００億円（０６年度は８４億円）の目標達成に弾みをつける。新制度は同日付で「富士通エフ・オー・エム」へ社名を変更するのに合わせたサービス強化策の一環。区分の最上位にはＩＴ活用全般のコンサルティングができる「トレーニングコンサルタント」、次いで情報セキュリティアドミニストレータなどの資格を保有し業務効率化に向けた企画・提案ができる「トレーニングプランナー」を設けた。以下、パソコン検定１級などを持ち顧客ニーズをもとに研修カリキュラムを作成できる「トレーニングアドバイザー」、基本的な指導ができる能力と初級システムアドミニストレータなどの資格を持つ「インストラクター」を設定した。新制度の導入によりインストラクターの能力やサービス内容を顧客企業に「見える化」。業務システムなどのパソコン操作指導に加え、業務効率化に向けた顧客企業の課題抽出や問題解決に向けたコンサルティングまでのサービスを提案していく。富士通の完全子会社である同社は、８１年設立で従業員４７９人の約８割が女性。研修サービス事業に加え、マニュアルやｅラーニングの作成事業も展開している。

△ＮＥＣ<6701>、大量データの高速処理実現するミドルウエア２種発売
ＮＥＣは２６日、サービスプラットフォームの中核となる大規模で高速なトランザクション処理を実現するシステム設計概念「パラレル・ストリーム・アーキテクチャー」を確立し、それに基づくミドルウエア（基盤ソフト）２製品を発売したと発表した。新アーキテクチャーは、一秒当たり数万件のオンライン処理性能をバッチシステム並みの低コストで実現できる。発売したのは大量データの高速トランザクションを実現する「ウェブＯＴＸパラレル・ストリーム・モニター」と、大量データをメモリーテーブルで高速処理する「インフォフレーム・テーブル・アクセス・メソッド」。両製品とも基本ライセンスが２６０万円。３年間で３０システムの販売を見込む。同モニターは複数データの一括入力、一括更新確定によりトランザクション処理の負荷を低減。業務ソフトの変更なしに負荷に応じたシステム拡張や動的な変更を実現する。併せてファイルも二重化し可用性や信頼性を高めた。同メソッドは独自開発のリアルタイム（即時）データ管理ソフト。処理量が増大化してもデータ構造などを変更せず、ＣＰＵの増設によって台数の増加に比例した性能の向上が可能。複数の物理回線を同時使用する高信頼の方式によりデータの消失リスクを解消した。

△ネットケア、仮想プラットフォーム型ホスティングサービスに参入
インターネットイニシアティブ<3774>（ＩＩＪ）グループのネットケアは、複数ユーザーでサーバを共有しながら、あたかも自社だけでサーバを占有しているかのように使える「仮想プラットフォーム」型のホスティングサービス事業に参入する。情報システム業務の外部委託を検討する中堅中小企業を主要需要層に位置付け１０月１５日に提供を開始。０８年３月までに３０社の顧客獲得を目指す。新サービス「ネットケア　仮想プラットフォームサービス　ｆａｓｔ」は、米ＶＭウエアの仮想化ソフトウエアを利用し、現実のサーバ上に顧客ごとの専用環境を提供する。これにより顧客はウィンドウズやリナックスなど任意の汎用ＯＳを利用して自由にシステムを構築することができる。価格はメモリー１ギガバイト、ハードディスク容量５０ギガバイト、共用インターネット接続回線毎秒１ギガビットの基本仕様が初期費用３０万円、月額利用料が１４万８０００円。万一サーバに障害が発生した時は、瞬時に別のサーバに専用環境を移動させてシステムの運用を維持できる。また特定の顧客システムの情報処理量が高まると別のサーバに処理を分散化し、他の顧客のシステム運用に悪影響が及ぶことを防止するなど徹底した安定運用を実現する。通信事業者などが提供するサーバを客が借りて自社システムを構築するサーバホスティングは、中小企業に活用が広がっている。しかし従来型のサービスは通信事業者側が提供する特定のシステムを使う必要があり、他の顧客の運用状況が自社の運用にも影響する可能性があるなど課題があった。

