8/31 お昼の『株価材料』PART Ⅱ

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■株価材料

△富士通<6702>が大幅高、ＤＲＡＭ製品の特許侵害訴訟で勝訴
富士通が大幅高となっている。前日の米国株式市場で、フィラデルフィア半導体株指数が上昇したほか、米デル(DELL.O: 株価, 企業情報, レポート)が好決算を発表し時間外取引で買われたことなどからハイテク株を見直す機運が高まっている。また、同社は３０日、台湾半導体メーカーの日本法人が販売するＤＲＡＭ製品に対する特許侵害訴訟で、東京地裁から勝訴の判決を受けたと発表した。これも材料視された。

△エイジア<2352>買い気配、ソフトブレーン<4779>との提携が手掛かり
エイジアが買い気配。３０日にソフトブレーンと資本・業務提携で合意したことが引き続き買い材料となっている。
ソフトブレーンはエイジア株を９月末までに１０００株取得し、持ち株比率８．５９％の第２位株主となる。エイジアもソフトブレーン株を１２月末までに取得予定だが、持ち株比率は１％未満になるという。業務提携では製品の共同開発や既存製品の相互販売などを行う。ソフトブレーンは非製造部門の業務効率化を支援するソフト開発やコンサルティングを行っている。エイジアはウェブマーケティングシステムが主力。

△三井金<5706>が反発、亜鉛鉱山の開発強化との報道で
三井金属が反発。３１日付日経新聞朝刊で、同社が亜鉛の鉱山開発を強化すると報道されたことなどが好感されている。報道によると、１０年間で最大４００億円を投じる。国内の鉱石消費の約２割にあたる１１万─１２万トンを新たに確保して海外鉱山会社からの購入をほぼゼロにする。亜鉛は自動車向けに需要が増加しており、世界的に獲得競争が激しくなる中、同社が鉱山権益を大幅に増やせば国内自動車メーカーなどの調達の安定性が増すとしている。

△紙・パセクターがしっかり、業界再編への期待高まる
王子製紙<3861>、三菱製紙<3864>、北越製紙<3865>など、紙・パセクターが全般にしっかり。３１日付日経新聞朝刊が、日本製紙グループ本社<3893>とレンゴー<3941>によるダンボール原紙生産の統合を報じたことで、過剰設備をかかえて再編の思惑がくすぶっていた紙パ業界について、改めて業界再編期待が高まっているという。

△住江織<3501>しっかり、3億円上限に自己株取得を発表
住江織物がしっかり。同社が３０日に発行済み株式総数の１．３０％に当たる１００万株・３億円を上限に自己株を取得すると発表したことなどが材料となっている。取得期間は２００７年８月３１日から２００８年２月２９日まで。

△古河電<5801>堅調、50億円上限に自己株取得を発表
古河電気工業が堅調。同社が３０日に発行済み株式総数の１．４％に当たる１０００万株・５０億円を上限に自己株を取得すると発表したことなどが材料となっている。取得期間は８月３１日から９月２７日まで。

■東芝機械<6104>が軟調、東芝<6502>による株式売却を嫌気
東芝機械が軟調。３０日に東芝が発表した東芝機械株の売却を嫌気しているという。東芝は保有する東芝機械株２２２４万株を、２００７年度上期中に売却すると発表した。一方で、東芝機械は、発行済み株式総数の４．２％に相当する７００万株を上限に自己株を取得する方針。

▼ファースト住建<8917>軟調、07年10月期業績予想を下方修正
ファースト住建が軟調。３０日に発表した２００７年１０月期の業績予想下方修正が嫌気されているという。単体経常利益予想は４５億円から３５億５０００万円に引き下げられた。

△ＳＢＩベリトランス<3749>が買い先行、5000株上限の自己株取得を決議
ＳＢＩベリトランスが買い先行となっている。同社は３０日、発行済み株式総数の２．８７％に当たる５０００株（２億円）を上限とする自己株取得を決議したと発表した。取得期間は９月６日から１２月５日まで。足元の需給改善を期待した買いが入っている。

