これから株式投資を始められる方へ！

　これから株式投資を始める、もしくは株式投資は初心者という方も
当然多くいると思います。今からの株式投資はかなり有利であるとは思いますが、
全資金をつぎ込んでも、うまくすれば資金を数倍にすることだって可能かも
しれません。
　
　しかし、株式投資はかならず余裕資金で、しかもその余裕資金の半分しか
つぎ込まないつもりで投資を始めてください。

　自分が買った株が上がり始めたり、儲かり始めると、
「資金は多ければ多いほど儲かる」･･･
･･･と確信してしまうでしょう。

そうなってしまうと「儲かる」ことしか考えなくなってしまうものです。
「資金が大きければ大きいほどリスクも増大する」などと、
誰もがわかりきっていることです･･･頭のなかでは･････

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頭で思ったようにはいかないのが、実際の株式投資です。
１００の資金を投入した時は、仮に３割下がっても３０の損で済みます。
しかし、１０００の資金を投入した時、同じ３割下落だと３００の損になります。
わかりきっていることではありますが、実際には、３０の損には精神的に
耐えられても、３００の損になってしまうと精神的に耐えられない投資家は
多いものです。頭ではわかっているつもりでも、これは実際経験してみないと
わからないものです。

　心理学用語に「認知的不協和低減」という言葉があります。
今まで全然関係もなく、興味もなかった傍観者の立場から、
ひとたび市場の参加者になった途端、（強烈な主観や願望が入ってしまうため）
市場を見る目が歪み、心理状態が一変してしまいます。
（他には、当事者である場合と相談を受ける側の立場では、同じ自分自身で
あっても言動が違ってくることは多々ありますよね。）
失敗しないためには、当事者（投資家）となったら、この心の変化を自覚する
必要があります。

　自分の実力以上に相場に資金を投入すると、些細な下げでも恐怖感に勝てず、
失敗を繰り返すことになりかねません。損切りすべきところに買い足したり、
逆にもう少し待てば回復するのに待ちきれず売ってしまったり、
とにかく裏目ばかりいってしまう人を大勢見てきました。

　そんな失敗や不安の連続に耐えられず、今度は自分をあくまで正当化しよう
とする心理が働きます。現状を直視できないというか、認めたくないという
心の葛藤です。そして、現状から自分の有利な情報を探し出そうとします。
そうすることで、バランスを保とうとするように･･･

つまり心の不協和を中和しようと努力するのです。
これが「認知的不協和低減」というものです。
そして次第に現実を無視（放ったらかし）しします。
こうして塩漬けの株ができ、株は怖いという結論に達していきます。
破滅にだってなりかねません。

　そうならないためには、うまくいかないようだったら損が膨らまないうちに、
迷わず手仕舞うことです。誤りを正すのは早いにこしたことはありません。

　もう一つは、先に述べた、「余裕資金で、しかも手持ちを残して」という
ことです。儲けつづけることが可能であれば、全資金つぎ込まない手は
ありません。しかし、それはあり得ないと思うべきです。株式投資は
全ての勝負に勝つゲームではなく、トータルで勝ち越すゲームなのです。

１万回いつも有り金全部つぎ込んでも儲かっている人は、
その習性を直すことは困難でしょう。
１万と１回目に暴落に見舞われて、今まで稼いできた利益を一辺に失うことだって
あります。そして「認知的不協和低減」に見舞われてしうのです。
自分の分身であるお金を相場という荒海に送り出したとき、
その分身が転覆しそうになっても、助け船が出せないような状況を作り出すのは
避けるべきです。

　余裕のある資金で、余裕のある心で投資をはじめましょう。
生活がかかっているような切羽詰まった欲目で冷静な判断ができるはずも
ありません。相場が思い通りにいくはずはありません。
「市場」と「私情」は別物と心得てください。

　偉そうな事を言ってしまいましたが、人間の心理は古今東西そう変わっては
いないと思います。相場の鉄則もしかりです。
相場で財を成した人全ての共通点も古今東西みな一緒です。