京阪地方にはかつて２月３日の節分の日に「おばけ」と呼ばれる風習が
ありました。男性は女装し、女性は男装する。あるいはお年寄りが振り袖を
着ると言った具合に普段しない格好をします。

　昔は立春から年が明けると言われ、節分は大晦日のようなもの。

年が変わると恵方も変わるというので、神様の大移動があります。
この隙を狙って鬼（厄）が現れるので自分に憑かないように変装して
鬼を化かします。

これが「おばけ」です。かつては町衆の間で見られた文化でしたが、
６０年ほど前から急速にすたれてしまいました。
要は戦前にはあった文化が、戦後、急速に廃れたっていうのが現状なのですが････

　花街にのみこの文化が残り、今でも２月３日にはお茶屋さんでは芸妓さん達の
仮装が見られるそうですが、一般にはほとんど知られてはいません。
まぁ～一般には余り知られていないのは当然ですが･･･
一般の人は、お茶屋遊びなんてしませんものねぇ～･･･

･･･ですが、実は花街だけではなく、関西では倶楽部やラウンジ等の呑み屋さんでも
今だこの風習は残っています。

まぁ～この日の為の衣装代等は基本、お客さん持ちなのですが･････

　今では滅多に見かけなくなりましたが、この衣装が着物の場合、
お披露目するのが、この２月３日になる事があるのですが、
この着物の"仕付け糸"を抜くのに祝儀を渡す"粋"な風習がありました。

勿論、スポンサーが最後に左袖の"仕付け糸"を抜くのですが、
ほかのお客も"仕付け糸"を抜いて御祝儀を渡します。
ここで別のお客が左袖の"仕付け糸"を抜くのは超タブーというか、
大恥を掻くこととなりますので気を付けて･････

　ただ、御祝儀を渡すのも流儀がありまして、後ろの襟首の処へサッと入れます。
これは"お年玉"でもそうします。
そして、着物を脱いだときに祝儀袋がドサッ！と床に落ちる･･･って寸法です。

今では、こんな"粋"な風習(遊び)を知っている遊び人が何人いることやら･････

ちなみにワタシは毎度、裾(スソ)の"仕付け糸"を狙って抜くのですが･････
だって艶っぽいでしょ！･･･って単なるスケベ心からですが･･･(笑
まぁ～この"お化け"も"粋"な風習(遊び)の一つです。

遊び人っていうのは、"顔"を売るのも一つですが、
"粋"を持ち合わせていなければ、単なる"金を使ってくれる客"でしかなく、
チンピラ扱い･･･というか成金扱いにしかされず、嘲笑されて悲しいモノです。

　遊び方や、呑み方っていうものは、
ちゃんと知っている人から学ばなければ絶対に"粋人"には成れません。

あぁ～･･･そうそう、"粋人"の上がまだありますので･････
"粋人"を卒業･･･超えると次は「数寄者（すきしゃ）」となり、
横道に逸れると「傾奇者・歌舞伎者（かぶきもの）」と成ります。
本来「傾奇者」とは、"粋"を理解した上で傾（かぶ）れる者を指します。

隆慶一郎 作の歴史小説「一夢庵風流記」を原作としている
人気漫画『花の慶次』原哲夫 画を読めば、
本来の「傾奇者」や、本物の「粋人」が、どういう者なのか･････
･･･が、垣間見れると思います。

せっかく男に生まれて、遊ぶ余裕があるのだったら、チンピラ止まりにならず、
日本人であるならば"粋人"を学ばなければ損だと思うのですが･････

今では歳喰っているだけの「チンピラ」が大手を振って歩いていますが･････
こういう輩は"顔"を売っているのでは無く"恥"を売っているのですね！
だから、レベルに合わせた「取り巻き（女性）」しか周りにいないのですよ！

　ハッキリ言って"お水"の方々が、お客を教育しないのが一番悪いのですが、
逆に言うと、"お水"も客に合わせなければならない商売ですので、
それだけ"お客"のレベルが低くなったって事です。

ただ、このレベルが低くなったのは昨今では無く、ちょうどバブル時代の
'85～'90年代には既にレベルは下がっていました。

なので、今があるのは、その時代に遡(さかのぼ)る事になりますよねぇ～
ただ･･･流石に現在ほど酷（ひど）く醜（みにく）くはありませんが･････

･･･って事で、今では、"ママ"と呼ばれる方々でも"粋"な遊びを知っている方々は
非常に少ないのが現状です。情けないやら何とやら･････

ここでやはり輝くのが"大ママ"の存在なのですが、今ではほとんどの方が
引退してしまって･････

　"粋"という言葉が既に死語になっている昨今。
それが今の日本を象徴しているかのようでなりません。

金を湯水の如く使いさえすれば"粋"･･･って思っている連中の
多いこと多いこと･････金の使い方すら教えて貰えなかった境遇だったのですね♪
だから成金としか眺てくれないのですよ！

結局、心に余裕や艶やかな色彩が無いのですね･･･『余裕』が･････

金に幾ら余裕があっても心の余裕が無い･･･って、
これが１番、貧相で惨めなんですが、当の本人は全く気付きません。

そんなヤツに限って我が強く、窘（たしな）めてくれる人がいないんですよねぇ～
･･･で、知らず知らずの内に裸の王様になっているんです。

大阪市長の「橋下徹」を観れば良く解るじゃありませんか。

･･･で、大阪の北・南、そして祇園･･･等々･････
まぁ～ワタシは事情があって･･･っていうか、ワタシは身内では一番格下なので、
祇園は特に呑みに行きにくいのですが、
大阪北新地はまだ顔が刺しにくく、大阪南は小学生の頃からワタシの遊び場
だったので、庭みたいなモノなのですが、
現在、ドコの呑み屋街もイマイチな状況です。

ワタシはホステスさんに全く携帯番号を教えていませんので
掛かってくることも、メールが来ることも無いのですが、
数は少ないですが、店のオーナーや、古い大ママには教えています。
なのでタマに掛かってきた時は行くのですが本当に残念な状況です。

でもねぇ～･･･ワタシは思うんですよぉ～･････
ワタシはある時期からそんなにお金を使わない普通の客となりました。
･･･で、扱いも粗雑になりましたが、別に気にせずにボチボチではありますが
呑み屋街に通っているのですが、成金がホイホイいる時は
粗雑に扱い、今になってネコ撫で声で言われてもねぇ～･････

普通にコンスタントに来てくれる客を普段からちゃんと扱っていれば
今のような処までにはならなかったと思うよ。

まぁ～多くは語らないけれども、今頻繁に行ったらボッタクられそうで怖い･･･
･･･っていうのが本音な処です。