△石川島運搬機械<6321>が買い気配、業績予想の上方修正と増配を好感
石川島運搬機械が買い気配。３０日に２００８年３月期中間・通期業績予想が上方修正されたことを好感している。また年間配当予想が１０円から１４円に増額されたことも買い材料。
国内外の受注環境が順調であるほか、ＩＨＩ<7013>からの事業統合で譲り受けた運搬機械と機械式駐車装置の両事業が好調だという。
０８年３月期予想の売上高は５６０億円から６００億円、経常利益は１７億円から１９億円、純利益は８億５０００万円から９億５０００万円に引き上げられた。

▼7月の石油製品・その他特殊要因除くＣＰＩは前年比‐0.3％
内閣府は３１日、７月の石油製品・その他特殊要因除く消費者物価指数（コアコアＣＰＩ）が前年同月比マイナス０．３％になったとの試算を発表した。

▼7月の鉱工業生産速報は前月比‐0.4％＝経済産業省
経済産業省が発表した７月の鉱工業生産指数速報（２０００年＝１００、季節調整済み）は１０８．１で、前月比マイナス０．４％となり、２カ月ぶりに低下した。ロイターの事前予測調査では前月比マイナス０．５％が予想されていたが、発表された数字は予想を上回った。経済産業省は生産の基調判断を「横ばい傾向」に据え置いた。業種別にみると、輸送機械、化学（医薬品除く）、金属製品などが生産の低下に寄与した。７月の鉱工業出荷指数は前月比マイナス１．２％、在庫指数は同マイナス０．３％だった。製造工業生産予測指数は、８月が前月比プラス６．８％、９月が同マイナス２．５％の見通しとなった。８月の上昇に寄与するのは輸送機械、電子部品・デバイスなど。９月の低下に寄与するのは情報通信機械、輸送機械など。結果はほぼ予想通りとなり、各市場は反応薄となっている。
（ロイター）

▼日産自<7201>：15年間の排出ガス増加率、大手６社中で最大－米環境保護団体
日産自動車製の自動車の排出ガスの15年間の増加率が、米国で最も売れている自動車メーカー６社のなかで最大だったことが、環境団体のリポートで30日、明らかになった。米環境保護団体エンバイロメンタル・ディフェンス（ワシントン）が30日発表したリポートによると、日産の2005年モデルが耐用年限を迎えるまでに出す排出ガスは1990年モデルと比べて平均9.2％増加した。燃費の悪いライトトラックの投入が増えたことが背景にある。
一方、トヨタ自動車<7203>は平均３％減少した。リポートの主筆を務めたジョン・デチッコ氏は「これまでの市場の動きは、地球温暖化の本格的な解消に必要とみられる水準には程遠い」とし、｢自動車の排出ガスを大幅に制限する新たな政策が必要になるだろう｣と指摘した。ドイツのダイムラークライスラー車の排出ガスは4.8％増と、２番目に増加率が高かった。ダイムラーに続いてホンダが4.4％増、米フォード・モーターは 4.3％増、ゼネラル・モーターズ（ＧＭ）は３％増だった。
（ブルームバーグ）

△リバーエレテク<6666> 大和総研では30日付で、ノーレーティングながらポジティブなレポートをリリースしている。
第1四半期は大幅増益、第2四半期も好調を維持していると。超小型水晶が急拡大しており、今期は上期、通期ともに会社計画を大幅に上回ると予想している。なお、08年3月期の同証券予想は経常利益で15.7億円（会社予想10.71億円）。

△東北電力<9506> 小じっかり。
バイオディーゼル燃料製造の副産物を、生分解性プラスチック原料の乳酸に転換する研究に成功したと報じられている。副産物である廃グリセリンを処理することが課題だったことから、市場の拡大期待に。

△市田<8019> 急伸。
ツカモトなども賑わいを見せ、含み資産関連として物色される展開のようだ。先に伝えられてはいたが、ティファニーが銀座本店を坪当たり1億8000万円でゴールドマンに売却と発表、都心に土地を持つ企業の含みが一段と拡大していくとの期待感。

▼松屋<8237> 売り優勢も連日陽線に。
引き続き一目均衡表の先行スパン（雲）下限レベルでの攻防となる一方、基準線、転換線がサポートとして機能している。遅行スパンは上方転換シグナル発生。連日売り先行で始まっているが、需給面からか陽線が続いている。

