2024 11,22 18:02 |
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2013 01,05 17:00 |
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米国の崖をまた別の崖と交換した大統領 今週の財政を巡る「ミニ合意」についてせいぜい言えることは、これよりはるかにひどい事態になり得たということくらいだ。両者が立場を曲げなかったら、米国では今頃、景気後退入りの可能性が高まっていただろう。 結局、大きく割れた議会という政治的な現実から、包括的な取引は達成し得なかった。崖っぷちから落ちていたら、米国の信頼性を大きく損なうレベルの不確実性とともに新年が幕を開け、世界中の投資家が怯えることになったはずだ。 今回の合意でひとまず最悪の事態は避けられたが、その代償は、今から2カ月後に潜在的にもっと破壊的な対立の舞台を整えることだった。両者が3月にどんな合意をまとめられるか――まとめられると仮定しての話――を見て初めて、我々は今週のその場しのぎの合意の是非を判断できるのかもしれない。 興味のある方は、"つづきはこちらです"をクリック!
政治的な面を見ると、今週の平凡な取引で勝ったのはバラク・オバマ大統領の方だった。オバマ大統領を支持する左派の多くは、大統領があまりにあっさりと税率について折れ、増税対象となる最低限の年間世帯年収を、それまで訴えてきた25万ドルではなく45万ドルにすることに同意したと不満をこぼしている。 それはそうかもしれない。だが、大統領の譲歩は、10年間で予想される税収を推定8000億ドルから6000億ドルへとわずかに減らしただけだ。 それと引き換えに、大統領は共和党に、増税は承認しないという20年来のタブーを破ることを強いた。この党内の対立は共和党を分裂させる可能性を秘めている。 下院の共和党議員の3分の2近くがジョン・ベイナー下院議長と決別したという事実(造反者にはベイナー氏の右腕のエリック・キャンター氏も含まれる)は、共和党の名高い規律を台無しにした。オバマ大統領は今後数週間で、こうした分裂を利用するたくさんのチャンスを得るだろう。 世界が今週の合意の経済的インパクトを消化する中、真のニュースが出てくるのはこれからだ。 市場は当然ながら安堵し、世界中で株価が力強く上昇した。だが、ミニ合意はそれでも米国経済に国内総生産(GDP)比1.5%程度の財政引き締め効果をもたらす。その一部は富裕層向けの税率引き上げから来る。 だが大部分は、給与税の2%減税措置の失効を認めた決断から来るものだ。これにより、平均的な世帯の2013年の税負担はざっと1000ドル増える。米国の景気回復にとっては無用の負担だが、致命的ではない。 それよりずっと深刻なのは、3月1日に期日が訪れる歳出の「強制削減措置」と債務上限を巡る次の崖を取り巻く不確実性だ。オバマ大統領を批判する向きは、大統領は今週、交渉対象から債務上限を取り除く方法を見つけるべきだったと言う。だが、そうしていれば、合意そのものが台無しになっていたかもしれない。 結果的に我々は今、オバマ大統領が大規模な歳出削減策(強制削減措置が発動した場合に自動的にカットされるGDP比1%相当と同規模)に同意しない限り、割れた共和党が米国の国債デフォルトを脅しに使いかねない事態に直面している。 共和党が税に関してどれほど間違っていようとも、歳出削減を訴える点では正しい。膨れ上がる連邦予算の最大部分を占める各種給付制度については特にそうだ。 オバマ大統領は一貫して、債務上限について共和党と交渉する気はないと発言してきた。だが、大統領が債務上限引き上げを求める自身の要求を、並行して行われる強制削減措置を巡る交渉と切り離せるとは考えにくい。 共和党は、債務上限引き上げを承認する場合、引き上げ額1ドルに対して1ドルの歳出削減を要求している。一方のオバマ大統領は、歳出削減を行う場合は同額の新税とセットでなければならないと主張している。どうすれば、テクニカルな国債デフォルトを回避できるタイミングでこうした意見の対立を調整できるのか、果たしてできるのかどうかは、心配なほど不透明だ。 ■共和党を説得できるか? オバマ大統領は今後8週間で、国債デフォルトの引き金を引くのを避けるよう共和党を説得しなければならない。ベイナー下院議長の弱い立場を考えると、オバマ大統領は給付制度、特にメディケア(高齢者向け公的医療保険制度)と社会保障制度を改革する真剣な提案を行う必要がある。大統領自身が設けたボウルズ・シンプソン委員会が指摘したように、これは妥当なトレードオフだ。 米国はいずれにせよ、中期的な財政改革に向けて前進する必要がある。その代わり、オバマ大統領は、債務上限については立場を貫き、将来の歳出削減と増税は必ず、経済が完全に回復した後に実施されるようにしなければならない。
それでも対応が不十分な可能性もある。共和党は、今週の増税に対して復讐する決意のように見える。残念なことに、オバマ大統領には、共和党に分別をもって行動させる力はない。だが、それこそがまさに大統領が今試みなければならないことだ。それができないと、米国にとって真に悲惨な事態になる。
米国で今後予想される出来事が示唆されていますね。
ちなみに欧州では気候変動により、食糧価格が上昇しているようです。 PR |
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