『京の地蔵盆』（京都の休日２１）

　本日は京都の「地蔵盆(じぞうぼん)」です。

　最近、地蔵盆を知らない方々が増えたのですが、
それだけ催さない地域が多くなったって事ですが･･･

　地蔵盆は全国的に行われている風習ではあるのですが、
関西地方において特に盛んだと言うのですが、
「風習」と言うモノは地域を問わず、出来るだけ大事にして行きたいものです。

　この「地蔵盆」とは，お地蔵さんをお奉りし、
子どもたちのすこやかな成長を願う催しです。

　この「地蔵盆」を調べて行くと、結構、作法等で適当な事を
書いている処が多く、ビックリしました。

　この「地蔵」とはお判りの通り「お地蔵さん(地蔵菩薩)」の事で、
この「お地蔵さん」は、基本的には「母屋取り」の敷地にあり、
そこへ「分家」が集まって「一家」単位でするのが本来の姿なんです。
その上での町内です。

　ですので、普段から手入れされているのが普通です。
他所では町内単位の内容しか書いていない処が多いですが･･･

「母屋取り」とは跡継ぎの事で、普通は長男の家です。
「分家」はその兄弟関係です。

その地蔵とは、サンスクリット語のクシティガルバの意訳で、
クシティは「大地」、ガルバとは「胎蔵」のことであり、
合わせて「地蔵」と訳されました。
この地蔵菩薩はお釈迦様が入滅してから未来仏の弥勒菩薩がこの世に現れるまで
人間界のみにあらず地獄・飢餓・修羅・畜生・天といった六道すべてにおもむき
人々を救済した･･･ということから、非常に大切にされてきました。

　その「お地蔵さん」に子供の名前入りの提灯(ちょうちん)を奉納し、
お供えをします。

　もともと宗教的な行事である以上、お坊さんによる読経や、
百万遍数珠回しといった仏教的なものもあるのですが･････

　子供たちは道沿い２～３ｍ間隔に座って、通る大人たちを
"とうせんぼう"(不通)して、お菓子などを貰ったり、
大人たちの手で「金魚すくい」や「福引」「ゲーム」等、
メインは子供向けのイベントであり、この期間は子供にとって
天国なんですよねぇ～･･･！！

　地蔵盆は宗教的行事という枠を越えて、京都のような閉鎖的地域社会の
絆を深める役割を果たすものと考えることができます。

しかし、近頃では上に書いたような地蔵盆というのは他府県では
なかなか行われないようにあります。
昔とは地域社会の持つ意味が違ってきたということなのでしょうが、
非常に寂しい限りです。

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