△キヤノン<7751>とエプソン<6724>、家庭用プリンターの年末商戦向け新製品
インクジェットプリンター２強のキヤノンとセイコーエプソンの年末商戦向け新製品が２６日、出そろった。キヤノンは同日、Ｌ判写真を１８秒で印刷できる「ＭＰ６１０」などインクジェットプリンター「ピクサス」７機種を１０月４日に、昇華型写真プリンター「セルフィー」１機種を１０月１８日に発売すると発表。両社とも０７年に家庭用インクジェットプリンター（キヤノンは昇華型との合計）で５０％以上というシェア目標を掲げた。両社とも重視したのは、写真をきれいに簡単に印刷できる自動補正機能。キヤノンの新製品には従来の顔検出に加え、夜景など場面に応じてコントラストや逆光補正をする機能を搭載。セイコーエプソンは人物の顔を写真に撮った時、実物よりも０・５―１・５％太く見えるという調査結果を元に顔を小さく見せ、同時に肌色補正を強化した「ナチュラルフェイス」機能を搭載した。家庭用プリンターのユーザーは写真愛好家から初心者まで。３０―４０代のファミリー層を中心にして２０代から６０代までの層でもある。「どの層が特に多いということはない」（キヤノンマーケティングジャパンの芦澤光二専務）という市場でどれだけ幅広い層を取り込めるか。プリンター本体の販売の伸びが鈍化してきた中で、両社の新製品は需要を掘り起こす戦略の試金石になる。

△日立マクセル<6810>、超臨界ＣＯ２活用し六価クロム不使用のメッキ技術開発
日立マクセルは２６日、プラスチックメッキの分野で、前処理に超臨界二酸化炭素（ｓｃＣＯ２）を活用することにより、六価クロムを使用しない環境配慮型の新技術を開発したと発表した。「自動車部品業界などで新技術の潜在需要を探りたい」（谷口富蔵専務）としており、０８年以降の事業化を目指す。新技術は、六価クロムフリーながら、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン（ＡＢＳ）樹脂だけでなく、２００度Ｃ以上の高熱に耐えられるポリアミド（ＰＡ）、ポリフタルアミド（ＰＰＡ）といった高機能樹脂（エンジニアプラスチック）にも適用可能。１センチメートルあたり１０ニュートン以上の密着強度のほか、膜厚２０マイクロメートル以上のメッキ層も形成できる。ｓｃＣＯ２にパラジウム錯体を溶解し、プラスチック表面にメッキをしやすくするパラジウムを浸透させる。その後、ｓｃＣＯ２を使ってニッケルメッキ液による「無電界メッキ」を行うことなどで実現した。プラスチックメッキには六価クロムが不可欠だった。しかし、欧州の特定化学物質規制（ＲｏＨＳ）では有害物質として使用が規制されていることもあり、六価クロムフリー化の新技術が求められていた。

△ダイハツディ<6023>の舶用エンジン、中国の技術供与先が増産
ダイハツディーゼルが舶用エンジンのライセンスを供与している中国の２社は、０７年度内に同エンジンを増産する。２社は工場を新設、増築し、０７年度内に生産能力を高める。０８年度に中国で生産されるダイハツディーゼルブランドのエンジンは、０７年度見込み比で約７０％増の６００台体制となる見通し。造船グループの中国船舶工業総公司（ＣＳＳＣ）と中国船舶重工業公司（ＣＳＩＣ）へ供給を拡大する。ダイハツディーゼルの舶用エンジンを増産するのは、安慶船用柴油机廠（安徽省）と陜西柴油机重工（陝西省）。安慶船用柴油机廠はダイハツディーゼルの補機エンジン「ＤＫ２０」を増産するため、新工場の建設に着工した。一方、これまで内航船の走行用主機エンジン「ＤＫ２８」を生産していた陜西柴油机重工も、新たにＤＫ２０の生産を始める。０７年末から０８年にかけて建屋を増築し、生産体制を整える。

