8/12『株価材料』PART Ⅰ

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■株価材料

△マブチ<6592>が買い気配、業績・配当予想の上方修正を好感
マブチモーターが買い気配となっている。９日に発表した２００７年１２月期業績予想の上方修正を好感した。連結経常利益は従来予想の１５１億円から１７７億円、連結純利益は１００億円から１２０億円に増額した。自動車電装品向けをはじめ、すべての用途市場で数量・金額とも予想を上回っているという。円安も利益押し上げ要因となる。好業績を受けて年間配当予想は１１２円から１２３円に引き上げた。

■ブリヂストン<5108>株が軟調、2度目の上方修正も全体安に押される
午前の株式市場では、ブリヂストンが軟調。９日に２００７年１２月通期の連結業績予想を上方修正し、営業利益を前年比１２．６％増の２１５０億円（従来予想は２１１０億円）に引き上げたが、全体安に押されている。上方修正は６月に続いて２度目。１─６月期の為替が想定よりも円安に推移したという。配当も上方修正し、６月中間期、１２月通期とも１株１３円（従来予想はともに１２円）に引き上げた。これにより、年間配当予想は従来の２４円から２６円となる。

▼米サブプライム関連のＣＤＯ残高、6月末時点で210億円＝あおぞら銀行<8304>
あおぞら銀行 は１０日、米サブプライムローン（信用度の低い借り手向け住宅ローン）に関連したＣＤＯ（債務担保証券）の保有残高は６月末時点で２１０億円と発表した。第１・四半期決算発表時に開示しているが、サブプライム問題の金融機関への影響が注目されるなか、あらためて開示したという。　ＣＤＯに関しては第１・四半期において４４億８０００万円の評価減を実施しており、うち７０００万円を損金計上している。ヘッジファンド投資に関しては６月末時点で２０００億円の残高を有しているが、米サブプライムローンを主たる投資資産としたファンドはないという。

△カザフスタン鉱山の権益売却で東芝<6502>と話し合っている＝丸紅<8002>
丸紅は１０日、カザフスタン鉱山の権益の売却について東芝と話し合っていることを明らかにした。ただ、まだ何も決まっていないという。丸紅広報部がロイターに語った。１０日付日経新聞朝刊は、東芝<6502>がカザフスタンのウラン鉱山権益を取得すると伝えている。報道によると、数百億円を投じて５５％分を保有する丸紅<8002>から２２．５％を譲り受ける見通しで、ウラン燃料から原発機器製造まで一貫して提供できる体制を整え、合わせてカザフとの関係を強化することで原発ビジネスでの競争力を高める。
（ロイター）

△エンＪ<4849> 買い先行。
中間決算発表を受け、過度な警戒感が後退しているようだ。07年6月中間期の実績は経常利益で34.3％増の31.72億円となり、第1四半期に比べて増益率が拡大している。リクルートの値下げによる影響や広告費の増額競争などから、これまでは足元の業績への懸念が高まっていた。なお、ＵＢＳ証券では投資判断「Buy」並びに目標株価74万円を継続、日興シティでは「1H」並びに89.8万円を継続するなど、アナリストの評価は総じて高いままとみられる。

△東洋炭素<5310> 続伸で連日の高値更新。
ＣＳでは「環境関連銘柄の代表格へ」と位置づけ、目標株価を10900円から15800円にまで引き上げている。今期営業利益は会社計画82億円に対して109億円までの上ブレを予想、長期的には、ＬＥＤの一般照明向け需要が拡大すれば、収益構造が一変する可能性も高いと評価している。

▼ニッパツ<5991>---急落、第1四半期2ケタ営業減益決算で
急落。前日発表している四半期決算内容も嫌気売りにつながっている。第1四半期営業利益は前年同期比10％減、各社のコンセンサスを下回る水準となった。中間期は増益予想であるほか、もともと上半期107億円、下半期183億円といった下期回復を織り込んだ収益予想となっており、業績計画達成に対する不透明感は強まる状況。

△クオール<3034> 大幅高。
三菱商事による連結化報道が材料視されているようだ。クオールは10月に三菱商事が出資するエーベルを吸収合併、三菱商事はクオールに約20％を出資する格好となって持ち分法適用会社にすると報じられている。

▼クリード<8888>---下げ目立つ、ＣＳは流動化各社の目標株価下げ
下げ目立つ。ＣＳでは投資判断「アウトパフォーム」継続ながら、目標株価を497000円から375000円に引き下げており、株価下落の一因ともなっている。銀行のファンド向け貸出残高の減少が加速しており、アセットマネジメントカンパニーの利益成長が鈍化する可能性とみているようだ。同社のほか、ケネディクスやパシフィックＭなどの目標株価も引き下げへ。

△楽天<4755> 続伸。
軟調な新興市場の中にあって前日は一時ストップ高、本日も逆行高となっている。ヘッジファンドのポジションクローズに伴っての買い戻しの動きが活発化しているとの見方が支配的のようだ。なお、朝方にシートリップ株売却についての詳細を明らかにしており、売却益は約455億円と事前予想の範囲内となった。

△メイテック<9744>---続伸、一部銘柄では買い戻しの動き継続
続伸。ヘッジファンドのポジションクローズに伴う買い戻し期待で、前日からショートポジションのたまっている銘柄には買い戻しの動きが活発化している状況だ。目先的には、リスク資産圧縮の動きに伴って、こうした動きが継続する可能性が高いとの見方にも。同社のほかニッセン、ニチハ、アリアケ、クリナップ、エイベックス、クレセゾン、ユニツールなど同様の展開で連日の大幅上昇へ。

