9/14 朝の『株価材料』PART Ⅲ

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■株価材料

△トヨタ<7203>、１７年ぶり国内に車両工場を建設－東北・北海道で選定
トヨタ自動車が東北、北海道を軸に新車両工場の建設を計画していることが、１３日までに明らかになった。０９年をめどに稼働する。国内では１７年ぶりの車両工場で、投資額は総額１０００億円近くに上る見込み。進出候補先をすでに宮城県内ほか数カ所に絞っており、年内にも正式決定する。増産対応ではなく、国内での車両生産の再編をにらんだ動き。トヨタによる地方への大型投資は、大きな雇用創出が期待できるだけに、地方活性化の起爆剤ともなりそうだ。新工場の生産能力は、年間１５万―２０万台程度になる見通し。生産車種などを含め、今後、詳細を詰める。東北、北海道地区には、岩手県にグループ企業の関東自動車岩手工場（金ケ崎町）があるが、同地区へトヨタ本体が車両工場を建設するのは初めて。
トヨタの世界販売台数は急拡大している。ただ、国内に新工場の建設計画が浮上したのは増産が狙いではなく、国内の既存工場を含めた生産体制再編による効率化と強化が主眼にある。車両組立工場は現在、愛知県内の４工場および、全額出資子会社の福岡県にある１工場を含め、全５工場。加えて、グループのトヨタ車体、関東自動車工業の工場など、計１３工場ある。ただ、急激な海外販売の拡大で、国内工場は年産４２０万台超という過去には例のない形でひっ迫した。そのため、最新鋭生産ラインへの更新が長く滞り、生産の効率化が進められない状況にあった。新工場の建設は、こうした課題を解消し、国内生産の繁忙感を緩和しながら、生産再編で「質」を強化するのが最大の狙い。新工場立ち上げで、生産余力を確保。その上で、老朽化した国内の他工場を順次刷新し、最新鋭生産ラインの導入などを進める計画だ。また久々の国内での大型投資で、地域活性化にも貢献する。９０年代、トヨタは愛知県外で初めて、九州に車両工場を建設。その後、系列部品メーカーの集積も進み、九州が自動車の一大拠点になるほど、地元経済に好影響をもたらした。今後は地域経済が低迷する東北や北海道への投資を加速。新工場建設計画は、雇用創出などで貢献できるという、地域経済への配慮が働いたという側面もある。

△松下<6752>、尼崎第２工場の増強前倒し－プラズマ年１０００万台に
松下電器産業は１３日、プラズマパネルの国内第４工場（尼崎第２工場、兵庫県尼崎市）の生産能力を１０月にも倍増する方針を明らかにした。尼崎第２工場は６月に操業したばかりだが、月産１８万台（４２型換算）の能力を３６万台（同）に引き上げる。第２期生産ラインを前倒しで導入し、すでに生産設備の搬入を済ませた。生産性の高い工場を早期に立ち上げ、コスト競争力強化を図る狙いがある。尼崎第２工場は３段階に分けて能力をフル状態（月産５０万台）に移行する計画で、第２期ライン導入は０８年前半とみられていたが、操業開始から半年足らずで増強に踏み切った。これによりプラズマパネルの供給は年間換算で１０００万台（４２型換算）弱の体制となる。尼崎第２工場は０８年の早い時期にも第３期ラインを導入し、フル生産に移行するとみられる。その後、０９年５月稼働を計画する尼崎第３工場も大幅に前倒す可能性も出てきた。松下が増産ピッチを速める背景には、激しい価格競争がある。各社が大画面の薄型テレビを投入し、プラズマテレビの売価は年率１０―２０％程度のペースで下落が続き、コスト競争力の強化が急務となっている。投資生産性の高い工場を早期に稼働させることで、コスト力を強化する必要がある。松下はプラズマパネルを茨木第１、第２工場（大阪府茨木市）、尼崎第１、第２工場、中国上海工場（上海市）の５カ所で生産しており、０９年５月に尼崎第３工場の稼働を控えている。松下は３７型以上の薄型テレビ市場でシェア２５％を獲得する目標を掲げる。シャープは２０１０年３月までに液晶パネルの堺工場（堺市堺区）を稼働させる予定で、ソニー・サムスンも第８世代に続く新工場建設を検討している。液晶陣営の攻勢が強まる中、プラズマ陣営の松下は供給力強化を急ぐ。