△８月の射出成形機受注、９．８％増の１４８４台－中国向け回復
業界筋がまとめた８月の射出成形機の受注台数は、前年同月比９・８％（１３２台）増の１４８４台となった。３カ月連続で前年同月比増加。型締め力別で小型から中型クラスの輸出が好調に推移した。中国向けに回復の兆しが出てきたことに加え、東南アジア向けが引き続き増加した。内外需別では、国内は前年同月比１１・６％（６０台）減の４５９台、輸出は同２３・０％（１９２台）増の１０２５台。国内は１１カ月連続で前年実績を下回った。業界筋は「現状では秋口からの受注回復も期待できない」と見通す。輸出は２カ月連続で同増加。また２カ月ぶりに１０００台を超えた。マレーシア、タイでは家電向けが堅調。中国はＩＴ関連向けの受注が回復した。またベトナム向けも活発になってきたという。

△水道機工<6403>、高濃度・高安定化の水処理用ポリシリカ鉄凝集剤を開発
水道機工は、保存安定性と有効成分濃度を高めた水処理用ポリシリカ鉄凝集剤（ＰＳＩ）を開発した。ＰＳＩは温度上昇や高濃度化に伴いゲル化する性質があり、従来は有効成分濃度４％で保存安定性が３カ月程度だったが、これを約１年に向上した。有効成分濃度８％のＰＳＩも実用化した。来春をめどに高濃度・高安定ＰＳＩを販売する計画で、全国への安定供給に向けて製造拠点も現在の５カ所を１０カ所に倍増する。ＰＳＩは鉄とシリカが主成分で、藻類や有機色度成分に対する凝集作用が高いのが特徴。現在、浄水場で多く使われているアルミニウム系凝集剤は処理水や発生土にアルミニウムが残留するため人体や環境への影響が懸念されている。ＰＳＩは処理能力が高く、発生土も農地還元できるため、同社は今後ＰＳＩの需要が急増すると見ている。

△中部電<9502>、豪ＬＮＧの輸送に自社船を検討
中部電力は自社の液化天然ガス（ＬＮＧ）船導入の検討を始めた。年間１５０万トンのＬＮＧを買い取る基本合意を結んでいる、豪州の「ゴーゴンプロジェクト」からのＬＮＧ輸送用。同プロジェクトのＬＮＧ生産が始まる２０１２―２０１３年ごろの運航開始を考えている。本格導入となれば積載量１４万立方メートル級の船が２隻は必要で、４５０億円程度の設備投資になる。自社ＬＮＧ船の保有は同社で初めて。中部電力はゴーゴンプロジェクトからのＬＮＧ購入を、自前で輸送手段を手配する本船渡し価格（ＦＯＢ）で行う予定。他社が保有する船を利用料金を支払ってチャーターする方法もあるが、自社ＬＮＧ船を使うことにより、輸送コストの低減と取引自由度の拡大を図る考え。中部電は主に発電用の燃料として、インドネシアやカタールなどから、年間約１０００万トンのＬＮＧを購入している。

△三菱ウェルファーマ（三菱ケミカルＨＤ<4188>）、信頼性向上へ医薬品の安全対策を強化
三菱ウェルファーマは、信頼性保証本部を核とした医薬品の安全対策の強化に乗り出す。１０月１日の田辺製薬との合併後、信頼性保証本部長を筆頭メンバーとする「品質・安全性連絡協議会」（仮称）を設置する。ほかにも同部内に国際安全管理部を新設。さらに利用者の相談受け付け業務など安全に関する情報の一元管理で、顧客からの信頼性向上に結びつける。医薬品の安全性をアップするのが狙い。品質・安全性連絡協議会は関連会社の保証部門責任者など約１０人で構成、グループ企業間の連携を強化する。一方、海外に対しては国際安全管理部を信頼性保証本部内に置く。メンバーは約３５人。情報のグローバル共有化により、海外事業の展開を加速できる環境整備に取り組む。