▼パーク２４<4666>---4営業日続落で05年6月以来（分割修正）の安値水準
4営業日続落で05年6月以来（分割修正）の安値水準に。第3四半期業績が発表され、通期利益計画の達成は困難との見方に。なお、みずほ証券では業績不透明感から投資判断を「2」から「3」に引き下げている。

△日本製鋼所<5631>---しっかり、野村が原発設備関連のレポート
しっかり。野村では、原子力発電設備業界に関する50ページ超のレポートをリリースしている。02年-16年の原子力発電所市場規模は推定7000億円だが、2016-20年には2.4兆円市場になるとみている。世界で強い競争力を誇る部品メーカー、国内のメンテナンスで成長が見込まれるメーカーに注目としているようだ。前者の観点からは同社や帝国電機に注目と。

△富士通<6702>---続伸、ＤＲＡＭ特許侵害裁判で勝訴
続伸。ＤＲＡＭ特許侵害訴訟で勝訴したことも支援材料。台湾メーカーのナンヤ・テクノロジー日本法人に対するＤＲＡＭ製品の特許侵害訴訟で、特許侵害行為の差し止めと損害賠償請求が認められたと発表している。なお、前日にはムーディーズが長期債格付けを引き上げ方向で見直すとも伝わっている。

△Ｕテクノロジー<2146> 大幅高。
いちよし証券では30日付で投資判断を「2-C-HR」から「3-B-HR」に変更、バリュエーションについては引き上げとなっている。08年3月期の同証券予想を上方修正しており、株価には若干割安感があると。なお、08年3月期は経常利益で45.5億円（会社予想32.5億円）と予想、フェアバリューについては18.1万円としている。

△ミネベア<6479>---続伸、リーマンでは投資評価格上げへ
続伸。リーマンでは投資評価を「オーバーＷ」に格上げ、目標株価も720円から810円に引き上げている。ピボットアッシーやＨＤＤモータなどの出荷が急速に上向くなか、最大の懸念材料だったタイバーツ高も一服、今期業績に上方修正期待が高まってきたと評価している。

▼みずほ<8411>---ネガティブレポート観測で抵抗線突破は厳しいか
25日線レベルの攻防。抵抗線レベルで強弱感が対立しやすいところであるが、外資系証券による銀行株に対するネガティブレポートが観測されており、抵抗線突破は厳しいか。ただ、ポジションがショートに傾きやすい地合いであり、ショートカバー警戒から下も売り込みづらい。

△レンゴー<3941> 買い先行。
来春をメドに日本製紙と段ボール原紙の生産を事実上統合すると報じられている。両社の提携は昨年11月に発表されていたが、ここまで具体策が打ち出されていなかった。両社合算の国内シェアはトップとなり、スケールメリットによる価格政策の優位性、コスト削減の進展などが期待される展開に。

▼ＴＦＰコンサ<4792> 売り気配。
修正幅の大きさがネガティブサプライズとして受け止められているようだ。同社は30日、中間期並びに通期の業績予想を大幅に下方修正している。08年3月期については経常損益で従来予想の23億円の増益予想から一転、5.4億円の赤字（前期17.73億円の黒字）にまで減額された。インターメスティックの上場延期による影響は懸念されていたものの、想定以上の修正幅が嫌気されているもよう。

△東エレク<8035>---米ハイテク株堅調で押し目買い
買い気配スタート。米4-6月ＧＤＰで設備投資が上方修正されたことでハイテク株が堅調に推移していたほか、ＰＣ大手デルの時間外の上昇なども手掛かりに。ただ25日線接近だが、このレベルは昨年10月以降の支持線から抵抗線に変わったレベルであり、強弱感が対立するところ。
（フィスコ）