△新日鉄<5401>---雲下限レベルまで調整、一旦リバウンドも
4日続落で一目均衡表の雲下限レベルまで調整している。一旦はリバウンド狙いの動きも期待される。持ち分法適用会社のウジミナスが既存製鉄所の増強などに約1兆円を投資すると発表。Ｈ形鋼の販売価格を8月契約分から値上げするほか、ブリキを10月から値上げすると発表。

△アドバンテス<6857> 切り返しをみせ、前日高値を超えてきている。
7月半ば以降下落基調を強めていたが、ＰＥＲは22倍まで低下しており、押し目買いレベルか。ＮＹダウが大幅下落となるも、半導体ＳＯＸ指数は底堅く。

△Ｆリテイ<9983>---続伸、バーニーズ買収断念もポジティブに
続伸。比較的、ショートポジションの積みあがっていた銘柄とも観測され、前日からは買い戻しの動きが活発化しているものと観測される。本日はバーニーズの買収断念報道が伝えられている。Ｍ＆Ａによる成長戦略は振り出しに戻る格好だが、過度な買収額の引き上げ懸念が後退したことで、短期的にはポジティブ材料とも受け止められているようだ。

△サイバード<4823> 一時ストップ高。
四半期決算の内容がポジティブに受け止められているようだ。第1四半期は売上高が前年同期比89.9％増の76.55億円となったほか、経常損益については2.86億円の黒字（前年同期3.07億円の赤字）となった。

△カーボン<5302>---押し目買いレベル
押し目買いレベル。8/7高値857円以降、利益確定に押されていたが、7/23戻り高値756円まで調整しており、この水準から25日線レベルの価格帯は、一旦はリバウンド狙いの買いが入りやすいところ。

△東芝<6502>---ウラン鉱山権益を取得
25日線レベルの攻防。三角保ち合いを形成しており、25日線レベルで煮詰まり感が台頭している。カザフスタンのウラン鉱山権益を取得すると報じられている。有機ＥＬに関した材料も伝えられている。

△長谷工<1808>---買い先行、第1四半期は営業益・受注とも好調
買い先行。前日に発表した四半期決算内容がポジティブに受け止められる。第1四半期営業利益は前年同期比43％増益、中間期計画は2％増益予想にとどまっているため、業績上ぶれ期待が先行の格好。また、受注高も同22％増と好調、ＧＳでは営業利益、受注ともに予想以上でポジティブな内容と判断。

△佐世保<7007>---反落も強基調銘柄は押し目買い意欲強く
反落も強基調銘柄は押し目買い意欲強く。幅広い銘柄が売り気配から始まる中、すんなり寄り付いている。前日に年初来高値を更新。トレンドの強い銘柄や、好業績銘柄については押し目買い意欲は根強い。

▼メガバンク---売り気配、米サブプライム問題の懸念再燃で
メガバンク揃って売り気配。前日まではヘッジファンドのポジションクローズに伴う買い戻しの動きが先行で、総じて堅調な動きとなっていたが、本日は、米国市場でサブプライムローン問題への警戒感が再燃しており、あらためて同問題に対する不安感が強まる形に。世界株安に伴う利上げ観測の後退も、ファンダメンタルズ面ではマイナス材料に。
（フィスコ）

△日化薬<4272>は純益４３％増益見直しを信用好需給が支援し反発
日本化薬は、１８円高の９５５円と４日ぶりに反発している。６月２９日の５月期決算発表から今期純利益の４３％の大幅増益予想を手掛かりに１４０円高して往って来いなっていたが、国内証券の投資判断引き上げや信用好取組を見直し下値の打診買いが再増勢となっている。同社の業績は、前期が今年３月の下方修正通り前々期比５％増収、５％経常増益、３１％純益減益となった。純利益は、前々期計上の社宅跡地売却益の一巡、連結子会社ののれん代減損損失や電子情報材料の市況回復遅れ、価格下落などが響き大幅減益となったが、業績総体は半導体封止材用エポキシ樹脂や子会社のポラテクノの偏光フィルム事業、国内向け新抗がん剤などが堅調に推移し小幅増収増益を達成した。今期も同様に増収増益を予想、純利益は前期の大幅減益要因の一巡から９５億円（前期比４３％増）と伸び、前々期の過去最高純益への肉薄を予想している。株価は、ＰＥＲ評価では市場平均並みだが、信用取組倍率は０．７倍と好需給で、一部国内証券の投資判断が「中立」から「やや強気」にランクアップされた。ここ逆行高の続く売り長銘柄の一角として注目度が高まろう。