△パイオニア<6773>、建設予定のＰＤＰ新工場で７０型パネルまで生産
パイオニアは１０月までに建設計画を決めるプラズマ・ディスプレー・パネル（ＰＤＰ）の新工場（山梨県南アルプス市）で７０型までの大型パネルを生産する。大画面モデルの需要拡大に応える。同社は現在４２型、５０型、６０型のプラズマテレビを販売している。０９年春までには新工場が稼働する見通しで、課題だった５０型以上のラインアップを増やす。パイオニアのＰＤＰ主力工場の鹿児島工場（鹿児島県出水市）では、主に４２型を生産し５０型を超える大画面モデルは生産していない。山梨県南アルプス市の新工場では「５０―７０型の生産を検討している」（パイオニア首脳）という。新工場の稼働に合わせて鹿児島などの既存生産設備も見直すことになりそうだ。新工場建設のため同社は既に約３０億円を投じて約１０ヘクタールの用地を取得。当初は０６年末の販売結果をもとに、着工時期や生産規模を決める予定だった。しかし、薄型テレビの単価下落が進み利益を出すことが難しくなる中で、建設計画決定を先送りしていた。市場で競争力を維持するには効率のよい新工場での生産が必要などの理由で近く建設計画を決める。生産開始の時期や生産能力などは検討中。同社は０７年度に国内外で７２万台のＰＤＰ出荷を計画している。０６年度実績は６５万台だった。出荷台数に占める４２型の比率は年々縮小しており、０６年度は５２％、０７年度は４０％程度に下がると予想している。薄型テレビ市場では液晶の大画面化が進み、プラズマとの競争が激しくなってきた。松下電器産業や日立製作所などのプラズマテレビメーカーは、生産コストで液晶より優位な５０型以上を主力機種とする戦略をとっている。

△ドコモ<9437>、来月に高速データ通信で定額新料金プランを開始
ＮＴＴドコモは１３日、パソコンに接続し毎秒最大３・６メガビットの高速データ通信を２段階の定額で提供する新料金プラン「定額データプラン　ハイスピード」を設け、１０月２２日にサービスを始めると発表した。通信量が５０万パケットまでは月額４２００円で、その後１００万パケットまでは１パケットあたり０・０１２６円で課金。１００万パケット以上はどれだけ利用しても同１万５００円とする。同様のサービスはイー・モバイル（イー・アクセス<9427>）が月額５４８０円の定額で提供している。ドコモのプランはそれよりは割高になるが、提供可能エリアは全国主要都市と広い。

△富士フイルム<4901>、写真の楽しみ方を総合的に紹介するサイト開設
富士フイルムは１３日、デジタルカメラで撮った写真の保存や共有、発表、編集加工ができる写真のポータル（玄関）サイト「フォトノマ」を開設したと発表した。写真を友人や家族の間で共有したり、写真を掲載したブログ（日記風簡易ホームページ）を作成したりできる無料の会員制サービスを始めた。撮影テクニックやプリントの仕方、全国の撮影スポットの紹介など、さまざまなページに分かれていたサービスを集めた。実際に開いた写真展の再現もする。同社のデジカメ「ファインピックス」のユーザー向けサービス「ピクチャー・ザ・フューチャー」の会員約１００万人を引き継いでスタート。２、３年で会員数を倍の２００万人にする計画。同社製カメラユーザーの囲い込みはせず、写真の楽しみ方を総合的に紹介してサイトの利用者を増やし、同社のブランド力を高めるのが狙い。今後、広告の掲載や店舗でのプリントサービスとの連携も検討する。国内のデジカメ撮影数は同社推定で０６年度に２００億枚。そのうちの約４０％がプリントされずに画像データとして保管されている。サイトの開設には、画像をプリントしないデジカメユーザーへの接触ルートをつくる意味もある。