△積水ハ<1928>は通期売り上げ減額も下げ過ぎ訂正で続伸
積水ハウスは、３２円高の１４９９円と続伸し８月２９日につけた年初来安値１４２６円から出直っている。前日３０日に２００７年７月中間期決算を発表、減収減益だが期初予想より若干上ぶれて着地、１月通期業績も売り上げを期初予想より下方修正したが、利益は連続の過去最高純益更新を据え置いており、下げ過ぎ訂正の割安株買いが続いている。同社の中間期業績は、前年同期比２％減収、３６％経常減益、３６％純益減益となった。工業化住宅請負事業では、新製品を投入し営業組織改組による営業力の強化を進め、売り上げは０．１％減、営業利益は５％減にとどめたが、不動産販売事業で前年同期に「赤坂ガーデンシティ」の留保持分を売却して大幅増益となった反動で減収減益となった。１月通期業績は、戸建て住宅の販売が伸び悩むことから、売り上げを期初予想より５００億円下回る１兆６７００億円（前期比４％増）としたが、利益は「東京ミッドタウン」など利益率の高い開発案件の寄与があるとして据え置き、純利益は６５５億円（前期比４％増）を見込み連続の過去最高更新となる。株価は、「赤坂ガーデンシティ」の寄与で１Ｑ業績が大幅増益となり、３０００万株の自己株式取得も実施したことも加わり上ぶれたが、８月２７日の国土交通省から営業停止処分を受けたことから下値を探る展開となっていた。ＰＥＲは１６倍台、テクニカル的にも１３週移動平均線から７％超のマイナスかい離となっており、下値抵抗力を強めよう。

△キトー<6409>は東証１部直接上場の直近ＩＰＯ人気続き続伸
キトーは、１万３０００円高の３０万６０００円と続伸し８月１７日につけた上場来安値２５万２０００円からのリバウンド幅を拡大している。同社は、８月９日に公開価格４０万円で東証１部に再上場されたが、資金吸収額が２１９億円超と巨額で同社へ出資、経営支援した米投資会社カーライル・グループの保有株の売り出しも重なることから、初値を３２万６０００円の公開価格割れでつけ、一時は３２万９０００円まで引き戻したものの、公開価格を１５万円弱下回る安値水準で推移してきた。ここにきて全般相場の急落とともに、直近ＩＰＯ（新規株式公開）銘柄の比較的シコリの少ない需給関係が見直されており、同社株もこの流れに乗り割安株買いが拡大、同じ東証１部直接上場の中国博奇（１４１２）の急反発も連想されている。同社は、不動産投資の失敗などから業績が急悪化、２００３年１０月にジャスダック上場が廃止されたあと、カーライル・グループ傘下で経営を再建、再上場した。工場用クレーンの国内５割、米国３割のシェアを握る大手で、業績は内外の設備投資拡大の恩恵を享受して好調に推移、今３月通期純利益は３２億９６００万円（前期比１８％増）、年間６０００円配当が予想されている。ＰＥＲは１２倍台、配当利回りも２．０％と割安で、公開価格奪回は最低目標株価となろう。

△安川電<6506>は強気目標株価、１Ｑ大幅増益の見直し強まり急続伸
安川電機は、６２円高の１３９５円と急続伸している。米国発の世界連鎖株安に巻き込まれて下値を探る動きが続いていたが、前日の米国市場でハイテク株比率のナスダック総合株価指数が小幅続伸と逆行高したことから、外資系証券の強気の新規投資判断・目標株価設定をきっかけとした今３月期第１四半期（１Ｑ）業績の大幅増益を見直す動きがさらに強まっている。同社の１Ｑ業績は前年同期比２％増収、２３％経常増益、５．０倍純益増益で着地した。インバータ、ＡＣサーボのモーションコントロールが空調業界や半導体・電子部品業界向けに堅調に推移し、自動車業界向けの溶接、ハンドリング、塗装ロボットや半導体業界向けウエハ搬送ロボットが好調に推移したことが寄与した。純利益は前期計上の固定資産の減損損失が一巡して大きく伸びた。中間期・通期業績は、期初予想を据え置き通期純利益は１９０億円（前期比０．１％増）と小幅だが連続の過去最高を予想、配当も１０円（前期実績６円）に増配する。外資系証券は、産業用ロボットなどの世界的競争力から業績の上方修正を観測し投資判断を新規に「買い」とするとともに目標株価を１８００円とした。信用取組倍率が５．４倍とやや荷もたれ感が否定できないが、急落後の修復相場はサブプライムローン問題圏外のハイテク株主導とも観測されており、一段の高人気が見込まれる。