▼チムニー<3362>は業績再上方修正に増配オンも全般安から続落
チムニーは、３５円安の２１００円と続落している。前日に今年５月の上方修正値を上ぶれる２００７年６月中間期業績とともに、１２月通期業績の再上方修正と中間期・期末配当の増配を発表したが、全般市場の全面安が響き前向き評価は不発となっている。同社は、第１四半期決算を開示した今年５月に業績を増額修正したが、中間期業績はこの修正値を上ぶれ前年同期比２７％増収、４３％経常増益、３８％純益増益で着地した。１月に中部オフィス、４月に北海道オフィスを開設する広域展開と中間期で２４店の直営店、８店のＦＣ店を出店する店舗網拡大を進め、新卒採用１７０名の人財教育の充実などが要因となった。今後も全社的な業務改革を進めることから１２月通期業績を再上方修正した。売り上げは期初予想据え置きとしたが、経常利益は１億５０００万円、純利益は７５００万円引き上げ、純利益は１４億２５００万円（前期比２０％増）と伸び、連続過去最高となる。配当は、前期実績・期初予想の中間期・期末各５円を７円に引き上げ、年間１４円に増配する。株価は、４月実施の公募増資・株式売り出し（発行価額２２７４円）を嫌って６５０円安し、５月の業績増額で半値戻しをクリアして中段固めを継続している。ＰＥＲ１３倍台はなお割安修正余地が大きく、公募増資価額クリアへ動こう。

△トーカロ<3433>は１Ｑ２ケタ減益織り込み下値抵抗力発揮し急反発
トーカロは、１６５円高の２８００円と４日ぶりに急反発している。８月２日の取引時間中に発表した今３月期第１四半期（１Ｑ）決算が、２ケタ減益で着地したことを嫌って長大ヒゲで下値を探るダメ押しとなったが、下値は固いとして下げ過ぎ訂正の割安株買いを誘発している。同社の１Ｑ業績は、前年同期比１％増収、２１％経常減益、１８％純益減益となった。溶射加工部門で電力・石油化学関連の大型工事案件の受注や鉄鋼分野の堅調な受注推移により増収をキープしたが、半導体・液晶製造装置業界の在庫調整や新規設備投資見直しなどにより同業界向けの溶射加工が減少し、前期からの高水準の設備投資による減価償却の負担増も加わり２ケタ減益となった。中間期・通期業績は、期初予想を据え置き、通期純利益は３１億９５００万円（前期比１７％減）としているが、１Ｑ進捗率は２７％と目安の２５％は上回っている。株価は、期初に今期業績の減益転換を予想、前期業績の再三の業績上方修正・過去最高更新とは様変わりとなったことから５月安値２４１０円まで１０００円幅の調整となった。今回の調整では下値抵抗力を発し、短期・小幅下ぶれにとどまっており、悪材料織り込みとしてＰＥＲ１３倍台の下げ過ぎ訂正の一段のリバウンドも有力となる。

□ブリヂストン<5108>は急反落、業績再増額に増配重なるが利益確定売り
ブリヂストンは、１３５円安の２５５５円まで売られ５日ぶりに急反落している。前日に６月２７日に開示した今期業績の上方修正値を上ぶれた６月中間期決算とともに、１２月通期業績の再上方修正、増配を発表したが、９日の米国市場でＮＹダウが今年２番目の下落幅となったことを嫌い、利益確定売りが先行している。同社の中間期業績は、前年同期比１３％増収、２８％経常増益、６１％純益増益で着地し、６月修正値を利益は各１９３億円、７９億円上ぶれた。タイヤ部門が、グローバルな生産拠点の整備と戦略商品の投入によりとくに米州、欧州で売り上げを伸ばしたほか、自動車関連部品や建材事業の多角化部門も堅調に推移し原材料価格高騰を吸収して大幅増益となった。通期業績は、輸出用タイヤの販売が前期を上回り、為替レートも年間平均でドルが２円、ユーロが９円円安と想定し６月修正値を再増額した。売り上げが２００億円、経常利益が１５０億円、純利益が３０億円上積みされたもので、純利益は１０９０億円（前期比２８％増）と増益率を伸ばす。配当は、年間２６円（前期実績２４円）に増配する。株価は、今年２月の前期業績、５月の今中間期業績、６－７月の今期通期単独・連結業績と上方修正が相次ぎ、２２６５円安値から４５０円高した。スピード調整で再騰エネルギーを溜め込もう。

□国際帝石<1605>は業績増額も米株安で利益確定売りが交錯し反落
国際石油帝石ホールディングスは、４万円安の１０５円で寄り付き３日ぶりに反落し、安値後はやや下げ渋りとなっている。前日の第１四半期（１Ｑ）決算開示に合わせて９月中間期・３月通期業績の上方修正を発表、減益幅を縮めたが、前日取引時間中に明らかにしたＬＮＧ受入基地建設の検討開始で続伸していただけに利益確定売りが交錯、９日の米国市場の株価急反落や原油先物（ＷＴＩ）価格が、０．５６ドル安の１バーレル＝７１．５９ドルと続落したこともアゲインストになっている。上方修正のうち通期業績は、売り上げが期初予想を１５２０億円、経常利益が１０９０億円、純利益が２４０億円それぞれ引き上げられ、純利益は１２００億円（前期比２７％減）と減益率を縮小する。原油価格（ブレント）を期初に通期で１バーレル＝５５ドル、為替レートを１ドル＝１１０円と想定していたのをそれぞれ第２四半期７０ドル、１１５円、下期平均６０ドル、１１５円と見直した原油価格の上昇が業績を押し上げる。同社の前期業績は、昨年８月の１Ｑ決算発表以来、決算発表のたびに合計４回も上方修正され、今期業績を減益と予想したにもかかわらず原油価格高騰、海外探鉱の拡大とともに株高が続き、７月に上場来高値１３０万円まで買われた。依然として原油価格動向で一喜一憂が続こう。