△富士通<6702>、半導体営業を一本化－本体と子会社を統合
富士通は１３日、１０月１日付で半導体など電子デバイス事業の営業体制を再編すると発表した。マイコンやシステムＬＳＩ、メモリーなど半導体の営業部門を一本化し、事業強化するのが狙い。富士通本体の電子デバイス事業の営業部門と、子会社である富士通デバイスの営業部門を統合し「富士通エレクトロニクス」（東京都新宿区）を発足する。従業員は約９００人。資本金は約３７億円。０７年度に売上高３１００億円を計画する。新会社には富士通の電子デバイス事業の営業部門から約２００人を移管。逆に富士通デバイスのエンジニアリング要員約１００人を富士通本体の電子デバイス事業に移す。富士通の電子デバイス製品の販売・サポートを一手に担うほか、富士通コンポーネントや富士通メディアデバイス（横浜市港北区）、米スパンションのフラッシュメモリーなど他社製品もこれまで通り販売する。

△ルノー、日産<7201>の超低燃費ガソリン車をＯＥＭ調達
仏ルノーは、日産自動車が２０１０年の実用化を目指す超低燃費ガソリンエンジン車をＯＥＭ（相手先ブランド）で調達し、欧州での販売を検討していることを明らかにした。３リットルのガソリンで約１００キロメートル走行する通称「３リッターカー」。ルノーは日産との提携の枠組みを最大限利用して、環境対応型エンジン搭載車の品ぞろえを強化。欧州の二酸化炭素（ＣＯ２）排出規制に対応していく。日産が開発を進める３リッターカーは、ハイブリッド車（ＨＶ）と同レベルまでＣＯ２の排出量を削減できるという。０６年に発表した環境行動計画「グリーンプログラム」に盛り込まれた環境戦略車の一つ。日産はまず２０１０年を目標に国内へ投入。その後、海外展開やルノーへのＯＥＭ供給を進め、量産効果を高める見通しだ。

△酉島製作<6363>、ドバイ向け海水淡水化プラント用ポンプを３６億円で受注
酉島製作所はアラブ首長国連邦（ＵＡＥ）のドバイ市向け海水淡水化プラント用ポンプを受注した。受注額は約３６億円。これを受けて１０月にも、受注業務を現地で管理するドバイ支店を開設する。同プラントは日量６４万トンで、０６年にサウジアラビアでポンプを受注した世界最大の海水淡水化プラント（日量８０万トン）に次ぐ規模となる。ドバイでは今後、中継ポンプや下水ポンプの受注も目指す。イタリアの大手プラントメーカーのフィシアを通じて、ポンプを受注した。２００万―３００万人分の水を供給する大規模プラントで、０９年から稼働する予定。納めるのはプラント内の循環ポンプ９２台。２層ステンレス製の耐海水用ポンプで、本社工場（大阪府高槻市）で生産する。

△次世代舶用エンジン開発プロ、ダイハツディ<6023>と赤阪鐵工所<6022>が参加
三菱重工業<7011>、三井造船<7003>など国内舶用機器大手メーカーによる次世代エンジンの開発プロジェクトにダイハツディーゼルと赤阪鐵工所が参加する。プロジェクトは２０１５年をめどとする国際海事機関（ＩＭＯ）の排ガス規制の対応にむけ、参加企業が共同開発するもの。当初、参加を予定していたＩＨＩ<7013>は、取りやめた。
参加する企業は三菱重工業、三井造船、ヤンマー、新潟原動機、ダイハツディーゼル、赤阪鐵工所の６社が確定している。ＩＨＩは子会社の新潟原動機が参加するため参加を見送った。赤阪鐵工所は三菱重工業と舶用エンジンで提携関係にあるためメンバーに加わった。プロジェクトはこのほど三つの開発グループを発足した。２０１１年度までに現行機に比べ窒素酸化物（ＮＯＸ）を７０―８０％削減する環境対応型を完成する。開発費は約２２億円。日本財団が１５億円を助成、残りの７億円は開発グループの各メンバーが負担する。

△オークマ<6103>、複雑形状部品に対応した小型複合加工機を発売
オークマは１３日、小型複合加工機「ＭＵＬＴＵＳ（マルタス）Ｂ２００」を発売すると発表した。独ハノーバーで１７日に開幕する欧州国際工作機械見本市（ＥＭＯ）に出品し、受注を始める。設置面積２６００ミリ×２０３０ミリメートルとクラス最小サイズ。対向主軸付きも同時発売する。標準仕様の価格は２４００万円。月間２０台の販売目標。独自の熱変位制御技術「サーモフレンドリーコンセプト」を採用し、各軸の熱変位を１０マイクロメートル以下に抑えた。使用中の機械干渉を防ぐ「アンチクラッシュシステム」も標準搭載した。医療機器部品など高精度が求められる複雑形状の小物加工に適している。メーン主軸と対向主軸は、最高回転数毎分６０００回転。同クラスの旋盤並みの旋削加工が可能で、チャックサイズは６インチと８インチ。ミーリング主軸は最高回転数が毎分１万２０００回転で、高速仕様の同２万回転にもできる。