■新規上場のジーエヌアイ<2160>は連続して公開価格を下回り初値
ジーエヌアイが、東証マザーズに新規上場された。公開価格は９０円、公開株式数は１５７１万１０００株となっている。寄り付きから売り気配で始まり、９時２０分に公開価格を１０円下回る８０円で初値をつけ７４円まで下げたあともみ合いとなっている。公開価格割れの初値形成は、前日上場のアークランドサービス（３０８５・ＪＱ）に次ぐ。米国のサブプライムローン問題を震源地とする世界的な信用収縮は、日本のＩＰＯ（新規株式公開）市場への資金流入の後退につながると懸念されており、同社公開価格が、仮条件の下限で決まり、業績がまだ水面下で推移、バイオ関連株へのＩＰＯ人気も退潮していることも影響し売り先行となった。同社は、遺伝子の解析や新薬を開発するバイオベンチャーである。日本や中国などのアジアに患者の多い疾患を適応症とする複数の創薬候補化合物をパイプライン（新薬候補）に持ち、全遺伝子（ゲノム）レベルの遺伝子情報を有効利用する「遺伝子ネットワーク」技術や先端ゲノム技術を活用して医薬品を研究・開発する。中国に連結子会社を保有、人工骨を販売しているほか、肺線維症治療薬、肝線維症治療薬などを開発している。今２００８年３月期業績は、売り上げ２億７６００万円（前期比１１％増）、経常損失１５億２００万円（前期は９億２２００万円の損失）、純損失１５億４００万円（同９億３３００万円の損失）を予想している。

△竹内製<6432>は増益転換の業績増額をサプライズ材料に急続伸
竹内製作所は、寄り付きの買い気配から５２０円高の６１４０円まで買い上げられ急続伸している。前日に今８月中間期・２月通期業績の上方修正を発表、期初の減益予想が増益にプラス転換し連続の過去最高純益更新となることをバネに割安株買いが増勢となっている。同社の株価は、米国のサブプライムローンの焦げ付き問題による米国住宅投資の失速懸念や、円安・ドル高・ユーロ高からの急速な円高反転が響き２６００円幅の急落となっていただけに、業績増額がサプライズ材料となっている。上方修正のうち１月通期業績は、売り上げが期初予想を６６億円、経常利益が２５億９０００万円、純利益が１６億３０００万円それぞれ上回り、純利益は７０億円（前期比１６％増）と増益転換する。米国では、住宅投資の大幅減少でミニショベル、クローラーローダーの需要は減少するが、欧州ではミニショベル、油圧ショベルが期初予想を上回り、為替レートも円安で推移したことが上方修正要因となっており、下期の為替は１ドル＝１１５円、１ボンド＝２２８円、１ユーロ＝１５３円、１元＝１５円を前提にしている。株価は、８月１７日に４７６０円安値まで突っ込みこの半値戻しをクリアしたところだが、業績増額でＰＥＲは１３倍台とさらに割安となる。「半値戻しは全値戻し」に弾みをつけよう。

△レンゴー<3941>は日本紙との生産統合報道で再編思惑再燃し急反発
レンゴーは、４３円高の７１５円と４日ぶりに急反発している。この日付けの日本経済新聞で、同社が、日本製紙グループ本社（３８９３）と来春をメドに段ボール原紙の生産を事実上統合すると伝えられたことが買い手掛かりで、業界再編の第２幕がスタートするとの思惑を刺激している。同社は、昨年７月の王子製紙による北越製紙に対する敵対的ＴＯＢに端を発した業界再編では、日本紙、住友商事と古紙、板紙、段ボールの三位一体の事業統合に合意、これに沿って今年８月１５日に日本紙向けに８４３万株の自己株式処分、同社も日本紙株式を取得すると発表したばかりである。報道では、東日本では、日本紙の板紙生産子会社の日本大昭和板紙の草加工場の抄紙機を破棄してレンゴーの最新鋭の八潮工場に集約する一方、西日本では、レンゴーの淀川工場を閉鎖し日本大昭和板紙の芸防工場に生産移転するなど生産計画、製品の相互融通を含め一体運営をするとされた。段ボール原紙で業界２位の日本紙と同４位の同社の提携で国内シェア３０％強に高まり首位の王子紙を抜くだけに、業界再編が再点火すると予想されている。８月２８日には三菱製紙が、写真印画紙事業で富士フイルムと資本・業務提携をしており、多様なプレーヤーも参戦し株価を刺激する展開となりそうだ。