△児玉化学<4222>、神奈川・湘南に車用樹脂部品の新工場
児玉化学工業は２６日、神奈川県湘南地区にバンパーなどの自動車用樹脂部品を生産する工場を新設すると発表した。横浜工場（横浜市戸塚区）の機能を全面移管し、０９年稼働の予定。総投資額は３０億円強の見込み。また今後は東北地域でも工場新設を検討し、国内での生産体制を強化することを明らかにした。自動車部品専用工場の横浜工場は老朽化が進み設備拡張などにも制約があることから、新工場に機能を移す。新工場には最新ラインを導入、生産効率化などを進め、競争力を強化する。具体的な工場用地は現在選定中で、年内に取得の予定。また移管に伴い横浜工場の用地は売却、従業員は新工場に移る計画。一方、東北については、需要増が見込める自動車部品や住宅設備関連製品などの生産拠点を確保したい考え。今後の受注動向などを見極めたうえで具体化する方針だ。

△前田道路<1883>、廃材をエネルギー活用する舗装材工場が完成
前田道路は２６日、バイオマスエネルギーでアスファルト混合物を製造する舗装業界初の工場を、自社の東京総合合材工場（東京都江東区）に完成させた。１０月から本格稼働する。建設廃材の木くずを新エネルギーとして活用することで、年間で利用している化石燃料の４５―５０％に当たる１４００キロカロリー（原油換算）、二酸化炭素（ＣＯ２）の排出量を３７００トン削減できるという。建設したのは熱分解ガス化炉によるバイオマスコジェネレーション（熱電併給）施設。解体業者、ハウスメーカー、産業廃棄物業者から引き取る廃材をチップ化し、間接加熱式ロータリーキルン炉でいぶし、ガスと炭化物にする。それらを用い、同工場で使用する電気の１００％、熱の３０％を供給する。発電機の出力は１５００キロワット。工場が動かない夜間に発電した分は売電する。総工費４５億円。
工事は前田建設工業<1824>が元請けとなり、三菱重工業<7011>がプラントを製作した。

△オエノンＨＤ<2533>、製造コスト低減へ原料米を直接購入
オエノンホールディングス（ＨＤ）は日本酒・焼酎などの原料である米を、年内をめどに農家などから直接買い付ける。商社・卸業者など中間流通を通さないことで原料調達コストを低減することが狙い。同社が原料を直接買い付けるのは初めてとなる。世界的なバイオ燃料需要拡大に伴い、農産物全般の相場が高騰している。コスト削減策の一環として、他の食品関連メーカーにも波及する動きとなりそうだ。現在、オエノンＨＤでは全国各地の農家などとの交渉に入っている。購入規模や金額などは未定だが、一般流通で調達する場合に比べてコストダウンできるとみている。具体的なコストメリットについても詳細を検討、算定中。原材料や燃料コストの高騰が続き、とくに０７年度の原料米の購入価格は前年度比で平均３０％程度上昇している状況。

△日立物流<9086>、海上コンテナの内陸輸送に鉄道を積極活用
日立物流は内陸部への海上コンテナの輸送手段に鉄道を積極活用する。０８年１月をめどに東京港―栃木間で鉄道とトレーラーを併用した家電品輸送を始める。伸縮式のコンテナシャシーを導入、２０フィートと４０フィートのコンテナを混在して運べるようにする。配車効率を高め、コンテナ輸送の一部を鉄道に切り替えるモーダルシフトを推進することで、二酸化炭素（ＣＯ２）排出量の半減と物流効率化につなげる。２０フィートと４０フィートの海上コンテナの混在輸送は経済産業省などが推進する０７年度グリーン物流パートナーシップ推進事業（２次募集）の普及事業として決定したもの。中国やタイで生産した冷蔵庫、エアコンといった家電品を東京港から日立アプライアンス（日立ＡＰ、東京都港区）栃木事業所（栃木県大平町）まで運ぶ。