△牧野フライス<6135>、１０トンのワークを加工できる横型ＭＣ発売
牧野フライス製作所は、重量１０トンのワークを加工できる横型マシニングセンター（ＭＣ）「ＭＣＣ１５１３」を発売した。従来機に比べ２倍の重量物の加工を可能にした。加速度の向上や熱変位を抑えた主軸を採用するなどして加工速度と精度を高めた。自動車のヘッドランプ用金型などの加工向け。価格は６３００万円。販売計画は年２５台。主軸は毎分１万５０００回転、モーター出力３０キロワット。移動軸はＸ軸１５００ミリ×Ｙ軸１３５０ミリ×Ｚ軸１３００ミリメートルで、旋回径１９００ミリメートル。太いボールネジを多数搭載して剛性を高め、加速度０・２Ｇを実現した。早送り速度は毎分２０メートル、切削送り速度も同２０メートル。内部に冷却油を送って熱変位を防ぐ主軸「ＲＪスピンドル」を採用した。コラム内に冷却水を循環させるシステムも活用し、加工精度を高めた。

△オーエム製作所<6213>、顧客サービス拡充－長岡にコールセンター新設
オーエム製作所は顧客サービスを拡充する。長岡工場（新潟県長岡市）にコールセンターを新設し、工作機械の問い合わせに迅速に応じる体制を整えた。また中小規模のユーザーや遠隔地の顧客訪問も始めた。顧客対応を効率化するとともに、ニーズをきめ細かくくみ取るのが狙い。顧客からの信用向上や新たな顧客獲得につなげ、工作機械の安定受注を図る。長岡工場は定年退職した再雇用技術者を窓口に、コールセンターを設けた。すでに２０件程度の顧客から問い合わせを電話で受けている。主力拠点で製造技術者が多い長岡工場の利点を生かし、電気系統のトラブルなどの問い合わせに対応している。これにより機械の問題の７０％が電話で解決できるようになった。

■ダイムラークライスラー、リチウムイオン電池搭載ＨＶで先陣
トヨタ自動車<7203>やホンダ<7267>など日系各社がハイブリッド車（ＨＶ）へのリチウムイオン電池の採用に慎重になる中、独ダイムラークライスラーが最初の搭載メーカーとなる可能性が高くなった。０９年夏にも投入予定の「メルセデスベンツ　Ｓクラスセダン」に米ジョンソンコントロールズ製の電池を使う。すでに安全試験などもクリアした模様だ。ダイムラー、独ＢＭＷと米ゼネラル・モーターズ（ＧＭ）の３社は現在、次世代ハイブリッドシステムを共同開発中。「２モードハイブリッド」と呼ばれる技術で、二つの電気モーターと可変変速機を使用。１モードシステムで必要な大型電気モーターが不要になる。このシステムに、ニッケル水素より大容量化が可能なリチウムイオン電池を組み合わせて、さらに燃費効率を高めることができる。電池はジョンソンコントローズのフランス合弁相手の工場で生産、供給される見込み。

△ユーシン<6985>、インド合弁に役員派遣－市場開拓を主導
ユーシンは、キーセットやドアハンドルを生産するインドの合弁会社を近く持ち分法適用会社にする。０７年中に役員も派遣する予定で、従来受け身だったインド事業を“能動的”に本格展開する。インドでは自動車メーカーの生産能力増強が相次いでおり、現地合弁の受注が順調に推移している。ユーシンは、合弁会社の損益状況を自社の業績に反映させていく。ユーシンは現地企業とのインド合弁会社「ジェイ・ユーシン」（グルガオン市）への持ち分法適用に先立ち、同社への出資比率を１０月に２５％から２６％に引き上げる。これにより、株主総会で重要決議に対する拒否権を持つ。合弁相手と折り合いがつかず、当初の想定に比べて小幅な比率アップにとどまるが、将来的な出資比率引き上げを視野に入れている。ユーシンは従来、インド合弁から要請があった時に技術面のサポートをする程度だったが、役員派遣で経営に関与、意向を反映させていく方針。