△タカギセイコー<4242>は業績増額で直近ＩＰＯ人気高まり５連騰
タカギセイコーは、２２円高の５９２円と変わらずを含み５日続伸となっている。前日の第１四半期決算の開示に合わせて、今９月中間期・３月通期業績の上方修正を発表、減益予想が増益転換するとして直近ＩＰＯ（新規株式公開）株人気を高めている。同社は、今年６月８日に公開価格６００円で新規上場され、６１９円で初値をつけたあと６３１円まで買われたが、その後は調整一方で公開価格割れで推移してきた。上方修正は、この上場時の予想を増額したもので、うち通期は売り上げが２９億３００万円、経常利益が４億５７００万円、純利益が３億１６００万円各上ぶれ修正され、純利益は１１億７４００万円（前期比１５％増）と増益転換し前期に続く過去最高となる。ホンダ、スズキ向け主力の自動車や携帯電話などの通信機器向けのプラスチック成形部品メーカーとして、国内通信機器向け受注機種や受注数量の伸びにより、海外子会社の車両部品の新機種立ち上げ負担を吸収し増額修正された。株価は、公開価格クリアが至上命題となっており、ＰＥＲ６倍台、ＰＢＲ０．８倍の割り負け訂正に走ろう。

△マブチ<6502>は業績上方修正と再増配の相乗効果で続急伸
マブチモーターは、寄り付きの買い気配から３１０円高の７５７０円まで買い上げられ続急伸している。前日に２００７年６月中間期・１２月通期の業績上方修正と再増配を発表、期初の減益予想が増益にプラス転換することも手伝い歓迎する買い物が先行している。業績の上方修正は、プロダクトミックス改善や想定を上回る円安進行で自動車電装機器市場などすべての用途市場で、販売数量が期初予想１．９％、販売金額が７．６％上回り、原価・経費が想定運用内で推移する一方、受取利息などの財務運用益や為替差益が重なることが要因となっている。中間期の為替レートは、期初予想の１ドル＝１１５円から１２０．１５円、下期は１１７円を想定している。通期業績は、売り上げが期初予想を６０億円、経常利益が２６億円、純利益が２０億円各アップされ、純利益は１２０億円（前期比１３％増）と増益転換する。配当は、６月２９日に期初予想の年間１１０円から１１２円に増配されているが、さらに中間期６１円、期末６２円の１２３円（前期実績１１４円）に再増配される。株価は、５月に１５０万株、１００億円を上限とする自己株式取得を発表したことを手掛かりに年初来高値７８８０円まで８００円高したがほぼ往って来いとなっいた。株不足が続く信用好需給も支援材料に再トライが予想される。

△玉井商船<9127>は急続伸、業績増額が低位値ごろ株買い誘発
玉井商船は、２０円高の３４１円と急続伸している。前日の第１四半期（１Ｑ）決算とともに発表した今９月中間期・３月通期業績の上方修正が、低位値ごろの超割安株買いを誘発している。同社の１Ｑ業績は、前年同期比２４％増収、４．０倍経常増益、２．１倍純益増益となった。外航不定期船市況が、高水準で推移し穀物運賃も大幅に上昇、円安恩恵も加わり大幅増益となった。この活況は、第２四半期以降も継続し中国、インドなどを中心に海上輸送需要が活発化し市況も強含みで推移するとして中間期・通期業績を上方修正した。このうち通期は、売り上げを５億円、経常利益を４億３０００万円、純利益を２億６０００万円引き上げ、純利益は８億２０００万円（前期比２．２倍）と増益率を伸ばす。株価は、今期業績の大幅増益転換予想と海運株人気の波及で４月の１９６円安値から３９３円高値まで倍化し、３００円台固めの調整場面となっている。大証２部株特有の逆行高特性を発揮し、ＰＥＲ７倍台の超割安訂正で再度の急伸は有力となる。

△アルプス技研<4641>は今度は通期業績増額に増配加わり逆行高
アルプス技研は、寄り付きの買い物から３６円高の１４８８円と続伸し、米国ＮＹダウ大幅安による全般市場急反落に逆行高している。前日の６月中間期決算の開示に合わせて、今度は１２月通期業績の上方修正と期末配当の増配を発表、低ＰＥＲ株買いが拡大している。同社の中間期業績は、今年７月３０日に上方修正されたが、その増額値を若干上ぶれ前年同期比６％増収、７４％経常増益、７．４倍純益増益と大きく伸びた。技術者派遣のアウトソーシング事業が、半導体を中心に通信、携帯電話、ソフト開発向けに続伸し、台湾で製造設備ラインの据付工事を行っている子会社の売り上げが急増したことも寄与した。通期業績は、今年４月入社の新卒者２２９名の早期稼働などから上方修正された。売り上げは期初予想を４億円下回るが、経常利益は２億５０００万円、純利益は２億９０００万円上回り、純利益は１２億５０００万円（前期比３．０倍）と２期ぶり過去最高更新の更新幅を拡大する。期末配当は期初予想の２８円から４１円に引き上げ、中間期配当１５円と合わせて年間５６円（前期実績４０円）に増配する。株価は、年初の前期業績の下方修正の影響が長引き１３００円台固めで推移し、７月の中間期業績増額で１４００円台へ浮上した。ＰＥＲ１３倍台、配当利回り３．７％の割安訂正に勢いを増そう。