△モロゾフ<2217>は業績上方修正が低位値ごろ株人気再燃し続伸
モロゾフは、１０円高の３５０円と変わらずを含み４日続伸となっている。前日に２００７年７月中間期・１月通期業績の上方修正を発表、今期第１四半期（１Ｑ）業績の大幅増益・高進捗率着地に次ぐ追撃材料として、低位値ごろ株人気を拡大している。上方修正のうち１月通期業績は、売り上げが期初予想を３億円、経常利益、純利益が１億円それぞれ引き上げられ、純利益は７億円（前期比２．４倍）と増益率を大きく伸ばす。干菓子が、バレンタイン商戦、ホワイトデー商戦の多彩なブランド戦略や販売拠点拡充で大幅増収となり、半生菓子もプリンキャンペーンやマンゴーキャンペーンが奏効、生産体制再構築や事業所統合などの業務効率化でカカオ類などの原料費上昇を吸収し上方修正につながった。同社は、前期も昨年８月、今年２月と業績を２回上方修正、今年６月発表の今期１Ｑ業績も大幅増益となり、そのたびに株価は動意付いている。全般相場の方向性がまだ不透明化している環境下で、低位値ごろが株価材料視される展開をプッシュしよう。
（東洋経済新報社）

△丸文<7537>が値上がり率上位、高収益力に定評、ＰＥＲはまだ１１倍台
丸文が出来高を増大させ、株価も続伸で９８円高の１３４４円まで上げ幅を拡大している。東証１部値上がり率上位。先行き不透明感が払しょくできない環境下にあって、同社は高収益力に定評がある上に、ＰＥＲもまだ１１倍台とあって買い安心感が強く人気につながっているようだ。上値を期待したい。同社の今０８年３月期第１四半期連結決算では前年同期比２２．１％の営業増益、４３．２％の経常増益、２５．４％の最終減益を確保している。最終減益は前年同期に投資不動産売却益が計上されていたためで、中間期予想に対しての進ちょく率は営業利益では４９．３％にとどまったが、経常利益では６２．１％、純利益でも５３．６％と順調。
（株式新聞ダイジェスト）

▼パーク２４が連日安値更新、みずほ証は格下げ
駐車場運営のパーク２４<4666>が連日の上場来安値更新。同社が前日に発表した０６年１１月～０７年７月期業績では経常利益が前年同期比７％増の９０億３９００万円だったが、０７年１０月期通期計画に対する進ちょく率が６５％と不足感があるようだ。みずほ証券では同社株の投資判断を「２」から「３」に引き下げている。リポートでは「通期利益計画達成は困難、業績不透明感から投資判断を引き下げる」などとしていた。稼働率の伸び悩み・新規開発物件の収益化の遅れなどが要因という。（

△イビデン<4062>、ガイシ<5333>が高い
イビデン、日本ガイシが上伸している。両社ともに排ガス浄化装置（ＤＰＦ）を手掛けており、この日設定が多い環境関連の投資信託に組み入れられるとの期待感があるようだ。３１日に設定されるのは国際投信の地球温暖化対策株式オープン（愛称・地球愛、当初募集上限７５０億円）、温暖化対策株式オープン（グリーンプラネット、１２５０億円）。三菱ＵＦＪでは地球環境株・外債バランス（地球くん、１０００億円）、地球環境株ファンド（環境くん、１０００億円）、また、ＵＢＳ地球温暖化対策対応関連株ファンド（クールアース、３０００億円）など。このひの環境関連ファンドの当初募集上限合計は市場関係者によると７０００億円で、実際にどの程度集まったのかに関心が高い。
（ラジオNIKKEI）

▼7月の消費者物価0．1％下落＝マイナスは6カ月連続－総務省
総務省が31日発表した7月の全国消費者物価指数（CPI、2005年＝100）は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が前年同月比0．1％下落の100．0だった。マイナスは6カ月連続。主な品目別では、ガソリンなど石油製品が2．1％上昇し、6月に比べ上昇幅が0．7ポイント拡大した。一方、たばこは昨年7月の値上げから1年が経過したことで、前月までの物価押し上げ効果（6月0．06％）がなくなり、石油製品値上がりに伴う物価上昇効果（0．08％）をほぼ打ち消した。
（時事通信）