△ブリヂストン<5108>、独ＢＭＷにランフラットタイヤ納入
ブリヂストンは独ＢＭＷの「ニューＢＭＷ　Ｘ５」向けに、空気圧が失われた状態でも一定距離を走行できるランフラットタイヤを標準タイヤとして納入し始めた。対象のランフラットタイヤは「ＤＵＥＬＥＲ　Ｈ／Ｌ　４００　ＲＦＴ」と「同　Ｈ／Ｐ　ＳＰＯＲＴ　ＲＦＴ」の２種類。いずれも、タイヤが車両を支えられるように、タイヤ側面にゴムを補強している。

△パイオラックス<5988>、九州工場を分社化－生産能力・サービス拡充
パイオラックスは、自動車用ファスナー（留め具）や樹脂部品などを生産する九州工場（福岡県飯塚市）を１０月１日付で分社化する。日産自動車<7201>など完成車メーカーの九州での生産拡大を背景に、工場を子会社として独立させ、供給能力の拡大やサービスの充実を迅速に行う。九州工場は、真岡工場（栃木県真岡市）と富士工場（静岡県富士川町）の補完的拠点だったが、今後「位置付けを高める」（経営管理部）。８月には燃料タンク回りの部品の生産を始めている。分社化で社名は「パイオラックス九州」になる。資本金は３０００万円。社長には増田信弘九州工場長が就任する。

△東洋ゴム<5105>、米国の市販用タイヤを値上げ
東洋ゴム工業は１３日、米国の市販用タイヤの価格を１０月１日に一部値上げすると発表した。対象は乗用車と小型トラック用タイヤで、値上げ率は最大３・５％。天然ゴムや合成ゴムなど原材料の高騰に対応する。米国市場での市販タイヤの値上げは今年に入って５月以来２度目。米販社は１２月期決算のため、業績に対する影響は軽微という。

△旭化成<3407>ケミ、強度３倍向上した燃料電池向けフッ素系高分子膜開発
旭化成ケミカルズは燃料電池向けに、化学的技術で機械的強度を従来より３倍程度高めたフッ素系高分子膜を開発した。作動温度８０度Ｃで運転・停止を繰り返すなど様々な負荷を与える環境下で、５０００時間の連続運転を実現した。２０１２年をめどに今回の高耐久性膜の実用化を目指しており、家庭用燃料電池の大幅コストダウンにつなげる。旭化成ケミカルズは燃料電池用フッ素系膜で定置型と自動車向けでそれぞれ開発を進めている。このうち定置型では、国の大規模実証事業で６０―７０度Ｃの作動温度で４万時間の耐久性実証が行われている。これに対し、同社は作動温度８０度Ｃ、低加湿（２０ー３０％）の条件下で、連続運転５０００時間を達成した。膜の強度は補強膜を使用する代わりに、化学技術を用いて３倍程度高めたとしている。また、加速試験で膜に孔が空くなどの問題は起こらなかった。

△サカタのタネ<1377>、球根小売事業で花の大和と業務提携
サカタのタネは１３日、花の大和と球根の小売事業で業務提携したと発表した。両社は球根の仕入れ、加工を共同で実施。業務を効率化するとともに、０８年に新しい共同ブランドの球根を発売する。団塊世代を中心とした園芸ブームの再燃をにらみ、球根関連市場の開拓を進める。

△富士通<6702>、短時間・低コストでメッキ中の鉛濃度を分析
富士通と富士通研究所は、チップ部品のメッキ中に含まれる鉛を短時間に低コストで分析できる手法を開発した。部品のハンダメッキ部分をプラスチックフィルムで研磨し、同フィルムを蛍光Ｘ線分析装置で測定する。鉛など有害６物質の使用制限を定めたＲｏＨＳ（欧州特定有害物質規制）指令に対応した手法。部品内には同規制で除外対象の鉛が混在するが、メッキ中の鉛だけを測定するのは難しかった。同手法による部品検査体制を、年内に各製造拠点で整備する。開発した分析手法は数ミリメートル角のチップ部品をフィルムに擦りつけ、転移した粉末状のハンダメッキをフィルムごと測定試料として蛍光Ｘ線分析装置にかける。従来の化学分析に比べ測定時間は３０分程度と１０分の１以下に短縮された。