▼ＪＴ<2914>は増益転換の業績増額も米国株急落が響き続落
日本たばこ産業は、１万１０００円高の５９万１０００円まで売られ続落して始まっている。前日に今３月期第１四半期（１Ｑ）決算と同時に、３月通期業績の上方修正を発表、８月８日の上方修正観測値は下回ったものの、期初の減益予想が増益にプラス転換したが、サブプライムローンの焦げ付き問題が、欧州金融機関に波及して、９日の米国ＮＹダウが３８７ドル１８セント安の１万３２７０ドル６８セントと今年２番目の下げ幅となったことが響き売り先行となっている。同社の業績上方修正は、今年４月１８日に買収を完了した英たばこ大手ガラハーの寄与分が反映されたことによる。この寄与がない１Ｑ業績は、減収減益着地となったが、通期は売り上げが期初予想を１兆５２００万円、経常利益が１０００億円、純利益が７００億円それぞれアップされ、純利益は２５６０億円（前期比２１％増）と増益転換し前期の過去最高を更新する。前提のたばこ販売本数は、国内は１６８０億本と横ばいだが、海外がガラハー上乗せで２５８０億本から３８００億本に増え、為替レートも１ドル＝１１５円から１２０円へ円安に変更した。約２兆２０００億円に達したガラハー買収が、早くも業績に反映されたことになる。株価は、業績増額が観測された８日は売り買いが交錯しこの日も売り先行となっているが、拮抗している信用好取組などもサポート材料にディフェンシブ株人気の再燃も想定範囲内となろう。
（東洋経済新報社）

▼ニッパツ<5991>が０５年以来の９００円割れ、第１四半期連結純利益は１７％減
ニッパツが急反落。一時１３７円安の８８８円まで売られ、連日の年初来安値更新。９００円割れは０５年１０月以来同社は９日引け後に今０８年３月期の第１四半期連結決算を発表。設備投資負担の増加から減益となり、嫌気されている。純利益は前年同期比１７．９％減の２８億９１００万円となった。９月中間期、通期見通しは従来予想を変えていない。連結純利益予想は、中間期８０億円（前年同期比１２．７％増）、通期１９０億円（前期比１９．３％増）。

△スカイマーク<9204>が高い、為替差益などを計上し第１四半期利益予想を上方修正
割安運賃で航空会社を運営するスカイマークが軟地合いのなか逆行高。一時３６円高の３４９円まで買われている。同社は９日、今０８年３月期（非連結）の第１四半期利益予想の上方修正を発表。第１四半期経常損益を従来計画の６９００万円の黒字→３億７９００万円の黒字（前年同期は３４億８２００万円の赤字）に増額修正した。円安進行でドル資産の長期預け金などの為替差益を計上した。第１四半期決算発表は１４日を予定している。また、新路線「羽田―旭川線」の就航および「羽田―那覇線」の増便を表明。「羽田―旭川線」は０８年春季の就航を見込み、「羽田 ―那覇線」は１１月運航ダイヤから１往復増便させる。同社は、「両便とも観光需要が強い。特に他社の運賃が高い旭川線に割安な値段で新規参入する意味は大きい。価格は千歳線（ピーク時の８月で２万１０００円程度、競合他社は約３万８３００円）に２０００円ぐらいプラスした値段を考えている」（経営企画室）という。

△玉井商<9127>が逆行高、今期の業績予想を上方修正、ＰＥＲ７倍台も妙味
玉井商船が軟地合いのなか出来高を増大して続伸。２０円高の３４１円まで買い進まれ、６月５日に付けた年初来高値３９３円を目指す動きをみせている。今０８年３月期第１四半期決算の実績をみて通期業績予想の上方修正に進んだことが評価されている。ＰＥＲも７倍台にとどまっているだけに注目したい。同社は日本軽金属 <5701> のボーキサイトや穀物輸送中心の海運会社。このため外航不定期船市況が高水準で推移したことを受けて穀物運賃が上昇、為替が円安で推移したこともあって第１四半期連結決算では前年同期比３．６倍の営業増益、４．１倍の経常増益を確保した。同社では「第２四半期以降も中国・インドを中心に海上輸送が活発で、ドライバルク市況も当初の想定より強含みで推移する見通し。さらに国内海上輸送も活発」としており、９月中間期連結経常利益を６億７０００万円（従来予想比３４．０％増、前年同期比３．９倍）、純利益を３億８０００万円（同４６．２％増、同３．２倍）に修正。通期の連結経常利益を１４億円（従来予想比４４．３％増、前期比２．４倍）、純利益も８億２０００万円（同４６．４％増、同２．３倍）に修正している。この場合の１株利益は４３．６７円（前期１９．４５円）に向上することになる。
（株式新聞ダイジェスト）

△ＧＤＯ<3319>が大幅続伸、ゴルフ場予約が好調
ゴルフダイジェスト・オンラインが大幅続伸している。前日発表の今６月中間決算（非連結）は、売上高が４１億２０００万円（前年同期比１２．７％増）、経常利益が２億円（前年同期は４６００万円の赤字）となり、期初予想を上回った。全国のゴルフ場をネット予約できる「ＧＤＯクラブ」会員数が６月末時点で１０９万人を超え、顧客の囲い込みやアマチュア選手権開催の効果で、ゴルフ場向けサービス事業の収益が大幅に増えた。５月、６月の送客人数は２ヶ月連続で単月過去最高の２０万人超だった。通期は売上高９０億円（前期比１２％増）、経常利益２億５０００万円（同７．５倍）を計画している。