△コナミ<9766>スポーツ、大阪電通大と連携－健康科学分野で協力
コナミスポーツ＆ライフは２６日、大阪電気通信大学との間で健康科学分野での協力を主眼とした産学連携に合意したと発表した。スポーツクラブ運営における運動指導、健康関連機器の開発・製造を手がけるコナミスポーツと、臨床医学や情報科学のノウハウを持つ大阪電通大が補完し合うことで、新たな健康機器の研究・開発、健康科学分野の優れた指導者や技術者の育成を目指す。具体的には、０８年度に大阪電通大が新設する健康スポーツ科学科のカリキュラムにコナミスポーツのノウハウを導入、健康指導者らの育成を通じて全国展開しているコナミスポーツクラブでの指導員確保につなげる。また、効果的で実用性の高いトレーニング機器や各種健康機器などの開発に取り組み、商品化を目指す。
（日刊工業新聞）

△ラクーン<3031>、今が仕込み時今期４Ｑから黒転へ
ラクーンは株価、業績とも今が底。中期の仕込み時だ。今年に入ってからの株価は、１月につけた年初来高値46万円をピークに、続落トレンドを形成中だが、９月半ばには15万円ラインで底打ちのきざしが見えている。同社はインターネット上の電子商取引サイト『スーパーデリバリー』などを運営している。取り扱い商品は、おもにアパレル商品、アクセサリー等。メーカーなど、小売店に対して卸売を行ないたい企業が同社のサイト上に商品を掲載し、同社に登録した会員小売店がサイトを見て、商品を仕入れるシステム。いわば、「ネット上の問屋」だ。
◆会員数、客単価とも右肩上がり
今期２００８年４月通期の業績予想は、売上高は55億円（前年実績比64・５％増）と増収を見込んでいるが、損益面では、営業・経常・純損益とも、損失計上の見込みとなっている。しかしこれは、サイトの利用料金体系の変更と、大阪支社新設や広告・人材などの先行投資によるもので、中期経営計画では織り込み済み。計画通りの数字だ。第４四半期（２００８年２～４月）には単月ベースで黒字化を見込んでおり、来期２００９年４月期には完全な黒字転換を見込んでいる。中計では、２０１０年４月期で、売上高１１０億円、経常利益６億５０００万円、純利益６億４５００万円を目標としている。同社の収益基盤となる、サイトに出展する企業数、サイトを利用する会員の小売店数とも、一貫して増加傾向で来ている。９月初めに発表した月次報告では、８月末時点で、会員小売店は４９６店の純増の１万３１６７店、出展企業数は27社純増の７５３社、商材掲載数は１万８２４７点純増の14万０８６９点となった。また、１社当たりの利用単価も上昇。会員の購入率も安定的に上がってきている。今野　智　取締役副社長は「出展社様に出展アイテム数を増やす働きかけなども行なっており、取引の活発化と顧客単価アップにつながっている」と指摘する。また、木村玲子ＩＲ担当マネージャーは「検索機能やリコメンド機能など、サイトの利便性が好評をいただいており、取引数の増加に結びついているようだ」と説明する。現在、ネット以外の「問屋」市場規模は、６兆円。その半分がネット取引になるとしても、３兆円規模の市場が想定される。同社の成長余地は大きい。さらに、海外のブランドや業界団体からの問い合わせや引き合いもあり、今後の検討課題となっている。
（証券日刊新聞）