△三井化学<4183>、産廃削減の取り組みを海外工場にも拡大
三井化学は産業廃棄物削減の取り組みを、０８年度から海外工場にも拡大する。７月に発表した長期的な経営指針「グランドデザイン」の目標年次である２０１５年をめどに、関係会社も含めた国内外の工場の産業廃棄物発生量に占める埋め立て処分量を１％以下に引き下げる。海外工場では国や地域ごとに異なる法制度や処分方法を踏まえて、第１段階として２０１１年ごろをめどに１０％以下に引き下げる方向で検討する。対象となる工場は三井化学本体の国内５工場に関係会社、海外工場を加えたグループ傘下の約３０工場。すでに本社が管轄する５工場については２０１０年を目標に１％以下に引き下げる計画を進めており、０５年度には市原工場（千葉県市原市）が目標を達成するなどめどがつきつつある。同社は０８年度から始まる新たな中期経営計画の策定作業を進めており、同中計に海外工場での産業廃棄物削減の進め方などを盛り込む方針。

△キリン<2503>アグリバイオ、ガーデン用のバラシリーズを１０品種に拡大
キリンホールディングス傘下のキリンアグリバイオは、バラ事業を強化する。今春、第１弾として５品種を発売したガーデン用バラのシリーズ「キリンローゼズガーデン」のラインアップを、０８年春には倍増の１０品種まで拡大する。切り花で人気の品種を家庭で育てられるという、競合とは異なる戦略で差別化。０８年度のキリンローゼズガーデンシリーズの売り上げを初年度（０７年度）の４倍に引き上げることを目指す。新シリーズの品種や価格は今春の販売動向などを参考に、現在詰めている。１０月１１日から千葉市美浜区の幕張メッセで開催される日本最大の花き専門展「国際フラワーＥＸＰＯ」で新シリーズを発表するとともに、商談を開始する。また、１０月末に浜松市西区に開業予定の自社の花き商品開発センターを利用し、生産者・流通・消費者向けに販促活動を展開する。

△近鉄エクス<9375>、アジア発北米向け強化－海外法人との連携拡大
近鉄エクスプレス（ＫＷＥ）はアジア発北米向け航空貨物を強化する。０６年１０月に同地域間の国際貨物輸送を増やすため海外法人のスタッフを中心に戦略チームを発足。０７年度から本格的に営業活動を始め、輸送実績が伸びてきていることから海外法人との連携を拡大することにした。１１月末までに各海外法人に０８年度分のターゲット企業リストの提出を求める。インドなど輸送需要が伸びているアジア発の航空貨物を積極的に取り込む考え。ＫＷＥは０７年度から約２年間の計画でアジア発北米向け航空貨物の増加を目指す。背景には、日本発の貨物量が横ばいとなりつつある中、海外発の貨物輸送実績を伸ばすことで、競争力向上につなげようとの狙いがある。このため昨秋、営業強化に向けて米国、中国、シンガポール、インドなど１５カ国・地域の海外法人のスタッフを中心に戦略チームを立ち上げた。

△ＵＧＨＤ<8744>、情報システム部門など吸収分割し子会社に集約
ユニコムグループホールディングス（ＵＧＨＤ）は１３日開いた取締役会で、情報システム部門と付帯業務を吸収分割し、１１月１日付で連結子会社のエフ・エックス・プラットフォーム（ＦＸＰ、東京都中央区）に承継させることを決めた。ＵＧＨＤグループが保有する情報システム部門をＦＸＰに集約することで、システム開発・運用などの業務の効率化するのが狙い。ＦＸＰは同グループのシステム企画開発や保守、コンピューター機器の管理、情報漏えいの防止などの業務展開を手掛ける。また、外国為替証拠金（ＦＸ）取引にかかわる取引システムの開発や提供を進めており、同グループの情報システム部門の要となっている。物的吸収分割の方法で情報システム部門をＦＸＰに承継させるのは、情報システム資産を効率的に活用するのが目的。承継に伴い、ＵＧＨＤにＦＸＰの株式７４６株を割り当てる。