△好取組銘柄の新高値目立つ
新高値に進んでいる銘柄には信用の好取組銘柄が多い。アリアケ<2815>（９日速報ベースの日証金貸借倍率０．０６倍）、リンナイ<5947>（０．０３倍）、三浦工<6005>（０．１１倍）、ヒロセ電<6806>（０．０３倍）、シスメックス<6869>（０．０６倍）などがある。

△東建物<8815>、東急不<8804>が高い、ＣＳが格上げ
東急不動産、東京建物が高い。クレディスイス証券が両社の投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」に引き上げていることが手がかり。理由についてリポートでは「前日発表の国内銀行の不動産業向け貸付残高の伸びが減速しておらず、不動産セクターへの資金流入に変化が出ていないことが確認できたため」などとしていた。三井不動産　<8801>　、三菱地所　<8802>　を「アンダーパフォーム」から「ニュートラル」にしている。

▼銀行株が安い
みずほフィナンシャルグループ<8411>を始めとした大手銀行株が安い。みずほＦＧは３日ぶりの反落となっている。銀行株はこの一両日は押し目買いが入っていたが、サブプライムローン問題が欧州にも飛び火したことで、邦銀の先行きにも再度不透明感が浮上しているという。市場では「各行がサブプライムについて、自主的にディスクローズ（情報開示）することが求められている」（外資系証券）との声も聞かれている。

▼ＳＱ値は１万６６６９円＝市場推計
市場関係者によると、オプションＳＱ（特別清算指数）の清算値は１万６６６９円２５銭（前日比５０１円３３銭安）となった。正式には引け後に大証から発表される。ＳＱに絡む出来高は約１億９０００万株、売買代金ベースでは３５００億円と推計されている。
（ラジオNIKKEI）

△ＢＭＬ<4694>が逆行高
ＢＭＬが１７７０円は１４２円高と大幅続伸、全般急落の中、逆行高となっている。主力の臨床検査受託の堅調や電子カルテの好伸長から、今３月期５０％連結経常増益予想を見直す動きがある。ディフェンシブ銘柄の一角として評価する向きもある。

△ＨＯＹＡ<7741>がしっかり
ＨＯＹＡがしっかり。０８年３月期の連結営業利益が１２００億円程度（前期比１２％増）になる見通しと一部で報じられたことが手がかり。

△チムニー<3362>　０７年１２月期業績予想を上方修正、増配へ
チムニーは０７年１２月期の業績予想について、売上高は３４０億円と前回発表の数値を変更しなかったが、経常利益２８５億円（前回発表２７０億円）、純利益１４億２５００万円（同１３億５０００万円）と上方修正した。今中間期の売り上げが順調に推移したことに加え、新規出店計画のうち直営店６店舗を下期に移行させたことにより出店費用計上が少なかった事等がその要因。これらの状況を踏まえ、中間配当及び期末配当をそれぞれ１株につき５円から７円と増配するとことを決議した。

▼大日本スクリーン<7735>が売られる
大日本スクリーンが売られている。４―６月期の連結経常利益が４３億円（前年同期比４３％減）と不振だったことが嫌気されている。

▼テイクアンドギヴニーズ<4331>が一時ストップ安
テイクアンドギヴニーズが一時ストップ安。４―６月期の連結最終損益が５億円の赤字となったことが響いている。

▼オリックス<8591>がストップ安
オリックスがストップ安。４―６月期の連結純利益が４５７億円（前年同期比３％減）となったことが嫌気されている。

△マクドナルド<2702>　７月度月間客数記録を更新。全店売上高も７か月連続で過去最高を更新。期間限定商品「メガマック」を再投入など諸施策が効果。

△田淵電機<6624>　ＴＤＫ<6762>傘下入りの評価これからと。任天堂<7974>関連でもあり押し目に妙味。

△Ｄアーツ<2326>　続伸で９万円台に戻すも評価不足。ネットの有害情報閲覧防止ソフト最大手。

△小田急<9007>など電鉄株が高い
全般安のなか東京急行電鉄<9005>、小田急電鉄など首都圏が地盤の電鉄会社が高い。調整色を強めていたが、不動産事業が好調に推移していることをきっかけに見直し買いが入っている。
（株式市場新聞）

▼ＩＲＩユビテック<6662>がストップ安、前期減益を嫌気し上場来安値を更新
ＩＲＩユビテックが、３万円安の１４万３０００円とストップ安し５月２４日につけた上場来安値を更新している。前日、２００７年６月期決算と０８年６月期業績予想を発表、前期純利益が前年比２８．８％減となったことを嫌気して失望売りが膨らんでいる。

▼インテックＨＤ<3819>が急落し上場来安値を更新
インテックホールディングスが、２４４円安の１４１０円と急落し４月２３日につけた上場来安値１４５１円を更新している。前日、第１四半期決算と中間期業績予想を発表、中間期赤字転落見通しを嫌気した失望売りが膨らんでいる。中間期最終損益は２１億円の黒字予想から２５億円の赤字に修正した。連結子会社のインテックリースを今期末までに清算、事業整理損を計上するためとしている。