△コムテック<9657>、韓国ザイオネックス社と合弁会社設立　「生産管理」で差別化
システム開発などＩＴ（情報技術）支援サービスを展開するコムテック（東京都港区）は、韓国のベンチャー企業、ザイオネックスと合弁会社を設立する。合弁会社は、ザイオネックスが開発した生産管理システムエンジンを用いた製品を開発し、日本をはじめアジア地域で販売する。コムテックは生産管理システムを製造業向けのパッケージ製品として展開することで、競合他社との差別化につなげ、業容拡大を図る考えだ。合弁会社の社名は「コムネクスト」。資本金は１５００万円で、コムテックが５１％、ザイオネックスが４９％をそれぞれ出資する。設立は１０月１０日を予定している。設立後、工程管理や資材調達、在庫管理などのシステムから構成される生産管理システムを開発し、製造業を中心に売り込む。合弁のパートナーのザイオネックスは、韓国のＩＴベンチャー企業で、生産管理システムの開発、販売を手掛けている。同社が開発した生産管理システムエンジン「Ｔ（３乗）シリーズ」は、韓国の複数の大手液晶パネルメーカーや半導体メーカーに導入されており、技術力には定評がある。コムテックはザイオネックスと手を組むことで、新規顧客の獲得を目指す。

△ユニチャーム<8113>が敏感肌向け新素材　生理用ナプキン、国内シェア拡大
生理用品国内首位のユニ・チャームは２６日、現代女性が悩む敏感肌向けの新素材を開発した生理用ナプキン「ソフィ　はだおもい」を発売した。同日、都内で記者会見した高原豪久社長は「従来の不織布やメッシュに続く業界では２０年ぶりの画期的な開発」と強調。社会進出に伴い女性のストレスも増える現代のニーズに合わせた商品として、国内シェアを拡大するとともに、海外での販売を目指す。「ソフィ　はだおもい」には、ユニ・チャームが「２０年ぶりの新素材」と自信をもつ「ＦＣＬシート（通称ふんわりなみなみシート）」を採用。従来のナプキンが「もれないこと」を重視してきたのに対し、同社の調べでは女性の８割以上が「生理中は敏感肌になる」と肌トラブルに悩んでいることに着目。「かゆみ」や「べたつき」の原因となる経血の表面への付着を１０分の１に減らした。また、肌への接触面積を５０％にし、吸湿量も１４０％にアップした。新商品投入により、今年度内に国内シェアを現在の４０％程度から３～４ポイントアップさせる。同日、都内で開かれた発表会には、新ＣＭに出演する女優の瀬戸朝香さんと、３０年前にユニ・チャームの生理用ナプキンのＣＭで話題を呼んだタレントの研ナオコさんが登場。研さんは「当時は女優やタレントがナプキンの宣伝に出るなど考えられなかった。おそらく私が最初です」と時代の変化を感慨深げに語った。ユニ・チャーム広報担当者が「現代は長時間働く女性が増え、ストレス対策が重視されている」と指摘するように、近年のナプキンの国内ニーズは従来の「薄型タイプ」や「モレ防止」から「肌ストレス対策」にシフトしているようだ。
大手国内メーカーの花王<4452>は２００４年１０月に発売した「ロリエＦ」で「ストレスフリー」を前面に出した。「肌のこすれ防止」や「湿度コントロール」を商品に反映させ「かつて我慢するしかなかった生理期間中の『肌ケア』発想を初めて市場に提案した」と話す。１９８０年代に優れた吸水性の「メッシュシート」開発でトップブランドの一角に食い込んだＰ＆Ｇの「ウィスパー」も今月初旬に「さらふわエアリーシート」採用製品を発売。「空気をたっぷり含んだ心地よい付け心地」を強調し「ストレス肌対策」商品が並んだかたちになっている。