▼民間調査機関の０７・０８年度経済見通し、軒並み下方修正－増大する腰折れリスク
内閣府がまとめた４―６月期国内総生産（ＧＤＰ）の改定値が実質、名目とも前期比でマイナスとなったのを受け、民間調査機関が０７―０８年度の経済見通しを軒並み下方修正した。主要１３機関の０７年度の実質ＧＤＰ成長率見通しは平均で前年度比１・９％と、従来の見通しの平均２・３％から０・４ポイント低下。０８年度見通しの平均も、０・１ポイント下がって２・１％となった。個人消費の伸び悩みや米国経済の停滞などの懸念材料を抱え、当分は勢いを欠いたまま推移しそうだ。安倍晋三首相の突然の辞意表明が経済に与える影響は、ほとんどないと見ている。１３機関のうち８機関が０７年度および０８年度の実質成長率、名目成長率をすべて下方修正した。０７年度に限れば、全機関が予測値を引き下げた。
（日刊工業新聞）

■科研製薬<4521>　自己株式２００万株取得により自社株買い終了
科研製薬は、自己株式の取得終了とその結果を発表した。８月２８日から８月３１日までに３５万８０００株取得したことで、６月２８日の決議日以降取得した自己株式数は２００万株となり、目標取得株数に達したため、市場での買付を終了する。取得価額の総額は１８億５３０９万２０００円であった。
（証券日刊新聞）

△リサイクル市場拡大　テイツー<7610>などファンド設立
西日本地域を中心に古本や中古のＣＤ、ゲームソフトを販売する「古本市場」を手掛けるテイツー（岡山市）は１３日、住信インベストメントと共同でベンチャーファンド「テイツー“もったいない”ファンド」を設立すると発表した。テイツーがノウハウを持つリサイクル関連のベンチャー企業を対象に投資する。資金面や経営面のサポートだけでなく、ベンチャー企業との連携を深め、リサイクル関連市場の拡大と企業価値の向上につなげていく考えだ。同ファンドの規模は５億円で、そのうちテイツーが４億９５００万円、住信インベストメントが５００万円を出資する。期間は２０１４年１２月３１日までを予定している。投資先候補に関する調査や投資後のモニタリング、業務管理などは業務執行組合員である住信インベストメントが担当。一方、投資先企業の選定や決定はテイツーが行う。両社は役割を分担しながらも密接に連携をとり、上場する可能性がある企業を発掘していく。テイツーは「再使用（Ｒｅｕｓｅ）」や「資源再利用（Ｒｅｃｙｃｌｅ）」「消費削減（Ｒｅｄｕｃｅ）」の３Ｒ関連が事業の柱。リサイクル関連事業を展開する優れたベンチャー企業を発掘することで、事業領域の拡大にもつなげていく計画だ。

△アルコニックス<3036>、中国に合弁会社　金属部品の需要増対応
アルミニウムや銅などの非鉄金属専門商社、アルコニックス（東京都港区）は、非鉄金属部品を製造する廣東恒基金属制品実業（広東省佛山市）と冷凍・空調機器メーカー、富士根産業（静岡県沼津市）の３社で、合弁会社「恒基日富」を香港に今月中にも設立する。合弁会社の資本金は５０万ドル（約６０００万円）で、出資比率は廣東恒基金属制品実業が５５％、富士根産業が３５％、アルコニックスが１０％。合弁会社は、広東省で非鉄金属部品製造を行う新会社へ投資するほか、製品の販売を担当する。中国では、自動車や家電の生産が急増している。それに伴い金属部品の需要も拡大の一途をたどっている。３社では、こうした需要が当面、右肩上がりの成長を続けると判断、合弁会社の設立に踏み切った。