△近鉄エクスプレス<9375>は３日ぶりに反発、目先乱高下の動き
近鉄エクスプレスが、２００円高の４６９０円と３日ぶりに反発している。７日に日本通運<9062>と提携検討と報じられ、同日に４７７０円まで買われたが７月２３日につけた上場来高値４８３０円を抜けなかった。８日に発表された第１四半期決算は純利益が前年同期比４４．５％増と好調だったが材料出尽し感から、９日に４２２０円まで下落する場面もあったが、本日は信用取組倍率０．４４倍と好需給となっていることから買い戻しを狙った買い仕掛け的な動きとなったようだ。目先乱高下する動きが続きそうだ。

▼マツダ<7261>が５日続落し年初来安値を更新、米フォード関係を継続も
マツダが、１２円安の５９８円と５日続落、一時１８円安の５９２円まで下落し４月２６日につけた年初来安値５９５円を更新している。米フォード・モーターのアラン・ムラーリー社長兼最高経営責任者（ＣＥＯ）は８日、出資先のマツダについて「関係を継続する」と述べたと日本経済新聞社が報じたが、株価は下げに転じている。７月３１日に発表された第１四半期決算は、営業利益が前年同期比９．０％増を受け、戻る動きも見せたが、需給面の悪さから戻り売りを鮮明にしている。本年２月上旬まで８００円を挟んで高値圏での

△ファーストリテイリング<9983>が３日続伸、バーニーズ・ニューヨークの買収断念
ファーストリテイリングが、２００円高の７３９０円と３日続伸となっている。同社が９日、米高級衣料品専門店バーニーズ・ニューヨークの買収について、再申し込みを辞退すると発表したことを好感した買いが入っている。買収に対して懐疑的な見方が大勢を占めていたようだ。日本企業の買収は、今まで高値掴みとなるケースと見られがち。それが回避されたというだけでも買い材料となっている。

△東芝<6502>が下げ渋る動き、カザフスタンのウラン鉱山権益を取得
東芝が、８円安の１１１８円と小反落している。朝の寄り付きは、２０円安の１１０６円で始まったが下げ渋る動きになっている。同社がカザフスタンのウラン鉱山権益を取得することが９日、明らかになったと日本経済新聞が報じている。５５％分を保有する丸紅<8002>から２２．５％の譲渡を受ける。月内に合意の見通しで、取得額は数１００億円規模のもようとしている。株価は、三角保ち合いを形成し煮詰まり感も出てきており、同社の動きに注目が集まろう。

△リンナイ<5947>が４日続伸し連日の上場来高値、信用取組をはやす動き
リンナイが、１５０円高の４４２０円と前日と変わらずを挟んで４日続伸し連日の上場来高値更新となっている。同社の信用取組倍率は０．０６倍と極端な売り長。前日から、信用取組倍率が売り長になっている好需給銘柄を物色する動きが鮮明になっている。７月３日財務省受付の大量保有報告書で、フィデリティ投信が３０４万６００株　（５．６１％）取得していることに加え、本日午後３時に発表が予定されている第１四半期決算に期待する動きもあるようだ。
（証券日刊新聞）

□関西ペイント<4613> 第一四半期業績
関西ペイントは、2007年6月連結第一四半期業績を発表した。売上高607億円（前年同期比13.4％増）、経常利益56億円（同5.1％増）、当期純利益32億円（同22％増）。通期業績予想は、当期純利益155億円で従来予想を据え置した。市場予想は、クイックコンセンサスで150億円。

▼大東紡<3202> 第一四半期業績 赤字に
大東紡2007年6月連結第一四半期業績を発表した。売上高27億円（前年同期比11.7％減）、経常利益0.63億円赤字（同0.06億円黒字）、当期純利益1.14億円赤字（同1.42億円黒字）。通期業績予想は、当期純利益1.6億円で従来予想を据え置した。

□トランスコスモ<9715> 第一四半期業績
トランスコスモは、2007年6月連結第一四半期業績を発表した。売上高382億円（前年同期比27.2％増）、経常利益13.32億円（同1.15億円赤字）、当期純利益6.38億円（同13.4％増）。通期業績予想は、当期純利益30億円（同59.3％減）と従来予想を据え置した。市場予想は、クイックコンセンサスで32億円。

△東洋ゴム<5105> 上方修正
東洋ゴムは、2007年9月中間連結予想を発表した。主として、為替が想定より円安に推移していること及びコスト改善効果により、上方修正となった。売上高1720億円（前予想1640億円）、経常利益49億円（同19億円）、当期純利益39億円（同4億円）。

△ＢＳＰ<3800>第一四半期　増収増益
ビーエスピーの第一四半期連結は、売上高14億8400万円（前年同期比16.4％増）、経常利益6億9600万円（同7.1％増）、純利益3億9200万円（同12.0％増）となった。通期予想には売上高44億円（前期比10.9％増）、経常利益6億6600万円（同40.5％減）、純利益3億7400万円（同34.3％減）を見込む。第二、第三四半期に開発投資など費用増を計画していることなどから期初予想を据え置いている。
（証券新報）

△ネクスト<2120>が賞金１００万円のコンテスト　大学・専門校生を対象
住宅・不動産情報サイト運営のネクスト（東京都中央区）は９日、大学生と専門学校生を対象にした、インターネット・マーケティングに関するビジネスコンテスト「Ｓｗｉｔｃｈ２００７」を開催すると発表した。課題は「新しいポータルサイトの企画」で、５００字以上で応募。審査通過者３０人は、５人１組でチームを組んで実現プランづくりに取り組む。決勝プレゼンテーションは１１月１８日に予定されている。賞金総額は１００万円。発想を同社のサービスに実際に取り入れる場合もあるという。応募締め切りは９月９日。コンテストのホームページは、ｗｗｗ．ｂｉｚｇｐ．ｊｐ／ｓｗｉｔｃｈ／