△ＮＶＣ<3394>、シマンテックと販売代理店契約
ネットワーク関連製品の販売や運用などを手掛けるネットワークバリューコンポネンツ（ＮＶＣ、神奈川県横須賀市）は、セキュリティーシステム製品などを提供するシマンテック（東京都港区）とセキュリティー関連製品の販売代理店契約を締結した。セキュリティー関連製品の技術力に定評があるシマンテック製品を扱うことで、売り上げアップを目指す。ＮＶＣが販売を始めるのは、企業のＬＡＮ（構内情報通信網）や無線ＬＡＮなどへの接続を許可する前に、セキュリティー要件に合致させて、企業データへのアクセスを未然に防止できる「ネットワーク・アクセス・コントロール」と呼ばれる製品。また、メールやウェブ閲覧のための通信を監視し、コンピューターウイルスが含まれていると削除するアンチウイルスや、無差別で大量に一括して送られる電子メールを防ぐアンチスパムなど、さまざまなセキュリティーシステムを統合して高い安全性を実現する「エンドポイント・プロテクション」も取り扱う。

△バイオチップコンソーシアム　メディビック<2369>参画
医薬品業界向けに検査技術などを提供するメディビック（東京都千代田区）は、１０月１９日に設立されるバイオチップ関連技術の早期実用化と市場拡大を目的とした業界団体「バイオチップコンソーシアム（ＪＭＡＣ）」に参画する。ＪＭＡＣは、経済産業省の後押しで、国内のバイオチップ関連企業が設立する団体。バイオチップの標準化を進め、医療・医薬分野や健康産業、食品、環境分野などでの普及に欠かせない基準作りに取り組む。３月９日に開催された第１回ＪＭＡＣ設立準備検討会以降、国内のバイオチップ関連企業が中心になって進めてきた設立準備で、メディビックは発起人および事務局として活動してきた。同社は、１０月１９日の設立後も事務局として引き続き支援を行い、標準化、国際連携などテーマごとに組織されるワーキンググループ活動で、中心的な役割を担っていく予定。また、団体活動を通じて、メディビックが推進するＰＧｘ（ファーマコ・ジェノミックス）試験支援やバイオマーカー探索支援のソリューションでパートナーシップの強化を図る。

△測定時の圧迫感を軽減　シチズン（シチズンＨＤ<7762>）・システムズ電子血圧計
情報通信機器や健康機器などの開発・販売を手掛けるシチズン・システムズ（東京都西東京市）は２６日、ソフトな付け心地で、装着しやすい新開発のカフ腕帯の採用により、測定時の圧迫感を軽減した、上腕式電子血圧計「ＣＨ－４３３Ｂ」を１０月下旬から発売すると発表した。　新製品は、ポンプの改良で測定時の音を抑える静音設計を施し、快適な測定を実現した。消費電力の低減を図り、電池寿命が従来品比約４０％向上しており、アルカリ乾電池（単３形４本）を使用した１日２回の測定で、約１年半利用できる。本体の側面に配置した４段階の加圧値設定スイッチで、最適な加圧値が決められる。液晶パネルには最高血圧値、最低血圧値に加え、脈拍数を交互に表示する。価格はオープン。実売予想価格は６０００円前後を見込む。国内外合わせて年間２０万台の販売を目指す。

△キリン<2503>焼酎「タルチョ」　販売１００万本突破
キリンビールは２６日、家庭向けの紙パック入り焼酎「麒麟本格焼酎　タルチョ」の累計販売本数が同日、１００万本（５００ミリリットル換算）を突破したと発表した。タルチョは、焼酎の家庭向け需要の掘り起こしを狙い５月３０日に発売。たるをイメージした木目調のパッケージと５００ミリリットルと１０００ミリリットルの手ごろな容量が人気を集め、初回出荷１日で２万ケース（６リットル換算）を販売するなど好調だった。その後も、５００ミリリットルを中心に好調に推移したという。同社は、１２月までの年間販売目標を１８万ケースに設定しており、１００万本突破で目標の半分近い、約８万３０００ケースに到達。焼酎の需要が伸びるこれからの時期での成長を期待している。焼酎市場は、焼酎ブームを背景に２００４年まで前年比２けた台の高い伸びを続け、０３年には清酒を抜き出数量でビール、発泡酒、第３のビールに次ぐ４位に浮上した。しかし、０６年は前年比３％増、０７年も２％増程度の成長にとどまる見込み。
（FujiSankei Business i）