△真空展　半導体関連の納期短縮　自動認識総合展　ＩＣタグ・バーコード住み分け
真空展で出展各社が力を入れているのは何といっても半導体関連。装置需要が旺盛なうえ、ユーザーの要望に的確にこたえることができれば、受注に直結する可能性が高いからだ。
半導体に関しては、製造装置の「短納期」要請が強まっている。こうした最近の状況をうけて、キヤノン<7751>アネルバエンジニアリングは、スパッタリング装置を最短１カ月で納品するサービスを前面に押し出している。装置の仕様を絞り込み、作り置きしておくことで、納期を他社の３分の１に短縮することができた。真空バルブ専業のＶＡＴも、幅広い仕様の商品を用意し、担当者は「顧客の需要に柔軟に対応できる体制を整えた」と強調する。
一方、自動認識総合展では、ＩＣタグとバーコードが住み分けながら、独自の進化を遂げている様子がうかがえた。オムロン<6645>はタグの移動方向も検知できる６素子スキャンアンテナを参考出品した。これにより、入出庫の情報把握がより正確になり、システムコストや設置スペースも大幅に抑制できるとＰＲする。
デンソー<6902>は、最大５メートル先の２次元バーコードを読み取れる大深度スキャナーなどを出品。ＩＣタグなどが使いにくい金属系の物資の管理や大型倉庫などの物品管理に威力を発揮する点をアピールしていた。

△富士重工業<7270>　小型ジェット機向け主翼生産　月産１５０機体制へ
富士重工業は１３日、米航空機メーカー、エクリプス・エビエーションのビジネスジェット機向け主翼の生産を拡大する方針を明らかにした。米国を中心に小型ジェット機の需要が拡大にしていることに対応し、月産約２０機を数年以内に３倍の６０機に引き上げ、将来的には１５０機体制を整える。富士重工は、航空宇宙カンパニー宇都宮製作所（栃木県宇都宮市）で、エクリプスの小型ジェット機「エクリプス５００」の主翼を生産している。エクリプスは受注残が２７００機程度と高水準にあることから、富士重工に増産を要請していた。エクリプス５００は、全長１０・１×全幅１１・４メートル、重量２５５８キロの６人乗りの小型ビジネスジェット機。大量生産により低価格を実現し、米国市場を中心にニーズが高まっている。日本航空機開発協会によると、世界で運航されるジェット機（２０席以上）の合計運航機数は２００６年末に約１万５２００機。これが２６年末には約３万５５００機に急拡大する見通しだ。富士重工は、エクリプス５００のアルミ製主翼の生産を担当するにあたり、生産効率向上につながる接合技術「ＦＳＷ（摩擦かくはん接合）」を導入し部品点数を減らすなど、低コスト生産を追求。１機３億～４億円するビジネスジェット機の価格を１億円台に引き下げることに成功した。同社の０６年度の航空宇宙事業の売上高は９４０億円で、防衛事業と民需事業の割合は半々だった。エクリプス向け主翼の増産などで１０年度には１２００億円に引き上げ、民需の比率を高める考えだ。

△日立ソフト<9694>　「奉行シリーズ」対応　指静脈認証システム
日立ソフトは１３日、オービックビジネスコンサルタント（ＯＢＣ）の基幹業務システム「奉行シリーズ」に対応した指静脈認証システム「静紋ｆｏｒ奉行」を開発したと発表した。ＯＢＣが提供する「奉行内部統制支援ソリューションフレームワーク」のアカウント管理・認証強化ソリューションとして採用され、同日から全国のＯＢＣ販売パートナーを通じて売り出した。日立ソフトはこれまでも指静脈認証装置と指静脈認証情報を一元管理する認証管理システムを提供し、両製品はパソコンのログイン認証や出退勤管理の本人確認などに利用されている。今回は内部統制への対応やコンプライアンスの徹底が重要視されている中、両製品を財務情報を扱う「奉行シリーズ」向けに開発した。これにより「奉行シリーズ」へのＩＤ・パスワード認証を指をかざすだけの簡単操作で確実な本人確認を行うことができる。また、「いつ、だれが認証されたか」などのログ情報を取得、管理することで「奉行シリーズ」を利用するうえでの監査の仕組みづくりも可能となる。価格は３ライセンス（３台分）パックの場合で１３万８０００円。

△飲酒運転ＮＯ　日産<7201>が秋のキャンペーン
日産自動車は２１日から１０月２１日まで、交通安全に対する啓発を目的とした「第３６回ハローセーフティキャンペーン」を実施する。同キャンペーンは毎年春と秋、夏休み期間中に展開しており、１９７２年に開始以来、今年で３６回目。今回の重点課題は「飲酒運転の根絶」など。キャンペーン期間中、親子で「お酒を飲んだら運転しない」と約束を取り交わすデザインのコースターを全国の街頭でドライバーに配布し、飲酒運転防止につなげたい考えだ。
（FujiSankei Business i）