△「ファンドが改革後押し」　キトー<6409>　東証１部再上場
米大手投資ファンド、カーライル・グループ傘下の工場用クレーン大手、キトー（山梨県昭和町）が９日、東京証券取引所第１部に上場した。経営悪化によりカーライルに買収され、２００３年１０月にジャスダックを上場廃止となっており、再上場となる。カーライルにとっても、企業再生で上場までこぎ着けた初めての案件となる。同日、東証で記者会見したキトーの鬼頭芳雄社長は「７０年以上の歴史があり、しがらみや固定観念があったが、ファンドという客観的な視点を導入したことで断ち切れた」と述べ、ファンドの支援が改革を後押ししたことを強調した。また、「改革には株主の了解を得なければならないものも多くあったが、非上場化したことでスピードを速めることができた」と指摘。「協議するまで、（ファンドを）ネガティブにみていたが、価値観を理解し大事にしてくれた」と述べ、友好的な関係を強調した。上場記念式典に出席したカーライル・グループの山田和広マネージングディレクターも「上場で、中長期的に企業価値を高めていくファンドだということを証明できた。ファンドへの理解が広まってくれればいい」と述べ、逆風が強まっている投資ファンドに対する見方が変化することに期待を示した。上場では、公募増資は行わず、約７５％を保有するカーライルグループが追加売り出し分の５・３８％を含めて３７・５％売り出した。初日の取引では売り出し価格の４０万円を１９％下回る３２万６０００円の初値を付け、終値は２９万９０００円で引けた。鬼頭社長は「苦しいスタートとなったが、強固な経営基盤を理解いただき株主の期待に応えていきたい」と話した。キトーはバブル期の不動産投資の失敗などで経営が悪化。カーライル傘下で生産効率の改善や海外市場開拓に取り組み、買収以前に比べ、売上高で約５割増、営業利益で４倍強に業績が急回復した。一方、カーライルは、運用総額は約７１０億ドル（約８・５兆円）で世界トップ３に入る大手投資ファンド。００年に日本に進出し、旧ＤＤＩポケット（現ウィルコム）買収や東芝セラミックスのＭＢＯ（経営陣による自社買収）などの実績がある。

△東海道新幹線　需要先取り軌道　きょう最多３７２本
ＪＲ東海<9022>は１０日、東海道新幹線を１日の運転本数としては、愛知万博が開催された２００５年８月１２日の３６６本を上回り過去最多となる３７２本（定期２８８本、臨時８４本）運転する。お盆休みの帰省客と好調が続くビジネス需要が重なった。０６年度の輸送人員は、前年度比１・６％増の１億４５００万人と３年連続で過去最高を更新。今年度は約４％増となりそうだ。東海道新幹線の好調の背景には、需要に応じた柔軟なダイヤ設定がある。過去のデータを基に曜日配列の変化やイベントなどの特殊要素、最近の動向を加味し、高い需要が見込める時間に臨時列車を設定。１年を通じて同じダイヤで運転する日はほぼない。新幹線鉄道事業本部運輸営業部輸送課の小島泰昌担当課長は、「空席表示画面に、座席に余裕があることを示す『○』マークが常に並ぶよう輸送力の設定を行っている」と話す。完売を示す「×」は「お客さまを行列させて待たせている商店と同じ」（小島課長）だ。混雑状況にあぐらをかき、輸送能力を増強せずに利用しづらい状況が続けば、乗客を別の移動手段へ流出させてしまう。７日正午。１２時１３分発のぞみ２７号博多行きの普通禁煙車に、満席を示す「×」が表示された。「１２時３分発と１２時２０分発の列車は『○』のまま。この２本は２７号の混雑を見越して設定した臨時列車。定期列車であふれたお客さまを臨時列車でしっかりカバーしている」と、小川課長は表示機を示しながら説明する。各時間帯の臨時列車の運転本数決定後も、常に２、３週間先の販売状況を注視。想定以上の需要があれば売り切れ前に、さらに臨時列車を設定する。輸送計画は、乗務員や車両の運用など他部門との連携が欠かせない。「毎日違うダイヤを設定することはかなりの大技。社内の風通しがよくないとできない」という。どうしても混雑が避けられない課題の時間帯は金曜の夕方だ。１時間に最大８本ののぞみを運転するが、１２年に新大阪駅に新しいホームが完成すればさらに輸送基盤が増強され、１時間に最大１０本を運転できるようになり、この混雑も解消されるという。

△ゲームで学べる損保　三井住友海上<8752>が就職イベント
三井住友海上火災保険は、来年に就職活動を迎える大学３年生らを対象に損害保険事業をゲームを使って分かりやすく説明する就職イベントを１３日から開催する。参加人数は約１７００人を予定しており、損保事業に対する興味を持ってもらうことが狙い。１３日から９月中旬まで東京と大阪で開催予定で、各回とも参加者は６０人程度。損保について学べるボードゲームを使ったプログラムで、進行役は同社の企業営業部門の若手社員が担当する。コースは１日と２日間の２コースがあり、２日間コースではボードゲームに加え、同社の人事担当者による模擬面接など就職活動に挑戦する学生に実践的なアドバイスも提供する。
（FujiSankei Business i）